三菱自動車:リンク集


技術倫理について書かれたHPがあります。三菱のブランドネームを掲げていても 三菱自動車の対応は大手企業としては恥ずかしい対応です。 国立大学を卒業しても、卒業の事実と倫理やモラルがあるかは関係のないことです。 日本の不祥事を起こしている企業を見れば技術倫理などないのでしょう。 トヨタでさえ、業績(合格者を増やす)のためには試験問題の漏えいが正当化される思う 従業員が存在するのです。 やはり、造船所だけの問題だけでなく 日本の企業モラル欠如病なのかもしれません。

クラッチ欠陥を放置、三菱の元役員4人全員に有罪判決 01/16/08(読売新聞)

 山口県で2002年、三菱自動車(本社・東京都港区)製の大型トラックが壁に衝突し、男性運転手(当時39歳)が死亡した事故で、クラッチ部品の欠陥を放置したとして業務上過失致死罪に問われた同社元社長河添(かわそえ)克彦被告(71)ら元役員4人の判決が16日、横浜地裁であった。

 鈴木秀行裁判長は「(リコールなど)改善措置を講じずに放置すれば、死傷事故が発生することを容易に予見できた。代表者としての自覚に欠けた無責任な態度」と指摘、河添被告に禁固3年、執行猶予5年(求刑・禁固3年)を言い渡したほか、他の3被告にも有罪判決を言い渡した。

 同社製大型車の欠陥を巡る3件の刑事事件で、トップの刑事責任を認めた判決は初めて。河添被告はクラッチ部品の欠陥自体は知らなかったが、判決は、多発していた不具合の精査を徹底させなかった過失を厳しく批判するなど、経営者としての責任を幅広くとらえる判断を示しており、メーカートップによる製品の安全管理のあり方に影響を与えそうだ。4被告とも、即日控訴した。

 河添被告以外への判決は、社内組織「三菱ふそうトラック・バスカンパニー」元社長・村田有造被告(70)が禁固3年、執行猶予5年(求刑・禁固3年)、三菱ふそうトラック・バス元会長・宇佐美隆被告(67)が禁固2年、執行猶予3年(同・禁固2年6月)、三菱自元執行役員・中神達郎被告(65)が禁固2年6月、執行猶予4年(同・禁固2年6月)。

 判決によると、河添被告は、三菱自で長年続けられたリコール隠しが発覚した2000年7月、運輸省(当時)から改善が必要な案件すべての報告を求められたにもかかわらず、社長として過去の不具合について部下に精査させることなどを怠った。村田被告らは、クラッチ部品の欠陥を知りながら、漫然と放置した。その結果、山口県熊毛町(現・周南市)で02年10月、クラッチ部品の破損でブレーキパイプが破断して制御不能になったトラックが地下道入り口の壁に衝突、鹿児島県の男性運転手が死亡した。

 鈴木裁判長は、欠陥隠しの背景として「経費節約とブランドイメージを守るため、リコール相当の不具合を運輸省に報告せず、安全上極めて不十分なヤミ改修を行っていた」と、三菱自の企業風土を批判した。

 河添被告についても「(同社の)長年の隠ぺい行為を熟知しており、厳しい経営環境の中、リコール隠し事件への対応を早く終わらせようと安易な犯行に及んだ」と指弾、「業務上の注意義務を怠り、(死傷事故の)結果回避義務を果たしていないのは明らか」と述べた。

朝日新聞(2007年12月15日)より

三菱自動車事故

隠蔽の社風が裁かれた

脱落タイヤで母子3人死傷、三菱自の元2幹部に有罪判決 12/13/07(読売新聞)

 横浜市瀬谷区で2002年、三菱自動車製の大型車から脱落したタイヤに直撃された母子3人が死傷した事故で、車軸とタイヤを結合する部品「ハブ」の欠陥を放置したとして、業務上過失致死傷罪に問われた同社元市場品質部長・村川洋(61)、元同部グループ長・三木広俊(59)両被告に対する判決が13日、横浜地裁であった。

 木口信之裁判長は、村川被告に禁固1年6月、執行猶予3年(求刑・禁固2年)、三木被告に禁固1年6月、執行猶予3年(同・禁固1年6月)を言い渡した。

 起訴状によると、リコールを担当する同社の品質保証部門にいた村川、三木両被告は1999年6月、広島県内で大型バスのハブが破断した事故について、原因調査を十分行わなかった。

 また、同社製トラックでのハブ破断が十数件発生していたにもかかわらず、運輸省(当時)には「他に同種不具合の発生はなく多発性はない」と虚偽報告し、欠陥を放置した。

 その結果、横浜市瀬谷区の県道で02年1月、大型トレーラーから外れたタイヤが、歩道を歩いていた主婦岡本紫穂さん(当時29歳)母子を直撃し、岡本さんが頭蓋(ずがい)骨骨折などで死亡、子供2人(当時4歳と1歳)が軽傷を負う事故が起きた。

 村川、三木両被告は、公判で「99年のバス事故当時、ハブの破断は整備不良などが原因とされており、事故は予見できなかった」と、無罪を主張していた。

国土交通省が三菱自動車に業務改善指示、「リコール遅すぎる」 07/19/07(産経新聞)

 国土交通省は19日、車両火災を起こしたのに、リコール(無料の回収、修理)に約4年かかったことはリコール制度の趣旨に反するとして、三菱自動車工業(東京)にリコール対策室長名で業務改善指示を出した。

 同社は同日、エアコンの部品の不具合で車両火災が起きるおそれがあるとして、軽自動車「eK−WAGON」「ミニカ」「トッポBJ」の3車種約24万1775台のリコールを国交省に届けた。

 届けによると、エンジン内の最前部にあるポリウレタン製のエアコン部品の一部が走行中にはがれ落ち、エンジンの排気管に触れて火災になるおそれがある。

 同社は平成15年9月、静岡県熱海市でeK−WAGONのフロントグリルが焼ける火災があったのに対応策を取らず、昨年9月、広島県でeK−WAGONを車庫に止めて約5分後に出火し、フロントグリルが焼ける火災を起こすまでの間、6件の火災が起きていた。またフロントグリルが溶けるトラブルも33件あった。けが人はなかった。

 三菱自動車は平成14年10月、フロントグリルが焼ける可能性があるとして、エアコン部品を改修するキャンペーンを行っており、対応していたとしているが、同省は「最初の火災の発生から約4年後のリコールは遅すぎる」として、業務改善指示を出した。

 三菱自工は平成16年に大型トラックのリコールを巡り虚偽報告があったとして、国交省に警告処分を受けている。

三菱車の部品欠陥、元社長ら4被告に禁固2年半〜3年求刑 04/25/07(読売新聞)

 山口県で2002年10月、トラック運転手(当時39歳)が死亡した事故で、三菱自動車製大型車にクラッチ部品の欠陥があったのに放置したとして、業務上過失致死罪に問われた同社元社長・河添克彦被告(70)ら元役員4人の論告求刑が25日、横浜地裁(鈴木秀行裁判長)であった。

 検察側は「自動車メーカーに対する信頼を裏切り、リコール制度をないがしろにした」として、河添被告と社内組織「三菱ふそうトラック・バスカンパニー」元社長・村田有造被告(69)にそれぞれ禁固3年、三菱ふそうトラック・バス元会長・宇佐美隆(66)、元執行役員中神達郎(64)の両被告にそれぞれ禁固2年6月を求刑した。

 論告によると、河添被告は00年7月、三菱自の「リコール隠し事件」が発覚し、運輸省(当時)から改善措置を講ずるべき案件の報告を求められたが、1998年3月以前の不具合情報は存在しないなどとうその報告をしてクラッチの欠陥を放置した。その結果、山口県でトラック運転手が死亡する事故を引き起こした。

 宇佐美被告らも、欠陥を知りながら、河添被告に改善措置を申し立てず、事故を防ぐ注意義務を怠った。

三菱ふそう:国交省に調査報告書 強度不足認めリコール 01/18/07(毎日新聞)

 三菱ふそうトラック・バス(川崎市幸区)の大型トラックの前輪ハブに亀裂が相次いで見つかった問題で、同社は18日午前、「安全設計の想定が甘く、強度に欠陥があった」とする調査報告書を国土交通省に提出した。同社は、04年に25トントラックを中心に大規模リコールの対象となった約1万3000台を含めた計約5万6000台(90年11月〜05年9月製造)のリコール(回収・無償修理)を行う。ハブは、リコールの交換品として使われている改良型だったが、3年も経たないうちに評価見直しを迫られる事態となった。

 ハブは車軸とタイヤをつなぎ、破損するとタイヤ脱落につながる。問題の改良型ハブは、横浜市で起きた母子死傷事故をきっかけとした04年の約24万台のリコール時には「強度は確保されている」として交換品として使われていた。

 同社は改良型ハブの耐久性について、▽摩耗が0.8ミリ以下▽ナットの締め付け力が基準の1.6倍▽2割の過積載−−で100万キロの走行が可能としていた。

 しかし、昨年10月に鹿児島県で大型トラックの前輪の改良型ハブが破断し、タイヤが脱落する事故が発生。緊急調査で、他にも7台の改良型ハブで亀裂が見つかり、特にナットの締め過ぎがハブ亀裂に大きく影響することが分かった。

 119台のサンプリング調査でも、すべてが基準よりナットを締め過ぎており、1.6倍以内は4台だけだったことも判明。さらに摩耗に関しても、同社系列の4割の整備工場でまったく点検されていなかった。このため、大型車で負荷が掛かりやすい車種について「使用条件が違うと強度が不足する可能性がある」としてリコールを届けることを決めた。正式な届け出には3週間程度かかるという。

 ◇「甘さ」を反省

 会見した長谷川直哉副社長(品質保証本部長)は「前回のリコール時の対応で良くなったと考えていたが、仕事の進め方に甘さがあり、反省している」と述べた。利用者には「大変申し訳ない」と話した上で、「新たなハブは、(改良型の)約10倍の強度があり、十分だと考えている」と強調した。【長谷川豊】

 ◇解説…大規模リコール後も教訓生かせず

 04年に大規模リコールしたばかりの三菱ふそうトラック・バスが、リコールの対策品としていた改良型ハブも強度に欠陥があったことを認めた。前回リコール時のようなトラブルの隠ぺいはなく、発覚から短期間でのリコールを決めた。しかし、使用条件の想定を見誤ったうえ、系列の整備工場でも自らが決めた点検項目を見逃していた責任は重い。

 改良型ハブは04年当時、リコール対策品として慎重な検証が行われた。実車走行を繰り返し、国土交通省の助言を仰ぎながら、ハブを留めるナットの締め方などの基準を一定程度上回っても100万キロの走行が可能としていた。裏返せば、車検などで必要な項目を点検することが使用の前提条件だった。

 ところが、緊急調査で明らかになったのは、ナットを締め過ぎていた車が横行する現実だった。さらに、同社では多くの系列工場でハブの点検が正しく行われていないなど、前回リコールで問われた安全優先の教訓が生かされていなかった。整備・点検ミスは通常リコールとはならないが、使用の前提条件は崩れた。

 改良型ハブの活用を認め、立ち入り検査でも実態を見逃していた国交省のリコール行政にも課題は突きつけられた。担当者は「使用条件の想定を許した判断には甘さがあった」と認める。メーカーをいかに監視していくべきか、改めて検証が求められる。【長谷川豊】

中国新聞(2006年12月15日)より

三菱ふそう判決

責任が見えなくなった

朝日新聞(2006年12月14日)より

三菱自動車 「なぜ無罪」胸中複雑 社員「決着先延ばし」

リコール性悪説に転換

「検察側はこれが虚偽報告に当たると主張したが、判決は『報告要求は国交相がするものだが、 国交相が要求した事実や国交省職員が国交相の意思に基づくものと示して報告要求した事実は 認められない』として退けた。」

ようするに国交相は、三菱に報告を要求していないし、報告書を見る気もなかった。 法を改正するか、国交相に問題があると、虚偽報告を行っても問題ない。 法は法。悪法も法。タウンミーティングのやらせを行っても、処分できる法も無い。 しかし、いろいろな分野での法の改正も遅い。こんな日本は住みやすいのか??

この判決で納得が行かない人達は、三菱の車を買わない、三菱製を使わないことで 表現はできるだろう。買うか、使うかの判断は個人の判断。法には表現の自由を規制していない と思う(たぶん)。 「担当者は『リコール業務では、メーカー側の担当者と頻繁にやり取りを行う。その都度、 大臣の決裁をもらえということなのか。判決は現場の実態にそぐわないのではないか』と戸惑いと 反発の入り交じった反応を見せた。」

感情や常識でコメントしても仕方が無い。大臣の決裁が必要であれば、決裁を貰えばよい。 忙しいと大臣が言うのであれば、それは大臣の責任。今後、法や規則を改正すればよい。 それだけのことだ。そして、法や規則が時代遅れであれば、このようなケースが起こる事を 国交省は理解してさまざまなケースに対応すべきだ。 構造計算書偽造や民間の指定確認検査機関のずさんな検査 も対応や制度に問題があったからこそ、悪用された。性善説を前提とした対応はこれからの 時代には合っていないだろう。

三菱自欠陥隠し:改ざんの事実は認定 無罪判決の横浜簡裁 12/14/06(毎日新聞)

 三菱自動車(三菱ふそうトラック・バスに分社)製の大型車のタイヤ脱落事故をめぐり、道路運送車両法違反(虚偽報告)罪に問われた▽三菱ふそう元会長、宇佐美隆(66)▽三菱自元常務、花輪亮男(65)▽三菱自元執行役員、越川忠(64)の3被告と法人としての同社に無罪を言い渡した13日の横浜簡裁判決で、小島裕史裁判官は「(同罪成立の前提となる)国土交通相の報告要求がなかった」と理由を述べた。一方で三菱自の報告の一部に隠ぺいや改ざんがあった事実を認定した。

 被告側は「犯罪の要件を検討せず違法な逮捕に及んだ」と捜査当局を批判し、横浜地検は「予想外の判決」として控訴する方針。

 判決によると、02年1月に横浜市で起きた同社製大型車による母子3人死傷事故を受け、国交省リコール対策室の職員は事故原因となったハブ(車輪と車軸をつなぐ金属部品)の破損がリコールに該当するか、三菱自に電話で報告を要求。担当者らは過去のハブの不具合事例と摩耗量に関連が見られなかったのに「事故は整備不良による異常摩耗が原因だから、リコールしない。摩耗量0.8ミリ以上で交換すれば、十分なハブの耐久寿命を確保できる」と報告した。

 検察側はこれが虚偽報告に当たると主張したが、判決は「報告要求は国交相がするものだが、国交相が要求した事実や国交省職員が国交相の意思に基づくものと示して報告要求した事実は認められない」として退けた。

 一方で判決はこの報告の前に、三菱自の社員が越川被告の了解を得て、0.8ミリ未満の摩耗でハブが破損した9例の摩耗量の数値を書き換えるなどした表を国交省に提出したと認定。9例に極端な整備不良などを疑わせるデータはなかったと指摘し、被告側の「ハブ破損原因は当時ユーザーの整備不良と社内で信じられていた」との主張を否定した。【野口由紀、伊藤直孝】

 ◇データ改ざんに事実あえて指摘=解説

 横浜簡裁の判決は、道路運送車両法に定められた国土交通相による「報告要求」には、「外部的な通知書や告知」などが必要と判断。処罰を伴う行政命令の要件を、現在の実態より狭くとらえた。

 一連の三菱自動車の事件などを受けて、車のリコール件数は増加傾向にあり、国交省職員の電話やメールなどによる報告要求は実務上定着している。判決はこうした交通行政の流れに“逆行”した内容とも言え、「現場の実態にそぐわない」との声も同省内から上がる。検察側は控訴する方針で、無罪判決の可否は上級審に委ねられそうだ。

 一方で判決は、検察側の主張を門前払いはせず、三菱自による改ざんの事実をあえて指摘した。

 母子3人死傷事故では、公判中の業務上過失致死傷罪での逮捕、起訴に加え、この道路運送車両法違反罪事件で当時の同社幹部が逮捕、起訴される異例の展開を見せた。背景には「欠陥を会社ぐるみで隠していた三菱、幹部の責任を問わない限り、社会正義は全うされない」(当時の捜査幹部)という考えがあった。

 道路運送車両法は00年の同社のリコール隠し事件を機に厳罰化され、国交相にリコールの命令権が付与された。三菱自も一連のリコール隠しを「過去のうみを出し切れず、倫理意識の欠如した企業の風土があった」と振り返っている。

 だが、欠陥隠しがあったとされる事件以降も、同社から分社した三菱ふそうトラック・バスは国交省から警告1回と改善指示2回の行政指導を受けている。都合の悪いデータを改ざんしていた同社の行為を認定した判決には、安全を軽視した企業体質を問う意図もうかがえる。【野口由紀】

社説:三菱ふそう 虚偽報告無罪でも罪は残る 12/14/06(毎日新聞)

 タイヤ脱落事故が多発した三菱ふそうトラック・バス(当時は三菱自動車工業)のリコールをめぐる虚偽報告について、横浜簡易裁判所は元会長ら3被告と同社に無罪を言い渡した。

 判決に、多くの人はきょとんとしてしまうだろう。事実経過は以下のようなものだ。02年1月に横浜でふそうの大型けん引車の左前輪が脱輪し、母子3人が死傷した。国土交通省リコール対策室はふそうに、同様の不具合の発生について報告を求めた。

 ふそうは「フロントハブ亀裂破損商品情報連絡書」を提出した。連絡書では、前輪のハブの摩耗が0・8ミリ以上だと脱輪しやすいという勝手な基準を設定し、0・8ミリ未満なのに脱輪した9件のうち5件を削除し、0・4ミリだった1件は0・95ミリと改ざんし、残る3件の摩耗量は記載しなかった。

 国交省はリコールするのが適切ではないかと見解を求めたが、ふそうは「ハブの破損は整備上の問題」としてリコールを拒否し、摩耗量0・8ミリ以上のハブを無償交換するとの方針を伝えた。

 判決は、ふそうの報告や説明に対し、ハブの摩耗量と不具合事例はばらついていて規則性がない、問題の9件について原因は整備不良と疑わせるデータはない、他社の大型トラックでは前輪のハブ破損による脱輪は報告されていない、などと指摘した。事実上、ふそうの一連の報告、説明は虚偽と認定されている。

 にもかかわらず、道路運送車両法63条の4第1項に基づく虚偽報告については無罪とした。「虚偽報告で被告人らを処罰するには、その前提として、国土交通大臣からの(中略)特定の報告要求が存在しなければならない」が、リコール対策室からふそうへの報告要求は「国土交通大臣の名による報告を求めたものと認めるべき証拠は全くない」というのだ。

 検察は国家行政組織法、国土交通省設置法などで、所管としてリコール対策室にリコール関連業務が定められていると主張したが、退けられた。

 ふそうの隠ぺい体質、車両メーカーとしての社会的責任感の欠如を裁く場が、手続きの不適切を裁く場になってしまった。

 判決に違和感はぬぐえない。行政は日常的に所管の部署が運用している。他方、法に基づいて判断を下す裁判所が法を粗略に扱うことも許されない。そうした扱いは裁量行政を招きかねない。判決は、必要な手続きを怠った国交省を厳しく批判したとも解釈できる。

 ふそうをめぐっては新たに、系列整備工場の約4割が摩耗量を確認していなかったというずさんさが明らかになった。国交省は、今度こそ抜かりのない報告要求をすべきだろう。

 無罪判決とはいえ、ふそうが国交省に虚偽報告した事実は認定された。判決が、横浜の死傷事故と山口県の運転手死亡事故をめぐって業務上過失致死(傷)罪を問う、2件の裁判に影響を与えることもない。ふそうの罪が問われ続けていることに変わりはない。

三菱自欠陥隠し:なぜ無罪…死傷事故の遺族はぼうぜんと 12/14/06(毎日新聞)

 なぜ無罪なのか−−。最高刑が罰金20万円という改正前の道路運送車両法違反罪で三菱自動車元幹部が逮捕、起訴された横浜市の3人死傷事故をめぐる虚偽報告事件。初公判から2年3カ月を経た判決は「国の報告要求は存在しなかった」と起訴事実の根幹を否定した。一貫して無罪を主張してきた被告側は「当たり前の判決」と捜査批判を強め、傍聴席にいた死傷事故の遺族はぼうぜんとした表情でうつむいた。【池田知広、伊藤直孝、梅田麻衣子】

 「被告人はいずれも無罪」。13日午後1時15分、横浜地裁庁舎101号法廷。横浜簡裁の小島裕史裁判官が主文を言い渡すと、スーツ姿の3被告のうち、正面に立った三菱ふそうトラック・バス元会長、宇佐美隆被告(66)だけが裁判官に向かって一礼した。

 判決理由の朗読が始まると、宇佐美被告は被告席に深く腰をかけ、長かった裁判を振り返るように、ぎゅっと目をつぶった。三菱自元常務、花輪亮男(65)、同社元執行役員、越川忠(64)の両被告は身じろぎもせず、じっと前を見つめた。

 閉廷後は「法を的確に運用した裁判所に敬意を表する。我々を苦しめた警察、検察に猛省を求める」とコメント。記者会見した弁護団も「捜査に問題があった。初めからフレームが決まっていて、それにはめこむ形で取り調べたのでは」と強く捜査を批判した。

 一方、傍聴席には、02年1月の母子死傷事故で長女の岡本紫穂さん(当時29歳)を亡くした神奈川県大和市の会社員、増田陽子さん(57)がいた。「無罪」に衝撃を受け、持ってきた愛娘の遺影も出せなかった。「頭が真っ白になった。被告たちは悪びれた態度もない。国土交通省もなぜきちんとした手続きをしてくれなかったのか」。閉廷後、青ざめた顔にやり場のない怒りをあらわにした。

 岡本さんの事故では、当時の三菱自社員2人が業務上過失致死傷罪に問われている。増田さんはこの公判の傍聴は続けているが、虚偽報告の簡裁公判は42回目で初めて傍聴した。「幹部の顔を見たくない。だけど、子供のために判決だけは見届けようと思った」という。事故から間もなく丸5年。今でも車で現場付近を通ると、動悸(どうき)が激しくなる。

 判決後、増田さんは横浜市旭区にある岡本さんの墓前に報告に訪れた。「納得できない。『私は殺されたんじゃないの』と娘は思っているんじゃ」。娘の写真を握りしめて涙を浮かべ、小雨の降る中で手を合わせた。

 「何もしてやれなくてごめんね」

 ◇国交省は反発と戸惑い

 「メーカーへの報告要求は、国土交通相によるものでなければならない」とした13日の横浜簡裁判決。国交省では、岩崎貞二・自動車交通局長が「国の主張が認められなかったことは極めて残念」とするコメントを発表。担当者は「リコール業務では、メーカー側の担当者と頻繁にやり取りを行う。その都度、大臣の決裁をもらえということなのか。判決は現場の実態にそぐわないのではないか」と戸惑いと反発の入り交じった反応を見せた。

 車のリコール件数は、三菱自動車(三菱ふそうトラック・バスに分社)事件の影響やメーカーの部品共通化で増える傾向にある。昨年度は約566万3000台に上り、過去2番目の台数を記録した。

 国交省は、通報などで車の不具合情報をつかむと(1)メーカーの担当者にメールか電話で問い合わせ(2)報告にさらに問い合わせ−−と続き、リコールの必要性を判断する。社会的な影響が大きい場合は、部局長名の報告要求文書を作成するが、国が設置するホットラインには年間約5000件の情報が寄せられるなど、膨大な情報を早く処理するためにメールや電話でのやり取りが一般的だ。

 事件では、同社の事実隠ぺいを国交省が見抜けなかったことも問題になり、リコール対策室の職員はほぼ倍の14人に増えた。

 しかし判決は、同社がハブの不具合事例を隠ぺいしたことを認めながらも、国交省職員による報告要求には法的な根拠がないと断定した。

 担当者は「メールでも文書でも、道路運送車両法に基づく報告要求と考えている。命にかかわる問題であり、虚偽申告は許されない」と語気を強めた。【長谷川豊】

 ◇ふそう側「コメントは差し控える」

 三菱自動車から分社した三菱ふそうトラック・バスは13日、「判決内容に対するコメントは差し控える。今後もリコール問題を教訓として、二度と同じ過ちを繰り返さないよう“品質”を経営の最優先事項に掲げる」とするコメントを発表した。判決は改めて都合の悪い情報を隠ぺいした事実を認定しているうえ、他の二つの業務上過失事件の裁判も進行中だ。三菱ふそう社員の一人は「再建途上であり、同じことを繰り返さないということで頭はいっぱい」と話した。

 事件で、当時の経営陣の隠ぺい体質や社内の情報共有体制の欠陥が問われたため、三菱ふそうは品質問題を洗い直し、昨年9月に計98件に上る膨大なリコール届け出を完了。今月8日現在で約165万台の対象車(登録ベース)のうち、94・2%を回収するなど着実な取り組みを見せていた。

 しかし今年9月にリコールを届けた際に「判断が遅れた」として江頭啓輔会長が国土交通省から業務改善指示書を渡され、10月には、大型トラック(25トン)のリコール対策品のハブが破断してタイヤが脱落する事故が鹿児島県で発生。緊急調査で12日までに計6件のハブ破断が見つかるなど、品質問題は続く。さらに、系列工場の4割で肝心のハブの点検方法が守られていないことも明らかになったばかり。

 同社の長谷川直哉・品質保証本部長は、ハブの整備ミスを明らかにした12日、「社内に整備の重要性が伝わることが必要と思っている」としていた。無罪判決でも、課題がなくなったとは言えない。【長谷川豊】

無罪を主張すること。有力な弁護士を雇うだけのお金があること。 これが勝利の条件かも?

ようするに地獄の沙汰も金次第か!これが現実!!

三菱自のタイヤ脱落虚偽報告、元役員3人に無罪判決 12/13/06(読売新聞)

 三菱自動車製大型車のタイヤ脱落の欠陥を巡る虚偽報告事件で、道路運送車両法違反の罪に問われた三菱ふそうトラック・バス(事件後に商用車部門が分社)元会長宇佐美隆被告(66)ら元役員3人と、法人としての三菱自動車の判決が13日、横浜簡裁であった。

 小島裕史裁判官は、宇佐美被告ら全員に無罪(求刑・罰金20万円)を言い渡した。

 一連の欠陥問題に関連した3件の刑事訴訟で初の判決。ほかの2人は、三菱自動車の元常務花輪亮男(65)、元執行役員越川忠(64)の両被告。宇佐美被告らは捜査段階では容疑を認めたとされたが、初公判で一転して否認し、無罪を主張していた。

 起訴状などによると、横浜市で2002年1月に大型車から脱落したタイヤの直撃を受けるなどして母子3人が死傷した事故を受け、国土交通省が指示した調査に、宇佐美被告らは同年2月、破損するとタイヤ脱落につながる部品「ハブ」の欠陥を隠して報告し、リコールを逃れた。

 裁判では、報告に虚偽があったことを宇佐美被告らが認識していたか、国が求めた報告が法に基づくものだったのかが争点になった。

 一連の欠陥問題では、横浜市の母子死傷事件のほか、山口県で同年10月に起きたクラッチ部品の不具合によるトラック事故で運転手が死亡した事件が公判中。同社は、2000年にリコール隠し事件を起こし、元副社長らが罰金の略式命令を受けている。

三菱ふそう、系列整備工場の4割で摩耗点検せず 12/12/06(朝日新聞)

 三菱ふそうトラック・バス製大型トラックのハブ亀裂問題で、同社は12日、系列の整備工場259カ所のうち4割弱にあたる101工場で、年1回の車検時に実施すべきハブの摩耗を点検していなかった、と発表した。整備基準で0.8ミリ以上の摩耗は交換することになっていたが、自社系列でも徹底されていなかった。

 数工場から理由を聞いたところ、「04年のリコールで強度が高い交換品として使われたので、点検しなくてもいいと勘違いした」と答えたという。

 車輪をハブに固定するナットの締め付け力も、約2割の工場で、専用工具が使われず、適切に管理されていなかった。摩耗と締め付け力は亀裂を招く要因になるとみられている。

 ほかに、新たに1台のハブで亀裂が確認された。

三菱ふそう:ハブ摩耗、整備漏れ 系列工場4割で点検せず 12/12/06(毎日新聞)

 三菱ふそうトラック・バス(東京都港区)の大型トラックの前輪ハブの亀裂が相次いで見つかった問題で、同社系列の整備工場259カ所のうち約4割の工場が車検の際に交換の目安となるハブの摩耗量を、社内指示に違反して確認していなかったことが分かった。車輪を固定するナットの締め付け方法が不適切な工場も約2割に上った。同社はこれまで「摩耗量が基準以下などの条件を満たせば亀裂は発生しない」などと説明してきたが、足元の整備工場のずさんな実態が明らかになった。国土交通省は整備実態について詳しい報告を求める。【長谷川豊】

 問題となっているのは、車軸とタイヤを結ぶ前輪ハブで、横浜市で02年に起きた母子3人死傷事故後に、04年からリコール対策品として使われている強度が高い改良型。同社は、ハブの摩耗が0.8ミリ以下で、ナットの締め付け力が基準の1.6倍、2割の過積載で100万キロ走行にも問題がないとし、国交省も認めていた。

 しかし、鹿児島県で今年10月、大型トラック(25トン)の前輪ハブが破断してタイヤが脱落する事故が起き、同社が緊急調査を実施したところ、整備拠点の101工場で摩耗量を見ていない実態が判明した。必要な点検を行わなかった工場は「リコール対策品で強度が高いので見ないでいいと思った」と説明しているという。また50の工場は、ナットを正確に締め付ける部品を使っていなかった。

 本社のサービス技術部門は11月20日ごろ、全工場に整備項目の徹底を改めて指示していたが、ハブの検証を行っている品質保証本部には伝わらないままだった。

 一方、同社は12日の会見で、新たに群馬県昭和村の運送業者の大型トラック(25トン)の右前輪ハブに微細な亀裂が2カ所見つかったと発表。亀裂が見つかった改良型ハブは計6台となった。

 品質保証本部の長谷川直哉本部長は「社内で共有するべき情報であり点検項目を徹底したい」と話した。

自動車メーカーのリコール判断大甘、届け出遅れ相次ぐ 11/28/06(読売新聞)

 自動車会社が自社製品の欠陥を把握しながら、リコール(回収、無償交換)の届け出が遅れたケースが、今夏から相次いで発覚している。

 国土交通省が業務改善指示を出したり文書で注意したりしたケースは、今年度に入って9件と、早くも昨年度1年間の数字に並び、うち8件が7月以降に集中している。

 同省は「迅速さを欠く対応はリコール制度の趣旨を骨抜きにする」として、メーカーへの監視を強める方針だ。

 道路運送車両法はメーカーに対し、欠陥対策を行う場合に事前の届け出を義務付けている。「欠陥を把握したら速やかに届け出ることが、この制度の大前提」(国交省)だが、2004年に三菱ふそうトラック・バスなどによる「欠陥隠し」が発覚。同社がこれに絡んで届け出たリコールは計98件、延べ約265万台(生産車ベース)に上った。

 このため同省は、欠陥絡みの可能性が高い事故情報を全国の警察から提供してもらったり、不具合情報を3か月に1度報告することをメーカーに義務付けたりするなど、チェック体制を強化した。

 それにもかかわらず、メーカーが欠陥を把握したり、欠陥が強く疑われたりしたのに届け出などが遅れたとして、国交省が業務改善指示などを出したケースが続発している。

 このうち9月に業務改善指示を受けた三菱ふそうトラック・バスでは、トラック部品の強度不足を昨年6月に把握しながら、この時点ではトラブルにつながったケースがなかったことからリコールは不要と判断。

 その後、実際にトラブルが発生したため再調査し、今年5月にリコールを決定したが、「社内の手続きに手間取った」(同社)ため、実際に届け出るまでさらに4か月もかかっていた。

 四輪駆動車の欠陥を認識したのに約8年間放置し、その間に人身事故が起きたとして担当部長ら3人が業務上過失傷害容疑で書類送検されたトヨタ自動車も、7月、同省から「社内の情報共有や関係部署間の連携に問題があった」として業務改善指示を受けている。

 また、マツダでは、走行中にエアバッグが誤作動してドライバーが負傷するトラブルが3年前に起きたが、すぐに対策を取らず、その後も同種のトラブルが全国で10件発生、うち2件でけが人が出た。リコールを届け出たのは今年10月。同省は「迅速な対応をしていれば被害を少なくできた可能性があった」として、担当者に口頭で注意した。

三菱ふそう:トラックでまたハブ亀裂 詳細調査急ぐ 11/24/06(毎日新聞)

 三菱ふそうトラック・バス(東京都港区)は24日、車軸とタイヤをつなぐ「前輪ハブ」の亀裂が相次いで発覚した問題で、摩耗量が整備基準範囲内だった大型トラック(25トン)でもハブの亀裂が見つかったと発表した。このトラックを含めて新たに2台の大型トラックで亀裂が判明、10月以降計4台となった。交換目安以下でのハブ亀裂について、同社は「従来の検証に見落としがなかったか調べている」と品質評価の見直しも含めて詳細な調査を急いでいる。

 問題があったのは、02年1月に横浜市でハブ破断によるタイヤ脱落で母子3人が死傷した事故後に、リコール対策の部品として使われている強度が高いとされる改良型ハブ。同社は、車検時のスチールホイールのハブの亀裂見逃しを防ぐため、「ホイール部分との摩耗量が0.8ミリ以上の場合は新品に交換する」とした整備基準を定めた。

 ところが、今回判明した埼玉県の運送会社が所有する98年製トラックの右前輪ハブの摩耗量は基準範囲内の0.68ミリだった。亀裂は2カ所で最大1.4センチ、深さ2ミリ。走行距離は約101万5000キロだった。一方、もう1台のハブには微細な亀裂が3カ所あったが、摩耗量は基準以上だった。

 同じハブを巡っては、先月、鹿児島県でタイヤが脱落する事故が発生、同社が緊急調査を行っている。国土交通省は「なぜ亀裂が続くのか、メーカーの検証を待ちたい」としており、報告を受けた後に再リコールの必要性を検討する。【長谷川豊】

強度改良型ハブ、別の1台で亀裂…三菱ふそうトラック 11/21/06(読売新聞)

 三菱ふそうトラック・バス製の大型トラックについて、強度を増した改良型の車軸部品「ハブ」が破断したトラブルを受け、破断したトラックの同型車などを対象に同社が実施している緊急調査で、別のトラック1台の同じハブにも亀裂が見つかっていたことがわかった。

 このハブは、同社が一連の欠陥隠しに絡み、2年前に大型トラック計約24万台をリコール(回収、無償交換)した時には、対象としていなかった。国土交通省は同社に早期の原因究明を求めるとともに、脱輪トラブルを防ぐため、同じハブを使用するトラックの点検強化を指示した。

 新たな亀裂は、1997年3月に登録され、静岡県内の運送業者が使用している25トントラックの左右の改良型ハブに見つかった。計15か所に亀裂があり、右側の亀裂の一つは長さ約10センチ、深さ0・8センチ。残りはごく微細なものだった。

タイヤ脱落事故:三菱ふそう元会長らに罰金20万円求刑  09/06/06(毎日新聞)

 三菱自動車(三菱ふそうトラック・バスに分社)製大型車のタイヤ脱落事故を巡り、リコール逃れのため02年2月、国に虚偽報告をしたとして道路運送車両法違反罪に問われた▽三菱ふそう元会長、宇佐美隆(66)▽三菱自動車元常務、花輪亮男(65)▽同社元執行役員、越川忠(63)の3被告と法人としての同社に対し、検察側は6日の横浜簡裁(小島裕史裁判官)の公判で各被告に罰金20万円を求刑した。

 検察側は論告で「日本を代表する企業の役員らが営々と続けてきた隠ぺい体質を改めることなく、監督官庁に虚偽報告をした悪質極まる事案。動機は企業の営利追求と自己の地位の存続で、酌量の余地はない」と指摘した。

 この事件では02年7月改正以前の道路運送車両法が適用される。罰金20万円は虚偽報告の当時の最高刑となる。11月1日の弁護側の最終弁論で結審する見通し。【野口由紀】

パブコ前社長ら書類送検、車検証記載内容見直しへ 06/30/06(読売新聞)

 三菱ふそうトラック・バスの子会社「パブコ」(神奈川県海老名市)がトラックの最大積載量を水増しして不正に車検を取得していた事件で、神奈川県警交通捜査課は30日、パブコの前田忠嗣(ただし)・前社長(60)や同社前営業本部長ら15人、取引先販売会社の担当者ら11人の計26人を道路運送車両法違反の疑いで書類送検した。

 法人としてのパブコと、三菱、日野、いすゞ系の販売会社6社の計7社も同容疑で書類送検した。

 調べによると、前田前社長らやパブコ、取引先各社は共謀のうえ2003年7月〜04年3月、トラック18台に軽い燃料タンクをつけて車検証の交付を受け、登録後にタンクを増設して最大積載量を増した疑い。

 不正改造は2万台を超え、パブコは発覚後に違反状態の解消を所有者に求めたが、「何台が是正されたかは把握していない」としている。

 前田前社長らは、35年以上にわたる組織的な不正を認めている。

 事件を受け、車検場を統括する「自動車検査独立行政法人」は、8月から7トン以上のトラックについて、車検証に燃料タンクの容量や数の記載を求める。

 車体の大きさ、重量の確認などが中心となる車検では盲点になっていた。

 日本自動車車体工業会の調査では、燃料タンクの付け替えなどの手口による不正車検がパブコのほかにも46社で行われていたことも判明している。

不正車検:パブコ元社長ら26人と7法人を書類送検 横浜  06/30/06(朝日新聞)

 三菱ふそうトラック・バス子会社の荷台メーカー「パブコ」(神奈川県海老名市)の不正車検事件で、神奈川県警交通捜査課は30日、パブコの前田忠嗣元社長(60)=現三菱東京ふそう顧問=と営業本部幹部、取引先の販売会社担当者ら計26人と、法人としてのパブコ、取引先の三菱、日野、いすゞ系トラック販売会社計7社を道路運送車両法違反(不正車検)容疑で横浜地検に書類送検した。

 調べでは、パブコと販売会社は03年7月〜04年3月、大型トラック計18台の燃料タンクを付け替えるなどして、車体を軽くして車検を取得。その後、タンクなどを増設し、車検取得時より車体を50〜670キロ重くして納車していた疑い。国土交通省は昨年12月、パブコを同容疑で刑事告発していた。

 不正取得は60年代からパブコ営業本部を中心に行われ、最大積載量を増やすため会社ぐるみで不正を繰り返していたとみられる。前田元社長は容疑を認め、「長年の悪い習慣だったが、経営問題に目を奪われ止められなかった」と供述しているという。【伊藤直孝】

積載量水増し容疑、7社書類送検へ 三菱ふそう系など  02/29/06(朝日新聞)

 三菱ふそうトラック・バスの子会社で荷台部分のメーカー「パブコ」(神奈川県海老名市)がトラックの最大積載量を水増しするため車検証取得後に燃料タンクなどを増設した疑いが強まり、神奈川県警は前田忠嗣元社長(60)、営業本部長ら計26人と、法人としてのパブコとトラック販売会社6社を、30日にも道路運送車両法違反(不正車検)の疑いで書類送検する。40年近く組織ぐるみで不正を繰り返しており悪質性が高いと判断した。

 ほかに送検されるのは三菱ふそう、いすゞ、日野の各系列販売会社と、各社の担当者ら。

 交通捜査課の調べでは、前田元社長らは03年7月〜04年3月、25トントラック18台の車検証を取得後、運転席の屋根につける風よけや、燃料タンクなどを増設した疑い。

 積載量は最大で1台あたり670キロ増えたという。トラックに積める荷物の重さ(最大積載量)は、車両総重量からタンクに積める燃料の重さなどを差し引いて算出される。県警は、パブコと販売会社が燃料や車重を軽く見せかけることで、積み荷の積載量を増やす目的があったとみている。

 パブコ幹部らは「長年の慣習だった。顧客の運送会社の意向をくんで続けてきた。受注競争に勝つため仕方がなかった」と供述しているという。

ふそう子会社の前社長ら書類送検へ…不正車検事件 06/20/06(読売新聞)

 三菱ふそうトラック・バスの子会社「パブコ」(神奈川県海老名市)が最大積載量を水増ししていたトラックの不正車検事件で、神奈川県警交通捜査課は、パブコの前田忠嗣・前社長(60)と、同社営業本部、取引先販売会社の担当者ら二十数人と、法人としてのパブコと、三菱、日野、いすゞ系のトラック販売会社6社を道路運送車両法違反の疑いで、来週初めにも書類送検する。

 県警は、不正は35年以上にわたり歴代幹部と担当社員に引き継がれ、販売会社も加わり組織的に行われていたと断定した。

 調べによると、パブコと取引先のトラック販売会社は2003年7月〜04年3月、車両重量を小さくして最大積載量を増やすため、トラック18台について、小さな軽い燃料タンクをつけて車検を受け、その後にタンクを増設するなどした疑い。この手口で、積載量が約500キロ増えたトラックもあった。

 県警は昨年12月、国土交通省から刑事告発を受け、家宅捜索や関係者からの事情聴取を進めていた。調べに対し、前田前社長ら全員が容疑を認めた。

 パブコの担当社員は「70年ごろから不正が行われていた。悪いことだとは知りながらも、前任者から引き継いだ。受注競争に勝つためには仕方なかった」と供述、県警は押収資料からこうした事実が裏付けられたとしている。

 不正の中心となったのは、パブコ営業本部。県警は、過積載につながる積載量を増やすように求める運送会社の意向をくんだ販売会社6社もこれに関与したとしている。

 パブコによると、三菱ふそうによる欠陥隠し問題が明らかになった04年、不正行為をやめたが、それまでの20年間に計2万台を超える不正改造が行われていた。回収・修理の措置は取らず、ダイレクトメールで「違反状態解消」を呼び掛けるだけで、積極的な善後策は講じていなかった。

三菱ふそう系販売会社を捜索 不正車検事件で神奈川県警  02/24/06(朝日新聞)

 三菱ふそうトラック・バスの子会社で荷台部分のメーカー「パブコ」(神奈川県海老名市)の不正車検事件で、神奈川県警交通捜査課は23日、三菱ふそうの販売会社も不正車検に関与した疑いが強まったとして、「東京三菱ふそう自動車販売」(東京都品川区)の本社など5カ所を道路運送車両法違反(不正車検)の疑いで家宅捜索した。

 調べでは、同社とパブコは共謀して03年10月〜04年2月、25トントラック4台の車検証を正規に取得した後で燃料タンクを増設した疑い。

 捜索を受けて、三菱ふそうトラック・バスは「捜査に全面的に協力するよう指導しております」とのコメントを発表した。

三菱ふそう不正車検:支店社員らに有罪 北海道・釧路地裁  02/07/05(毎日新聞)

 北海道自動車販売(本社・札幌市)の不正車検事件で、道路運送車両法違反などの罪に問われた帯広市柏林台南町、同社帯広支店社員、西村一成被告(47)▽音更町、家畜運送業、平田直樹被告(35)の判決公判が6日、釧路地裁帯広支部であった。西村被告について松田典浩裁判長は「企業倫理に反した悪質な犯行」として懲役1年、執行猶予3年(求刑・懲役1年)、平田被告に懲役1年、執行猶予4年、罰金8万円(同・懲役1年、罰金同)を言い渡した。

 判決によると、西村被告は昨年10月、平田被告から不正改造したトラックを車検に通すよう依頼を受け、車検に必要な保安基準適合証に虚偽の内容を記載し、北海道運輸局帯広運輸支局に提出した。【仲田力行】

ふそう子会社不正車検、1万台で最大積載量水増し  02/03/05(産経新聞)

 三菱ふそうトラック・バス子会社の荷台架装メーカー「パブコ」(神奈川県海老名市)による不正車検問題で、同社は3日、最大積載量を水増しし保安基準を満たさないトラックを計1万351台確認したとして、国土交通省に報告した。

 販売会社を通じて2月中に所有者に連絡し、1年以内に改修や車検証の記載訂正などの対策を取る方針。国交省は再発防止の徹底を指示した。

 同社によると、保安基準を満たさないトラックは、新車登録後に燃料タンクを増設するなどの手口で最大積載量を100キロ以上超過。このうち1トン以上の超過が59台あり、過積載の場合には安全上の問題が生じる恐れがあるため、早急な対策が必要としている。

 同社は1960年代から不正車検を繰り返していたとされ、保管記録などを基に追跡調査。86年以降に生産された1万351台が確認できた。一部は既に廃車になったとみられる。

 このほか、部品の装着などで車体の長さが基準を超えるなど、違反の有無を確認する必要があるトラックが9891台あるという。

 国交省は昨年12月、道路運送車両法違反容疑で同社を神奈川県警に刑事告発した。(共同)

不正車検:「北海道三菱ふそう」社員に懲役1年求刑  12/22/05(毎日新聞)

 不正改造したトラックの車検を合格させたとして虚偽公文書作成・同行使と道路運送車両法違反の罪に問われた北海道帯広市柏林台南町、「北海道三菱ふそう自動車販売」(本社・札幌市、松原詩朗社長)帯広支店社員、西村一成被告(47)の初公判が23日、釧路地裁帯広支部(松田典浩裁判長)であり、西村被告は起訴事実を全面的に認めた。検察側は「民間車検制度の信頼を失墜させた」として西村被告に懲役1年を求刑し、結審した。判決は2月6日。

 起訴状によると、西村被告は05年10月、音更町の家畜運送業、平田直樹被告(35)=同法違反罪で公判中=の依頼を受け、不正に改造したトラックに関し、保安基準に適合しているかのような虚偽の内容を適合証に記載し、北海道運輸局帯広運輸支局に提出した。検察側は「会社ぐるみで慢性的、長期的に不正車検が行われた」と指摘した。

 この問題で、北海道運輸局は同日、同支店に対し、道路運送車両法に基づき車両整備を10日間の業務停止、同適合証など車検関係証書の発行を35日間停止する行政処分を行った。【仲田力行、斎藤誠】

ふそう子会社:最大積載量の不正車検で家宅捜索  12/22/05(毎日新聞)

 三菱ふそうトラック・バスの子会社で架装メーカー「パブコ」(神奈川県海老名市、下田昌一社長)がトラックの最大積載量を増やすため車検を不正取得していた問題で、神奈川県警交通捜査課などは22日、海老名市柏ケ谷の同社本社敷地内にある生産管理部や製造部など5施設を道路運送車両法違反(不正車検)容疑で家宅捜索した。

 同社は、トラックを新車登録する際、車両本体の重量を減らし、最大積載量を増やそうと実際より小さな容量の燃料タンクを搭載。不正に車検を取得後、タンクを増設した疑いが持たれている。家宅捜索の対象となったのは、03年7月〜04年2月の間に、東京都内や神奈川県内の運輸会社に納入された25トントラック5台に関する不正車検。県警は、不正車検を前提に発注していた可能性の高いディーラーやユーザーの責任についても慎重に捜査するとみられる。

 同社や国土交通省によると、不正車検を始めたのは1960年代で、02年4月以降でも2300台以上が確認されているが、04年5月以降は行っていないという。

本社に捜査員50人 同社本社には22日午前9時5分、捜査員約50人が家宅捜索に入った。社員らは一様に不安そうな表情で見守った。捜索から15分がたったころ、男性社員が報道陣に「今後の捜査を含め全面的に協力する所存であります」と書かれた社長名のコメント文を配布した。一方、同社親会社の三菱ふそうトラック・バスも「パブコが立ち入り捜査を受けたことを聞き、弊社も厳粛に受け止めております」とのコメントを出した。【渡辺創、鈴木一生、池田知広】

ふそう子会社を家宅捜索 積載量水増しで神奈川県警  12/22/05(産経新聞)

 三菱ふそうトラック・バス子会社の荷台装着メーカー「パブコ」(神奈川県海老名市)による不正車検取得問題で、神奈川県警は22日、トラックの最大積載量の水増しを繰り返したとして、道路運送車両法違反の疑いで、同社本社や工場などを家宅捜索した。

 同社幹部は県警の任意の事情聴取に不正を認めている。水増しは顧客側の要請だったり、同社から提案したこともあったという。県警はディーラーやユーザーの関与についても捜査する。

 調べでは、パブコは2003年7月から04年2月にかけ、大型トラック5台に小型の燃料タンクを装着して重量を軽くして車検証を取得、その後タンクを増設するなどした疑い。総重量は車検取得時より最大で約425キロ増加していた。

 最大積載量は、車検取得時に車両を軽くすることで、違法に増やすことができるという。

 同社によると、不正取得は1960年代から04年5月まで続けられ、04年度までの3年間で最大積載量が100キロ以上超過した約2350台のトラックを販売したという。(共同)

「同社は『業界の古くからの慣習だった』としている。」

国土交通省もたいへんだ。 耐震偽造 も含め、ザル状態。問題に気付かないのか、気付かないような人材しかいないのか、 問題点さえも気付かないのか??

日本は違反天国なのだろう。

姉歯氏でないが、国土交通省が問題を発見してくれれば、 こんなに長く不正改造を続けなかったと、三菱ふそう子会社の社員は思っているのだろうか??

三菱ふそう子会社、車の全長不正改造 3年間で1700台  12/21/05(産経新聞)

 三菱ふそうトラック・バス子会社の荷台装着メーカー「パブコ」(神奈川県海老名市)によるトラック不正車検問題で、同社が最大積載量の水増し以外にも、道路運送車両法の保安基準で定められた全長を超える不正改造を繰り返していたことが21日、分かった。

 不正改造は昨年度までの3年間で計1710台に上り、パブコは国土交通省に既に報告。同社は「業界の古くからの慣習だった」としている。

 パブコによると、車検取得後、顧客の要望に応じて車体を保護するためのゴム製クッション材を車体後部に取り付け、同法の保安基準が定めた全長を1―2センチ超えていたという。さらに道路交通法に触れる可能性がある灯火類も装着していた。

 同社は1960年代以降、トラックの新車登録後に燃料タンクを増設するなどして最大積載量を違法に増やしていた。不正改造は三菱ふそうのリコール隠しが発覚した昨年5月まで続き、2002―04年度だけでも最大積載量が100キロ以上超過したトラックを2353台販売したという。(共同)

国土交通省もいい加減、罰則の強化及び罰金の増額の方針を取るべき。 問題の発見は遅い、再発防止の良案なし、天下り先を確保する気がないなら、 やることはわかるでしょう。

不正車検のふそう子会社、22日にも捜索…神奈川県警  12/21/05(読売新聞)

 三菱ふそうトラック・バスの100%子会社「パブコ」(神奈川県海老名市)によるトラックの不正車検問題で、神奈川県警は21日、道路運送車両法違反(不正車検)の疑いで、22日にも同社の捜索に乗り出す方針を固めた。

 県警では、すでに同社幹部から事情聴取しており、近く予定されている国土交通省からの刑事告発を受け、事件の全容解明を目指す。

 捜査を担当する県警交通捜査課が、同社幹部に対する任意の事情聴取を20日に開始した。この幹部は聴取に対し、トラックに小型の燃料タンクを搭載して車両重量を軽くし、新車登録した後に燃料タンクを増設した手口を認めているほか、ユーザーからの注文に基づく仕様書に改造方法を示す「S」や「K」などの記号を記し、製造部門に不正改造の指示を出していた実態についても認めているという。

ふそう子会社:不正車検の疑い捜索へ 神奈川県警  12/21/05(毎日新聞)

 三菱ふそうトラック・バスの子会社「パブコ」(神奈川県海老名市)がトラックの最大積載量を増やすため車検を不正取得していた問題で、神奈川県警交通捜査課は21日、道路運送車両法違反(不正車検)の疑いで強制捜査に乗り出す方針を固めた。20日から関係者に対する事情聴取を始めており、22日にも同社本社や相模工場(同県海老名市)など関係先を家宅捜索する。

 同社は自動車会社が製造したトラックの車台に、荷台などを取りつける架装メーカー。トラックを新車登録する際、車両重量を減らすため、実際より小さな容量の燃料タンクを搭載、不正に車検を取得した後、タンクを増設していた疑いが持たれている。最大積載量は総重量から燃料や部品を差し引いて算出されるため、少なくした燃料分だけ実質的な積載量を増やすことができる。

 同社や国土交通省によると、不正に車検を取得したトラックは02年4月〜05年10月で2300台を超え、同時期のトラック総販売台数の約1割にあたる。1960年代から行われていたとみられるが、04年5月以降は行っていないという。

 県警は長年の不正取得を車検制度を無視した悪質な行為と判断。同省からの刑事告発を待たずに、捜査開始の方針を決めた。【渡辺創】

不正を繰り返した場合、3回目には罰金を5億円に法改正をするべきだ。

耐震偽造問題 で50万円以下の罰金なら、検査制度が偽装を見抜ける体制を作らない限り、 同じことを何年後に繰り返すほうが儲かる。今度はもっと巧妙になるだろう。 (耐震強度の計算方法も決められていないようだ。)

三菱ふそう子会社 不正車検繰り返す 積載量水増し 年内にも告発へ  12/21/05(産経新聞)

 三菱ふそうトラック・バス子会社でトラックの荷台架装メーカー「パブコ」(神奈川県海老名市)が、トラックの最大積載量を水増しするため、新車登録後に燃料タンクを増設するなどの手口で車検の不正取得を繰り返していたとして、国土交通省は二十日、パブコに警告書を交付。年内にも道路運送車両法違反容疑で神奈川県警に刑事告発する。

 不正は遅くとも昭和四十年代から始まり、三菱ふそうのクレーム隠しが発覚した後の昨年五月まで続いていたという。国交省は業界全体に同様の不正が広まっていた疑いがあるとして、メーカー約三十社の実態調査に乗り出す方針。

 トラックの最大積載量は、法令で定められた車両総重量から、乗車定員や燃料タンクなど車両重量を差し引いて決定する。最大積載量が増えれば、ユーザーの運送会社などは荷物や燃料を多く積めるメリットが生まれる。

 国交省やパブコによると、同社は新車登録後に燃料タンクを増設したり、大型のタンクに付け替えるなどの不正改造を行って最大積載量を水増ししていた。同社が自らタンクの付け替えを行ったほか、トラック販売会社に偽装用の部品を送ったケースもあり、不正は組織的に行われてきたとみられる。

 平成十四年度から十六年度にかけ、同社が架装した総台数約二万九千台のうち、実際の車体重量が車検証に記載された数値より百キロ以上重かったトラックが二千三百五十三台。判明分の最大は約一・三トンの超過で、燃料タンクのほか荷台固定用のレールなどさまざまな部品が不正改造に使われていた。

 国交省は、該当のトラックのユーザーを割り出し、車検証の最大積載量変更などの手続きを取るよう指導する。

 同社は不正の背景として、(1)顧客や販売会社から積載量確保の強い要望があった(2)設計や製造上の問題で指定積載量の確保が難しく、営業手段として会社側が提案した−と釈明。これまで、不正改造が原因で事故が起きたとの情報はないとしている。

 また同社は昨年四月に違法行為禁止の社内通達を出したが、その約一カ月後まで不正を続行していたことも判明。同社の下田昌一社長は「長年の慣習から抜け出せず、認識が甘かった。迷惑をかけ、おわびする」と述べた。

積載量水増し不正車検 三菱ふそう子会社が40年  12/20/05(産経新聞)

 三菱ふそうトラック・バス子会社の荷台架装メーカー「パブコ」(神奈川県海老名市)が新車登録後にトラックの燃料タンクを増設するなどして最大積載量を水増しし、車検の不正取得を繰り返してきたことが分かり、国土交通省は20日、同社の下田昌一社長に警告書を渡し、改善措置や再発防止策の報告を求めた。道路運送車両法違反容疑で年内に神奈川県警に告発する方針。

 不正車検は1960年代から、三菱ふそうのリコール隠しが発覚した昨年5月まで続き、2002―04年度の3年間だけでも最大積載量が100キロ以上超過したトラック2353台を販売したという。

 国交省やパブコによると、トラックの最大積載量は大きさごとに決められた車両総重量から乗車定員や燃料を含む車両重量を引いた値で決まる。

 同社は新車登録後に燃料タンクを増設したり、大型のタンクに付け替えるなどのやり方で最大積載量を違法に増やした。

 100キロ以上超過の2353台は、燃料タンクのほか、荷台のレールや内装のステンレス板などを新車登録後に取り付け、最大で1278キロ超過していた大型トラックもあった。

 うち528台は、自社工場で燃料タンクなどを増設した。

 不正は顧客や販売会社から積載量を増やすよう要請があったほか、パブコから提案したケースもあったという。

 6月に国交省へ情報提供があり、関東運輸局が同社に立ち入るなどして不正を確認した。北側一雄国交相は20日の閣議後記者会見で「会社ぐるみの長期にわたる違反行為で極めて悪質」と指摘した。

 下田社長は同日、記者会見し「古くからの慣習から抜け出せなかったことを深く反省している」と謝罪した。(共同)

ふそう子会社、60年代から不正車検を続けていた  12/20/05(読売新聞)

 三菱ふそうトラック・バスの100%子会社「パブコ」(神奈川県海老名市)によるトラックの不正車検問題で、パブコは最大積載量を水増しする不正行為を、1960年代後半から昨年まで40年間近くにわたって続けていたことが20日、国土交通省の調べでわかった。

 またパブコでは2000年、当時の親会社の三菱自動車で「リコール隠し事件」が発覚した際などに、不正行為をやめることを検討したものの、営業部門の反対で継続していたことも新たに判明した。

 国交省は、パブコでは不正行為が常態化していたとの見方を強め、同社が過去に架装を手がけた全トラックに関する資料提出を求め、全容解明を進める方針だ。

 一方、北側国交相は20日の閣議後会見で、「長期にわたり、会社ぐるみで続けてきた極めて悪質な事案と言わざるを得ない」と述べ、道路運送車両法違反(不正車検)による警察当局への刑事告発を急ぐ方針を表明した。

 国交省の調べに対し、パブコ関係者は「積載量の水増し行為は60年代後半に始まった」と説明。車検取得後に燃料タンクを増設するという手口も、当時から続いていたという。

 ところが、00年7月、三菱ふそうが分社する以前の三菱自動車で「リコール隠し」が表面化した際、パブコは不正の発覚を恐れ、水増し行為を中止することを社内で検討した。これに対し、営業部門は、水増しをやめると積載量確保を求めるユーザーが離れ、売り上げが落ちる恐れがあると反発。押し切られた形で不正行為は続けられたという。

 その後、03年に道路運送車両法が改正され、不正車検の摘発が強化された際には、水増し行為中止が製造部門の部長から通達されたが、再び営業部門などの意向が働き、不正は続いた。

 結局、パブコが不正行為をやめる方針を打ち出したのは、04年3月の三菱ふそう「欠陥隠し問題」の発覚後。だが、すでに受注済みのユーザーに納車するため、最終的に同社が不正車検を中止したのは04年5月だったという。

 これまでの調査によると、パブコでは02年度から04年度の3年間で、大型トラックなど計2353台について不正に車検を取得していたことが判明した。

          ◇

 国土交通省は20日午後、パブコの下田昌一社長を同省に呼び、道路運送車両法に基づく警告書を渡した。警告書では、01年度以前にさかのぼって不正の実態を調べると同時に、来年1月末までに再発防止策を提出するよう求めている。

さすが、三菱ふそう。三菱ふそうタイヤ脱落事故の反省なし。また、国土交通省を騙し続ける 度胸もすごい。普通は、国土交通省へ報告し、自主回収でしょう。

耐震偽造問題 も原因究明、厳しい処分、新たな法律などの対応をしないと、同じ問題は繰り返されるのだろう。

三菱ふそう:子会社・パブコ トラックで不正に車検取得  12/20/05(毎日新聞)

 三菱ふそうトラック・バスの子会社で自動車車体製造「パブコ」(神奈川県海老名市)が新車登録の際、燃料タンクの容量を減らしてトラックの最大積載量を増やし、車検を不正に取得したことが国土交通省の調べで分かった。問題のトラックは昨年までの3年間で約2300台に上る。過積載が原因の事故報告はないが、同省は組織的な不正で悪質として、近く道路運送車両法違反容疑で神奈川県警に告発する方針。

 ◇3年間で約2300台、積載量水増し

 同省によると、同社はトラックを新車登録する際、車両重量を少なくするため、燃料タンクの容量を実際より少なくして搭載。最大積載量は総重量から燃料や部品などを差し引いて算出されるため、少なくした燃料分だけ実質的に積載量を増やすことができる。同社は新車登録後、タンクを増設していた。

 同省が把握している例では、神奈川県の運送会社所有の25トントラックは、車検の際は200リットル分のタンクしか積んでいないことになっていたが、その後に600リットル分を追加し、約600キロを水増ししていた。荷物を多く積みたいユーザーからの要望があったといい、同社は昨年3月、当時の社長が不正の中止を指示した。同省はトップも不正を知っていたとみている。

 同社は事実を認めたうえで「今後のユーザーへの対応などについては国交省と相談する」としている。【長谷川豊】

「国交省は、車検制度を形骸(けいがい)化させる悪質な行為として、 同社に業務改善を命じるとともに、道路運送車両法違反容疑(不正車検)で 警察当局に刑事告発する方針だ。」

「不正改造されていたのは、主に荷台にアルミ製の箱を積んだタイプで、 水増しはユーザーの要望で行われていたケースも多かったという。」

最大積載量を水増しを要求したが、法令順守の範囲でユーザーはお願いしたのだろう。 検査に通ったのだから、問題ないと思われても仕方がないのか??

もう性善説を話に出す時代じゃない。 耐震偽造問題 も同じレベルの話。結果が違うだけ。小額の罰金を払って、同じことを繰り返せばよい。 法令順守など考える人など少ないだろう。特に違法がまかり通る制度が多い日本では!!

三菱ふそう子会社、トラック2千台超で不正車検  12/20/05(読売新聞)

 三菱ふそうトラック・バスの子会社が、トラックの最大積載量を水増しするため、小型の燃料タンクを搭載して車両重量を軽くし、新車登録した後にタンクを大型化する手口で、組織的に車検を不正取得していたことが19日、国土交通省の調べでわかった。 車検を不正取得して販売されたトラックは、昨年までの3年間だけでも2000台を超す。国交省は、車検制度を形骸(けいがい)化させる悪質な行為として、同社に業務改善を命じるとともに、道路運送車両法違反容疑(不正車検)で警察当局に刑事告発する方針だ。

 車検の不正取得を行っていたのは、三菱ふそうの100%子会社で、トラックの荷台部分などを製造する架装メーカー「パブコ」(本社・神奈川県海老名市)。主に三菱ふそう車の架装を手がけ、一部の役員や技術者は三菱ふそうなどから派遣されている。

 トラックの最大積載量は、車検の際、トラックの大きさごとに法令で定められた車両総重量から燃料などを含む車両重量を差し引いて決める。

 国交省の調べでは、パブコは、車両重量を抑えるため通常より小さな燃料タンクを搭載して車検を取得。その後、燃料タンクを増量する手口で、最大積載量を不正に水増ししていた。

 例えば高速道路を長距離走行する大型トラックの場合、通常300〜600リットルの燃料タンクが必要だが、パブコでは200リットルの小さなタンクを搭載して車検を取得していた。中には600キロも積載量が水増しされていたケースもあった。

 不正改造されていたのは、主に荷台にアルミ製の箱を積んだタイプで、水増しはユーザーの要望で行われていたケースも多かったという。

 パブコは、三菱ふそうによる一連の「欠陥隠し」問題が発覚した昨年、車検の不正取得を中止した。しかし過去3年だけで2000台を超す不正改造車が出回り、現在も使用されている可能性が高い。

 過積載の状態では、ブレーキの利きが悪化するなど走行安定性が損なわれるほか、設計強度以上の負荷が車体にかかり、重要部品が破損して事故につながる恐れがある。

 近年は過積載の取り締まりが強化され、ドライバーだけではなく、運送業者や荷主も道路交通法違反に問われるケースが多い。このため最大積載量水増しは、トラックの購入者側にもメリットがあったと見られている。

 国交省は、不正改造が行われたトラックのユーザーを早急に割り出し、車検証の最大積載量変更の手続きを取るよう指導する。

 パブコは、「国交省の調査を受けて報告書を提出した。問題点を指摘された後に今後の対応を考える」とコメント。三菱ふそうは「事実関係を調査した上で対応したい」としている。

「国交省は『追加部品の重さはトラックのブレーキ性能などに大きな影響を与えない』として、 安全性に問題はなかったと見ている。 」

50万円以下の罰金の払えば、問題ないのか!

国民の税金を 耐震偽造問題 のように使わないで、罰金の額を5千万以上にして埋め合わせに使ってほしい。

ふそう子会社、車検通過後に不正改造 最大積載量水増し  12/20/05(朝日新聞)

 三菱ふそうトラック・バスの子会社が、トラックの最大積載量を水増しするため、車検に通過した車に部品を追加する違法行為を繰り返していたことが分かり、国土交通省は20日午後、同社の下田昌一社長に警告書を渡して再発防止を指示した。この子会社は、三菱ふそうなど4大メーカーのトラックで約40年にわたって不正を続け、過去3年間だけでも計2300台にのぼる。同省はメーカーの関与を調べるとともに、近く道路運送車両法(不正車検)の疑いで神奈川県警に刑事告発する。

 不正車検をしていたのは、トラックの荷台などを作製・取り付ける架装メーカー「パブコ」(神奈川県海老名市)。

 パブコは1965年ごろから不正を繰り返し、三菱ふそうの欠陥車問題が明らかになった04年3月、当時の社長の指示でやめたため、国交省は組織的な行為とみている。

 それまでの過去3年で、不正な車検を取得したトラック2300台のうち、三菱ふそうが約3分の2を占めるが、日野自動車やいすゞ自動車、日産ディーゼル工業のトラックでも行われていた。

 国交省によると、トラックに積める荷物の重さ(最大積載量)は、積み荷と車両、乗員の重さの合計(車両総重量)から車両重量と乗員の重さを引いた値で決まる。車両総重量は現在、最大25トンで、トラックメーカーや架装メーカーは、最大積載量を少しでも増やすため、車両重量の軽減を進めている。

 パブコは、ユーザーから長距離走行用の燃料タンク(600〜400キロ)の追加や、荷台強化の鉄板を張るといった要望があった場合、最大積載量がその分減るのを避けるため、これらを追加せずに、いったん車検証を取得。その後に部品を追加して納車していた。

 道路運送車両法は、改造で車の重量が変わった場合、車検証の記載事項を変更するよう定めている。メーカーが実際の内容とは異なる車検証を取得した場合、1年以下の懲役か50万円以下の罰金になる。

 国交省は「追加部品の重さはトラックのブレーキ性能などに大きな影響を与えない」として、安全性に問題はなかったと見ている。

車検不正合格:「北海道三菱ふそう」を書類送検 帯広署  12/08/05(産経新聞)

 「北海道三菱ふそう自動車販売」(本社・札幌市、松原詩朗社長)の帯広支店が不正改造したトラックの車検を合格させた事件で、帯広署は7日、同社を道路運送車両法違反(保安基準適合証不正証明)の疑いで釧路地検帯広支部に書類送検した。

 調べでは、同社は自動車の整備や検査業務に当たっている帯広支店の管理・監督を怠った疑い。

 同支店工場長の西村一成被告(47)=同法違反などの罪で起訴=ら社員3人は10月13日、帯広市の家畜運送業、平田直樹被告(35)=同法違反で起訴=から車検を頼まれたトラックの保安基準適合証を不正に作成。北海道運輸局帯広運輸支局に適合証を提出し、車検を合格させたとされる。

 同社の亀松洸也常務取締役は「事業所担当者の教育を徹底し、内部監査などを定期的に実施して再発防止に努めたい」とコメントした。【仲田力行】

三菱ふそう、新たに12人処分 リコール隠し問題  04/24/05(産経新聞)

 三菱ふそうトラック・バスは23日、一連のリコール隠し問題について「リコールを忌避する企業文化が体質化していた」などとする社外弁護士がまとめた調査報告を公表した。

 タイヤ脱落事故をめぐる道路運送車両法違反事件などで起訴された元会長、宇佐美隆(うさみ・たかし)被告(64)=公判中=と元執行役員、越川忠(こしかわ・ただし)被告(62)=同=ら旧経営陣4人から、計約1億円の退職慰労金の辞退や返還を受けたと明らかにした。新たに管理職社員9人をけん責、関連会社役員3人を辞任させる処分も同日までに実施し、社内処分は昨年6月の29人と合わせ計41人となった。

 ビルフリート・ポート社長は国土交通省で記者会見し「全社員が二度と不祥事が起きないよう努力し、改善対策を誠実に実行する」と述べた。

 調査報告は、同社が1月に国交省に提出した業務改善報告を追認する内容。横浜市で2002年1月に母子が死傷したタイヤ脱落事故や、クラッチ系統の欠陥から山口県で同年10月に運転手が死亡した事故を取り上げ「適切に対処されていれば、事故の回避は可能だった」と指摘した。

 三菱ふそうや03年の分社以前の三菱自動車では「ブランドを傷つけ損益にマイナス影響を与える」としてリコールへの消極姿勢が広がっていたとし、不具合対策の調整役を果たす品質部門の立場が弱く、主流とされる設計部門に強い指示が出せなかったと分析。設計部門の意識改革や品質・実験部門の強化、リコール基準の適正化を再発防止策として提案した。

 報告は今年3月にまとまったが、リコール対象車に多発したトラブルの報告遅れが新たに発覚し、公表が先送りされていた。三菱自は3月、社外弁護士による同様の調査報告を公表。旧経営陣計17人に退職慰労金の返還など総額16億5000万円の賠償を請求する方針を決めている。(共同)

三菱ふそうに国交省がまた警告書 リコール不適切行為で  04/24/05(朝日新聞)

 国土交通省は24日、三菱ふそうトラック・バスのビルフリート・ポート社長に対し、道路運送車両法に基づく警告書を出した。今年に入ってからも大型車の欠陥隠しや作業ミスが相次いでおり、警告書はリコール(無償回収・修理)をめぐる不適切な行為の再発を防止するよう求めている。同社は死亡事故につながった前輪ハブの欠陥隠しで昨年5月にも警告書を受けている。

 国交省が今回特に問題視しているのは大型トラックのサスペンション部品のリコール。三菱ふそうは昨年9月にリコールしたが、部品の設計が誤っており、今年4月に異例の再リコールに追い込まれた。

 この間に欠陥による車両火災が10件以上起きたのに同社は国交省に報告しなかった。さらに修理方法を整備工場に徹底できなかったため修理ミスでも火災が起きた。

 同社は1月に再発防止策をまとめ、今月23日には社外弁護士の調査結果を盛り込んだ最終報告書を提出した。国交省は抜き打ちの監査を今後行い、再発防止策が機能しているか調べる。

三菱ふそう:元品質情報部長が検察官調書の内容を全否定  06/01/05(毎日新聞)

 三菱自動車(三菱ふそうトラック・バスに分社)製大型車の一連の欠陥隠し事件で、国に虚偽の報告をしたとして道路運送車両法違反罪に問われた三菱ふそう元会長、宇佐美隆被告(64)らの第20回公判が1日、横浜簡裁(井上広道裁判官)であった。弁護側証人の三菱自元品質情報部長(55)=同容疑で逮捕、起訴猶予処分=が検察側の反対尋問に答え、逮捕前の昨年4月に作成された自身の検察官調書は「検事の作文」と証言、内容を全否定した。【伊藤直孝】

 元部長は横浜市瀬谷区で起きた母子死傷事故後の02年2月1日、国土交通省に対し説明をした社員の一人で、検察側はこの説明が「虚偽」であったと指摘している。元部長は逮捕前の昨年4月16〜23日に計4回、検察官の聴取に応じ、同23日に調書に署名した。

 調書は虚偽報告が宇佐美元会長ら幹部主導でなされたとする検察側の主張に沿う内容。調書には(1)国交省への報告前、金属部品「ハブ」の交換基準とした摩耗量0.8ミリに関し、0.8ミリ未満の破損事例を詳しく聞かれたら「確認していません」と答えるよう社内で申し合わせた(2)宇佐美元会長ら幹部の「リコールを回避せよ」という意向を受けた−−などの記述がある。

 しかし、元部長は1日の法廷で「まったく違う」と否定し、調書に署名した理由について「検察官に『今回の捜査の流れでは宇佐美、花輪(亮男・三菱自元常務=道路運送車両法違反罪で公判中)だ。中間管理職(元部長)を捕まえるのが目的ではない。白状しないと不利になる』と脅迫され、精神的に参っていた」と述べた。

 さらに弁護側の尋問で、「聴取前に黙秘権の告知もなかったと記憶している」と証言した。調書の信頼性に疑問符が付いたことで、ハブ虚偽報告事件の公判の流れにも影響を与えそうだ。

 <ハブ虚偽報告事件>

 横浜市で02年1月10日、三菱自動車のトレーラーから左前輪が脱落、直撃された母子3人が死傷。車輪と車軸をつなぐハブの強度不足が原因と判明した。起訴状によると、宇佐美元会長らは過去にハブ破損が約40件発生して強度不足を疑われ、技術上の根拠がないのに同年2月1日、整備不良による異常摩耗が原因と国交省に虚偽の報告をした。

法律&規則の改正が必要。カタカナで書かれた六法等もわかりやすく書き直す必要がある。 行政処分の「過料」の計780万円は、小額過ぎる。違反した場合の方が、利益が行政処分の「過料」 何十倍、何百倍以上である。小さなデメリット、大きな利益。裸の王様の行政機関は、 現在の情勢を判断して、改革及び改正していただきたい。保安院のように、不祥事や事故が 起こるまで大きな問題を知らないことは、裸の王様と言われても仕方が無い。

三菱ふそう、リコール改修に欠陥…車両火災など7件  04/15/05(読売新聞)

 三菱ふそうトラック・バスが昨年9月に届け出た大型トラックのサスペンション部品欠陥のリコール(回収、無償交換)を受け、一部の販売会社が実施した改修や緊急点検で、部品を無理に組み付けるなど不適切な作業が行われていたことが15日分かった。

 これが原因で、2件の車両火災を含む7件のトラブルが起きていた。

 また、このリコールでは、本来なら部品交換が必要なのに、ネジをきつく締めるだけで対応できるとするなど、改修内容自体が不十分だったことも判明した。このため、三菱ふそうは同日、2003年から今年にかけて製造した計約8000台について、サスペンション部品全体を交換する再リコールを国土交通省に届け出た。

 三菱ふそうはこれまで、一連の「欠陥隠し」問題を巡って80件を超すリコールを届け出ているが、他のリコール案件で改修が適切に行われているかどうか、国交省は調査を始めた。

 サスペンション部品の欠陥は走行中に部品が外れて過熱し、最悪の場合、車両火災になる。三菱ふそうは、ネジの締め具合をきつくすることなどを内容とするリコールをした。

 ところが、同社が各販売会社に指示した改修作業マニュアルで、取り外した別の部品を装着する手順が不明確だったため、埼玉、新潟、山形、兵庫、広島の販売会社5社では、整備士が無理にネジを組み付けるなど不適切な作業をした。このため改修後、走行中にサスペンション部品が外れる車両が相次いだ。中には登録から2週間足らずの新車も2台含まれていた。

 このサスペンション部品とは別に、同じ車種の6600台でブレーキ部品などにも欠陥があることが分かり、三菱ふそうはこれらについても、同日リコールした。製造不良が原因で、走行中に突然、ブレーキがかかったり、サスペンションが壊れて直進できなくなる恐れがある。

 三菱ふそうではこの欠陥について、昨年11月には原因を把握していたが、対策を怠っていた。三菱ふそうでは、「交換部品の手配ができず、結果的にリコール届け出が遅れた」と説明している。

三菱自の欠陥隠し、国交省が「過料」請求を通知  03/28/05(読売新聞)

 国土交通省は28日、三菱自動車の一連の「欠陥隠し」問題を巡って、同社がリコール(回収、無償交換)届け出を怠っていた計31件の欠陥について、道路運送車両法(改善措置の届け出義務)違反容疑で、行政処分の「過料」を求める通知を東京地裁に対し行った。

 過料の最高額は31件で計780万円。同地裁が審理を進め、過料の額が決まる。

 一方、三菱自は同日、欠陥隠しについて弁護士による社内調査を今月30日に公表すると発表した。同社では公表と合わせて関係者の処分を発表、この問題に区切りをつけたい考えだ。

リコール後の事故多発隠し、三菱ふそう常務を聴取  03/28/05(読売新聞)

 三菱ふそうトラック・バスは28日、一連の「欠陥隠し」問題について、今月末に予定していた社外弁護士による「社内調査」の公表を延期すると発表した。

 三菱ふそうでは、今月29日に社内調査結果を国土交通省に提出、一連の欠陥隠し問題で区切りをつける予定だった。

 しかし大型トラックのサスペンション部品欠陥で、リコール(回収、無償交換)後も事故が多発していたことを隠していたことが25日に発覚。国交省が実態調査に乗り出したため、社内調査結果の提出を見送ることにした。

          ◇

 国交省は28日午前、三菱ふそうの塩沢秀幸・常務執行役員を同省に呼び、新たに発覚した「欠陥隠し」について事実関係の調査を始めた。ヴィルフリート・ポート社長からも今後、事情を聴く。

三菱ふそうの車軸部品欠陥、販売店の指摘も無視  02/13/05(読売新聞)

 三菱ふそうトラック・バス(三菱自動車から商用車部門が分社)で新たに発覚した「欠陥隠し」41件の1つ、大型車の車軸部品について、少なくとも1989年から95年まで6回にわたり、三菱側が全国の販売店から欠陥を指摘されていたことが分かった。

 三菱側は、車軸部品は定期的に交換されるため自然に回収できると判断、リコール(回収、無償交換)の届け出どころか、部品をひそかに交換する「ヤミ改修」すら行っていなかった。この欠陥では人身事故や車両火災も発生しており、国土交通省では「早い段階で対処していれば事故の多発を防げた」としている。

 車軸部品の欠陥は、84年―95年製の大型車で見つかった。製造不良で接合部の密閉が不十分なため、走行中に潤滑剤が漏れて過熱、部品が焼きつき、重さが1本約50キロの車軸が脱落する恐れがある。この欠陥による事故・不具合は、87年から人身事故や車両火災を含め44件に上り、大半は購入から数か月に満たない新車で起きていた。

 三菱側が国交省に提出した資料によると、販売店から三菱側に指摘があったのは、89、92年に各1回、93年に3回、95年に1回。神奈川県内で89年に発生した不具合について、修理した販売店から「潤滑剤の初期充てん不足と推定される」と欠陥の疑いが初めて報告された。

 6回目の指摘があった4か月後の95年9月には、大阪府高槻市で、この欠陥が原因で人身事故が発生。この事故では、脱落した大型車の車軸がブレーキ部品を破損し、信号待ちをしていた乗用車の列に突っ込む最悪のケースだった。

 三菱ふそうでは、リコールを届け出なかったのは不適切と認め、「遅くとも欠陥が多発していた93年までに対策を取るべきだった。今年3月までにリコールを届け出る」としている。

三菱ふそう「リコール年2件まで」…社内調査まとまる  01/24/05(読売新聞)

 三菱製大型車の「欠陥隠し」問題を巡って、三菱ふそうトラック・バスは24日、「三菱自動車から分社する以前から、『リコール(回収、無償交換)は1年に2件程度』とする企業風土があった」などとする社内調査結果をまとめ、国土交通省に提出した。

 同社の法務部門が中心となって、品質保証部門担当の役員、社員からの聴取内容をまとめたもので、3月に作業を終える社外弁護士チームの調査とは別という。

 社内調査は、一連の欠陥隠しなど安全対策の軽視は、2003年1月に商用車部門が三菱自動車から分社する以前にまでさかのぼると指摘。

 品質保証部門の担当者が、「歴代役員から、『リコールは乗用車と大型車あわせて2件ぐらいまで』という無言の圧力があった」と証言したことを紹介し、「社内には長年にわたって、リコールを出しにくい雰囲気があった」とした。

 次々と明らかになった大型車の「欠陥隠し」のうち、クラッチ部品の欠陥は、1995年に東京都内の産業廃棄物業者に対し、欠陥があった大型ダンプ10台を新車7台と交換する異例の補償措置を行ったことがきっかけとなって、リコール見送りが決まった。

 その後、2000年の「リコール隠し事件」での運輸省(当時)の調査の際も、品質保証部門が、クラッチ欠陥をリコール対象案件から意図的にはずしたという。

 車軸部品「前輪ハブ」の欠陥では、2002年に横浜市で母子死傷事故が起きたのを機に社内で対策を検討したが、欠陥を示すデータがあったにもかかわらず、「原因は整備不良」としてリコールを避けていた。

 さらに、三菱ふそうでは、分社後の2003年4月に、欠陥隠しのうち、大型車のエンジン部品など3件の欠陥について再検証を実施したが、経営陣は対策を急ぐように指示しただけで、欠陥が放置された経緯は調べていなかった。

三菱ふそう:欠陥隠しで追加報告書 無責任体制改善へ  01/24/05(毎日新聞)

 三菱ふそうトラック・バスは24日、欠陥隠し問題に対する改善策を盛り込んだ追加報告書を国土交通省に提出した。昨年末の報告書に対し、国交省から「原因解明が不十分。実効性も疑問」と再回答を求められていた。今回は、03年1月に三菱自動車と分社する前のトラック・バス部門について「社員の意識改革が形式的で、経営陣も対策を講じておらず責任は否定できない」と、一歩踏み込んだ内容となった。ビルフリート・ポート社長は、現経営陣の総意として「今後改善が進まず欠陥隠しなどがあった場合は職を辞す」と述べた。

 追加報告は、00年の三菱自のリコール隠し事件発覚以降も大型トラック部品の欠陥による死亡事故続発など改善がされなかった点について、(1)トラック・バス部門は乗用車部門と別個に活動、社員への周知も形式的だった(2)00年以降も改善に消極的で隠ぺいも続け、処分もなれ合いで無責任(3)当時、部門ごとに異なる外資との提携話があり、部門間に障壁もあった−−と、トラック・バス部門の問題点を指摘した。

 02年に起きたハブとクラッチハウジング欠陥による死亡事故については「社内会議で『整備不良』などと一度結論づけると、それ以上踏み込んで究明しなかった」とし、当時の幹部らがデータを無視した結果、事故や事故隠しにつながったと説明。クラッチハウジング欠陥がなぜ死亡事故以前に社内で検討されなかったかについては、「意識的に対象から外した疑いがある」として、さらに調査するという。

 ポート社長は記者会見で、自ら法令順守の誓約書に署名したことを明らかにし、「意識改革や監査強化策を進めており、手応えはある。不退転で取り組む」と語った。【武田良敬】

三菱大型車リコールから半年、部品不足で実施率3%弱  01/08/05(読売新聞)

 三菱ふそうトラック・バス(商用車部門が分社)が進める大型車のクラッチ部品欠陥のリコール(回収、無償交換)が、届け出から半年たった今も、部品不足から実施率が約2・7%にとどまっていることがわかった。

 クラッチ欠陥のリコールを巡っては、一部の整備工場で手抜き改修が発覚しており、「部品が用意できればペースは速まる」と強気な三菱ふそうの姿勢に、国土交通省もいらだちを強めている。

 クラッチ欠陥は、2002年10月、山口県で運転手が死亡する事故が起き、三菱ふそうは昨年五月になってようやく欠陥隠しを認め、国交省にリコールを届け出た。

 当初は部品の亀裂などを調べる「暫定措置」を先行させ、強度を高めた対策部品の用意が整い次第、「恒久対策」に切り替え、1年後の今年5月には改修を完了させると説明してきた。

 三菱ふそうでは、対策部品のうち、恒久対策で全面交換する車軸部品について、装着部位の摩耗程度に合わせてA、B、C型の3種類を製造、昨年10月から改修を本格化させた。

 しかし、実際に作業を始めたところ、装着できる部品の8割はA型に集中することが判明。結局、用意したB、C型はほとんど利用できず、A型はすぐ在庫が底をついた。

 この結果、暫定措置は、昨年12月10日時点でリコール対象車計約7万台(実在台数)のうち、約94・3%に当たる約6万6000台に実施したが、恒久対策を終えたのはわずか1899台に過ぎなかった。対策部品の供給が追い付かず、ユーザーが整備工場に車を持ち込んでも部品がないため、恒久対策に取りかかれない状態が続いていた。

 三菱ふそうは昨年末にようやく、不足している対策部品の増産を本格化、2月までに必要な数を用意できるとしている。しかし、恒久対策の改修は、丸1日かかる大がかりなもので、ユーザーが持ち込む日の調整に難航、5月までに改修を終えるとする当初の目標達成は難しいとみられている。

 一方、死亡事故の原因となった大型車の車軸部品「前輪ハブ」の欠陥も、昨年3月のリコール届け出から10か月近くがたったが、恒久対策の実施率は約58・1%。点検が主の暫定措置と合わせても、リコール対象の計約10万3000台(実在台数)の4分の1近くが、必要な改修を受けていない。

 一連の遅れについて三菱ふそうでは、「年末はトラック事業者の繁忙期で入庫してもらえなかった。これからユーザーに協力を呼びかけ、リコールを迅速に進めたい」としている。

三菱ふそう、欠陥クラッチのリコールで整備ミス  12/28/04(読売新聞)

 三菱ふそうトラック・バスは27日、2002年に死亡事故を引き起こした大型車クラッチ部品欠陥のリコール(回収、無償交換)暫定対策として、5府県の販売会社が改修した計約2600台について、整備を一部怠るミスがあったと発表した。

 三菱ふそうは、「幸いにも安全は担保されており、不具合も発生していない」としているが、ミスがあった車両については、強化部品に置き換えるリコールの恒久対策を優先的に受け付け、来月末までに完了するとしている。

 暫定対策では、車軸部品にガタが出ないよう全車両で部品の締め付けを行うことになっていた。しかし、大阪、埼玉、静岡、石川、青森の販売会社では、整備士が車軸部品を手で揺すって、ガタがあった車両だけ締め付けをしていた。

 三菱ふそうは今年5月にクラッチ欠陥をリコール。対象の計約7万台(登録台数)のリコール実施率は、暫定対策が94%、恒久対策が3%となっている。

 「再発防止策」の追加報告を指示

 国土交通省は27日、「欠陥隠し」問題を巡って三菱ふそうが提出した再発防止策の報告書に関し、同社の堀道夫会長を呼んで、「具体的な事実に触れておらず、再発防止策が適当なのか判断できない」などの注文を出し、道路運送車両法に基づく追加報告を指示した。

 三菱ふそうは現在、弁護士チームによる社内調査を続けており、「欠陥隠し」の実態解明については、来年3月の調査終了を待って公表することにしている。

三菱自の改善報告、国交省が再報告要求…欠陥隠し越年  12/26/04(読売新聞)

 三菱製大型車などで相次いだ「欠陥隠し」問題を巡って三菱ふそうトラック・バス(商用車部門が三菱自動車から分社)が提出した再発防止策の報告書について、国土交通省は「具体性に欠けており内容も不十分」などとして、同社に対し、再報告を求めることを決めた。

 27日にも、三菱ふそうに対し、改めて欠陥隠しの全容を解明するよう指示する。この問題を巡っては、三菱自動車も今月、ほぼ同趣旨の再発防止策を国交省に提出したが、国交省は同社にも再報告を求める方針だ。今年6月以降、“泥沼”が続いているこの問題は、年内にはケジメがつかず、ついに年越しが決まった。

 三菱両社の報告書は、国交省が今年5月、道路運送車両法に基づいて、欠陥隠しなどの不正行為に対する説明と、再発防止策を報告するよう求めたことへの回答。三菱ふそうは今月17日、三菱自は22日に、それぞれ30ページ近い報告書を提出した。

 しかし、中身はともに品質向上に対する取り組みや、社内体制の見直しなどの再発防止策が中心。2002年に死亡事故を引き起こした車軸部品前輪ハブと、クラッチ部品の欠陥については、「不具合を把握していたのに適切な対策を講じなかった」(三菱ふそう)、「大型車部門は社内分社しており、原因究明は難しい」(三菱自)と触れただけだった。

 北側国交相は24日の閣議後会見で報告書の感想を尋ねられ、「具体的でない記述が多く、満足できるものではない」とばっさり。“及第点”を取るには、「中身が国民の信頼を取り戻すのに足るものかどうか」との基準を示した。

 報告書を精査中の国交省は、欠陥隠しの再発防止を誓った2000年の「リコール隠し事件」後も、三菱両社が多くの欠陥を隠し続けていたことを重く見ている。三菱自は4年前にも、今回と同趣旨の報告書を提出しており、「いわば再犯」(国交省幹部)だからだ。

 また、三菱ふそうでは、今年6月以降に欠陥のリコール届け出が始まってからも、欠陥による事故件数の過少申告が発覚した上、改修したはずの大型トラックや路線バスなどで事故が相次いで発生。欠陥をめぐっての動きは、問題解決には程遠い状況が続いた。

 このため国交省では、再発防止策の前に、不正行為の解明が先決とみて、〈1〉欠陥隠しに関与、または知りうる立場にあった幹部や部署〈2〉欠陥の資料、情報などの隠ぺい方法――などで具体的な説明を求める方針だ。

 さらに、計150件を超す欠陥・不具合を隠していた三菱ふそうでは、今年3月から社内調査を行っていたのに、5月中旬に幹部社員がクラッチ欠陥を申告するまで欠陥が1件も判明しなかった点も不自然と指摘。国交省幹部は、「すべての欠陥が、誰の指示で、どのように隠されていたのか、などがすべて明示されない限り、どんな再発防止策も無意味」としている。

 三菱両社は、弁護士に依頼して欠陥隠しの社内調査を進めており、調査結果を年内に公表する予定だった。しかし、追加調査が必要などとして両社とも今月になって調査終了を来年3月まで先送りしたばかり。今度こそ「待ったなし」の回答が求められる。

「『メーカーとして、法令順守意識が不徹底だった』とした。しかし、車軸部品のハブやクラッチ部品など 、2件の死亡事故の原因となった大型トラックなどの欠陥隠しについては、『大型車部門は当時、 (社内)分社しており、原因究明は難しい』」と書かれている。国土交通省はこれで納得するのだろか。

これで納得するのであれば、サブスタンダード船の問題で排除と言っていてもたいした結果がでないのと 同じである。なぜられば、中途半端な検査しか出来ない。問題があっても検査会社が問題ないと回答 すれば、それを受け入れるからである。小さな前進であっても、後退していなければ良いと言う考え であれば、何十年後、何百年後には大きな違いとなるので、これで良いかもしれない。 ただ、問題の先送りは、問題解決のためにさらなる犠牲が必要になることを意味していると思う。 人が死ななければ、何も変わらない。これが日本の常識。

欠陥隠しの「原因究明は困難」三菱自が報告書  12/22/04(読売新聞)

 三菱自動車は22日、一連の「欠陥隠し」問題についての対策などをまとめた報告書を国土交通省に提出した。

 すでに三菱ふそうも、同様の報告書を提出しており、これで三菱両社の再発防止策が出そろった。国交省では両社の報告書を検討し、内容が不十分と判断すれば再報告を求める。

 三菱自の報告書では、2000年の「リコール隠し事件」以後も欠陥隠しを行っていたことについて、「メーカーとして、法令順守意識が不徹底だった」とした。しかし、車軸部品のハブやクラッチ部品など、2件の死亡事故の原因となった大型トラックなどの欠陥隠しについては、「大型車部門は当時、(社内)分社しており、原因究明は難しい」として結論を避けた。

 三菱自では、来年3月に終了する弁護士の社内調査結果を待って、国交省に対し、改めて欠陥隠しの全容を報告するとしている。

三菱ふそう、欠陥隠し関与の役員名ら明かさず…報告書  12/17/04(読売新聞)

 三菱ふそうトラック・バス(三菱自動車から商用車部門が分社)は17日、一連の欠陥隠し問題の再発防止などを報告書にまとめ、国土交通省に提出した。

 報告書は、今年5月に国交省が、欠陥隠しの全容解明と再発防止の報告を求めた「警告書」への回答で、三菱自も月内に報告書を提出する。

 国交省は両社の報告書を精査し、内容が不十分と判断すれば、さらに再報告を求めるとしている。

 報告書では、再発防止について、<1>自動車メーカーとして安全を最優先にする<2>法令順守<3>迅速なリコール体制――などの徹底で信頼回復を図るとした。

 しかし、欠陥隠しの全容については、死亡事故を引き起こした車軸部品ハブやクラッチ部品の欠陥について、「不具合の多発を認識していたのに対策を講じなかった」とするにとどまり、欠陥隠しに関与した役員・社員などは一切、明らかにしなかった。

 また、2000年の「リコール隠し事件」で、分社前の三菱自が、今回と同様の再発防止策を運輸省(当時)に提出したのに、ほとんど実行されていなかったことについては、「当時のトラック・バス部門の関与は希薄で、(欠陥隠しを)自らの問題ととらえる姿勢が欠如していた」とした。

 同日会見した三菱ふそうのヴィルフリート・ポート社長は、「旧経営陣が適切な指示を出さなかったため、死亡事故などの深刻な事態を招いた」とし、今後は欠陥隠しを続けた企業風土などの問題について「会社の存亡を賭けて改善する」と述べた。

          ◇

 北側国交相は17日、閣議後会見で、三菱ふそうの報告書について、「問題は中身で、私どもが期待しているような、(社会の)皆様から理解が得られるものか」と語り、厳しく精査する方針を示した。

 国交省は、三菱ふそうについては、発売前に実施している新型車審査を厳格化。小型トラックなど約30車種の発売ができない事態が続いており、今回の報告書提出を審査緩和の条件の一つとしていた。

バスとトラック後輪に新たな欠陥 三菱ふそうリコールへ 12/01/04(朝日新聞)

 三菱ふそうトラック・バスは1日、観光バスとトラックの後輪に新たな欠陥が見つかったとして、近く計1400台のリコール(無償回収・修理)を国土交通省に届け出ることを明らかにした。ブレーキ関連部品から出火する不具合が昨年8月以降、島根、大阪、埼玉の3府県で計7件起きているが、けが人は出ていないという。自衛隊の輸送トラック約400台にも同じ欠陥の疑いがあり、同社が修理する。

 同社によると、後輪のブレーキに関係するゴム部品が老朽化して変形し、ブレーキがかかった状態になって過熱し、出火する恐れがあるという。91〜99年に製造された1800台が対象となる予定で、うち300台が観光バス。

 自衛隊のトラックは自衛隊法で安全基準などを定めており、同社はリコールに準じた無償修理を予定している。

 昨年8月、12月、今年7月にいずれも埼玉県で、走行中の大型トレーラーの後輪が過熱でパンクするなどの不具合が3件あった。今年7月以降は島根県と大阪府でも、大型観光バスで同様の不具合が相次いだ。

型式認証制度:リコール不正企業に厳格化 国交省  11/30/04(毎日新聞)

 自動車の安全性を審査する型式認証制度について、国土交通省は30日、リコール(回収・無償修理)に関して不正があったメーカーに対して審査を厳格化するとともに、再発防止策が十分でない場合は新車生産を認めない方針を決めた。三菱ふそうトラック・バスの欠陥隠し問題をきっかけに、有識者による検討会で議論し、中間報告をまとめた。年度内に道路運送車両法の省令改正などを進める。

 閣議後会見で北側一雄国交相が発表し、「これまでは法の保安基準に従って粛々と認証していたが、今後はきちんと対応する。三菱ふそうはまだ再発防止策の報告書も出しておらず、それが先決だ」と述べた。

 型式認証をめぐっては、三菱ふそうでリコールや死亡事故の隠ぺいが発覚。同省は4月に同社に対する認証を見合わせたものの、9月に道路運送車両法・保安基準に適合しているかどうか審査し、新車を認めた。しかし、リコールの遅れや欠陥による事故が多発する状況から、「国が安全のお墨付きを与えていいのか」と疑問が出ていた。

 このため、検討会(座長=吉本堅一・東京大名誉教授)は、不正企業の認証にあたっては(1)制裁的措置ではなく、安全確保、環境保全の観点から審査し疑問がないようにする(2)再発防止策が確認できるまで新車生産を認めない−−と、制度を改める報告をまとめた。【武田良敬

三菱ふそう、最新式「前輪ハブ」にも強度不足  11/23/04(読売新聞)

 三菱ふそうトラック・バスがリコール(回収、無償交換)した車軸部品「前輪ハブ」をめぐり、リコール対象にならなかった最新式ハブでも、一部車種で強度が不足していることがわかった。

 同社は24日に対策を発表する。一部車種で強度不足が判明した「後輪ハブ」と合わせ、新たに対策が必要な大型車は6万台を超える見通しだ。

 三菱ふそうでは今年3月から4月にかけ、前輪ハブに強度不足があったとして、1983―2003年に製造した計約22万台をリコールした。最新式については強度は十分だとしていたが、新たに設けた社内の強度基準で再検証を行った結果、最新式でも一部車種では基準を満たさないことがわかった。

 同社は、国の保安基準は満たしているとしており、リコールに準ずる「改善対策」を届け出る方向で国土交通省と協議する。発売中の新車についても、前輪ハブの強度が足りない一部車種に関しては、製造ラインを止め、対策部品に付け替えることを検討している。

修理済みの三菱トレーラー、プロペラシャフト脱落  11/18/04(読売新聞)

 17日午後0時20分ごろ、東京都大田区羽田空港の首都高速湾岸線西行きで、三菱ふそうトラック・バス製のトレーラーから、後輪に動力を伝えるプロペラシャフトが脱落した。トレーラーは約1・3キロ走って、路肩に止まった。

 三菱ふそうによると、トレーラーは、死亡事故を引き起こしたプロペラシャフトがつながるクラッチハウジングと呼ばれる部品の欠陥で、リコール対象車になっており、今年6月、すでに修理を済ませていたという。

 クラッチ部品周辺が破断していることから、欠陥が原因の事故だった可能性もあるとみて、同社で調べている。

 神奈川県警高速隊によると、運転手(37)は「運転席の下からドーンという音がして、アクセルが利かなくなった」と話しているという。

三菱ふそう、欠陥が原因の事故件数を過少申告?  11/18/04(読売新聞)

 今年6月に「欠陥隠し」問題が発覚した三菱ふそうトラック・バス(三菱自動車から分社)が、2000年の「リコール隠し事件」以降に、国土交通省に届け出たリコール(回収、無償交換)のうち14件について、欠陥が原因の事故件数を過少に申告するなど、虚偽の内容だった疑いがあることが、17日わかった。

 国交省は、三菱側が人身などの重大事故を隠していた可能性もあるとみて、事件以後のすべての届け出について、三菱ふそうに再調査を指示し、道路運送車両法に基づく報告を求める。

 三菱ふそうは、分社前の三菱自動車でリコール隠し事件が発覚した2000年7月から、大型トラックの車軸部品「前輪ハブ」の欠陥隠しを認める今年3月までの間、商用車について41件計約50万台をリコールした。しかし、今年6月の「欠陥隠し」問題で、1998年以前の欠陥・不具合情報を隠していたことが判明したため、国交省は2000年の事件後のリコールについても検証していた。

 この結果、41件のうち14件は2000年の事件以前に製造した車もリコール対象だったが、三菱側は、届け出の際、98年以前は欠陥が原因の事故はなかったと申告していた。

 このうち、昨年7月に届け出た大型トラックなどの車軸部品の欠陥では、リコールの対象は94年以降に製造した車が対象だが、「欠陥が原因の事故が初めて起きたのは、製造開始から7年経過した2001年7月で、事故件数はわずか13件だった」と申告。

 昨年1月にリコールの大型トラックは、94年製以降が対象だが、「最初の事故発生日は99年7月。届け出までの約3年半で、事故は5件の物損事故を含め、計14件しか起きていなかった」としていた。

 国交省では、三菱側が、2000年から今年3月にかけて届け出た14件のリコールについては、「製造開始時期からみて、事故件数が少なく不自然」と指摘。

 今年5月に届け出た大型車のクラッチ部品欠陥のリコールでも、三菱ふそうは当初、事故件数を67件と公表していたが、その後の社内調査で、少なくとも264件に上ることが判明しており、国交省では、三菱側が事故件数を過少申告していたとみて調べている。

 ◆リコール隠し事件=分社前の三菱自動車が、欠陥・不具合情報計約1万300件を隠していたことが2000年7月に発覚。三菱ふそうの前身の三菱自の商用車部門では、事件直前まで欠陥部品をひそかに交換する「ヤミ改修」を実施していたが、事件を機に全面廃止。欠陥隠しの再発防止を誓っていた。

三菱ふそうとの欠陥隠し合同調査を、三菱自解消へ  10/22/04(読売新聞)

 三菱自動車は21日、三菱ふそうトラック・バス(商用車部門が分社)と合同で進めていた「欠陥隠し」問題の社内調査について、調査を依頼した共同起用の社外弁護士を解任し、今月末で合同調査を解消すると発表した。三菱自は「合同調査では中立性が保てない」などとしている。今後は両社とも独自に調査を進め、12月に別々に結論を出す。

 欠陥隠し問題では、三菱ふそうの親会社のダイムラー・クライスラー社が三菱自に補償を求める構えをみせており、合同調査の解消で、逆に三菱自が三菱ふそう側に賠償を求めるなど、責任の所在を巡り両社が対立する可能性も出てきた。

 合同調査は今年7月、三菱ふそうが単独で進めていた社内調査に、三菱自が相乗りする形で実現。三菱自の古川洽次副会長は、「できることは全部やる」として、欠陥隠しに関与した旧経営陣への損害賠償も検討しているとしていた。

 しかし、両社が選任した弁護士16人のうち、共同起用の9人は、欠陥車問題の公判で無罪主張している元役員の弁護人を兼務していることが判明。国土交通省の岩村敬次官が「国民から見て変なことはやらない方がいい」と発言するなど、調査の信頼性に疑問を投げかける声が相次いでいた。

三菱ふそう事故隠し新たに197件、過少申告認める  10/21/04(読売新聞)

 三菱製大型車の「欠陥隠し」問題で、2002年に山口県で死亡事故を引き起こしたクラッチ部品の欠陥について、三菱ふそうトラック・バスは20日、過去に発生した事故は、今年5月のリコール(回収、無償交換)届け出までの10年間だけで、計264件に上ると訂正した。

 三菱ふそうはこれまで、同部品の欠陥による事故件数は、14年間で67件と国土交通省に申告していた。三菱ふそうは、事故を過少申告していたことを認め、「事故情報を扱う社内体制に問題があった」と謝罪した。

 新たに判明した197件のうち、63件は、山口県の死亡事故と同様、走行中に部品が破断する極めて危険な事故だった。事故を過少申告していたことについて、三菱ふそうでは、「販売会社とユーザーが折衝して故障として処理し、事故として扱っていなかったため」としている。

 さらに、大型バスの座席部品欠陥についても、再調査の結果、事故件数は当初の7件から22件に増えた。このうち人身事故は18件で、けが人は計31人に上ると訂正した。

 一方、三菱ふそうは、重大事故に直結する危険性の高い、大型車の車軸部品や大型バスの座席部品など9件の欠陥について、リコールの改修作業や緊急点検を優先的に行うことを決めた。9件のうち緊急点検などの実施率が5割を超えているのは4件にとどまっているためで、ユーザーに対しただちに整備や改修を受けるよう呼びかけを強める。

          ◇

 三菱ふそうは20日、リコールが必要な45件の欠陥隠しのうち、大型バスや小型トラックなどの3件の欠陥でリコールを届け出た。対象は1980年から昨年にかけて製造した計約26万5000台。残る欠陥はあと4件で、今月末までにリコールを終える予定。

プロペラシャフト脱落、三菱トラック東名で走行不能に  10/20/04(読売新聞)

 19日午後0時25分ごろ、静岡県浜松市和地町の東名高速道路上り線で、「三菱ふそうトラック・バス」社製大型トラックが走行中、後輪のプロペラシャフトが脱落して走行不能になった。後続の軽トラックがプロペラシャフトに乗り上げてパンクしたが、けが人はなかった。

 県警高速隊などの調べによると、このトラックは2001年式で、エンジンから後輪に動力を伝える回転軸・プロペラシャフト関連の締め付け部分に欠陥があり、リコール対象車だった。同隊は、事故原因がリコールの理由となった欠陥によるものかどうか詳しく調べている。

三菱製大型車、ユーザーにもリコール強制措置  10/15/04(読売新聞)

 国土交通省は15日、死亡事故の原因にもなった三菱製大型車のクラッチ部品欠陥を巡り、リコール(回収、無償交換)が出ているのに改修を終えていない約1350台に対し、道路運送車両法に基づく「整備命令」を出すことを決めた。

 ユーザーに対してリコールに応じるよう強制する異例の措置。国交省では今後、三菱ふそうトラック・バス(商用車部門が分社)が進めている他の欠陥のリコールについても、改修作業が進まなければ同様の措置を取るとしている。

 整備命令はこれまで、暴走族の違法改造車摘発などで出されるケースがほとんど。リコール制度で出されるのは、1969年の制度導入以来、初めて。命令交付から14日以内に車を改修しなければ、使用停止を命ずることができるほか、ユーザーには50万円以下の罰金が科せられる。

 クラッチ欠陥を巡っては、対策部品の製造が間に合わないため、三菱ふそうは、強度不足の既製部品に交換する「暫定対策」を進めている。10月9日現在、リコール対象の計約7万2000台に対し、実施率は95・7%で、3000台余りが改修に応じていない。

 このうち、約1700台は車検切れだが、現在も使用が確認されている約1350台中、約100台はリコールに応じない悪質なケース。また、約600台は所在不明になっているという。

 国交省は今後、所在不明の車を追跡調査するとともに、所在が判明している車については、来週以降に、地方運輸支局の係官がユーザーのもとを訪れ、整備命令書を交付する。

三菱ふそう、緊急点検後も事故多発…欠陥車対応遅れる  10/14/04(読売新聞)

 三菱ふそうトラック・バスが10月末に完了するとしてきた、「欠陥隠し」問題のリコール(回収、無償交換)作業に“黄信号”が点灯している。リコールと同内容の「緊急点検」を受けたはずの車で事故が相次いで起き、リコール作業自体も対策部品の製造が間に合わず、欠陥車への対応策が、遅れに遅れているからだ。

 10月6日に大阪市営バスで人身事故を引き起こしたバスの座席部品の欠陥。事故を起こしたバスは、今年8月にリコールと同内容の三菱ふそうによる緊急点検を受け、「部品交換の必要なし」と判定されていた。死亡事故まで引き起こしたクラッチ部品欠陥の際と同様、事故件数の「過少申告」がまたも発覚。国交省の追及を受けて再調査した結果、人身事故は当初の5件から、一気に15件に増えた。

 さらに、11日にも横浜市で、車軸部品欠陥で緊急点検を受けた大型トラックで事故が発生した。しかし、いずれの事故についても三菱ふそうは、「詳しい原因は調査中」と繰り返すばかりだ。

 三菱ふそうはこれまで約23万8000台についてリコールに準ずる緊急点検を済ませているが、点検が終わっているはずの車で事故が多発する事態に、リコールの作業がすべて完了しても、欠陥が原因の事故が再発する恐れが指摘されている。

 三菱ふそうの幹部は、「これまではリコールの内容より、届け出を急ぐことを優先させてきた」と対策が不十分である可能性があることを認め、「今後、追加でリコールすることもあり得る」とする。

 しかし、肝心のリコールの進展も、はかばかしくない。

 同社は今年6月以降、45件の「欠陥隠し」を公表、今月13日までに38件の欠陥で、リコール届け出を済ませた。しかし、対策部品の製造が間に合わず、「恒久対策」が始まったのは16件だけだ。

 10月9日までに恒久対策の実施率が5割を超えたのは、対象が400台余の現金輸送車の燃料タンク欠陥だけで、実施率は72・6%。2002年に山口県で死亡事故を引き起こした大型車クラッチ欠陥では、恒久対策を終えたのは88台(0・1%)に過ぎない。最近になって事故の多発が表面化したバスの座席部品欠陥も、2800台余り(10・1%)で改修を終えたにすぎない。残る欠陥では、低実施率の数字がずらりと並ぶ。

 出口の見えない欠陥隠し問題に、監督官庁である国土交通省のいらだちも募る。相次ぐ失態の積み重ねに、岩村敬次官は会見で、「企業として落第生」と厳しく批判した。

 逆風の中、親会社のダイムラー・クライスラー社は10月8日、欠陥隠し問題の対策費用などで約4億ユーロ(約540億円)の特別損失を計上すると発表。これについて三菱ふそうでは、「コメントすることができない」とかわすが、同社を取り巻く経営環境が厳しさを増しているのも事実。国交省幹部は「経営が大変なのはわかるが、路上から一刻も早く欠陥車を排除しないと」と、遅々として進まない事態に頭を抱えている。

 ◆リコールの恒久対策=欠陥のある部品を、不具合が起きないよう対策を施した改良品に交換するリコールの最終措置。三菱ふそうでは「欠陥隠し」18件のリコールで恒久対策が間に合わず、欠陥のある既製の部品と交換したり、点検で済ませる暫定対策を行っている。

リコール対象のプロペラシャフト脱落、後続4台乗り上げ 10/12/04 (朝日新聞)

 横浜市磯子区の首都高速湾岸線上り線上で11日午後10時40分ごろ、秋田県湯沢市相川の男性運転手(25)の三菱自動車製大型トラックのプロペラシャフトが脱落、後続の車4台が乗り上げ、1台の右前輪が破裂する事故があった。けが人はなかった。このシャフトには接合部分に構造上の欠陥があり、三菱ふそうトラック・バスは今月7日、約1万5000台を対象にリコール(無償回収・修理)を届け出たが、対策品の生産が間に合わず修理は進んでいないという。

 神奈川県警高速隊などによるとトラックは13トンで三菱自動車製(96年製)。男性がアクセルを踏んでもスピードが上がらず、路肩で停止したところ、第3通行帯付近に脱落したプロペラシャフトが転がっていたという。

 三菱ふそうなどによると、この欠陥は後輪にエンジンの回転を伝えるプロペラシャフトの接合不良が原因で、長さ約50センチ、重さ約13キロの金属製プロペラシャフトが脱落する恐れがある。山口県で運転手が死亡した事故とは、「プロペラシャフトの脱落という現象は同じだが、原因が異なる」という。

 この欠陥では、昨年3月以降、プロペラシャフトの脱落や異音の発生といった不具合が計30件起きており、うち6件で後続車にシャフトがぶつかる事故が起きている。

仙台市、三菱製バスの欠陥座席補修させる…13年前  10/09/04(読売新聞)

 三菱製大型バスに見つかった座席の欠陥で、仙台市交通局が13年前に座席が前倒しになると指摘し、補修させていたことが9日、分かった。

 市交通局によると、1991年に導入したバス11台を納車前に検査したところ、非常口横の座席が前倒しになることが判明。三菱側に指摘し、座席下と非常扉にストッパー金具を取り付けさせた。93年と2002年に同型のバス9台を購入した際も、金具の装着を求めた。

 国土交通省は、座席の欠陥が原因の人身事故が大阪市営バスで起きたことを受けて、座席の使用制限などを求める緊急通達を出している。

 仙台市交通局は「大阪市営バスの詳しい事故原因は知らないが、我々の指摘が生かされなかったとすれば大変残念だ」としている。

三菱バス、座席欠陥の人身事故6件隠していた  10/08/04(読売新聞)

 三菱製大型バスの座席部品欠陥を巡り、三菱ふそうトラック・バス(商用車部門が三菱自動車から分社)が過去に発生した6件の人身事故について、公表を控えていたことがわかった。

 同社は8日、6件の事故は欠陥が原因だったことを認めて謝罪した。これで欠陥が原因の人身事故は、今月6日に大阪市営バスで起きた事故を含め、全国で15件に上る。国土交通省は、組織的な「事故隠し」だった疑いもあるとみて調べている。

 三菱ふそうによると、6件の人身事故は、いずれも2002年3月から今年5月にかけて発生。横浜、大阪両市営バスなどで乗客がけがをしたほか、宮崎県日向市では2002年10月、遠足の小学生を乗せた観光バスで、児童1人が前に投げ出され、足に軽いけがをしていた。

 このほか、三菱ふそうは、けが人のいない不具合が過去に数十件発生していたことを把握していたが、公表を控えていた。

 三菱ふそうでは「誤った情報では、かえって混乱を招くので、調査がもっと進んだ段階で公表するつもりだった」としている。これに対し、国交省の岩村敬次官は8日の定例会見で、「国民の不安を増幅させるだけ。これでは企業として落第生」と批判した。

 三菱ふそうは先月22日のリコール(回収、無償交換)届け出で、欠陥による人身事故は全国で5件としていた。しかし、今月7日には、事故の集計漏れがあったとして、2件の人身事故を追加訂正。さらに翌8日には、青森県むつ市の送迎バスで発生した人身事故を公表していなかったことが発覚、同日午前にあわてて不手際を認めたばかりだった。

三菱バス座席欠陥、リコール直前の青森事故も隠ぺい?  10/08/04(読売新聞)

 三菱製バスの座席部品の欠陥を巡って、三菱ふそうトラック・バスが、先月届け出たリコール(回収、無償交換)の直前に発生していた同型バスの人身事故を隠していた疑いのあることが、8日わかった。

 三菱ふそうは、過去に発生した2件の人身事故が集計から漏れていたとして、7日に追加訂正したばかりで、この事故については、「発表から漏れてしまった」としている。北側国交相は8日午前の定例会見で「なぜ食い違いが出るのか」とした上で、「問題は、安全性より収益を優先するこの会社の体質。過去の情報はすべて開示すべきだ」と、厳しく批判した。

 同型バスの人身事故があったのは、リコール届け出の約二週間前の9月9日。青森県むつ市で、食品製造会社の送迎バスが急ブレーキをかけた際、非常口横の座席に座っていた50歳代の女性乗客が前に投げ出され、頭などを打ったという。

国交省、使用禁止を通達 三菱製座席欠陥バス2万8千台  10/07/04(朝日新聞)

 三菱自動車製造のバスの座席が倒れ、乗客が挟まれる事故が相次いでいる問題で、国土交通省は7日、全国のバス会社2200社に対し、エアロスターなど同社製の6車種のうち、座席の固定力に問題がある金具を使用したバス約2万8000台について使用を見合わせるか、座席使用を禁止するよう指示する通達を出した。約350社が問題のバスを使用しているといい、対応を迫られることになる。

 非常口脇の座席の欠陥について三菱ふそうトラック・バスは9月22日にリコールを届け出たが、各地の整備工場には10月7日現在も交換部品がほとんど届いておらず、改修作業は全く進んでいないという。6日には大阪市北区の国道2号で市バスが急停車した際に座席が前に倒れ、座っていた主婦が負傷する事故が起きており、国交省は早急な対応が必要と判断した。

 7日に記者会見した塩沢秀幸・同社品質技術本部長によると、固定金具の交換準備が整うのは今月中旬の見通し。しかも、現在ある金具が使用できるのは約1万台で、残りの大半は個別に点検した上で部品を改造する必要がある。同社では問題の座席付近に座らないよう乗客に注意を呼びかけるステッカーを作製し、7日から配布を始めた。

 塩沢本部長は会見で、00年3月に北海道旭川市で、02年11月に熊本県横島町で起きた同種事故で計5人がけがをしていたことを初めて明らかにした。座席の欠陥をめぐる人身事故は大阪市の1件を加え、計8件にのぼったという。

 同社は、死亡事故の原因になったハブやクラッチハウジングの欠陥でも対策部品の供給が遅れている。改修が進まないうちに新たな事故の発生が懸念される状況だ。塩沢本部長は「有効な手段が打てていないのは事実だ。とにかく部品の供給を急ぎたい」と語った。

三菱ふそう: 宇佐美前会長 不具合防止助言を一喝 10/07/04(毎日新聞)

 横浜地裁で6日開かれた三菱自動車(三菱ふそうトラック・バスに昨年1月分社)製大型車のクラッチ系部品の欠陥放置に絡む業務上過失致死事件の初公判で、検察側は、安全より経済性を重視する三菱自の企業体質を詳述した。そして、冒頭陳述で元社長の河添克彦被告(68)が経営難を理由に、リコール(回収・無償修理)を回避していたことなどを次々と明らかにした。

 河添元社長が社長に就いた97年、同業他社でリコール隠しが発覚。当時の副社長は「今後は三菱自でもやめるべきだ」と進言したが、同社が多額の負債を抱えて経営がひっ迫していたことから、河添元社長は「いっぺんにするわけにはいかない。時間をかけてやっていかなければ仕方ない」と聞き入れなかった。

 三菱ふそうトラック・バス前会長の宇佐美隆被告(64)も94年8月の会議で、部下からクラッチハウジングの不具合防止を助言されても、「そんな古い話を持ち出すな」と一喝し、欠陥を放置。だが、不具合は続発し、96年に三菱自元取締役の中神達郎被告(62)を中心にリコール検討会が開かれ、クラッチハウジングの欠陥はリコール相当と判断された。対象車は9万2000台に上り、費用が約90億円とばく大になるため、リコールは見送られ、ヤミ改修を実施。00年までのヤミ改修実施率は1%に満たなかった。

 00年にリコール隠しが発覚した際も、リコール案件の選別が進められた。だがリコール対象を「98年4月以降」の不具合に限定し、「多発性の基準」と称してトラック・バスは不具合の発生が5件以上の場合に絞り込まれた。クラッチハウジングの不具合の発生は4件で対象から外された。

 こうした不適切な基準は中神元取締役から村田有造元副社長(67)、宇佐美前会長、河添元社長に順次報告され、河添元社長も、この基準に異を唱えず、00年8月に運輸省(当時)に対して、「過去の経緯は文書がないか廃棄されているものが多い」という虚偽の報告を行った。【広瀬登】

関西電力美浜原発3号機の事故 で保安院のチェック機能・監督の甘さが露呈したが、三菱自のクラッチ部品の欠陥の隠ぺい では国土交通省のチェック機能を利用したと解釈できる。役人はもっと勉強をするべきで あろう。お役人は裸の王様であることに気付くべきであろう。

欠陥隠ぺい“謀議”を指弾…検察冒頭陳述  10/06/04(読売新聞)

 検察側は冒頭陳述で、三菱自がリコール回避のため、クラッチ部品の欠陥の隠ぺいを決めた経過や、2000年のリコール隠し事件発覚後の同社の対応の甘さを詳述した。

 三菱自社内でクラッチ欠陥が問題となったのは1994年8月。品質保証の担当者が、90年ごろから問題が起きているとして、対策を宇佐美被告に進言したが、同被告は「そんな古い話を持ち出すな」と一喝した、とした。

 その後、96年5月のリコール検討会で、再びクラッチ欠陥の対策が議題になったが、対象台数が9万台以上で、費用も90億円と巨額に上ることから、ヤミ改修で対応することを決定。当時、東京自動車製作所長だった村田被告は、「費用削減のため、部品を取り外さずに検査を行うように」と指示していた。

 2000年7月に発覚した「リコール隠し事件」では、危険な欠陥を多数、放置していたことを熟知していた宇佐美被告は、トラック・バスの対応を中神被告に一任。同被告はリコール届け出を行う欠陥の基準として、98年4月以降の不具合発生件数が「5件以上」の欠陥に限定。この結果、この間に不具合が4件しか発生していなかったクラッチ欠陥は、リコールの対象から外された。この選別結果は、村田、宇佐美、河添各被告に順次報告された。

 2000年8月には、運輸省に対し、過去のヤミ改修をどう隠し続けるかを協議する品質問題幹部会が開かれ、河添、村田両被告らは、「98年3月以前の欠陥情報は調査しない」とする方針を決定した。

三菱車欠陥事故訴訟、元幹部2被告は過失認める方針  10/02/04(読売新聞)

 三菱自動車製大型車のクラッチ部品の欠陥が原因で2002年10月、山口県でトラック運転手が死亡した事故で、業務上過失致死罪に問われた同社元社長・河添克彦被告(68)ら4人の初公判が6日、横浜地裁で開かれる。

 自動車メーカーのトップの責任が問われる注目の裁判で、河添被告ら2被告は「死亡事故を予見することは不可能だった」として無罪を主張する見通しだが、他の2被告は過失を認める模様。一連の事件の公判で、初めて認否が分かれることになりそうだ。

 このほか初公判を迎えるのは、当時副社長で三菱ふそうトラック・バス元会長・宇佐美隆(64)(虚偽報告事件で公判中)、社内組織「三菱ふそうトラック・バスカンパニー」元社長・村田有造(66)、元執行役員品質・技術副本部長・中神達郎(62)の3被告。

 宇佐美被告も河添被告と同様、「事故は予見できなかった」として無罪を主張する見通しだが、村田、中神両被告は「欠陥を知りながらリコールなどの改善措置を取らなかった過失がある」として罪を認める模様だ。

三菱「ハブ」欠陥、不具合隠ぺい工作を詳述…検察側  10/01/04(読売新聞)

 横浜地裁で30日開かれた三菱自動車製大型車の車軸周辺部品「ハブ」の欠陥を巡る業務上過失致死傷事件の初公判で、横浜地検は、同社が長年にわたり、リコール(回収・無償修理)を回避するため、車両の不具合情報を、リコールなどに該当しない「オープン情報」と、それ以外の「秘匿情報」に区別して二重管理していた隠ぺい工作の実態を詳細に明らかにした。

 冒頭陳述によると、同社が車両の不具合情報について二重管理を始めたのは1977年ごろ。重大事故につながる危険性の高いトラックやバスの不具合情報は大半を秘匿していた。

 さらに、秘匿情報には「<H>」のマークを付け、管理番号のケタ数を変えたり、販売会社に送る書面も黄色の用紙にしたりするなど、隠ぺい手口の徹底ぶりを詳述。運輸省(当時)の立ち入り検査を想定し、書類を倉庫に運び込む訓練も実施していたという。

 また、情報の二重管理が発覚するのを防ぐため、秘匿していた不具合情報が運輸省に知られた場合、過去に同種の不具合がない旨の報告をするか、比較的新しい情報のみに限って開示することを通例としていたと指摘。今回の事件で業務上過失致死傷罪に問われた元市場品質部長の村川洋被告(58)も98年5月、小型トラックのタイヤが破裂する不具合について運輸省に報告書を提出した際、過去に同様の不具合があったことを認識しながら、「同種苦情の発生はない」と虚偽の報告を行うなどしたとした。

 こうした情報の二重管理は、2000年7月の「リコール隠し事件」発覚まで続いたとされている。

三菱ふそう、リコール隠し発覚後もヤミ改修の疑い  09/29/04(読売新聞)

 三菱ふそうトラック・バスが今月リコールを届け出た大型路線バスの座席部品の「欠陥隠し」を巡り、分社前の三菱自動車が2002年、この欠陥が原因で2度の人身事故が発生した大阪市交通局の路線バスの計30台について、欠陥部品を改良品に交換するなどの改修をしていたことが、28日明らかになった。

 三菱ふそう側はこれまで、最初のリコール隠し事件が発覚した2000年以降は、欠陥部品をひそかに交換する「ヤミ改修」を中止したと説明していたが、その後も同様の措置を続けていた疑いが浮上した。

 国土交通省は、こうした行為が公共交通機関を対象に行われていた点を重視。リコールを避けて改修を行った経緯について説明を求めている。

 この欠陥は、車両後部の座席部品の留め具のかかり具合が不十分なため、座席が前に倒れる恐れがあるというもの。三菱ふそうによると、大阪市交通局の路線バスで最初に人身事故が発生したのは2002年7月で、急ブレーキの際に非常口わきの座席の留め具がはずれて前に倒れ、乗客が前に投げ出されて胸や足に打撲傷を負った。

 同年9月にも同じ欠陥で人身事故が発生したため、三菱自は改良品を製造。翌年2月までに同局のバス30台を改修し、数十万円に上る費用も全額負担した。

 この欠陥による人身事故は、2001年以降だけでも、大阪市の2件のほか、愛媛、兵庫、神奈川県で1件ずつ発生。しかし、三菱自では、この欠陥について、品質保証部門が保安基準違反にはあたらないなどと判断したため、リコール届け出は見合わせていたという。

 三菱ふそうの話「改修はユーザーから求められたので実施した。保安基準は満たしており、これが欠陥だったとは考えていない」

三菱が7車種リコール「欠陥隠し、対策終えた」と発表  09/28/04(読売新聞)

 三菱自動車は28日、同社の追加調査で明らかになった1979年以降の計224件の欠陥・不具合のうち、6件はリコール(回収、無償交換)が必要な欠陥だったとして、7車種1万800台について、国土交通省にリコールを届け出た。

 同社は今年6月に一連の「欠陥隠し」を公表したが、これにより過去のすべての欠陥について「対策を終えた」と発表した。

 国交省も同日、三菱自動車のすべての欠陥・不具合の審査を終了。三菱自動車の「欠陥隠し」問題で、これ以上のリコールは必要ないと結論づけた。

 今回の問題で同社が届け出たリコールは計39件。対象は27車種、計約20万7000台に上った。リコール費用は、最終的に約30億円に上る見通し。

 同社が28日に新たに届け出たのは、92年―99年式の軽自動車「ミニカ」や小型車「シャリオ」などで、エンジン部品や燃料タンクの取り付け不良などの欠陥。他の欠陥については、すでに定期点検などで不具合が解消されているなどの理由で、対策は必要ないと判断したという。

消費者軽視の三菱自動車(ふそう)の本質が現れたと思う。この体質・態度が今回の 大型車の欠陥による事故や三菱自の「ヤミ改修」の原因であろう。 大手でもこのような対応を取ることを想定せずに、監督が甘かった国土交通省の 責任も重い。国土交通省は、一個人(被害者)が大手企業を相手に戦うことが如何に困難で を理解し、今後の対応を考えてほしい。言葉だけで逃げるような事をするべきではない。 もし、三菱自「起訴状納得いかない」で無罪になれば、電力会社の原発は安全であるとの 発言は信用できない事になるであろう。なぜなら、 関西電力美浜原子力発電所3号機の事故 で関電は責任から逃げる態度を見せてる。このように、大手としてのリーダー的な役割を 考えず、私利私欲だけを考える企業を管理・監督できない行政であれば、社会の秩序など 存在しない。危険な原発でも、関電の発言を聞くと、原発=とても危険=事故まで放置=事故の 言い訳の公式が成り立つような気がする。外国人に、「三菱だって欠陥を何十年も隠している のだから、中国製の製品でもいいんじゃないか。」と言われると、何も言えないと事が悲しい。 国土交通省が適切な処分を下すから、秩序や公正が守られるとも言えなかった。

三菱自「起訴状納得いかない」、「なぜ争う」遺族反発  09/02/04(読売新聞)

 「起訴状に納得いかない点がある」。企業の隠ぺい体質が問われた三菱自動車製大型車の欠陥を巡る事件のトップを切って、横浜簡裁で1日開かれた虚偽報告事件の初公判。

 三菱ふそうトラック・バス(商用車部門が分社)元会長の宇佐美隆被告(64)ら3人と、法人としての三菱自はそろって無罪を主張し、組織的な欠陥隠しの実態を明らかにしようとする検察側との全面対決が始まった。

 同簡裁の傍聴席が手狭なため、横浜地裁でも最も大きな101号法廷が攻防の舞台となった。

 午前10時に開廷。検察側は冒頭陳述で、三菱自が虚偽報告を行った2日前の2002年1月30日、ハブの自主点検結果を国交省に報告した際、交換率16・2%は高すぎるとの指摘を受け、自主的にリコールを届け出るように強く示唆されていたことを明らかにした。しかし、報告を受けた宇佐美被告らは31日、あくまでリコールを回避する方針を指示。これを受け、花輪亮男被告らが対応を協議し、国交省への説明資料が作成されたと指摘した。

 一方、罪状認否で宇佐美被告は、まず、死亡事故について「申し訳なく、深くおわびします」と謝罪。しかし、続けて「起訴状については納得いかない点がある」として、〈1〉国から法に基づいてハブの報告を求められていない〈2〉虚偽報告はしていない〈3〉ハブ摩耗度の隠ぺいはない――などと、はっきりとした口調で起訴事実を否認した。

 ただ、終始伏し目がちで背を丸め、かつて社内で「プリンス的存在」と言われた面影は消えていた。

 弁護側も意見陳述で「捜査及び起訴は実態を見誤っている。(犯罪の)成立要件を欠き、(起訴事実は)空中楼閣だ」と激しく反論した。

          ◇

 横浜市の母子3人死傷事故で死亡した主婦岡本紫穂さん(当時29歳)の母、増田陽子さん(55)は複雑な思いで初公判の日を迎えた。

 三菱ふそうトラック・バスのヴィルフリート・ポート社長は3月、増田さんに直接会って初めて謝罪。だが、同社が分社する前の三菱自をはじめ、被告全員はこの日、無罪を主張した。

 代理人を通じてコメントを寄せた増田さんは、最高刑で罰金20万円の虚偽報告罪について、「娘とその子供3人の死傷事件の責任としては、不当に軽すぎる」と改めて抗議し、「なお争うという姿勢に、三菱の人命軽視の姿勢がよく表れています」と厳しい言葉を向けた。

 増田さんが、同社と国などに「制裁的慰謝料」など総額1億6550万円を求めて横浜地裁に起こした訴訟は今年7月、和解協議が決裂。増田さんは「いまだに賠償責任さえ果たそうとしない三菱自動車に対して激しい憤りをおぼえます」と結んだ。

ハブ欠陥虚偽報告、きょう初公判…三菱自、無罪主張へ  09/01/04(読売新聞)

 横浜簡裁で1日に初公判が開かれる三菱製大型車欠陥の虚偽報告事件を巡り、法人として道路運送車両法違反の罪で起訴された三菱自動車の対応が注目されている。

 三菱ふそうトラック・バス(商用車部門が分社)元会長の宇佐美隆被告(64)らが起訴事実を全面否認するのに合わせ、三菱自も無罪主張するとみられるからだ。一連の欠陥隠し問題で三菱両社は、非を全面的に認めて再発防止を誓ったばかりで、両社は、「欠陥隠しがあったことまで否定するつもりはない」と弁解に躍起だ。

 宇佐美被告らは、2002年1月に横浜市で発生した母子死傷事故で、事故原因の大型車の車軸周辺部品「前輪ハブ」が走行中に破断する欠陥について、国土交通省にウソの報告を行ったとして、道路運送車両法違反で起訴された。同法の両罰規定で、大型車部門などが分社する前の三菱自も、法人として起訴された。

 裁判の争点は、事故直後の同年2月、三菱側が国交省に対して行った「虚偽報告」が、道路運送車両法に基づく同省の正式な要請によるものかどうかだ。

 検察側は、三菱側が同年2月、国交省に対して行った説明について、技術的根拠がないのにハブ破断の原因を「整備不良や過積載」などとするデータをねつ造して提出したとした。

 しかし、宇佐美被告らは、2月の報告は、道路運送車両法に基づく正式なものではなかったとして、同法違反は成立しないと主張。弁護側も、社内で原因検証が進んだ同年3月以降は、「整備不良だけが破断原因ではないことが徐々に明らかになっていた」と認める一方で、検察側が主張する2月の時点では、「原因が特定されておらず、報告内容は虚偽ではない」と反論、全面的に争う方針だ。

 “法廷戦術”とはいえ、無罪主張は経営再建中の三菱自にとってマイナスイメージとなりかねない。このため、三菱両社は、「過去の欠陥隠しについて社の見解をまとめる」として、弁護士による社内調査を合同で進めているが、調査がまとまるのは早くて年末だ。

 三菱ふそうも、今年3月にはヴィルフリート・ポート社長が自ら、母子死傷事故の遺族を訪れ謝罪しており、「無罪主張では整合性が取れない」と社内で疑問視する声も出ている。

 「事故を起こした事は反省すべきだが、当時の対応に犯罪行為はなかった」とする三菱側の主張はどこまで認められるか。9月以降に続々と初公判が開かれる欠陥隠し事件の公判では、三菱両社の企業姿勢も問われることになる。

          ◇

 横浜簡裁での公判のほかに、母子死傷事故で業務上過失致死傷罪に問われた三菱自の元市場品質部長・村川洋被告(58)ら2被告の公判は、9月30日に横浜地裁で始まる。

 また、山口県で起きたクラッチ部品欠陥による死亡事故を巡り、業務上過失致死罪で起訴された同社元社長・河添克彦被告(67)ら4被告の公判は、10月上旬にも同地裁で予定されている。

クラッチハウジングの欠陥で新たに事故2件 三菱ふそう  08/18/04(朝日新聞)

 三菱自動車製の大型車の金属部品「ハブ」の欠陥問題で、三菱ふそうトラック・バスは18日、暫定対策の交換部品としてきた最新型のF型ハブで「十分な強度が確認できた」と発表した。横浜市の母子死傷事故を起こしたD型ハブの約2倍の強度を確認したという。この結果、リコール(無償回収・修理)対象だった約6万7000台のうち、F型への交換を確認した約4万9000台のリコールが完了したことになる。

 しかし、初期のF型は材料の強度が不足しているといい、同社は19日、大型車2358台について最新型に交換するリコールを届け出る。国土交通省はこの届け出を受けて、最新のF型を恒久対策品として認定する。

 一方で同社が予定しているリコール対象の欠陥が原因と見られる事故が7月に2件相次いでいたことも明らかにされた。同28日、北九州市の北九州都市高速道路で大型トレーラーのプロペラシャフトが脱落して後続車が乗り上げ、同31日には大分県中津市で大型トラックが炎上した。シャフトをつなぐ部品のゆるみやエンジンの回転数が下がらなかったことが原因で、同社は両欠陥のリコールを9〜10月に届け出る予定でいる。

三菱ふそう、クラッチ破断事故件数を過少申告?  08/07/04(読売新聞)

 長年にわたる欠陥隠し問題で揺れ続ける三菱ふそうトラック・バス(三菱自動車から分社)で再び、信頼性に疑問を抱かせる「問題」が相次いでいる。

 欠陥をめぐる事故の発生件数が、当初の公表数よりはるかに多い可能性が高まるなど、問題は“底なし”の様相を見せている。

 死亡事故を引き起こし、今年5月末にリコール(回収、無償交換)を届け出たクラッチ欠陥で、同社は、過去14年間の不具合は67件、うち破断事故は21件と公表した。しかし、届け出以降の2か月だけで、これまでのペースをはるかに上回る19件の破断事故を含む34件の不具合が多発している。

 同社は、「たまたま」「リコールで欠陥が注目されたため」と説明してきたが、国土交通省の指摘を受けて再調査したところ、「破断事故はゼロ」としてきた今年5月までの8か月間にも、欠陥が原因の破断事故が新たに2件発生していたことが判明。これとは別に11件の事故や不具合が発生していたのに、原因究明すら行われていなかった。

 98年以降、販売会社に発送した交換用のクラッチ部品の総数は728個もあったのに、事故や不具合として同社に報告が上がっていたのは18件だけとしていた。

 同社はここでも、「部品の寿命で破断したケースもある。すべて欠陥とは限らない」と主張するが、クラッチ部品は本来、交換を想定していない「永久寿命」。立ち入り検査を行い、実態解明を進める国交省も、事故件数が申告より大幅に多い可能性を指摘する。

 今年2月に愛知県内で発生した小型トラックのブレーキ部品の欠陥を巡る人身事故では、同社は当初、国交省に物損事故と報告していたが、今月4日になって慌てて訂正した。

 また、仙台市内の販売会社では、整備士のミスで6―7月にリコールで検査した大型車59台のうち2台で、交換が必要なクラッチ部品の亀裂を見落としていた。同社は、すでに検査を終えた約4万4000台には「見落としはない」と強調するが、不正やミスを見逃さないチェック体制は、依然として“お寒い”状態。

 国交省幹部も、「これでは問題解決がいつになるのか見当も付かない」と頭を抱えている。

欠陥隠し問題、三菱自が弁護士による社内調査始める  08/05/04(読売新聞)

 三菱自動車は5日、三菱ふそうトラック・バス(商用車部門が分社)と合同で、欠陥隠し問題の社内調査を始めたと発表した。

 弁護士13人による調査チームを編成し、欠陥隠しを黙認してきた社内体制について、旧経営陣ら当時の関係者から聴取を進め、年内をめどに調査結果をまとめる。

 この日、会見した三菱自の古川洽次副会長は「調査を通じてできることは全部やる」として、欠陥隠しに関与した旧経営陣に対する損害賠償請求訴訟も視野に入れていることを明らかにした。

三菱ふそう、バスの金属部品も破断 立ち入り検査で確認  07/15/04(朝日新聞)

 大型車の欠陥による事故を隠した三菱ふそうトラック・バス川崎製作所への国土交通省の15日の立ち入り検査で、バスの金属部品「クラッチハウジング」1個が破断していることが分かった。リコール対象になっていないため、同省は同社に対し、早急な原因調査を指示した。

 この日の検査で、クラッチ系統の欠陥で亀裂や破断が生じたクラッチハウジング14個を確認。そのうちの1個がリコール対象になっていなかった。ほかに2個の部品でも破断や亀裂が入っていた。

 同省は、事故や不具合の情報をまとめた社内書類の「商品情報連絡書」や、販売店への修理指示文書などの書類の提出を受けた。これまでの三菱ふそうの説明と照合しながら、事故隠しの解明を進める。

 一方、同省は同日から、クラッチ系統のリコール対象車のうち、緊急点検を受けていない約6万4000台の使用者に対し、点検を受けるよう求める通知書の郵送を始めた。往復はがき形式をとり、すでに点検を受けた使用者には報告を求める。

クラッチ破断が新たに7件見つかったそうであるが、報告書の信頼性に問題があることは 明らかであろう。そうなると、今まで提出された説明書、資料、報告書の信頼性にも正確性 に書ける可能性もある。隠ぺいに関わった社員が部長級社員以外にいない事についても 再調査をするべきであろう。隠ぺいしたものが今さら名乗り出てくる可能性は低い。 しかも、「会社のため」と言う洗脳的言葉が社員の心の中にあると推測される状況では 無理。告発すれば、裏切り者扱いは避けられないと思われる。結局、これまでの対応が 品質管理の問題や隠ぺい体質の問題の形を変えて現れていると思われる。エンドレス・プロブレム、 ネバーラーンと言ったところであろうか。 三菱ふそうの欠陥クラッチ「破断」、新たに7件  07/14/04(朝日新聞)

 三菱自動車製大型車の欠陥隠し問題で、同社から商用車部門を引き継いだ三菱ふそうトラック・バスのビルフリート・ポート社長が14日記者会見し、02年に山口県で死亡事故を引き起こした「クラッチハウジング」の欠陥によって同部品が「破断」する事故が新たに7件あったことを明らかにした。

 9日に発覚した部長級社員=懲戒解雇=による2件の隠蔽(いんぺい)を含めて、すべてリコール届け出後の5月以降に発生。同社は「公表が遅れたもので隠蔽ではない」としているが、公表は発生から最大1カ月半も経過しており、重大事故に対する認識の甘さが改めて浮き彫りになった。

 同社は7件のうち2件については静岡県と埼玉県でおきたことを公表したが、残る5件は「販売会社からの電話やファクスによる情報で、確認がとれていない」として詳細を明らかにしなかった。

 静岡の事故は5月29日、国道1号バイパスを走行中のダンプカーが走行不能となった。クラッチハウジングが破断し、エンジンの動力を後輪に伝えるプロペラシャフトが脱落してマフラーを壊していた。

 埼玉の事故は6月24日、さいたま市の大宮バイパスで同じくクラッチハウジングが破断し、プロペラシャフトの部品が脱落した。残る5件もすべてクラッチハウジングが破断した。いずれの事故も山口の死亡事故と同様に、ブレーキ故障や火災などの重大事故につながる恐れがあった。

 三菱ふそうによると、クラッチハウジングの欠陥では92年以降、死亡事故を含む人身事故3件、物損事故13件、火災2件が起きている。

 静岡、埼玉の事故はいずれも6月末までに地元の販売会社から三菱ふそうに報告されていた。しかし、この報告が社内調査責任者の塩沢秀幸・品質技術本部長に届いたのは今月7日。実際に塩沢本部長が報告書類に目を通したのはその3日後で、公表はさらに週1回の定例会見のある14日までずれ込んだ。

 ポート社長は、公表が遅れたことについて「内容を十分確認したうえで情報提供するため」などと釈明した。

 また、同社長は昨年9月以降の事故情報はないとしていたが、今春以降多発していたことが相次いで発覚したことから「再度調査する」との意向を示した。

「会社のためを思ってやった」と生産本部品質管理部の部長級社員は言ったそうだが、 三菱は会社のためならなんでもやる、それがモラルから逸脱していてもと解釈もできる。 会社が儲かれば、自分の給料やボーナスに影響する。結局は、会社と自分の利益のため。 組織的でなく部長級社員が勝手にやったと言うことであるが、この社員一人で点検し 資料を作成したのだろうか。破断事故を亀裂と報告した人は、この部長級社員が隠ぺいした ことに気が付くだろう。回収した部品のうち6件で亀裂があり、そのうちの2件は破断で あったのなら、少なくも1人又は2人はこの報告に問題があったことに気づいていただろう。 また、提出された報告書に目も通さずに上に提出するのもおかしい。大手であれば、 なおさらおかしい。もし、現場の整備士の報告がそのまま、誰も目を通さずに本社に 提出されるようであるのなら、管理、監督にも問題があると思われる。 このような疑問を抱く人は他にもいるかもしれない。どこまで、隠ぺいが続くのだろうか。 問題が公にならなければ功労賞ものだっかたもしれない。どれだけ巧妙に隠ぺい するかで天国と地獄がきまるのであろう。やはり、社員の問題でなく、会社の体質なのであろう。
参考: ★組織内で「不正、告発」の起こるメカニズム

三菱ふそう: 欠陥部品を虚偽発表 社内で情報隠し 07/09/04(毎日新聞)

 三菱ふそうトラック・バスの欠陥問題で、同社はリコール(回収・無償修理)を届け出た大型車の欠陥部品「クラッチハウジング」の交換・回収した6個に亀裂があったと8日に発表したが、そのうち2個は部品全体が破損し走行不能となる事故を起こしていたことが新たに分かった。同社が9日に再び記者会見を開き、この事実を認めた。社内で情報隠しがあり、虚偽の事実を発表したという。国土交通省は同社に対して報告を求めるとともに、同部品を装着した危険車両(リコール対象は計7万4500台)について事実上の運行停止措置を取るよう、異例の行政指導に乗り出した。

 事故は、今年6月2日、東京都内の首都高速道路・駒形インター付近を走行中だった大型ダンプカーでクラッチハウジング(直径約50センチ)の円筒壁面が輪切り状に破損したうえプロペラシャフトが脱落、燃料タンクなども壊れ走行不能になった。ブレーキは壊れなかったため暴走は免れたという。同9日には静岡県内の作業現場でトラックが稼働中、運転手が異音を感じ販売会社に連絡。やはりハウジング全体が割れていたという。

 同社はこの事故2件のハウジングをひそかに回収。今月8日の塩沢秀幸・執行役員品質・技術本部長らの記者会見では、「9314台を点検し、ハウジング6個に長さ3〜11センチの亀裂が見つかった。破損事故はない」とうその発表をしていた。

 塩沢本部長らによると、8日夜に帰社後、生産本部で回収品の分析を担当する部長級社員に数字などを確認したところ、「実は資料を作る際、事故を亀裂にした。公表したくないと判断した」と説明。このため川崎工場などで現物や写真を調べたうえ9日未明、国交省に改めて報告した。現物のうち、駒形インターの事故のものなど3個は見当たらず、ひそかに処分した可能性もあるという。

 塩沢本部長は9日の会見で「不正な対応だった。心よりおわびする」と謝罪し、担当社員を同業務から外すとともに「調査したうえ関係者を処分する」と述べた。【武田良敬】

故障を隠した部長級社員を懲戒解雇 三菱ふそう  07/12/04(朝日新聞)

 三菱ふそうトラック・バスが大型車のクラッチ系統の欠陥による重大な故障2件を隠していた問題で、同社のビルフリート・ポート社長は12日、「生産本部品質管理部の部長級社員が個人の判断で社内の報告書を改ざんした」として、この部長級社員を13日付で懲戒解雇処分にすることを明らかにした。

 ポート社長は記者会見で、「社長としての責任を痛感している」などと陳謝。部長級社員は50代の男性で、クラッチハウジングの亀裂や破断についての資料を見た際、「直感的にまずい」と独断で判断し、報告書の記載を修正したと説明した。

 部長級社員は「会社のためを思ってやった」と話しているという。

 同社は12日、国土交通省に社内調査の中間報告書を提出した。今後、クラッチ系統の欠陥のリコール(無償回収・修理)を届け出た5月26日以降の社内情報も調べ直し、事故や故障の情報隠しがなかったかを確認するとしている。

三菱ふそう、また隠蔽 クラッチ系統欠陥をわい小化 07/09/04(朝日新聞)

 三菱ふそうトラック・バスは9日、三菱自動車製大型車のクラッチハウジングで見つかった亀裂について「3台で『貫通』としたが、うち2台は『破断』していた」と8日の発表を訂正した。発見の経緯も「点検ではなく故障でわかった」と言い直した。状態、発見の経緯ともに、事実を矮小(わいしょう)化させた担当社員の報告をうのみにして公表したとしている。問題の社員はすでに職務を外し、近く処分するという。

 同社によると隠蔽(いんぺい)したのは生産本部品質管理部の部長級社員。実際はクラッチハウジングの周囲約1.5メートルに及び、破断していたのに、「亀裂は最大11センチ」と報告したほか、破断が原因で車が走行不能になったのに「リコール点検中に亀裂を発見」と偽っていた。部長級社員は、破断を「公表したくなかった」と説明したという。

 虚偽報告は8日の発表で、報道側の質問に対する担当部門の答えが二転三転したために同社が調査し、9日未明にわかった。

 破断に至ったケースの一つは、6月2日に都内の首都高速道路上で発生。クラッチハウジングが破断したためにエンジンの回転を後輪に伝えるプロペラシャフトが脱落、燃料タンクを傷つけていた。状況は山口県内で02年、運転手が衝突死した事故と酷似し、極めて危険な状態だった。

 ユーザーからは改めて怒りの声が上がった。

 静岡県の建機レンタル会社の社員は「客に車を提供する立場として見過ごせない。いくら整備しても、メーカーにうそをつかれてはどうにもならない」。問題の欠陥で94年に事故にあった横浜市の運転手(50)は「元社長が起訴されてまで、なぜうそをつくのか。頭を下げる販売会社の従業員も哀れだ。三菱車というだけで乗るのが怖い」と話した。

 企業倫理に詳しい小林俊治・早稲田大学商学部教授は「事件を経ても、改革の意識が社員に浸透していないことが露呈した。三菱という『家』の中の価値観と社会の倫理観とがかけ離れている。経営危機に陥ってもグループが支援してくれるという慢心が社員の危機感を薄めているためではないか」と話した。

「亀裂」2件、実は「破断」…またウソ、三菱ふそう 07/09/04(読売新聞)

 三菱自動車製大型車でリコール(回収、無償交換)作業が進められているクラッチ部品の欠陥を巡り、三菱ふそうトラック・バス(商用車部門が分社)が回収した部品のうち6件で亀裂が見つかった問題で、このうちの2件は自走不能となる「破断事故」だったことが分かった。

 同社は8日の記者会見で、「亀裂は最大20センチ程度」とウソの内容を公表していた。

 同社幹部が9日未明、国土交通省に対し、発表内容にウソがあったことを認め、陳謝した。同日夕にも同社最高首脳が記者会見を開き、事実関係について説明するとみられる。

 国土交通省によると、破断事故を起こしていたのは、1992年式の大型ダンプ車と、95年式の大型カーゴ車。当初の発表では、回収したクラッチ部品の「クラッチハウジング」について、大型ダンプ車では「計約22センチの貫通亀裂」、大型カーゴ車では「計約20センチの貫通亀裂」が、それぞれ見つかったと公表した。

 しかし、この2台は、いずれも走行中に円筒状のクラッチハウジングが全周にわたって亀裂が入り、破断。自走ができない状態になったという。

 三菱ふそうでは、この2件を「事故」として扱わず、リコールのために点検作業を受けた車両から回収した部品と発表。国交省に対しても、同様の内容を報告していた。

品質管理システムが機能していない企業やメーカーは三菱だけでないでしょう。 ISO9002が要求されている船舶検査会社でも、 不適切な検査 をしているところはあります。検査(審査:Audit)するほうが悪いのか 検査(審査:Audit)される方が悪いのかは、それとも両方が悪いのかは チェックされるまでは神のみが知るところでしょう。

品質管理マニュアルに基づいて、品質やサービスのトレーサビリティーが 確認できないと基本的にはISOの審査に合格できないはずだ。 また、内部監査もISOでは義務付けられている。組織ぐるみであれば 内部監査も意味が無いが、実際、どのような審査が行われていたのだろうか。 ISOの本当の意味は、品質管理であるが、隠ぺい隠し行為の管理だったと 思えば、運輸省の監査対策などの良いマニュアルが確立されていたと思う。 品質管理システムの審査の方法も改善が必要と思われます。ISOの本来の 目的から外れていると思います。

三菱ふそうの品質規格、取り消しへ 欠陥隠し理由に 06/16/04(朝日新聞)

 三菱自動車の商用車部門が分社した三菱ふそうトラック・バスの欠陥隠し問題で、同社の工場(川崎市など)を統括する生産本部が取得していた品質管理システムの国際規格「ISO9001」の認証が、元社長らの逮捕に発展したクラッチ系統の欠陥隠しを理由に停止されたことが15日、分かった。認証停止は極めて異例。欧米ではISO9001の認証取得を取引の条件にしているところが多く、国際競争力の低下につながる。経営への打撃が予想される。

 認証を停止したのは財団法人日本ガス機器検査協会(JIA、東京都港区)。同協会はガス機器の安全性検査のほか、ISO規格の認証事業部門「JIA―QAセンター」を持ち、三菱ふそうが分社する前の98年から、三菱自のトラック・バス生産本部の品質管理システムが国際規格に適合していると認証していた。

 同センターによると、クラッチハウジングの欠陥を同社が公表した5月以降、認証の停止を検討。今月上旬、三菱ふそう側に認証停止を通告し、登録証の返却と印刷物などで「認証取得」をうたわないよう求めた。

 現在は企業側に弁解の機会を設ける「登録の一時停止」の状態だが、7月17日までに三菱ふそうから異議申し立てがなければ取り消しになる。

 クラッチハウジングの欠陥では山口県内で02年10月、この欠陥でブレーキが利かなくなった冷蔵車が暴走、運転手が死亡する事故が起きた。

 同センターではこうした事実関係を三菱ふそうが公式に認めたことを受け(1)製品の品質にばらつきがあり、認証の条件を満たさない(2)「ヤミ改修」は、違法な行為をしないという審査契約に違反している(3)こうした事実が審査で示されなかった――を理由に認証を停止したという。

 国内の認証機関をまとめる日本適合性認定協会(東京)によると、企業の合併や倒産で認証が取り消されるケースは時々あるが、企業の活動内容自体に問題があって取り消されるのは極めて異例という。

 三菱ふそうは「今後の対応は検討中で、何も決まっていない」(コミュニケーションチーム)としている。

    ◇

 〈ISO9001〉 国際標準化機構(本部・ジュネーブ)が定める品質管理システムの規格。顧客の声を反映する仕組みなど品質を維持するための体制を作り、定めたルールを確実に守っているかなどを第三者機関が審査して、認証する。

 国内企業・団体のISO9001認証の取得は、94年末に928件だったが、現在は3万7000件を超えた。

三菱ふそうのISO停止/クラッチ系統欠陥隠し受け 06/16/04(四国新聞)

三菱ふそうトラック・バスの虚偽報告、リコール隠し問題を受け、同社生産本部が取得していた品質管理に関する国際規格「ISO9001」の認証登録が、日本の審査機関により停止されたことが16日、分かった。

 ISO9001は質の高い経営システムが取られていることを示す国際標準規格で、認証されると企業の信頼性向上などのメリットがある。日本では約3万7000件取得されているが、認証登録の停止措置は極めてまれという。

 認証の有効期間は今年8月までで、期限内に異議申し立てがなければ、抹消されることになる。

 認証審査機関の1つ、「日本ガス機器検査協会」の「JIA−QAセンター」によると、車両部品欠陥をめぐる問題での三菱ふそうの態勢に関して検討を開始。

 5月20日、三菱ふそう社長が記者会見しクラッチ系統の欠陥についてもリコール隠しや対策の放置を認めたことから(1)三菱ふそうの品質管理システムは機能していない(2)ヤミ改修は明らかな法律違反−−と判断し、6月1日付で登録停止を決定した。

三菱自:元社長が運輸省対策を指示 ヤミ改修文書見られ 06/13/04(毎日新聞)

 三菱自動車製大型車のクラッチ系部品の欠陥を隠ぺいしたとして業務上過失致死容疑で逮捕された元社長の河添克彦容疑者(67)が、顧客の通報から長年の組織的な欠陥隠しが露見しかけた99年10月、運輸省(当時、現・国土交通省)の監査対策を具体的に指示していたことが、12日分かった。指示の中継役は元副社長の横川文一容疑者(66)=同容疑で逮捕=だった。神奈川・山口両県警は、リコール(回収・無償修理)につながる不具合情報が上層部でどう伝わり、隠ぺいを決めていたかに注目している。

 調べなどによると、問題の不具合はRV(レジャー用多目的車)のスライドドアの開き具合が悪く、取っ手が折れてしまうというもの。同社は主力車種のイメージダウンを恐れ、国に届け出ずにクレームの都度、改修するヤミ改修で対応することを決め、全国の販売会社に作業依頼書(TL=テクニカルレター)を送った。

 TLは違法改修の証拠となる極秘文書だが、99年10月に千葉県の販売会社が顧客に見せてしまい、顧客が「これはリコールだ。運輸省に連絡する」と騒ぎになった。当時、お客様相談部の担当だった横川元副社長は過去の分を含む欠陥隠しの発覚を危惧(きぐ)し、河添元社長に相談。虚偽の監査対応を指示されたという。

 三菱自の欠陥隠しの基本は、不具合情報を同省への開示情報と非開示情報に分ける二重管理だったが、まず指示に従ってスライドドアの不具合情報を非開示から開示に切り替えた。さらに同省の出方を見極めて改修を届け出るとともに、TLは販売会社の社員の個人的メモと偽装するなどの方針を決めた。河添元社長の発案による対応で99年時点での欠陥隠しの発覚は免れた。

 横川元副社長はクラッチを覆うクラッチハウジングの欠陥隠しについては「職務権限外のこと」などと容疑を否認している。【安高晋、広瀬登】

三菱自:隠語使い対策を協議 「官辺介入」少ないと隠ぺい 06/12/04(毎日新聞)

 三菱自動車(三菱ふそうトラック・バスに分社)製大型車のクラッチ系部品の欠陥隠し事件で、同社は社内でリコール対策を検討する際、警察や消防、運輸当局の動きについて「官辺介入」といった隠語を使っていたことが分かった。死亡事故につながったクラッチ破損事故は、相撲の決まり手「さばおり」のようにシャフトが折れることから「さば折れ」、ハブ破損事故も「輪切り」と呼ぶなど幹部間で隠語が横行していた。電子情報では「秘匿」を「H」などの記号で細かく分類し、文書は「極秘」印を押し破棄を指示。同社の秘密主義の徹底が、こうした点にも表れていた。【武田良敬、広瀬登】

 捜査当局や国土交通省の調べによると、同社のクラッチ系部品のリコール対策会議は96年3〜5月に開催された。クラッチ破損によるプロペラシャフトの脱落事故が90年以降続発し、当時品質保証部長だった中神達郎容疑者(61)=業務上過失致死容疑で逮捕=を筆頭に関係者約10人で議論、分析して欠陥を確認した。この際の議事録や社内文書によると「05年までに79件の事故が起きる」と予測。それまでの事故三十数件のうち火災2件と人身事故1件で警察・消防が現場に出動していたが、こうした件を「官辺介入」と表現。「官辺介入は3〜4件だけだ」として、表面化しないと見たうえで、会社として「指示改修で対応」と決めていた。販売会社への指示文書もマル秘印を押し「改修後の報告不要」「書面破棄」を指示した。

 死傷事故を起こしたクラッチ系部品やハブの欠陥を「さば折れ」「輪切り」などと表現したほか、秘密文書の隠し部屋として使った更衣室を「Hルーム」と呼ぶなど、幹部間では隠語が頻繁に使われていたという。

 ◇「10分間対応」で監査逃れ

 同社の隠語の中には「10分間対応」というものまであった。旧運輸省の抜き打ち監査を想定し、10分間で秘密文書の隠匿などを済ませる作業を示す言葉だ。品質保証部門で分担して入り口で監査官を待たせて時間稼ぎを行い、その間に秘密文書を更衣室など「Hルーム」に移動することや、コンピューターの出力レベルをダウンさせたり、販売会社との回線切断などを行うことまで「10分間対応」マニュアルとして作成した。社内訓練も行っていたという。

 同社は70年代から販売会社からの商品情報連絡書を、運輸省への開示(P)情報と秘匿(H)情報に分けて二重管理し、情報の7〜8割をHとしていた。90年代にはさらに分野や重要度ごとに「S1〜S3」「01〜10」などと区分。当局向けの形だけの議事録作りを「ストーリー作成」と呼んでいたという。

 00年7月、内部告発から運輸省が監査で更衣室の秘匿文書などを発見、警視庁の家宅捜索などで情報の二重管理も明らかになり、当時の社長、河添克彦容疑者(67)は謝罪し改善策も発表した。

 しかし、大量のヤミ改修情報は隠されたまま、02年、ハブとクラッチの欠陥による死亡事故が相次いで発生した。

三菱自元首脳:「隠ぺい強行」部下の忠告無視 06/11/04(毎日新聞)

 重大事故が起こりそうだから隠そう−−。元社長、河添克彦容疑者ら6人が業務上過失致死容疑で10日逮捕された、三菱自動車製大型車のクラッチ系部品欠陥事件。河添元社長ら最高幹部が部下の忠告を無視し、率先して欠陥隠ぺいに奔走した企業犯罪の根深い構図が浮かび上がった。00年のリコール隠し事件、三菱ふそうトラック・バスの宇佐美隆前会長ら5人が先月、道路運送車両法違反罪などで起訴されたタイヤ脱落事件に続く3度目の捜査。安全を軽視する「スリーダイヤ」の不祥事に終わりは見えず、欠陥が原因で命を落とした運転手の遺族は、怒りと悲しみでいまだに癒えない。

 神奈川県警は10日夜の会見で、河添元社長ら首脳級幹部が、00年のリコール隠し発覚時にクラッチハウジングの欠陥を隠した理由を明らかにした。

 県警の調べでは、クラッチハウジングの欠陥が多発していた96年3〜5月にかけて、同社は当時品質保証部長だった中神達郎容疑者(61)をトップに、現場担当のグループ長ら計8、9人で対策会議を開催した。社内実験に基づき、「05年までに79件の同種事故が発生する」と分析し、全員一致でリコールすべきだと結論付けた。

 しかし、当時の幹部たちはヤミ改修で対応することを決めたという。

 さらに、00年のリコール隠しの発覚時に、クラッチハウジングの欠陥について明らかにするかどうか、河添元社長ら首脳部は再検討したという。しかし、「対象車両が多すぎる」「費用がかかる」との意見が続出。「重大事故に直結する可能性が大。(だから)リコールすると会社の不名誉で存続にかかわる」と、“独自の論理”で隠ぺいを決めたという。

 一方、リコール隠し事件の調書によると、重大な欠陥を含む不具合情報を週報、月報として社長に上げる仕組みを作ったのは、総会屋への利益供与事件後の97年に13人抜きで抜てきされた河添元社長だった。

 リコール隠し事件当時、河添元社長は「(品質管理部門以外の)部長や重役もうすうす知っていたかもしれない」などと強調。自身の関与については否定していた。しかし同事件で道路運送車両法違反(虚偽報告)罪で罰金の略式命令を受けた品質保証部門トップの元副社長2人は事情聴取で、「社長以下の上級役員は知っていたはず」と、河添元社長の「うそ」を証言していた。【安高晋、広瀬登、木村光則】

◆あるまじき行為、石原・国交相

 三菱自動車の元幹部らの逮捕を受けて石原伸晃国土交通相は10日、コメントを発表した。「リコール隠しを行って長期間放置したものであり、安全対策を優先すべき自動車メーカーにあるまじき行為だ」と同社を強く非難したうえで、「他のリコールすべき事案を届け出させるとともに再発防止策を実施し、不正の防止に万全を期す」としている。【武田良敬】

三菱ふそう:新たな不具合は92年から 内容説明は拒否 06/08/04(毎日新聞)

 三菱ふそうトラック・バスが93件の不具合を国土交通省に未報告だった問題で、同社は8日、これらが92年から今年3月までの12年間に発生したことを明らかにした。国交省は同社に対して内容の公表を求めたが、同社は「精査が済んでいない」として報道陣への説明を拒否。15日にビルフリート・ポート社長が公表する方針を示した。大量の危険車両に関する情報だけに、同社の姿勢が改めて問われそうだ。

 国交省によると、93件のうち26件は「直接事故となる可能性がある」とAランクに分類。中でもトラックなどの燃料タンクの脱落や駐車ブレーキのケーブル折損、前輪かじ取り装置の不能など走行上重要な不具合は「ハイリスク」案件としていた。02年10月に山口県内でトラックの死亡事故を起こしたクラッチの欠陥も同じ「ハイリスク」分類だったという。

 同社はこの日、再三の説明要請に対して、Aランクや人身事故の概要についても「説明できる段階でない」と繰り返すばかりだった。【武田良敬】

三菱自クラッチ欠陥、河添元社長ら立件へ 06/08/04(読売新聞)

 山口県で2002年10月、三菱自動車製大型車のクラッチ部品の欠陥によって男性運転手(当時39歳)が死亡した事故で、神奈川、山口両県警の共同特捜本部は、同社の河添克彦・元社長(67)ら元役員6人前後を業務上過失致死容疑で立件する方針を固め、近く本格捜査に乗り出す。

 いずれも2000年に発覚したリコール隠し事件当時の首脳らで、捜査当局は、歴代役員の申し送りでクラッチについても欠陥を把握しながら、安全対策を怠っていたことを重視、刑事責任追及が不可欠と判断したとみられる。

 立件対象とされているのは、河添元社長のほか、前三菱ふそうトラック・バス会長・宇佐美隆被告(63)(道路運送車両法違反の罪で起訴)ら元副社長、品質保証部門やトラック・バス部門の元役員。

 関係者によると、同社は1996年5月、クラッチ本体を覆うアルミ製カバー「クラッチハウジング」が強度不足から破損する不具合が多発していたため、リコール検討会を開いて対応を協議。品質保証部門の担当者から「人身事故を引き起こす可能性がある」などと報告された。しかし、当時の幹部は「公表すればブランドイメージを損なう」として「ヤミ改修」で対応することを決定した。

 結局、クラッチの欠陥は歴代役員の間で“最高機密”として申し送りされ、リコール隠し事件が発覚した際も、同社は緊急対策が必要な項目からこの欠陥を意図的に外し、運輸省(現国土交通省)の検査を免れていた。さらに、この事件をきっかけにヤミ改修も中止され、クラッチ部品の欠陥については対策が講じられないままとなった。捜査当局は、こうした欠陥の放置が、山口の死亡事故につながった疑いが強いとみている。

 同社は大型車の車軸周辺部品「ハブ」の欠陥についても放置。2002年1月には横浜市で大型トレーラーのタイヤが脱落し、直撃された母子3人が死傷する事故が発生。宇佐美被告ら7人がそれぞれ道路運送車両法違反、業務上過失致死傷容疑で逮捕され、うち5人が起訴されている。

 クラッチ部品の欠陥を巡っては、商用車部門を引き継いだ三菱ふそうトラック・バスが先月、8年間隠ぺいしていたことを認め、83―99年製造の大型車約7万5000台のリコール(回収、無償交換)を国交省に届け出ている。

 ◆リコール隠し事件=2000年7月に発覚。運輸省(当時)の検査で約1万300件の不具合情報を隠したとして、三菱自動車の元副社長ら4人と法人としての同社が道路運送車両法違反(虚偽報告)罪に問われ、それぞれ罰金20万円、40万円の略式命令を受け、当時の河添克彦社長が引責辞任した。

下記の記事は、三菱自動車の体質を表わしたものかもしれない。対策を取らなかった車両で 人身事故が発生していないからそれで良いのか。やはり、誰かが人柱として死ななければ 適切な処置は取られないのであろう。三菱のトラックで欠陥による死亡事故が公になった。 これが今回の不祥事事件のはじまりだ。つまり、死亡事故が無ければ隠せばよいと言う事と 思える。国土交通省の職員は「騙された」と言ったと新聞で読んだが、本当に厳しい検査を 取っていたのだろうか。疑問である。

三菱自まず115台リコール、エアバッグ十分に開かず 06/04/04(読売新聞)

 三菱自動車は4日、普通乗用車「ギャラン」「レグナム」の助手席エアバッグ部品に欠陥があったとして、1996―97年製の計115台について、リコール(回収、無償交換)を国土交通省に届け出た。

 同社が2日に公表した26件計約16万台の「欠陥隠し」で最初のリコール。三菱は残る25件について、対策部品の用意などが終了し次第、正式にリコールを届け出るという。

 同社によると、助手席のエアバッグを膨らませる部品に不良品が混入し、一部の車両では、前面衝突した際に、エアバッグが十分に開かない恐れがあるという。

 三菱は1997年1月ごろ、部品を製造する海外部品メーカーの申告で欠陥を把握したが、リコールを届け出ず、全国の販売店を通じてひそかに欠陥部品を交換するヤミ改修で済ませていた。

 三菱はヤミ回収を中止する同年9月までに約60台の部品を交換したが、約50台は対策を取らずに放置していた。

 三菱は「なぜリコールを届け出なかったかは分からない。対策を取らなかった車両で人身事故は発生していない」としている。

三菱自の「ヤミ改修」、運輸省が実態調査怠る 06/03/04(読売新聞)

 三菱自動車(昨年1月に商用車部門は三菱ふそうトラック・バスに分社)の欠陥車問題で、2000年に発覚した「リコール隠し事件」の際、同社が販売店を通じてひそかに実施していた“ヤミ改修”について、運輸省(現国土交通省)が実態調査を怠っていたことが3日、分かった。

 同社では違法なヤミ改修を行う時には指示文書に不自然な「暗号」を残していたが、こうした手口も当時の運輸省はほとんど見過ごしていた可能性が強い。

 運輸省は、2000年当時の立ち入り検査で、同社が隠していた、ユーザーや販売店から寄せられた不具合情報のほか、ヤミ改修も調査の対象としていた。

 三菱は2日に行った記者会見で、2000年の立ち入り検査の際、ヤミ改修の実態について「当時、運輸省には報告書を出していた」と主張している。しかし関係者によると、報告資料は膨大なため、ヤミ改修については運輸省の係官から、「緊急に対策が必要な欠陥だけを抽出するように」などと指示された。この時、同社の品質保証部門の一存で、一部の重大な欠陥を意図的に抽出リストからはずしたという。

 この結果、乗用車については、同社が2日に新たにリコール届け出を公表した欠陥26件、大型車についても2002年に山口県で死亡事故の原因となったクラッチ部品の欠陥について、それぞれ隠ぺいが続けられることになった。

 隠ぺいに関与した当時の同社幹部は、「立ち入り検査で、これまで実施したすべてのヤミ改修を報告するよう求められれば応じていた」としており、運輸省の甘い姿勢が三菱自動車の不正続行を許した形だ。

 一方で、三菱では当時、販売店にヤミ改修を指示する際、運輸省の立ち入り検査を受けても発覚しないよう、整備内容を記した指示文書の整理番号のわきに「星印」をつけ、改修の重要度を連絡していた。

 同社によると、星印が一つの場合は、「定期点検の都度、改修を行う」。二つの場合は、より緊急性の高い欠陥の改修を指示する際に使われ、「可能な限りユーザーに来店を求め、改修を行う」という内容。連絡を受けた販売店では、ユーザーには無断で、ひそかに修理・交換を行っていた。

 同社ではこのほかにも、運輸省の検査を欺くために「(H)(丸エッチ)」という暗号を使って、本社で管理している不具合情報を記載した商品情報連絡書を別管理して隠ぺいしていたことが、2000年のリコール隠し事件の際に判明している。

三菱自「ヤミ改修」すら形だけ、ネジ締めて完了 06/01/04(読売新聞)

 三菱自動車(昨年1月に商用車部門が三菱ふそうトラック・バスに分社)が、大型車のクラッチ部品の欠陥を隠していた問題で、同社が欠陥を隠ぺいするために1996年からひそかに実施したとしている「改修」は、部品の修理や交換を伴わない形だけのものだったことが分かった。このため、事故の危険性が放置されたまま、リコールの手続きが取られないという状態が続いた。

 今回、リコール(回収、無償交換)の対象となった大型トラックの部品「クラッチハウジング」の不具合は、94年に起きた初の人身事故を機に、社内で対策の検討が進められたが、当時の経営陣の判断でリコール回避が決まった。

 しかし、放置して事故が多発する事態を避けるため、品質保証部門幹部の提案で、96年から、販売店を通じてひそかに問題部品の修理を行う“ヤミ改修”を2000年まで実施した、とされている。

 三菱ふそうは、リコール届け出を正式表明した5月20日の記者会見で、こうした改修について「2000年まで続けていた」と認めており、当時の三菱幹部も、捜査当局の調べに対し、「改修がなければ事故はもっと増えていた」と供述している。

 しかし、関係者や国土交通省などの調べによると、当初は補強部品を装着することが検討された“ヤミ改修”は、実際には、ユーザーが定期点検や整備で販売店に車両を持ち込んだ際に、問題の部品の周辺にガタつきがないかを調べるだけという内容。問題が見つかった場合も、接続部分のネジの締め付けを強化するだけだったという。

 ネジの締め付けだけでは、いずれ接続部分が緩んでクラッチハウジングが破断する可能性は消えず、事故防止の効果はほとんど期待できない。国交省も「とても事故の多発を防げる内容ではなかった」としており、同社がリコールを避けようとしたばかりか、改修で事故の危険性を減らす努力すら実際には怠っていたことを認めている。

 改修は通常、新たな補修部品の装着や、部品自体の交換を意味するが、すでに欠陥隠しの方針を決めていた当時の同社では、改修が大がかりになれば、運輸省(当時)に発覚する恐れがあるとして、そこまでの措置はとられなかったという。

クラッチ事故は極めてまれな破損、三菱がうその報告書 05/30/04(読売新聞)

 三菱自動車製大型車のクラッチ部品に欠陥があった問題で、2002年10月に横浜市で起きたトレーラーを巡る事故後、三菱自が、トレーラー所有の運送会社に対し、肝心のクラッチ部品の問題点に触れず、周辺部品の整備不良などが原因とする報告書を提出していたことがわかった。

 三菱自は当時、クラッチ部品の不具合事故が既に約20件発生していたことを把握しており、神奈川県警などは、うその調査結果をまとめ、隠ぺいを図ろうとしていたことを示す重要な証拠とみて、同社関係者から事情を聞く。

 問題の事故は2002年10月16日、横浜市鶴見区の首都高速湾岸線で発生。走行中の同市金沢区の運送会社の大型トレーラーから、後輪に動力を伝えるプロペラシャフトなどが路上に落下し、後続車など3台に衝突した。けが人はなかった。

 脱落したプロペラシャフト以外にクラッチ部品が壊れていたことを知った運送会社は事故の数日後、「こんな破損事故は初めて。原因をきちんと調べてほしい」と三菱側に要請。同社は同年12月16日、調査結果を運送会社に報告した。

 ところが、三菱側の報告書は、プロペラシャフト脱落の本来の原因とみられたクラッチを覆う金属製カバー(クラッチハウジング)の破損には一切触れず、2次的な不具合が発生した変速装置などの破損原因についてのみ説明。ボルトの緩みなど整備不良の疑いを示唆し、「極めてまれな破損」と結論づけていた。

 三菱自は当時、国土交通省にも「多発性はない」などと報告。しかし、横浜の事故の3日後には、山口県でクラッチ部品の欠陥による大型トラックの事故が発生、運転手が死亡している。

 横浜の事故でトレーラーを運転していた男性運転手(55)は、「毎月定期的に整備をしており、当日の点検でも異常がなかった。山口で起きた死亡事故を報道で知り、運転していた車が欠陥車だったかと思うと、本当にゾッとした」と話している。

三菱自:「ハブ実験せず」新車発売日程を優先 05/28/04(毎日新聞)

 三菱自動車(三菱ふそうトラック・バスに03年1月分社)製大型車のタイヤ脱落事件で、横浜の死傷事故を起こした「D型ハブ」の開発・製造に関し、同社の設計担当者が神奈川県警など捜査当局の事情聴取に対し、「実験を義務づける社内規定はあったが、(実験をせずに)飛ばした」などと供述していたことが分かった。安全性より新車発売のスケジュールを優先したためとみられ、安全軽視の実態がまた浮かび上がった。

 93年秋、トラックやバスの排ガス規制が強化され、積載総重量20トンが22〜25トンに緩和されることになった。ライバル会社は「特需」を見越し、相次いでモデルチェンジをしていた。新車開発に出遅れていた三菱自は、92年末にようやく新型車用の「D型ハブ」の開発に取りかかった。新車の発売を優先して93年3月にはハブの製造が始まった。

 同社の社内規定では、ハブを装着してテストコースを走行する実車実験が義務づけられていた。しかし、事情聴取を受けた設計担当者は、「製造開始が遅れるため、(実車実験を)飛ばした」と供述したという。

 D型ハブは開発から製造開始まで半年足らずで、製造期間は93年3月から95年7月までという。ハブ破損によるタイヤ脱落事故は57件起き、このうち38件がD型ハブだった。【安高晋】

毎日新聞 2004年5月28日

三菱自:トラック運転手死亡事故 多発性否定の報告 05/26/04(毎日新聞)

 三菱自動車(三菱ふそうトラック・バスに分社)が02年10月に山口県内でトラック運転手が死亡した事故について、整備不良などを原因として、多発性を否定する報告を国土交通省にしていたことが分かった。神奈川県警などは、この死亡事故について業務上過失致死容疑で捜査を進めているが、新たに道路運送車両法違反(虚偽報告)の疑いが浮上した。三菱ふそうは26日、クラッチハウジングなどに設計ミスがあったとして、大型トラックなど16万8002台についてリコール(回収・無償修理)を国交省に届け出た。欠陥が原因による不具合は90年以降、67件に上っていたことも明らかになった。

 三菱ふそうや国交省によると、欠陥があったのは、クラッチからトランスミッション(変速機)、プロペラシャフトにつながる動力伝達装置で、クラッチを包むアルミ製箱型「ハウジング」の強度が不足していた。変速機とシャフト間の接合部もかみ合わせが不適切な設計ミスがあり、車体の振動でハウジングが破損、シャフトが脱落し燃料やブレーキ配管などを破壊する恐れがある。

 三菱自はこの欠陥を96年の社内のリコール対策会議で把握しながら8年間放置した。この間、同社は02年10月19日の山口県熊毛町(現・周南市)でトラックが暴走、運転手が死亡した事故と、同月16日に神奈川県内の首都高速道路でトラックのシャフトが脱落して後続車や対向車に破片が当たる物損事故の2件について、国交省にいずれも「整備不良も関連しており、極めてまれな事故」と文書で報告し、多発性を否定していた。

 今月10日、品質保証部門の中堅社員が上司に申告し、社内調査委員会で判明したという。

 三菱ふそう社製大型車を巡っては、車軸部品の「ハブ」の欠陥で、02年1月に横浜市でタイヤが脱落し、母子が死傷する事故が起きている。

 今回のリコール対象は、83〜99年に生産された大型トラック「ザ・グレート」やトレーラーけん引車、クレーン車など。登録抹消などを除いた実数は約7万5000台で、ハブの欠陥によるリコール対象車とほぼ重複しているという。輸出車5万〜6万台は対象外で、リコール費用は数十億円規模となる。【武田良敬、広瀬登】

  ◇  ◇

 三菱自動車製の大型車の部品欠陥による67件の不具合は90年6月から発生し、人身事故や車両火災が計6件、物損事故も15件起きていたが、同社は14年間も放置していた。

 三菱ふそうによると、最初の火災は92年7月、山口県の中国自動車道でトラックから脱落したプロペラシャフトが燃料タンクを破損し引火、炎上した。同11月にも栃木県の東北自動車道で同様に燃料ホースが焼けた。03年9月には、三重県の国道で部品が燃えるなど3件の車両火災が発生、いずれもけが人はなかった。

 人身事故は94年4月、横浜市の首都高速湾岸線で、脱落したシャフトに乗り上げた後続のオートバイが転倒して運転手が打撲を負い、乗用車2〜3台も接触事故を起こした。98年7月には、奈良県の西名阪自動車道で脱落シャフトが後方の乗用車のフロントガラスを破損させ、女性ドライバーの額を負傷させた。02年10月19日に山口県で起きた事故は、大型冷凍車の脱落したプロペラシャフトがブレーキパイプを破損、制動不能となった車がカーブを曲がりきれずに側壁に激突。車外に投げ出された男性運転手(当時39歳)が死亡した。【広瀬登】

毎日新聞 2004年5月26日

朝日新聞(2004年5月22日)より

朝日新聞(2004年5月21日)より

三菱ふそう:クラッチ部品の欠陥を8年間隠ぺい 05/20/04(毎日新聞)

 三菱ふそうトラック・バス(三菱自動車から分社)製の大型トラックのクラッチ系統部品の欠陥問題で、同社は96年の社内の対策会議で欠陥が判明していながらリコール(回収・無償修理)せず、8年間隠ぺいしていたことが分かった。三菱ふそうのビルフリート・ポート社長は20日、東京都内のホテルで記者会見し、国土交通省へのリコールを届け出ることを表明した。

 神奈川県警は02年1月の母子死傷事故など一連のタイヤ脱落事件で、三菱ふそうの前会長の宇佐美隆容疑者(63)ら7人を業務上過失致死や道路運送車両法違反の容疑で逮捕しているが、02年10月に山口県内で起きた死亡事故についても、山口県警の協力を得て、宇佐美容疑者ら首脳級の立件も視野に捜査に乗り出す。

 三菱ふそうによると、この部品はクラッチなどを包む金属製箱型の「ハウジング」。83年から大型車用に量産したが、92年以降、箱が亀裂・破損し、エンジンの動力を後輪に伝えるプロペラシャフトが脱落する事故や不具合が続発した。原因は同シャフトの振動でエンジン部品が共振、亀裂が生じる設計ミスで、シャフト脱落でエアブレーキの配管を破損する恐れもあった。

 同社は30件の事故が相次いだ後の96年5月、社内の開発・品質部門責任者らによるリコール対策会議を開催。「重大事態を招く」との見解を得たが、隠して対応することを決定し、リコールを避ける不正なヤミ改修を繰り返した。この間、神奈川県(94年)と愛知県(98年)でシャフトが外れ、飛散した荷物が他の車にぶつかるなど人身事故も2件発生した。

 02年10月19日、山口県熊毛町(現在の同県周南市)で、トラックがカーブを曲がりきれず地下道出入り口に衝突、鹿児島県国分市の男性運転手(当時39歳)が死亡した事故もハウジングが破損し、シャフトが折れてブレーキ配管を破壊、ブレーキが利かなくなった可能性があったが、三菱側は安全対策を取らず、同様の不具合は92年から昨年9月まで計約70件に上った。

 リコールの対象は、クラッチ系統が生産台数約17万台▽トラックのプロペラシャフト約8000台▽観光バスのプロペラシャフト約250台▽観光バスの駐車ブレーキ約4000台。来週、国交省に届け出る。

 会見でポート社長は「死亡した運転手と遺族の方々に哀悼の意を表し、おわびする」と謝罪したうえで「過去に重大な誤りがあった」と述べ、関係役員らの処分も行うことを明らかにした。

 今回の問題は今春、横浜の母子死傷事故など「ハブ」破損による大型車のタイヤ脱落事故の捜査が進む中で、三菱側が過去の事故を再調査し、社員からの申告で判明したという。【武田良敬、安高晋】

朝日新聞(2004年5月20日)より

三菱タイヤ脱落問題(読売新聞)

タイヤ脱落:虚偽グラフを踏襲 02年国交省報告 05/11/04(毎日新聞)

 三菱自動車(三菱ふそうトラック・バスに昨年1月分社)の虚偽報告事件で、02年1月の横浜市の死傷事故直後に開かれた「対策本部会議」の席上、三菱自元副社長で三菱ふそう前会長の宇佐美隆容疑者(63)らは、99年に広島県で発生したバス脱落事故の際、「ハブ磨耗量が大きいほど寿命が短くなる」とする虚偽のグラフを使って運輸省(現国土交通省)を説得できたことに着目し、同じ手法で再び国土交通省の追及をかわそうと決めていたことが、神奈川県警など捜査当局の調べで分かった。タイヤ脱落の技術的な検証はほとんどないまま、99年の虚偽グラフの踏襲を決めたとみている。

 調べでは、同社製大型車のタイヤ脱落は92年から相次いでいたが、販売会社やユーザーには「整備不良が原因でハブが摩耗した」と伝えるだけで、技術的な説明をしていなかった。しかし99年の事故では、事故を起こしたバスを所有する中国ジェイアールバスが運輸省に届け出たため、三菱自は同省に調査報告書の提出を求められた。

 同社は、事故を起こしたバスの走行コースや路面状況を分析してタイヤと車軸をつなぐ「ハブ」にかかる力を計算した結果として、磨耗量が少ないほど耐久寿命が延びるという相関関係を示した曲線グラフを提出。個々の販売会社などに説明してきた「脱落原因=整備不良」論で乗り切った。当局はこの相関関係を技術的な根拠を持たない「同社独特の論理」とみている。

 02年の死傷事故でも「磨耗0.8ミリ未満なら200万キロ以上走れる」としたほぼ同型のグラフを提示。国交省のリコール要求を封じ込めた。関係者によると、同省の担当者は死傷事故の際に提出されたグラフが99年のグラフとほぼ同形だったため、理論的に正しいと信じ込んだという。【安高晋】

三菱自動車:改良型ハブ、虚偽報告の疑い 製造実態なし 05/11/04(毎日新聞)

 三菱自動車(三菱ふそうトラック・バスに03年1月分社)製大型車のタイヤ脱落事件で、三菱側が「強度を上げた」と説明していた改良型ハブ「´D(ディーダッシュ)型」について、実在しなかった疑いがあることが、神奈川県警など捜査当局の調べで分かった。

 三菱側は3月のリコールまで国土交通省に「ハブの破断によるタイヤ脱落事故はD型31件、´D型7件」などと報告。ビルフリート・ポート社長ら三菱ふそう幹部が出席したリコール発表時の記者会見でも、A〜F型のハブの図や製造期間などを示したA4判1枚の資料を配布していた。

 資料には94年10月製造開始とする改良型の´D型も記載されていた。三菱側は、´D型は車軸にかかる重量を示す軸重をD型の6.0トンから6.5トンに増やすとともに、´D型以降のF型までのハブはD型よりも金属材料の鋳鉄の強度を約20%上げたなどと説明した。

 しかし、当局が押収資料を分析し三菱関係者から事情聴取した結果、´D型は実際には製造しておらず、大型車に装着されていないことが分かった。虚偽の報告をした疑いがあるとみて注目している。

 道路運送車両法違反(虚偽報告)容疑で逮捕された三菱自元副社長で三菱ふそう前会長の宇佐美隆容疑者(63)は3月末、毎日新聞社の取材に対し「´D型を使った車はない。D型と´D型はイコール」と´D型が実在しないことを認めた。

 さらに宇佐美前会長は「D型を開発していた最中(92年6月)にB型で(初めてのハブ破損によるタイヤ)脱落事故が起きて設計を見直した。設計上、´D型というのがあるが、材料強度的にはD型で設計要求を満たしていたから、現実的にはイコールなんですよ」などと発表資料を示しながら釈明した。

 国交省担当者は「三菱側からは、ハブの対応軸重をアップさせるのに対応して生産段階で品質の管理基準を厳しく変更したもの、との一応の説明を受けている。詳しい事実解明は捜査を見守る」としている。

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 国交省担当者は「三菱側からは、ハブの対応軸重をアップさせるのに対応して生産段階で品質不良の管理基準を厳しく変更したもの、との一応の説明を受けている。詳しい事実解明は捜査を見守る」としている。

朝日新聞(2004年5月4日)より

三菱自、ハブ破損を1件しか報告せず 死傷事故前の監査 04/25/04(朝日新聞)

 三菱自動車製の大型車で車輪の脱落が相次いだ末、02年1月に横浜市で母子死傷事故が起きた問題で、同社が00年7月の国土交通省(当時は運輸省)の監査で重要な不具合情報(クレーム)をまとめて報告するよう求められながら、多発していたハブ破損による車輪脱落事故の情報を1件しか報告していなかったことがわかった。同省は「事故多発が報告されていれば、指導して死傷事故を避けられた可能性がある」としている。

 同社元幹部らを業務上過失致死傷容疑で立件する方針を固めた神奈川県警は、監査で同社が適切に報告していれば死傷事故を避けられた可能性があるとみて、同容疑との関連を調べている。

 00年7月の監査は、クレーム隠しに関する内部告発を端緒に実施され、同社が10万件を超えるクレームを隠していたことが判明した。この際、旧運輸省は同社に「リコール(無償回収・修理)など何らかの改善措置が必要となる可能性がある重要な不具合情報」について、98年4月以降に確認された件数や原因、対策などをまとめて報告するよう求めた。

 これを受けて同社は00年8月、分類・整理した多数のクレームを提出したが、ハブ破損については98年に北海道で起きたトレーラー事故の情報1件を提出しただけだった。提出の際、同社の担当者は「同種事故は他になく、事故は整備不良が原因」と説明したといい、同省の担当者はハブ破損が多発していることを認識できなかったという。

 しかし、国交省によると、旧運輸省が求めた98年4月から監査までの間に限ってもハブの破損事故は10件起きていた。同種事故は92年に初めて発生し、監査の前までに計20件以上起きており、同社側はその大半を把握していたとみられる。

 旧運輸省の当時の担当者は「同種の事故が他にもあることがわかっていれば、当然、リコールなどなんらかの対策を求めていた。指導を避けるためにハブのクレームを隠したと考えざるを得ない」と説明している。

 同社は監査とは別に99年9月、同年6月に広島県で起きた路線バスの車輪脱落事故を旧運輸省に報告しているが、これを含めても母子死傷事故の前に報告した事故は2件だけだったという。

 〈三菱ふそうトラック・バスの話〉 捜査を受けている段階なのでコメントを控えたい

車輪脱落事故で三菱ふそう前会長を聴取、証拠隠滅容疑も 04/25/04(朝日新聞)

 三菱自動車製の大型車で車輪脱落事故が多発した事件で、捜査当局は24日、同社から商用車部門を引き継いで分社化した三菱ふそうトラック・バスの宇佐美隆前会長(16日辞任)から事情聴取を始めた模様だ。三菱自動車当時からの大型車部門の最高責任者として、事故にどう対処してきたかなど幅広く聴いたとみられる。新たに当時の同社上層部による証拠隠滅容疑も浮上し、自身の関与についても宇佐美前会長に説明を求めたとみられる。

 証拠隠滅された疑いが浮上しているのは、02年1月に起きた母子死傷事故後に三菱自動車が設置した調査班「フロントハブ強度検証ワーキンググループ(WG)」の議事録。今年3月、国土交通省に提出された。

 捜査当局がこの時の調査を検証したところ、通常なら必ずあるはずの結論部分が議事録に盛り込まれていないことがわかった。捜査当局は、当時の同社上層部が意図的に結論部分を欠落させた可能性があるとみて慎重に調べを進めている。

 関係者によると、調査班は当時の常務兼開発本部長をトップに、02年7月までに計10回の検討会を開いた。このころ、同社側は再三、報告を求める国交省に「整備不良による摩耗で亀裂が生じ、ハブの破断につながった」とする従来の主張を繰り返し、議事録を提出しなかった。しかし、三菱ふそうは今年3月、一転してハブの強度不足を認め、リコールを申し出るとともにこの議事録を国交省に提出した。

 調査班は、ハブ破損の原因が整備不良で、製造者責任はないことを実証しようと設置された。しかし、サンプル調査では整備不良による摩耗の有無にかかわらず、調査したハブの3割で亀裂が見つかった。死傷事故で破断した「D型」ハブの実車実験結果も「構造上、亀裂を生じる力がかかる」との内容だった。この結果、当初の意図とは逆にD型ハブの欠陥を確認する形になったという。

 国交省幹部は「議事録を見ても実験結果の数値やグラフは豊富だが、議論の過程や結論が全く分からない。メンバー以外には理解されたくないという作為を感じる。どうして整備不良が原因と言い切れるのか、理解に苦しむ」と話している。

 三菱自動車製大型車のハブ破断事故は92年以降57件発生し、51件で車輪が外れた。

 母子死傷事故をめぐっては、神奈川県警と横浜地検が捜査している。同県警は本社の元部長級幹部を含む数人を業務上過失致死傷容疑で立件する方針を固めている。国交省はリコール(無償回収・修理)を回避するために同省に対して適切な報告を怠った道路運送車両法違反(虚偽報告)容疑で三菱側を刑事告発する方針だ。

 宇佐美前会長は、死傷事故を予見させる事故として捜査当局が重視している広島での高速バスの車輪脱落事故が起きた99年6月当時は、分社前の三菱自動車の常務取締役で、トラック・バス部門の副統括本部長でもあった。調査班が設置されていた時期は副社長で、大型車部門の最高責任者だった。

三菱ふそうタイヤ脱落:99年事故、販売2年でハブ交換 欠陥認識、ヤミ改修? 04/24/04(毎日新聞)

 三菱ふそうトラック・バス(昨年1月に三菱自動車から分社)製大型車の部品「ハブ」の破損によるタイヤ脱落問題で、99年6月に広島県で右前輪が外れる事故を起こした中国ジェイアールバスの大型バスは、購入からわずか2年で、三菱側がハブを交換していたことが分かった。ハブは通常、廃車まで使われるが、三菱側は摩耗を理由に交換していた。ハブに構造上の問題があることを把握しながらリコール(回収・無償修理)を避けて修理する「ヤミ改修」の疑いもある。

 交換した新型ハブによる事故はその後31件発生。02年1月には横浜市で母子死傷事故も起きており、捜査当局はJRバス事故の前後に安全措置を取っていれば重大事故を避けられた可能性があるとみて、関係者の事情聴取を進めている。

 関係者やJRの保守台帳によると、このバスは92年8月にJRが新車で購入。3年目の94年2〜5月、3回にわたり前輪のハブとホイールをつなぐクリップボルトが折れるなど不具合が相次ぎ、JRは自社の整備場でボルトを交換した。

 ところが、さらに不具合が続いたため三菱の販売会社に相談したところ、三菱側は同12月、左右前輪のボルトとホイールとともにハブも当時新型だったD型に交換した。この際、三菱側はJRにボルトの締め付けやハブの掃除を摩耗の理由に挙げた資料を渡し、「ハブに摩耗がある」と説明したという。

 JRはハブ交換後の99年4月、再び前輪のクリップボルトに不具合が生じてボルトを交換。さらに2カ月後の6月28日、広島県千代田町の高速道路で走行中、ハブが破損し、右前輪が外れる事故を起こした。

 当時、三菱側はJRに「運転状況や強度のばらつきなどで破損の領域に入ったと考えられる」とする調査報告書を出す一方、運輸省(当時)には「ハブの材質・精度に異状はなく、整備時の問題と推定される。同種の苦情はなく多発性はない」と食い違う報告書を提出していた。一方でD型ハブの破損はこのころから増加していた。【武田良敬】

タイヤ脱落事故:三菱自元幹部を立件へ 5月上旬にも 04/24/04(毎日新聞)

 横浜市で02年1月、三菱ふそうトラック・バス(昨年1月に三菱自動車から分社)製大型トレーラーのタイヤが脱落し母子3人が死傷した事故で、神奈川県警は、当時の品質保証部門の部長級を含む数人の中堅幹部を、業務上過失致死傷容疑で5月上旬にも立件する方針を固めた。タイヤと車軸をつなぐ「ハブ」の構造的欠陥を予見できたのに、放置したことが事故原因につながった疑いがあるとみている。中堅幹部の立件を突破口に、元役員を含む関係者の責任も追及していく。

 三菱側は、今年3月にハブ破断の原因を構造的欠陥と認めるまで、事故原因を「整備不良」と一貫して主張してきた。しかし、県警は、事故の2年半前に広島県で起きた路線バスの脱落事故を重視。整備不良は考えにくいバスだけに、この事故を機に、リコール(回収・無償修理)などの安全対策を取っていれば、横浜の事故は防げたと判断したとみられる。

 メーカー幹部が、製造責任にかかわる業務上過失致死傷容疑に問われるのは異例。同部門は故障・苦情の不具合情報を分析し、設計・製造部門に原因究明や対策を依頼すると共に、リコールの実施を検討する部署。

 県警は、昨年10月と今年1月に同社を捜索。会議録や技術データなどの資料を分析する過程で、99年6月、広島県で高速道路を走行中の中国ジェイアールバスの路線バスから右前輪が脱落した事故に注目した。

 脱落事故は92年から続いていたが、県警は少なくとも整備不良や過積載の可能性が低い路線バスで事故が起きた99年6月の時点で、ハブの構造的欠陥によって脱落が起こり得ると認識できたにもかかわらず、横浜の事故まで安全対策を取らず危険回避義務を怠った疑いがあるとみている。

 横浜の事故後、同社の調査で、それまでの同社製大型車のハブ破断によるタイヤ脱落は33件起きていたことが分かった。しかし、同社は一貫して「整備不良が原因」と利用者側の責任を強調し、国土交通省にも同様の報告を続けてきた。今年3月、一転して構造上の欠陥を認めて国交省にリコールを申し出た。

 母子死傷事故は02年1月10日に発生。横浜市瀬谷区の県道を走行中のトレーラーの左前輪が脱落し、歩行中の神奈川県大和市の主婦(当時29歳)が直撃を受けて死亡した。2人の子供も軽傷を負った。

[三菱ふそう] 対応放置に不信増幅 /広島 03/12/04(毎日新聞)

 三菱ふそうトラック・バスは11日、92年以降相次いだ大型車のタイヤ脱落事故について、「設計上の問題」を初めて認め、国土交通省にリコール(回収・無償修理)を届け出る方針を決めた。99年にも同社製のバスが同様の事故を起こしたが、同省には「類似の事故はない」と報告していた。「欠陥」を放置した企業体質が厳しく問われている。

 「これまで十分な報告がなかったことは極めて遺憾」。国交省の風岡典之次官は11日の会見で、「整備不良」との説明を続けてきた三菱ふそうの対応を批判した。さらに「設計上の問題も含めた原因究明をお願いしてきたが、会社側がどのような認識だったか聞きたい」と述べ、不信感をあらわにした。

 同社製の大型車で、タイヤと車軸をつなぐ金属部品の「ハブ」が破損する事故は、92年以降57件に上っている。そのうち、タイヤの直撃を受けて母子3人が死傷した横浜市の事故(02年1月)など51件は、車両からタイヤが外れた事故だった。

 99年6月には、乗客9人を乗せて時速75キロで走行中の路線バスの前輪が突然外れるという事故が広島県内で発生した。それ以前にハブ破損が既に15件起きていた。同社は「バスでは初のケースで、隠すつもりはなかった」というものの、当時の運輸省に「類似事故なし」と報告。原因を「整備上の問題」と説明していた。

 2年後の01年には高知県などで観光バスのハブが破損する事故が2件続いたが、同社はいずれも事故の発生自体を同省に報告していない。

 大惨事につながる可能性があった広島の事故を詳しく調べるために、神奈川県警は今年1月、「広島三菱ふそう自動車販売」を捜索した。関係者は「公共交通機関なら整備不良とは考えにくい。この事故を機に三菱ふそうがきちんと対応していれば、その後の事故は防げたかもしれない」と指摘する。

 同社は11日の会見で、「(整備不良と考えにくい)ハブの亀裂が見つかったのはいつか」と聞かれ、「02年の3月から6月あたりにつかんでいた」と述べ、少なくともこの時点で構造上の欠陥がある可能性を認識していたことをうかがわせた。だが、対外的にはその後も「原因は整備不良」との見解を変えなかった。

 【武田良敬、木戸哲】

三菱大型車「ハブ」耐久試験でも手抜き 03/22/04(読売新聞)

 三菱ふそうトラック・バス(昨年1月に三菱自動車から分社)の大型車でタイヤ脱落事故が多発した問題で、欠陥が指摘されている「ハブ」と呼ばれる車軸周辺の金属部品について、同社が「実車試験」だけでなく、研究室内で行う基礎的な「耐久試験」についてもほとんど行っていなかったことが、神奈川県警が押収した同社の内部文書で分かった。

 文書には1990年前後まで試験のノウハウさえ社内になかったとの記述もある。安全性を確保するために必要な試験についての社内体制が不備のまま、同社が開発を進めていたことを示すもので、同県警は業務上過失致死傷容疑での立件、国土交通省も道路運送車両法違反(虚偽報告)での刑事告発にあたっての重要な資料になるとみて分析を急いでいる。

 文書は、神奈川県警が今年1月の捜索で押収、国交省は同社がリコール(回収、無償修理)を表明する直前の今月初め、同社から文書のコピーの提出を受けた。

 国交省は、自動車部品の開発にあたって〈1〉研究室内でハブに力を加えて強度をみる「耐久試験」〈2〉実際に車に部品を組み込んで行う「実車試験」――などを実施するよう自動車メーカーに指導している。

 文書では、三菱ふそうトラック・バスが、1983年以降に開発したA―F型までのハブ6種類の試験状況について調査、報告している。

 同社が実車試験を行っていなかったことはすでに明らかになっているが、文書でも6種のハブすべてについて実施していなかったと記述。さらに同試験の前提となる耐久試験についても、D型を除く5種のハブで「試験の実績がない」などと記載されている。

 また、試験のノウハウに関しては、実車試験はB型まで「試験法を確立しておらず、評価らしい評価はなかった」、耐久試験もC型まで「試験法なし」と明記されている。

 一方、文書で、唯一耐久試験を実施したとされるD型が原因となった事故は、神奈川県警が捜査している横浜母子死傷事件(一昨年1月)など、同社製大型車のハブ破損事故全57件のうち、38件を占めている。

 これについて国交省は、「試験をしたハブで事故が多発するのは説明がつかない」としており、試験が不適切だった可能性もあるとみて、同社にさらに説明を求める方針。

 文書は同社の技術者が作成したもので、「耐久強度評価をおざなりにしていた」「(ハブの)仕様変更時には強度確認を必ず行うべきだ」と報告している。

 同社のリコールは約11万3000台が対象で、近く正式に届け出る見通し。

不都合資料、隠ぺいか=国交省要求受け提出−三菱ふそうタイヤ脱落 03/25/04(時事通信社)

 三菱ふそうトラック・バス製大型車のタイヤ脱落問題で、横浜市の母子死傷事故後に社内に設置された事故原因調査ワーキンググループ(調査班)の議事録など複数の資料を、国土交通省の要求を受けて同社が今月8、10日の2回に分け提出していたことが25日、分かった。

 これらの資料は、それまでに同社から国交省に提出されていなかったが、一部は神奈川県警の家宅捜索で押収された。同省や県警は、同社が不都合のある資料を隠ぺいしていた疑いもあるとみて、内容を詳しく調べている。 

不正はいろいろな組織で存在する!

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