原発:不正、隠蔽、事故、問題

福島第1原発事故 (美浜原発事故の記事も含む。)


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石川迪夫・飯田哲也 (朝から生テレビ、4月29日)

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原発事故「最も憂慮すべきは遺伝子変異」レナート・キュンツィ 03/23/11 (swissinfo.ch)

〔不都合な真実=計画停電の“本当の狙い”〕広瀬 隆 著『二酸化炭素温暖化説の崩壊』 第2章 より抜粋、他(第2回) (阿修羅)

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A reevaluation of cancer incidence near the Three Mile Island nuclear plant: the collision of evidence and assumptions. (S Wing, D Richardson, D Armstrong, and D Crawford-Brown) Department of Epidemiology, School of Public Health, University of North Carolina, Chapel Hill 27599-7400, USA.

Three Mile Island (Washingtonpost.com) ★ Chernobyl 'caused Sweden cancers' (BBC)

Japan Earthquake: nuclear plants (Physics Forums)

Study suggests Three Mile Island radiation may have injured people living near reactor BY DAVID WILLIAMSON UNC-CH News Services (UNC)

Cham Dallas discusses Japan's nuclear power plant: What went wrong? (University of Georgia)

今なお農産物汚染続く-チェルノブイリ原発事故から25年 (主婦の「視点・論点」 )

【原発◇】 原発事故から25年経て荒廃した チェルノブイリ 写真・画像 まとめ (NAVER)

AERA「東電解体の「極秘計画」」 (一寸の虫に五寸釘) 東電のカネに汚染した東大に騙されるな! (プロバンスの猫・・・南仏の光と影)

肥田舜太郎/鎌仲ひとみ、『内部被曝の脅威――原爆から劣化ウラン弾まで』(じゃくの音楽日記帳)


政治家及び政党リンク集 東電で倒閣 (衆議院議員 河野太郎公式サイト)
福島原発10基の耐震安全性の総点検等を求める申し入れ 2007年7月24日
自民 原発推進派 甘利明、細田博之、西村康稔、加納時男 5/5朝日 新聞朝刊記事 エネルギー政策合同会議 (明日を信じられる時代になって欲しい。日常の活動日記)
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★不正MOX燃料返送用輸送容器の検査に関する要望書

原発:不正・隠蔽問題についてのホームページサイト&記事のリンク集。 興味のある方の参考になれば幸いです。

結果次第では、メリットとデメリットをお金で考えるとかなりのインパクトがあるからいろいろな力が動いていると思う。

ヤフーコメントに下記のようなコメントがあった。

tor*****

正式な申請書類に千か所以上の不具合があったり、データの書き換えなど通常の企業ではあり得ない。全く審査を馬鹿にしているか、「お上」から裏で手を回して貰うので大丈夫とでも考えているとしか思えない。こんな企業が万一の場合に大惨事を起こしかねない原発の運用を任されていると思うと近隣の住民は安心して眠れないと思うが。

敦賀原発審査、再び中断 規制委、原電の資料不備で 04/05/23(共同通信)

 原子力規制委員会は5日、定例会合を開き、日本原子力発電敦賀原発2号機(福井県)の再稼働に向けた審査を再び中断させる方針を決めた。原電が審査資料の誤記などを繰り返し、改善できないためで、行政指導として8月末を期限に審査申請書の一部補正を求める。再稼働時期は従来よりさらに見通せない状況になった。

 規制委は、再稼働の審査申請を取り下げさせる事実上の「審査打ち切り」も含めて検討。5人の委員全員が、一時的な中断が妥当だとの意見で一致した。資料不備を理由にした審査打ち切りは、法的な根拠がなく、事業者に対する不利益処分になる可能性がある。申請取り下げは、全ての審査をやり直すことになり、規制委の負担が大きいとの意見も出た。

 2号機を巡っては2019年、地震や津波対策に関する審査資料で千カ所以上の記載不備が見つかった。20年2月には、地質の資料で原電の無断書き換えが判明。審査は約2年間中断したが、再開後の22年12月と今年3月にも地質の観察場所を間違えるなど訂正が相次ぎ、実質的な審査ができていない。

データ訂正相次ぐ敦賀2号機 2度目の審査中断を決定 04/05/23(テレビ朝日系(ANN))

原子力規制委員会は再稼働を前提とした日本原子力発電の敦賀原発2号機の審査について、2回目の中断をすることを決めました。

 敦賀2号機を巡っては2020年2月に地質データの書き換えが発覚し、規制委は原電へ立ち入り検査などを繰り返すなどして、およそ2年間、審査が中断しました。

 しかし、去年10月の審査再開後も敷地内にある断層の調査データの取り扱いについて訂正が相次ぎ、審査が足踏み状態になっていました。

 定例会では再開した審査を再び中断し、8月末を期限に敷地内にある断層の評価について原電に補正を求めることを決めました。

 また、原電経営陣から近く、改めて意見聴取をする方針です。

テレビ朝日

原発が安全かどうかの議論は必要だが、社長が報告を受けていて適切な対応を指示していなかった事が事実であれば、問題がある企業が原発を持っている場合、法律でまともに管理が出来る会社に管理を任せて資産を差し押さえ、没収できるようにしなければ別の意味で安全とは言えないと思う。

東電柏崎刈羽原発の火災感知器、約100台に不備 ずさんな工事再び 09/20/21(朝日新聞)

 東京電力柏崎刈羽原発7号機(新潟県)で、施設内にある火災感知器の約100台が、新規制基準で定めた適正な位置に取り付けられていないことが関係者への取材でわかった。出火時に煙や熱をいち早く検知できず、対応が遅れる恐れがある。同原発では、テロ対策の不備や安全対策工事の未完了が相次いで発覚し、東電の安全に対する姿勢が問われている。

【写真】東電社長、原発事故のおわび棒読み 繰り返す抽象的答弁

 原子力規制委員会や東電などによると、今年2月、規制委の検査官が7号機の蓄電池室にある煙感知器1台について、設置場所が換気口から約1メートルしか離れていないことに気づいた。基準では消防法施行規則に従って、空調の吹き出し口などから1・5メートル以上離すよう求めている。煙をいち早く検知するためだ。

 東電は、問題の感知器の位置を移し、ほかの感知器も目視で点検した。ところが、規制委が4月に再び調べたところ、別の2台でも不備が見つかったという。

 これを受け、東電は施設内の約2千台を対象に改めて点検を実施。今月16日、複数の設置場所の不備が見つかったことを規制委に報告した。関係者によると、不備があった感知器は約100台に上るという。東電は「点検状況を取りまとめており、近く説明する」としている。

原発が安全かどうかの議論は必要だが、社長が報告を受けていて適切な対応を指示していなかった事が事実であれば、問題がある企業が原発を持っている場合、法律でまともに管理が出来る会社に管理を任せて資産を差し押さえ、没収できるようにしなければ別の意味で安全とは言えないと思う。

東電社長、設備故障を認識か 核防護不備、規制委追及へ 03/31/21(共同通信)

 東京電力柏崎刈羽原発(新潟県)の核物質防護不備問題で、原子力規制委員会は31日、テロ目的などの侵入検知設備の故障に関する報告書が、小早川智明社長まで上がっていたとの見方を明らかにした。小早川氏が過去の故障の一部を認識していた可能性があるとみて詳しく調べる。

 規制委の更田豊志委員長は「(社長の関与が)関心事項であるのは間違いないが、今後の検査で明らかにしていくことだ。認識していたといっても度合いがあるので、一つ一つ(事実を)押さえていく」と述べた。

 規制委によると、同原発では核物質防護規定に違反する事案を、年度ごとに評価し、社長に報告する体制だった。

まず、故意なのか、能力の問題なのかを判断する必要がある。ただ、相手が嘘をついていても100%の確信をもって嘘を付いているとの判断をする事はできないのでいろいろとチェックして総合的に判断するしかないであろう。
ただ、故意でも能力の問題であってもこんな状態では原発を任せるのは問題があると思う。

柏崎刈羽原発を“最も「深刻」”と評価 セキュリティ施設の故障放置問題で 規制委 03/16/21(ABEMA TIMES)

 東京電力の柏崎刈羽原発でセキュリティ施設の故障が放置されていた問題で、原子力規制委員会は評価基準上、最も「深刻」との評価を下した。

 柏崎刈羽原発では1月、侵入者を検知するセキュリティ施設の故障が複数個所で放置されていたことが見つかった。規制委は東電が故障を認知しながら有効な措置を講じなかったことなどを重視し、核セキュリティ上4段階ある評価基準で、最も「深刻」との評価で一致した。去年9月に発覚した職員によるID不正使用より厳しい評価が下された形だ。

 東電は柏崎刈羽7号機の再稼働を目指しているが、地元の反発はさらに強まりそうだ。 (ANNニュース)

東電は財政的にゆとりがないのかもしれない。財政的にゆとりがなければ、優先順位を決めて対応するのだろうが、安全に関しては順位が低いのかもしれない。 組織の体質は重要だと思う。体質に問題があれば、表と裏の顔のギャップが酷くなる。

福島第1原発、地震計故障を放置 3号機建屋、データ記録できず 02/22/21(共同通信)

 東京電力は22日、福島第1原発3号機の原子炉建屋に昨年設置した地震計2基が故障していたにもかかわらず、修理などの対応をせず放置していたため、今月13日に発生した地震の揺れのデータが記録できていなかったと明らかにした。22日に開かれた原子力規制委員会の会合で、委員らの質問に対して答えた。

 宮城・福島両県で最大震度6強を記録した地震から1週間以上が過ぎたが、東電は記者会見などで説明していなかった。

 東電の担当者は「貴重なデータを取ることができなかった。反省すべき点だ」と釈明した。出席した有識者からは「危機管理ができていない」などの批判が相次いだ。

「これについて規制庁は、8日午後非公開で開いた会見で「判断が甘かったが意図的に報告しなかったわけではない」とコメントしました。」

甘い判断しか出来ない原子力規制庁の存在意義はあるのか?ないと思う。まあ、意図的に報告しなかったのでないのならどのような理由があるのか?「判断が甘かった」程度の言い訳なら高卒でも考えられると思うけど?

東電ID不正問題 規制委は「国の規制下で改善が必要」と判断 01/23/21(朝日新聞)

東京電力の社員が、柏崎刈羽原発の中央制御室に不正に入室していた問題について、原子力規制委員会は事態の重要度を審議し「国の規制の下で改善を図るべき水準」との評価を下しました。

この問題は去年9月、東電社員が他人のIDで原発の中央制御室に入室していたものです。原子力規制委員会は8日午前に臨時会合を開催。安全性の問題を重要度の高いものから、赤・黄色・白・緑の4段階で評価する尺度のうち、「安全性への影響は小さいが規制関与の下で改善を図るべき水準」とする3番目の「白」に相当すると決めました。 東電がこれを受け入れた場合、今後、再発防止策などについて国の追加検査が行われます。

一方、この問題に関しては、規制委員会の事務局である原子力規制庁が、発生翌日に東電から報告を受けながら、規制委員会に伝えていなかったことが、中山均新潟市議の指摘で先週明るみに出ました。問題発生は、東電の適格性に言及した「保安規定」了承の3日前でした。中山均新潟市議は「規制庁は東電の不祥事を知りながら、規制委員会の適格性判断を執行した。規制庁の重大な隠蔽と言っても過言ではない」と述べました。

これについて規制庁は、8日午後非公開で開いた会見で「判断が甘かったが意図的に報告しなかったわけではない」とコメントしました。

「廃棄」資料、一転公開 文書名特定、再請求に 原子力規制委、消極さ露呈 01/05/20(朝日新聞)

 原子力規制委員会が重要方針を決めた非公開の事前会議を巡る問題で、会議の配布資料を毎日新聞が情報公開請求したところ、規制委は「廃棄済みで不開示」とした。ところが、資料の表題を明示して再請求すると一転開示した。規制委は再請求にも「不開示」にする方向で手続きを進めたが、職員の一人が当時のメールに添付されていたと申告したという。規制委は陳謝し「事務処理上の不手際」と釈明する。情報公開に消極的な姿勢が浮かんだ。

 規制委が開示したのは、関西電力3原発(高浜、大飯、美浜)に求める火山灰対策を議論するため、更田(ふけた)豊志委員長や石渡明委員、安井正也・原子力規制庁長官(当時)と担当者ら計11人が出席した2018年12月6日の非公開会議で配布された資料。右上に「議論用メモ」と印字され、①文書指導で関電に設置変更許可申請を求める案②関電に火山灰想定の再評価をさせる案――の2案が併記されていた。

 更田委員長らは配布資料を基に①の案を退ける議論をしたのに、議事録を作成しなかった。規制庁は翌週12日の委員会(公開会議)で②の「再評価命令案」だけを提示、規制委はこれを決定した。

 毎日新聞は事前会議の配布資料とされる文書を関係者から入手し、真偽の確認などのため、18年12月26日に再評価命令案の「作成過程が分かる全文書」を請求。規制委は、ホームページで誰もが閲覧可能な資料などを開示したが、問題の資料は「既に廃棄された」と不開示にした。ところが、表題を明示して19年5月24日に再請求したところ、開示した。

 規制庁広報室によると、資料を作成した規制企画課係長は、メールに添付し関係者16人に送信。印刷もして非公開会議で配布した。会議終了後、係長は資料を回収・廃棄するとともに、電子ファイルと送信メールを消去していた。

 最初の情報公開請求には地震・津波審査部門の係長が対応し、関係者計7人に文書の有無を口頭で問い合わせたが、「持っていない」と回答したため「不存在」と判断した。

 再請求には、資料を作成した係長が対応。「これまで調査したところでは、対象文書は確認されていないが、文書を保有していないことを念のため確認する」とのメールを会議出席者を含む約25人に送った。法規部門の職員が規制企画課係長からのメールに添付されていたと申告し、資料の現存が判明したという。

 広報室は「調査が不十分だったため、本来開示すべき文書が発見に至らず、不開示とした。改善に努める」としている。

 規制委は配布資料について「結論を出さないブレーンストーミングで使われた資料」と説明し廃棄を正当化するが、有識者は「実質的に意思決定に影響を与えた文書なので保存すべきものだった」と批判している。【日野行介、田中龍士、向畑泰司】

 ◇原子力規制委員会の非公開会議の配布資料が一転開示されるまで

2018年

12月6日 更田豊志委員長らが出席した非公開会議で、2案を比較する配布資料を基に「再評価命令案」を選択する方針を決定

  12日 公開会議で再評価命令案のみを提示、議決

  26日 毎日新聞が規制委に再評価命令案の「作成過程が分かる文書すべて」を情報公開請求

 19年

1月24日 規制委が「既に廃棄されており保有していない」と不開示決定

5月24日 毎日新聞が資料の表題を明示し、再度情報公開請求

6月21日 規制庁規制企画課係長が職員ら24人に「保有していないことを念のため確認する」とメール

 同日 法規部門職員が資料の現存を申告

  25日 規制委が一転開示

他人のIDカードで原発内建屋に入らなければならないと言うとは隠し事が必要なほど重要な事があると言う事だろう。
セキュリティや管理で重大な問題だと思う。関西電力の不祥事を考えれば想像がつくが、社内の調査や処分は組織のトップが公平に対応しないと形だけで意味がない。
組織的にこの不正を容認しているのであれば他人のIDで侵入は簡単であろうが、個人が勝手に他人のIDを使って侵入したのであれば重大な保安問題だと思う。単純に社内処分で幕引きできる問題ではない。この不正がいつわかったのか知らないが、この不正が国の審査で発見されなかったのであれば、国の審査にも問題があることになる。昨年の9月末に不正侵入し、昨年10月に国の審査が終了したのであれば国の審査は問題を発見できない程度であったと考えられる。
国の審査の甘さが露呈したことになる。

東電社員、他人のIDカードで原発内建屋に 柏崎刈羽 01/23/21(朝日新聞)

 新潟県の東京電力柏崎刈羽原発で昨年9月末、東電社員が他人のIDカードを使って、原発内の建屋に入っていたことが23日、わかった。東電は原子炉等規制法に基づく核物質防護規定に違反する事案だとして、原子力規制委員会に報告した。

 東電は取材に対し、核物質の安全管理上の理由などから、社員が立ち入った施設名や社員の立場などは明らかにできないとしている。ただ、すでに再発防止策を規制委に報告しており、社員の処分に関しては「社内で適切に対応した」としている。

 東電は同原発7号機の再稼働をめざしており、国の審査が昨年10月に終了。福島第一原発事故後に設けられた新規制基準に基づく安全対策工事も今月12日に完了した。再稼働に向けて、県と地元の柏崎市、刈羽村の同意が得られるかが焦点となっている。(戸松康雄)

スケジュールが大幅に遅れているうちに事故を経験した人達が減っていくのだろう。
日本は小さな島国なので原発からの高濃度の汚染物質を埋める場所がない、又は、限られているので原発の将来はないと思う。
これまで生きてきて学んだことは守られない約束や守るつもりのない約束や言葉はこの世の中にたくさん存在すると言う事。原発に関してたくさんのこのような言葉が存在すると思う。

福島第一、高濃度の汚染部分が判明 廃炉工程見直しか 09/29/18(読売新聞)

 東京電力福島第一原発の2号機と3号機で、原子炉格納容器の真上にあるふたのような部分が極めて高濃度に汚染されていることが、原子力規制委員会の調査で判明した。事故時に格納容器から漏れた放射性物質が大量に付着しているらしい。容易に近づくことができず、この部分を動かすのは困難とみられる。規制委は「極めて深刻」とみており、廃炉工程が見直しを迫られる可能性もある。

 高濃度汚染が判明したのは「シールドプラグ」と呼ばれる円板状の鉄筋コンクリート(直径約12メートル、厚さ約60センチ)の部分。3枚重ねて、原子炉建屋最上階の床面に据え付けられている。普段はふたのように炉心からの放射線を遮っているが、核燃料の入れ替えなどの作業時には一時的に取り外され、格納容器内にアクセスする出入り口となる。

 規制委は現場の線量が下がってきたとして、昨年9月に原発事故の未解明事項の調査を約5年ぶりに再開。これまでの東電などの調査で2、3号機のシールドプラグ付近の線量が異常に高かったことから、現地調査で周辺の線量を詳しく測定し直すなどして、汚染実態の解明を進めてきた。

 その結果、3枚重ねの一番上と真ん中の板の間付近にあると推定されるセシウム137の量は、2号機で約20~40ペタベクレル(ペタは1千兆)、3号機で約30ペタベクレルに達した。周辺の線量の測定値から2号機のその部分の線量を推定すると、毎時10シーベルトを超えるレベルになる。1時間もそばにいれば人は死に至る。

単なる説明不足なのか、それとも、悪意のある説明だったのか?事実は関係者のみ知る。事実や真実は知ることは出来ないが、福島に 住んでいなくて本当に良かったと思う。
事実について影響を受ける可能性が一番高いのは福島に住んでいる人達。

「除去済み」放射性物質、福島第一の処理水に 09/29/18(読売新聞)

 東京電力は28日、福島第一原子力発電所のタンクで保管している放射性物質トリチウム(三重水素)が入った「処理水」の大半に、トリチウム以外の放射性物質が国の排水基準値を上回る濃度で残留していると発表した。処理水を処分する場合は、再浄化する方針も明らかにした。

 東電によると、今年8月7日時点の処理水の総量89万トンのうち、84%の75万トンが基準を満たしていない。現在の浄化能力は1日最大1500トンのため、再浄化には年単位の時間がかかる見通し。

 政府や東電はこれまで処理水について、汚染水に含まれる放射性物質のうち、トリチウム以外は除去済みと説明してきた。28日に記者会見した東電の松本純一・廃炉推進室長は「説明が不十分だった。反省している」と謝罪した。

原発は安全と言われて、信じるのは大間違い。 電力会社が安全管理をすると言い切るのであれば、データ-改ざんや隠ぺいが発覚すれば 地元の住民に一定の額を払うことを要求すべき。しかし、金銭的にゆとりがあれば、 引越しするほうが得策と思う。取り返しがつかなくなった後では遅い。

「経済産業省の省令では、原発事業者は保有する原発の廃炉費用を見積もり、毎年、解体引当金の名目で積み立てるよう義務付けられている。ただ、積み立てたお金を一時的に別の用途に使うことは禁じていない。」

東電の福島原発のように、予想できない事故が起きて廃炉になった場合、税金を使うしかなくなる。
それを予測できるのに、現状の省令と言う事は、経済産業省に責任があるのは明らか。ただ、責任を取る気がないし、責任を問われても無視すれば良い と考えているのだろう。
森友学園の財務省の逃げは酷かった。あのような対応で担当者は出世するのだから時には悪い奴が得をすると言う事なのかもしれない。

原電の廃炉費、大幅不足 原発建設に流用、全基停止後も 09/09/17(朝日新聞)

 原発専業会社の日本原子力発電(原電)が、廃炉のために準備しておくべきお金を流用し、残高が大幅に不足している。原電が保有する原発4基のうち、東海第二(茨城県、停止中)は来年11月に運転開始40年を迎え、敦賀原発2号機(福井県、同)は建屋下に活断層が走っている可能性が指摘される。これらの原発が廃炉の判断を迫られても、作業に必要な費用を賄えない可能性がある。

 原電は近く、東海第二の運転を最長60年に延長できるよう原子力規制委員会に申請する方針だが、廃炉にするにもその資金を確保できないことも背景にある。

 経済産業省の省令では、原発事業者は保有する原発の廃炉費用を見積もり、毎年、解体引当金の名目で積み立てるよう義務付けられている。ただ、積み立てたお金を一時的に別の用途に使うことは禁じていない。

 原電の場合、廃炉作業中の東海原発(茨城県)、敦賀原発1号機を含む4基の廃炉にあてるため、総額1800億円前後の解体引当金がある計算だが、「大半を流用してしまった」(関係者)という。

 複数の関係者によると、東京電力福島第一原発事故の前、原電は解体引当金を敦賀3、4号機(建設中)の建設費に流用することを決めた。金融機関からの借金を増やさない目的だったという。原発事故後、原電の全原発が停止して資金繰りが厳しくなると、穴埋めする余裕はなくなり、流用が続いた。原電は解体引当金をどの程度使ったかを明らかにしていない。

朝日新聞社

「使用済み核燃料再処理工場(青森県六ケ所村)で8月、壁面の配管貫通部分から雨水が流入した問題で、日本原燃は8日、配管を敷設する屋外の『配管ピット』の点検が未実施だった原因について、ピットの設置から14年間にわたり、作業員が誤って別のピットを点検していた、と発表した。」

上記が嘘であっても本当であっても、大問題である事に間違いない。事故や問題が起きないと間違いに気付かないのは重大な問題。

14年間別の箇所点検 原燃「異常なし」日誌に記載 再処理工場雨水流入問題 09/09/17(デーリー東北)

 使用済み核燃料再処理工場(青森県六ケ所村)で8月、壁面の配管貫通部分から雨水が流入した問題で、日本原燃は8日、配管を敷設する屋外の「配管ピット」の点検が未実施だった原因について、ピットの設置から14年間にわたり、作業員が誤って別のピットを点検していた、と発表した。原子力規制庁は「重大な問題」との認識を示し、保安規定違反に該当するかを調べている。

 問題は同月13日、非常用電源建屋の地下1階で発覚。貫通した箇所の隙間を埋めるコーキング部分の経年劣化によって雨水約0・8トンが屋内に漏れており、配管ピット内にたまった雨水を除去した翌14日に漏水が止まった。

 原燃によると、配管ピットは毎日1回、地上の点検口から目視で内部を確認しなければならなかった。しかし、原燃は2003年の設置後から隣接する「ケーブルピット」を間違って点検し続け、結果についても「異常なし」と点検日誌に記載していた。

 ピット内に直接入った点検も一切行わず、コーキングの劣化を把握していなかった。だが、原燃は昨年12月、北陸電力志賀原発(石川県)で原子炉建屋に雨水が流入した問題を受けた調査時、規制庁に今回の貫通部について「止水に問題はない」と報告していた。

 規制庁は4日に行った原燃との面談で「調査が適切に行われないまま報告したのは問題」と厳しく指摘。22日まで本年度第2四半期の保安検査中のため、引き続き事実関係の確認を進める。

 原燃は「問題を重く受け止め、しっかりと再発防止に努めたい」としている。

デーリー東北新聞社

誰が善人のふりをした大嘘つきなのか?
もし「経産省が“非公表”指示」が事実であれば、どの省でも信用できないキャリアが存在すると言う事か?

経産省が“非公表”指示 再処理工場の建設費増額分 07/18/17(テレ朝NEWS)

 使用済み核燃料の再処理工場の建設費が7500億円も増えたことを経済産業省の認可法人が正式に公表しなかったのは、経産省の指示だったことが分かりました。

 再処理工場の建設費は新しい規制基準により7500億円も増え、2兆9000億円と当初の予定の4倍近くに膨らみました。先月30日に国の認可が下りましたが、再処理機構は正式に公表していません。関係者への取材によりますと、経産省の資源エネルギー庁が都議選への影響を考慮したとみられ、機構に対して「6月30日の公表を避けるように」と指導し、都議選の翌日も「会見など大げさにやらないように」と指示していたことが分かりました。

 世耕経産大臣:「(Q.現場の判断で大臣に話が入っていないのか?)そういうことはないと思っています。こちらの方から何か止めたということはないという報告を受けています」

やり方が汚い!

電気料金に反映?再処理工場7500億円増正式公表せず 07/16/17(テレ朝NEWS)

原発から出る使用済み核燃料の再処理工場の費用が新たな規制基準で膨大に増えていました。電気料金につながる費用ですが、経済産業省の認可法人は正式に公表していませんでした。

使用済み核燃料の再処理工場の建設費 当初の4倍に 07/05/17(テレ朝NEWS)

原発から出る使用済み核燃料の再処理工場の建設費が安全基準への対応などで、当初見込みの約4倍の2兆9000億円に膨らむことが明らかになりました。

 青森県の六ケ所村で進められている再処理工場の建設工事は、これまでトラブルが相次ぎ、工期が20回以上、延期されていました。日本原燃などによりますと、新たな試算では、福島第一原発事故を受けた耐震工事など安全対策の追加によって建設費が7500億円増え、当初の見込みの4倍近い2兆9000億円になります。人件費や管理費を含めた総事業費は1兆3000億円増え、13兆9000億円に上るということです。これらの費用は電力会社から集める仕組みとなっているため、電気料金として利用者が負担することになります。

原発が安全か、どうかを議論しても意味がないケースがると思う。
日本原子力研究開発機構の体質や今回の事故がなぜ起こったのかを考えれば、理解できると思う。
安全かどうかよりも、安全な状態を維持できるかで失敗している。安全対策は実行し、維持できなければ、意味がない。

<原子力機構被ばく>防げたはずの「想定外」 袋の劣化認識 07/07/17(毎日新聞)

 日本原子力研究開発機構大洗研究開発センター(茨城県大洗町)で作業員5人が被ばくした事故は6日で発生から1カ月。原子力機構は当初、事故を「想定外だった」と説明したが、事故は想定できたにもかかわらず、不十分な体制のまま作業をしていたことが調査で明らかになってきた。【岡田英、鈴木理之】

【図説】内部被ばく事故、どのようにして起きたのか

 原子力規制委員会は保安規定違反の可能性が高いとみている。

 事故は6月6日午前11時15分ごろ、同センターの燃料研究棟で金属容器を点検で開封中、中に入っていたプルトニウムなど核燃料物質入りのビニール袋が破裂した。金属容器は1991年以来、26年間一度も開けたことがなかった。

 「中がどうなっているか分からないので、おっかなびっくり作業していた」。規制委の立ち入り検査で、原子力機構はこう説明した。作業員は長期間放置したビニール袋の劣化は認識していたという。また、機構の別の施設で同様にビニール袋が膨らんだケースがあったことも、今年1月には把握されていた。

 しかし、作業員は作業前の安全チェックで「爆発・破裂・飛散の恐れ」という点検項目に「該当なし」と判断し、上司も承認。室内には密閉型の作業台が5台あったが、密閉されていない簡易な作業台で開封した。必要な作業計画書も作成されていなかった。

 原子力機構の担当者は「密閉型の台を使っていれば、事故は明らかに防げた」と悔やむ。

 事故後、作業員の除染用の仮設テントを設置できたのは発生から3時間後。燃料研究棟に必要な資材がなく、組み立て訓練もしていなかった。放射性物質を洗い流すシャワーが故障していたことも判明した。

 規制委の田中俊一委員長は今月5日の定例会で「プルトニウムを扱う際、慣れや根拠のない判断があってはいけない。安全文化が欠けている」と批判した。

事故が起きた時に作業員を犠牲にして閉じ込める方法しか選択肢のない対応策しか準備していなかったのが事実。
まあ、作業員は最悪のシナリオも知った上で就職したのか知らないが、知っていたのであれば、運が悪かったし、知らなかったのであれば、 騙されたのかもしれない。まあ、100%安全な職場などなかなかないので、運が無かったと言う事であろう。

<茨城被ばく>13年前にも袋膨張 作業員へ注意喚起怠る? 06/09/17(毎日新聞)

 日本原子力研究開発機構の大洗研究開発センター(茨城県大洗町)で放射性物質入りのビニール袋が破裂して作業員5人が被ばくした事故で、原子力機構は13日、2004年に機構内の別の施設でもビニール袋の膨張を確認していたことを明らかにした。破裂の危険性を把握しながら、作業員への注意喚起などを怠っていた可能性がある。

 原子力機構によると、核燃料サイクル工学研究所(同県東海村)のプルトニウム第1開発室で04年4月、放射性物質入りの金属容器を二重に密封したビニール袋が膨らんでいるのを確認。内部の有機物が放射線で分解されてガスがたまった可能性が高く、破裂の恐れがあるため別の箱に入れ直した。

 原子力機構は原子力規制庁から放射性物質の適正管理を求められたことを受け、今年1月にこの経緯を組織内に通知したとしているが、作業手順への反映や注意喚起などはしなかったという。6日の事故後の記者会見で原子力機構の担当者は「破裂は想定外」と説明していた。

 一方、原子力機構は事故の状況について、作業員からの聞き取り内容を公表。

 容器のボルトを全て外したところ「腹部に風圧を感じ、全員が破裂音を聞いた。容器からモヤモヤした内部からの(放射性物質の)漏えいが認められた」などと話したという。【鈴木理之、岡田英】

「『結局、プルトニウムに慣れすぎているのではないか』。規制委の田中俊一委員長は、7日の定例会見で苦言を呈した。『もんじゅ』をめぐって『出力運転を安全に行う資質がない』と機構に見切りを付ける勧告を文部科学相に行った規制委の内部には、今回の事故についても『また機構か』という空気が漂う。」

規制委と文部科学省が日本原子力研究開発機構をこのような体質のままでいられるように甘やかしてきたのではないのか???

甘やかしていないと言うのであれば、今回そして今後はどのような処分を出すのか?

衝撃的被曝で「ずさん」続々 核物質26年放置 除染不十分 汚染室内に3時間… (1/4) (2/4) (3/4) (4/4) 05/01/17 (dot.)

 日本原子力研究開発機構「大洗研究開発センター」(茨城県大洗町)の被曝(ひばく)事故で、数々の「ずさん」が露呈している。当初発表された「2万2000ベクレルの体内被曝」という衝撃的な数値は、体表面の放射性物質も検出していた可能性があり、信用性が消失。事故想定の甘さから、作業員を退出させる準備に手間取ったことも分かった。高速増殖原型炉「もんじゅ」の廃炉などに続き、機構への信頼が揺らぐ事態が続いている。(社会部編集委員 鵜野光博)

「シュー」空気が漏れる音 

 6月6日午前11時15分ごろ、同センター燃料研究棟の108号室で事故は起きた。

 20~50代の作業員5人が取り組んだのは、核燃料物質が収納された貯蔵容器の点検。直径10センチ程度の茶筒のような形だ。機構が原子力規制委員会と文部科学省に行った説明を総合すると、蓋を閉じていた6本のボルトのうち、4本を取り外すと、「シュー」という空気が漏れるような音がして、蓋が少し持ち上がった。作業員はここで放射性物質の飛散を懸念し、周辺の一部を拭き取って調べたが、問題はなかったという。さらに残り2本のボルトを蓋を抑えながら取り外したところ、容器の中で核燃料物質を包んでいた2重のビニール袋が破裂。ボルトを外した50代の作業員は「おなかに風圧を感じた」という。

 機構が9日夜に公表した現場の写真には、部屋の中に点々と落ちている黒い物質が写っており、容器から飛び出したプルトニウムかウランの酸化物の可能性があるという。部屋は広範囲に汚染され、「フード」と呼ばれる貯蔵容器を開封した設備の近くでは、法令上の立ち入り制限値の約14倍となる1平方センチ当たり最大55ベクレルが検出された。

ルーズな放射性物質管理

 そもそも、点検は何のために行われたのか。

 規制委は昨年11~12月の保安検査で、機構を含む10施設で核燃料物質を入れた容器がフードなど貯蔵施設以外に置かれていることを確認し、今年2月、改善を指示した。10施設のうち、最大35年以上に及ぶ長期間の放置が確認されたのは、同センターなど機構の施設だけだった。

 規制委によると、改善指示後、同センターでは貯蔵施設外に置かれた核燃料物質が新たに見つかった。燃料研究棟にはすでに上限の80個の貯蔵容器がある。機構は貯蔵施設のスペースを空けるため、2月から80個の容器の中身の確認を始めた。これが点検の目的だ。すでに31個の点検を終え、より雑多な核物質が入っている容器を今回初めて開封したところ、事故に至ったという。

 袋が破裂した容器は平成3年に封印され、以来26年間、開封されていなかった。中身について機構は「どういう物がどういう形態で入っていたのか、古いので特定できていない」としている。

汚染された部屋に3時間とどまる

 作業員は同11時37分、自分たちの手足が放射性物質で汚染されていることを確認。報告を受けた機構は正午、現地対策本部を設置した。その後、部屋から5人の退出が始まったのは午後2時半だった。作業員は放射性物質で汚染された部屋に3時間以上、とどまっていたことになる。

 なぜ、これだけ時間がかかったのか。

 汚染された可能性がある部屋から作業員らを退出させる場合、汚染が外に持ち出されることを防ぐために、通称「グリーンハウス」と呼ばれる退出用設備を部屋の出入り口に設ける必要がある。機構によると、グリーンハウスの設置が開始されたのは、汚染が確認されてから約1時間40分後の午後1時15分だった。「ハウス用の部材を集めるのに時間がかかった。今回のような汚染が生じるという前提で装備はしていなかった」というのが機構側の言い分だ。

 この3時間、5人が部屋のどのあたりにいたのかも「把握していない」としている。

除染不十分のまま体内被曝検査か

 9日夜の会見で、機構の西川信一安全・核セキュリティ統括部次長は「放射線医学総合研究所での1回目の肺検査で、プルトニウムは5人とも検出されていない」と明らかにした。これにより、7日に機構が発表した「50代男性の肺から2万2000ベクレルのプルトニウム239を検出」、それを基にした「被曝総量は36万ベクレル」という推計が宙に浮き、「将来、健康被害が出る恐れが否定できない」という見解も根拠が失われた。

 機構は事故当日の6日午後6時52分、「全員の除染が完了」とし、5人は別の施設に移動。そこで50代作業員から2万2000ベクレルが検出された。ところが、7日に5人を受け入れた放医研は「4人に体表面汚染が確認された」と公表。機構の除染が不十分だった可能性が高く、機構が十分な除染をせずに作業員を施設外に出してしまったことも明らかになった。

 ただ、5人のうち3人は機構の鼻腔内検査で最大24ベクレルのアルファ線が検出されており、内部被曝の恐れは依然残っている。放医研によるプルトニウム以外の核種の検出についても、機構は「把握していない」としている。内部被曝については、放医研が排泄(はいせつ)物の検査なども含めて慎重に評価を行っている。

「プルトニウムに慣れすぎている」

 機構の児玉敏雄理事長は8日、職員に対し、核燃料物質を扱う類似の全作業を停止するよう指示。「機構の存続にも影響を及ぼす重大な、深刻な事態」と認識し、「放射性物質を取り扱う自覚と緊張感を持つこと」などを求めた。

 「結局、プルトニウムに慣れすぎているのではないか」。規制委の田中俊一委員長は、7日の定例会見で苦言を呈した。「もんじゅ」をめぐって「出力運転を安全に行う資質がない」と機構に見切りを付ける勧告を文部科学相に行った規制委の内部には、今回の事故についても「また機構か」という空気が漂う。

 機構は19日までに規制委に対し、今回の事故の状況と処置を報告することが法令で義務づけられている。袋はなぜ破裂したのか。今回の貯蔵容器と同種のものとされる容器は、同センター内にあと20個あるという。その点検をどうするのか。汚染された108号室への対処は、そして5人を今後どのように遇するのか。さらなる失点は許されない状況にある。

 ■日本原子力研究開発機構=日本で唯一の原子力に関する総合的研究開発機関。平成17年、旧日本原子力研究所と旧核燃料サイクル開発機構が統合し、独立行政法人として発足。27年、国立研究開発法人に改組。高速増殖原型炉「もんじゅ」、高速実験炉「常陽」、高温工学試験研究炉(HTTR)、試験研究用等原子炉施設(JRR-3)などの施設を保有している。

事故が起きた時に作業員を犠牲にして閉じ込める方法しか選択肢のない対応策しか準備していなかったのが事実。
まあ、作業員は最悪のシナリオも知った上で就職したのか知らないが、知っていたのであれば、運が悪かったし、知らなかったのであれば、 騙されたのかもしれない。まあ、100%安全な職場などなかなかないので、運が無かったと言う事であろう。

被曝の5人、汚染室内に3時間待機 原子力機構の事故 06/09/17(毎日新聞)

石塚広志、東山正宜

 茨城県大洗町の日本原子力研究開発機構大洗研究開発センターで作業員5人が被曝(ひばく)した事故で、室内に飛散したプルトニウムなどの放射性物質を室外に出さないための処置をする間、5人は室内で3時間にわたって待機していたことが分かった。その間に体内に放射性物質が入り、最も多い人で肺から2万2千ベクレルのプルトニウムが検出されるという、国内最悪の内部被曝につながった可能性がある。

 放射性物質が飛散した事故は6日午前11時15分ごろに、燃料研究棟の分析室で発生した。放射性物質が入ったポリ容器は二重のビニール袋に包まれ、ステンレス製の保管容器に入っていた。

 原子力規制委員会や原子力機構によると、事故当時、保管容器の内部の状況を確認するため、50代の男性職員がフタを留める6本のボルトを緩めていた。4本目を外したところでビニール袋が膨らんで、フタが浮き上がってきたという。職員はフタを押さえつけながら残りの2本を外してフタを取ったところ、ビニール袋が破裂した。ビニール袋内に何らかの原因でガスがたまり、内圧が高まっていた可能性がある。

 破裂の瞬間、職員は「脇腹からおなかにかけて風圧を感じた」と話したという。規制委の幹部は「結果論だが、フタに違和感があったところで作業を止めておけば破裂しなかった可能性がある」と話した。

 室内が放射性物質で汚染された…

「原子力機構は『作業の手順は計画通りで、作業員の装備にも問題はなかった』と説明する。」

「9日の初会合では、原子力機構の児玉敏雄理事長を呼んで事情を聴く。原子力機構は、放射性物質を不適切な場所に置いているとして、原子力規制委員会から改善を求められ、今回の事故はその対応中に起きた。このため他の施設についても適切な安全管理がなされているかを調べる。」
「松野文科相は、7日に担当局長から児玉理事長に厳重注意したことも明らかにし『誠に遺憾』と述べた。」

日本原子力研究開発機構が作業手順や作業員の装備に問題ないと考えている以上、厳重注意をしたところで何も変わらないと思う。
厳重注意で何かが良い方向へ改善できると思うほうも間違っていると思う。

<茨城被ばく>文科省、特命チーム設置 作業員対応など検討 06/09/17(毎日新聞)

 日本原子力研究開発機構大洗研究開発センター(茨城県)の被ばく事故で、原子力機構を所管する文部科学省は9日午後、水落敏栄副文科相をトップとする特命チームを設置し初会合を開く。松野博一文科相が閣議後の記者会見で発表した。

 特命チームは、事故の現状把握や、原因究明と再発防止対策、被ばくした作業員への対応などを検討する。

 9日の初会合では、原子力機構の児玉敏雄理事長を呼んで事情を聴く。原子力機構は、放射性物質を不適切な場所に置いているとして、原子力規制委員会から改善を求められ、今回の事故はその対応中に起きた。このため他の施設についても適切な安全管理がなされているかを調べる。

 松野文科相は、7日に担当局長から児玉理事長に厳重注意したことも明らかにし「誠に遺憾」と述べた。

 また、塩崎恭久厚生労働相は9日の閣議後記者会見で「作業に問題がなかったかどうか、防護具・防護衣の使用など電離放射線障害防止規則に基づく措置がなされていたかどうか調べ、必要な指導をする」と語った。水戸労働基準監督署が事故が起きた6日から立ち入り調査を続けている。【酒造唯、阿部亮介】

「原子力機構は『作業の手順は計画通りで、作業員の装備にも問題はなかった』と説明する。」
この説明が事実とすれば、作業手順や装備を十分に検討して、計画通りに行っても、今回のような事故は想定できないし、防げないと言う事になる。
日本原子力研究開発機構を信頼し続ければ、このような想定外の事故は容認するしかないと言う事になると思う。

ビニール突然破裂「想定外」 内部被曝招いたずさん管理 06/08/17(朝日新聞)

 日本原子力研究開発機構が起こした国内最悪の内部被曝(ひばく)事故。これまで何度も問題になってきた、原子力機構による放射性物質のずさんな管理が再び繰り返された。作業員が吸ったプルトニウムは体内に長い間とどまり、がんのリスクを高めると指摘されている。

 被曝(ひばく)事故があったのは、26年前に封がされた保管容器の中身を確かめようとした時だった。

 原子力機構の大洗研究開発センター(茨城県大洗町)にある燃料研究棟。6日朝、作業にあたる職員5人が分析室に直径10センチほどのステンレス製の保管容器を持ち込み、分析用の作業台に載せた。保管容器の中には、プルトニウムとウランなどの酸化物が入ったポリ容器が、二重のビニール袋に包まれて入っていた。

 午前11時15分ごろ、50代の男性職員が6本のボルトを緩めて保管容器のフタを開けると、突然、ビニール袋が破れ、中にあった放射性物質が飛び散った。この職員は2万2千ベクレルのプルトニウムを吸い込み、近くにいた3人の肺からも放射性物質が検出された。保管容器は1991年にフタを閉じた後は、一度も開けたことがなかったという。

 原子力機構は「この作業でビニールが破れるとは想定していなかった」と説明。作業マニュアルでも、この作業を密閉された特殊な箱の中ではなく、前面のガラスの一部が開いた状態の作業台で行う手順にしていた。

 職員が付けていたマスクはフィルター付きで口と鼻を覆うタイプだった。どのような経路で吸い込んだかは不明だが、マスクと顔の間に隙間があったり、放射性物質がまだ浮遊しているのにマスクを外したりした可能性が考えられている。顔全体を覆うタイプのマスクを使っていれば、内部被曝は防げたかもしれない。

 原子力機構によると、現場となった燃料研究棟は74年に完成。その3年後からプルトニウムを使った試験が始まった。高速増殖原型炉「もんじゅ」の新型燃料などを研究開発していたが、役目を終え、13年度に廃止の方針が決まった。

 施設を廃止した後、放射性物質を廃棄物として処理していくには、その種類や量、状態を確認する必要がある。そこで原子力機構は今年から、施設に大量にある保管容器の状況を確認する作業を進めていた。原子力機構は「作業の手順は計画通りで、作業員の装備にも問題はなかった」と説明する。

肺から最大2万2000ベクレル 5人搬送 内部被ばく検査へ 06/05/17(NHK)

6日、茨城県大洗町にある日本原子力研究開発機構の核燃料の研究施設で、袋の中から放射性物質の粉末が漏れ出し作業員5人の手袋や服などが汚染されたトラブルで、このうち1人の肺から最大2万2000ベクレルの放射性物質が計測され、原子力機構は5人を専門の施設に移し詳しい検査を行うことにしています。

茨城県にある日本原子力研究開発機構の「大洗研究開発センター」の施設で6日午前、5人の作業員が燃料の貯蔵容器の点検をしていたところ、実験で使ったプルトニウムやウランを含む放射性物質の粉末が入った袋が破裂し5人の手袋や服が汚染され、このうち3人の鼻の中から最大24ベクレルの放射性物質が確認されました。

文部科学省によりますと、体外に出てくる放射線を測定する機器で調べたところ、このうち1人の肺から6日の時点で確認された値より大幅に高い、最大2万2000ベクレルの放射性物質が計測されたということです。

原子力規制庁によりますと、この放射性物質はプルトニウム239だということです。

どのくらい被ばくしているかは、まだわかっておらず、この1人を含む5人全員について体内に入り込んだ放射性物質の影響で被ばくする内部被ばくについての詳しい検査が必要だとして、千葉市にある放射線医学総合研究所に搬送したということです。

5人は当時、燃料研究棟と呼ばれる燃料の研究開発などに使われていた施設で作業をしていて、原子力機構は漏れ出した放射性物質による外部への影響はないとしています。

「被ばく限度を超えるのはほぼ確実」

日本原子力研究開発機構の核燃料の研究施設で、袋の中から放射性物質の粉末が漏れ出し、作業員5人の手袋や服などが汚染されたトラブルで作業員の1人の肺から2万2000ベクレルの放射性物質が計測されたことが7日の原子力規制委員会で報告されました。

これについて、規制委員会の放射線の安全規制が専門の伴信彦委員は「肺に吸い込んだ放射性物質の測定で、こうした値が出てくるのは半端な状況ではなく、作業員の被ばく限度を超えるのはほぼ確実だ。だからといって、命に関わる急性影響が出るということではないと思うが、事態としては決して軽微なものではない」と述べました。

そのうえで、「今回の作業の手順が、どこまで妥当だったのか厳しく見る必要がある。顔を半分覆う半面マスクをしていたのに体内の汚染が生じたということなので、マスクの装着が十分だったのかなどについても情報を確認したうえで監督、指導してほしい」と述べました。

「2万2000ベクレル 聞いたことがなく大きな値」

内部被ばくの問題に詳しい量子科学技術研究開発機構の明石真言執行役は「2万2000ベクレルという数字は、事実なら国内では私は聞いたことがなく大きな値だ。ただ、健康への影響については体内に取り込んだ放射性物質がどのような核種なのかによって数倍違ってくるので評価のためにはこうした点を明らかにする必要がある」と話しています。

「原子力規制委員会の伴信彦委員は7日の定例会で『2万2千ベクレルの検出は半端な状況ではない。命に関わることはないだろうが、軽微なものではない。作業の状況が適切だったか確認する必要がある』と問題視した。」

福島の被ばくでも命に関わる事はないと言われている。どんな状況であっても重大な問題ではないと言う事だろう。

命に関わるような事ではないのなら、同じ作業手順を続ければ良いと思う。確率から考えても同じような事は続いて起きないであろう。

作業員1人肺から2万2千ベクレル 国内最悪の内部被曝 06/07/17(朝日新聞)

 茨城県大洗町の日本原子力研究開発機構大洗研究開発センターで、ウランとプルトニウムが入った保管容器から放射性物質が漏れて作業員5人が被曝(ひばく)した事故で、原子力機構は7日、このうちの1人で50代の男性職員の肺から、2万2千ベクレルのプルトニウムが検出されたと発表した。暫定で1年間に1・2シーベルト、50年で12シーベルトの内部被曝をする値で、過去にこれほどの内部被曝をした例は、国内ではないという。原子力機構は「急性の放射線障害が出るほどではない」としている。

 原子力機構によると、残る4人からはプルトニウムは検出されなかったが、この男性を含む3人から最大220ベクレルのアメリシウムも検出された。5人は体内に入った放射性物質の排出を促す薬剤を注射する処置を受け、7日午前に千葉県の放射線医学総合研究所に搬送された。

 事故が起きたのは、高速炉の新型燃料などを研究開発していた燃料研究棟の分析室。保管状況を調べるため金属容器のフタを開けたところ、中のビニールが破れて放射性物質が飛散した。5人はいずれも口や鼻をマスクで覆っていたが、3人の鼻腔(びくう)内から最大で24ベクレルの放射性物質が確認されていた。

 原子力機構によると、この作業でビニールが破れることを想定していなかったため、作業は密封した状態ではなく、一部が開いた作業用の箱の中で行っていた。

 原子力規制委員会の伴信彦委員は7日の定例会で「2万2千ベクレルの検出は半端な状況ではない。命に関わることはないだろうが、軽微なものではない。作業の状況が適切だったか確認する必要がある」と問題視した。

     ◇

 被曝医療に詳しい、国際医療福祉大クリニックの鈴木元院長は「2万2千ベクレルは量としては多い。肺に入ったプルトニウムは、1週間から10日かけて化学薬品を霧状にして吸入させたり、点滴したりして排出させる。その後、体内に残っている量を調べて健康への影響のリスクを判断しなければならない」と話す。

原子力規制委員会を信用していると事故が起きた時にとんでもない事になるかもしれない。まあ、その時に言い訳や隠蔽で処理されるのだろう。 福島原発で何が起きたのかもまともに検証できない組織に何を期待し、なぜ信用するのだろうか?

原発40基、詳細点検せず=配管腐食、再稼働の川内・伊方も―電力各社 01/15/17(時事通信)

 運転中や運転可能な全国の商用原発42基のうち40基で、重要設備である中央制御室の空調換気配管の詳細な点検が行われていなかったことが14日、原発を保有する電力9社と日本原子力発電への取材で分かった。

 中国電力島根原発2号機(松江市)の換気配管では腐食による穴が多数見つかっており、事故が起きた場合に機能を維持できない恐れがある。

 中国電は昨年12月、運転開始後初めて島根2号機で配管に巻かれた保温材を外し、腐食や穴を発見。必要な機能を満たしていないと判断し、原子力規制委員会に報告した。再稼働した九州電力川内原発1、2号機(鹿児島県)や関西電力高浜原発3、4号機(福井県)、四国電力伊方原発3号機(愛媛県)の点検でも保温材を外していない。点検方法は各社の判断に委ねられており、規制委は全国の原発の実態を確認する。

 中央制御室は原発を運転・監視する中枢施設で、運転員が24時間常駐する。通常は配管を通じて外気を取り入れ換気するが、事故発生時には外気を遮断し、機密性を保つ機能が求められる。

 原発を保有する各社によると、島根2号機と北陸電力志賀原発1号機(石川県)を除く40基で、保温材を外さないまま配管の外観点検が行われていた。40基には東京電力福島第2原発の4基も含まれる。外気取り入れ口付近の目視点検や異音検査などが実施された例はあったが、配管の保温材を全て外した上での目視確認は行っていなかった。

 一方、北陸電は2003年に志賀1号機の配管でさびを発見。保温材を外して点検し、08年に取り換えた。

 規制委は島根2号機で見つかった腐食について「規制基準に抵触する可能性がある」とみている。中国電は「海に近いため塩分を含んだ空気が配管に流れ込み、腐食が進んだ可能性がある」と説明している。

 日本の原発は発電用タービンを回した蒸気を海水で冷却し循環させるため、海辺に立地している。

 40基の内訳は北海道電力泊原発1~3号機、東北電力東通原発1号機、同女川原発1~3号機、東京電力福島第2原発1~4号機、同柏崎刈羽原発1~7号機、中部電力浜岡原発3~5号機、北陸電力志賀原発2号機、関西電力美浜原発3号機、同大飯原発1~4号機、同高浜原発1~4号機、四国電力伊方原発2、3号機、九州電力玄海原発2~4号機、同川内原発1、2号機、日本原子力発電東海第2原発、同敦賀原発2号機。

原発も高速増殖炉「もんじゅ」は安全性の問題は別にしても、廃炉がとてもやっかいだ!プロジェクトを考えた人達は後始末のことなど考えずに、進める事だけを 考えていたのだろう。

放射性ナトリウム760トン=もんじゅ廃炉で難題―使用済みMOXも・原子力機構 11/07/16(時事通信)

 政府が廃炉を含めた抜本的な見直しを進めている日本原子力研究開発機構の高速増殖炉「もんじゅ」(福井県敦賀市)で、配管などに残っている放射性物質を含むナトリウムが約760トンに上ることが6日、原子力機構への取材で分かった。

 処分方法は決まっておらず、廃炉が決定した場合は大きな課題になりそうだ。

 通常の原発は水で原子炉を冷却するが、もんじゅはナトリウムで冷やす。ナトリウムは空気や水に触れると激しく燃えるため、扱いが難しい。

 原子力機構によると、もんじゅにあるナトリウムは約1670トン。うち760トンは核分裂反応が起きる原子炉内部などを循環していたため、放射性物質を含んでいる。廃炉になった場合、ナトリウムを抜き取らないと解体が進まない。

 放射性物質を含み、燃える性質があるナトリウムは密閉保管が必要になる。国内で処分した例はなく、原子力機構は「廃炉が決まれば、その段階で処分方法は検討する」と説明している。

 もんじゅで使われたウラン・プルトニウム混合酸化物(MOX)燃料の処分も課題になる。約21トン発生すると見込まれるが、国内では処理できない。海外に委託して燃え残ったウランやプルトニウムを取り出し、残った高レベル放射性廃棄物も含めて返還を受ける方法が考えられる。

 ただ、原子力機構がもんじゅの廃炉費用として試算した約3000億円の中に、海外への処理委託費は含まれていない。既に廃炉が決まった新型転換炉「ふげん」(敦賀市)も使用済みMOXが約64トン発生し、原子力機構はフランスへの処理委託を目指しているが、契約はできていない。

 使用済みMOXは通常の原発から出る使用済みウランに比べ、毒性の高い放射性物質が多く含まれている。高レベル廃棄物の最終処分地も決まっておらず、もんじゅが廃炉になっても新たな難題が待ち受けている。

勝手な想像だけど、審査に対応していた関西電力の男性社員が自殺したから高浜原発1・2号機に運転延長許可を出したんじゃないの?
審査に問題はなくても対応していた社員が自殺したら、審査する方はすごいやり難いと思う。
審査対応も通らない状態の物を会社の命令で通すように言われても困ると思うよ。真面目な性格や、思いつめるタイプだと残業よりもストレスやプレッシャーの方が自殺に影響するんじゃないと思う。
実際の事実はどうなのか?記事になる事はないだろう。

関電社員過労自殺 残業時間月200時間にも 10/20/16(毎日放送)

福井県にある高浜原子力発電所の運転延長に向け、審査対応にあたっていた関西電力の男性社員が今年4月に自殺し、その原因が長時間労働による過労だったとして労災認定されていました。

 労災と認定されたのは関西電力の40代の男性社員です。男性社員は運転開始から40年を越えた高浜原発1・2号機の運転延長をめぐり、原子力規制委員会が行う審査の対応にあたっていましたが今年4月中旬、出張先の東京都内のホテルで自殺しているのが見つかりました。

 男性は管理職の立場で、1か月間の残業時間が最大200時間に達することもあったということです。男性社員の自殺について関西電力は「コメントは差し控えます」としています。

高浜原発1・2号機に運転延長許可 40年超の老朽化原発で初 06/20/16(The Huffington Post)

運転開始から40年を迎えた、関西電力高浜原子力発電所1・2号機(福井県高浜町)について、原子力規制委員会は6月20日、運転を最長20年間延期することを全会一致で認めた。原発事故の教訓から、運転期間を原則40年に制限する新規制基準が適用されて以降、老朽原発で審査に合格し延長が許可されたのは初めて。NHKニュースなどが報じた。

関電は2015年に1・2号機の延長を申請していた。今回の許可を受けて、1号機は2034年11月、2号機は2035年11月まで運転できる。関電は原子炉建屋の改修工事などを終えたうえで、2019年10月以降の再稼働を目指している。

NHKなどによると、規制委は2016年4月、新基準の審査で最大の焦点だった電気ケーブルの防火対策など、見直された安全対策の方針が新しい規制基準に適合していると認めた。加えて、6月には設備の耐震性などが審査される「工事計画」を認可した。

6月20日の会合では、施設の劣化状況を評価する「運転期間延長認可」について議論が行われ、一部の配管が劣化して薄くなると耐震基準を下回るため、補強工事を行うことなどが報告された。

■40年ルールとは

原子炉等規制法は、核燃料物質や原子炉の利用や定めた法律。福島第1原発の事故後、2013年に改正施行された新基準では、原発の運転期間は原則40年と定められた。例外として、安全審査や延長認可審査で規制委が合格と認めれば、1回に限り最長20年運転延長できる。

高浜1・2号機は、既に運転開始から40年を超えたが、新基準は施行から3年の猶予期間があるため、7月7日が延長認可手続きの期限だった。

運転開始から40年前後が経過した原発のうち、これまでに6基の廃炉が決まっている。

■例外認めルール「骨抜き」との批判も

今回の延長許可手続きをめぐっては、批判も出ている。毎日新聞によると、規制委は運転延長のための工事計画において、耐震診断を実施して許可を得る手続きの一部について、締め切り期限だった7月7日以降に先送りすることを認めた。

延長申請をめぐって、2016年4月、運転期間を延長する認可をしないよう国に対して求める行政訴訟を福井県などの住民グループが名古屋地裁に起こしている。弁護団は今回の審査に対して、「本来行うべき蒸気発生器の加振試験を工事計画認可に基づく工事完了後に行うことにするなど、認可を期限内に通過させるための恣意的な審査と言わざるを得ない。40年ルールを実質的に骨抜きにするものであり,極めて問題がある」との声明を発表している。

「当初は3月末までに点検する予定だったが、人事異動で担当者が変わるなどして点検が行われているものと勘違いしていたという。」

たぶん、人事異動は良いわけだと思う。もし言い訳でないのなら、引き継ぎがマニュアル通りに行われない、記録簿が未記入、または、記録簿が存在しない ずさんな管理体制で、とても危ない状態であると思う。

「もんじゅ」また点検漏れ…期限見過ごし放置 07/22/16(読売新聞)

 日本原子力研究開発機構は22日、高速増殖炉「もんじゅ」(福井県敦賀市)で、機器の点検期限が迫っていることを知らせる警告が機構内のコンピューター画面に表示されていたにもかかわらず、3か月間にわたり放置していたと発表した。

 その後気付いたため、点検は期限内に終えたという。

 発表によると、点検漏れがあったのは、冷却材のナトリウムが流れる配管温度を制御するための機器。機構内の規定で今年5月末までに点検が必要だった。警告は点検期限の3か月前にコンピューター画面に表示される仕組みになっており、2月末に出ていたが、点検の未実施に気付いたのは5月27日。31日に急いで点検した。

 当初は3月末までに点検する予定だったが、人事異動で担当者が変わるなどして点検が行われているものと勘違いしていたという。

廃炉と決定すれば、廃炉費用が発生するが、このまま放置しても何も進まないので廃炉とするべきだろう。補修、維持そして老朽化するシステムと設備、稼働できる 能力がなけばさらなる追加費用が発生する。現在でも、管理や引き継ぎも問題があるのではないのか?もう、廃炉とするべきだ!

「もんじゅ」に再び点検ミス しかも2カ月間放置 07/22/16(テレビ朝日系(ANN))

 ずさんな管理が相次ぎ、廃炉も含めた議論が行われている福井県の高速増殖炉「もんじゅ」でまた点検ミスが発覚しました。

 もんじゅを運営する日本原子力研究開発機構などによりますと、点検ミスが見つかったのは原子炉を冷やすナトリウムを管理する補助施設です。機構はこの施設を今年3月までに点検する計画を立てていましたが、期限が来ても点検が実施されませんでした。このため、施設のシステムが警報を発していましたが、職員は警報に気が付きながら2カ月間、放置していたということです。機構は「原因究明と再発防止に努めたい」と話しています。もんじゅは相次ぐ点検ミスなどから、2013年に原子力規制委員会から事実上の運転禁止命令を受けていました。その後も保安検査で安全性の根幹に関わるミスが相次ぎ、現在は政府内で廃炉も含めた議論が進められています。

もんじゅ:機器の安全重要度分類に誤り 09/03/15(毎日新聞)

 多数の機器点検漏れにより原子力規制委員会から事実上の運転禁止命令を受けている高速増殖原型炉もんじゅ(福井県敦賀市)で、原子炉の安全に関わる度合いに応じて定めている機器の安全重要度の分類に誤りがあったことが分かった。最重要機器を含め、約3000個に及ぶという。重要度に応じて点検間隔や内容なども変わってくるため、保全計画を全面的に見直す必要があり、命令解除はさらに遠のきそうだ。

 規制委の担当者が3日、四半期に1回実施しているもんじゅの保安検査の冒頭で明らかにした。

 もんじゅを運営する日本原子力研究開発機構によると、機器の分類は2008年に要領を定め、13年1月に実際の機器に応じて重要度を3段階に分類した。

 ところが、今年3月の保安検査で、分類が現場レベルでの情報共有にとどまり、正式な文書になっていなかったことが規制委の指摘で判明。原子力機構がもんじゅの全機器4万9000個を再確認したところ、重要な配管の弁の開閉に必要なバルブなどの最重要機器を含む約3000個で分類に誤りが見つかり、先月19日に規制委へ報告していた。

 規制委事務局の宮脇豊・原子力規制庁安全管理調査官は「安全重要度の分類は原子炉の安全確保上重要なので、少なからず影響がある」と話している。【近藤諭】

「規制委は同日、『品質マネジメントが適切に機能していなかった』として、保安規定違反と認定した。」

品質マネジメント(ISO)の外部審査はどこの組織が行ったの?審査機関も問題あると思うよ!

もんじゅ:不具合の帳票2300枚未処理 保安規定違反 08/05/15(毎日新聞)

 原子力規制委員会から事実上の運転再開準備禁止命令が出ている高速増殖原型炉「もんじゅ」(福井県)で、機器の不具合などを管理する帳票約2300枚が処理されず放置されていることが5日の規制委の定例会で報告された。規制委は同日、「品質マネジメントが適切に機能していなかった」として、保安規定違反と認定した。

 今回の違反はもんじゅの保安検査で発覚した。このほか、原子炉を直接冷却する1次系ナトリウム温度を測定した記録の一部が紛失していることも分かり、保安規定違反よりレベルの低い「監視」と認定した。規制委はどちらも「安全上の影響はない」としている。【酒造唯】

愚かな事の繰り返し。これが日本の現実。権力に振り回され、無駄な事に時間と労力を掛ける。何も直ぐには変わらないがこのような人間達に権力をバックに好き勝手にやらせると、結局は国民に付けが回ってくると思う。少なくとも既に福島県民の一部には明らかに付けが回ってきていると思う。福島県民はどう思っているのだろうか?仕方が無いで終わりだろうか?

「出直せ!」原子力規制委員長代理を激怒させた規制庁の“お役所仕事” (1/4ページ) (2/4ページ) (3/4ページ) (4/4ページ)01/15/15(毎日新聞)

 原子力規制委員会の“要”として活躍している更田豊志委員長代理(57)が、原子力規制庁の職員に激怒した。定例会合という公開の場で、「出直した方がいい」とまで言明し、実際に会合はやり直しになった。なぜここまで更田氏は憤怒したのか。規制委や規制庁は発足から2年以上が経過し、昨年9月には5人の委員のうち2人が交代するなど組織に若干の変化が生まれている。透明性と独立性を旗印にスタートした規制組織が“原発の事故前の状態”に戻ろうとしているのだろうか。(原子力取材班)

リストに職員の名前がない…

 “事件”があったのは昨年12月17日の規制委の定例会合。原発の廃炉に伴って出てくる放射性廃棄物の新しい規制基準の作成が議題に取り上げられた。

 規制委事務局の原子力規制庁の職員が、検討チームの立ち上げや検討期間など今後の議論の進め方を淡々と説明した。

 外部専門家9人で構成される検討チームについては、1年を目途に成果をとりまとめる方針を伝え、規制委の了承を求めた。一見して、職員の説明に何ら問題はないように見えたが、更田氏の表情は険しかった。

 更田氏がまず指摘したのは、検討期間の問題だ。

 「1年を目途にと、よく『目途に』と使われるが、守られたためしがない。だらだらと長い時間をかけることがないように」

 最初は穏やかな口調だったが、検討チームに外部専門家の名前しかなかったことに対し、叱責口調になった。

 「外の先生に決めていただくというのは役所の責任回避だ。二度とやってはいけない。こういう検討チームの案の出し方をされては困る。これでは私は了解できない」

 レジュメに職員の名前が書かれていないことに、そこまで怒るのか。

 更田氏のけんまくに場が凍り付く中、規制庁の池田克彦長官が「(職員の)異動があるということを考えてこうしたと思う。1年を目途というのも、規制委の資料に入れたのはおそらく初めてではないかと思うので、ぜひ意気込みを買ってほしい」ととりなした。

 しかし怒りの収まらない更田氏は「主役の名前が書かれていないリストを了解するつもりはない」とした上で、「これは出直してもらった方がいい」と提案し、翌週に議事をやり直すことになった。

保安院時代への先祖返りか

 更田氏の怒りの根源は何か。それは、規制委、規制庁の前身となる、経済産業省の原子力安全・保安院時代に遡(さかのぼ)る。

 保安院でも、原発に関する基準づくりなどを行う際に、検討チームをつくっていた。外部の専門家を呼んで会合を持ったが、実態は保安院の職員が基準案を整え、チームの報告書案も職員がつくり、承認を頂くだけの専門家はお飾りに過ぎなかった。もちろん検討チームに職員が出て意見を述べることはなく、専門家を影で操っていた存在だった。

 東京電力福島第1原発事故では、保安院はまったく役に立たず、むしろ“原子力ムラ”の一員として、事故の責任を負うよう外部から指摘された。しかし誰も責任を取ることはなく、職員の大半は規制庁の職員として滑り込んだ形だ。

 更田氏はこの「保安院時代の復活」を恐れたのだ。

 規制委は政治や事業者からも独立し、すべての会合や議論を公開する透明性をウリにして発足した。先祖返りかと思える規制庁の職員の対応に、更田氏は我慢ならなかったのだろう。

声を震わせながら…落ち着かない職員

 更田氏の「差し戻し命令」を受け、翌週に開かれた12月24日の定例会合。

 前週に叱責を受けた職員が再び姿をみせ、「一度説明を申し上げたが、ご指摘があり、改めて検討し直した」と切り出した。用意されたレジュメには、しっかりと原子力規制庁職員の名前が書かれていた。

 説明中、この職員は机の上に手を出したり引っ込めたりと落ち着かない様子で、時折、声を震わせながら説明を終えた。

 説明後、議論の口火を切ったのはやはり更田氏。眉間にしわを寄せながら、「役割と目的が明確になった。しかし、(基準をつくる)技術基盤課と、(実行する)規制部との連携を十分にとってほしい」とさらに要望した。

 廃棄物の規制基準作りを担う田中知委員は申し訳なさそうに、「委員から意見があったことを十分に承る」と発言し、職員をおもんばかった。

 それ以上何も発言はなく、田中俊一委員長は「本件はこれで了承したいと思う」と議論を早々に打ち切った。

 田中委員長は記者会見で、更田氏に代わってこう弁明している。

 「先祖返りするというリスクは常にわれわれ自身も意識をして、口酸っぱく言っている。廃棄物の基準づくりはちっとも前に進まなかった。やはり責任を持った人が責任を持った基準をつくらなければならないというのが1つの原因だ。そこの所に少し認識が甘いということで、もっと自覚や気概をもってやれというお怒りだったと思う」

 更田氏の真意は、規制庁の職員の心に届いているだろうか。

奇麗事とインチキ。結局は企業から支援を受けている政治家と金が全てか?

発事業化調査:震災後、2度増額8.5億円…原電救済? (1/2) (2/2) 04/06/14 (毎日新聞)

 原発輸出に伴いベトナムやトルコで実施されてきた、総額約40億円の現地調査が、電力各社の出資する原発専業会社「日本原子力発電」に集中的に発注されていた。同社の保有する原発3基の再稼働が見通せず苦しい経営が続く中、識者は「国による日本原電救済ではないか」と指摘する。一部の契約については、非政府組織(NGO)との交渉の場で明らかにせず、契約から約1年たってやっと公表した。癒着とも言える不透明な構造が浮かんでいる。【高島博之】

 ベトナムの原発計画は2009年、大きく動き出した。同7月にベトナム政府内で原発の発電規模などの審議が終了、同11月の国会で建設が正式に決まった。

 経済産業省資源エネルギー庁は同8月、温室効果ガスの排出削減を海外で事業展開する企業を支援する名目で「低炭素発電産業国際展開調査事業補助金」(19億9900万円)を創設し、受給を希望する事業者に提案書の提出を求めた。毎日新聞が情報公開で入手した文書によると応募は2社。このうち、日本原電がベトナムの調査を、別の企業(企業名は黒塗り)が米国などでの「送電線老朽化対策」を提案し、エネ庁職員による内部審査だけで同10月、日本原電への補助金支給が決まった。

 ベトナム側の計画の遅れで調査は11年に始まり、費用不足から、エネ庁は東日本大震災翌年の12年1月、日本原電と5億円の随意契約を結び、同庁ホームページで公表した。

 社民党の福島瑞穂参院議員や環境NGOのメンバーらは13年8月、東京・永田町の参議院議員会館に、エネ庁原子力政策課員を呼び海外調査について質問。福島議員が公表資料に基づきベトナムの調査費用が当初の19億9900万円から「なぜプラス5億円になったのか」と尋ねると、同課員は「新たな追加調査が発生したための費用」とだけ回答し、詳細な説明はなかった。

 しかし、エネ庁はその8カ月前の12年12月、追加費用として日本原電に随意契約で3億5000万円を支払っていた。エネ庁は内規で100万円超の契約は「翌日から72日以内に公表する」と定めていたが、内規に反し非公表だった。別の情報公開で得た文書に記載があったことから、記者が昨年10月、同課に指摘すると「ミスで公表していなかった。意図的に隠したのではない」と釈明し、現在はホームページ上で公開している。ただ調査の詳細については公表しておらず、総額28億4900万円に見合う事業かどうか、外部からの検証は不可能だ。

 福島議員は取材に対し「ミスだという説明は信じられない。多額の費用が不透明に支払われていることを隠蔽(いんぺい)したかったのではないか。エネ庁に説明を求める」と話した。

 「原発は不良債権である」などの著書で知られる慶応大の金子勝教授(財政学)は「日本原電は約3年間売電量ゼロで、実質的に破綻している。海外での調査を日本原電だけに任せているのは、国による救済に見える。今回のように契約が公開されていないと、国会は事業の監視ができない」と批判した。

首都圏で「毎年3月にセシウム値が急上昇する」理由 03/14/14 (女性自身)

東京都健康安全研究センターでは、新宿区百人町にある観測施設で、’11年3月以降毎月、1平方メートル当たりにどれだけのセシウム134とセシウム137が降ったかを測定、公表してきた。

11年3月、福島第1原発事故直後には8000ベクレル以上のセシウム134、137が降下。以後減り続け、現在通常の月はセシウム137で1〜2ベクレル程度。しかし3月になると’12年は18、’13年には42ベクレルにまで跳ね上がっているという。

「昨年3月10日に首都圏で空が真っ黄色になる煙霧が発生しました。このことからもわかるように3月は雪解け後で地面が乾燥し、地表の土ぼこりが舞い上がる時期。福島原発事故で飛来した大量の放射能性セシウムは地中には染み込まず、ほこりに付着して地表に残っています。とくに栃木県、群馬県の山間部には多くセシウムが降りました。それらが一斉に舞い上がって都内に降ってくる。今年も要警戒です」

こう語るのは『放射能下の日本で暮らすには?』(筑摩書房刊)の著者で作家の田中優さん。その危険度について田中さんはこう警告する。

「人間が体内に入れる空気の量は飲食の5.5倍です。セシウムを体内に取り込む危険性では呼吸がいちばん怖い。肺に取り込まれたセシウムは血液を介して心臓に蓄積することがわかってきました。人間は1日22立方メートルの空気を吸います。月40ベクレルというのは、セシウムが心臓に達して心電図に影響をあたえるレベル。危ない数値です。今年も煙霧が発生した場合、その日は外出を控えたほうがいいと思います」

ただ、空気中のセシウムはほこりに付着しているので、花粉症のマスクで防ぐことができるそうだ。だが、セシウムが付着したほこりは花粉と同じで、靴の裏やコートなどに付いて、家庭内に入り込む。

「背の低い子どもやハイハイをする赤ちゃんほど、外から持ち込まれて、床にたまったセシウムを吸い込みやすい。煙霧の日などは靴を玄関の外で脱ぐなどの対策も必要でしょう」

丸3年たった今も、福島原発事故で飛来したセシウムは、首都圏に振り続けている。そのことを忘れてはならない。

原子力機構:もんじゅ点検計画 確認中に「見直しが完了」 01/15/14 (毎日新聞)

 高速増殖炉原型炉もんじゅ(福井県)で1万点を超える機器の点検漏れが発覚した問題で、原子力規制委員会は15日、運営主体の日本原子力研究開発機構が規制委の指摘を受けて見直した点検計画の内容を確認作業中だったにもかかわらず、見直しが完了したと規制委に報告していたことを明らかにした。

 事実上の運転禁止命令が出ているもんじゅの運転再開を機構が急いだ可能性がある。安全管理体制の軽視とも受け取られかねず、田中俊一委員長は事実関係を確認するよう事務局の原子力規制庁に指示した。

 規制委は2013年5月、安全管理体制が整うまで、もんじゅの運転を禁じている。(共同)

お金と票のためには問題があるとわかっていても建設を容認するのか?こんな調子だと福島の原発問題も適当に歪められた情報や資料で電力会社の良いようになるかもしれない。食品の偽装も起こっている。産地を偽装して福島周辺の農産物が既に出回っているのかもしれない。原発は削減で進めるべきだ!

原発:課題山積みも方針転換 建て替え容認で反発必至 10/24/13 (毎日新聞)

 政府・自民党が原発の建て替えを容認する方向となり、民主党政権時代の「原発ゼロ」方針からの転換が具体的に動き始めた。一方、東京電力福島第1原発の汚染水問題だけでなく、使用済み核燃料の最終処分場探しなど、原発の抱える課題は山積したまま。建て替えよりも急ぐべきことがあるのではないか、との批判が相次ぎそうだ。

 福島第1原発事故後の2012年6月に成立した改正原子炉等規制法は、原発の運転期間を原則40年間とするルールを定めている。経済産業省の試算では、新たな場所に原発を造る「新設」、既存発電所で原子炉を増やす「増設」、古い原子炉を廃炉する代わりに新しい炉を造る「建て替え」のいずれも行わない場合、2049年に国内の原発はゼロになる。「再生可能エネルギーがどこまで伸びるか見通せない中、原発ゼロになれば、将来、電力不足に追い込まれる」(経産省幹部)という危機感が、政府・自民党による建て替え検討の背景にある。原発建設の決定から運転開始までに10年以上かかることも、建て替えの議論を始めるべきだとの動きにつながった。

 さらに、原発が「将来ゼロ」と見られてしまっては、立地自治体から「政府方針があやふやな状況だと、(住民の理解を得られにくく)極めて迷惑」(西川一誠・福井県知事)などの不満の声が高まり、再稼働にも悪影響を及ぼしかねない。

 だが、原発への世論は依然厳しい。毎日新聞の世論調査(7月末)では、原発再稼働への「賛成」36%に対し「反対」は56%。小泉純一郎元首相が脱原発を支持したことを追い風に、自民党内でも「原発ゼロの道を必死になって模索すべきだ」(中堅議員)との声が上がっている。安倍晋三首相は「建て替え」路線を突き進むのか。世論の反発が予想される中、政府・与党の議論が曲折する可能性は残る。【大久保渉、小山由宇】

原発に関する嘘は今後も続くのだろう。福島の非難している人達は帰還など夢物語の期待を捨てて、無駄な除染にお金を使わずに保証額をアップしてもらい新しい人生を踏み出した方が良いだろう。こんな状況で除染など本当に税金の無駄遣い。地下水だってかなり汚染されている可能性だってあると思わないのか?地下水が汚染されればもちろん土壌汚染だってある。誰かが犠牲者として症状を発症するまでは政府や東電は対応しないと思う。過去の公害訴訟を考えれば、汚染による被害者が無視できない状況になるまで対応しない事を学ばなければならない。

原子力規制委、汚染水「切迫」でもリフレッシュ休暇宣言 08/01/13 (ゲンダイネット)

「かなり深刻で、切迫している」――。福島第1原発の汚染水問題について、31日の定例会見でこう懸念を示した原子力規制委員会の田中俊一委員長(68)。

 汚染水をこれ以上増やさないよう、「処理した水と汚染されていない水を捨てる了解をいただかないと」と海洋への放出も口にしたが、そんな田中委員長ら原子力規制委のメンバーが、のんきに“夏休み入り”を宣言したからア然だ。

「この会見で田中委員長は『来週はお休みしたいと思う。みんなで少し休みをとって、リフレッシュしようと』などと言ったのです。汚染水問題を『切迫している』と言いながら、どういう神経をしているのか。それでなくても、原子力規制委は海洋放出について、早く地元民を説得するよう東電の尻を叩いている。もちろん、福島の漁業関係者は猛反発していますが、田中委員長は『(東電は)必死になって頼む姿勢が足りない』なんて平然と言う始末。で、地元民の苦痛をよそに、自分たちは“リフレッシュ休暇”だから、とことんふざけています」(福島県関係者)

 原発の新規制基準に関して再三説明を求めている新潟県の泉田裕彦知事は、面会に応じようとしない田中委員長について、「説明責任を果たさなければ不適格だ」と厳しく非難している。

 が、田中委員長は会見で「とくにお会いしなきゃいけないとは思っていない」と冷たく言うばかり。こうしたデタラメを一切報じず、批判もしようとしないこの国のメディアもどうかしている。 .

(原発利権を追う 立地のまちへ:上)3・11後、語り出した影たち 07/28/13 (朝日新聞)

 東京電力の広瀬直己社長に朝日新聞取材班が文書を突きつけたのは、6月11日の夜だった。東京・渋谷のマンションに車で送られて帰った際に手渡した。

 《2007年に東電副社長だった清水正孝氏らが、青森県むつ市で計画中の使用済み核燃料の中間貯蔵施設をめぐる地権者との紛争を解決するため、西松建設に対…

原発が安いなんて嘘!詐欺行為が出来なくなったから「福島第一の廃炉費、電気料金に上乗せへ 経産省方針 」。いつまで日本国民を騙すか?

福島第一の廃炉費、電気料金に上乗せへ 経産省方針 07/24/13 (朝日新聞)

 経済産業省は23日、東京電力福島第一原発1~4号機の廃炉にかかる費用の一部について、電気料金への上乗せを認める方針を明らかにした。廃炉作業を進めるために新たにつくる施設の建設費を対象にする。

 経産省は原発の廃炉をめぐる会計の見直しを進めている。この日開いた専門家らによる検討部会に新制度の骨子案を示し、福島第一原発の廃炉費用に関する方針についても盛り込んだ。検討部会は骨子案をもとに8月中に報告をまとめ、年内にも省令を改正する。

 今の制度のままで廃炉を決めると、40年かけて積み立てている廃炉費用の不足分や、原発の資産価値がゼロになる分を、一度に特別損失として処理しなければならない。電気料金でもまかなえず、電力会社が廃炉をためらう一因とされる。

ドラマの話ではなく現実の話。

元むつ市長側に金銭支援 西松建設、核燃施設巡り1億円 07/17/13 (朝日新聞)

 【市田隆、田内康介、村山治】青森県むつ市で建設中の使用済み核燃料中間貯蔵施設を誘致した杉山粛(まさし)・むつ市長(当時、2007年死去)を支援するため、西松建設が03~04年、市長側に子会社の資金で計1億円を融資したことが、関係者証言と西松建設の内部資料で分かった。西松側は東京電力に相談してから融資したという。融資金のうち7千万円は回収不能になった。用地買収の裏工作疑惑に続き、原発関連施設をめぐる不明朗な資金が判明した。

 東電などが事業主体の中間貯蔵施設は、03年6月に杉山市長が誘致を表明した。ところが当時、杉山市長の親族企業の機械製造会社「まさご」(むつ市)が経営不振に陥った。自身が代表取締役を務めたこともあったため、市長はまさごの借金で1億円以上を個人保証していた。破綻(はたん)すれば市長の進退問題に発展する恐れがあったという。市長の周辺関係者は「市長が辞めると、中間貯蔵施設の実現が危うくなる。資金面で支える必要があった」と話す。

 市長関係者によると、まさごの経営が悪化し、市長はおじの建設会社社長に資金援助を要請。朝日新聞が入手した西松建設の内部資料によれば、西松建設東北支店がこの社長から相談され、西松の子会社が03年7月と04年11月に各5千万円ずつ計1億円を社長個人に融資した。この融資金がまさごの資金繰りなどに充てられたが、うち7千万円が回収不能となり、損失処理されたという。

東電用地買収に裏金疑惑 西松建設、2億円肩代わり 07/16/13 (朝日新聞)

 【市田隆、久木良太】東京電力が青森県むつ市に建設中の使用済み核燃料中間貯蔵施設をめぐり、2007~08年に西松建設の裏金2億円で用地買収工作を進めていたことが、関係者証言や西松建設の内部資料で分かった。東電の清水正孝元社長と皷(つづみ)紀男元副社長(当時はいずれも副社長)が西松側に資金支出を依頼したという。原発関連施設の立地で東電首脳が関与した裏工作疑惑が表面化した。

「東電の影」、裏交渉役  問題の買収対象地は、使用済み核燃料が陸揚げされる港と中間貯蔵施設を結ぶ約1・5キロメートルの専用道路に貫かれる形で両側に隣接する二つの土地計約1ヘクタール。地権者からこの土地の買い上げを東電側が求められていた。

 東電幹部らによると、東電側は当初、この土地の買収を避けるため、地下トンネルを掘ることを検討したが、建設費が高額となるため断念。買い上げ交渉を、東電役員と付き合いがあった警備会社「ニューテック」(青森県六ケ所村)の白川司郎会長に依頼した。白川氏の周辺関係者によると、白川氏は買収前、「トンネルを通すと費用がかさむため、自分が東電から相手方との調停役を頼まれた。数億円かかる」と話していたという。

 朝日新聞が入手した西松建設の内部資料や、同社の石橋直副社長(当時)の証言によると、東電副社長だった清水、皷両氏が07年11月ごろ、西松の国沢幹雄社長(当時)、石橋氏と東京・新橋周辺の飲食店で面談。清水氏らは、むつ市の用地買収で「法外な金額を要求されており、2億~3億円かかる」と打ち明けた上で、「白川氏は『西松建設に頼んだらどうか』という。工面してもらいたい」と依頼し、西松側はその場で了承した。東電側は「白川氏と相談してほしい」と西松側に伝えたという。

 朝日新聞が入手した白川氏の顧問弁護士名の文書には、西松が調達した2億円が地権者側に渡り、さらに不足分を白川氏側が立て替えたとの記載があった。西松側の作成資料にも、同じ内容が記されていた。

 内部資料によると、西松側は使途を明らかにしない資金から2億円を支出したとされ、その時期に近い08年6月、東電の関連会社で、中間貯蔵施設を運営する「リサイクル燃料貯蔵」は、この対象地を額面上は約2千万円で買収した。買収工作が完了した後、ニューテックは10年までに、施設の警備業務を数十億円で受注している。

 一方、西松側資料には、石橋氏が用地取得後に東電幹部と会い、「10年間で計500億円の発注を約束するとの発言を得た」との記述もあった。西松は、東電福島第一原発の増設工事などを希望したが、東日本大震災の後、増設計画は白紙撤回された。

 東電や西松関係者によると、東電の発電所などへの設備投資額は年間5千億~7千億円で推移し、ゼネコン各社は東電を重要な取引先と位置づけている。西松建設は、発注額が大きい原発関連事業の受注を狙い営業活動を強めていた。

■東電「承知せず」 西松「資料ない」

 朝日新聞の取材に対し、東京電力広報部は「当時の役員の一つ一つのやり取りについては承知しておりません」と答え、現時点で清水元社長らに事実確認をする意思はないとの見解を示した。西松建設は広報部長名の文書で「内容を確認できる内部資料は、弊社には存在せず、回答はできません」とした。白川司郎氏は文書で「用地買収などに関係したことは一切ございません」などと自身の関与をすべて否定した。「東京電力社員にお会いしたのは、過去から現在までせいぜい5~7人でなかろうかと思います」と述べている。

 「リサイクル燃料貯蔵」は、「私契約に関することであり、回答は控える」とした。

■しわ寄せ、利用者に

 【村山治】電力会社は一般の会計監査に加え、経済産業省の監査もあり、秘密資金を捻出することが難しい。電力会社が前面に出ず、ゼネコンが「前さばき役」として地元対策を代行することがあるとされてきた。

 東京電力が西松建設に裏資金を肩代わりさせ、西松側には後から工事発注で穴埋めしようとしたのだとすれば、工作を露見しにくくするためコンプライアンス違反を犯した疑いが濃い。

 東電の経営は、ほぼ電気料金収入で成り立っている。原発関連施設の立地に伴うこうした裏のコストは、結局は電力利用者が負担させられる。

 東電福島第一原発の事故以降、将来も原子力エネルギーを選択すべきか否かの国民的議論が起こった。もし、裏のコストを隠したまま原発運転を強行することになれば、利用者の理解を得られまい。

 東電は「当時の役員のやりとりは承知していない」というが、問題の施設はまさにこれから稼働するものだ。東電は早急に自ら事実関係を調査し、結果を説明する義務がある。

     ◇

 〈中間貯蔵施設〉 原発の外で使用済み核燃料を再処理するまで保管する施設。震災前、全国の原発から出る使用済み燃料は年約1千トンで、六ケ所村再処理工場で処理できる年最大800トンを超えるため、中間貯蔵が必要とされた。原発内の貯蔵量が限界に近づき、原発の運転継続には、中間貯蔵の整備が不可欠とされる。青森県むつ市で建設中の「リサイクル燃料備蓄センター」は、東電80%、日本原電20%の出資による全国初の施設。使用済み燃料計5千トンを最長50年間貯蔵する予定だ。2010年8月に建屋の工事を始め、建設費は約1千億円。今年10月の操業を目指してきたが、国は12月施行の新規制基準への適合が必要だとしている。

「原子力機構から国などへの報告遅れを含め、危機意識の低さやずさんな管理が露呈した。 事故が起きた23日午前11時55分から約1時間半後、施設内で放射線量が上昇。現場では低減を図ろうと、排気ファンを回した。放射性物質の漏れを防ぐフィルターは未装着だった。担当者は『放射性物質の正体を突き止めようとしないまま、軽い気持ちでファンを操作した』と打ち明ける。」

ハードの面で原発及び原発関連は危ないと結論は出ないと思うが、ソフトの面で「原発及び原発関連は危ない」は危ないと断定できる例だろう。被害が ひどい場合は、どうせ隠ぺい、嘘そして虚偽報告で対応して責任回避するのは想像できる。

放射能漏れ:排気「軽い気持ちで」 05/26/13 (毎日新聞)

 茨城県東海村の加速器実験施設「J−PARC(ジェイパーク)」での放射能漏れ事故で、担当者は放射性物質の種類を把握しないまま、施設の排気ファンを回していたことが25日、分かった。放射性物質の量が半分になる半減期は元素の種類で異なる。半減期が長い物質ほど汚染が長期化する。原子力機構から国などへの報告遅れを含め、危機意識の低さやずさんな管理が露呈した。

 事故が起きた23日午前11時55分から約1時間半後、施設内で放射線量が上昇。現場では低減を図ろうと、排気ファンを回した。放射性物質の漏れを防ぐフィルターは未装着だった。担当者は「放射性物質の正体を突き止めようとしないまま、軽い気持ちでファンを操作した」と打ち明ける。

 さらに「汚染が管理区域内にとどまっている」(幹部)と信じ、国の法令で報告対象となる施設外漏えいを確認したのは、24日午後6時ごろ。国への報告はさらに約3時間後で、発生から1日半近くたっていた。【岡田英、大場あい】

「検証するため」放射性物質を垂れ流した体質 05/26/13 (読売新聞)

 「通報が遅すぎる」「隠蔽体質だ」――。

 J―PARC(東海村)の実験施設で起きた放射性物質の漏えい事故。発生から県への連絡に33時間かかり、大気中に放射性物質が放出されるなど運営体制のずさんさが明らかになり、地元の不信感は高まる一方だ。

 「当初の認識が甘かった」「浅はかだった」。25日未明、茨城県庁で行われた記者会見で、斉藤直人・J―PARC副センター長は何度も頭を下げた。

 報告の遅れについては「事態の把握が遅れ、認識が追いつかなかった」と釈明した。漏えい事故は23日午前11時55分に起こったが、県への報告は24日午後9時40分になってからだった。これに対して、服部隆全・県原子力安全対策課長は「通報のタイミングが遅すぎる」と語った。

 23日午後には、施設内の空間線量や床の放射性物質の濃度がそれまでの10倍に達したことが分かったが、「法律上問題なく、報告が必要な数値ではない」と判断、実験を続けたという。

 ◆施設内の空気ファンで排出◆

 会見で特に質問が集中したのが、施設の排気ファンを回し、放射性物質が含まれた空気を大気中に放出したことだった。ファンで換気したのは、23日午後3時15分頃と同5時30分頃の2回。さらに、このファンには放射性物質をこし取る紙フィルターなどが付いておらず、施設内の空気をそのまま外へ垂れ流していた。

 「なぜファンを回したのか」と問われると、斉藤副センター長は「換気することで建物内の空間線量が下がるかどうかを検証するため」「中の作業員の安全を考えたのかなと」と苦しい弁明に終始した。

 24日午後になって、換気の際に周辺の空間線量の数値がわずかに上がっていたことが判明し、ようやく報告への重い腰を上げた。斉藤副センター長は「周辺住民の皆様への配慮が全く足りていなかった。本当に申し訳ない」と陳謝した。

 こうした運営体制に地元住民の怒りは高まった。

 ◆「事業者が事態過小評価の結果」◆

 村内で脱原発を求めて活動する主婦(42)は「事業者が事態を過小評価した結果が、連絡の遅れを招いたのではないか」と批判。「村は核燃料加工会社『ジェー・シー・オー(JCO)』東海事業所で1999年9月に起きた臨界事故も経験しているのに、なぜこうした問題が解決しないのか」とため息をついた。

 JCO臨界事故で裁判を支援し、「臨界事故を語り継ぐ会」の設立に関わった村議の相沢一正さん(71)は「すぐに発表しないのは情報隠しをする“負の体質”。土曜日で役場に問い合わせもできず、許し難い」と憤った。

国の原発広報、事故後25億円 天下り・電力系7割受注 06/17/13 (朝日新聞)

 【大谷聡】東京電力福島第一原発事故後の2年間に24億8千万円分の原発の広報事業を国が行い、その7割近い16億3千万円分を受注したのは、経済産業・文部科学両省のOBや電力会社の幹部らが役員として在籍する法人だった。朝日新聞の調べでわかった。

 原発広報の事業費は電気料金をもとにした税金で賄われている。福島事故前と比べると総額は半分程度になったが、事故後も国が原発関係の宣伝をし、担当省庁の官僚OBや電力会社関係者がその利益を得るという構図が続いていた。

 この事業は、経産省の「原子力広聴・広報等事業」や文科省の「原子力教育支援事業」など。

 目的は「放射線の理解促進や原子力政策の情報提供で国民の信頼回復を図る」などとされる。経産省の事業は市民や原発立地地域が対象で、原子力研究者らの講演や放射性廃棄物のワークショップなどを開催。文科省の場合は放射線測定器の貸し出しや教職員への放射線セミナーのほか、新聞・テレビ広告などを行う。

 朝日新聞は両省の発注状況の資料を入手し、受注した法人側へも取材して分析した。それによると、2011、12年度に発注した原発広報事業は、経産省が49件計14億8千万円で、文科省は18件計10億円。民間企業や財団・社団法人など計34の組織が受注した。

 受注した組織の内訳を調べたところ、(1)両省のOBが理事に就任している6法人(2)現在は官僚の天下りはいないが、電力会社の役員や元役員が理事・監事にいる4法人――の計10法人が、事業費の66%にあたる33件計16億3千万円分を受注していた。残りは広告会社などだった。

 10法人の中で、両省OBが常勤役員で在籍し、報酬を公開している日本科学技術振興財団と原子力環境整備促進・資金管理センター、つくば科学万博記念財団の場合、常勤理事の報酬は年間1600万円程度という。

「民間提言」に経産省が関与 原発の再稼働や輸出求める 05/19/13 (朝日新聞)

 【松浦新】電力会社や原発メーカーのトップらでつくる「エネルギー・原子力政策懇談会」(会長・有馬朗人元文部相)が2月に安倍晋三首相に渡した「緊急提言」づくりに経済産業省資源エネルギー庁がかかわり、手助けしていたことがわかった。提言は原発再稼働や輸出推進を求め、原子力規制委員会の規制基準や活断層評価を批判している。民間の提言を使い、経産省が原発を動かしやすい環境づくりに動いている。

 提言は「責任ある原子力政策の再構築」と題し、有馬会長を発起人とする有志名で出した。有志に電力会社トップはいないが、日立製作所など原発メーカーや大手商社のトップ、元経産次官の望月晴文氏(日立製作所社外取締役)ら29人が名を連ねる。

 A4用紙5枚の提言は原発規制のあり方に約4割を割き、規制委に対して「最高水準の英知と最大限の情報を活用した検討が実現していない」と批判した。そのうえで「原発再稼働を図るべきだ」などと求めた。

原発再稼働求める民間団体提言、実は、経産省エネ庁職員が関与 茂木経産相も「やり取りあった」と認める(各紙) 05/15/13 (Finance GreenWatch)

各紙の報道によると、原発の再稼働や核燃サイクル推進を求めた提言を政府に提出した民間の有識者団体の作業に、経済産業省資源エネルギー庁職員が関与していたことがわかり、茂木敏充経産相も一部認めた。茂木経産相は13日の参院予算委員会で「(有識者団体との)やり取りはあった」と関与を認めた。社民党の福島瑞穂党首への答弁。

この団体は「エネルギー・原子力政策懇談会」。原子力推進のために政官学で設立された団体で、懇談会会長には元東大総長でも文部大臣も務めた有馬朗人氏、座長に元新日鉄会長で原子力産業協会会長の今井敬氏、座長代理に元経産省事務次官の望月晴文氏といった顔ぶれ。

同団体は2月25日に、安倍首相と茂木経産相に対して、「責任ある原子力政策の再構築~原子力から逃げず、正面から向き合う~」と題した提言を提出した。しかしこの提言作りに、経産省の現役官僚が関与していた疑いが浮上、毎日新聞などが報道していた。同紙の取材に対して、同団体は「(提言作成に際して役所との)事前のやり取りはない」と説明していたという。国会で福島議員の質問に対して、茂木経産相は「やり取りがあった」ことを認めた。

そのうえで、一般的な資料を提供したり、(提言案を事前に示され)意見を求められた場合コメントしたりすることはあるが、問題はない」との見解を示した。福島氏は「(役所と業界団体の)癒着であり、おかしい」と反論し、団体との間で送受信した電子メールの開示を求めた。

原子力委:秋庭委員が就任後もNPO活動 啓発行事に参加 05/03/13 (毎日新聞)

 内閣府原子力委員会の秋庭(あきば)悦子委員(64)が、自身が顧問を務めるNPO法人「あすかエネルギーフォーラム」(あすか)の行事に委員就任後も繰り返し参加し、案内役や司会を務めていたことが分かった。公用車で会場に出向いたり、原子力委の会合を欠席してあすか関連団体の行事に参加したりしていたケースもあった。あすかは電力会社などから多額の支援を受けたことが判明していたが、秋庭氏があすかと最近も密接に関わっていたことが新たに明らかになった。

 あすかはエネルギー関連の啓発事業などを行っている。秋庭氏が2001年に設立し、10年1月に原子力委員になるまで理事長を務めた。11年3月の東日本大震災以降、電気事業連合会や東京電力などから計1800万円余の支援を受けていたが、菅義偉官房長官は3月の記者会見で「(秋庭氏が)顧問として相談に応じることは原子力委員として支障はない」と話していた。

 ところが、原子力委事務局などによると、秋庭氏は委員就任以降も、あすかの行事に少なくとも14回参加。11年3月11日と12年9月28日、13年3月8日に東京都内で開かれた会合には、公用車で出向いた。

 14回のうち11回は、原子力発電環境整備機構(NUMO)があすかに委託した「放射性廃棄物ワークショップ」事業で、放射性廃棄物処理への住民理解を進める会合だった。また、2回は同事業参加経験者の交流会、1回は放射線に関する勉強会だった。同事務局は「原子力委員の職務として参加した」と説明している。

 一方、秋庭氏は12年に愛知など3県で開かれた同事業でグループ討論の司会を務めた。また、複数の関係者によると、今年1月の大阪市での事業では、講師の付き添いや参加者の案内役など裏方を務め、12年の宮城など2カ所では、講師招へいも担当した。

 この14回とは別に、10年7月、あすかの姉妹団体「石川エネの会」が後援する「環境・エネルギー講演」(石川県)で講師を務めるため、その日の原子力委の定例会と臨時会を欠席していた。

 秋庭氏は取材に「福島事故後、(放射性廃棄物の)処理を急ぐ状況になり、NUMOから依頼が多かった。NUMOと一般の人たちとのマッチングを何とかしようと一生懸命やったが、やり過ぎだったかもしれない。ただ、定例会欠席については、原子力委での手続きはきちんと行った」と話した。【杉本修作、向畑泰司】

真実や利害関係を真剣に考えればこのような状況になるのではないのか?真実や事実から避けてきたが福島の原発事故により 事実を知りたいと思う地方自治体が出て来たという事ではないのか?

新潟知事、規制委に不満ぶちまけ…険悪やり取り 04/23/13 (田中龍作ジャーナル )

 新潟県の泉田裕彦知事は22日、原子力規制委員会の事務局である原子力規制庁の池田克彦長官と都内で会談し、県が独自にまとめた原子力安全対策などの要望書を手渡した。

 面会では知事が規制委に対する不満をぶちまけ、長官も反論するなど、険悪なやり取りが繰り広げられた。

 「原子力発電所と住民の安全を守る気はあるのか」。知事は面会の冒頭でこう切り出し、面会を求めていた規制委の田中俊一委員長に会えないことなどに怒りをあらわにした。

 要望書では、福島第一原発事故を受けて県技術委員会が独自にまとめた原子力安全対策などを盛り込み、国としても必要な対応を取ることを求めており、知事は「現場の話を聞かないで判断できるのか」などと批判した。

 知事が最後に「国の安全を守るためにまじめに仕事をしてほしい」とたたみかけると、長官もたまりかねた様子で「ちょっと言い過ぎじゃないですか」と反論するなど、会談は終始、平行線だった。

 面会後、知事は記者団に「透明性をもって情報提供をすることが重要だ」と述べ、田中委員長との面会を再度求める考えを示した。

 知事は昨秋、原発事故の際の住民避難などを巡り具体的な対応を求める質問書を規制委に提出。今年2月に回答があったが、内容を不満として質問書を再提出するなど、規制委批判を強めている。昨年度の県技術委員会に規制委から出席がなかったこともあり、たまった不信感が一気に噴き出したようだ。

虚構の環:第2部・政策誘導/1 衆院解散直後に「拒否権」 (1/2) (2/2) 04/16/13 (毎日新聞)

 ◆虚構の環(サイクル) 

 ◇消された「直接処分」 エネ庁、核燃料扱い案で

 原発で使用済みになった核燃料をどう取り扱うか。12年11月、内閣府原子力委員会(近藤駿介(しゅんすけ)委員長)は、今後の取り組み方に関する「見解案」をまとめた。これまでの国策は、すべての燃料を再処理工場に持ち込む「全量再処理」。コストが高く、取り出した大量のプルトニウムを使う方法も確立されていない。このため見解案は「政策を見直し(再処理せず地中に捨てる)直接処分も視野に入れる」となっていた。しかし翌月の「見解文」でこれらの記載は消えた。

 半年前の同6月、原子力委は「(再利用不可能な)東京電力福島第1原発の使用済み燃料対策などを考えると、直接処分を可能にしておく必要性は明らか」とする決定文を出した。同9月、民主党政権が打ち出した「革新的エネルギー・環境戦略」でも直接処分実現に向けた検討作業に「直ちに着手する」と踏襲されている。見解案は延長線上にある。なぜ消えたか。

 関係者が明かす。「経済産業省資源エネルギー庁がクレームをつけた。原子力委はエネ庁、文部科学省、内閣府の寄り合い所帯。エネ庁が『拒否権』を発動し原子力委の原案を変えた」

 毎日新聞が情報公開請求で入手した電子メールによると、エネ庁課長からのクレームは衆院解散5日後の同11月21日に寄せられた。「見解案は政府の方針と矛盾する」と事実とは正反対の独自の主張を展開したうえで「直接処分」を見解案から削除するよう求めていた。鈴木達治郎・委員長代理は修正に反対したが押し切られた。関係者が振り返る。「政権交代をにらみ再処理政策を進めてきたエネ庁が巻き返しを始めた」

    □   □

 長年核燃サイクルに投じた国費の総額は明らかにされなかった。

 10年10月15日、河野太郎衆院議員(自民)が質問主意書を提出し、核燃サイクルに関連した過去5年間の支出総額を尋ねた。しかし、同26日付で政府が出した答弁書で「調査に膨大な作業を要する。答えることは困難」と回答を拒否した。答弁書の作成者は内閣府。内閣府関係者でさえ「過去も同じ答弁を繰り返してきたが極めて不誠実」と感じたという。

 総額を初めて開示したのは、1年後の11年10月25日の衆院特別委。高速増殖原型炉「もんじゅ」の関連費用が80〜11年度に約9481億円、再処理関連の技術開発費などが98〜10年度に約8118億円。完成のめども立たないのに2兆円弱を投じている。別の関係者は「巨額なので表に出したくなかったが、原発事故があったから仕方なかった」と明かした。

 政権交代後、直接処分への逆風は強まる。それでも「政策変更するのは無理でも研究開発ぐらいはしておくべきだ」という声に押され、経産省と文科省が今年度予算に総額計約6億円の研究開発費を初めて計上した。一見前進に見える。

 3月14日の原子力委。文科省の生川浩史(いくかわひろし)・原子力課長は予算説明の中で「(安倍政権からエネルギー政策について)見直しだという指示もある。(実際に執行するかどうかは)経産省と相談する」と変更の可能性を示唆した。(肩書は当時)

    ◇

 使用済み核燃料を再利用する核燃サイクル。資源に乏しい日本が60年代後半から具体化させたが、半世紀を経ても完成のめどさえ立たない。にもかかわらず、なぜ路線変更されないのか。第2部は政策を巧妙に誘導する実態に迫る。=つづく<次回は2面に掲載>

    ◇

 この連載は太田誠一、小林直、高島博之、小倉祥徳、松谷譲二が担当します。

福島の原発爆発事故でパンドラの箱が開いた。これまでは隠ぺいされ、メディアも踏み入れなかった問題が 注目され、限られた範囲だと思うが報道されるようになった。しかし、原発問題は解決する前にさまざまなトラップ(罠)が 仕掛けれれていることに驚かされる。簡単に稼働を止めて廃炉処理が行えないトラップ(罠)のためだ。廃炉コストと 核廃棄物処理の問題は簡単に解決できない。

【情報漏えい】 原子力規制庁に真相究明の意欲なし 02/5/13 (田中龍作ジャーナル )

 「当事者意識がない」とは、こういう組織のことを言うのだろう。活断層をめぐる評価報告書案を原子力規制庁の審議官が日本原電に手渡していた問題で、同庁はきょう午前、日本原電から1時間にわたってヒアリングを行った。

 午後記者会見が開かれ、記者団から「ヒアリングの内容」について質問されたが、規制庁の森本次長は「把握していない」と答えるのだった(知っているがマスコミには言えないこともある)。

 1月22日、名雪哲夫審議官(1日付けで更迭)が資料を手渡した際、日本原電側のメンバーは市村泰規常務と「お付き2人」の計3人だった。しかしきょうヒアリングしたのは「お付き2人」だ。

 電力会社との力関係からして規制庁は常務を呼びつけることができなかったのだろう。筆者は「規制庁の方が地位が低く甘く見られていることになりはしないか?」と質問した。

 森本次長は「そんなことはない」と否定したが、強がりにしか聞こえなかった。

 名雪元審議官は日本原電側と12月から8回も会っているのだが、規制庁の面談記録の欄に公表されているのは1月22日の「一回こっきり」だ。残りの7回はどうしたのだろうか?

 森本次長は「(規制庁の)内規では儀礼の範囲であるため記録に残らない」とする趣旨の説明をした。

 この日の午前、野党議員や環境団体が参院会館に規制庁総務課の金指壽(かなさし・ひさし)課長補佐を呼んで追及した―

 「会ったのは(報道されているように)8回だけか?」「日本原電側から資料提供を強く要求したのか?」…といった質問に金指課長補佐も「儀礼の範囲なので記録に残らない」を繰り返した。壊れた蓄音機(CDプレーヤー)のように。

 名雪元審議官が手渡した評価報告書案は、日本原電の原子力発電所「敦賀」の下にある地層について議論した内容が書かれている。草案なので電力会社は政治工作でいくらでも都合のいいように書き換えることができる。

 原子力規制委員会は「活断層」であるとの判断を固めており、日本原電はこれをひっくり返したかったのだろう。草案はノドから手が出るほど欲しかったはずだ。このために日本原電は名雪審議官(当時)と8回も面会したのである。

 「儀礼は隠れ蓑に使われているのではないか?」筆者は質問した。

 森本次長は「再発防止策をどうするか、検討中」とかわした。この日の記者会見で次長は「再発防止」を耳にタコができるほど連呼した。

 前出の金指課長補佐は肝心要の名雪審議官と日本原電側のやりとりについて詳細を尋ねても「記録に残っていないので把握できていない」とする趣旨の答えを繰り返した。

 事実を明らかにしようという意欲は、規制庁からは全く伝わってこない。真相究明なくして再発防止ができるのだろうか。「福島の事故の教訓」は規制庁にはないようだ。

前審議官資料漏洩で内規改正 原子力規制委 02/6/13 (産経新聞)

 原子力規制委員会の事務局である原子力規制庁の名雪哲夫前審議官(54)が日本原子力発電に対し敦賀原発(福井県)の断層評価報告書案を公表前に渡した漏(ろう)洩(えい)問題で、規制委は6日の定例会合で、再発防止策として事業者との面談のルールを定めた内規の改正を決めた。

 内規は職員が単独で電力会社などと面談することを禁じているが、名刺交換などを想定した「儀礼上のあいさつ」は対象外で、面談しても公表していなかった。

 名雪氏は単独での面談で原電幹部に報告書案を漏洩。規制庁はあいさつを5分以内に限定する改正案を示したが、委員から「例外なく対応すべきだ」との指摘があり、あいさつも2人以上の同席を必要とした。面談記録はすべて公表する。

 名雪氏は昨年12月以降、原電幹部らと8回面会。1月22日、庁内の執務室で原電幹部に報告書案を公表前に渡し、今月1日に更迭された。

規制庁元審議官と原電の面会、5回ではなく8回 02/04/13 (読売新聞)

 原子力規制庁の名雪哲夫元審議官(1日付で更迭)が、日本原子力発電の敦賀原発断層調査に関する報告書案を公表前に同社に渡していた問題で、原電は4日、計5回としていた昨年12月以降の元審議官と個別に面会していた回数を8回に訂正した。

 規制庁の内規では、事業者との癒着を防ぐため個別面会を制限しているが、大半が内規に違反していた可能性が高い。

 原電によると、新たに判明した面会は、昨年12月3、11、14日の3回。3日は、原子力規制委員会が敦賀原発の現地調査を終えた翌日で、面会理由について原電は「『調査ご苦労さまでした』と慰労の意味であいさつにいった」と説明した。

 11日は、規制委の評価会合で原発敷地内の断層を「活断層の可能性が高い」と結論付けた翌日。原電はこの日、規制委の判断を不服として公開質問状を提出していたが、原電は提出後に元審議官の個室を訪れ「質問状の内容を再確認してもらった」という。14日は、質問状の扱いや評価会合に基づく報告書案の作成スケジュール確認のためだったとした。

原子力規制庁審議官が日本原電へ資料漏洩、更迭 敦賀原発断層調査めぐり 02/1/13 (産経新聞)

 原子力規制委員会事務局の原子力規制庁は1日、日本原子力発電敦賀原発(福井県)の活断層調査をめぐり、公表前に原電側へ評価報告書案を渡したとして、同庁の名雪哲夫審議官(54)を同日付で訓告処分にし更迭、出身官庁の文部科学省に出向させたと発表した。規制委は東京電力福島第1原発事故で規制当局が事業者を監督できなかった反省から独立性と透明性をうたって発足。事業者への便宜が明るみに出るのは組織発足後初めて。

 規制庁と原電の説明によると、原電は昨年12月21日に「評価会合で反論するため事前に報告書案の内容を教えてほしい」と依頼。名雪氏は「委員の了解が必要」といったんは留保。しかし1月22日、執務室を訪問した原電常務ら3人に、同28日に公表される予定の敦賀原発活断層調査の報告書案を渡したという。

 会見した規制庁の森本英香次長は、文書は公開で議論されたものをまとめたものであり、国家公務員法の守秘義務違反にはあたらないとの認識を示した。金銭や物品などの授受はなかったとしている。同23日に本人が申し出て発覚。1人で事業者と面会するのは内規違反という。

 1月28日の評価会合では敦賀原発敷地内の断層を活断層と認定。原電は反論する見解を表明した。

 名雪審議官は旧科学技術庁の原子力局に勤務した経験がある。昨年9月の規制庁発足時から、地震・津波担当として各原発の活断層調査や基準作りに携わっていた。

nayuki2013 文科省出身の原子力規制庁審議官が 敦賀原発活断層報告書案を日本原電に漏えい 訓告処分(各紙) 癒着の継続 甘い処分 02/1/13 (産経新聞)

各紙の報道によると、原子力規制庁は1日、同庁の名雪哲夫審議官(54)が、日本原子力発電の敦賀原発(福井県)の断層調査報告書案を、原子力規制委員会調査団の評価会合前に、日本原電側に秘かに渡していたことを明らかにした。同庁は名雪審議官を訓告処分とした。

名雪審議官は原子力規制庁のナンバー3当たる人物で、先月22日、訪ねてきた日本原電の常務に、翌週開かれる敦賀原発の活断層に関する評価会合で使用する内部資料を手渡した。名雪審議官は地震・津波の担当で、敦賀原発の敷地に活断層がある可能性が高いと評価されたことについて、原電側からの公開質問状を受け取ってた。

規制庁は名雪氏を更迭し、1日付けで、出身官庁の文部科学省に出向させた。規制委の田中俊一委員長は職員に「幹部のこのような行為は誠に遺憾だ」として、綱紀粛正の通達を出した。

規制庁は、東京電力福島第1原発事故で対応を批判された旧原子力規制組織を改編し、昨年9月に発足した。法律上、従来に比べて高い独立性と透明性を確保されたが、担当する役人は従来通りで、出資官庁と、業者に顔を向けたままたの行政姿勢が続いていることが裏付けられた形だ。

訓告で出身官庁に戻るというのは、当の役人にとって、何の痛痒もない処分といえる。

原子力規制庁 名雪哲夫審議官 内部資料を日本原電に供与 02/1/13 (現代の風景 Contemporary Scene)

 原発直下に活断層があるとわかった日本原電所有の敦賀原発。これを巡り現役の原子力規制庁ナンバー3に当たる担当審議官の名雪哲夫が、内部資料を原電側に渡していたことで訓告処分を受けて更迭された。

 訓告処分となったのは名雪哲夫審議官。名雪は1月22日、訪ねてきた日本原電の常務に、次の週に開かれる敦賀原発の活断層に関する評価会合で使用する内部資料を日本原電に非公式、秘密裏に手渡した。日本原電には東電の勝俣前会長が取締役に就任している。

 名雪は敦賀原発の地震・津波に関する担当で、敦賀原発の敷地に活断層がある可能性が高いと評価されたことについて、原電側からの公開質問状を受け取り、審査を担当する立場でもあった。つまり、「規制する側」が「規制される側」と内部で通じていたわけであり、最重要の規制担当官庁自らが規制、チェック、抑止になっていないと同じであった、極めて大きな問題。なぜ、これが「訓告」で処分が止まり、文部科学省への出向で終わるのかがさっぱりわからない。

 名雪哲夫は、原子力規制委員会の発足に合わせて、事務局として安全規制や危機管理の実務を担う原子力規制庁の初期メンバーとして、2012/9/20から本格的に業務を始めている。核燃料取扱主任者の資格を持ち、旧科学技術庁の原子力局に勤務していた。

 http://news.tv-asahi.co.jp/ann/news/web/html/230201058.html

 http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/130201/dst13020121170013-n1.htm

 原子力規制庁の森本英香次長=1日午後、東京都港区

 日本原電側に断層調査の報告書原案を渡していた件について記者会見し、

 「(今回、事件を起こした担当審議官である)名雪哲夫を内規に基づく訓告といたしました。また、同時に名雪氏を文科省に出向させる人事を発令いたしました。」

原子力規制庁審議官が日本原電へ資料漏洩、更迭 敦賀原発断層調査めぐり 2013.2.1

 原子力規制委員会事務局の原子力規制庁は1日、日本原子力発電敦賀原発(福井県)の活断層調査をめぐり、公表前に原電側へ評価報告書案を渡したとして、同庁の名雪哲夫審議官(54)を同日付で訓告処分にし更迭、出身官庁の文部科学省に出向させたと発表した。規制委は東京電力福島第1原発事故で規制当局が事業者を監督できなかった反省から独立性と透明性をうたって発足。事業者への便宜が明るみに出るのは組織発足後初めて。

 規制庁と原電の説明によると、原電は昨年12月21日に「評価会合で反論するため事前に報告書案の内容を教えてほしい」と依頼。名雪氏は「委員の了解が必要」といったんは留保。しかし1月22日、執務室を訪問した原電常務ら3人に、同28日に公表される予定の敦賀原発活断層調査の報告書案を渡したという。

 会見した規制庁の森本英香次長は、文書は公開で議論されたものをまとめたものであり、国家公務員法の守秘義務違反にはあたらないとの認識を示した。金銭や物品などの授受はなかったとしている。同23日に本人が申し出て発覚。1人で事業者と面会するのは内規違反という。

 1月28日の評価会合では敦賀原発敷地内の断層を活断層と認定。原電は反論する見解を表明した。

 名雪審議官は旧科学技術庁の原子力局に勤務した経験がある。昨年9月の規制庁発足時から、地震・津波担当として各原発の活断層調査や基準作りに携わっていた。

原子力規制委幹部、報告書案漏らす 断層巡り日本原電に
http://www.asahi.com/national/update/0201/TKY201302010288.html

 【西川迅】日本原子力発電敦賀原発(福井県)直下の断層問題をめぐり、原子力規制委員会は1日、担当の名雪(なゆき)哲夫・原子力規制庁審議官(54)が事前に専門家会合の報告書案を原電役員に手渡し、漏出させていたと発表した。同日付で内規で最も重い訓告処分とし、更迭した上で出身元の文部科学省へ異動させた。

 規制委によると、名雪審議官は1月22日午後3時ごろ、規制委庁舎内で原電の市村泰規常務ら3人と30分ほど面会し、その場で報告書案を手渡した。提供が原電側の要請か自発的かについて、規制委は「詳細は承知していない」としている。

 面会は原電側からの申し込みで、名雪審議官が1人で対応した。電力会社側と面会する際、儀礼的なあいさつをのぞき、2人以上で対応するという規制委の内規に違反した。

敦賀原発直下「活断層の可能性高い」 廃炉なら家計に負担も 01/29/13(フジテレビ系(FNN) )

原子力規制委員会の有識者会合は、福井県にある敦賀原発2号機の真下を通る断層について、活断層の可能性が高いとする報告書案をまとめた。
廃炉を迫られる可能性のある中、その場合の巨額コストは、全国の消費者に波及することになるとみられる。
名古屋大学の鈴木康弘教授は、「活断層の可能性が非常に高いということに」と語った。
千葉大学の宮内崇裕教授は、「これだけ、いろんな状況証拠がそろってきて、可能性が否定できないっていう、少し回りくどいような」と話した。
原子力規制委員会の有識者会合は、福井県敦賀原発2号機の真下を走る断層について、「活断層の可能性が高い」とする報告書案をまとめた。
敦賀原発の敷地内には、活断層の浦底(うらそこ)断層がある。
そこから枝分かれするように延びるD-1破砕帯について、有識者会合は「浦底断層と連動し、直上の重要な施設に影響を与えるおそれがある」と指摘。
名古屋大学の鈴木康弘教授は、「浦底断層との連動ということを必ずしも前提にしなくとも、この結論は変わらない」と語った。
2012年12月に行われた現地調査で、破砕帯の延長部分を調べた結果、新しい年代に動いた地層にずれが見られた。
このため有識者会合は、破砕帯の下を走るD-1破砕帯について、「活断層の可能性が高い」と結論づけた。
現在の指針では、活断層の真上に原子炉建屋を建てることを認めておらず、規制委員会の田中委員長も、安全審査はしない方針を示していることから、敦賀原発2号機は、事実上の廃炉になる可能性がある。
委員長代理を務める島崎邦彦氏は、「4人だけで見ていると、何かひょっとしたら、どこか気がつかない穴みたいなものがあるかもしれないということも、やはりありますので、ほかの方に見ていただくということは、役に立つのではないか」と語った。
追加調査で、活断層を否定する客観的なデータが出れば、見直すこともあり得るとした。
敦賀原発を運営する日本原子力発電は、「ちょっと、われわれと論点が違っているところがありますので、さらにそれを精査させていただいて、また議論させていただければなと思ってございます」と話した。
有識者会合の指摘は科学的根拠がないと、追加調査をしている日本原電は、2月末にも結果を規制委員会に報告することにしている。
今後、2号機が廃炉になった場合、その影響はほかの電力会社にも及ぶと、一橋大学の橘川武郎教授は話す。
一橋大学大学院経済学博士の橘川武郎教授は、「日本原子力発電の株の28%を、東京電力が持っています。19%を関西電力が持っています。15%を中部電力が持っています。13%を北陸電力が持っています。今言った順番に、それぞれの会社の経営にも打撃が来ると、こういう影響があります」と話した。
敦賀原発の電気が販売されているのは、関西電力、中部電力、北陸電力の3社だが、敦賀原発を運営する日本原電に出資を行っているのは、東京電力、関西電力を含む、電力会社9社など。
敦賀原発2号機が廃炉になった場合、各電力会社に新たな費用が生じる懸念もあり、最終的には、消費者に負担が跳ね返ってくる可能性もある。
橘川教授は、敦賀原発2号機が廃炉になった場合でも、日本原電が存続するシナリオは3つあると指摘する。
一橋大学大学院経済学博士の橘川武郎教授は、「1つは、原電が廃炉の専門会社になるということです。もう少し大きく考えますと、今、日本の原発、止まっている中で、特に大きな問題を抱えているのが、東京電力の柏崎刈羽、それから東海沖地震との関係で浜岡。日本原電に沸騰水型の運営を集める会社にすると。そういうような生き方も、2つ目の道としてはあるかもしれません。3つ目はですね、3号機、4号機を増設するという考え方もあると思います。いずれにしても、相当時間がかかるんですね。それまでもつかどうかっていう問題があると思います」と話した。
再稼働に向けて、さらなる厳しい安全基準も検討している原子力規制委員会。
29日に話し合われる、原発の再稼働の前提となる新しい基準では、活断層の定義を、これまでの過去12万から13万年前以降の活動から、過去40万年前以降にまで拡大することも検討。
今後、柏崎刈羽原発の敷地内の断層も、活断層と判定される可能性が出てきた。

原発は安心とか、安全とか政府は言っているが、結局、行き当たりばったりだ。それとも行き当たりばったりで、業界との癒着体質で 制度が出来上がったと言うことなのか??多くの人が信用していなかったが、「原子力規制委員会」と名前が変わっても安心や安全が 向上したわけではないと言う事だ!

廃炉 法的規定なし 運転停止 電力会社への「要請」 12/11/12(東京新聞)

 国は活断層の上に原発を建てることを認めていない。しかし、完成後の原発で活断層が見つかったとき、どう扱うのか法的な決まりはない。原子力規制委員会は運転を禁じることも廃炉も、強制はできず、電力会社への要請という行政指導で対応することになる。

 活断層についての規定は、原発の耐震設計審査指針の手引に書かれている。「活断層の直上に耐震上重要な建物を設置することは想定していない」とあり、活断層上の建設を禁止する趣旨と解釈されている。

 規制委の田中俊一委員長が、日本原子力発電敦賀原発(福井県)を、安全審査の対象から外し、再稼働させない考えを示したのも、こうした規定を根拠にしている。

 ただ、規制委の事務局を務める原子力規制庁によると、規定は建設前の状況を想定したもので、完成後に活断層が見つかった場合のことは想定していないという。

 定期検査にしても、現在は行政指導で止めているが、法的には申請されれば検査をし、一定の性能を満たせばパスさせることになっている。

 規制委が原子炉等規制法に基づく運転停止の強制力を持つのは、来年七月になってからのことだ。

 廃炉に関しては、今後も規制委は命令できず、あくまで電力会社の判断となる。田中氏は「経済的な理由から廃炉せざるを得なくなるのでは」と話すが、不確定要素が多い。

利害関係や政治的圧力により事実が歪められたり、隠蔽されることがある。米軍機の事故で放射性物質がスペイン南部の村を汚染した66年1月の「パロマレス事故」 が今頃記事になっている。

「パロマレスでは、住民のがん発生率が高いとの報道もある。現場周辺では『風評被害で特産物のトマトやスイカが売れなくなる。何十年たっても事故の話はしたくない』(70代女性)と いった反応も少なくない。」
風評被害を恐れているのか、調査によって事実が公表されることによる被害を恐れているのか?現場周辺の農家にとっては事実でも事実でなくても、 農作物が売れなくなるのを恐れているだけだろう。何も知らずにお金まで払って農産物を食べている消費者は詐欺にあった被害者であろう。

スペイン:汚染土壌、核配備優先し隠蔽…米軍機の水爆落下 11/13/12(毎日新聞)

 米軍機の事故で放射性物質がスペイン南部の村を汚染した66年1月の「パロマレス事故」で、汚染土壌から有害なアメリシウムが検出されたことが判明した。半世紀近く後の今も汚染土壌が放置される背景には、東西冷戦という当時の国際情勢の下で、欧州への核兵器配備の支障となることを懸念した米・スペイン両国政府が事態収拾を急いだことがある。放射能漏れの事実を1カ月以上も隠蔽(いんぺい)するなど徹底した情報統制も繰り広げていた。【パロマレス(スペイン南部)篠田航一】

 米国は60年代、ソ連のミサイル先制攻撃を恐れ、核兵器を積んだ戦略爆撃機を欧州で24時間態勢で飛行させていた。パロマレス事故はその過程で発生した。2年後の68年にも米軍はグリーンランド(デンマーク領)で同様の水爆落下事故を起こし、放射性物質を飛散させている。核兵器の紛失や関連事故は米軍内部で「ブロークンアロー(折れた矢)」と呼ばれ、50〜80年代に少なくとも32件発生したことが後に判明している。

 事故現場の大半は米本土の空軍基地周辺や海上だったが、パロマレス事故は欧州本土で起きた「冷戦期の一大事件」(パロマレス村を管轄するクエバス・デル・アルマンソーラ市のカイセド市長)だった。

 当時のスペインの親米フランコ独裁政権は反共を掲げ、核を積んだ米潜水艦の寄港を事実上黙認したとされる。両政府の政治的思惑により事故の情報開示は遅れ、除染も不十分なまま幕引きが図られた。

 90年代からマドリード・コンプルテンセ大学のモレノ教授が情報公開請求などを通じて当時の状況を調査。米エネルギー省の報告書(66年2月)によると、水爆の捜索は当初「飛行機の残骸と機密材料の回収」とされていた。また、75年の国防総省報告書によると、事故後の1月下旬に米海軍は情報公開を訴えたが、同省が拒否。3月2日にようやく「土壌と草木に少量の放射性物質がある」と認め、一部土壌を撤去したという。

 パロマレスでは、住民のがん発生率が高いとの報道もある。現場周辺では「風評被害で特産物のトマトやスイカが売れなくなる。何十年たっても事故の話はしたくない」(70代女性)といった反応も少なくない。

 土砂撤去にはスペイン政府が米国に協力を要請している。クリントン米国務長官は昨年7月、「深刻に受け止めている」と述べたが、具体策には言及しておらず進展はない。

スペイン:66年米軍機事故で水爆落下、土壌放置進む汚染 (1/2) (2/2) 11/13/12(毎日新聞)

 【パロマレス(スペイン南部)篠田航一】東西冷戦期の1966年1月、スペインのパロマレスで米軍機が搭載していた核兵器の水素爆弾4個が落下し放射性物質プルトニウムが漏れ出した「パロマレス事故」で、当時撤去の対象とされず現場に放置されていた土壌5万立方メートルから、プルトニウムが変化し、同程度に有毒性の高いアメリシウム241が検出されたことがスペイン科学省の調査で分かった。土壌撤去には特殊な技術が必要なためスペインが米国に協力を要請しているが、米側は応じていない。米西間の外交問題に発展している。

 事故は米軍爆撃機B52と米空中給油機が空中で衝突し、水素爆弾4個のうち3個が陸地に落下。2個からプルトニウムが流出した。1個は海中から引き揚げられた。両機の乗員7人が死亡。住民に死傷者はなかった。

 事故後、現場周辺では1平方メートル当たり最高120キロベクレルのプルトニウムを検出。墜落現場はその10倍に達した。現場周辺の放射線量は86年の旧ソ連・チェルノブイリ事故で移住対象とされた数値に匹敵。米軍は当時、汚染土砂1300立方メートルを撤去した。

 しかし、最近になって同省が現場周辺で詳しい調査を実施したところ、「土地使用制限基準値の1グラム当たり1ベクレルを超す高レベルのアメリシウムを含む土壌が5万立方メートル残る」(同省エネルギー環境技術センター)ことが分かったという。

 アメリシウム241は半減期が432年と長く、人体に有害な放射線アルファ線を放出する。現場周辺は立ち入り禁止となり、一部住民からは被ばく反応が出たとの報道もあるが、センターは「事故との因果関係を証明できる事例はない」としている。

 マドリード・コンプルテンセ大学のラファエル・モレノ・イスキエルド教授(50)が情報公開請求で入手した米国防総省報告書(75年)によると、米スペイン両政府は当時、欧州への核兵器配備を重視。一部地域の「除染を断念する」ことで合意していた。

 ◇アメリシウムとは

 プルトニウムが変化してできる有毒性の高い放射性物質。使用済み核燃料などに含まれる。自然界には元来存在しないとされ、核実験場や原発事故現場の周辺で検出されている。プルトニウムとウランの混合燃料を使う福井県敦賀市の高速増殖原型炉「もんじゅ」でも運転停止期間中に燃料の一部がアメリシウムに変化したことが確認された。1940年代、原爆製造に携わった米物理学者シーボーグ博士らが発見した。

秘密会議:原子力委員長が主導 依存度「コントロール」 (1/3) (2/3) (3/3) 08/25/12(毎日新聞)

 内閣府原子力委員会が原発推進側だけを集め「勉強会」と称する秘密会議を開いていた問題で、近藤駿介原子力委員長が有識者会議「新大綱策定会議」を巡り昨年12月8日、原発依存度について「最後はコントロールできる」と自ら原発維持の方向で取りまとめる方針を明らかにしていたことが分かった。毎日新聞の情報公開請求に対し、経済産業省資源エネルギー庁が24日開示した職員作成の議事メモに記載されていた。近藤委員長の発言内容が明らかになったのは初めて。

 秘密会議は昨年11月~今年4月、計23回開かれ、近藤委員長は1回目から連続4回出席したことが判明している。近藤委員長はこれまで秘密会議への出席を認める一方「あいさつしただけ」とし監督責任にとどまるとの見解を示していた。議事メモによると、策定会議や核燃サイクル政策を議論する有識者会議(小委員会)の議題も指示しており、秘密会議を主導していた実態が判明した。

 エネ庁が公開したのは7回分計58ページの議事メモ。このうち昨年12月8日分に近藤委員長の発言があり、将来の原発依存度を話し合った策定会議について「円滑に議論は進まないかもしれないが、いざとなれば(原子力)委員会が引き取る。(議論がまとまらず、依存度ゼロかどうか)両論併記としても最後の打ち出し方はコントロールできる」としていた。当時、原子力委は策定会議の議論をベースに原子力政策全般を定めた「新大綱」を作成する方針で、「最後の打ち出し」は新大綱を指し、原発維持で結論づける姿勢を示した。

 同日分のメモによると、近藤委員長は「論点ペーパーをまとめてみたので、これをベースに大綱(策定)会議で議論してもらったらどうか」「(高速増殖原型炉)もんじゅについて(次の)小委員会で検討したらどうか」などと指示していた。

 エネ庁、文部科学省、電力事業者らで開いていた秘密会議は5月24日、毎日新聞の報道で発覚。策定会議メンバーから批判が噴出し、同会議は5月29日を最後に開かれていない。原子力委はメンバー入れ替え後の再開を予定しているが人選が進んでおらず、新大綱作りはストップしたまま。近藤委員長は24日、取材に対し「(議事メモの発言は)自分にとってはあいさつの世界。委員長としての決意を語っただけ。(新大綱は)最後は私の責任でやる」と話した。【核燃サイクル取材班】

核燃サイクル:秘密会議問題 メール削除 司会役、隠滅の疑い 07/27/12(毎日新聞)

 内閣府原子力委員会が原発推進側だけで「勉強会」と称する秘密会議を開いていた問題で、司会役だった内閣府原子力政策担当室の職員(当時)が、パソコンから大半の関連メールを削除していたことが関係者の話で分かった。内閣府が設置した検証チームなどが2回にわたり関連資料の提出を要請した後に実行しており、意図的な隠滅の疑いがある。事態を重視した検証チームは、内閣府のサーバーからメールを復元する作業に乗り出した。

 この元職員は山口嘉温(よしはる)・上席政策調査員(当時)。秘密会議問題発覚後の事務局(原子力政策担当室)態勢見直しに伴い、6月末に内閣府を退職して7月1日付で出向元の「日本原子力発電」に戻った。

 最初に資料提出を求めたのは、原子力政策担当室の中村雅人参事官。6月上旬、同室職員に対し、自主的にパソコンを調べ関連するメールを発見次第提出するよう指示した。

 2回目は後藤斎(ひとし)・副内閣相をトップとする検証チームが要請。6月14日、秘密会議に出席していた近藤駿介・原子力委員長や原子力委員4人▽原子力政策担当室▽経済産業省・資源エネルギー庁▽文部科学省▽電力会社の各職員らにメールを含む全関連資料の提出を求め、秘密会議の実態解明を進めている。

 関係者によると、このうち原子力政策担当室は職員が保存していた関連メール約1000本を印刷し、ファイル約10冊にとじ込んで検証チームに提出した。秘密会議で中核的な役割を果たしていた山口氏が、秘密会議出席者との間でやり取りしたメールがほとんど含まれていなかったため、検証チームがヒアリングで追及したところ、山口氏は「消去した」と答えた。検証チームは業者に依頼し24時間態勢でメールの復元作業を進めている。

口先だけの「今回の事故を防ぐことができず、今なお多くの方々に避難などの大変な苦痛を与えてしまっている。改めておわび申しあげる」との 謝罪なんか必要ない。

今回の事故はこれまでの対応に問題があったから起こった。「安全対策、防災対策の改善と原因究明」と言っても多くの国民は信用していないよ。 公務員だから未だに給料をもらえているんだよ。東電に税金を投入して社員達も給料がもらえているから、例外もあるけど。

命や健康に関わることだから多くの国民はそんなに今回の事故を忘れないと思うよ。謝罪で済むと思っているのか??

「事故防げず、改めておわび」保安院長が会見で 07/18/12(毎日新聞)

 政府事故調の最終報告書の公表を受け、経済産業省原子力安全・保安院の深野弘行院長は23日に記者会見し、「今回の事故を防ぐことができず、今なお多くの方々に避難などの大変な苦痛を与えてしまっている。改めておわび申しあげる」と、謝罪した。

 事故調は報告書で、保安院を「事故の未然防止のための取り組みや事故後の対応において役割を十分に果たしてきたとは言い難い」と指弾。深野院長は「保安院として大変重く受け止めなければならない」と述べた。

 そのうえで「安全対策、防災対策の改善と原因究明のための取り組みも継続する必要がある」と語り、保安院として9月に発足予定の原子力規制委員会に引き継ぐ方針を示した。

保安院:志賀原発の活断層濃厚…専門家会合、国の審査批判 07/18/12(毎日新聞)

 この日の会合には、耐震や断層などの専門家16人が出席。この中で北陸電は「(波などによる)浸食作用ででき、活動性に問題となるものはない」と従来の主張を繰り返した。これに対し、発言した数人の専門家の大半が、掘削調査の図面などをもとに「活断層の典型」と12万〜13万年前以降に動いた活断層の可能性が高いとの認識を示し、現地調査を求めた。また、北陸電の調査結果を追認してきた国の審査を批判する声も出た。

 北陸電は志賀1、2号機の再稼働の前提となる安全評価(ストレステスト)1次評価を既に提出。2号機では保安院による審査が最終段階だが、追加調査は数カ月かかるとみられ、再稼働が遅れる可能性が出てきた。

 一方、3号機が再稼働した大飯原発については、関電が新たに破砕帯を断片的にとらえた写真を提出して説明した。しかし、専門家は「全体像が分からない」と関電の対応を問題視。「これ以上、説得力のある資料は期待できない。(活断層かどうか)判断するための調査が必要だ」などと現地調査を求めた。

クローズアップ2012:国会事故調報告書 規制当局、事業者の虜 監督機能崩壊、根底に(その1) 07/06/12(東京朝刊 毎日新聞)

 東京電力福島第1原発事故を「人災」と断罪した国会事故調査委員会の報告書。経済産業省原子力安全・保安院などの規制当局と東電の立場が逆転し、監督機能が崩壊したことが事故の根本にあると指摘した。事故を回避するさまざまなチャンスを生かせなかった関係者の姿勢が問われている。

 ◇過酷事故対策先送り

 「規制当局は電気事業者の虜(とりこ)」。国会事故調は、コスト増や反原発訴訟への懸念から津波や過酷事故への対策を怠ってきた東電と、それを許容してきた保安院や内閣府原子力安全委員会の責任を指摘した。

 各委員も6カ月間の調査を振り返り、感想を語った。横山禎徳委員は「(重大事故はチェルノブイリ事故やスリーマイル島事故の)過去2回起きているが、原子力業界はその教訓を生かしてこなかった。これはプライドなき傲慢だ」と指摘し、さらに「事故から1年4カ月たつが、その反省はいまだ出てきていない」と批判した。石橋克彦委員も「全国の原発についても、このような問題がないか検証していく必要があることを示唆する報告書だ」と話した。

 報告書によると、東電は06年に改定された原発の耐震基準に基づく安全性評価を先送りしたほか、同年の保安院との勉強会で想定以上の津波に襲われた場合、全電源を失う可能性が高いことを認識していながら、対策を取らなかった。

「議論の経緯を示す内部文書を公表せず、国会事故調査委員会の請求で初めて明らかになったことには『担当者が公開を失念していたためだが、隠(いん)蔽(ぺい)といわれても仕方がない』 と話した。」

いい訳だろうが、「原子力安全委員会の作業部会が平成4年、原発の過酷事故につながる長時間の全電源喪失の対策が不要な理由を電力会社に『作文』するよう指示し、安全設計審査指針の改定を見送った問題」 で誰が出席して、誰が賛成したのか、また、誰が指示したのか公表しろ!

不都合なことはお金と圧力で捻じ曲げる!日本原子力研究開発機構の高速増殖原型炉「もんじゅ」(福井県敦賀市)の安全性を調べるために設置された専門家委員会の委員7人のうち3人へ計1610万円が 寄付されたことも布石の1つであろう。原子力安全委員会が機能していない現状で安全を保障など出来るはずがない!

「不適切」安全委員長が陳謝 電力業界への作文指示で 06/05/12(産経新聞)

 原子力安全委員会の作業部会が平成4年、原発の過酷事故につながる長時間の全電源喪失の対策が不要な理由を電力会社に「作文」するよう指示し、安全設計審査指針の改定を見送った問題で、班目(まだらめ)春樹安全委員長は4日、記者会見し「電力会社に文章を作らせるなど明らかに不適切だ。深くおわび申し上げる」と事実関係を認め陳謝した。

 部会は非公開で行われ、長時間の全電源喪失対策を不要としている指針の見直しに反発する業界側の意向に沿った報告書を作成した。班目氏は「指針を見直す場があったのに、改定しなくていい理由作りばかりやっていた。非公開だったことも不適切」と述べた。

 議論の経緯を示す内部文書を公表せず、国会事故調査委員会の請求で初めて明らかになったことには「担当者が公開を失念していたためだが、隠(いん)蔽(ぺい)といわれても仕方がない」と話した。

国の原子力安全委員会が業界の意向反映し、問題や被害が起これば、国税を投入して、電気料金値上げで更なる負担を押し付ける。 これで電力会社の社員達は本当の意味で責任を取らない。発送電分離は絶対に必要!国が部分的に業界に操作されている!

「原発全電源喪失の対策不要」 安全委、業界の意向反映 06/05/12(朝日新聞)

 国の原子力安全委員会の作業部会が1993年に原発の長時間の全電源喪失についての対策は不要と結論づけたのは、電力会社の意向が反映された結果だったことが4日、安全委の公表した資料でわかった。安全委事務局は対策が不要な理由を示す文書を電力会社に作るよう指示。作業部会は電力会社の意向に沿う報告書をまとめたため、指針は改定されなかった。

 東京電力福島第一原発は津波に襲われてすべての交流電源が失われ、原子炉の冷却ができなくなり事故を起こした。当時、対策をとっていれば事故を防げた可能性がある。

 作業部会は91年につくられ、専門家5人のほか部外協力者として東京電力や関西電力の社員が参加していた。安全委事務局によると、作業部会は当時対策を検討していたが、電力会社が「全交流電源喪失によるリスクは相当低く、設計指針への反映は行き過ぎだ」と反発したという。

福井県の西川一誠知事は原発を使用し続けると使用済み燃料すると訴えている。原発を稼動を最小限にしたほうが良いとも解釈できる。

政府は太陽光発電が効率が良くなくとも効率な比較的に良い住宅に普及できるように迅速に対応するべきだ。原発は安全であるかの問題を 議論することも必要だが、触れてこなかった使用済み燃料問題が存在する。「痛み分担を」と言うのであれば、やはり原発稼動を出来るだけ 縮小することを最優先にするべきだ。

福井知事:中間貯蔵施設、関西に…「痛み分担を」 04/14/12(毎日新聞)

 福井県の西川一誠知事は14日、枝野幸男経済産業相との会談後の記者会見で、原発の使用済み燃料について「今後、福井県だけでは対応するわけにはいかないものもある。電力を消費してきた地域にも、痛みを分かち合う分担をお願いしないといけないと思う」と述べ、県内だけでなく関西に中間貯蔵施設を造る必要性があるとの認識を示した。

 使用済み燃料は現在、原発の一時貯蔵プールに置かれている。関西電力の場合、原発11基のプールの燃料貯蔵容量は9703体(4420トン)で、既に7割程度が埋まっている。今後も関電だけで処理すると約7年でプールはいっぱいになる計算で、再稼働が実現しても使用済み燃料の処理が課題となる。【安藤大介】

福井県原子力委員に1490万円 電力側、5人に寄付 03/25/12 (朝日新聞)

 全国最多の原発14基を抱える福井県から依頼され、原発の安全性を審議する福井県原子力安全専門委員会の委員12人のうち、4人が2006~10年度に関西電力の関連団体から計790万円、1人が電力会社と原発メーカーから計700万円の寄付を受けていた。朝日新聞の調べでわかった。

 政府は近く、停止中の原発の中で手続きがもっとも進む関電大飯原発(福井県おおい町)3、4号機の再稼働について福井県に同意を求め、県は県原子力委に助言を求める見通しだが、5人の委員が関電など審議対象と利害関係にあることになる。5人はいずれも寄付の影響を否定している。

 委員らの所属大学に情報公開請求し、大学を通じて研究助成名目で寄せられた5年分の寄付が開示され、委員にも取材した。

規制先から報酬 保安院関連の12委員 02/10/12 (朝日新聞)

 経済産業省原子力安全・保安院は9日、保安院の審議会などの委員の中に、規制を受ける企業や組織からお金を受け取って活動し、公正性を疑われる可能性がある委員が12人いたと発表した。保安院は「活動内容と、審議する議題には関連が無いことを確認したので問題ない」としている。

 こうした例は「利益相反」と呼ばれる。現在、原子力安全に関わる審議会などに委員256人がいるが、過去3年間に原子力関連企業などの依頼で12人が無報酬で、12人が報酬を受けて講演や研究をした、と就任前に自己申告した。

 保安院は2009年、「中立性を確保するため」、自己申告制度をつくったが、申告をもとに就任を断った例はない。「問題ない」と判断した委員の詳しい情報も公表していない。

 内閣府原子力安全委員会の会議の委員についても利益相反が疑われる例が朝日新聞の調べで明らかになり、問題になっている。

土木工事で核爆弾使用、今も深刻なセシウム汚染 03/15/12 (読売新聞)

 【モスクワ=緒方賢一】ロシアの有力紙イズベスチヤは14日、1971年に地下核爆破が実施された同国中部イワノボ州で、今日もなお放射性物質セシウム137の汚染が深刻であることが判明したと報じた。

 汚染の実態は国営原子力企業ロスアトムが2011年、同州で大規模調査を行った結果、分かった。場所によっては土壌1キロ・グラム当たり、最悪で10万ベクレルのセシウム137が検出されたという。この値は日本でコメの作付け制限が発動される基準値(昨年時点)の20倍という高いものだ。同社は除染に乗り出すことを決めた。

 汚染地域はモスクワの北東約340キロ・メートル。当時、ソ連では資源探査や大規模な土木工事で、破壊力が大きい核爆弾を使用した。軍事的な核実験とは区別し、「平和的核爆発」と呼ばれた。

 イワノボ州の核爆破は「地質調査のため」で、地下約620メートルで実施された。だが、爆破の後、放射性物質を含む地下水が間欠泉のように噴き出し、地表を汚染した。その面積は「1ヘクタール未満」とされ、表土は除去されていた。

 その40年後の調査で汚染が確認された地域は住民の生活圏にも近く、最も近い村までは4キロ・メートルしか離れていない。

米国:ロス近郊で高濃度セシウム検出…核施設の跡地 03/09/12 (毎日新聞)

 1959年に実験用原子炉で燃料溶融事故を起こした米ロサンゼルス近郊の核施設「サンタスザーナ野外研究所」の跡地でこのほど、最高で米環境保護局(EPA)が基準とする濃度の1000倍近い土壌1キロ当たり約7300ベクレルの放射性セシウムが検出されたことが8日、分かった。

 汚染実態を調べているEPAがことし2月、周辺住民に示した中間結果を共同通信が入手。

 現場付近は事故後に除染作業をし、米政府は80年代、農地としての利用や居住も可能になったと表明。しかし、長年健康不安を訴えてきた周辺住民の強い要請で詳しい調査の実施が決まった。(共同)

参考情報:
8月12日 アメリカ・ロス:サンタスザーナ野外研究所跡地から放射性セシウム検出【除染に5年】 08/13/11 (ぼちぼちいこか。。。)

原発安全神話の源泉は軍事機密 (satolog)

原発5基、予測超す劣化…運転延長基準に影響も 02/12/12 (読売新聞)

 国内の商業用原発全54基のうち5基で、原子炉圧力容器の脆(もろ)さの指標となる「脆性遷移(ぜいせいせんい)温度(関連温度)」が、予測値を上回っていたことが読売新聞社の調査でわかった。

 炉が予測より早く脆くなっている可能性がある。予測値のズレは圧力容器の劣化の正確な把握が困難であることを意味するだけに、古い炉の運転延長に向けた国の基準作りなどに影響を与えそうだ。

 原発を持つ電力会社10社に関連温度などをアンケートで尋ね、取材で補足した。

 鋼鉄製の圧力容器は、原発の最重要機器だが、中性子を浴びて次第に脆くなる。関連温度が高いほど、衝撃に対する強度は低い。関連温度は対象に衝撃を与えて破壊する実験で推定するため、圧力容器本体での測定はできない。電力各社は容器と同じ材質の試験片を炉内に置き、数年~十数年おきに取り出し実験している。

「内部告発を4年半放置」するような保安院は信用及び信頼する組織ではない。原発の安全性を議論する前に、 保安院は100%信頼できない事を前提に議論するか、パフォーマンス的な改革や改善ではない厳しい改革が政治家や電機連合 の圧力を受けずに行えるのか国民に示す必要がある。

「保安院=専門家=信頼できる」ではなく「保安院≠専門家≠信頼できる」として理解したほうが良い。

保安院 内部告発を4年半放置 01/30/12 (NHK)

原子力に関する内部告発を受け付ける国の原子力安全・保安院が、愛媛県にある伊方原発で起きたケーブルが焼けたトラブルについて、四国電力が火災として国に報告しなかったなどとする告発を4年半にわたり放置していたことが分かりました。

原子力安全・保安院によりますと、平成4年、当時建設中だった四国電力・伊方原発3号機で、消火用ポンプのケーブルが焼けたトラブルについて、四国電力が火災として国への報告を怠ったとする内部告発を平成18年11月に受けたということです。この告発を外部の専門家でつくる審査委員会が調査した結果、「ケーブルは溶けた程度で、法律上も国への報告義務はなかった」としていました。その後告発者が4年半の間に数十回にわたって再調査するよう電話などで依頼していましたが、保安院は審査委員会に報告せずに放置していました。しかし、保安院が去年8月になって審査委員会に再調査を依頼した結果、審査委員会は、現場にいた企業関係者の記録などから、消火器を使っていて消防に通報する必要があったと結論づけました。そのうえで、保安院の対応について「再調査の依頼の扱いは委員会が決めるもので、報告すべきだった」と指摘しました。再調査の依頼を放置していたことについて保安院は「一度出た結論に影響を与える新たな事実がなかったので報告しなかった。反省しなければならない」としています。

参考情報:

内部告発者を東電に通報していた保安院 04/08/11 (金平茂紀の「茫界偏視(ぼうかいへんし)」)

 福島第一原子力発電所のトラブル隠しを内部告発した1通の手紙を、こともあろうに原子力安全・保安院は、東京電力に通報し、しかも事故隠しを2年間公表しないままに放置していた。一体、原子力安全・保安院という組織は、何のために、誰のためにあるのだろうか(あったのだろうか)。原子力安全・保安院は今回の原発事故の評価を国際レベルで当初から「レベル4」としていたが、しばらくたって「レベル5」に引き上げた。欧米の専門家はなぜ「レベル6」ではないのかと今に至るまでいぶかっている。佐藤栄佐久・前福島県知事にお会いしてインタビューしたのは、大震災から11日たった3月22日のことだったが、あれから2週間以上が過ぎて、再び佐藤さんを訪ねた。前回のインタビューでは尋ね切れないことがらが沢山あったからだ。そのひとつは、WikiLeaksではないが、原発内部で働く人々の中から少なくない数の内部告発が寄せられていたのが、それらがどのように処理されていったのか、という点についてだ。冒頭で触れた1通の手紙は、2000年7月に旧通産省に送られてきて、保安院に回付されたものだ。その手紙による告発は、保安院から何と東電に通報されていたのだという。内部告発はいわば命がけの行為だ。告発した人間の身元を保護するは内部告発制度を活かす最低限のルールなのだ。それが当時、それとはまったく逆のことが行われていた。当時を振り返りながら、佐藤さんは怒りをあらわにしていた。現時点で、電力会社や保安院、原子力安全委員会、経済産業省といった巨大組織内において、おそらく日本国民が知っておくべき情報がもし隠されているのだとしたら、潜在的な内部告発者が多く存在していることになる。今日(4月8日)になって初めて福島第一原発1号機の事故発生直後の冷却水の水位のデータが公表された。これもNHKがいち早く報じたことから何となく出てきたものだった。一体どうなっているのだろう。

 佐藤さんに尋ねたかったもう一つの点は、佐藤さんが2006年に東京地検特捜部に収賄容疑で逮捕されるきっかけとなった際の一部メディア記者たちの動きについてである。不可解かつ奇妙な動きが当時たくさん佐藤さんの周囲であった。そのひとつが事件化される1年以上も前に『AERA』(2005年1月31日号)に掲載された佐藤さんの「土地取引疑惑」なるものについての記事だ。このことについては、僕自身、今後、時間をかけて徹底的に調べて見ようと思っている。いくつかの内部告発も寄せられている。ちなみに同「事件」の贈賄側の取り調べにあたったのは、例の郵便不正事 件の証拠隠滅で逮捕・免職された前田恒彦検事である。

 腐敗は津波よりも早い速度で僕らを蝕む。

地震翌朝、原発敷地外に放射性物質 保安院公表遅れ 日本経済新聞  06/03/11 (原発問題備忘録)

http://www.nikkei.com/news/headline/article/g=96958A9C93819595E2E1E2E38A8DE2E1E2E4E0E2E3E39C9CEAE2E2E2

 経済産業省原子力安全・保安院は3日、東京電力福島第1原子力発電所が東日本大震災で停止した直後の大気中の放射性物質濃度などの未公表データを発表した。地震翌日の3月12日朝に、原発敷地外の福島県浪江町で放射性ヨウ素や放射性セシウムが検出されていた。データは原子炉の炉心が激しく損傷していることを示し、早期に公表していれば事故の実態把握や避難計画の検討に役立った可能性がある。

 保安院が公表したのは地震直後の3月11~15日に、政府の原子力災害現地対策本部と福島県が測定したデータ。15日に関係者が大熊町のオフサイトセンターから退避した際に持ち出したデータを5月28日に回収、内容を確かめたという。

 公表されたデータによると、3月12日午前8時30分過ぎに浪江町や大熊町で採取した空気から放射性ヨウ素や放射性セシウムが検出された。保安院は12日昼過ぎの記者会見で、原発の敷地内で放射性セシウムが検出されたと発表していたが、実際はその前に敷地外でも検出されていたことが初めて明らかになった。

 東電は1号機で、12日午前10時17分に格納容器内の圧力を下げるための弁の開放(ベント)を開始した。それ以前に炉心の損傷や溶融を示す放射性物質の検出データがあったことが公表されていれば、深刻度をより早い段階で把握する手がかりになったとみられる。

 避難地域の設定にあたっても、放射性物質が早くから検出されていた場所を重視するなど対策に生かせた可能性がある。

 東京電力は5月28日にも、事故直後の放射線量の大量の未公表データが見つかったと発表したばかり。保安院は情報を早く公開するよう東電に要請していた。

 事故発生から3カ月近くが経過してからの公表について、保安院の西山英彦審議官は「情報を整理して公表するという発想がなかった」と指摘した。

「地震翌朝、原発敷地外に放射性物質 保安院公表遅れ(日経新聞)」というが、ベント実施以前から原子炉はすでに壊れていた! 06/04/11(阿修羅)

社説:原発テスト 「結論ありき」と疑う 01/19/12 (毎日新聞)

 東京電力福島第1原発の重大事故の教訓を今後にどういかそうとしているのか。このところの政府のやり方には疑問が多い。

 経済産業省の原子力安全・保安院は関西電力が提出した大飯原発3、4号機の安全評価(ストレステスト)を「妥当」と評価した。再稼働の前提として定期検査中の原発を対象に行われる第1次評価である。

 この先、原子力安全委員会の確認や国際原子力機関(IAEA)の評価を受ける。さらに、首相と関係3閣僚が再稼働の是非を政治判断するが、まず技術的な安全性を閣僚が判断することの是非に議論がある。加えて、今回の評価結果を見る限り、技術的な安全評価も「結論ありき」に思える。

 保安院が妥当とした関電の評価によると、設計上の想定より1.8倍大きい地震の揺れや4倍大きい11.4メートルの津波に襲われても炉心損傷には至らない。全交流電源が喪失し熱の逃がし場がなくなった場合でも炉心は16日間、使用済み核燃料は10日間、損傷までに余裕があるという。

 しかし、評価の前提となっている設計上の想定は東日本大震災以前のものだ。震災で最大の揺れや津波の想定そのものが揺らいでいる。耐震指針や安全設計審査指針の見直しも行われている。もとの想定が信頼できるという保証はどこにもない。

 想定が甘ければ甘いほど大きな余裕があるように見える矛盾も内包している。それを思えば、1.8倍や4倍という数値に意味はない。そもそも、事故そのものの検証もまだ終わっていない。少なくとも事故の原因を踏まえ、国民が納得するリスク評価の指針を示すべきではないか。

 原発のリスク評価という点では寿命の法規制についても疑問がある。「運転40年を超えたら原則として廃炉」との方針を細野豪志原発事故担当相が発表したのが今月6日。それから2週間もたたないうちに、政府は「例外として60年運転が可能」とする方針を公表した。

 いったい、どちらに重きを置いているのか。本気でリスクの高い原発を減らしていくつもりがあるのか。原発政策への不信感を招くやり方だ。

 国民の信頼を得るという点では、大飯原発のストレステストの意見聴取会で市民を会場から閉め出した保安院のやり方にも問題があった。基本的には議論の場そのものを公開し、議事に大きな障害が出るような言動があった場合に個別に対応すればすむ話だ。市民団体が疑問視する委員の利益相反についても、きちんと説明するのが先決だ。

 原発の再稼働を最終的に判断するのは地元自治体だ。市民の信頼がなければ再稼働もありえない。

原発の安全対策が形だけの張りぼて。税金が安全の名の下に無駄な使われてきた一例だろう。SPEEDIも同じ。 安心と安全は全く違う。しかし騙すことで騙されたことはわかるまで安心は与えられる。日本政府は安心を強調するが、 安心は安全でなくても与えられる事を知っているのだろう。

福島第1原発:非常用電源外れ 東電が事故まで4カ月放置 01/19/12 (毎日新聞)

 東京電力は19日、福島第1原発で原子炉の状況を監視する国の装置の非常用電源が4カ月間外れ、昨年3月の同原発の事故まで放置されていたと発表した。事故後2時間ほど原発の状況を示すデータが送信できていなかったといい、事故の初期対応や放射性物質の拡散予測に影響した恐れがある。

 非常用電源が外れていたのは東電の「メディアコンバーター」(MC)という装置で、原発の状況を監視する国の「緊急時対策支援システム」(ERSS)にデータを送る。そのデータは、緊急時迅速放射能影響予測システム(SPEEDI)に送信、放射性物質の拡散予測に使われる。

 東電によると、事故前の10年11月、設備更新工事で、MCを非常用電源につなごうとしたが、ケーブルが短かったため接続できず、その後もそのままになったという。

 その結果、ERSSは東日本大震災で原発の外部電源が喪失した11年3月11日午後2時47分ごろ、データ送信が止まった。通信網は余震で同日午後4時43分ごろにダウンしており、非常用電源が外れていなければその間はデータ送信ができた可能性が高いという。

 東電の松本純一原子力・立地本部長代理は記者会見で「伝送できなかったのは初期段階のデータで、SPEEDIへの影響は少ないと推定している。緊急性が高いと思っていなかった」と釈明した。

 ERSSは、全国の原発の原子炉格納容器を監視して、事故の展開を予測する。国が155億円を投じて開発した。【奥山智己】

保安院、大飯原発ストレステスト評価を「妥当」 01/19/12 (読売新聞)

 経済産業省原子力安全・保安院は18日、関西電力の大飯(おおい)原子力発電所3、4号機(福井県)について、想定以上の津波や地震に対しても余裕があるとした同社の「ストレステスト(耐性検査)」の1次評価を「妥当」とする審査書の素案をまとめた。

 保安院は国内14基の原発の評価結果を受理しているが、審査結果をまとめたのは初。

 保安院は同日、専門家の意見聴取会にこの素案を報告したが、当初、反原発を掲げる市民団体のメンバーらが会場に押しかけて混乱。3時間30分遅れで会議が始まったが、出席予定の8人の委員のうち、2人は一般の傍聴が認められなかったことに抗議して参加を拒否、1人は開始が遅れたため出席できず、もう1人も途中退席したため、最後まで残ったのは4人だった。

 枝野経産相は混乱を招いた市民団体の行動に対して臨時の記者会見を2度開き、「到底容認することはできない」と批判した。

原子力安全基盤機構 検査手順丸写しまん延 ~ 無責任の犯罪 01/14/12 (断捨離な日々)

原子力安全基盤機構 検査手順丸写しまん延

こんなの犯罪として裁くべき事で、 仕事しないで大金を受け取るなど、

詐欺、横領罪とか、起訴されるべき。 天下りもたっぷりいるだろうし、

とにかく、原子力関連は、こういうたかりの組織や人が多すぎ。  

原子力安全委員会や 原子力保安院についても、東電だけでなく、

福島県人は、訴えるべきだ。 やるべき事を何もやっていなかったのだから。

無責任の罪での被害が甚大すぎる。  こういう事をやったら、即刻 組織を

解体して、責任者を追及する法律を作るべきだし、 許されるべきではない。

*****

http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2012011302000046.html

 原子力安全基盤機構 検査手順丸写しまん延

 原発関連の検査を行う独立行政法人原子力安全基盤機構(JNES)が作成した核燃料の検査方法の要領書(手順書)が、検査を受ける側の燃料加工会社が作った書類を「丸写し」する手法で作成されていたと、同機構の第三者委員会が十二日、発表した。第三者委は調査内容をまとめた報告書で「業者依存の不適切な検査」と指摘した。 

 会見した同機構の佐藤均理事は、原子炉を含む重要設備を検査する「使用前検査」など、JNESで行う多くの検査で丸写しの手順書が使われていることを認め、「機構独自の視点で検査項目を入れるなど改善する」と述べた。

 JNESをめぐっては昨年、原発で使う核燃料を検査する際、加工会社が作成した原案と全く同じ内容の手順書を使っていた問題が発覚した。同十二月、柏木俊彦大宮法科大学院大学長を委員長とする第三者委が発足し、実態を調べていた。

 報告書によると、JNESは二〇〇八年、核燃料体の検査手順書をつくる際、燃料加工会社「グローバル・ニュークリア・フュエル・ジャパン」に作成させた原案を電子ファイルで受け取り、そのままコピーして手順書として使っていた。

 同様の不適切な状態は、〇三年にJNESが発足した直後から続いていた。半ば検査を受ける側のいいなりで検査する状態だった。

 柏木委員長は「検査の主体性、独立性に疑問を抱かせる」と批判した。

 JNESの内規では、メーカーや電力会社から設計図や性能など検査に必要な情報を得て自ら手順書を作ることになっている。ただし、具体的な検査方法までメーカー側が関与することは認めていない。

 報告書では、一〇年に起きた関西電力大飯原発の検査漏れや、○九年の日立造船製造のウラン回収容器での検査漏れについても「事業者の検査を形式的に追認するだけ」「事業者の提出する資料に依存していた」などと指摘した。

放射性廃棄物の海洋投棄は国際条約違反じゃないの?(子力百科事典ATOMICA:問い合わせ先:財団法人 高度情報科学技術研究機構 データベース部) 放射性物質(放射能)を含む低濃度の汚染水を海に放出した時は船舶からではないから 海洋汚染防止条約違反にはならないと言っていた。ダンプで崖から汚染土を海に捨てるのか?????

文部科学省の土壌汚染マップ作成に携わった大阪大核物理研究センターの谷畑勇夫教授及び中井浩二・元東京理科大教授らのグループの専門家達が 提唱しているぐらいだから 廃棄物投棄に係わる海洋汚染防止条約(ロンドン条約)(子力百科事典ATOMICA) の違反にはならないのだろう。大学教授のレベルになると国際条約の盲点まで知り尽くしているのだろう。

除染で出た汚染土、海へ投棄案 研究者が提唱 12/05/11 (朝日新聞)

 東京電力福島第一原発の事故で放射能に汚染された土を海に捨てる案が、一部の研究者の間で浮上している。除染のために削り取った土の保管・処分場所を確保することが難しいからだ。世論や国際社会の反発は必至だが、現実的な対応策の一つとして政府への提言を目指す。

 除染は、被曝(ひばく)線量が年1ミリシーベルト以上の地域は国の責任で行う。土壌を削り取り、各市町村の仮置き場に保管した後、福島県内につくる中間貯蔵施設に運ぶ方針だ。県内だけで1500万~3100万立方メートルの汚染土が出る見込み。最終処分の方法が決まらなければ恒久的に置かれることになりかねず、用地確保の見通しは立っていない。

 こうした現状を踏まえ、文部科学省の土壌汚染マップ作成に携わった大阪大核物理研究センターの谷畑勇夫教授、中井浩二・元東京理科大教授らのグループが3日、大阪大で開かれた研究会で、深海への処分を提案した。海水で腐食せず高い水圧に耐えられる容器に汚染土を入れ、日本近海の水深2千メートル以下に沈める方法が最適とした。

ロシア連邦立小児血液・腫瘍(しゅよう)・免疫研究センターのルミャンツェフ・センター長の報告が正しいのか、調査が適切に行われたのか知らない。 しかし、報告が事実に近い場合、将来、福島に住み続けた子供達に影響が出る可能性が高いだろう。まあ、子供を守るべき親が福島に留まる事を 決断するのであれば、それは子供の運命。リスクを認識した上で福島に残るのであれば法的な制約がなければそれは個人の判断。東電のこれまでの 対応から判断すると良心的に医療費や損害賠償に速やかに応じるとは考えにくい。勉強したほうが将来安定した生活を得られる確立が高いと わかっていても全ての親が勉強させるわけでもなし、勉強しない選択でも幸せになる人達もいる。将来の結果については個々の判断と責任。 今回の東京電力福島第一原子力発電所事故でも似たような事が言えるかもしれない。

チェルノブイリ、内部被曝なお ロシアの小児科医報告 01/05/11 (産経新聞)

 チェルノブイリの原発事故から20年以上たっても、周辺住民に放射性セシウムによる内部被曝(ひばく)が続いていると、ロシアの小児がん専門家が18日、千葉市で開かれたシンポジウムで報告した。また、子どもの免疫細胞も減少している可能性があることも明らかにした。

 報告したのはロシア連邦立小児血液・腫瘍(しゅよう)・免疫研究センターのルミャンツェフ・センター長。2009~10年にベラルーシに住む約550人の子どもの体内の放射性セシウムを調べると、平均で約4500ベクレル、約2割で7千ベクレル以上の内部被曝があったという。

 03年にベラルーシで亡くなった成人と子どもの分析では、脳や心筋、腎臓、肝臓など調べた8臓器すべてからセシウムが検出された。どの臓器でも子どもの方が濃度が高く、甲状腺からは1キロ当たり1200ベクレル検出された。

 内部被曝の原因として、食品の規制が徹底されていない可能性が考えられるという。ルミャンツェフさんは「周辺地域の食品はまだ汚染されている。周辺の子どもを3カ月間、汚染のない地域に移住させ、汚染のない食品を食べさせると、体内のセシウム量はかなり減った」と話した。

 また事故3年後の1989年から約10年間、事故の影響を受けたロシアのブリャンスク州の子どもの血液細胞を調べると、過剰に発生すると、がんや心臓疾患の一因で、細胞を傷つける活性酸素などのフリーラジカルが通常の約2倍多かったという。病原体を攻撃する抗体をつくる免疫細胞は、通常より1割以上減っていたという。ルミャンツェフさんは「内部被曝により細胞レベルで様々な影響が出ていると考えられる。因果関係の調査が必要だ」と指摘した。(大岩ゆり)

米宇宙研究大学連合(USRA)研究チームが全てにおいて正しいとは思わないが、日本政府が直ぐにこのようなマップを公開しなかったことについて 疑問を感じる。まあ、東北の人達もぬるま湯で茹で上がったかえるのように徐々に放射能汚染に慣らされているのだろうけど、騙すほうも、騙されるほうの両方に 責任があることを理解しておくべきだ。

「福島原発の放射性物質、西日本にも」研究チーム解析 05/26/11 (朝日新聞)

 東京電力福島第一原発の事故で大気中に放出された放射性物質が、西日本や北海道にも拡散しているとの解析を日米欧の研究チームがまとめた。15日の米国科学アカデミー紀要電子版に発表する。文部科学省は長野・群馬県境で汚染の広がりはとどまったとの見解を示したが、以西でも「わずかだが沈着している可能性がある」と指摘した。

 米宇宙研究大学連合(USRA)の安成哲平研究員らの研究チームは、大気中の汚染物質の拡散を20キロ四方で計算するシステムを使い、事故後の天候や雨による放射性物質の降下を加味してシミュレーション。文科省によるセシウム137の測定値で補正して、3月20日から4月19日までの沈着量を算出した。

 分布状況は文科省の観測の傾向と一致していたが、岐阜県や中国・四国地方の山間部で、原発由来の放射性物質が沈着している可能性が示された。北海道にも広がりがみられた。

原子力安全基盤機構、業者の原案丸写しで検査 11/02/11 (読売新聞)

 原子力施設の検査業務を担う原子力安全基盤機構が2008年、神奈川県の燃料加工会社の核燃料製造に関する法定検査の際、この会社に検査内容の原案を作成させていたことが2日、分かった。

 機構は、原案を丸写しした検査要領書を使って検査に臨んでいた。これを受け、保安院は機構に対し、他の業者の検査でも同じ行為を行っていないかどうかを確認するよう指示した。

 機構によると、丸写しした資料は東北電力東通原発に納入する核燃料に関する検査資料。数値の誤記載まで気づかず丸写ししていたといい、後日、機構が誤りに気づいて数値を修正して同社を合格させていた。

 機構は「対象事業者の情報を参考に検査を行ったもので、検査結果などへの影響はない」と話している。

根井寿規氏(原子力安全保安院審議官(原子力安全担当、核燃料サイクル担当))の会見を見るとひどいな! 原子力安全・保安院の3月13日の根井寿規審議官の会見、覚えていますか?(Yahoo!知恵袋) が全てを説明している。根井寿規氏原子力安全保安院審議官は「検査」の全体の責任者の経歴を持つ。 いろいろな肩書きと講演や報告は今回の事故を速やかに終息することには全く役に立たなかった。 原子力安全保安院のレベルがわかる。この会見によると緊急性は全くないように誤解させる会見だ。 原子力安全保安院は信用に値しないことがわかる。人事のように報告する西山審議官のほうがましだったとは!! 結局、まともに対応できない原子力安全保安院は真の姿のようだ。今回は原発だけでなく、学歴で飾られた専門性のない キャリア達が存在するからいろいろな分野でなかなか良い結果が見れないと言う事が良く理解できた。原子力安全保安院審議官は 肩書きとしてはすごいが問題解決能力とは全く別だと言うことも理解できた。

講演1「新しい検査制度について」根井 寿規 氏(原子力安全・保安院 原子力発電検査課長)(東京大学)

セッション1 原子力発電の運転保守管理の再構築 根井 寿規 氏(原子力安全・保安院 原子力発電検査部長)(東京大学)

根井 寿規 「原子力発電施設に対する検査制度の改善について-検査の在り方検討会報告の概要-」(原子力安全・保安院)

根井寿規・東北経済産業局長に聞く 2009年04月02日公開(宮城の新聞)

相手を知らない限り、まず理解は進まない

根井 寿規 Hisanori NEI(東北経済産業局長)

昭和33年生まれ。昭和56年(1981年)東京大学理学部地学科卒業後に通産省(現経産省)に入省。大臣官房、資源エネルギー庁、環境立地局などで主に石油政策、産業技術政策、地域振興政策などに従事。地域振興政策については、農村地域工業等導入促進法の改正(昭和63年)、地域コンソーシアム制度の創設(平成8年)を主導。平成9年(1997年)から米国テキサス州ヒューストンに勤務(JETROヒューストン・センター次長)し、米国の中東・石油政策や産学連携・インキュベーション等の新規産業育成政策の調査等に従事。この間に、仙台-ダラス産業交流、米国の産学連携機関(TLO)の経験の日本への移転などに尽力。こうした功績により、米国テキサス州ジョージ・ブッシュ知事(前大統領)から感謝状を授与。2001年1月から経済産業省中東アフリカ室長、2002年7月から資エ庁石油精製備蓄課長として同時多発テロ後の経済産業省の中東・石油政策を遂行。イラク戦争直後の2003年5月から日本政府を代表し、イラク暫定施政当局に3名の外交官チーム(故 奥大使、井上一等書記官とともに)の一員として派遣。6000kmを車で走行し、ライフライン、産業施設の現状調査を行い、復興計画を策定。イラクの治安悪化により2003年8月に帰国。その後、貿易経済協力局技術協力課長として、特に、東南アジア地域との経済連携強化のための人材育成・知的財産・基準認証等の制度構築支援に従事。2005年9月から原子力安全・保安院原子力発電検査課長として、2006年末からの発電設備の総点検による過去の不正の洗い出しを指揮し、2007年7月の中越沖地震発生時のスポークスマン役などを担うとともに、長年の懸念であった定期検査間隔の柔軟化など国際水準の検査制度を実現。2008年7月から東北経済産業局長、現在に至る。

省略

日本の原子力発電所の安全を保つ

ここに来る前は、「原子力発電検査課長」という仕事をしていました。

日本全国で、運転中の原子力発電所は、全部で17地点あります。

下北半島の一番奥にある大間に新しい発電所が建設中ですけど、それを入れると18地点。

東北の中で言えば、宮城県南三陸沿岸の女川町、

福島県浜通りにある福島第一と福島第二、青森県下北半島の東通村。

動いている原子力発電所は、プラント(いわゆる発電機、原子炉)ベースで言うと、 全国で55基あるんですね。

私が前のところでやっていた仕事は、原子力発電の安全規制でした。

安定的な電力供給を確保するためには、原子力が不可欠ですので、 日本では国策として、原子力発電を進めます。

原子力発電を国内で進めていこうとすると、原子力発電所の安全を しっかりと保つために、安全規制をやらなきゃいけない。

原子力発電所の安全規制は、「審査」と「検査」、大きくふたつに分けることができます。

大雑把に言えば、原子力発電所をつくる前にやる仕事を「審査」と言い、 実際につくった後の仕事は「検査」と言います。

原子力発電所をつくる時には、まず設計をしますよね。 きちんと安全に設計・設置されているか、事前に安全「審査」をやります。

原子力発電所を実際につくったあとは、試運転、営業運転、 その後も、運営の管理を電力会社がしっかりやっているかを、 国が「検査」という行為で全部見ていきます。

そこで私がやった仕事は、「検査」の全体の責任者でした。

日本全国で動いている55基17発電所が、ちゃんと管理されているかどうかを、 ある程度の頻度で全部関わりをしていた、行政の責任課長でした。

そのときに、いろいろなルールを決めるわけですね。 制度を決める、あるいは検査の仕方や頻度を決める。

当然、技術の進歩というものがあります。 最初の原子力発電所が運転開始されて、約40年が経ちます。 そうすると、40年間でいろいろな経験があるわけですね。

つくられた最初の頃は、まだ経験がないから、 例えば検査をするとなっても、ものすごく過剰に丁寧にやるわけです。

けれども他にいろいろなプラントが出てきて、運転の経験もできると、 「そこまでやる必要はない」、「どの辺りまでやっていれば絶対に大丈夫」、 というものがわかってくるでしょう、どんな分野でも。

逆に例えば、最初にやっていないことをやるときは、 過剰に丁寧にみんなワーッとやっている余力がある。

けれどもだんだん数が増えてくると、最初と同じものを同じようにやらなければならない、 となると、労力の無駄みたいなものも起きるわけです。

そこで、だんだん数が増えていって、ちゃんとやれるようになったら、 ここまでやっていれば絶対に大丈夫という範囲が、科学的にわかってくるので、 そういう検査の仕方を、知識が増えてくれば、それを踏まえて制御していけるわけです。 ですから、ルールの見直しや、検査の方法・手段の見直しもやっていました。

そのときは別に、東北のことだけをやっているわけではなくて、 全国の発電所55基、全体の安全のために、 どんなことをどんな風にやれば良いのかを決めてやるのが、自分の仕事でした。

それが、ここに来る前までの仕事です。

省略

原発の五つの壁、破れた 西山審議官が反省の弁 04/09/11 12:56 (読売新聞)

 「五つの壁があるなんて言ってきた。私も多重防護で絶対大丈夫と信じてやってきたが、こういう事態になった」。経済産業省の西山英彦官房審議官(原子力安全・保安院担当)は9日午前の記者会見で反省の弁を述べ、これまでの原発の安全規制に甘さがあったことを認めた。

 東京電力福島第1原発では多重防護が破れて放射性物質が周辺に拡散、事故が一向に収束できない状態が続いている。西山審議官は「国民の不安が高まっている。すべてのことについて、安全の方向に、早急に手を打つ必要がある」と自らに言い聞かせるように話した。

 発言のきっかけとなったのは、7日深夜の余震で、東北電力東通原発の非常用ディーゼル発電機がすべて使えなくなったこと。西山審議官は「東通で起こったことを考えると、これまでの対応は十分でなかった」とした。

保安院の西山審議官、女性問題で広報担当を降板  06/29/11 (読売新聞)

 経済産業省原子力安全・保安院は29日、福島第一原子力発電所事故の広報担当を西山英彦審議官から森山善範・原子力災害対策監に交代させたと発表した。

 一部週刊誌が西山審議官の女性問題を報じたことを受けたもので、事故対応の広報担当は森山対策監で5人目。

 週刊誌で報じられた後、保安院には批判や問い合わせの電話やメールが相次ぎ、業務に支障が出かねない状況になっているという。西山審議官は同日付で保安院付を外れた。森山対策監は、原子力発電安全審査課長などを経て、震災後は、政府・東京電力統合対策室で業務をしていた。

核燃サイクル:直接処分コスト隠蔽 エネ庁課長04年指示 01/01/12(毎日新聞)

 経済産業省の安井正也官房審議官が経産省資源エネルギー庁の原子力政策課長を務めていた04年4月、使用済み核燃料を再処理せずそのまま捨てる「直接処分」のコスト試算の隠蔽(いんぺい)を部下に指示していたことが、関係者の証言やメモで分かった。全量再処理が国策だが、明らかになれば、直接処分が再処理より安価であることが判明し、政策変更を求める動きが加速したとみられる。

 2カ月後、青森県六ケ所村の再処理工場稼働で生じる費用約19兆円を国民が負担する制度がとりまとめられており、データ隠しが重要な決定につながった疑いが浮上した。

 再処理を巡っては02年以降、東京電力と経産省の首脳らが再処理事業からの撤退を模索していたことが判明している。安井氏は京大工学部原子核工学科卒の技官で長年原子力推進政策に関わってきた。いわゆる「原子力ムラ」が撤退への動きを封じた形だ。

 試算は通産省(当時)の委託事業で、財団法人「原子力環境整備センター」(現原子力環境整備促進・資金管理センター)が98年、直接処分のコストを4兆2000億~6兆1000億円と算定した。直接処分なら再処理(約19兆円)の4分の1~3分の1以下ですむことを意味する。

 毎日新聞が入手したメモは、経産省関係者が04年4月20日付で作成した。「部下(メモは実名)が昨日、安井課長に(試算の存在を)伝えたところ『世の中の目に触れさせないように』との厳命が下った」と記載されている。

 部下は取材に対し、安井氏から「試算を見えないところに置いておいてくれ」と指示されたことを認め「目立たないよう他の資料も山積みにしていた、いすの後ろの床の上に置いた」と証言した。

 経産相の諮問機関「総合資源エネルギー調査会・電気事業分科会」では同5月、複数の委員から直接処分のコスト計算を求める意見が出ていた。原子力政策課は分科会の担当課だったが委員らに試算の存在を伝えず、分科会は同6月、約19兆円を産業用、家庭用の電気料金に上乗せする新制度の導入案をまとめた。これが「国内全量再処理」を堅持する現行の原子力政策大綱につながっている。

 安井氏は取材に対し「(部下が試算を持ってきたことは)あったかもしれないが(隠蔽指示は)記憶にない」と話した。【核燃サイクル取材班】

 ★直接処分と再処理 原発で使った使用済み核燃料から再利用可能なウランやプルトニウムを取り出すのが再処理。直接処分は再処理せず地中に埋めるなどして処分する。エネルギーの安定供給などを名目に1960年代から再処理路線を推進してきたが、ウラン節約効果は1~2割にとどまりコストも高い。再処理して作った燃料(MOX燃料)を使うプルサーマルは計画の4分の1程度しか進んでおらず、青森県六ケ所村の再処理工場は着工後18年を経ても稼働していない。

核燃サイクル:直接処分コスト隠蔽 再処理固執の果てに 01/01/12(毎日新聞)

 使用済み核燃料の直接処分のコスト試算隠蔽(いんぺい)は、結果的に青森県六ケ所村の再処理工場稼働に有利に働くという点で、使用済み燃料受け入れを提案する02年のロシアの外交文書を隠した問題と同じ構図だ。情報公開に背を向けても再処理に固執する「原子力ムラ」の異常とも言える論理が浮かび上がる。今夏をめどに新しいエネルギー政策を打ち出す政府のエネルギー・環境会議には、徹底した情報公開に基づく論議が求められる。

 部下に隠蔽を指示した経済産業省資源エネルギー庁の安井正也原子力政策課長(当時)が現在、東京電力福島第1原発事故後の安全確保策作りを進める「原子力安全規制改革担当審議官」という要職を務める点でも問題は深刻だ。安井氏は原子力安全・保安院を経産省から切り離し、4月に原子力安全庁として発足させるための準備にも深く関わっている。データ隠しまで行った原発推進派を、規制というブレーキ役の中心に据えている経産省の姿勢が問われる。

 直接処分のコスト試算が存在することは04年7月、毎日新聞の報道などで判明した。このため、参院予算委員会(04年3月)で社民党の福島瑞穂党首が「再処理をしない場合のコストはいくらか」と質問したのに、日下一正・エネ庁長官(当時)が「日本には再処理しない場合(直接処分)のコストを試算したものはない」と答弁したことが問題化。「結果的に事実と違う答弁をした」として日下長官が訓告、答弁案の作成を担当した安井課長らが厳重注意処分を受けた経緯がある。

 軽い処分の理由は「(試算の存在を)つい最近まで知らなかったので故意でも悪質でもない」(当時の中川昭一経産相)ため。しかし今回、安井氏が3カ月も前から試算の存在を把握していたことが明らかになった。処分の前提が変わった以上、経産省の再調査は不可欠で、再処分も検討すべきだ。【小林直、清水憲司、太田誠一】

核燃再処理:経産と東電02年に「六ケ所」から撤退で一致 12/02/11(毎日新聞)

 核燃サイクルを巡り、東京電力と経済産業省の双方の首脳が02年、青森県六ケ所村の使用済み核燃料再処理事業からの撤退について極秘で協議していたことが関係者の証言などで分かった。トラブルの続発や2兆円超に建設費が膨らんだことを受け、東電の荒木浩会長、南直哉社長、勝俣恒久副社長と経産省の広瀬勝貞事務次官(いずれも当時)らが撤退の方向で検討することで合意し、再協議することを決めた。しかし3カ月後、東京電力トラブル隠しが発覚し、荒木、南両氏が引責辞任したことから実現しなかったという。

 ◇会長の辞任で白紙に

 毎日新聞は出席者の氏名や協議の時期、目的などが書かれた経産省関係者のメモを入手し、協議の関係者からの証言も得た。首脳による協議が判明したのは初めて。核燃サイクルを巡っては高速増殖原型炉「もんじゅ」の廃炉を含め継続の可否が検討される見通しでサイクルのもうひとつの柱である再処理事業でも東電、経産省のトップが9年も前から「撤退を検討すべきだ」と認識していたことは、内閣府の原子力委員会が来年夏をめどに進める原子力政策の見直し作業に影響しそうだ。

 メモや関係者によると、協議は経産省側が「六ケ所村(再処理工場)はいろいろ問題があるようだから首脳で集まろう」と呼びかけて実現し、02年5月ごろ、東京都内のホテルの個室で行われた。首脳らは「撤退の方向で検討に入る」との意見で一致し、具体的な進め方を再協議することを決めた。さらにその後、撤退する際に青森県側への説明役を務める東電担当役員も決定したという。

 六ケ所村再処理工場の建設費は事業申請時(89年)は7600億円。しかし使用済み核燃料貯蔵用プールからの漏水が相次ぐなどトラブルが続発し、2兆円を超えることが確実になっていた。本格操業すると将来の解体費用などとしてさらに1兆円以上必要になる。東電など複数の電力会社幹部から「こんなの(再処理事業を)やっても大丈夫なのか」と懸念の声が上がっていたため、経産省側が協議の場を設けたという。しかし02年8月、部品のひび割れなどを隠蔽(いんぺい)した東電トラブル隠しが発覚し荒木、南両氏が辞任、再協議は実現しなかった。

 荒木氏(現東電社友)は「記憶が不確か」として取材を拒否。南氏(現顧問)は協議について「記憶にない」とする一方「当時、経産省との間で再処理をやめられないか相談が行われており、荒木氏や勝俣氏と議論した」と明かした。勝俣氏(現会長)も協議の有無には答えなかったが「再処理をやるかやらないか5回ぐらい社内で経営会議を開いた」と述べた。広瀬氏は「まったく記憶にない」と話した。【核燃サイクル取材班】

 ◇六ケ所村の再処理工場

 使用済み核燃料から再利用可能なウランとプルトニウムを取り出す工場。東京電力の連結対象会社「日本原燃」(青森県六ケ所村)が建設・運営している。極秘協議があった02年当時、工場に放射性物質は流れていなかったが、04年に劣化ウランを流すウラン試験、06年に使用済み核燃料を流すアクティブ試験に移行。高レベル廃液をガラスで固める工程でトラブルが発生し08年12月以降、試験は中断している。完成予定時期は18回延期され現在は来年10月。

建前の説明と現実の対応は大きな開きがある。これが現実なのであろう。原発自体のリスクだけを考えていては大問題だ。 保安院が適切に機能しない事を前提に国民は原発問題を考える必要がある。これは結果なのだから、推測ではない。 いくら国や大臣が改善すると言っても、形だけの改善なのかも判断できないであろう。これが現実!

福島第1原発:炉心予測、官邸活用せず 保安院管理ずさん 09/02/11 (毎日新聞)

 経済産業省原子力安全・保安院は2日、東日本大震災当日、東京電力福島第1原発1~3号機で全電源喪失などを想定し炉心溶融などを予測した「緊急時対策支援システム(ERSS)」の解析結果を、約半年たって公表した。2、3号機の予測は官邸に送信したが活用されず、1号機は送信もしていなかった。保安院の情報管理のずさんさが問われそうだ。

 保安院によるとERSSを開発した原子力安全基盤機構(JNES)は3月11日、保安院の依頼でERSSを起動。同原発で全電源が断たれた事態を想定したパターンを使い、1~3号機の原子炉内の水位や圧力、温度が今後どう推移するかの予測結果を出した。

 2号機のデータは11日午後9時半ごろ、JNESから保安院に届いた。保安院の職員はデータを基に「22時50分 炉心露出 24時50分 燃料溶融」など予想される展開を文章にし、同日午後10時45分ごろと12日午前0時過ぎ、危機管理センターに常駐していた保安院職員を通じ内閣府の職員に手渡した。3号機については13日午前6時半ごろに届いたデータを同様の方法で約20分後に官邸に届けたという。しかしこれらは周辺住民の避難指示などに活用されなかった。保安院の森山善範・原子力災害対策監は2日の会見で「事実に基づいたデータではないので活用を思い至らなかった」と釈明した。

 また、保安院は1号機の予測から導いた放射性物質の推定放出量を基に「緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム(SPEEDI)」で拡散予測を実施していた。しかしすぐには公表せず、避難指示などにも活用しなかった。保安院はこれまで「全電源喪失でSPEEDIが機能しなかった」と説明していた。【久野華代】

 【ことば】緊急時対策支援システム(ERSS)

 原発事故の際、原子炉内の温度や圧力、水位などを即時に入手し、それに基づいて事態の進展や放射性物質の放出量を予測するために保安院が導入したコンピューターシステム。事故時、電力会社から集めた運転情報や放射線計測値などを収集し、さまざまな事故のパターンをデータベースから選んで計算する。炉の状況や予測結果は、経済産業省などオンラインで結ばれた場所で閲覧できる。

理事に電力幹部が複数 浜岡原発の耐震検査法人 06/25/11 (中国新聞)

経産省OBも天下り

 運転停止した中部電力浜岡原発3~5号機(御前崎市)の耐震補強工事をめぐり、確認検査を担当した財団法人発電設備技術検査協会(東京都)の役員に中電など複数の電力会社幹部が就任していることが分かった。同協会は原発を推進する経済産業省が所管する公益法人で、常勤の理事長と専務理事はいずれも同省OBが務めている。原子力の専門家は「客観性を装ったおざなりの検査になり、原発の安全性にも疑念が生じかねない」と批判している。

 補強工事は中電が2005~08年に自主的に行った。東海地震の想定以上の600ガル(ガルは加速度の単位で地震動の強さを表す)を上回る1000ガルの揺れにも対応できるよう耐震性を強化したという。

 確認検査は、同協会が中電の依頼を受けて実施。08年10月から09年3月にかけて原子炉や配管、機器の耐震性や工事などをチェックし「耐震評価、工事は適切に管理・実行された」とするお墨付きを与えた。中電は「第三者による公正なチェックを受けた」とし、東海地震に耐えられると主張する根拠の一つにしていた。

 同協会の公開資料によると、経産省OB2人を除く役員は14人で、中電の阪口正敏副社長と九州電力の瓜生道明取締役が非常勤の理事、中電出身の久米雄二電気事業連合会専務理事が非常勤の監事にそれぞれ就任。その他は大学教授が大半だが、常勤理事に東京電力OBもいる。

 中電で原子力を担当する阪口副社長は09年11月に就任。浜岡の検査当時は中電の別の幹部が非常勤理事を務めていた。また、理事会に助言する評議会メンバーには他の電力会社や東芝、日立製作所など原発をビジネスとする大手プラントメーカーの幹部らが名を連ねる。

 民間企業の資本金に当たる基本財産は21億2000万円。このうち五分の一の4億6000万円が電力各社やプラントメーカーの寄付金で賄われている。10年度には、経産省から火力や発電設備などに関する委託事業費として7300万円が支払われた。

 耐震補強工事が行われたのは、国の原子力安全委員会が耐震指針の見直しを進めていた時期。市民団体が起こした運転差し止め訴訟などで東海地震への懸念が広がり、地元では中立的な立場での耐震チェックを求める声が強かった。

 同協会総務企画室の担当者は「検査に携わる職員の安全意識は高い。検査機関として公正、中立で、電力会社に気兼ねすることは一切ない」と話している。

専門性と経験評価

 中部電力の話 長年、国の検査業務の代行を行うなど実績があり、発電設備にかかわる高度な専門性と経験があることから検査を依頼した。浜岡原発の耐震性工事に関し、適正かつ公正な評価、確認を行っていただいたと考えている。

発電設備技術検査協会 1970年設立で、職員は98人。電力会社が法律や技術基準に基づき自主的に行う原子力発電所の安全性に関する検査や審査などを実施。2003年に業務の一部が独立行政法人原子力安全基盤機構(JNES)に移行されるまでは、原発に関する国の定期検査も代行していた。経済産業省の指定を受けた安全管理審査機関として、火力発電所などの安全管理の審査も行っている。年間事業規模は18億円。

食物連鎖を考えればリスクが存在するのは明らか。海流や魚の生態などを考えると拡散は推測できる。 また、被害が長期的なスパンで直ちに結果として現れない。福島原発周辺で魚から放射能が検出されなくても忘れられた頃に 被害が現れる可能性も否定できない。福島原発周辺の海はまさに研究者の実験と調査のエリアとなってしまった。 同様の調査結果やデータがない以上、誰も確実に安全とは言い切れない。安全と言っている科学者達は間違っていたと言えばそれで 良いが、それを信じていた人や食べていた人はそれではすまない。だから外国が怒り、日本に抗議しているのだ。 テレビでは福島原発でがんばっていると人達を賞賛しているが、東電の幹部は安全な所にいる。本当に責任を取らなければならない 人間は安全な所にいる人間達なのだ。テレビで報道と大企業の力関係が言われているので彼らは非難されないのであろう。 個人的には理解できるので非難しないが信用はしない。

原発事故 想定外 責任 東京電力 2011/4/10 (ヤフー知恵袋)

nexttakashi1959729さん

炉心冷却用非常用発電機のメンテしていた者です。私は人災ではなく悪意をもった犯罪だと思います。2号機を爆破させた経緯をご存知ですか? 東電の社員は下請け作業員に現場の冷却用ディーゼルポンプと他の仕事一切合切を任せて燃料切れで確信てきに2号機を爆破して卑怯にも現場を放棄して逃げたのです。 またそれを許した東電は自衛隊との以前から放射能漏れの訓練を確信的に拒否し爆破後に自衛隊、米軍、消防に泣きつき、マスゴミを接待してネガティブ情報流させないように今でも操作し、 政党に寄付し様々な所に手を回しています。またもっと情けないのがプルサーマル計画に賛成した公明党の支持母体の創価学会は東電の大株主なので、 このごに及んでもまだ中国のコンクリート圧送車?非発回って良かった?問題すりかえるような卑怯な発言しかしない。 民主党の辻本議員は米軍ヘリは学校に着陸させない?社民党はフリーズ?なんでも反対の共産党は今回の犯罪が起こりえる議員の発言の議事録あるからまだまし? こんなゴミみたいに卑怯な連中に税金から給料だして飼ってやった私も含めた愚かな日本人は後世にたいして深く謝罪し終わりのはじまりに覚醒し覚悟するべきです。

回答日時:2011/4/10 21:26:28

yancha1992さん

>福島第一原子力発電所の事故は人災です。 http://www.meti.go.jp/press/2011/04/20110407003/20110407003.pdf 女川原発と茨城の東海第二原発の報告書です。福島の事故を天災と言う方らぜひ読んで頂きたい報告書です。

この中で、東海第二では海水ポンプ建屋に関して、側壁の嵩上げ工事を実施し、貫通部の封止工事の一部を残す状態であり、ポンプ建屋への浸水は、この部分からと推定されています。 確かに、津波の規模は6m程度で比較にならないかも知れませんが、厚めのコンクリート壁があれば、津波で致命的な損傷を受けることなどあり得ません。 奥尻の津波は、1993年です。20年近く、本格的な津波対策が放置され続けていたのです。これは、東電だけの責任ではありません。

回答日時:2011/4/10 11:35:49

東電が国有化されるまで、東電に被害の補償をさせるべき。 東京電力の顧問に天下った石田徹氏(経済産業省) は顧問としてほとんど仕事をしていないように見える。仕事をやっていない人間に高額な支払いをする東電のために 必要以上に税金を投入する必要なし。

「枝野氏、エネ庁前長官の東電顧問就任「天下り」に当たらず 」しかし「経産省OBの東電天下り、望ましくない…枝野氏」 結果は、電力会社を所管する経済産業省の幹部OBによる東京電力への天下りはあった。民主党の詭弁には飽き飽きだ。 はやく東電を国有化し、資産を売却しろ!現在の社長では問題を解決できない!東電社長は会見で「ベスト」を連発していたが どのような選択肢があったのか。選ばれたベストの選択で結果として爆発を止めれなかった。菅首相、民主党そして東電も問題ありだ!

経産省OBの東電天下り、望ましくない…枝野氏 (経済産業省)  枝野官房長官は13日の衆院内閣委員会で、電力会社を所管する経済産業省の幹部OBによる東京電力への天下りについて、「原子力の安全に関して指導監督する行政と、指導監督を受ける側との間に癒着を生じているという疑義は許されない」と述べ、望ましくないとの見解を示した。

 共産党の塩川鉄也氏の質問に答えた。枝野氏は同日の記者会見で、省庁によるあっせんのない再就職は禁止されないとして「法律的に規制は難しいが、行政権行使として許された範囲内で他の電力会社も含めて許さない姿勢で対応する」と語った。

 経産省からは、石田徹・前資源エネルギー庁長官が1月に東電の顧問に就任。東電によると、過去30年の同社副社長には、3人の旧通産省出身者が就任した例があるという。

石田 徹 資源エネルギー庁長官 プロフィール (経済産業省)

学歴
昭和50年3月 東京大学法学部卒業

主な職歴
昭和50年4月 通商産業省入省
平成元年6月 資源エネルギー庁長官官房国際原子力企画官
平成元年10月 資源エネルギー庁長官官房原子力広報推進企画官
平成2年2月 大臣官房参事官(国会担当)
平成3年5月 機械情報産業局情報処理システム開発課長
平成4年12月 大臣秘書官
平成5年8月 資源エネルギー庁公益事業部開発課長
平成7年5月 日本貿易振興会デュッセルドルフ・センター所長
平成10年6月 資源エネルギー庁公益事業部計画課長
平成11年6月 機械情報産業局総務課長
平成12年4月 内閣総理大臣秘書官
平成13年7月 大臣官房企画課長
平成14年7月 大臣官房審議官
平成15年7月 大臣官房総括審議官
平成17年9月 貿易経済協力局長
平成19年7月 産業技術環境局長
平成20年7月 資源エネルギー庁長官

東電に天下り年収1860万円の元原発官僚 ただいま雲隠れ中 04/12/11 10:15 (イザ!)

 原発事故が深刻化する中で雲隠れした原発官僚がいる。今年1月に資源エネルギー庁長官から東京電力の顧問に天下った石田徹氏だ。

 東電は「個人情報だから」との理由で報酬を明らかにしていないが、「天下りの不文律として、退官直前と同額程度(年収約1860万円)が払われている」(経産省幹部)とされる。しかも、「ほとぼりが冷めた頃に副社長に昇格する予定」(東電関係者)という。

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記事本文の続き その動静は一切出てこない。経産省中堅が明かす。

「石田さんが表立って動くと、経産省は“天下りがいるから東電に甘い”と批判されかねない。そこで、石田さんは経産省の上層部に電話し、東電の首脳に経産省の意向を伝える連絡役に徹している。石田さんの役割は、東電の支払う賠償額を出来るだけ減らすことにある」

 東電の経営が傾けば、経産省は特Aクラスの天下り先を失う。石田氏と経産省の関心はそこにしかないのか。

 経産省を中心に政府が拠出する原子力予算は年間約8370億円(2011年度概算要求額)。そこに原子力安全基盤機構、日本原子力文化振興財団など数多くの天下り法人もぶら下がっている。現役・OBを問わず原発官僚の責任も厳しく追及されるべきだ。

原発対応、直接関与せず=スピード再就職の前エネ庁長官-東電 2011/04/08-18:42 (時事通信)

 電力業界を監督する経済産業省資源エネルギー庁の長官を昨年8月まで務め、今年1月1日に東京電力に顧問として再就職した石田徹氏が、福島第1原発事故の同社対策本部にメンバーとして参加していないことが8日、明らかになった。深刻な放射能漏れが続く中、原発の事情に詳しい石田氏が、事故対応に直接関わっていない形だ。

 同社広報によると、石田氏は常勤で毎日出社。今回の事故で担当を受け持っておらず「さまざまなアドバイスを受けている」と説明している。

枝野氏、エネ庁前長官の東電顧問就任「天下り」に当たらず 02/02/11 (産経新聞)

 枝野幸男官房長官は2日の記者会見で、昨年8月に退任した石田徹・前資源エネルギー庁長官が今年1月に東京電力顧問に再就職したことが「天下り」と指摘されている問題について「昨年6月に閣議決定した退職管理基本方針に沿ったものであると経済産業省を通じて報告があった」と述べ、「天下り」にはあたらないとの認識を示した。また、同省からは「再就職の斡(あっ)旋(せん)はなかった」との報告も受けたと説明した。

 枝野氏によると、東電は経産省に対し「石田氏の識見や経験などを勘案して顧問就任を要請した」と説明。報酬については「あるが、具体的な金額は個人情報なので差し控えたい」と回答した。

 石田氏の再就職問題をめぐっては、菅直人首相が1月28日の参院本会議で「企業の判断で採用したというが、必ずしも天下りでないと言い切ることはできない。もう一度しっかりと経緯を調べたい」と述べ、調査する考えを示していた。

前エネ庁長官が東電顧問に 「企業要請で問題なし」 01/05/11 (産経新聞)

 前資源エネルギー庁長官の石田徹氏(58)が1月1日付で東京電力顧問に就任したことが4日、明らかになった。東電が迎えた経済産業省OBは、日本輸出入銀行(当時)理事から平成12年に取締役に就任した白川進前副社長(現・顧問)に次ぐ4人目。いずれも入社後、最終的に副社長に昇格していることから、今年6月末の株主総会で役員に就任する可能性が高い。

 石田氏は昨年8月にエネ庁長官を最後に退官し、去就が注目されていた。経産省では貿易経済協力局長や産業技術環境局長なども歴任しており、内外に幅広い人脈を持つ。東電は「経営全般にアドバイスをお願いしたい」としている。

 民主党政権下で天下りに対するチェックが厳しくなっているが、関係者は「役所からの斡旋(あっせん)ではなく受け入れ先企業の要請に基づく私契約で問題はない」としている。

独立行政法人 原子力安全基盤機構の改善など無理。 能力や経験がある人材がいるのであれば「検査対象の核燃料加工会社が作った検査手順を丸写し」などする必要がない。

役員経歴:理事長 中込 良廣、理事〔理事長代理〕 福島 章、理事 佐藤 達夫、理事 佐藤 均、監事 三好 完治及び監事 古澤 彰 (原子力安全基盤機構) の肩書きはりっぱであるが、検査について専門的な知識があるのであろうか。工程表など紙切れ!実行できなければ形だけの紙切れ!原発の安全神話など洗脳以外の何物でもなかった 1例の1つであろう。

丸写し検査手順…原子力安全機構の企業依存体質 12/28/11 (読売新聞)

 原子力施設の検査業務を担う原子力安全基盤機構が、検査対象の核燃料加工会社が作った検査手順を丸写ししていた問題で、同機構の第三者委員会は28日、検査対象企業への依存体質からの脱却をめざす、改善策の報告書案をまとめた。

来年1月にも報告書を同機構に提出する。

 報告書案は、問題の背景に検査業務での検査員の負担が大きく、検査対象企業への依存体質があったと指摘。再発を防ぐために、検査手順書を作成する責任の所在を明確にするほか、対象企業との話し合い内容の記録、職務規定の作成などを求めている。

 同機構の中込良広理事長は同日、「行程表を作り、改善の取り組みを早期に実施したい」と話した。

権限を持つ人間が意識改革できる可能性は低い。年を取り、過去の経験でしか対応できない古い人間は残すべきでない。若い世代の意識改革の障害としかならない。

原子力安全庁、内閣府外局に…2段階で再編 08/05/11 (読売新聞)

 政府は4日、原子力規制の組織再編に関連し、経済産業省原子力安全・保安院と内閣府原子力安全委員会などを統合し、新設する「原子力安全庁」(仮称)を内閣府の外局とし、閣僚が長官を務める案を軸に調整に入った。

 再編は2段階で進める考えで、来週中に閣内で意見集約し、15日の閣議決定を目指す。

 組織再編を巡っては、細野原発相が3日の関係閣僚会合で環境省に安全庁を置く試案を提出したが、より中立性が高いことなどを理由に、他の閣僚から内閣府への設置を求める声が出ていた。5日に開く関係閣僚会合では両論併記にとどめる見通しだが、関係閣僚の多くが内閣府に設置するよう求めている。

 新案では、保安院と原子力安全委の統合を先行実施するとし、「2012年4月の設置を目指す」と明記。東京電力福島第一原子力発電所事故の検証作業や原子力政策見直しを踏まえ、原子力安全規制組織のあり方を検討するとして、「12年末をメドに新体制の成案を得る」としている。また、安全庁の長官を閣僚が務めるため、閣僚の増員を図るとともに、専門的な知見を生かした助言機関として「原子力安全審議会」(仮称)を安全庁の下に設置する。

経産省3首脳更迭:組織温存へ「先手」 首相主導を警戒 08/05/11 (毎日新聞)

 経済産業省の事務次官と資源エネルギー庁長官、原子力安全・保安院長が4日、そろって更迭されることが決まった。東京電力福島第1原子力発電所事故や、国主催の原子力関連シンポジウムを巡る「やらせ」問題への批判を受けて、政府は3首脳の「更迭」を強調。しかし、後任人事は省内順送りの顔ぶれが並び、「人事刷新」とは言い難い。政府内では菅直人首相主導の人事を警戒した経産省側が、組織温存に向けて機先を制したとの見方も出ている。【野原大輔、宮島寛、朝日弘行】

 ◇「海江田さんが気の毒」

 「(更迭された)3人が『一緒に辞めさせてもらいたい』という思いを(海江田氏に)伝えたと聞いている」。民主党の鳩山由紀夫前首相は4日、経産省3首脳の更迭人事を巡り、記者団に舞台裏を明らかにした。

 海江田氏は九州電力玄海原発の再稼働を巡る混乱の責任を取り辞任する意向を表明している。これを受け、松永和夫経産事務次官ら3氏は海江田氏とともに辞任すると申し出たという。海江田氏は民主党内の鳩山グループに所属しており、4日、鳩山氏に報告した。

 海江田氏は2日、首相に更迭人事に踏み切る方針を報告していた。しかし、朝日新聞が4日付の朝刊で「菅首相が3首脳を更迭する方向」と報道。首相の指示で海江田氏が動いたような報じられ方について、経産省筋は「海江田さんが気の毒だ」と反発を強めた。

 経産省内には元々、海江田氏が進めた中部電力浜岡原発の停止要請を首相が記者会見して発表したことへの不満がくすぶる。海江田氏は鳩山氏に、報道について「浜岡の時と一緒だ」と怒りをぶちまけたという。

 菅首相は東日本大震災の発生後、原子力行政を推進してきた経産省への不信感を強め、原発を規制する保安院を経産省から分離するよう指示。首相の意向を受けた細野豪志原発事故担当相が環境省に「原子力安全庁」(仮称)を設置する試案をまとめている。原子力行政を巡る官邸と経産省との主導権争いが、人事の疑心暗鬼を招く結果となった。

 閣内の綱引きを見透かすように、みんなの党の渡辺喜美代表は4日、記者団に「既定路線の人事を更迭と称してやっているだけ。官邸と海江田さんの手柄争い」と皮肉った。自民党の谷垣禎一総裁も同日の会見で「首相あるいは大臣の政治責任を棚上げする形で人事を行う点に疑問を感じざるを得ない」と批判した。

 政府の原発事故対応を指揮してきたのは菅首相だ。それにもかかわらず、自身は退陣を先送りし続ける首相の姿勢には与党からも批判の声が上がる。鳩山氏は「経産省だけでなく、いろいろな役所が十分に機能していない。責任は当然トップにある」と述べ、首相の早期退陣を要求した。

 民主党の輿石東参院議員会長は4日の会見で、経産省人事に関連して「政治家の出処進退は首相を含め自らが最終的に決めることだ。そのうちに結論が出る」と表明。今国会が閉会する8月31日までに、退陣時期を明確にするよう求めた。

 ◇後任人事は「順当」

 「経産省を毛嫌いする菅直人首相に人事をもみくちゃにされないよう、自ら決断したものだ」。経産省幹部は、事務次官ら3人の「更迭」をこう解説した。トップの首を差し出すことで、「減原発」などの路線を掲げる官邸の影響力を排除するとの見方だ。省内では事実上の「組織解体」を懸念する声さえ広がり、追い詰められた経産省には組織防衛の手段は限られていた。

 経産省は東京電力福島第1原発事故で、電力会社への天下りなど官民もたれ合いの構図が批判された。さらに幹部のインサイダー取引疑惑や女性問題が浮上。原子力安全・保安院の「やらせ問題」まで発覚し、信頼は地に落ちた。首相は経産省への不信感を強め、保安院の分離を固めたが、省内には「エネルギー政策を丸ごと他省庁に移されるのでは」との危機感すら漂っていた。

 実際に首相は、震災後のエネルギー政策見直しを、国家戦略室が事務局を務める「エネルギー・環境会議」が主導する構図を描いた。同会議は7月、「減原発」を柱とする政策見直しの「中間整理」を公表。経産省も近く、経産相の諮問機関「総合資源エネルギー調査会」で見直し議論を始めるが、既に方向性を決められた形だ。

 一方、円高や電力不足対策は喫緊の課題。政府は現状の円高水準が続いた場合、雇用対策や中小企業支援などを迫られる。足踏みしているTPP(環太平洋パートナーシップ協定)をはじめ、政府が成長戦略のカギと見る経済連携協定(EPA)推進など、経産省が担当する懸案は多いが、このままでは政策が停滞しかねない。「官邸との対立関係を続け、政策の空転を招く可能性を残すぐらいなら、経産省は解体的な出直しを図った方が良いのでは」(内閣官房幹部)との声もある。

 もっとも、経産省が固めた新体制については「刷新とは言えない」(経産省関係者)との見方も強い。松永和夫次官の後任には、「次官待ちポスト」とされる経済産業政策局長の安達健祐氏を起用。経済産業審議官との年次逆転が発生したものの「大部分は順当な人事」。解体的な出直しからはほど遠いとも言える。

【事務次官】安達健祐氏(あだち・けんゆう)東大卒。77年通産省(現経済産業省)。官房長を経て10年7月から経済産業政策局長。59歳。愛知県出身。

【原子力安全・保安院長】深野弘行氏(ふかの・ひろゆき)慶大卒。79年通産省。近畿経済産業局長を経て11年3月から商務流通審議官兼原子力安全・保安院原子力災害特別対策監。54歳。神奈川県出身。

【資源エネルギー庁長官】高原一郎氏(たかはら・いちろう)東大卒。79年通産省。関東経済産業局長を経て10年7月から中小企業庁長官。55歳。東京都出身。

海江田経産相:事務次官・保安院長・エネ庁長官を更迭 08/04/11 (毎日新聞)

 海江田万里経済産業相は4日、経産省の松永和夫事務次官(59)を更迭し、後任に安達健祐経済産業政策局長(59)を充てる人事を内定した。同じく更迭する寺坂信昭原子力安全・保安院長(58)の後任に深野弘行商務流通審議官(54)、細野哲弘資源エネルギー庁長官(58)の後任に高原一郎中小企業庁長官(55)をそれぞれ昇格させる。松永氏らは12日付で退任し、細野氏は9月1日付で退任する。東京電力福島第1原子力発電所事故への一連の対応や国主催の原発シンポジウムでの「やらせ問題」などの責任を問うため。

 海江田氏は会見で「人事権者は私だ。経産省の人事の刷新、人心一新について1カ月ぐらい前から考えていた私の考えを次官にも指示した」と説明。2日に首相官邸で菅直人首相に報告したことを明らかにした。また、3氏以外の幹部職員の異動なども行う考えを示した。

 海江田氏も停止中の原発の再稼働を巡る混乱などで自らの辞任に言及しているが、会見では去就について、「私一人で決めさせていただく」と明言を避けた。

 経産省では、福島第1原発の事故を巡って津波対策などの不備が明らかになったことに加え、原発を規制する役割を担う原子力安全・保安院が国主催の原発シンポジウムに際し、中部電力や四国電力に動員や原発賛成発言を依頼する「やらせ問題」が発覚。さらに、資源エネルギー庁幹部の株のインサイダー取引疑惑など不祥事が相次ぎ、経産相は同省の首脳3人の辞任は避けられないと判断した。

 松永氏は原子力安全・保安院長、経済産業政策局長を経て10年7月に次官就任。寺坂氏は09年7月から原子力安全・保安院長、細野氏は10年8月から資源エネルギー庁長官を務めている。【野原大輔、宮島寛】

これまでは新基準値(1キロ当たり100ベクレル)を超える放射性セシウムが検出されても誰かに食べさせてきた。新基準値で出荷停止になった から困るでは虫が良すぎないか?確かに東電の責任である。しかし自分達に責任が無いと言って、1キロ当たり100ベクレルを超える放射性セシウムが検出されても 出荷し、誰かに食べさせてきた事実をどのように受け止めているのか?

異例であるが東電から補償を貰って、国から特別な許可を貰い九州などに移住して漁師を続けるのか、漁師以外の人生を始めるべきであろう。 放射性セシウムの問題は簡単には解決できない。インチキをするか、騙すほかに漁師を続けていないだろう。

「稼ぎ頭」次々出荷停止 放射線基準値 漁業にジワリ 関係者からは焦りといらだち (1/2ページ) (2/2ページ) 05/09/11 09:54 (産経新聞)

 食品中の放射性物質の新基準値施行から半月。数値の厳格化により出荷停止となる品目が相次ぐ中、その影響は海産物にも及んでいる。政府は12日の仙台湾のスズキに続いて、13日には茨城沖のシロメバルも出荷停止を指示した。海産物の出荷停止は昨年4月の福島県のコウナゴ(イカナゴの稚魚)以来1年ぶりで、漁業関係者からは焦りといらだちが聞こえてくる。

 「スズキは仙台湾沖の定置網漁で、4月から夏にかけての稼ぎ頭。これがまったくダメとなると、漁業関係者の受けるダメージは大きい」。宮城県漁協の担当者は出荷停止をこう嘆く。

 宮城県では2~3月、仙台湾のスズキ3検体から新基準値(1キロ当たり100ベクレル)を超える放射性セシウムを検出。県や水産関連団体による県水産物放射能対策連絡会議は先月30日、新基準値適用に先駆け、仙台湾の一部海域で取れたスズキの出荷を自粛していた。

 安全を追求した措置だが、一方では「基準値超えの魚は流通していない」として新基準値適用以降に出荷停止の指示を避けるという狙いもあったという。

 シロメバルが出荷停止になった茨城県も独自基準を設定している。現在、新基準値より厳しい同50ベクレル超を検出した魚は出荷、販売の自粛を行い、市場に出回る魚の安全性をアピールしてきた。シロメバルも自粛対象に含まれている。

 しかし両県の思惑は外れ、相次いで、出荷停止という結果になった。「自粛中で安全な魚しか出ていない中、出荷停止の指示は本当に必要なのか」。茨城県の担当者はこう嘆く。

風評被害懸念

 消費者から食の安全に厳しい視線が送られる中、漁業関係者が恐れているのは、出荷停止から始まる風評被害への懸念だ。

 「海はつながっている」という宮城県内のある漁協幹部は「同じ県内の魚が出荷停止になると、他の魚や漁場まで危険と思われるのではないか」と危惧する。

 水産庁によると、これまでに調べた水産物計8572検体(3月31日現在)のうち、500ベクレルを超えたのは252検体。一方で100ベクレル超になると1476検体に跳ね上がる。

 基準値超えの多くを占めるのは福島県沖の魚だが、東京電力福島第1原発事故以降、同県沖の漁は全面自粛されており、政府はコウナゴを最後に出荷停止の指示を出していない。

自粛にとどまらず

 厚労省は「全面的に漁が行われていない福島はリスク管理ができている」と説明。一方で、「ほかにも漁が行われている地域は管理が難しい」として、自粛にとどめることは難しいとする姿勢を見せている。

 厳格化された新基準値の運用に伴い、宮城、茨城の各県は、週30~40検体程度だったサンプル検査を週約100検体に増やした。このため今後も新基準値を超え、出荷停止となる海水魚が続出する可能性がある。

 水産庁は「自治体と連携しながら、できるだけ検査の網の目を細かくするのが重要になる」としている。

北電元課長、プルサーマル巡り図書カード詐取か 0/28/12 15時29分(読売新聞)

 北海道電力の元課長が泊原子力発電所のプルサーマル計画で「地域住民に説明する際に配りたい」と偽って、札幌市内の百貨店から図書カードをだまし取った疑いが強まり、道警は28日にも詐欺容疑で元課長の取り調べを始める。

 容疑が固まり次第、逮捕する。百貨店側は、詐取された図書カードは約2800万円分として、昨年8月、北電側の代金支払いを求め、札幌地裁に提訴している。

 道警幹部や訴状によると、元課長は北電企画部で顧客などへの贈答品を購入する立場だった昨年2~3月、札幌三越などの百貨店を経営する「札幌丸井三越」の担当者に虚偽の説明をし、図書カードを購入するとしながら、代金を払わず、だまし取ったという。

 北電は昨年7月、元課長を諭旨解雇とした。係争中の訴訟については「元社員のプライベートでの行為で、当社に責任はない」として組織的な関与を否定している。北電は「プルサーマルの説明会で図書カードなどの金券を配ることはない」とコメントしている。

今の日本政府は絶対に緊急時には適切に機能しないことが分かった。情報伝達に問題がある。命令が実行されない。 現場の状況も把握できない。民主党は口だけであるとこも明確になった。言った事を守ると信じること自体、意味がない。 事実走らないが、結果としてOKと言うことにしたのか疑問である。どのケースにしても今の日本政府は当てにならない。 東電存続のシナリオ自体、1年も経たないうちに変更があるかもしれない。国民をだまして東電グループ、金融機関及び株主だけを 救済して恩を売るだけかもしれない。民主党のシナリオ自体、信用できない案である可能性が非常に高いと思う。

海水注入は継続していた…原発・吉田所長が判断 05/26/11 15時29分(読売新聞)

 東京電力の武藤栄副社長は26日、福島第一原子力発電所1号機で東日本大震災の発生翌日に、同社が冷却用の海水注入を中断していたとされる問題で「注入中断はなく、継続していた」と発表し、21日に政府・東電統合対策室が公表した調査結果を訂正した。

 同原発の吉田昌郎所長が、事態の悪化を阻止するためには注水継続が必要と判断し、中断を見送っていたという。

 統合対策室はこれまで、東電が3月12日午後7時4分に海水の試験注入を始めた後、原子炉の「再臨界」の可能性を懸念した官邸の意向に配慮し、同25分に独断で注入を中断したとの調査結果を公表。

 しかし、公表翌日の22日には、班目春樹・内閣府原子力安全委員長が、再臨界に関する自分の発言内容が異なると抗議し、調査内容を訂正していた。

 1号機では震災後、炉心溶融(メルトダウン)と水素爆発が相次いで発生。海水注入の中断によって、圧力容器の損傷が悪化した可能性が指摘されていた。

おもしろい選挙だ。脱原発か原発なのか青森県民しだい。利権や利益に大きく関わる企業は原発が安全であろうがなかろうが、反対すれば仕事がなくなる。 民主党は問題がある。しかし脱原発を青森県民が望まないのであれば、運悪く福島第一原発のような事故が起こっても自己責任と言うことになる。 福島第一原子力発電所事故によりどのようなことになったのか、青森県民は知っている。運が良ければ同じような事故は起こらない。起これば 同じようなことになる。国民負担により賠償を支援しない限り事故がおこったら青森はおしまい。本州の端だから放置される可能性もないわけではない。 青森県民がどのような選択をするのか選挙結果が楽しみだ。

民自対決・原発政策が争点に…青森県知事選  05/21/11 17時38分(読売新聞)

 東日本大震災で大きな被害を受けた東北地方で初めての知事選となる青森県知事選(19日告示、6月5日投開票)は、原子力政策の見直しを追い風にしたい民主党と、過去のエネルギー政策への批判に神経をとがらせる自民党が候補を推薦する「与野党対決」の構図となっている。

 黒雲に覆われた陸奥湾から、強風が吹き付けていた。

 「下北半島に集中立地する原子力発電所は、計画段階のものは凍結したい。安全なくして経済や地域振興なし、だ」

 民主、国民新推薦で新人の山内崇は20日、下北半島の西端近くにある、むつ市脇野沢で、15人の聴衆に声を張り上げた。

 むつ市の周辺には、稼働中の東北電力東通原発1号機に加え、東京電力東通原発、大間原発など建設中・計画中の原発が2基ずつ存在する。市内では使用済み核燃料中間貯蔵施設の建設が進行中で、下北半島には原子力関連施設がひしめきあっている。

 民主党は、4月の統一地方選で惨敗した。山内が原発政策の見直しを前面に掲げるのは、菅首相が中部電力浜岡原発(静岡県御前崎市)の原子炉運転停止を求めた「政治決断」を追い風にしたい思惑がある。読売新聞社の世論調査では7割近くが「決断」を評価した。脇野沢地区に住む50代の男性漁師は「一番聞きたいのは原発の安全性だ」と語った。

 ただ、再処理事業者が納める核燃料税は、県税収入の13%を占めており、山内の凍結表明には戸惑いも広がっている。電力系労組や建設業者の一部からも、「応援できない」といった声が上がっているという。

 さらに、15日に大間原発を視察した民主党の岡田幹事長が「既にできているもの、できつつあるものは安全性を高めながら利用していかなければ、日本の電力は賄えない」と発言するなど、原発を巡る民主党のスタンスは定まっていない。

 一方、3選を目指す三村申吾を推薦した自民、公明両党は、大差の勝利をねらう。自民党は衆院への内閣不信任決議案提出のタイミングを計っており、今回の知事選を「菅降ろし」の決定打にしようとしている。大島理森副総裁(衆院青森3区)も告示日から地元に陣取り、「民主党内の『菅降ろし』を勢いづかせる好機だ」と県連幹部にげきを飛ばす。

 自民党にとって気がかりなのは、東京電力福島第一原子力発電所の事故が、原子力政策を推進してきた同党への逆風になりかねないことだ。谷垣総裁も「過去の原子力政策には盲点もあったことは否定できない」としており、陣営幹部は「原発事故の影響は避けられない」と表情を曇らせる。

 19日の出陣式では、木村太郎・自民党青森県連会長が「我々は日本のエネルギー政策に責任を持つため、原子力政策に取り組んできた」と強調したが、原発立地に前向きだった三村は、原子力政策への言及は極力避け、経済振興に演説の力点を置いている。

 共産党公認の吉俣洋は、建設・計画中の原発の白紙撤回を主張している。(敬称略)(政治部 塩見尚之、青森支局 高橋勝己)

「審査の指針の一つとして安全委は90年に59項目の「安全設計審査指針」を作成した。電源については、『長期間にわたる電源喪失は送電線の復旧、非常用発電機の修復が期待できるため、考慮する必要はない』と記していた。」

90年に59項目の「安全設計審査指針」が作成された時のメンバー及びなぜ安全設計審査指針が改定されなかったのか公表してほしい。納得できる理由がなければ、 内閣府原子力安全委員会のメンバー選定の基準や体質改善の必要がある。

福島第1原発:原子力安全委、安全設計審査指針を改定へ  05/19/11 15時00分(毎日新聞)

 全電源を失った東京電力福島第1原発の事故を受け、内閣府原子力安全委員会(班目(まだらめ)春樹委員長)は19日までに、原発の安全設計審査指針を改定する方針を固めた。現行指針では、外部電源や非常用ディーゼル発電機といった電源を長期間失う事態について「考慮しなくてもよい」と明記している。

 改定は政府による事故原因究明を待たず、すみやかに着手する方針だ。電力会社などが原発を建設する場合、国に設置許可を申請し、国や安全委が安全審査を実施する。

 審査の指針の一つとして安全委は90年に59項目の「安全設計審査指針」を作成した。電源については、「長期間にわたる電源喪失は送電線の復旧、非常用発電機の修復が期待できるため、考慮する必要はない」と記していた。

 安全委は来月以降、同指針の見直しに着手。長時間の全電源喪失を想定したものに改める。同指針の改定は、01年の一部改定以来10年ぶり。指針とは別に、海江田万里経済産業相の指示で、全国の原発が複数の非常用電源を備えるなどの緊急安全対策を進めている。

 福島第1原発では、東日本大震災で鉄塔が倒れるなどして外部からの電力供給が途絶えた。

 1~6号機に備えていた非常用ディーゼル発電機13台のうち12台が津波で使えなくなり、ほぼすべての電源が一度に失われた。

 電源確保までの間、炉心や使用済み核燃料プールが冷却できず、放射性物質の大量放出を招いた。【岡田英】

東電の解体を選択肢とするべき。発送電分離案を進めるべきだ。新規参入や他の電力会社に募集を打診するべきだ。 東京電力でなくとも管理できるはずだ。東電の対応はかなり常識はずれなので、待っていると時間のロス。同時進行するべきだ。 東電がどうしても存続したいとOBや社員達が考えればかなりの譲歩もするだろう。譲歩できないのであればそのように対応すればよい。 東電が将来的に安定していると思うのであれば、資産や施設の売却に興味を示す企業や電力会社はいるはずだ。将来への投資と考えれば それなりのオファーの可能性もあるし、このようなチャンスは二度とないだろう。投資する会社や投資するグループにも検討する 時間を与えるべきだ。また、入札先の情報や入札条件も検討する必要もある。東電の発送電分離も「選択肢」だとちらつかせるだけでなく 実際に実行するべきだ。証券会社の山一の散った。常識は非常識となる。栄枯盛衰なのだから問題ない。

東電の発送電分離「選択肢」…枝野長官  05/16/11 13時06分(読売新聞)

 枝野官房長官は16日午前の記者会見で、東京電力の発電事業と送電事業の分離など、同社の経営形態を見直す可能性について、「選択肢としては十分あり得る」と述べた。発送電の分離については、玄葉国家戦略相も15日のテレビ朝日の番組で「発電と送電の分離など様々な電力事業形態のあり方を自由に議論する必要がある」と述べ、検討対象になるとの考えを示している。

 また、枝野氏は福島第一原子力発電所事故の被害補償に関連し、同社が社員の退職金や企業年金削減を検討していないとしていることについて、「あまり東京電力の置かれている社会的状況を理解されていないと感じた」と批判した。

 その上で、「(事故賠償を巡って設置する)第三者委員会で、内部の状況を政府としても把握したい。それを踏まえて具体的に検討したい」と述べた。

津波被害の文献知りながら「記録なし」と説明 関西電力 05/27/11 (毎日新聞)

 関西電力の原発がある福井県若狭地方での過去の津波被害をめぐり、関電が被害を記述する文献の存在を把握しながら、「文献記録はない」と地元などに説明してきたことが26日、分かった。

 文献に記述があったのは1586年に発生した「天正大地震」。敦賀短大の外岡慎一郎(とのおか・しんいちろう)教授(日本中世史)によると、京都の神社に伝わる「兼見卿記(かねみきょうき)」と、ポルトガル人宣教師ルイス・フロイスの「日本史」の二つの文献に、若狭地方が地震にともなう大津波に襲われ、多数の人が死亡したとする記述があった。

 一方、これまで関電は地元への広報誌などで、「文献などからも周辺で津波による大きな被害記録はありません」と説明してきた。

 関電によると、1975年発行の「日本被害地震総覧」(東京大学出版会)が天正大地震は岐阜県付近を震源とする内陸地震だったとしていることから、同社は「津波は起こらなかったと判断した」(広報)という。兼見卿記など二つの文献の内容は81年に把握していたが、「総覧は過去の被害を網羅したもので、より信用性が高いと判断した」という。

 ただ、都合の良い記述だけをもとにした説明との批判が起こる可能性もあり、今後、関電の説明責任が問われそうだ。夏の電力供給のカギを握る福井県内の原発の運転再開を認めるかどうか、地元の判断にも影響する可能性がある。(清井聡、溝呂木佐季)

他の電力会社の人間が信頼できるかについて何とも言えないが、東電だけでなく他の電力会社の担当者を呼んで原発問題の対応の オブザーバーとして立ち会わせるほうが良いのではないか。今後の経験やもし他の電力会社に引き継がせるケースのあった場合等に 有益ではないのか。それに東電だけに任せておいて良いのかと心配でもある。多くの人達を招き、オープンにしたほうが良い。 金融界の人間は金のことしか考えていない。原発の数を減らすにしても、止めるにしても最後まで管理しなければならない。 東電の解体や東電の消滅も選択対応にいれて対応するべき。

福島第1原発:地震16時間後、燃料の大半溶融 1号機 05/15/11 21時36分(毎日新聞)

 福島第1原発事故で東京電力は15日、1号機では地震発生から16時間後には燃料の大部分が溶融したとする暫定解析結果を発表した。地震直後の炉心の状況が判明したのは初めて。1号機の燃料損傷について東電は、3月に70%と発表し、4月に55%へ修正。経済産業省原子力安全・保安院も当時、メルトダウン(炉心溶融)に否定的な見解を示しており、当事者の見通しの甘さが示された。

 5月上旬に必要なデータが判明し、重大事故を解析するプログラムにデータを入力して炉心溶融したとみられる1号機の圧力容器内の状況を解析した。

 東電によると、地震発生直後には圧力容器内の蒸気を冷やす「非常用復水器」が働いていたが、3月11日午後3時半ごろに1号機に津波が到達して機能が喪失したと仮定した。

 解析の結果、津波到達直後から圧力容器内の水位が急激に下がり始め、午後6時ごろに燃料頂部が水面から露出。同7時半ごろに燃料が完全に水面上に出て空だき状態になって損傷が始まり、同9時ごろには炉心の温度が燃料の融点(2800度)に達した。

 同日の午後7時50分ごろには燃料上部が溶融して崩落し始め、16時間後の12日午前6時50分ごろには、燃料の大部分が溶融し圧力容器底部に落下するメルトダウンの状態になった。東電は、この時点で圧力容器の底が損傷して水が漏れ始めたと推定している。ただ、損傷は限定的とみている。

 同午前5時50分ごろから炉心に淡水を入れ始めた。しかし、解析によると水位は容器が損傷した同6時過ぎに急激に下がって燃料の下端から4メートル下になり、その後、海水を注入しても変化はなかった。

 東電は「その後の注水で継続的に燃料の冷却ができている。今後大規模な放射性物質を放出する事態にはならない」としている。

 地震から2カ月以上たった15日に発表したことについては、5月上旬から原子炉の温度や圧力など詳しいデータが入り始めたため解析を始め、13日に結果が出たという。2、3号機でも同様の解析を実施する。【関東晋慈、江口一、藤野基文】

「男性のいた建物地下2階に汚染水が貯蔵されていたが、男性は防護服を着ており、被曝(ひばく)線量は0・17ミリ・シーベルトで、身体に放射性物質の付着はなかったという。」

東電は自己中だから「死に損」かもね!「被曝(ひばく)線量は0・17ミリ・シーベルト」は記録されている数値それとも本当の数値。 まあ、改ざんしたり記録をつけていなくても通報する人達がいなければ真実などわからないから調べても何も出てこないだろう。 「男性は防護服を着いていた」から問題ないとは言い切れない。作業環境や作業に従事していない時の環境はどうだったのか? まあ、本人の選択だったら何もいえないね。これから作業に従事する人達は良く考えて報酬や労働条件を交渉したほうが良いだろう。

福島第一原発作業員が体調不良、病院で死亡 05/14/11 13時19分(読売新聞)

 東京電力の福島第一原子力発電所で14日午前6時50分頃、機材の搬送をしていた東電の協力企業の60歳代の男性作業員が意識不明となり、福島県いわき市内の病院に運ばれたが、午前9時33分に死亡した。

 同原発の復旧作業中に作業員が死亡したのは初めて。東電で死因などを確認している。

 東電によると、男性は午前6時頃から、高濃度汚染水が移送されている集中廃棄物処理施設内の4つある建物の一つで、同僚男性と電動ノコギリを2階から1階に搬送している最中に体調不良を訴えた。同原発内の医務室に運ばれ、作業員の活動拠点「Jヴィレッジ」で医師の診察を受けた後、午前8時35分頃、病院に搬送された。男性のいた建物地下2階に汚染水が貯蔵されていたが、男性は防護服を着ており、被曝(ひばく)線量は0・17ミリ・シーベルトで、身体に放射性物質の付着はなかったという。男性は、前日の13日から同原発に入り、午前6時~9時の作業時間で働いていたという。

「清水社長は海江田経産相あての支援要請の文書で『(東電が)資金面で近く立ちゆかなくなり、迅速な補償だけでなく、電気の安定供給にも支障をきたすおそれがある』とした。 そのうえで、東電の賠償を政府が支援する枠組みの策定を求めた。」

優しい言葉で「助けてくれなければ、あなたが困るでしょ。」と言っているのと同じだ。資金面で近く立ちゆかなくなるなのであれば、 東電全社員のボーナスをカットするべきでないのか。ボーナスなしでやっている中小企業の従業員はたくさんいる。彼らから徴収された税金の 一部も東電救済に使われるのだ。もっと真剣にリストラを考えるべきだろう。東電を解体したほうが良いのではないか!

1号機、燃料棒すべて落下の可能性と発表 05/12/11(読売新聞)

 東京電力は12日、福島第一原子力発電所1号機の原子炉圧力容器の水位が、当初の想定より大幅に低く、完全露出した核燃料が、容器底部に落下しているとみられると発表した。

 原子炉を冷やすため水で満たす冠水(水棺)作業が進む格納容器内の水位もはっきりせず、水は漏れだした可能性が高い。東電は「圧力容器の温度は100~120度と安定しているが、冠水作戦は再検討が必要」と説明し、毎時約8トンの注水量を増加させる検討を始めた。

 東電によると、圧力容器の水位は、10日から原子炉建屋内に入った作業員が水位計を調整して判明。これまで水位は、燃料頂部から約1・6メートル低い位置で事故直後からほとんど変化しなかった。そのため、水位計を調整したところ、燃料頂部から5メートル以上低いことが明らかになった。燃料は長さが約4メートルであることから、完全に冷却水から露出した状態。東電は、既に燃料の大半は溶けたり、崩れたりして、底部に落下したとみている。経済産業省原子力安全・保安院は、圧力容器の温度も低いことから、「燃料は容器底部にたまった水によって冷やされている」と指摘した。

「清水社長は海江田経産相あての支援要請の文書で『(東電が)資金面で近く立ちゆかなくなり、迅速な補償だけでなく、電気の安定供給にも支障をきたすおそれがある』とした。 そのうえで、東電の賠償を政府が支援する枠組みの策定を求めた。」

優しい言葉で「助けてくれなければ、あなたが困るでしょ。」と言っているのと同じだ。資金面で近く立ちゆかなくなるなのであれば、 東電全社員のボーナスをカットするべきでないのか。ボーナスなしでやっている中小企業の従業員はたくさんいる。彼らから徴収された税金の 一部も東電救済に使われるのだ。もっと真剣にリストラを考えるべきだろう。東電を解体したほうが良いのではないか!

東電会長ら役員報酬返上へ 原発賠償、政府に支援要請 05/10/11(朝日新聞)

 東京電力の清水正孝社長は10日午前、首相官邸に枝野幸男官房長官、海江田万里経済産業相らを訪ね、福島第一原子力発電所の事故に伴う損害賠償について政府の支援を要請した。要請を受け、海江田経産相は13日を目標に政府支援の枠組みを決める意向を示した。

 清水社長は支援要請にあたって、枝野官房長官らに「我々の最大の合理化が前提」などと話し、追加のリストラ策を示した。代表権を持つ会長、社長、副社長の8人が役員報酬を全額返上する。東電の役員報酬の平均は2009年度で年約3700万円にのぼる。

 保有株式や不動産、事業の整理など資産売却も当初の3千億円程度から積み増す。5千億円前後にするとみられ、「できる限りの資金を捻出し、賠償に充てる」としている。

 一方、清水社長は海江田経産相あての支援要請の文書で「(東電が)資金面で近く立ちゆかなくなり、迅速な補償だけでなく、電気の安定供給にも支障をきたすおそれがある」とした。そのうえで、東電の賠償を政府が支援する枠組みの策定を求めた。

 要請を受けた後に記者会見した海江田経産相は、役員報酬返上を「評価する」と述べた。これを踏まえ、政府の支援枠組み策定は「13日を目標としたい」と語った。また、10日夜にも、賠償に伴う電気料金値上げを抑えることなど、政府からの要望を伝えるとした。

 東電は賠償金を捻出するため、これまでに役員報酬の半減や一般社員の年収2割削減、新卒採用見送りなどのリストラ策をまとめていた。しかし、閣僚の一部などから、東電のリストラが不十分なままでは政府支援に踏み切ることが難しいとの意見が出ていた。

 菅政権は原発事故の被害者への賠償を進めるため、東電の賠償を支援する方針。この枠組みについて関係閣僚らが最終調整を続けている。

 東電の賠償額は数兆円規模とみられる。政府支援がまとまらないと、5月中旬に予定している11年3月期の決算発表が遅れる恐れもある。

工程表見直しは想定内だろ。工程表通りに行く分けないと多くの人達は思っていたはずだ。これだから信用されないんだよ。

「名古屋大大学院の山沢(やまざわ)弘実教授(環境放射能)は『土壌汚染は、土に付着するセシウムから出るガンマ線による外部被ばくが問題』と 指摘、放射線量低減には土の入れ替えが有効と提案する。」多くの人達はテレビやインターネットでそれぐらい知っている。問題は、汚染された土壌を どこに持っていくかだろ。どこへ持って行っても歓迎されないし、拒否するだろう。山に埋めれば飲み水が汚染される。簡単に解決できる問題じゃないよ。 誰かをだまして受け入れさせるかしかないか、極秘に投棄するしかない。

福島第1原発:工程表見直しへ 冷温停止へ課題山積 05/10/11(毎日新聞)

 東京電力福島第1原発が東日本大震災で被災して11日で2カ月。政府と東電は先月17日に示した工程表に沿って、6~9カ月以内に原子炉内の温度を100度以下の「冷温停止」にするとの目標を掲げているが、克服すべき多くの課題がある。細野豪志首相補佐官は「事態は少しずつ進展しているが、全体としては引き続き目を離すことはできない」としており、発表から1カ月となる17日には工程表を見直す方針だ。【河内敏康、足立旬子、野田武】

 作業が最も進んでいるのは1号機だ。10日には原子炉圧力容器の水位計が動作するよう調節する作業が完了。11日には格納容器の圧力計を調節する。原子炉を安定的に冷やすための循環型冷却システム設置準備も進んでいる。

 だが、課題もある。原子炉建屋内の一部で9日、1時間当たり600~700ミリシーベルトもの高い放射線量を測定。作業計画の見直しを迫られる恐れもある。

 2号機では、タービン建屋の地下などにたまっている高レベルの放射能汚染水が問題だ。汚染水の移送作業を続けているが、思ったほど水位が下がっていない。原子炉建屋内の湿度が高いことも課題になりそうだ。

 最も破損が大きい3号機では、圧力容器内の温度が下がりきっていない。注水量を増やしたが、効果が十分に得られていない。4号機は、爆発で原子炉建屋が大破した。東電はプールの健全性を確保するため、プールを下から支える構造物を設置する。

 日本記者クラブで10日、講演した松浦祥次郎・元原子力安全委員長は、夏場に密封性の高い防護服での作業は、熱中症になる恐れがあると指摘。長期化に対応するため、作業環境の改善と医療体制の充実が急務と指摘した。

 福島第1原発からの放射性物質の放出も続き、福島県内の土壌に放射性物質が蓄積することによる、影響の長期化が懸念される。

 ◇北西側地域の土壌、避難レベル超す

 文部科学省は4月、米エネルギー省と共同で航空機を使ってセシウム137(半減期約30年)の土壌蓄積量を調べたところ、原発の北西方向にあたる同県浪江町、双葉町、南相馬市、飯舘村、葛尾村などで、1平方メートルあたり300万~1470万ベクレルに達した。旧ソ連のチェルノブイリ原発事故(86年)で、住民避難の判断基準とされた1平方メートルあたり55万ベクレル以上という数値を大幅に上回った。

 今回の事故による避難地域は、国際放射線防護委員会(ICRP)の勧告をもとに、空間線量が年20ミリシーベルトという数値を基準としたため、蓄積が多くても避難対象ではない地域がある。

 文科省は「土壌の放射性物質が、すぐ体内に入るわけではない。測定場所によって濃度も異なる」と説明する。一方、今後の住民の帰宅や農業の可否の判断にあたり、土壌の汚染度が議論になる可能性がある。

 名古屋大大学院の山沢(やまざわ)弘実教授(環境放射能)は「土壌汚染は、土に付着するセシウムから出るガンマ線による外部被ばくが問題」と指摘、放射線量低減には土の入れ替えが有効と提案する。

 またガンマ線は土の中を通りにくい性質があるため、「同じ場所で土を上下で入れ替えることも効果がある。空間中の放射線量をできるだけ低く抑えることが大切だ」と話す。

焼却灰から高濃度セシウム 茨城の下水処理場 05/10/11(産経新聞)

 茨城県は9日、県内の下水処理場で3、4日に採取した汚泥の焼却灰から、高濃度の放射性セシウムを検出したと発表した。汚泥やその焼却灰の放射性物質の基準値はなく、県は国土交通省に早急な基準値設定を要望した。

 県は、雨で地表の放射性物質が流れ込んだことや、焼却したことにより汚泥が圧縮されたことが原因とみている。今回は3施設で検査を実施しており、県内の残り5施設も早急に検査する方針。

 県によると、那珂久慈浄化センター(ひたちなか市)の汚泥の焼却灰から1キログラム当たり120ベクレルの放射性ヨウ素、同1万7020ベクレルの放射性セシウムを検出。霞ケ浦浄化センター(土浦市)の焼却灰からは同7545ベクレルのセシウムを検出した。

 さしまアクアステーション(境町)の汚泥からはヨウ素100ベクレル、セシウム252ベクレルを検出した。

下水道汚泥から放射性セシウム44万ベクレル 福島県「住民への影響はない」 05/08/11(産経新聞)

 福島県は8日夜、県内15カ所の下水道終末処理場と4カ所の農業集落排水処理施設で行った処理後汚泥の環境放射線モニタリング調査の結果を発表した。今月2~4日の調査の結果、堀河町終末処理場(福島市)で汚泥1キロあたりの放射性セシウムが44万6000ベクレルに達した。

 横塚処理場(郡山市)で1万6100ベクレル、会津若松市浄化工場では1万7700ベクレル。他の処分場は1万ベクレルを下回った。汚泥には食品のような暫定基準値はない。

 県は、堀河町終末処分場で極端に高い数値が出た理由について、「汚水と雨水を合流させて処理する仕組みなので、地表の放射性物質を大量に含んだ雨水が混ざったためではないか」と分析。各施設とも敷地境界の放射線量があまり高くないため、「周辺住民への影響はない」としている。

 佐藤雄平知事は7日、県災害対策本部を訪れた大畠章宏国土交通相に対し、安全基準づくりと汚泥の処理方法を示すよう要請。大畠国交相は近日中の返答を約束した。

 今月1日に県中浄化センター(郡山市)で、セメントなどに再利用するために汚泥を高温で固めた溶融スラグから、33万4000ベクレルの放射性セシウムを検出。これを受けて、県内全域から19施設を抽出して調査を実施した。

 県は極端に放射線量が低かった施設を除き、再利用のための搬出を控えるよう市町村などに要請。福島市の堀河終末処分場では、汚泥をコンテナに詰めて施設内に保管しているが、あと1週間程度で保管スペースがなくなるという。

土壌のセシウム最高値 福島県浪江町 05/07/11(産経新聞)

 文部科学省は7日、福島第1原発周辺の土壌に含まれる放射性物質の調査で、原発の北西24キロの福島県浪江町で6日に採取した土1キログラム当たり、セシウム134とセシウム137を合計で78万ベクレル検出したと発表した。原発の半径20キロ圏外の土壌調査では最高値となった。

 半減期約2年のセシウム134を35万ベクレル、半減期約30年のセシウム137を43万ベクレル検出。同地点で3月30日に採取した土壌と比較すると、半減期約8日のヨウ素131の検出値は10分の1以下で、文科省は「減少していくヨウ素より、セシウムが放射線の主な放出源となる」としている。

「東電、代表取締役の報酬を全額返上」はいつまで続けるのか?期間が明確にされていない。「常務取締役については半減から60%に削減幅を5月から拡大する。」 も期間が明確でない。例えば、政府から借りるお金を全額返済するまでリストラを続けるとかもっと明確な提示が必要だろ。 「社員の給与も課長級以上の管理職が年俸を約25%、一般社員は年収の約20%を減額するとしていた。」については どうなるのか?東電がなくなればボーナスや退職金もなくなる。それを考えればリストラが甘い。これぐらいで政府に支援要請だなんて考えが 甘い。ボーナスも出せない会社で倒産や破産する会社もたくさんある。このような企業に税金による救済があったのか??税金を使う救済を 求めるにしてはリストラが甘すぎるだろ。

東電、代表取締役の報酬を全額返上 原発賠償で政府に支援要請 05/10/11(産経新聞)

 東京電力の清水正孝社長は10日午前、福島第1原子力発電所事故による周辺地域への賠償をめぐり、枝野幸男官房長官や海江田万里経済産業相らと首相官邸で会談し、政府の支援を求めた。併せて、役員報酬削減などのリストラ策を拡大することを明らかにした。

 会談で、清水社長は「当社として最大限の経営合理化に取り組んでいくが、被害者への公正かつ迅速な補償を確実に実施するため、国による支援をよろしくお願いします」と述べ、要望書を提出した。

 会談終了後、清水社長は記者団に対し、自身や勝俣恒久会長を含む代表取締役の報酬を全額返上することを明らかにした。これまでは半減するとしていた。また、常務取締役については半減から60%に削減幅を5月から拡大する。

 政府は賠償総額は数兆円にのぼり、電気料金の引き上げも必要になるとみており、賠償のための新機構設立を柱とする支援策を検討している。関係閣僚会議では、電気料金引き上げや政府が支援を行う前提として東電にリストラの徹底を求める声が強かった。

 東電は4月25日、社長ら常務以上の取締役の報酬を半減するほか、執行役員の報酬も40%減額するなどのリストラ策を発表。社員の給与も課長級以上の管理職が年俸を約25%、一般社員は年収の約20%を減額するとしていた。さらに東電は資産売却も進める考えだ。

 政府は、新機構を特別立法で設立する案を検討。将来の原子力事故の発生に備える保険機能も持たせることにし、電力各社に負担を求める。原資捻出のため、東電以外の電力会社でも電気料金の値上げにつながる可能性もある。

東電社長、政府に支援要請…追加燃料費1兆円 05/10/11(読売新聞)

 東京電力の清水正孝社長は10日午前、首相官邸を訪れ、福島第一原子力発電所事故の被害者への損害賠償策について、政府に支援を要請した。

 勝俣恒久会長や清水社長ら代表取締役8人の役員報酬を当分の間、全額返上するなどの追加リストラ策を説明し、政府の理解を求めた。

 清水社長は、枝野官房長官や海江田経済産業相らに対し、「最大の合理化をすることが前提となるが、ぜひ政府に支援をお願いしたい」と述べた。

 要請書では、今年度、火力発電への依存度が高まって燃料費が追加で1兆円近くかかるうえ、社債や借入金の償還・返済でも約7500億円が必要となることなどを説明。「資金面で早晩立ちゆかなくなり、補償に影響を与える恐れがあるばかりでなく、電気の安定供給に支障を来す恐れがある」として、政府に対し、支援の枠組みを早急に策定してもらうよう求めた。

福島第1原発:過酷作業 防護服にマスク「サウナ状態」 05/14/11 2時34分(毎日新聞)

 東京電力福島第1原発事故の復旧作業で、作業員らの安全確保のルールや手順がなし崩し的に緩和されていることが分かり、作業員の間に不安や戸惑いが広がっている。こうした規制の緩和に加え、過酷な作業環境やそれらに伴う人的ミス、専門外の慣れない作業内容など、作業員を取り巻く状況は複合的な危険にさらされているとの懸念も指摘されている。【町田徳丈、市川明代、日下部聡】

 福島県に住むベテランの下請け作業員は先月、福島第1原発のタービン建屋の汚染水を排水するため、現場でホースを取り付ける作業に従事した。原発から約20キロ南の福島県楢葉町にあるナショナルトレーニングセンター「Jヴィレッジ」で防護服や全面マスクなどの装備をもらい、所属する会社の車で第1原発の構内拠点の免震重要棟へ。作業直前に線量計をつけ、現場に向かった。

 暖かい季節となり、マスクなどのフル装備は「サウナスーツを着ているようなもの」。しばらくするとマスクには数センチの汗がたまり「熱中症で倒れている人がたくさんいる」という。「途中で苦しくなったら『しゃがんで落ち着いて深呼吸をしろ』と言われた。(作業は)正直2、3時間が限度。これから夏になったらさらにきつさが増す」と懸念する。

 作業にあたったのは約10人。タービン建屋の中は湿度が高く、さらに暑く感じたという。敷設したホースは太さ約10センチ、長さ20メートルほどの蛇腹。それを金具でつなぎ合わせて構内の集中環境施設のタンクまで延長する。

 現場のタービン建屋の床面はぬれていた。津波の水か放水かは不明だが「間違いなく放射性物質で汚染されている」と感じた。ホースは2人1組で運ぶが、重いため転がした。ホースもぬれ、「これ、やばいんじゃないの」と思わずつぶやいた。敷設の際には再び肩にかつぎ、首筋から後頭部にかけホースが当たった。防護服は耐水性のものではなく、水がしみ込んだ。「元請けの放射線管理担当者の事前サーベイ(調査)がちゃんとなっていなかった。原発の仕事で『水に触るな』は原則なのに」

 作業後、放射性物質が体に付着する「身体汚染」が判明した。一緒に作業していた約10人も同じだった。そもそもホースの敷設は専門外だった。「簡単に誰でもできる作業。だから『応援してもらいたい』(と元請けから依頼された)ということだったと思う。一緒にいた約10人は全員、ホースの作業は初めてだった。元請けの現場責任者から指示を受けてやった」

 身体汚染した作業員のうち3人は、放射性物質を洗い流す「除染」を完全にできなかった。暑さで毛穴が開き、そこに放射性物質が入り込んだ後、毛穴が閉じた疑いがあるという。だが、汚染部位などを記録した「確認証」を東電から発行され、作業に復帰した。

 「今は何でもあり。『まずは(原発の)いまの状態を止めろ』と。多少のことは目をつぶるという感じ」。作業員はそう指摘する一方、「怖いっすよ。この先、どのくらいの放射線量を浴びるのか」と漏らした。

福島第1原発:「除染」不完全でも作業 安全基準なし崩し 05/14/11 2時30分(毎日新聞)

 東京電力福島第1原発事故の復旧作業で、作業員の安全確保のルールや手順がなし崩し的に緩和されていることが、作業員らの証言で分かった。放射性物質が体に付着する「身体汚染」をした場合、体を洗う「除染」で完全に落とさなければならなかったが、今は完全に除染できなくても体のどこに付着しているかを示す「確認証」があれば作業に戻ることができるという。他にも多くの規制が緩んでいるため、作業員らは不安を訴え、専門家は懸念を示している。

 同原発構内の放射線量は高く、水素爆発した3号機の原子炉建屋付近には毎時900ミリシーベルトと高い放射線を出すがれきが見つかっている。通常、1日の作業で1ミリシーベルトを超す被ばくが見込まれる場合、元請け会社は作業員の予想被ばく線量を記した作業計画書を労働基準監督署に届け出て受領印をもらい、東電に写しを提出する。この際、元請けによっては、下請けにも写しを「特別許可書」として渡すルールがあるが、この特別許可書も現在なくなっているという。

 ある下請け作業員は通常渡される特別許可書をもらわず作業し、約2時間半で1.3ミリシーベルト浴びた。他の作業員ら計約10人で構内拠点の免震重要棟に戻り、防護服を脱いでスクリーニング(検査)したところ、それぞれ首や後頭部に身体汚染が確認された。

 約20キロ離れた拠点施設のナショナルトレーニングセンター「Jヴィレッジ」(福島県楢葉町)で専用の特殊シャンプーで洗ったが、作業員のうち3人は除染できず、いわき市の東電施設でもう一度洗ったものの、やはり落ちなかった。

 このため3人は、体の絵とともに汚染部位などが記載されている「確認証」を東電から発行され、作業に復帰したという。確認証があれば、復帰後のスクリーニングで汚染が検出されても問題視されないが、作業員は「除染しないまま作業に戻れば通常なら始末書もの」と疑問視する。

 また、身体汚染をした場合、作業員の所属する会社は、作業経緯や内容、汚染の状態などを報告書にまとめて元請けに提出し、元請けは東電に連絡することになっているが、いまだ報告書は提出されず、汚染を知る元請けや東電から提出も求められていないという。

 作業員は「東電も元請けも『この現場で汚染しない方がおかしい』との考えでしょう」と述べ、緊急時のためルールがなし崩しになっていると指摘。「原発を何とかしたいとの気持ちから(作業員の)みんなも『汚染しても仕方がない』という雰囲気だが、正直、不安はある」と語った。

 東電広報部は確認証について「(検査で)高い数値が出た人に異常がないことを示すものだが、いずれにせよ落ちるまで除染している」と説明。特別許可書(東電側では作業計画書)などについては「コピーを受領するだけ」とし、基本的に作業員と元請けとの問題との立場を示した。【町田徳丈、市川明代、日下部聡】

ウソ求人で原発派遣の労働者、3日間線量計なしで活動 05/10/11(スポーツ報知)

 大阪市西成区のあいりん地区で、宮城県女川町での運転手の仕事に応募した大阪市の60代男性が福島第1原発で働かされていた問題で、西成労働福祉センターは9日、男性と業者に聞き取り調査し、男性が原発敷地内で約2週間、防護服を着用して給水作業に従事していたと明らかにした。男性は「4日目にやっと線量計が配られた」などと話している。一方、募集した業者は、混乱の中で誤った仕事内容を伝えたと釈明している。

 「宮城県女川町、10トンダンプ運転手、日当1万2000円、30日間」―。この求人情報に応募した男性は、防護服と防じんマスクを着用させられ、福島第1原発の敷地内へと放り込まれていた。

 同センターによると、男性は3月19日に大阪を出発。岐阜県で元請け業者と合流後、特に説明がないまま原発事故の対応拠点「Jヴィレッジ」(福島県広野町など)に到着。この時点で初めて、原発敷地内で作業することに気付いたという。

 同20日からの作業は1日約6時間。原発5、6号機冷却のため、給水タンクにホースやポンプを設けて給水車に水を移し替える内容だった。男性によると「4日目にやっと線量計が配られた」。放射線の情報や健康被害に関する説明は乏しく「精神的ストレスで心臓がパクパクする感じ。長生きなどいろんなことを諦めた」と振り返った。その後計測した被ばく線量は基準値以下だった。

 男性を雇った業者「北陸工機」(岐阜県大垣市)は東京電力の3次下請け。当初、「元請けの建設業者から『現場は女川』と言われ、大阪で募集した」と主張したが、9日になって「(元請けから依頼があったのは福島第1原発での作業だったが)混乱の中で(誤って)女川町の現場を伝えてしまった」と釈明した。一方、愛知県の元請け業者は「“福島第1原発付近で散水車の運転手”と業務内容を伝えたが、原発敷地内の作業とは言っていなかった」と話している。うその労働条件を提示して労働者を集めたり契約を結んだりするのは職業安定法や労働基準法に抵触する恐れがあり、大阪労働局が調査している。

 原発の現場では4月中旬ごろから「原発建屋内なら(募集時の賃金の)3倍」「退避区域なら1・5倍」など、“危険手当”ともいえる作業員の賃金体系を業者ごとに設定。男性も最大で募集時の条件の倍に当たる日当約2万4000円を受け取ったが「おかしいと思ったが物を言える雰囲気ではなかった。賃金も仕事に見合っていない」と話した。

「要請を受け入れ、赤字・無配となった場合、株主代表訴訟となる可能性もある。『株主代表訴訟となったら、取締役は破産するしかない』 (中部電首脳)との嘆き節も聞こえてくる。」

東京電力福島第一原発の事故において安全対策や緊急マニュアルなどに注目してこなかった東電の株主にも責任はあると 中部電力は言っているようなものである。もし 中部電力が運悪く原発事故を起こし、損害賠償が負担できないほど大きくなった場合、 中部電力の株を購入した株主にも責任があるのは明らかだ。 株主代表訴訟を起こすのであれば起こせばよい。政府が今後、原発事故による損害が補償できない額になっても 中部電力に対しては東京電力福島第一原発の事故のように 税金を一切使わないと宣言すればよい。株主の中には株を手放す人も出てくるだろう。

火力7割で赤字確実 中部電、きょうにも受諾 (1/2ページ) (2/2ページ) 05/09/11 09:54 (産経新聞)

 政府による浜岡原子力発電所(静岡県御前崎市)の全面停止要請に対し、中部電力は「あまりにも重い判断」(同社幹部)を迫られている。9日午後にも臨時取締役会を開き、要請を受諾する見通しだが、原発停止による業績悪化で、株価下落や減配・無配になれば、株主代表訴訟を起こされるリスクもある。法的根拠がない全面停止は長期化も予想されるだけに、“政府命令”を内外に印象づけ、利害関係者の批判をかわしたいのが本音だ。

 「赤字転落にもなる要請を受け入れたら、株主にどう説明するのか」

 名古屋市内の本店で7日に開かれた中部電の臨時取締役会では、正常稼働中の原発停止という「法律を超える判断」(原子力安全・保安院の西山英彦審議官)に対し、激しい議論が交わされた。「これまで(国の指導に基づき)行ってきた安全対策は何だったのか」「受諾する必要はない」など強硬な意見も相次いだ。

 中部電は浜岡の3~5号機の3基しか原発はなく、火力発電の割合が7割強とほかの電力会社に比べて際立って高い。平成24年3月期の連結業績予想で経常利益1050億円を見込むが、原発をすべて火力に切り替えた場合、燃料費増により年間約2500億円の費用負担が生じ、赤字転落は確実な情勢だ。

 細野豪志首相補佐官は8日の会見で、浜岡原発の停止に伴い減額される立地自治体への関連交付金について「政治判断での停止なので配慮を考えたい」と、補填(ほてん)を検討する考えを示した。発電量がゼロになった場合、2割分が減額されるが特別措置で補う考えだ。一方、中部電に対しては、政府が燃料確保などで支援する考えを示すにとどまった。

 また細野補佐官は、再開時期について「(中部電が建設予定の)防潮壁の完成が目安になる」と示唆した。中部電は防潮堤の設置など津波対策を急ぐ方針だが、完成には2年程度かかる見込み。国の安全評価や地元の同意などでさらに停止が長期化し、収益圧迫が続く恐れがある。

 要請を受け入れ、赤字・無配となった場合、株主代表訴訟となる可能性もある。「株主代表訴訟となったら、取締役は破産するしかない」(中部電首脳)との嘆き節も聞こえてくる。

 中部電は「停止要請を受け入れても、拒否しても当社にはマイナス」(同社幹部)とのジレンマの中、「政府の強硬姿勢」を印象づけ、何とか株主の理解を得たいという苦しい思惑もうかがえる。

現場には専門家や経験のある作業者。原発専門の大学教授達よ、これが現実じゃないの?安全とか言っているけど、人が集まらない、 安い報酬では人が集まらない。どうやって人を集めるのか、だまして連れて来る。教育もされていない人間達はどのように作業をおこなうのか? 理論的には安全も可能かもしれないが、現実は違うこともあることが証明された。小さなことかもしれないが推測や予測はあくまでも推測や予測の 中で設定された条件が同じ又は近い状態であれば誤差は小さいかもしれないが、設定された条件が現状と違えば、「絵に描いたもち」。 まして強引に安全と言っている大学教授達や専門家達の肩書きが東大卒や一流大卒であっても人間性に問題があれば肩書きなど意味がない。

ダンプ運転手募集→原発で労働…大阪あいりん地区でウソの求人 05/09/11 (スポーツ報知)

 日雇い労働者が多く集まる大阪・西成区のあいりん地区で、東日本大震災後、宮城県での運転手の求人に応募した男性労働者が、福島第1原発での労働を強いられていたことが8日、分かった。

 関係者によると、財団法人「西成労働福祉センター」が3月17日ごろ、業者からの依頼をもとに「宮城県女川町、10トンダンプ運転手、日当1万2000円、30日間」との求人情報を掲示。採用された男性は東北に向かったが雇用期間中の3月25日ごろ、男性からセンターに「福島第1原発付近で、防護服を身に付けがれきの撤去作業をしている。求人は宮城だったのにどうなっているんだ」と電話があった。

 センターが調査した結果、男性が一定期間、防護服を着て同原発の敷地内での作業に従事していたことが判明。労働者らを支援するNPO法人・釜ケ崎支援機構は「立場の弱い日雇い労働者をだまして危険な場所に送り込む行為で、許されない」と反発している。

「30キロ圏外は漁OKに 漁業者の被曝安全基準を初設定」科学的な根拠もないのによく簡単に言うものだ! 安全とか言う前に政府の原子力災害対策本部が間違った判断によって被害が出た場合、補償なり責任を取ると言うべきだろ。 「今後、船に乗り込む漁業者のうち最も海水に接する人が線量計を持つよう定め、被曝量を記録、管理し、限度量を下回るように求める。 また、手袋などの装備で被曝を抑える。捕獲された海産物の検査は継続し、基準以上の放射性物質を検出すれば出荷停止になる。」との 指示を出している海域付近でとれた魚を誰が食べたいと思うのだろうか???東電内の食堂と専属契約を結ばせ、東電社員に食べてもらったら どうか??誰がこのような指示を出したのか公表してほしい。 原子力災害対策本部 (原子力安全・保安院)

「焼肉酒家えびす」で発生した集団食中毒 のように死んでから行政による監督や規制に問題があったことはわかっても遅いんだよね。

30キロ圏外は漁OKに 漁業者の被曝安全基準を初設定 05/07/11 (朝日新聞)

 政府の原子力災害対策本部は7日、福島第一原発から30キロ以上離れた海域での漁業を認めるとの基準を定めた。海水などの放射性物質の検査結果から、漁業者の被曝(ひばく)量は限度以下と判断した。海域の安全基準の設定は初めて。

 原発からの放射能汚染水の流出で、福島県周辺の漁業者から操業の安全性を示すことを求める声が強まり、全国漁業協同組合連合会会長が4月末、菅直人首相に基準設定を要請。首相も了承していた。

 水産庁は漁業者について、年間2100時間船上で操業し、時には潜水もするなどの条件を設定。海水や海底土の検査結果をもとに被曝量を算定した結果、原発から半径30キロ以上離れた海域では最大でも年間1.43ミリシーベルトだった。

 一般人が浴びていい人工放射線の限度量は年間1ミリシーベルトと定められている。今後、船に乗り込む漁業者のうち最も海水に接する人が線量計を持つよう定め、被曝量を記録、管理し、限度量を下回るように求める。また、手袋などの装備で被曝を抑える。捕獲された海産物の検査は継続し、基準以上の放射性物質を検出すれば出荷停止になる。

 福島県内の全漁協は現在、放射能汚染の懸念などから漁を行っておらず、漁の前提となるがれきの撤去も自粛を求められている。基準の設定でまずはがれきの撤去が可能になり、その後に操業が再開できるようになる。

 被曝の安全基準を巡っては、文部科学省が学校の校庭について年間20ミリシーベルト以下と設定したことに「基準が高すぎる」と内閣官房参与が反発、辞任した。(大谷聡)

校庭の放射線量、再び基準値超す 福島の中学校1校 05/07/11 (朝日新聞)

 文部科学省は7日、福島県内の中学校1校の校庭で、放射線量が基準の毎時3.8マイクロシーベルトを再び超えたと発表した。屋外活動が制限される。基準を超え、校庭の表土を除去した小学校2校では基準を下回り、活動制限が解除されることになった。

 一方、除去後に処分先が決まらず、校庭に盛られている7施設の土の周辺では、最大毎時6.12マイクロシーベルトが計測された。

 県内56の校庭の放射線量を6~7日、調べた。福島市の渡利中学校は先月29日に基準を下回り解除されたが、再び3.9マイクロシーベルトと上回った。制限が続いていた伊達市の2校は、小国小学校0.8マイクロシーベルト(前回4.5)、富成小学校0.7マイクロシーベルト(同3.8)に大幅に減った。表土を取り除いた影響とみられる。

 文科省は8日、校庭の土の上下を入れ替える方法などの効果を探るため、福島市内で調査をする。(佐藤久恵)

自民 原発推進派はや指導 「原子力守る」政策会議発足 05/05/11 (朝日新聞)

 東京電力福島第一原発の事故に収束のメドが立たない中、国策として原発を推進してきた自民党内で早くも「原発維持」に向けた動きが始まった。原発推進派の議員が集まり、新しい政策会議を発足。「反原発」の世論に対抗する狙いだ。

 この会議は「エネルギー政策合同会議」。自民党内の経済産業部会、電源立地及び原子力等調査会、石油等資源・エネルギー調査会の三つを合体させた。電力需要対策とエネルギー戦略の再構築の検討を目的に掲げるが、党幹部は「原発を守るためにつくった」と明かす。

 幹部には原発推進派が名を連ねる。委員長は元経済産業相の甘利明氏。旧通産省(現経産省)出身の細田博之元官房長官が委員長代理、西村康稔衆院議員が副委員長に就いた。先月12日の会合では、幹部陣の隣に東電の元副社長で現在は東電顧問の加納時男・元参院議員が「参与」として座った。

 甘利氏は「安易に東電国有化に言及する閣僚がいる」と指摘する資料を配布。会議後に河野太郎衆院議員が「原発推進派が並ぶ人事はおかしい」と抗議したが、認められなかった。

 自民党は中曽根康弘元首相らを中心に「国策・原子力」の旗を振ってきた。1955年、研究と開発を進める原子力基本法を制定。74年に「電源三法」を制定し、立地自治体に手厚く補助金を出してきた。電力業界は資金と選挙で自民党を支援。電力各社でつくる電気事業連合会(電事連)は80年代前半から11年間で約65億円を党機関紙の広告費として自民党に支払った。

 谷垣禎一総裁は震災後の3月17日の記者会見で「現状では、原発を推進していくことは難しい状況」と述べたが、1週間後には「安定的な電力供給ができないと製造業など維持できるのかという問題もある」と軌道修正した。党内では「推進派から反発されたため」と受け止められた。

 会議は大型連休後、中長期のエネルギー戦略の議論を始める。甘利氏は「我々は市民活動家ではない。膨大なコストや不安定を覆い隠し『自然エネルギーで何とかなる』と言うのは無責任だ。現実問題として原子力を無くすわけにはいかない」と言っている。(渡辺哲哉、土佐茂生)

原子力の選択肢を放棄するな 東電顧問・元参院議員 加納時男氏 05/05/11 (朝日新聞)

地元が要望 雇用に貢献

──福島の現状をどう感じていますか。

 「東電出身、元国会議員として二重の責任を感じている。インターネット上で『お前は絞首刑だ』『A級戦犯だ』と書かれてつらいが、原子力を選択したことは間違っていなかった。地元の強い要望で原発ができ、地域の雇用や所得が上がったのも事実だ」

 ──原発推進のため国会議員になったのですか。

 「そうではない。当時財界と自民党との間に溝があり、経団連は財界の声を反映させたかった。特定の業界のために仕事をしてきたわけではない」

 ──電力会社役員から個人献金を受け、自民党が原子力政策に甘くなったことは。

 「お金をもらったから規制を緩くしたとか、そんなことはない」

 ──河野太郎氏は「核燃料サイクル」政策は破綻していると主張しています。

 「反原発の集会に出ている人の意見だ。自民党の意見になったことはない。反原発の政党で活躍すればいい。社民党に推薦しますよ。福島瑞穂党首は私の大学の後輩だから」

 ──今後も原発を新設すべきでしょうか。

 「太陽光や風力というお言葉はとってもロマンがある。しかし、新増設なしでエネルギーの安定的確保ができるのか。二酸化炭素排出抑制の対策ができるのか。天然ガスや石油を海外から購入する際も、原発があることで有利に交渉できる。原子力の選択肢を放棄すべきではない。福島第一原発第5、6号機も捨てずに生かす選択肢はある」

低線量放射線、体にいい

 ──東電の責任をどう考えますか。

 「東電をつぶせと言う意見があるが、株主の資産が減ってしまう。金融市場や株式市場に大混乱をもたらすような乱暴な議論があるのは残念だ。原子力損害賠償法には『損害が異常に巨大な天災地変によって生じたときはこの限りではない』という免責条項もある。今回の災害があたらないとすると、一体何があたるのか。全部免責しろとは言わないが、具体的な負担を考えて欲しい」

 「低線量放射線は『むしろ健康にいい』と主張する研究者もいる。説得力があると思う。私の同僚も低線量の放射線治療で病気が治った。過剰反応になっているのでは。むしろ低線量は体にいい、ということすら世の中では言えない。これだけでも申し上げたくて取材に応じた」



1935年生まれ。元東京電力副社長。98年参院選比例区で日本経団連が支援する「財界候補」として当選、2010年まで2期務めた。現在は東電顧問。

福島第1原発:東電の賠償負担、総額に上限なし…政府 05/04/11 (毎日新聞)

 東京電力福島第1原発の損害賠償の枠組みづくりで、政府は3日、焦点の東電の賠償負担について、最終的な総額に上限を設けない一方、毎年の賠償額については東電が債務超過に陥らない範囲内に抑える方向で最終調整に入った。首都圏への電力の安定供給機能維持には、東電の債務超過を回避する必要があると判断した。ただ、モラルハザード(倫理観の欠如)を防ぐため、東電の経営を監視し、資産売却や人員削減などのリストラを徹底させ、年間の賠償負担額を積み増しさせる仕組みも講じる見通しだ。原発賠償対応は長期間にわたることが予想され、枠組みを10年程度で見直すことも検討している。

 政府はこれらの措置を盛り込んだ原発賠償の枠組みを週明けにも公表する方針。今回明らかになった枠組みに沿えば、東電の年間の賠償負担額は最大で1000億~2000億円程度となる見込み。

 原発賠償の枠組みでは、特別立法で電力業界と政府で東電の賠償支払いを支援する新機構を設立。政府は同機構に、必要な時はいつでも換金できる交付国債を交付し、財源を確保。被害者への賠償金の支払額が膨らみ、東電の財務内容を著しく悪化させる恐れがある時には、機構が融資や優先株の引き受けで一時的に賠償に必要な資金を提供。機構は提供した資金を東電から将来、分割して回収するのが原則だ。

 東電の毎年の負担額を債務超過に陥らない範囲内に限ることを明示する方向となったのは、一度に東電の支払い能力を超える負担が生じると経営危機に陥り、燃料調達や設備投資が全くできなくなり、電力の安定供給に支障を来す恐れがあるためだ。

 一方、東電や融資金融機関は「このままでは社債発行の再開や民間からの追加融資が受けられない」などとして、東電が負担する賠償総額に上限を設けるように求めてきた。しかし、枝野幸男官房長官は2日、「上限は無い」と否定。一方で「電力供給義務を果たせるようにしないといけない」(海江田万里経済産業相)ことには配慮し、年間の負担額に一定の枠を設ける方針だ。

テレビで原発に詳しいと紹介される専門家らもおなしな発言をしたり、政府も詳細な情報を迅速に公表しなかった。自分で判断できる点についても おかしな説明や情報がテレビや新聞社で取り上げられた。

ネット情報に詳しい京都大大学院情報学研究科の山本祐輔特定助教(社会情報学)は 『放射能に敏感で専門知識には乏しいネット利用者の場合、『原発は危ない』という表層的な情報に飛びついてしまう。自分はその情報を知っているという 優越感からブログに転載し、連鎖していく」と話す。

いろいろな情報を入手できる点において問題とは思わない。信用するかは個人の自己責任。政府の情報や判断も正しいとは限らない。 たしかに故・平井憲夫さんは溶接が専門で原発の建設現場で見た事を書いたと思う。 自分は サブスタンダード船を現場で見てきた。国土交通省職員である 外国船舶監督官達がどのような検査をおこない、 どうして サブスタンダード船の不備を見逃してきた、又は不備を見つけることが出来なかったのか知っている。 彼らは専門官である。専門官だから多少の知識や経験はある。しかし故意に検査をごまかし、国際条約を満足していない状態の船舶に 満足した証明として発給する検査官に対して不備を指摘知れなかった事がどれほどあったか。船員の命に関わるような事とでも指摘しなかったのだ。 運が良ければ問題ない、しかし、運悪く事故が起これば死亡すると思われる不備を指摘しなかったことがどれだけあったか。 多くの人達はこの事実を知らない。誰も知らないから船員が死亡しても海上保安職員が適当に調書を取っておしまい。直接的な原因と思わなければ 調査もしない。船員が日本人でなければこんな感じだ。国土交通省や外務省のサイトでどんなにかっこよい事を書こうが、一部以外は事実出ないことも自分の目で見てきた。 だからこそ、故・平井憲夫さんの書いたことが全てではないにしてもそれなりに事実であると思う。原子力安全委員会 及び原子力安全保安院が彼らのサイトで書かれたように機能したか?「NO」だ。 西山審議官は事務官だ。事務官は技術的なことはよくわかっていない。だから人事のように報告するだけなのだろう。

京都大大学院情報学研究科の山本祐輔特定助教(社会情報学)はどれだけ調査して、下記のコメントをしたのだろうか。 山本祐輔特定助教は放射能や原発について専門知識はもっているのか。実際に原発の検査で 原子力安全保安院 がどのような検査をしているのか見たことはあるのか。一般的に公務員による検査は甘いと思っている。彼らは専門知識や経験不足であることが 多いように思える。これは人事の問題も関連しているように思える。まあ、一般的に京都大大学院情報学研究科の助教の肩書きだけで信用するか、 日本では任用される確率が高いが、外国だと肩書きだけでは信用されない。やはり辻褄が合っているのか、どちらのサイドの人間なのか。 このような点も注意して判断する。《素人が造る原発》と誇張した表現を使ったのでそこを非難しているのだろう。まったくの素人ではないが かなりの知識や経験がある人達が造っていなかったと言う事であろう。船も一般人から見れば船は船かもしれないが、専門家や経験豊富な人が 見れば違って見える。例えば造船所Aの船と造船所Bの船を比べると品質や設計に大きな違いがある。しかし、素人にはそれがわからない。 良い船は、耐久性、修理や維持、操作性についても悪い船と比べれば違うのである。いろいろな点で検討され考慮されているのである。 実際の検査でも同じことが言える。ある検査会社だったら絶対に検査を通らない船が、他の検査会社だったら簡単に検査に通るのである。 検査に通ったから安全な船なのか。答えが「NO」。いい加減な検査を売りにしている検査会社だから検査を通すのである。そして問題を 指摘できない又は見つけることが出来ない国土交通省職員である外国船舶監督官達。 これが現実。理論的には検査に通れば安全。しかし現実では「検査に通る=規則を満足し、安全」はかならずしもそうではない。 いろいろな情報が容易に収集でき、個人が自己責任で判断すればよいのである。真の教育とは自分の判断で評価できるようになることではないのか。

ネット上に反原発“バイブル”拡散 専門家「不安あおっているだけ」 (1/2ページ) (2/2ページ) 04/28/11(産経新聞)

 東日本大震災に伴う東京電力福島第1原子力発電所の事故を機に、原発をめぐる特定の文書がインターネット上に拡散している。原発の元技術者が危険性を訴えた講演をまとめた文書で、事故後、ブログへの転載が急増した。さながら反原発の“バイブル”と化しているが、原発に詳しい専門家らは「一見して正確性に欠ける。不安をあおっているだけ」と批判、正しい情報の選別を訴えている。

 文書のタイトルは「原発がどんなものか知ってほしい」。昭和40~60年代に一級配管技能士として原発で勤務経験があり、各地の原発運転差し止め訴訟にもかかわった故・平井憲夫さん(平成9年死去)が行った講演を市民団体がまとめた。A4版23枚、約2万字にも及ぶ。7年の出版後、少なくとも12年ごろにはネット上に流出したという。

 文書は20章から成り、いずれも原発の危険性を誇張した内容が目立つ。事実と異なる情報も多く、《素人が造る原発》という章では「事故の怖さを知らない全くの素人を経験不問という形で募集している」と記述。《放射能垂れ流しの海》との章では「海に放射能を含んだ水が何十トンも流れてしまうのです。(中略)日本列島で取れる海で、安心して食べられる魚はほとんどありません」との内容になっている。

 文書は原発事故前から原発反対派の間では必読書だった。19年の新潟県中越沖地震で2~4号機が停止している東京電力柏崎刈羽原発(同県柏崎市、刈羽村)は今も再開中止を求める反対運動が根強いが、市周辺では、文書が掲載された雑誌が一般の医院にも置かれ、広く読まれていたという。

 今回の事故を受けて、明確な原発反対派だけではなく、漠然と原発を危険に思う一般の人々の間でも急速に広まり、新たに約8000のブログで紹介された。農業関係者や育児中の母親など特に放射能汚染に敏感な人々が多く、今もブログへの転載は増え続けている。

 一方、多くの原発専門家らは文書の信頼性に疑問符をつける。《素人が造る原発》について、電力会社の関係者は「配管をつなぐだけでも経験は必要。素人に重要機器の設置分解など任せられない。少し考えればわかること」と指摘。《放射能垂れ流しの海》についても、各地の原発では放水口の放射能数値が公開されており、実際に垂れ流されていれば専門家でなくても一目で分かるという。

 ネット情報に詳しい京都大大学院情報学研究科の山本祐輔特定助教(社会情報学)は「放射能に敏感で専門知識には乏しいネット利用者の場合、『原発は危ない』という表層的な情報に飛びついてしまう。自分はその情報を知っているという優越感からブログに転載し、連鎖していく」と話す。

 事故後、福島第1原発の周辺で調査を行い、冷静な対応を呼びかけている札幌医科大の高田純教授(放射線防護学)は「今回の文書のように、いたずらに不安をあおる不正確な情報が出回ることは原発の推進、反対のどちらにとっても迷惑な話。マスコミが政府の発表内容をしっかりと検証した上で報道し、正しい情報・知識を国民に伝えてほしい」と話している。

東京電力福島第一原発事故で電力会社に何が出来るのか、どう対応するのか、また政府がどのような対応を取るのか国民が知ってしまった。 原発を受け入れた地元住民にも責任があると県外の人から言われると、自己責任もあると感じ始めた人達もいるだろう。 原発に近い地方自治体ももし事故が起これば人事ではないことが被害者住民を見ていると実感したと思う。お金はほしい、しかし、 万が一の時の場合、事実を受け入れられるのか?運次第のところもあるが、原発について住民は考える時が来た。

原発4基の運転再開、認められない…福井知事 05/04/11 21時40分(読売新聞)

 東京電力福島第一原発事故を受け、国内最多の14基の原発を抱える福井県の西川一誠知事は4日、定期検査中の関西電力美浜原発1号機など4基について、国が原発の暫定的な安全基準を示せないなら、「運転再開は認められない」との考えを明らかにした。

 この日、同原発を視察した海江田経産相と会談した後、報道陣に述べた。

 今回の事故対策として国は3月下旬から4月中旬にかけ、非常時の代替電源確保など3回にわけて電力各社に指示。海江田経産相はこの日、現在停止中の各原発の運転再開の時期については、こうした対策の実施状況を見ながら「総合的に判断する」と述べた。

 西川知事は先月、海江田経産相に対し、各社への指示内容を暫定的な安全基準として国が明確化することなどを要求していた。経済産業省原子力安全・保安院の西山英彦審議官は「安全基準を全部見直すのは膨大な作業で、急ぐ必要のあるものから検討している。そうした作業の中で、知事の要求に応えていけると思う」と話す。

東電の賠償、電気料値上げで…政府・民主容認へ 05/04/11 (読売新聞)

 福島第一原子力発電所の事故の賠償策を巡り、政府・民主党が3日、東京電力が負担する賠償金に充てるため、電気料金の値上げを容認する新たな仕組みを設ける方向で調整に入った。

 数兆円と想定される賠償金を支払う枠組みは、東電のリストラと毎年の利益から捻出するのが原則だが、それだけでは資金が足りないためだ。今回の枠組みで資金拠出を求められる他の電力会社についても、一定の電気料金の値上げを認める方向だ。

 電気料金の値上げは国民の負担増となるため、東電だけでなく、他の電力会社も含めて徹底したリストラを求めたうえで、賠償総額が見通せるようになってから値上げ幅を検討する。

 安易な値上げにならないよう政府が厳しくチェックするが、標準的な世帯の場合、月数百円程度の大幅な値上げとなる可能性がある。

東電、役員報酬5割減でも平均2000万円超 「無給が筋」続々 05/04/11 (産経新聞)

 福島第1原子力発電所の事故に伴う対応の一環として東京電力が発表した「役員報酬50%削減」に「まだ高い」との批判がくすぶっている。半減しても平均で2千万円超で、「会長、社長は無給が筋」といった声や、政府の連帯責任を訴える指摘がやまない。

 東電は平成19年11月、新潟県中越沖地震による柏崎刈羽原発の事故で、常務以上の年間報酬を20%削減した。今回は削減幅を大幅に拡大。影響の大きさを踏まえると同時に、約540億円を捻出し、被災者への補償に充てる狙いがある。

 だが、海江田万里経産相は、勝俣恒久会長や清水正孝社長を念頭に「まだカットが足りない」と述べた。東京商工リサーチの友田信男・情報本部副本部長も「けた外れの被害規模や日本の信用を失墜させた影響を考えれば、役員全員が報酬ゼロでいい」と厳しい。

 米系コンサルタント会社タワーズワトソンによると、多くの企業は不祥事の際の報酬について、内規で1~5割削減を1カ月から半年間、または無期限と定めているという。

 同社の阿部直彦・経営者報酬部門統括は「東電の『年収50%削減、期限なし』はめったにない規模」としながら、東電が不祥事のたびに報酬削減を繰り返した経緯から、「経営改善の点で効果がなかった」と指摘。業績連動型の導入が解決策の一つとみる。

 一方、政府にも責任があるとする声もある。独協大学の森永卓郎教授は「経済産業省幹部や内閣の政務三役以上も報酬を半減した後で、東電は原子力担当の副社長以上を無給にする措置が適当」と話している。

東電副社長へ住民「戦争よりひどい」記事を印刷する 05/01/11 8時37分(日刊スポーツ)

 東京電力の鼓紀男副社長らは4月30日、福島県飯舘村と川俣町を訪れ、福島第1原発事故の計画的避難区域に入ったことを謝罪した。同22日の指定以来、幹部の現地入りは初めて。鼓副社長は頭を下げ、正座したまま住民の質疑に応じたが、住民からは「住む所さえない。戦争よりひどいと言うお年寄りもいる」「子供が産めない体になるか不安」などの声が相次いだ。一部避難の川俣町では女性が「あなた方は事故後も高額な給料や報酬をもらっているのか」と問い詰めると、副社長は「具体的な金額はご容赦いただきたい」と口ごもりながら答えた。

原発から15~20キロ…海底に1千倍セシウム 05/03/11 (毎日新聞)

 東京電力は3日、福島第一原子力発電所から15~20キロ離れた沿岸部の海底の土砂から、高濃度の放射性セシウムとヨウ素を検出したと発表した。

 検出場所は、同原発の南約20キロの岩沢海岸(広野町、楢葉町)と北約15キロの南相馬市小高区の沖合3キロの水深20~30メートルの海底で、4月29日に採取した。

 小高区沖では、土砂1キロ当たり、最大でセシウム137が1400ベクレル、セシウム134も1300ベクレルが検出され、いずれも通常の1000倍以上に達した。ヨウ素131も、通常の100倍以上の190ベクレルが検出された。東電は2地点の周辺も含め、魚介類の調査なども実施する方針だ。

国の原子力安全委員会 の班目<まだらめ>春樹委員長を辞任させるべきであろう。「子供の健康を守るという重要な責務も、社会への説明責任もまったく果たしていない」との 意見では賛成する。

重大な発言をしながら、「本当に失敗だったと反省しております」と言うような人間である。もっと適切な人間がいると思う。もちろん、 電力業界側に有利になるような発言をしているのである業界からは必要とされているのも事実である。安全性を重視するなら班目<まだらめ>春樹委員長は 必要なし。

三菱重工が改造しているはずのメガフロートの記事がない。やはり三菱の技術をもっても改造は簡単でなかったのか??

福島第1原発:安全委2時間で「妥当」 基準値助言で 05/01/11 (毎日新聞)

 福島第1原発事故で、文部科学省から小中学校などの屋外活動を制限する放射線量の基準値への助言を求められた国の原子力安全委員会(班目<まだらめ>春樹委員長)が、正式な委員会を招集せず、助言要請から約2時間後には「妥当だ」との助言をまとめ回答していたことが、関係者の話で分かった。

 委員会が開かれなかったため議事録も作られておらず、助言までに至る議論の内容が確認できないことも判明。審議の検証ができなくなった異例の事態に「国の政策を追認しただけだ」と批判の声が上がっている。

 子供に年間20ミリシーベルトの被ばくを認めることになる今回の基準に対しては、内外の専門家から批判が続出。内閣官房参与の小佐古敏荘・東大教授が辞任する一因ともなった。

 関係者によると、文科省などが「年間の積算放射線量が20ミリシーベルトに達するかどうかを目安とし、毎時3・8マイクロシーベルトを学校での屋外活動の基準とする」との原案への助言を安全委に求めたのは4月19日午後2時ごろ。安全委は正式な委員会を開かず「委員会内部で検討し」(関係者)、午後4時ごろに「妥当だ」と回答した。だが、議事録が残っていないため、安全委内部でどのような議論が行われたかは明らかでないという。

 安全委事務局は事実を認めた上で「9日ごろに文科省から相談したいとの依頼があり、委員らが複数回議論し、その都度結果を文科省に口頭で連絡していた。(正式な検討時間の)妥当性については発言する立場にない」としている。

 基準の撤回を求めている環境保護団体、FoE(地球の友)ジャパンの満田夏花さんは「独立した規制機関であるはずの安全委員会が、ほとんど議論もせずに国の政策を追認したことは明らかだ」と指摘。「子供の健康を守るという重要な責務も、社会への説明責任もまったく果たしていない」と批判している。

女性社員が限度超える被ばく…福島原発、2例目 05/01/11 (読売新聞)

 東京電力は1日、福島第一原子力発電所で作業をしていた40歳代の女性社員が、国が定めた限度を超える放射線を被曝(ひばく)したと発表した。

 東日本大震災発生後の第一原発では、19人の女性社員が勤務していたが、線量限度を超えた被曝は2例目。

 東電によると、この女性は、第一原発構内の免震重要棟の医務室で、3月15日まで作業員の健康管理を担当していた。計測装置で調べたところ、今年1~3月の3か月間の被曝線量は、女性の限度である「3か月で5ミリシーベルト」を超える7・49ミリシーベルトだった。このうち、体内に取り込んだ内部被曝は、6・71ミリシーベルトだった。

 棟内では、地震発生当初、内部被曝を防ぐマスクが不足。女性社員もマスクを着用しておらず、屋外での作業を終えた社員の衣類などに付着した放射性物質を取り込んだとみられるという。

安全であるかは別として、「福島、茨城など1都4県の女性23人の母乳を検査した結果、うち7人から微量の放射性物質を検出したと発表した。」 この事実は、1都4県の人達の中には放射能の影響を受けている事実があることを証明している。

放射性物質:母乳から微量検出 1都4県で23人中7人 04/30/11 20時27分 (毎日新聞)

 厚生労働省は30日、福島、茨城など1都4県の女性23人の母乳を検査した結果、うち7人から微量の放射性物質を検出したと発表した。母乳に含まれる放射性物質の安全基準はないが、粉ミルクなど牛乳・乳製品の暫定規制値を大きく下回っており、同省は「乳児への健康への影響はない」としている。

 検査結果によると、3月11~14日に福島第1原発の30キロ圏内で生活していた福島県いわき市の女性の母乳から、1キログラム当たり3.5ベクレルの放射性ヨウ素と、2.4ベクレルの放射性セシウムを検出。ほかにも茨城県の5人、千葉市の1人から2.2~8.0ベクレルの放射性ヨウ素を検出した。

 厚労省によると、牛乳・乳製品の暫定規制値は、放射性ヨウ素が1キログラム当たり100ベクレル、放射性セシウムが同200ベクレルとなっている。【野倉恵】

「結婚して子供産みたい」 東電の住民説明会で怒り、困窮の声 04/30/11 23:55 (産経新聞)

 「結婚して子供を産むという夢がある」「原発事故で住む所さえない。戦争の時よりひどいと言うお年寄りもいる」。福島県飯舘村と川俣町で30日開かれた東京電力の住民説明会。住民から原発事故への怒りや生活面での困窮を訴える声が相次いだ。

 飯舘村の中学校の体育館フロアは、大勢の村民で埋め尽くされた。鼓紀男副社長ら東電幹部5人は返答する際に立ち上がる以外は、終始正座したままで質疑に応じた。

 質問に立った高校1年の渡辺菜央さん(15)は「子供が産めない体になるのではないかと不安」と訴えた。東電側が「いろんな対策を取り、そうならないように努めています」と答えると、渡辺さんは「だったら、もっと早く避難を呼び掛けてほしかった」ときっぱり。参加者からは大きな拍手が起きた。

昔、原発を1日止めると、1億円以上の損になると聞いたことがある。損害賠償は払う気はないが、福島第2原発の再開は粛々と 準備をしているわけだ。ボーナス50%カットで厳しいと社長は反論する始末。避難場所を回り、土下座したことはパフォーマンスで あったことが明らかだ。

福島第2原発:東電、保安規定を変更…「再開前提でない」 04/28/11 23時58分 (毎日新聞)

 東日本大震災で4基とも停止した東京電力福島第2原発について東電は28日、全電源を喪失した場合を想定し、電源車の配備などを定めた保安規定の変更を経済産業省原子力安全・保安院に申請した。東電は「運転再開を前提としたものではない」としている。

 福島第1原発の事故は津波で非常用電源が使えなかったため発生した。その後、今月7日の余震でも東北電力東通(ひがしどおり)原発1号機(青森県)で機能しないトラブルがあったため、保安院が各社に対策を指示していた。

 変更は、全電源の喪失が起こり得ることを前提に、電源車などの配備▽訓練の実施--などを保安規定に記載する。【日野行介】

東京電力:報酬50%カット…社長「厳しい数字」と反論 04/28/11 21時21分 (毎日新聞)

 東京電力が発表した常務以上の役員報酬半減について、海江田万里経済産業相は28日午前の記者会見で「まだ足りない」と述べ、一層の削減が必要との考えを示した。これに対し、東電の清水正孝社長は同日午後、東電本店で記者団に「50%カットは大変厳しい数字」と反論。ただ、今後の対応は「未定」とし、追加削減の可能性を否定しなかった。

 海江田氏は会見で「ヒラの取締役から社長、会長まで報酬に随分差があり、一律50%カットでは足りない」と指摘。「高額の報酬の方が、さらなるカットをするのは当然だ」として、特に会長、社長ら首脳陣に対し、削減幅をより大きくするよう求めた。東電は10年、21人の取締役に平均約3400万円の役員報酬を支払っている。【永井大介】

下記の記事は国民を安心させるために書かれたのか?

「雨が降ると、親や先生から『放射能が含まれているのでぬれないように』と注意された」。都内に住む男性(61)は小学生当時をそう振り返る。ただ、社会がパニックになった記憶はないという。

61歳の男性が小学生だったころ、いろいろな情報が簡単に得られる時代ではなかった。「1962(昭和37)年度の厚生白書などによると、相次ぐ核実験を受け、国は61年、『放射能対策本部』を設置。 同本部は『汚染はあるものの人体に影響はない』と判断していた。このため、水や食品の摂取制限などは行わなかった。」についても「だから」 と言いたい。過去に国が適切な対応を取らなかったために多くの被害者が出たケースがある。国が「人体に影響はない」と判断し 対応しなかった結果ではないか。「放射線医学総合研究所」 は独立行政法人。役人の天下り先。出世のためには何でもやるキャリア達の仮の住みか。信用できない。「望ましいことではないが、健康への影響はないと考えられる」と コメントする「放射線医学総合研究所」 を東京電力福島第1原発の近くへ移転させるべきだ。無責任なコメントよりも行動で示してほしい。移転したら 「放射線医学総合研究所」のコメント「健康への影響はないと考えられる」をもう一度考える。

1960年代と同水準、米ソ中が核実験「健康被害なし」 東京の放射性物質降下量 04/28/11 22:56 (産経新聞)

 東京電力福島第1原発の事故で現在、東京の地表から検出される放射性物質(放射能)の量は事故前の数万倍に上る。しかし1960年代初頭にも、海外の核実験の影響で、日本でも同レベルの放射性物質が検出されていた。それでも健康被害が生じたことを示すデータはなく、専門家は「過度な心配は不要だ」との見方を示している。(小野田雄一)

 ■パニック起きず

 研究機関「気象研究所」(茨城県つくば市)  によると、これまで放射性物質が国内の地表から最も多く検出されたのは63年(昭和38年)6月。東京で放射性セシウム137が、1カ月間で1平方メートル当たり550ベクレル検出された。

 米国や旧ソ連が繰り返した大気圏内での核実験で拡散した放射性物質の影響によるものだ。以降、数年間、1カ月に1平方メートル当たり数十~数百ベクレルを観測した。

 その後、60~70年代の中国などによる核実験やチェルノブイリ原発事故(86年)で放射性物質の降下量が一時的に増えたものの、90年代以降、1カ月の地表への降下量はピーク時の1万分の1以下となる0・01ベクレル程度に落ち着いていた。

 「雨が降ると、親や先生から『放射能が含まれているのでぬれないように』と注意された」。都内に住む男性(61)は小学生当時をそう振り返る。ただ、社会がパニックになった記憶はないという。

 1962(昭和37)年度の厚生白書などによると、相次ぐ核実験を受け、国は61年、「放射能対策本部」を設置。同本部は「汚染はあるものの人体に影響はない」と判断していた。このため、水や食品の摂取制限などは行わなかった。

 ■4月は数百ベクレル

 都内の放射性物質を測定している  「東京都健康安全研究センター」(東京都新宿区)  の4月1~28日の観測によると、同区の1平方メートル当たりの降下量は、最大値が11日の170ベクレル、最低値が12日の4ベクレル。降下量は降雨など天候で大きく増減するが、単純計算すると、月間数百ベクレルとなる。

 同センターは「健康に影響が出ることはないと考えている」としている。

 原発周辺の福島県の1平方メートル当たりの降下量は、測定結果がまとまっていない日も多く、月間降下量が不明で、これまでのところ過去との比較はできない。

 ■過度の心配不要

 「放射線医学総合研究所」(千葉市稲毛区)  も、現在の東京の地表から60年代と同レベルの放射性物質が検出されていることについて「望ましいことではないが、健康への影響はないと考えられる」とする。

 「このレベルの放射性物質が健康に影響するなら、50~60年代を生きた世代のがん発生率や死亡率が他の世代に比べ高くなっているはずだが、そうした統計的なデータはない」と理由を説明した。

 ただ、インターネット上には放射性物質とがんの因果関係を結びつけるような書き込みもある。

 「日本人の死因は長らく(1)脳卒中(2)がん(3)心疾患-の順だったが、81年にがんが首位になり、がんで死ぬ人の割合は右肩上がりに伸び続けている。50~60年代に放射性物質を多くの日本人が取り込み、がんの発症率が高まったためだ」

 この指摘に対し、同研究所は「長寿になるほど、がんの発症率は上がる。がんは複合的な要因で発症するが、がんが増えた一番の理由は、日本人が長寿化したためだと考えられる」と否定。その上で「ストレスがたまると免疫機能が低下し、がんなどの発症率が上がってしまう。神経質になりすぎるのも禁物だ」と過度の警戒に注意を促している。

福島第1原発事故が日本で注目されているから日本で取り上げられたと思うが、アメリカの原発の話。 原発が安全かどうかを議論して直ちにとめることは出来ないだろ!停電や計画停電によって困らせられるだけ。 福島第1原発の問題解決と国民負担による東電存続が必要なのかだけに集中するべきだろう。多分、工程表のようには 解決しないと思う。非難住民も早く戻れることは諦めて、東電に対する補償要求をスタートしたほうが良い。 たぶん、東電は大した額は払う意思はないようだから、東電の意思を確かめることが必要。妥当な賠償額に応じないよう であれば東電解体を政府に要求したほうが良いと思う。被害者達が決めることだけど、日本国民で負担する額が増えない ように速やかに行動を移す事が必要。当分帰れないのならば、酪農や農家に九州などでも良いから続けたい人達がいるか 確認し、補償交渉と共に農地や土地を貸しても良い人達や共同で事業を行っても良い人達を探す事をスタートさせるべきだろ。 個人的な意見であるが、帰れないのなら新しいスタートに時間と努力を費やすほうがロスが少ないだろう。

米南部で原発が電源喪失、自動停止 竜巻と暴風雨で 04/28/11 (朝日新聞)

(CNN) アラバマ州など米南部諸州を27日夜に襲った竜巻を伴う暴風雨の被害で、テネシー峡谷開発公社は同日、アラバマ州にあるブラウンズフェリー原子力発電所が外部電源を失い、自動停止したと発表した。

電源はその後、回復したが、稼働は再開されていない。

同公社の公式サイトによると、ブラウンズフェリー原発には沸騰水型の原子炉3基があり、完成は1977年。

また、アラバマ州北部のカルマン市の警察当局によると、市内にある天然ガスの導管が破損した。損壊の程度は分かっていない。

アラバマ州の緊急事態管理局当局者によると、竜巻や暴風雨被害は同州で最も大きいとみられ、犠牲者は少なくとも45人出ている。

被災した州での死者総数は少なくとも62人となっている。

事故対策の拠点建物、個人の被曝線量記録せず 東電、ずさん管理 04/28/11 10:56 (産経新聞)

 福島第1原発事故の対策拠点で作業員が寝泊まりする「免震重要棟」内で浴びた放射線量について、東京電力は個人の線量を毎日は記録せず、後から行動を聞き取って推計していたことが28日、分かった。東電のずさんな被曝管理に批判が強まりそうだ。

 東電によると、屋外の現場作業などをする場合は線量計を持参するが、免震重要棟内では時間当たりの放射線量を記録していただけ。緊急的作業が一段落した3月23日以降、棟内に滞在していた時間を聞き取り、滞在中の被曝線量を推計したという。

 棟内では事故後、高い線量が続き、水素爆発などが起きた直後には、毎時100マイクロシーベルト(0・1ミリシーベルト)を超えたこともあった。主に免震重要棟で作業する放射線業務従事者ではない人であっても、一般人の限度である年間1ミリシーベルトを超える被曝をした恐れが強い。

既に 原子力安全委員会 及び原子力安全保安院 が機能しないことは事実。迅速で的確な対応が出来なかった東電を金融業会や産業界の要請で許し、存続させようとする民主党と自民党。 運悪く東京電力福島第1原発事故のような事故が起これば、確実に同じ過ちを繰る返すのは明らかだ。 だとすれば原発ストップも国民の選択に入れることも悪くない。現在のA HREF="http://www.nsc.go.jp/annai/tsuite.htm" target="_blank">原子力安全委員会 及び原子力安全保安院 よる監視、監督及び検査は多くの問題を抱えていることがインターネット上で指摘されている。否定しようが、言い訳を言おうが、 無視しようが事実は1つしかない。安全と言うから安全ではない。安全を保証する為にどのような事を実際にやるかが重要なのだ。

橋下知事、孫社長に共鳴・面会…原発ストップ発言に政府・電力は困惑 (1/2ページ) (2/2ページ) 04/28/11(産経新聞)

 大阪府の橋下徹知事が27日、東日本大震災に伴う東京電力福島第1原発事故を踏まえ、関西に電力供給している原発の新規建設や運転延長を止めることを目標とした計画づくりを始める考えを表明。28日に大阪市で開かれる関西広域連合の委員会でも提案し、賛同を呼びかける方針を示したことに対し、近隣自治体などからは議論を行うこと自体には賛意が上がる一方、突然の表明に困惑も広がった。

 橋下知事は、今回の提唱について「電気料金は上がるかもしれないが、今だったら府県民も多少の負担があっても乗ってくれるんじゃないか。供給サイドの方も、今なら考えてくれるのでは」と説明。「自然エネルギー財団」の設立を表明したソフトバンクの孫正義社長の呼びかけに共鳴したといい、26日には孫氏と面会したという。

 ただ「単純に自然エネルギーで代替できるわけでない」とも述べ、「自動販売機の稼働を数時間止めるなど、東日本で行われているような節電案を関西でも行えば、原発1基分くらいになるのではないか」とした。

 滋賀県の嘉田由紀子知事は「(原発が密集する福井県の)若狭湾周辺で万一のことがあれば、次世代に申し訳が立たない」と危険性を指摘。その上で「自治体が地域振興策として政治的に受け入れてきた。簡単にかじは切れないが、自然エネルギーへの依存度を高めていくしかない」と、橋下知事の方針に賛同した。

 関西広域連合長を務める兵庫県の井戸敏三知事も「十分に広域連合委員会で話をすればいい。ただちに決めなければならないものではない」と議論自体には賛成を表明。ただ「原発の新規建設は、福島原発の状況を十分点検・検査して評価を加え、安全対策を取り得るかどうかを見なければ、軽々に判断はできない」とも話した。

 政府が見直しを表明しているエネルギー基本計画では、2030(平成42)年までに原発を現状より14基以上増やすとされていた。関西の関連事業としては、既に敷地の埋め立てなどが終わり、来年3月に本体工事を予定していた日本原電敦賀原発3、4号機(福井県敦賀市)などがある。

 一方、政府や電力会社などは戸惑いを見せる。

 経済産業省の幹部は「知事の言葉だから重みがある。ただ、関西電力の管内は原発への依存度が高く、(新規建設をやめた場合)電力をどう確保するつもりなのか」と指摘する。政府は、福島第1原発の事故を受けて原発の増設計画を見直す方針だが、事故対策に追われて見直し作業は手付かずだっただけに、地域から新規建設停止の声が上がったことに困惑している。

 関西電力の八木誠社長も、27日に開かれた記者会見の席上、橋下知事の発言について「ご趣旨をお伺いした上で対応したい」とする一方、「より一層の信頼性向上に資する対策を実行することにしている」と述べるにとどめた。

 また、県内に原発14基がある福井県の石塚博英・安全環境部長は「詳細が分からないのでコメントのしようがない」と話した。

うわべだけの反省なんか必要ない!現場で作業員や専門家が不足している。福島第一原子力発電所にこれから現場に行って状況を確認するべきだろ!

専門家派遣遅れ「本当に失敗だった」班目氏反省 04/28/11 (読売新聞)

 内閣府原子力安全委員会の班目(まだらめ)春樹委員長は27日、衆院決算行政監視委員会に参考人として出席し、東京電力福島第一原子力発電所の事故発生後、原子力安全の専門家の現地派遣が遅れたことを認めたうえで、「本当に失敗だったと反省しております」と述べた。

 国の防災基本計画では、原子力災害の発生時には、同委の「緊急事態応急対策調査委員」ら専門家を現地に派遣すると定めている。しかし、この日の同委員会で、班目委員長は、地震発生直後に現地に派遣したのは事務局職員1人だけだったと説明。結果的に、安全委が政府の現地対策本部(福島市)に専門家2人を派遣したのは4月17日で、班目委員長は「大変遅くなってしまった」と対応の遅れを認めた。

最前線に迫る被曝上限…原発作業員確保が課題 04/28/11 (読売新聞)

 東京電力福島第一原子力発電所の事故は27日、東電が収束に向けた「工程表」を公表してから10日たった。

 原発敷地内の放射線量は高い状態が続き、通常時に浴びてもよいとされる年間50ミリ・シーベルトの2倍を超えた作業員はすでに30人に達する。被曝(ひばく)線量が累積する中、今後は交代要員の確保が課題となりそうで、東電では、OBも含めた人員の確保に乗り出した。

 東電によると、福島第一原発では連日1000~1200人が放射能で汚染されたがれき撤去や高濃度汚染水の移送、ロボットの操作などに当たっている。累積線量が100ミリ・シーベルトを超えた東電と協力企業の作業員は25日現在で30人、50~100未満が119人、50未満が5628人。東電では、累積100ミリ・シーベルトを超えた社員について、敷地内でも比較的線量の低い免震重要棟内での事務作業などに配置換えしているという。

 ◆OBにも声かけ◆

 東電では、今後の作業員確保について「できるだけ被曝線量を少なくし、長時間作業できるよう考えたい」とするが、政府と東電でつくる事故対策統合本部事務局長の細野豪志首相補佐官は、26日の記者会見で「今、現地で働いておられる人数は十分ではない。(東電の)OBら色々な方に協力していただくべきだ」と危機感をあらわにした。東電の松本純一・原子力立地本部長代理も、27日の記者会見で「現在、当社OBにも(作業の応援を)声かけしているところ」と明かした。

 国は3月15日、緊急時の被曝線量の上限を福島第一原発事故での作業に限り、100ミリ・シーベルトから250ミリ・シーベルトに引き上げた。しかし、関係企業の多くは、作業員の健康への配慮から、より厳しい制限を設けている。このため、各企業からは、東電が6~9か月で収束を目指すとした工程表の完了前に、作業員の累積線量が社内規定を超える事態を懸念する声が聞かれる。

チェルノブイリ原発事故についてロシア人やウクライナ人船員に機会があると質問してみる。「事故当時、現在のように情報が入手で出来なかった。 何が起こっているのかわからなかった。ラジオからの情報が全て。親類がチェルノブイリから600キロほど離れた場所にいたが、事故以来連絡が 取れていない。」と言っていた。また、あるウクライナ人船長はチェルノブイリから700キロほど離れていた場所にいたが運良く風向きのおかげで 影響があまりなかったと言っていた。原発近くの水質汚染をチェックする作業をしている人と食事をしたことがある。彼が言うには「湖の水質を 計測するが、温度、水流や水深等の計測条件を変えるとデーターの数値がかなり違ってくる場合がある。」と言っていた。情報公開するのであれば 専門家が検証できるデーターを公開すべきだろう。

バラスト水が放射性物質をばらまく? 外国船から新たな風評 (1/2ページ) (2/2ページ) 04/26/11 22:42 (産経新聞)

 東京電力福島第1原子力発電所の事故で、外国の貨物船の間に、荷物を降ろした船がバランスを取るために取水するバラスト水への懸念が浮上している。日本で取水したバラスト水を自国で排出する際、放射性物質(放射能)をばらまくのではないかというのだ。原発付近以外の海水から放射性物質は検出されていないが、新たな風評被害に、国は海水測定値の積極的な情報提供に乗り出した。(高橋裕子、原川真太郎)

関東の港を避け

 「問題なのはバラスト水。商社からは『海外で汚染水をまきちらすと外国船舶からいわれる』と聞いている」

 東京・霞が関の農林水産省で開かれた原発事故に関する連絡会議。飼料の業界団体「日本飼料工業会」の出席者が、飼料用穀物を積んだ外国船舶が日本を避ける理由をこう訴えた。

 荷物を積んでいない貨物船などが航海時にバランスを取るために用いられるバラスト水は出発する港内で取水し、荷物を積み込む到着先の港内で排出する。外国船舶は日本で荷物を下ろした後、港内で海水を取水し、自国やほかの港で排出することを懸念している。

 国土交通省によると、実際、外国船舶が停泊地を東京や横浜、川崎といった関東の主要港から大阪や名古屋に移しているケースもあるという。「外国から見ると、東京、神奈川は福島に非常に近く見える」(同省)からだ。商社関係者は「どこかの国が『日本でくんだバラスト水は出すな』と言い出せば、まったく外国船が来なくなる」と懸念する。

 港湾の海水に含まれる放射性物質について、東京海洋大の石丸隆教授(生物海洋学)は「福島原発沖以外では高い濃度は検出されておらず、現在開いている福島より南の港湾は、まず問題ない。相当な風評だ」と話す。

 日本の南岸に沿う海流、黒潮が、房総半島に当たり東の方向へ流れているため、茨城県より南へは放射性物質は広がる可能性は低い。実際、港の管理者である東京都や横浜市、川崎市が今月に入って東京、横浜、川崎各港の海水中の放射能を自主的に測定したが、放射性物質は検出されていない。

測定値を公開へ

 ただ、風評を払拭するには、国の主導による対外的なPRが不可欠。このため東京、横浜、川崎、千葉の各港付近で測定した大気中の放射線量の数値をホームページで公開している国土交通省は、今後は海水中の測定値についても、準備が整い次第公開していく方針を明らかにした。

 さらに国交省は、日本発の船荷が海外で拒否される事態を防ぐため、船荷のコンテナの放射線量の測定を4月中に開始する予定。測定方法などを定めたガイドラインを策定し、証明書を発行することにしている。

 石丸氏は「各自治体が測定したものを国がまとめ、だれにでも分かる形でデータを示すべきだ。検出されていないと発表すれば安心でき、風評被害も防げる」と、分かりやすい公表の必要性を指摘している。

放射性物質:牛牧草に基準値 16都県に調査要請…農水省 04/26/11 19時46分 (毎日新聞)

 農林水産省が、家畜の牛に与える牧草に含まれる放射性物質の基準値を新たに設定し、東北と関東甲信地方などの16都県に調査を要請したことが26日、分かった。福島第1原発事故により、大気中の放射線量が通常より高い地域で生産された牧草を定点調査する。5月中に結果が判明する見通しで、基準値を超えた牧草は使用禁止にする。

 調査対象を食品から牧草にも広げ、食品衛生法の暫定基準値を超える放射性物質が含まれた牛乳や牛肉が市場に出回らないようにする。乳牛が食べる牧草の基準値は、放射性セシウムが1キログラム当たり300ベクレル、放射性ヨウ素が70ベクレル。肉牛はセシウムのみで、300ベクレルとした。

 東北農政局と関東農政局が管轄する青森、岩手、宮城、秋田、山形、福島、茨城、栃木、群馬、埼玉、千葉、東京、神奈川、山梨、長野、静岡の各都県が対象。

 文部科学省が毎日集計している大気中の放射線量のデータを参考に調査するかどうかを判断する。調査する場合は2週間に1回、同じ地域の牧草を検査する。基準値を超えた牧草は牛に与えず、使用禁止とした上で保管するよう求めた。

 その後の調査で3回続けて基準値を下回れば解除する。使用を禁止された農家には損害を賠償する方向で、関係省庁や東京電力と調整する。

 基準値は、飼料に含まれる放射性物質がどの程度、牛乳や牛肉に移るかを公表している国際原子力機関(IAEA)の数値を参考にした。牛乳や牛肉に含まれる放射性物質が食品衛生法の暫定基準値を上回らないようにするため、牧草にも基準値を設けた。

 ヨウ素は半減期が8日と短く、出荷までに数十カ月かかる牛の肉には食品衛生法の暫定基準値がないことから、牧草の基準値も設定しなかった。

なぜ適切な判断が出来ない企業を存続させるのか??東電の資産を売却すべきだ!電力関係は近隣の電力会社。 民主党は自滅への行進をしていると思える!

細野補佐官「東電は大きな判断やりにくい会社」 04/25/11 (読売新聞)

 政府と東京電力、文部科学省、経済産業省原子力安全・保安院、原子力安全委員会などでつくる福島第一原子力発電所事故対策統合本部(本部長=菅首相)は25日、これまで東電や保安院で別々に行っていた会見を一本化し、初の共同記者会見を開いた。

 午後5時20分過ぎから始まった会見は、事故当初の政府や東電の対応を巡る質問が相次ぎ、4時間近く続いた。

 統合本部事務局長の細野豪志首相補佐官は、同原発1号機で3月12日に行われた放射性物質を含む蒸気を放出する「ベント」操作を巡り、「政府としては11日夜にはベント実施の腹を決めたが、(東電が)なかなか実施しなかったので、午前6時50分に命令に切り替えた」と説明。東電について「電力供給という(日々あまり変化がない)ルーチンワークに慣れた会社なので、何か大きな判断が若干、やりにくい会社なのかなと感じていた」と述べ、東電の動きが鈍かったことを批判した。

利害関係のない人達の意見はすごい。「東電処理は会社更生法で」に大賛成!

【特別寄稿】東電処理は会社更生法で (1/3ページ) JALも重要な大会社だが、会社更生法の下で再建中 (2/4ページ) 既に存在するモラルハザードを助長 (3/4ページ)星岳雄、アニル・カシャップ、ウリケ・シェーデ 04/23/11 (ダイヤモンド・オンライン)

 各紙が伝えるところによると、政府は原発賠償のための保険機構を作る計画らしい。福島第一原子力発電所事故の被害者への賠償を速やかに実施するためだという。また、将来の原発の廃炉のための資金に使う案もある。計画によれば、政府は優先株を引き受ける形で東京電力に資本注入し、その配当金により政府に補償資金を返済していく。新機構は東電をはじめとする原発を保有する各電力会社から毎年保険料を集め、原発事故賠償のための保険を提供する。日本にはすでに原子力損害賠償制度があり、手当てされている賠償金総額はアメリカの同様の保険制度を上回っているが、今回の措置はそれに加えたものになる。以下に論じるようにこの政策には大きな問題がある。

 すぐ分かるように、資本注入と保険機構の仕組みは、危機に陥った大銀行の処理方法にもとづいている。たとえば、日本ではりそな銀行の場合にみられたように、資本注入によって大銀行を救済するのは各国で見られることである。また、多くの国が預金者を保護するために預金保険制度を備えている。たしかに、東電と破綻しつつある大銀行の間には共通点がある。90年代後半日本の多くの銀行がそうであったように、東電も債務超過状態に陥る可能性が高い。東電も巨大な企業であり、電力供給という経済活動に不可欠な役割を担っている。たとえ短期間でも東電が業務を停止することがあれば、経済に莫大な損害をおよぼす。

 しかし、電力会社と銀行の間には根本的な違いがある。銀行救済や保険機構のような仕組みを東電に適用するのは、的外れであるだけでなく、有害になる。銀行は三つの点で他の事業会社と異なる。第一に、銀行の負債の多くは預金など短期負債であり、預金者や他の債権者が銀行がつぶれる可能性があると考えると直ちに引きあげられる性質のものになっている。第二に、銀行の資産のほとんどは貸出金など換金性の低いものである。この負債側と資産側のミスマッチは、もし銀行の債権者がいっせいに返金をもとめたら、銀行はたちまち支払い不能に陥ることを意味する。

 これに対して、東電の負債側はほとんど長期の負債であり、損害賠償も含めて、ただちに支払いを強制できる種類のものではない。さらに、資産側はおもに将来の電力料金収入であり、短期間に大きく変動するものではない。実際、東電は地域独占なのでその収入はよけい確実である。すなわち、銀行に見られる期間構造のミスマッチは、東電にはないのである。

 また、銀行は他の多くの金融機関と様々な金融取引を行っているので、ある銀行が取り付けにあって破綻すれば、その影響はすぐに他の銀行にも及ぶことになる。銀行破たんの懸念は、預金引き出しをより活発にし、金融機関自身も他の金融機関から資金を引き上げるようになる。こうして、金融システム全体が危機に陥ってしまう。だが、東電が破綻したとしても他の電力会社があぶなくなるわけではない。もしも規制緩和を通じて顧客が東電から他の電力会社に移ることになれば、他会社はむしろ得をする。

 日本の銀行は多額の東電株と東電債を保有しているので東電の破綻が金融危機を引き起こすと警告する論者もある。しかし、その場合には、金融規制当局が東電の破綻によって多額の損失を蒙った銀行に対して的確に対処し、場合によっては介入することによって、金融危機を避けることができる。もちろん、多くの銀行はそのような規制当局の介入を嫌って、東電救済案に賛同しているのだろうが。

 東電の破綻処理が必要なら、2003年に大改正されて使いやすくなった会社更生法を使うべきである。そもそも、会社更生法が目的とするのは、債務超過の可能性がある会社の事業の継続価値を損なうことなく、その債務関係をできるだけ公平に調整する仕組みである。現在の東電のような立場に陥った企業のために設計されたと言っても過言ではない。JALも東電同様、重要な大会社であるが、現在会社更生法の下で再建中である。JALにも東電にも金融機関のような特別な破綻処理スキームは必要としないのである。

 電力債は、電気事業法によって特別の地位を与えられ、会社更生法の下でも他の一般公正債権に対して先取特権があるから、もし東電が会社更生法を適用されると、被害者への補償よりも優先されて弁済される、という議論もあるが、これは正確ではない。会社更生法は、債務調整の手続を決めているだけであり、厳格な配分ルールではない。先取特権を持つ債権でも、更生計画では公平性の観点から他の一般更正債権とまとめて一つのクラスにされる場合もしばしばである。重要なのは、公平な更生計画が裁判所の監督の下で慎重に作成されることである。この意味で、会社更生法は融通の利かないルールではなく、公平性を確保するためのプロセスなのである。

 逆に会社更生法を適用せず、東電そして電力会社を特別扱いするなら、他の重要な企業の経営者にもいざとなれば政府が助けてくれるという甘い期待を持たせることになるだろう。もっと深刻なことには、日本では影響力の大きい企業は失敗しても通常のルールが適用されないのだ、というメッセージを全世界に発信することになってしまうことである。

 東電のケースの金融機関との対比は的確でない点が多いが、ひとつだけ当たっている点がある。預金保険は預金者が銀行を監視するインセンティブを弱めるので、銀行のモラル・ハザードを助長する。その結果、銀行がリスクが取りすぎることがないように、政府が監視する必要が出てくる。こうして、金融業は多くの国で厳しい規制の下に置かれている。

 同様に東電も、原発など安全性が最重要視される業務を行っていることから、もともと政府の厳しい規制下におかれているはずだった。この規制が失敗したことが今回の事故の要因になっていることを忘れてはならない。東電を救済し、今後はさらに手厚い保険を用意することは、既に存在するモラル・ハザードを助長し、安全性・効率性の確保を今まで以上に難しくするだろう。

 すでに存在するモラル・ハザードとその結果としての安全の軽視、発電・送電の両事業にわたる地域独占の問題、そして政府の規制・監督の実効性の低さ。こうした問題は、債務超過と違って、会社更生法が解決できる問題ではない。それらは、東電問題を超えて、全電力会社と電力産業全体の問題として、抜本的な改革が必要とされるだろう。

<執筆者>
◆星岳雄(カリフォルニア大学サン・ディエゴ校、国際関係・環太平洋研究大学院教授)
◆アニル・カシャップ(シカゴ大学ブース・ビジネススクール教授)
◆ウリケ・シェーデ(カリフォルニア大学サン・ディエゴ校、国際関係・環太平洋研究大学院教授)

チェルノブイリ事故から25年 次世代悩ませる「不安」 04/22/11 (産経新聞)

 「旅行代理店で働きたい」「私は美容師になりたいの」。10代の女の子たちは、入院病棟で将来の夢を口々に語った。ウクライナ北部のチェルノブイリ原発事故で、被害の拡大阻止のために働いたり、現場周辺から避難したりした人々の子や孫たちだ。科学的に立証されていない放射能被害の遺伝におびえ、精神的な圧迫感に悩まされている人も多い。旧ソ連時代の事故発生から25年。「不安」は次世代を担う子供たちにも受け継がれている。(キエフ 佐藤貴生)

 ウクライナの首都キエフ市西部にある放射線臨床研究所。3階にある小児科の入院施設には、3~17歳の子供たちが生活する一角があった。娯楽室では絵を描いたりドミノ倒しで遊んだりする姿がみられた。

 大半の子が原因不明の複数の病状を訴えている。治療を受けて良好な検査結果が出れば、数週間で退院できるという。

 原発事故の後始末に当たった人々は「リクビダートル」(ロシア語で処理人の意)と呼ばれ、その数は事故後の5年間で30万人に上るという説もある。彼らの血を引く子には特別な証明書が発行され、中には健康の異常を訴えて入退院を繰り返す子もいるという。

 病棟の一室ではレーラさん(15)ら女子中学生3人がベッドを並べていた。キエフ周辺で暮らし、学校の定期検診などで異常が検出された。彼女たちの祖父母や親は、原発から数キロ離れたプリピャチ市などで事故に遭遇した。

 心臓などに異変が見つかったというレーラさんは、「病気のことは考えたくもない」とつぶやいた。ダーシャさん(14)も、「心臓や胃などにいくつか病気があるといわれた。母も心臓が悪い。元気になるのなら、長く入院してもいい」と話した。

 原発事故から10年以上経って生まれた子供たち。しかし、放射能による疾患の遺伝を立証するデータはない、と研究所のガサノフ副医長はいう。「リクビダートル本人に関しても、どの疾患が放射能によるものか科学的に断言できない。遺伝についてはなおさらだ」

 半面、精神的な不安は小さくない。「チェルノブイリの場合、ストレスという別の要素が病気の原因の一つだ。人々はもう25年間も、遺伝による病気になるのでは、という不安を抱き続けている」(副医長)

 同研究所を管轄する放射線医学調査センターのバジカ副所長は、「被曝(ひばく)した人から生まれた子供たちは病弱だという統計があるが、遺伝しているのは病ではなく体質だ」と話し、何世代もの追跡調査を行う方針を示す。

 さらに、バジカ氏は、福島第1原発事故に触れて「漏れ出た放射性物質はチェルノブイリの10%で、幸いなことに、チェルノブイリのように大量の核分裂生成物質が上空に舞い上がることもなかった」と述べ、双方の事故の違いを強調している。

 ◆「遺伝的影響なし」

 放射線影響研究所元理事長の長瀧重信・長崎大名誉教授も「被曝者の子孫への遺伝的な影響は科学的に認められていない」と語る。

 長瀧氏は、同研究所が広島・長崎に投下された原爆の被爆者の数万人の子孫に対し長年調査を行ってきた結果、放射能の遺伝的影響が彼らに出たという事実は「今まで一度も明らかになっていない」と指摘。「住民の被曝線量が広島・長崎よりはるかに少ない」チェルノブイリにおいて、「遺伝的影響が出ることはあり得ない」と述べた。

社説:チェルノブイリ 25年の教訓を生かせ 04/22/11 (毎日新聞)

 福島第1原発の事故が収束しない中で、1986年4月26日に旧ソ連(現ウクライナ)チェルノブイリで起きた世界最大の原発事故から間もなく25年を迎える。今も放射能汚染で周囲30キロは居住禁止区域のまま。被ばくが原因とみられる子供の甲状腺がんなど、周辺住民の健康被害も続いている。日本も過去の悲劇から目をそむけず、謙虚に教訓を学ぶ姿勢が求められる。

 無論二つの事故を単純に比較することはできない。チェルノブイリでは原子炉自体の爆発と火災で大量の放射性物質が大気中にまき散らされた。福島では原子炉を覆う格納容器から放射性物質が漏れたが、原子炉が破壊されたわけではない。大気中の汚染レベルも10分の1以下とされる。旧ソ連政権は原発職員ら31人の死者を出して約10日で原子炉を封じ込めたが、日本では事故処理の手法も安全への考え方も違う。一方、原子炉1基の事故だったチェルノブイリと違って福島では4基でトラブルが起き、海洋汚染も加わった。

 原発事故の放射能汚染は同心円状に広がるのではなく風向きなど気象条件にも左右される。チェルノブイリでは原発から北東に300キロ離れた地点まで高レベルの汚染が広がっていたことが判明している。日本も今後、原発周辺のさらにきめ細かい汚染調査に取り組まねばならない。

 チェルノブイリ周辺では今も住民の健康被害が報告されているが、ソ連末期の社会混乱など精神的ストレスの影響も指摘され、被ばくとの因果関係は証明できないと切り捨てられる例が多い。長期被ばくがもたらすがんによる死者数も、推計した国際機関によって4000人から1万6000人まで幅がある。低線量被ばくの影響評価が異なるためだ。福島原発の放射性物質漏れも「ただちに健康への影響はない」とされるが、住民への長期にわたる健診と追跡調査を怠ってはなるまい。

 放射能への誤解が生む避難住民への差別、住み慣れた故郷からの退去を拒む人たち、原発閉鎖に伴う代替電源の確保や住民の再就職などは、いずれの事故にも共通する問題だ。周辺地域の汚染除去への取り組みやナタネ栽培による土壌浄化の試みなど、事故後の対策でもチェルノブイリを参考にすべき事例は多い。

 日本で起きた「想定外」の事故は国際社会にも衝撃を与えた。チェルノブイリ事故から25年にあたって19日、ウクライナで開かれた首脳級の国際会議で、日本の高橋千秋副外相は、福島原発事故の早期収束と、検証結果などの情報公開を約束した。事故の教訓を国際社会と共有していくことで新たな国際貢献につなげるよう望みたい。

事故から25年、チェルノブイリは今 (時事トットコム)

日本政府など信用できない。多くの諸外国が思ったこと。だから外国人も安全を考えて日本に来ない。 日本国民は素直なのか、思慮深くないのかわからないが日本政府を信用しているようだ。 「測定は、3月30日~4月2日と4月18~19日の2回に分け、文科省と東京電力などが実施。」 つまり、日本政府と東電は同じサイド。東電は事実を知っていたが黙っていた。既にギブアンドテイクの関係だ。 風評被害とテレビは繰り返すが、風評被害とは事実に基づかない判断による被害。国民には事実を知る方法はない。 安全サイドで判断する人達がいても仕方がない。皆、同じ行動を取るほうがおかしなことである。 原発事故のために避難した福島の人達は人が良い。あれだけ不便な生活を続けてもテレビで不満をあまり現さない。 原発を容認した人達は自業自得だけれども、皆が賛成したわけではないと思う。皆、補償の話をなぜしないのかも不思議だ。

官邸の指示で出さなかった」 警戒区域4カ所で毎時100マイクロシーベルト超 04/21/11 16:39 (産経新聞)

 文部科学省は21日、福島第1原発から1~21キロ離れた150地点で先月末以降に測定した1時間当たりの放射線量を初めて公表した。20キロ圏内の住民の立ち入りを禁じる「警戒区域」のほぼ範囲内。毎時100マイクロシーベルトを超えたのは、原発から2~3キロ地点の福島県大熊町の4カ所だった。公表が大幅に遅れた理由について、文科省は「官邸の指示で出さなかった」とした。

 最も高かったのは原発の西北西約2キロの大熊町夫沢で4月2日に観測した毎時124マイクロシーベルト。経済産業省原子力安全・保安院は、20キロ圏内の住民の一時帰宅について、毎時200マイクロシーベルトを目安としたが、今回の測定結果でこれを超えた場所はなかった。

 測定は、3月30日~4月2日と4月18~19日の2回に分け、文科省と東京電力などが実施。文科省は、20キロ圏内の測定は保安院や東電が担当すると説明していた。

「関係法を所管する厚生労働省は通常規則に基づき『100ミリシーベルトを超えると5年間は放射線業務に就けない』とする一方、作業員の被ばく線量を一括管理する文部科学省所管の財団法人は『通常規則とは全く別扱いとする』と違う見解を示し、 手帳への記載法も決まっていないためだ。・・・作業員の被ばく線量を一括管理する財団法人・放射線影響協会の放射線従事者中央登録センターは『250ミリシーベルト浴びた労働者に通常規則を当てはめてしまうと、 相当年数、就業の機会を奪うことになる。全く別扱いで管理する』と説明。」

政府と東電が親密な関係が良くわかる。緊急で重大な事故であることは理解できる。作業員が被曝し、将来、がんなどになる可能性を 作業員が理解した上で仕事を請けたのか知らない。「フクシマ50」及び同じような作業している人達は、もしかすると「浅はかであるが勇敢な作業員」かもしれない。 しかし、政府は危険な現場で作業する人間達を守ることも考えてやるべきだろ! 東電の利益になるようなことしか行わない政府の浅はかさが良く理解できる。こんな事すら考えることすら出来ない民主党が、 「子供手当て」にこだわるのは選挙対策だけとしか思えない。政党助成金の減額をせずに予算がないと復興税を提案する。 民主党よ、どこまで国民をばかにするのか!東電は解体!東電の危機管理意識なしのDNAを残す必要はない!

福島第1原発:作業員の被ばく線量 管理手帳に記載せず 04/21/11 7時28分 (毎日新聞)

 東京電力福島第1原発の復旧を巡り、作業員の被ばく線量の上限を100ミリシーベルトから250ミリシーベルトに引き上げた特例措置が現場であいまいに運用され、作業員の放射線管理手帳に線量が記載されていないケースがあることが分かった。関係法を所管する厚生労働省は通常規則に基づき「100ミリシーベルトを超えると5年間は放射線業務に就けない」とする一方、作業員の被ばく線量を一括管理する文部科学省所管の財団法人は「通常規則とは全く別扱いとする」と違う見解を示し、手帳への記載法も決まっていないためだ。

 ◇上限あいまい運用 補償不利益も

 運用があいまいだと作業員の安全管理上問題がある上、将来がんなどを発症した際の補償で不利益になる可能性もあり、早急な改善が求められそうだ。

 作業員の被ばく線量は、原子炉等規制法に基づく告示や労働安全衛生法の電離放射線障害防止規則で、5年間で100ミリシーベルト、1年間では50ミリシーベルトに抑えるよう定めている(通常規則)。ただ、緊急時には別途100ミリシーベルトを上限に放射線を受けることができるとの条文があり、国は福島第1原発の復旧に限り、250ミリシーベルトに引き上げる特例措置をとった。国際放射線防護委員会の勧告では、緊急時は500ミリシーベルトが上限だ。

 問題となっているのは特例措置と通常規則との兼ね合い。厚労省は「通常規則は有効で、今回の作業で100ミリシーベルトを超えた場合、5年間は放射線業務をさせないという方向で指導する」とし、細川律夫厚労相も3月25日の参院厚労委の答弁で全く同じ認識を示した。

 ◇「労災申請時などに困らないよう記載方法検討」

 一方、作業員の被ばく線量を一括管理する財団法人・放射線影響協会の放射線従事者中央登録センターは「250ミリシーベルト浴びた労働者に通常規則を当てはめてしまうと、相当年数、就業の機会を奪うことになる。全く別扱いで管理する」と説明。さらに「労災申請時などに困らないよう、手帳に記載する方法を検討している」とし、放射線管理手帳への記載方法が決まっていないことを明らかにした。

 復旧作業にあたる2次下請け会社の男性作業員(30)は3月下旬、現場で元請け会社の社員から「今回浴びた線量は手帳に載らない」と説明された。「250ミリシーベルト浴びて、新潟県の東電柏崎刈羽原発で働くことになっても250ミリシーベルトは免除される」と言われたという。

 作業員が所持する線量計のデータは通常、原発から同センターのオンラインシステムに送られ一括管理されるが、福島第1原発では事故後、オンラインシステムが使用できないという。また、作業員の被ばく線量の登録管理を巡るルールは、同協会と電力会社、プラント会社など関係約70社で話し合われるが、事故後は会議を開けない状態が続いているとされる。【市川明代、袴田貴行、森禎行】

 【ことば】放射線管理手帳

 作業員一人一人の被ばく線量や健康診断結果などを記載する手帳で、これがないと放射線管理区域には入れないことになっている。ただし法的根拠はなく、財団法人・放射線影響協会の放射線従事者中央登録センターと電力各社、元請け会社、主な下請け会社などで自主的に運用している。作業中は本人たちの手元にはなく、会社側が預かっているケースが多いとされる。

福島第1原発:「ババ引くのは作業員」嘆く下請け社員 04/21/11 2時36分 (毎日新聞)

 福島第1原発の復旧作業を担う作業員の被ばく線量を定めた特例措置があいまいに運用され、作業員の放射線管理手帳に記載されていないケースがあることが明らかになった。現場の作業員はあいまいな運用に不安を漏らすとともに「結局、ババを引くのは作業員」と嘆く声も聞かれた。関係者からは「線量管理がいいかげんだと、訴訟になった時に証拠が得られない可能性もあり、問題」との指摘も上がる。【袴田貴行、森禎行、日下部聡】

 ◇訴訟時、証拠ない恐れ

 「今回食った(受けた)分の放射線量は手帳に載らないから。安心していいから」。3月末に福島第1原発の復旧に従事した2次下請け会社の男性(30)は、作業開始直前、1次下請け会社の社員にそう告げられた。

 男性は3月下旬、所属するポンプ点検会社の社長から「上の会社から3日だけ人を出すよう頼まれた。(現場の状況が)ひどかったら途中で帰ってきていいから、とりあえず3日間だけ行ってくれないか」と言われ、同原発へ。作業内容は不明のまま駆り出されたが、現地に着くと、使用済み核燃料共用プールの電源復旧のためにケーブルをつなぐ専門外の作業を指示された。「とにかく人をかき集めて電源復旧をやっている感じだった」

 現場で経験者から指導を受けながら作業を進めたが、「初めてなので手間取って時間もかかったし、余計な線量を食った」。当時は線量計が足りず、6人のグループに1台だけ渡されたという。

 作業は放水の合間だったため、午前2時までかかったり、朝6時から始めたことも。待機場所の免震重要棟は「すし詰め状態で大人1人が寝っころがるのがやっと。仮眠も取れないのがきつかった。まともにやったら2日で限界」と振り返る。

 結局、3日間で計約12時間働き、線量計の数値は国が特例として引き上げた上限の5分の1、以前の上限の半分に当たる約50ミリシーベルトに達していた。「普段そんなにいくことはまずない」。日当は通常なら1日1万5000円程度だが、今回は事前に決まっていない。ただし「同じような仕事の募集が日当17万円だったらしい」。3日で50万円になる計算だ。

 男性の放射線管理手帳は、この作業時とは別の、震災前に登録していた元請け会社が管理しており、手元にはない。「ずっと自分の手元に帰ってきてないから(今回の線量が)載っているかどうかは分からない」。確認しようにも震災前の元請けは震災後、事務所が機能していない。「自分の手帳を戻すのは困難」と、今後に不安を募らせる。

 3次下請けで原発の補修に当たる建設会社社員の男性(28)は線量管理があいまいになっていることについて「そうでもしないと原発を止められない感覚があるのではないか」と指摘する。その上で「手帳の管理は下請けによって違う。将来の仕事を受注するため(社員の線量を低くしようと)下請け会社が手帳に今回の数値を載せないことも考えられる。会社は仕事をもらえるかもしれないが、結局ババを引くのは作業員だ」と訴えた。

 元原発作業員が東電に損害賠償を求めた訴訟で原告代理人を務めた鈴木篤弁護士の話 原告は4年3カ月の累積70ミリシーベルトで多発性骨髄腫を発症したとして労災を認められた。250ミリシーベルトの上限自体が高すぎる。それを別枠にするなどむちゃくちゃだ。被ばく線量を証明できても裁判所はなかなか発症との因果関係を認めない。きちんと線量管理がされなければ、作業員が損害賠償を請求しようとしても基礎的な事実さえ証明できなくなる恐れがある。

復興税を消費税にすると被災者にも負担がかかると言いながら、大企業を助けるためには税金を投入し、国民負担を増やす。 東電は甘いリストラで腹の中では笑っている。政府から借りる融資を返すために電気料を上げれば苦しむこともない。 東電の幹部達は反省などしないし、何かあっても政府に泣きつくだけ。その後、お金で政治家や学者をコントロールする。 この悪の関係は断ち切るべきだ。多くのサイトでこの問題が指摘されている。民主党、どう国民に説明するのか??

福島第1原発:「賠償機構」新設 東電の経営監視…政府案 04/21/11 2時35分 (毎日新聞)

 東京電力の福島第1原発事故で、政府が検討している損害賠償対策案の骨格が20日、分かった。今回の賠償や将来の事故に備える「原発賠償機構(仮称)」を新設し、賠償の財源は国が拠出する交付国債や金融機関からの融資で賄う方向。東電は同機構から当面の賠償資金を借り、分割して返済する。機構は東電の優先株を取得して事実上の公的監視下に置き、経営監視の役割も担う。

 損害賠償は一義的に東電が対応するが、一度に巨額の賠償が必要になった場合、債務超過に陥って電力供給に支障が出る可能性がある。このため政府は、潤沢な資金を持つ機構を作り、東電が借り入れや優先株発行で賠償資金を調達できる仕組みが必要と判断した。

 対策案によると、機構は今回の事故の損害賠償に対応する勘定と、将来の事故に備える勘定を分離して管理する。損害賠償対応の勘定は、公的資金を原資とする交付国債と、金融機関からの融資を財源にする。交付国債の規模は損害賠償額によるが、数兆円に上る見通し。

 交付国債は、特定目的のために発行する無利子の国債で、同機構の資金需要に応じて現金化する。金融危機時に、預金者保護に充てる公的資金の原資にするため、預金保険機構に交付した例がある。

 また、将来の事故に備える勘定は、原発を保有する電力会社などが負担金を出すことを想定している。機構は東電が発行する議決権のない優先株を引き受け、配当を受け取る。

 ただ、東電の負担のあり方については、政府内や金融機関で意見が分かれている。特に、融資以外に東電の社債も持つ金融機関は、過大な賠償負担で東電の財務体質が悪化することを懸念しており、年1000億円規模の返済で10~15年、計1兆5000億円程度を賠償の上限にするよう求めている模様だ。これに対し、公的負担を抑えたい財務省は、上限の設定には慎重な立場だ。

 今後、経済産業、財務、文部科学の各省と東電などで最終調整を進め、月内にも枠組みを決める。ただ、損害賠償の見積もり次第では交付国債の発行規模などが変わるため、制度の詳細設計は5月以降にずれ込む可能性もある。

 東電は人員削減や資産売却などのリストラで賠償の原資を少しでも増やす意向だが、被災した発電所の復旧や事故対応に加え、原発停止に伴う火力発電の活用での燃料費、廃炉費用などが膨らむのは必至で、電気料金の値上げも検討する。

東電が工程表を公表したから政府は安心しているのかもしれないが、工程表は実際のスケジュールと比べてどれくらい遅れているのか、予定通りに 進んでいるのか確認できるだけのこと。非難している人達はインターネットにアクセスしていろいろな情報を収集したり、しないのか出来ないのか よく知らないが、福島第一原発事故の説明は子供だました。水冷式の復旧は簡単でないことぐらい直ぐに推測がつく。時間稼ぎとしか思えない。 もし、本当に専門家達が4月中旬まで水冷式の復旧は簡単でないことを推測できなかったのであれば原発は安全でないとはっきり言える。 自称、原子力専門家が多いのだから彼らの意見は参考程度になるか、ならないかであろう。

福島第一原発、空冷式の導入検討 水冷式は復旧に時間 04/21/11 1時41分 (朝日新聞)

 東京電力福島第一原発の原子炉を安定的に冷やすため、東京電力は、空気で冷やす装置の導入の検討を始めた。国内の原発では原子炉の水を冷やすのに、海水を使っている。だが、機器の損傷などで復旧に時間がかかる恐れがあり、熱効率は悪いが、比較的整備しやすい空冷式も選択肢の一つにすることにした。

 東電などによると、検討する空冷装置は、原子炉内の水を引き込み、大きなファンで送り込んだ空気でその炉水を冷やし、再び炉に戻す方式。こうした空冷式の冷却装置は、すでに欧州の原発などで採用されている。

 東電によると、「水冷式と空冷式には一長一短がある」。水の方が空気に比べて冷却効率が高い。国内の原発は海沿いにあるため、海水を使った水冷式の熱交換器が採用されている。装置全体は大がかりだが、熱交換器は小さい。一方、空冷式だと、温水を冷やす熱交換器は大きくなるが、設備は水冷式よりは整備しやすいという。

 空冷式の熱交換器は、新たに原子炉建屋の外に設置することを想定している。水素爆発で機器や配管の損傷がひどいとみられる1、3号機で導入を検討している。(坪谷英紀)

■建屋内、なお高い放射線量 準備作業、短期間で

 東電は現在、原子炉建屋内にある残留熱除去系と呼ばれる冷却装置の復旧をめざしている。これは停止中の原発の核燃料を海水を使って冷やす水冷式装置だ。

 原子炉に核燃料が入っている1~3号機は、いずれも建屋地下にあるたまり水の影響で、この装置のポンプが水浸しになり、動かなくなっている。原子炉を安定した状態で停止させるためには、核燃料を冷やす必要があり、そのために不可欠な仕組みだ。

 国内の原発の残留熱除去系の冷却装置は、熱くなった原子炉の水を、冷えた海水で配管越しに冷やす熱交換器を備えている。福島第一原発の場合、熱交換器は各号機とも原子炉建屋の中にあり、冷却用の海水を配管で原子炉建屋に引き込んで使っている。

 だが、その原子炉建屋は、作業員が入れないほど高い放射線量が計測されている。このため、機器が故障しているか、配管が破れているかさえ確認できない状態だ。とくに1、3号機は、水素爆発で建屋内が損傷している可能性がある。機器や配管を点検・修理するには、かなりの時間がかかるとみられ、比較的短期間で準備できる冷却装置が必要と考えられている。

どこまでが「長崎と広島の原爆」からのデータが参考になり、どこからが「チェルノブイリ事故」からのデーターが参考になるのかわからない。 しかし、日本の政府を信用せずに自己責任において判断するほうが良いと強く感じる。ロシアやウクライナ人と話すと政治の腐敗や政治介入に よる隠蔽が会話になると他の国の人達よりも理解が早い。「そんなことはない。」とか言わない。ロシアやウクライナの歴史については あまり知らない。一般の日本人には理解できないことがあったのだろうと思う。原発事故で非難している人達の思いや発言はテレビを通してしか わからない。テレビからの情報が全てとは思わないが、もっと真剣に原発による被害の情報を収集し、今後の身の振り方を考えたほうが良いと思う。

「政府発表を鵜呑みにせず自分の身は自分で守れ」チェルノブイリ事故処理班の生存者が語る 凄惨な過去と放射能汚染への正しい危機感 (1/4ページ) 放射線量が高すぎて、1分以上作業を継続できない場所も (2/4ページ) 科学者14人のうち、マンズロヴァさんを除いて全員亡くなった(3/4ページ) 放射能漏れが止まってからでないと、健康被害の規模は予測できない (4/4ページ) 04/20/11 (ダイヤモンド・オンライン)

ナタリア・マンズロヴァ(Natalia Manzurova)
生物が放射線から受ける影響を研究する放射線生物学者。チェルノブイリ事故の後、5年間にわたり汚染地域の放射線量の測定し、汚染物質を地面に埋めるなどの事故処理作業を指揮した。この仕事に従事した他の科学者13人全員は癌(がん)などで亡くなり、自身も2度の甲状腺がんを患った。1997年に放射能汚染の被害者の権利擁護活動を行うNPO「チェルノブイリ・ユニオン」を設立。放射線生態学に関する記事を多く執筆し、国際的な環境・人権擁護団体などと共に被爆者支援活動を続けている。

「危険ゾーンのなかでは植物が枯れ、動物が死に命あるものすべてが影響を受けた。放射能は動物の脳にも影響を与え、通常は人に寄りつかないキツネが近づいてきた」――。放射線生物学者として1986年に起きたチェルノブイリ事故の汚染除去作業を指揮したナタリア・マンズロヴァ氏は、硬い表情で当時を振り返る。同僚を失い、自らも甲状腺がんを2度患い、生死の境をさまよった。過酷な作業環境、そして今後予想される福島原発事故の健康被害の規模などについて、話を聞いた。(聞き手/ジャーナリスト、矢部武)

――福島原発事故が起きたときに何を考えたか。

生物が放射線から受ける影響を研究する放射線生物学者。チェルノブイリ事故の後、5年間にわたり汚染地域の放射線量の測定し、汚染物質を地面に埋めるなどの事故処理作業を指揮した。この仕事に従事した他の科学者13人全員は癌(がん)などで亡くなり、自身も2度の甲状腺がんを患った。1997年に放射能汚染の被害者の権利擁護活動を行うNPO「チェルノブイリ・ユニオン」を設立。放射線生態学に関する記事を多く執筆し、国際的な環境・人権擁護団体などと共に被爆者支援活動を続けている。

 チェルノブイリ事故処理作業に関わった科学者は皆、福島原発事故の報道を見て、「第2のチェルノブイリ」が起きたと思っただろう。私たちはチェルノブイリ事故には肝をつぶすほどに驚いたが、まさかこれほどまでに深刻な事故が日本で起こるとは夢にも思わなかった。

 世界はチェルノブイリ事故の教訓から何も学んでいないということだろう。これまで行われたチェルノブイリ関連の検査や調査研究などの結果はすべて公表すべきである。

――あなたの研究所はチェルノブイリ原発のすぐ近くにあったというが。

 ソ連では1957年に初めて原子力発電所の事故が起きたがその直後、放射線が水、植物、鳥、動物などに与える影響を研究調査するための研究所が設立された。私はそこで70年代半ばから約10年間働き、汚染地域の放射線量測定や生物影響に関する調査などを行っていた。そしてチェルノブイリ事故が起こり、モスクワ政府から研究所の他の科学者13人といっしょに事故処理作業に加わるように言われた。

 チェルノブイリでは原発から30キロ圏内を「放射線危険ゾーン」としたが、私の研究所のあったプリピャチはその危険ゾーンの中心部に位置している。実際、私の研究所の建物の窓から原子炉が爆発炎上するのが見えた。原発の近くには集合住宅があり、庭のベンチに座りながらその光景を見た人もいた。集合住宅の庭では子供が駆け回ったり、自転車に乗ったりして遊んでいた。近くの川で魚釣りをしている人もいた。当初、住民たちは放射線被曝の危険性をまったく知らされず、何の警告もなされなかった。

 危険ゾーンのなかでは植物が枯れ、動物が死に命あるものすべてが影響を受けた。放射能は動物の脳にも影響を与え、通常は人に寄りつかないキツネが近づいてきたり、気が狂った犬が人を攻撃したりした。

 また、近くには幼稚園もあったがそこにいた子供たちに何が起こったか、いまどこにいるのかとても心配だ。

――チェルノブイリの事故処理作業はどのように進められたのか。

 チェルノブイリ事故では原子炉の建屋や制御室が爆発炎上し、大量の放射能が放出された。崩壊した原子炉の事故処理作業には軍隊の他、刑務所を釈放された囚人などの作業員が大量動員された。放射線量が高すぎて、1分以上作業を継続できないような場所もあった。

 私たち科学者チームは汚染地域内のあらゆる場所の放射線量を測定したが、線量が高すぎて機器が壊れてしまい、軍用の測定器を使った。

 危険ゾーン内ではアパートやオフィスビル、家具などあらゆるものが大量の放射能に汚染されたため、作業班はこれらを解体して軍用トラックで運び、地面に埋めた。軍人のなかには放射線量が高すぎる場所での作業を拒否する者もいた。

 また、近くには青々と茂った松林があったが放射能を浴びて赤く枯れ、まさに「レッドフォレスト」と化した。汚染された松林から放射性物質が漏れないように、ヘリコプターで空から大量の特殊接着剤が撒かれた。

 福島でも事故処理作業が進められていると思うが、日本は狭い国なので放射能汚染されたものをどこに埋めるかも今後の課題になるかもしれない。

――放射能汚染地域での作業は健康被害が心配だが。

 作業を始めてしばらくして、科学者チームメンバーのほとんどが体調不良を起こした。インフルエンザにかかったときのように高熱が出て体が震え、全身の筋肉が痛んだ。また、突然の眠気に襲われたり、異常に食欲が増して常に何かを食べていないと我慢できないような状態になったりした。体のなかの良い細胞がどんどん減り、悪い細胞が増殖しているのを実感した。

――あなたの研究所から作業チームに加わった科学者14人のうち、あなたを除いて全員は亡くなったというが。

 その通りだ。私たちは皆チェルノブイリ事故によってすべての国民が放射能汚染にさらされることを懸念し、作業チームに加わったのだが、不幸にも癌(がん)などにかかり、命を落とした。

 私自身も作業を始めて3年後に甲状腺がんが見つかり、甲状腺の半分を切除して摘出した。そして5年間の作業を終えて家に戻った時は40歳だったが、その後3年間はひどい体調不良で仕事はできず、ほぼ寝たきり状態だった。

 甲状腺がんも再発し、2度目の手術で甲状腺をすべて切除してしまったため、今はホルモン剤治療を受けながら、なんとか生きている。

――チェルノブイリ事故の死者は4千人と報じられているが、実際には100万人が死亡しているとの報告書も出ている。どちらが正しいのか。

 真実は誰にもわからない。しかし、どちらが真実に近いかと問われれば100万人の方だろう。当時、ロシア、ウクライナ、ベララーシ各共和国では医療制度はモスクワ政府の管理下にあった。多くの医師は、患者が放射能汚染が原因と思われる癌などで亡くなったにもかかわらず、死亡診断書にそれを書かなかったことがわかっている。 ――福島原発の放射能汚染による健康被害はどこまで拡大するかと思うか。

 福島原発の原子炉からの放射能漏れが完全に止まった時点で汚染地域の放射線量などを測定してからでないと、全体的な健康被害の規模を予測するのは難しい。

 たとえば、一定量の毒物を入れたコップの水を一気に飲めばすぐに死ぬかもしれないが、それを毎日少しずつ飲めばしばらくは元気でいられるかもしれない。しかし、それでも毒は少しずつ体に蓄積され、いずれ命の危険にさらされるだろう。健康被害が早く出るか遅く出るかの問題である。

 日本政府の人たちは汚染地域の住民と直接会い、彼らの目を見ながら話をするべきだ。そして放射能の影響を受けた子供や妊娠中の女性がこれからどうなるかを真剣に考え、対策を講じることだ。

――国民のほうはどのような心構えを持てばよいのか。

 いま現在も放射能が漏れ続けているので、(事態の推移について)人々は最大限の注意が必要だ。汚染地域の住民が健康守るために何をしなければならないかについて、私たちには経験に基づいた知識がある。家畜の飼育や野菜栽培をする上での注意点や、放射能汚染されたものをクリーンにする方法なども知っているので、いつでも聞いてほしい。ちなみに、放射能を浴びる直前に安定ヨウ素剤を服用すれば、甲状腺がんの予防に効果がある。錠剤を飲みたくなければチキンスープなどに混ぜてもよい。

 国民にとって大切なのは政府発表を鵜呑みにするのではなく、自ら学び、考え、主体的に判断をして行動することである。

事故から25年、チェルノブイリは今 (1/2ページ) (2/2ページ) 04/20/11(CNN.co.jp)

 ウクライナ・プリピャチ(CNN) 廃墟と化したビル、人影のない道路。街に漂うのは不気味な静けさばかり――旧ソ連チェルノブイリ原子力発電所の事故から25年、原発に隣接した街プリピャチを訪ねた。

中央広場から見回す街には草木が生い茂り、まるでジャングルに覆われた古代遺跡のようだ。窓の割れたビルが巨人のように見下ろし、屋根からは光の消えたネオンサインが垂れ下がっている。これほどまでに荒れ果てた光景はほかに思い当たらない。

1986年4月26日、チェルノブイリ原発4号機の事故で、この街には放射性物質が降り注いだ。だが住民に避難命令が出た時には、事故発生からすでに36時間が経過していた。パニックを恐れたゴルバチョフ政権は当初、プリピャチの住民に普段通りの生活を続けるよう指示したのだ。

子どもたちは学校で授業を受けた。結婚式を挙げたカップルもいた。やがて事故の重大さが否定しようもない事態となり、避難命令が出された。住民は数日後には戻れると聞かされ、少しばかりの書類や現金、食料だけを持ってバスに乗った。

政権の対応のまずさはソ連内部でも厳しく批判された。ゴルバチョフ氏はその後さまざまな場で、チェルノブイリがソ連崩壊を招く要因のひとつになったとの見解を述べた。

あれから25年たった今も、チェルノブイリの落とす影は消えていない。事故で何人が死亡し、何人が死に至ろうとしているのかという議論にも決着はついていない。

 国際原子力機関(IAEA)と世界保健機関(WHO)によれば、放射能を浴びた作業員28人が事故直後に死亡し、さらに20人が数年のうちにさまざまな死因で亡くなった。被曝(ひばく)が原因とみられるがんによる死者は4000人にも上るとされる。

また被災者支援組織のウクライナ・チェルノブイリ連合によると、過去25年間で、事故後の復旧作業に参加した14万人が死亡している。ただし、放射能の影響がどの程度を占めるのかは明らかでない。

専門家らは、被災者の間で特定のがんが急増したことに加え、強い不安症状がみられることも指摘する。ウクライナ政府によると、事故の影響が及んだ地域はスイスよりも広く、原発の半径30キロ以内は今も無人のままだ。

事故の影響が消える日はまだ遠い。チェルノブイリのような原発事故がたどる経緯は、時間の単位が人間のものさしとは違うのだ。

事故現場には通常よりもかなり高いレベルの放射能が残存する。近年は人数限定で短時間の観光ツアーも実施されているが、人が安全に住めるのは何世代も先になるかもしれないというのが、専門家らの見方だ。

多くの人が「東電は潰れない。東電は独占企業」と思ったから株価が高かったし、保有していた。しかし、東電の危機管理や 原子力管理については注目してこなかった。ここで東電を潰さなかったら今後も原発の管理体制や危機管理に問題を残すことになる。

原子力安全委員会 及び原子力安全保安院 が適切に機能しないし、張子の虎であることも明らかになった。原発について大した知識がない政治家達が何を変えようとも 簡単には機能する組織に変えられない。

民主党は東電の残したいようだが、東電と民主党にはメインステージから降りてもらわないといけない。東電が存続することにより 長期間で賠償費用を払えると民主党は言っているが、将来起こるかもしれない事故についてのリスクを考えてもいないし、 東電が賠償費用を電気料金に上乗せしない保証もない。結局、間接的には東電の尻拭いをさせられるのである。だから、東電を解体し、 他の電力会社に売る。火力発電所、その他の発電所や原子力発電所はメーカーやプラント管理経験がある企業により管理、維持も可能。東京電力で なくても問題ない。東電を存続させる必要はない。株主にも企業の活動に関心と責任を持つように考えさせる良い機会にもなる。 高い授業料になったが、原発事故がこのような規模になった以上、改革が必要だ。

3メガ銀行、東電株下落で1500億円損失処理 04/20/11 03時09分 (朝日新聞)

 三井住友フィナンシャルグループは19日、保有する東京電力株の大幅下落を受け、2011年3月期連結決算で700億円超を損失処理する方針を固めた。

 みずほフィナンシャルグループは約500億円、三菱UFJフィナンシャル・グループは約300億円をそれぞれ損失として計上する方針で、3メガバンクの東電株の損失額は1500億円規模に膨らむ見通しとなった。

 また日本生命保険も数百億円の損失を計上する方向だ。東電の株主は昨年9月末時点で個人を中心に約60万人・社にのぼる。大手ゼネコンや電機メーカー、地方銀行など多くの企業が東電株を保有しており、企業決算にも影響を与えそうだ。

 東電株(終値ベース)は、震災発生当日の3月11日は2121円だったが、福島第一原子力発電所の事故の深刻化に伴い、3月31日には466円に急落した。

放射能汚染水、地下深くには浸透せず 産総研が流れ解析 04/18/11 22時42分 (朝日新聞)

 福島第一原発から出た放射性物質による地下水の影響を調べるため、産業技術総合研究所が福島県内の地下水の流れを解析した。原発周辺や30キロ圏内では表層のすぐ下に水を通しにくい地層があるため、放射性物質は表層を流れ、地下深くに浸透しにくいという。

 産総研地下水研究グループは、これまでに調査されている地層や井戸などの情報をもとに、地下水の流れをシミュレーションした。

 研究グループによると、福島第一原発周辺は、砂利や砂などが積もった厚さ5メートルほどの堆積(たいせき)物があり、その下層には水を通しにくい厚さ約20メートルほどの泥岩層がある。敷地内に大量にまき散らされた放射性物質が地中に入っても、地下深くには浸透せず、地下水とともに5~10年ほどで海に流れ出るとみられる。

 原発から30キロ圏内でも、地下水の大部分が阿武隈山地から海に流れていることが分かった。ただ、30キロ圏の境では一部の地下水が南側と西側から圏外に流れ出る結果となった。この地域の土壌が汚染されていた場合、内陸部の水源に影響する可能性も否定できないという。

 30キロ圏内外とも放射性物質による汚染は地表から数メートルの表層に限定されるため、深い井戸を掘れば安全な地下水が得られ、復興のための工業用水などに使うことは可能だという。研究グループは、今週にも30キロ圏内からの地下水が圏外で実際にどう流れているかの調査を始める。

 丸井敦尚グループ長は「雨水に混じって地中にしみ込む放射性物質の影響はほとんど表層にとどまるため、地下水が広範囲で汚染される恐れは少ない。表層の土壌を入れ替えたり、深い井戸を掘ったりすることで、影響を抑えることが可能だ」と話している。(中村浩彦)

高線量、大幅に作業制約 1号機建屋、1時間で被曝上限 (1/2ページ) (2/2ページ) 04/16/11 00:09 (産経新聞)

 福島第一原発の原子炉建屋で高い放射線量が計測された。特に1号機では出入り口の扉ごしに毎時270ミリシーベルトあり、作業が一切できなくなる作業員の被曝(ひばく)線量の上限(計250ミリシーベルト)をわずか1時間で超える値だった。原子炉建屋内の計測は事故後初めて。人間が作業するには極めて厳しい環境だと分かった。

 作業員が16日に、1~3号機でタービン建屋から原子炉建屋に入るための二重扉付近に立ち入り、じかに放射線量を測った。

 東京電力によると、最初の扉を開けて入った1畳ほどの小部屋の線量は、1号機で最大で毎時270ミリシーベルトだった。2号機は12ミリシーベルト、3号機は10ミリシーベルト。作業員は扉の陰に隠れながら計測したという。

 今回の事故の作業のため、厚生労働省と経済産業省は作業員の緊急時の被曝線量限度を計100ミリシーベルトから計250ミリシーベルトに引き上げた。明確な定義はないが上限を超えると数年は作業ができなくなるとみられ、原子炉建屋内での1人当たりの作業時間は大幅に制限される見込みだ。通常の原発作業の被曝線量の上限は年間50ミリシーベルト。

 今回計測した場所の奥には、原子炉建屋に入る厚さ約20センチの鋼鉄製の扉がもう一つある。扉の向こうの放射線量は、今回の計測値よりも高いと見られている。

 また、東電は17日、米国製の遠隔操作ロボットを原子炉建屋に入れて放射線や温度を測った。1号機では今回の計測よりも北側にある別の二重扉から入り、暫定値ながら最大毎時49ミリシーベルトだった。3号機は同57ミリシーベルトだった。いずれも通常では放射線はまず検出されない場所だが、約5時間で緊急時の被曝線量の上限を上回る高い値を示した。

 1号機は原子炉内の核燃料の破損の度合いが全体の70%とみられ、2号機(30%)や3号機(25%)と比べて激しい。破損した核燃料から発生した水素による爆発で、壊れた配管などから高濃度の放射能汚染水が漏れ出ている可能性がある。

 原子炉を安定的に冷やすには、大量の水が循環する冷却系の再構築が欠かせない。原子炉建屋内にある機器や配管の修理や、配管を仮設ポンプにつなぎ直す工事が必要になる可能性が高い。

 今後、ロボットが調べた原子炉建屋内の放射線量や映像などを詳しく分析。どの付近の放射線量が高いのかや、配管が破れていないかなどを確認する。原子炉を安全に停止するのに6~9カ月かかるとする工程表の実現に向け、作業内容が練られる。(東山正宜)

どうせ国民負担はさけられない。だからこそ、一時国有化し、株主には泣いてもらう。東電を分割し、他の電力会社に買ってもらう。 今の東電の体質の残すべきでない。他の電力会社の体質が良いとも思えない。しかし、体質に問題がある電力会社が大事故を起こし、 国民負担(税金)により存続させる前例を作るべきではない!金融の秩序よりも今後そして将来を考えて厳しい対応を取るべきである。

他社負担、料金上げ、増税、国有化、分割…賠償財源、複数案が錯綜 (1/2ページ) (2/2ページ) 04/16/11 00:09 (産経新聞)

 東京電力福島第1原子力発電所事故の賠償問題で、政府と東電は数兆円に上るとの見方がある巨額の賠償資金の捻出方法の検討を進める。ただ、巨額な賠償金を東電だけで対応するのは難しく、政府の支援に加え、他の電力会社も負担する案や電力料金の引き上げで対応する多数の案が浮上している。東電の一時国有化や分割もくすぶっており、難航は必至だ。

 「損害賠償の一義的責任は東電にある」。15日開かれた経済被害対応本部の初会合で、本部長を務める海江田万里経済産業相は、改めてこう強調した。

 現行の「原子力損害賠償法(原賠法)」では、地震や津波が原因の場合、原発1カ所当たり1200億円まで国が拠出できる。電力会社から原発1カ所当たり毎年3600万円を徴収している補償料に基づく「保険金」だ。戦争などの社会的動乱が理由の場合、免責で国が全額を負担することもできるが、政府は東電への適用を否定している。

 保険金の超過分は原則として東電が負担することになるが、将来の利益や電力料金の値上げを含めても長期にわたり分割で拠出せざるを得ない。このため、政府の肩代わりなどの支援は不可避だ。

 政府内で検討されているのが、原発の受益者という観点から、他の電力会社にも負担を求める案だ。原発を持つ8社が原子炉の基数などに応じて資金を出す共済制度の創設のほか、東電が設立する基金への拠出などが浮上している。

 これに対し、業界では「他社の賠償を負担すれば、株主代表訴訟を起こされかねない」と否定的な声が多い。

 また電力各社に課している「電源開発促進税」の増税も検討されている。ただ共済や基金も含め電力各社の負担が増えれば、料金に上乗せされ、結局、国民に負担が及ぶことになる。

 政府・与党内でくすぶり続けているのが、東電の一時国有化だ。破綻した金融機関と同様に、政府が資本注入を行い、その資金を賠償に充てる案だ。しかし、東電が注入資金を返済できないと、国民負担に直結するほか、民間事業への国の関与に経済界が強く反発している。

 海江田経産相も15日、「事業体として存続し、電力供給の責任を負ってもらう」と述べ、東電の国有化を否定した。

 このため、電力供給を担う会社と、国が関与し原発事故処理や賠償問題を担当する会社に分割する案のほか、政府保証をつけた公的機関が、市場などから資金を調達し賠償に充てる案が取り沙汰されている。

 政府や与党、経済界の複雑な思惑がからみ、議論も錯(さく)綜(そう)しているのが実情だ。

「今月4日、青森市の産業廃棄物処理施設に搬入された牛の肉骨粉から1時間当たり最大0.16マイクロシーベルトの放射線が検出された。青森県環境政策課によると、この肉骨粉は、福島など東北6県から搬入された死亡牛を八戸市の工場で処理したもの。」 少なくとも死亡牛は放射能の影響を受けていたことを証明している。放射能の影響を受けた地域の動植物の影響は不明だし、政府のデーターが正しいとも思えない。 風評被害とテレビは言うが、問題が起こった時に誰がどのような補償をするのか明確にするべきだと思う。

福島第1原発:がれき処理宙に 汚染懸念、一般業者扱えず 04/14/11 11時10分 (毎日新聞)

 東日本大震災による東京電力福島第1原発の事故が、がれきの処理に影を落としている。原発周辺では、いまだに津波によるがれきが大量に放置されており、放射性物質による汚染が懸念されている。【渡辺暢】

 地震や津波で発生したがれきは「災害廃棄物」と呼ばれ、通常は廃棄物処理法に基づいて市町村が処理する。ただ、東日本大震災ではあまりに膨大なため、国が費用を全額負担する方針だ。

 しかし、福島県産業廃棄物課の担当者は「放射性物質で汚染されたものは災害廃棄物として扱えない」と指摘する。廃棄物処理法の条文に「放射性物質及びこれによって汚染された物を除く」とただし書きがあるためだ。

 同県産業廃棄物協会の木村光政事務局長は「現段階では我々には扱えない。汚染を拡散させたくはない。放射線量の安全基準を決めてほしい」と話す。

 一方、放射性廃棄物の扱いを定める原子炉等規制法は、原子力事業者から出たものだけが対象だ。原発の外の廃棄物が汚染されるケースは、そもそも想定されていない。

 経済産業省原子力安全・保安院は「放射性廃棄物として扱っていいのか分からない」と困惑する。同院には、がれきの処分について廃棄物業者などからの問い合わせが相次いでおり、「ひとまず安全に保管するよう指導している」(放射性廃棄物規制課)という。

 法のはざまで、汚染されたがれきの処理が滞ることが懸念されるが、似たケースは既に起きている。

 今月4日、青森市の産業廃棄物処理施設に搬入された牛の肉骨粉から1時間当たり最大0.16マイクロシーベルトの放射線が検出された。青森県環境政策課によると、この肉骨粉は、福島など東北6県から搬入された死亡牛を八戸市の工場で処理したもの。同課は原発の影響と推定しているが、取り扱いを定めた法令がないため、当面は業者が保管せざるを得ないという。

 環境省の推計では、震災で発生した福島県内のがれきの量は、建物のみで290万トン。汚染されたがれきの扱いについては関係省庁で協議が続いているが、結論は出ていない。

東電も清水社長もはっきりと説明できない。こんな会社を生かす必要があるのか?同じような事故が起こっても同じミステイクを繰り返すだけだ。 大胆なアクションが起こせない日本政府も情けない。原発はリスクはあると思うが、適切な対応を取れない東電と日本政府は原発リスクをより 危険にする。東電を国有化し、他の電力会社に売却せよ!出来るだけ国民負担を減らすべきだ!

福島第1原発:東電社長「放射線封じ込めに時間」 04/13/11 22時05分 (毎日新聞)

 大量の放射性物質を放出する深刻な原発事故の対応に追われる東京電力。清水社長は13日の記者会見で、原子炉や使用済み核燃料プールの冷却機能の復旧が難航している福島1~4号機について、「放射性物質の放出を一日でも早く抑止するために全力で取り組む」と強調した。だが、「放射線を封じ込めるのは時間がかかる」とも述べ、事態が長期化するとの見通しを示した。

 清水社長は一連の事故の状況について、「原子炉や核燃料プールの冷却と放射性汚染水の排水処理が喫緊の課題だ」と説明。「少しずつ安定化している」と語ったが、収束時期の見通しは「詰めている段階」と述べるにとどまった。

 東日本大震災発生直後の対応では、原子炉格納容器内の圧力を下げるため、弁を操作して高温の水蒸気を外部に逃がす「ベント」作業の遅れが事故拡大を招いたと指摘されているが、「外部電源の喪失で、作業の着手に時間がかかった」と強調。ベントや圧力容器への海水注入は自らの指示だったと説明したものの、決断の時間など詳細は明言を避けた。社長は震災当日の3月11日は関西地方に出張。地震で交通網が乱れ、東京に戻ったのは翌12日午前10時だった。

 福島第1原発1~3号機の事故が、過去に旧ソ連のチェルノブイリ事故しかない、国際評価尺度で最悪のレベル7と暫定評価されたことは謝罪したが、「地震で制御棒が正常に働き、原子炉を止めることができたのは事実。その意味では経年化した(1号機などの)施設の安全性は保たれた」とも強調した。

 新潟県の柏崎刈羽原発(計7基)については「津波対策を講じながら稼働する」と運転継続の方針を示した。【中西拓司、八田浩輔】

【福島原発「レベル7」】米教授が激白「独自収集の原子炉データは悲惨」 (1/3ページ) 「4号機がレベル4という判断が理解できない」 (2/3ページ) 汚染水放出「科学的にも絶対にやらないほうがいい」(3/3ページ) 04/13/11  (SankeiBiz)

 東京電力福島第1原発事故の“尺度”が「レベル7」に引き上げられ、「史上最悪」といわれるチェルノブイリ原発事故に並んだ。そのチェルノブイリ事故で米共同調査チームの代表を務め、今回緊急来日していたジョージア大学のチャム・ダラス教授が帰国前日の12日夜、夕刊フジの単独インタビューに応じた。ダラス教授は第1原発について「米軍やIAEA(国際原子力機関)が独自に収集した原子炉のデータは悲惨」と明かしたうえで、「ここ2、3週間が(安定化への)ヤマだ」と分析した。(夕刊フジ)

 ――日本政府は12日、福島第1原発事故をそれまでの「レベル5」から、一気に「レベル7」に引き上げた

 「驚いた。放射性物質のデータなどが急上昇したのか、地震の影響を考慮したのか、もともとレベル7だったのか…。普通では考えられない」

 ――推定放出量こそ少ないが、第1原発の4つの原子炉にある放射性物質の量は、チェルノブイリを上回っている

 「その通りだ。第1原発にある放射性物質の総量は圧倒的に多い。ただ、チェルノブイリに比べると火が出た時間は少なく、推定放出量も10%ほどだ。もちろん、10%でもかなり多いのだが」

 《一気にレベルを2段階も引き上げたことについて、自民党の小池百合子総務会長は『(菅直人政権の)初動の遅れがレベルを上げてしまったのでは』と指摘し、みんなの党の渡辺喜美代表は『政府が事故を過小評価していたことがバレてしまった。菅政権の責任は重大だ』と批判した》

 ――12日朝、4号機の放水口近くにある海水のサンプリング建屋から一時、火が出た

 「バッテリーから漏電して燃えたもので、あまり影響はないだろう。むしろ私としては、1号機から3号機がレベル7で、4号機がレベル4という判断が理解できない。1-4号機が一緒でなければおかしい」

 ――来日直後、日本政府の情報提供に不満を漏らしていたが、十分な情報提供を得られたのか

 「日本政府や東京電力は相変わらず核心情報を出さない。私は今回、米軍やIAEAの独自情報を入手した。一般科学者は見られないもので、詳細は明かせないが、原子炉内や原子炉周辺のデータはかなり悪い。一言でいうと悲惨だ」

 《外交関係者によると、米軍と日本政府の放射線量などの数値が大きく食い違うため、米軍が困惑しているという。米国と日本の検査方法の違いとの見方もある。今後、米軍の協力を得る際の障害になりかねない》

 ――米国は退避基準(50マイル=80キロ圏外)を変えるのか?

 「現時点では、50マイルでいいだろう。ただ、大きな余震も続いており、地震の影響を考慮するなら、広げることも検討すべきかもしれない」

 ――ダラス教授は今回、都内各地で放射線量などを測定した

 「東京は基本的に安全だ。放射性物質は検出したが許容範囲といえる。ただ、放射性物質は下の方にたまるため、道路で寝るような人は注意した方がいい」

 ――放射性物質を含む汚染水の太平洋への放出はどうか

 「これは、かなり深刻だ。大気中への放射能汚染よりも、海洋汚染のほうを懸念している。地上できちんと保管する方法があるのに、どうして東電はやらなかったのか。科学的にも絶対にやらないほうがいい。私は同意できない」

 ――ロシアの原子力専門家は、日本の汚染水放出を「国際犯罪だ」と批判している。ダラス教授も「犯罪的」と思うか

 「その表現については分からない。汚染水放出は科学的にやるべきではない。未来の人たちのためにも」

 ――結局、滞在中に寿司は食べたのか?

 「食べていない。寿司は大好きだが、測定して『放射性物質を含んでいない』と結果が出ていないので」

 ――今後、日本人はどうすればいいのか?

 「第1原発は、ここ2、3週間が安定化できるかどうかのヤマだろう。ニュースには注意したほうがいいが、東京周辺の人たちは、美しい桜を見に(外に)出かけてもかまわないだろう」

 【Cham Dallas】1953年、米テキサス生まれ。テキサス大卒。毒物学、生物学を専門とする科学者。ジョージア大学教授で、大量破壊防衛研究所所長。86年のチェルノブイリ原発事故の3年後の89年から99年まで、米政府とジョージア大の現地共同調査チームを率いた。CBSのニュース解説員も務める。先週、米医師会の医療災害サポートチーム団長として来日し、13日に帰国。ゴールデンウイーク明けに再来日する予定。

放射性物質汚染除去技術の宣伝、使用によるデーターの入手、及び日本からの感謝。全く損が発生しない。 日本政府や東電もわらにもすがりたい状況。日本の新聞は下記の情報は未公表なのか?

放射性物質汚染除去技術を提供  CBIポリマーズ社がディコンジェル 04/11/11 (共同通信PRワイヤー)

AsiaNet 44169
☆共JBN 外0471 (産業、化学)(11・4・11)
【産業担当デスク殿】44169
◎放射性物質汚染除去技術を提供
CBIポリマーズ社がディコンジェル

【ホノルル11日PRN=共同JBN】ホノルルに本社を置き、放射性汚染除去剤であるディコンジェル(DeconGel、登録商標)を開発したCBIポリマーズ社(CBI Polymers LLC)は、日本において最も大きな被害を受けた東北地方沿岸部の人々に対する医療及び緊急援助の努力の一環として放射性物質汚染を除去するという日本医師会からの要請を受けて、放射性物質汚染除去剤および関連する技術支援の形で総額25万ドルに相当する寄付を行うことによって、日本の危機に際して支援を提供するために幅広く展開されている慈善活動に参加する。

マルチメディアのニュースリリースは: http://multivu.prnewswire.com/mnr/cellular-bioengineering/46956/

写真: http://photos.prnewswire.com/prnh/20110411/MM79754

表面に付着した放射性微粒子を封じ込めてカプセル化し、除去するという独特な能力を有する剥離可能なヒロドゲルという安全な放射性汚染除去剤であるディコンジェル(DeconGel)の10パレット相当分は、既に日本に向けて出荷されている。また、CBIポリマーズ社の技術者および上級幹部のチームが日本医師会と多数の公衆衛生、安全に関わる公的な組織に対し、放射性微粒子を封じ込めたうえで除去するというディコンジェルの使用法について訓練および支援を提供するために日本に派遣されている。

福島第一原子力発電所は、3月11日に発生した地震と引き続いて発生した津波によって大きな被害を受けており、発電所の冷却システムが故障したため、原子力発電所の周辺地区住民の大規模な避難という事態を引き起こしている。

元アメリカ太平洋軍司令官であるトーマス・B・ファーゴ提督は「ディコンジェルを日本に配備することは大変時宜に適ったことであり、現在進行中の危機および今後発生する処理という問題の解決に向けて複数のシナリオが想定できる」と述べている。

また、CBIポリマーのラリー・スタック社長兼最高執行責任者(COO)は、「当社は環境の保全と人道的な支援に力を注いでおり、ディコンジェルが放射性物質および化学薬品による汚染を除去するために使用できる安全な製品であることから、日本の汚染浄化の専門家にディコンジェルを届けることを優先するに至ったものである」と述べている。

ハワイ州知事を1973年から1986年まで務め、ディコンジェルの寄付を高く評価しているジョージ・R.・有吉氏は、「われわれは日本の状況に大きな懸念を抱いている。支援を提供するために幅広い努力が払われてきた。私はハワイで発明され、開発されてきた技術によって親しい友人かつ同盟者が支援を必要としている時に貢献できることを極めて誇りに思う」と述べている。

CBIポリマーによる放射性汚染除去剤のディコンジェルの寄付および日本医師会を支援するための技術専門家の派遣は、次のような国際的な学界、ビジネス界のリーダーによる協力的な取り組みによりって初めて可能となった。

国際危機管理者協会大使の一人として、原子力安全性に関わる第一人者として著名であり、ジョージア大学の健康管理と大量破壊防衛研究所の所長を務めるチャム ダラス博士と協力している唐川伸幸氏、CBIポリマーズの親会社であるシャイ・ベンチャーズの創設者であり、CEOを務めるハンク・ウー医学博士、プラクティカル・プロトコール社のジョン・ウオルシュ氏とシェルビー・スカブロー氏、日本医師会の常任理事を務める高杉敬久医学博士、ディコンジェル放射性物質汚染除去剤を日本向けに出荷する際に輸送手段を提供した郵船ロジスティクス株式会社のロン・マロッタ氏、および専門家チームの日本まで航空輸送について便宜を図った英国航空。

ディコンジェル(DeconGel、登録商標)放射性汚染除去剤について ディコンジェル放射性汚染除去剤(www.decongel.comまたはwww.decongel.com/jp)は、CBIポリマーズが放射性物質、原子力および化学薬品による脅威に対応するために開発した新しい高分子化合物を基礎とする汚染除去技術である。ディコンジェルは、水溶性であり、表面に付着した放射性物質や化学薬品による汚染を包み込んでカプセル化し、除去するという独特な能力を有する安全な剥離可能なヒロドゲルである。ディコンジェル放射性汚染除去剤は、アメリカ連邦政府エネルギー省の放射性物質、原子力および危険な化学薬品の処理場において使用されている。また、危険物質に関わる重大な事件の発生後の緊急除去に関与する化学・生物・放射性物質・核兵器(CBRN)に関係する初期対応部隊にとっても有用である。さらに、ディコンジェル放射性汚染除去剤は、鉛、ベリリウム、砒素、水銀、カドミウム、クロミウム、酸化鉄などの有害物質を除去するものである。

▽CBIポリマーズについて CBIポリマーズ有限会社は、スカイベンチャーズ(Skai Ventures、www.skaiventures.com)の100%子会社として放射性物質および化学薬品による汚染除去のための新しい技術の開発において指導的な役割を果たしている。ディコンジェル放射性物質除去剤は、アメリカ連邦政府エネルギー省が利用する汚染除去剤の中で有力なものであり、原子力発電公営事業者、汚染除去および廃棄場、病院施設及調査研究所などの世界の多様な産業分野に属する顧客に利用されている。

さらに詳細な情報は、次の英語のサイトwww.decongel.comまたは日本語のサイトwww.decongel.com/jpから入手可能である。

メディア接触先は以下を参照。
US Media Contact:
Paula Page
paula@paulapagepr.com
650.279.3881

Hawaii Media Contact:
Linda Jameson
ljameson821@gmail.com
808.221.3552

Japan Media Contact:
HideyukiTakahashi
takahashh009@gmail.com
Phone:03.3596.0147
CellPhone:090.9204.5169
Fax: 03.4496.4423

下記のサイトの翻訳が出来ません。下記のサイトを参考にしてください。 日本人労働者は臨時職のために放射能を恐れなかった(NY times) 2011/4/11 (阿修羅) 英文は読めるので問題ないですが、なぜ翻訳サイトが翻訳しないのかが疑問です。

Japanese Workers Braved Radiation for a Temp Job (1/2ページ) (2/2ページ) By HIROKO TABUCHI Published: April 9, 2011(The New York Times)

KAZO, Japan — The ground started to buck at the Fukushima Daiichi nuclear power plant, and Masayuki Ishizawa could scarcely stay on his feet. Helmet in hand, he ran from a workers’ standby room outside the plant’s No. 3 reactor, near where he and a group of workers had been doing repair work. He saw a chimney and crane swaying like weeds. Everybody was shouting in a panic, he recalled.

Mr. Ishizawa, 55, raced to the plant’s central gate. But a security guard would not let him out of the complex. A long line of cars had formed at the gate, and some drivers were blaring their horns. “Show me your IDs,” Mr. Ishizawa remembered the guard saying, insisting that he follow the correct sign-out procedure. And where, the guard demanded, were his supervisors?

“What are you saying?” Mr. Ishizawa said he shouted at the guard. He looked over his shoulder and saw a dark shadow on the horizon, out at sea, he said. He shouted again: “Don’t you know a tsunami is coming?”

Mr. Ishizawa, who was finally allowed to leave, is not a nuclear specialist; he is not even an employee of the Tokyo Electric Power Company, the operator of the crippled plant. He is one of thousands of untrained, itinerant, temporary laborers who handle the bulk of the dangerous work at nuclear power plants here and in other countries, lured by the higher wages offered for working with radiation. Collectively, these contractors were exposed to levels of radiation about 16 times as high as the levels faced by Tokyo Electric employees last year, according to Japan’s Nuclear and Industrial Safety Agency, which regulates the industry. These workers remain vital to efforts to contain the nuclear crisis at the Fukushima nuclear plants.

They are emblematic of Japan’s two-tiered work force, with an elite class of highly paid employees at top companies and a subclass of laborers who work for less pay, have less job security and receive fewer benefits. Such labor practices have both endangered the health of these workers and undermined safety at Japan’s 55 nuclear reactors, critics charge.

“This is the hidden world of nuclear power,” said Yuko Fujita, a former physics professor at Keio University in Tokyo and a longtime campaigner for improved labor conditions in the nuclear industry. “Wherever there are hazardous conditions, these laborers are told to go. It is dangerous for them, and it is dangerous for nuclear safety.”

Of roughly 83,000 workers at Japan’s 18 commercial nuclear power plants, 88 percent were contract workers in the year that ended in March 2010, the nuclear agency said. At the Fukushima Daiichi plant, 89 percent of the 10,303 workers during that period were contractors. In Japan’s nuclear industry, the elite are operators like Tokyo Electric and the manufacturers that build and help maintain the plants like Toshiba and Hitachi. But under those companies are contractors, subcontractors and sub-subcontractors — with wages, benefits and protection against radiation dwindling with each step down the ladder.

Interviews with about a half-dozen past and current workers at Fukushima Daiichi and other plants paint a bleak picture of workers on the nuclear circuit: battling intense heat as they clean off radiation from the reactors’ drywells and spent-fuel pools using mops and rags, clearing the way for inspectors, technicians and Tokyo Electric employees, and working in the cold to fill drums with contaminated waste.

Some workers are hired from construction sites, and some are local farmers looking for extra income. Yet others are hired by local gangsters, according to a number of workers who did not want to give their names.

They spoke of the constant fear of getting fired, trying to hide injuries to avoid trouble for their employers, carrying skin-colored adhesive bandages to cover up cuts and bruises.

In the most dangerous places, current and former workers said, radiation levels would be so high that workers would take turns approaching a valve just to open it, turning it for a few seconds before a supervisor with a stopwatch ordered the job to be handed off to the next person. Similar work would be required at the Fukushima Daiichi plant now, where the three reactors in operation at the time of the earthquake shut down automatically, workers say.

“Your first priority is to avoid pan-ku,” said one current worker at the Fukushima Daini plant, using a Japanese expression based on the English word puncture. Workers use the term to describe their dosimeter, which measures radiation exposure, from reaching the daily cumulative limit of 50 millisieverts. “Once you reach the limit, there is no more work,” said the worker, who did not want to give his name for fear of being fired by his employer.

Takeshi Kawakami, 64, remembers climbing into the spent-fuel pool of the No. 1 reactor at the Fukushima Daiichi plant during an annual maintenance shutdown in the 1980s to scrub the walls clean of radiation with brushes and rags. All workers carried dosimeters set to sound an alarm if exposure levels hit a cumulative dose limit; Mr. Kawakami said he usually did not last 20 minutes.

“It was unbearable, and you had your mask on, and it was so tight,” Mr. Kawakami said. “I started feeling dizzy. I could not even see what I was doing. I thought I would drown in my own sweat.”

Since the mid-1970s, about 50 former workers have received workers’ compensation after developing leukemia and other forms of cancer. Health experts say that though many former workers are experiencing health problems that may be a result of their nuclear work, it is often difficult to prove a direct link. Mr. Kawakami has received a diagnosis of stomach and intestinal cancer.

News of workers’ mishaps turns up periodically in safety reports: one submitted by Tokyo Electric to the government of Fukushima Prefecture in October 2010 outlines an accident during which a contract worker who had been wiping down a turbine building was exposed to harmful levels of radiation after accidentally using one of the towels on his face. In response, the company said in the report that it would provide special towels for workers to wipe their sweat.

Most day workers were evacuated from Fukushima Daiichi after the March 11 earthquake and tsunami, which knocked out the plant’s power and pushed some of the reactors to the brink of a partial meltdown. Since then, those who have returned have been strictly shielded from the news media; many of them are housed at a staging ground for workers that is off limits to reporters. But there have been signs that such laborers continue to play a big role at the crippled power plant.

The two workers who were injured two weeks ago when they stepped in radioactive water were subcontractor employees. As of Thursday, 21 workers at the plant had each been exposed to cumulative radiation levels of more than 100 millisieverts, or the usual limit set for nuclear plant workers during an emergency, according to Tokyo Electric. (That limit was raised to 250 millisieverts last month.)

The company refused to say how many contract workers had been exposed to radiation. Of roughly 300 workers left at the plant on Thursday, 45 were employed by contractors, the company said.

Day laborers are being lured back to the plant by wages that have increased along with the risks of working there. Mr. Ishizawa, whose home is about a mile from the plant and who evacuated with the town’s other residents the day after the quake, said he had been called last week by a former employer who offered daily wages of about $350 for just two hours of work at the Fukushima Daiichi plant — more than twice his previous pay. Some of the former members of his team have been offered nearly $1,000 a day. Offers have fluctuated depending on the progress at the plant and the perceived radiation risks that day. So far, Mr. Ishizawa has refused to return.

Working conditions have improved over the years, experts say. While exposure per worker dropped in the 1990s as safety standards improved, government statistics show, the rates have been rising since 2000, partly because there have been more accidents as reactors age. Moreover, the number of workers in the industry has risen, as the same tasks are carried out by more employees to reduce individual exposure levels.

Tetsuen Nakajima, chief priest of the 1,200-year-old Myotsuji Temple in the city of Obama near the Sea of Japan, has campaigned for workers’ rights since the 1970s, when the local utility started building reactors along the coast; today there are 15 of them. In the early 1980s, he helped found the country’s first union for day workers at nuclear plants.

The union, he said, made 19 demands of plant operators, including urging operators not to forge radiation exposure records and not to force workers to lie to government inspectors about safety procedures. Although more than 180 workers belonged to the union at its peak, its leaders were soon visited by thugs who kicked down their doors and threatened to harm their families, he said.

“They were not allowed to speak up,” Mr. Nakajima said. “Once you enter a nuclear power plant, everything’s a secret.”

Last week, conversations among Fukushima Daiichi workers at a smoking area at the evacuees’ center focused on whether to stay or go back to the plant. Some said construction jobs still seemed safer, if they could be found. “You can see a hole in the ground, but you can’t see radiation,” one worker said.

Mr. Ishizawa, the only one who allowed his name to be used, said, “I might go back to a nuclear plant one day, but I’d have to be starving.” In addition to his jobs at Daiichi, he has worked at thermal power plants and on highway construction sites in the region. For now, he said, he will stay away from the nuclear industry.

“I need a job,” he said, “but I need a safe job.”

海に放出した汚染水「回収難しい」 長期的には薄まり拡散 (1/2ページ) (2/2ページ) 04/07/11 10:31 (産経新聞)

30年で太平洋全域に

 福島第1原発では、東京電力が放射性物質を含む汚染水の海へ放出した。専門家は「長期的には海に広がってかなり薄まるが回収は難しい。監視を強化し、生物の体内で濃縮が起きないかどうか注意してほしい」と指摘している。

 放出したのは、比較的濃度の低い汚染水でこれまでに約9000トン。ほかに2号機周辺には、炉心から出た放射性物質を含む高濃度の汚染水が推定2万トンあり、いったん止まった海への流出が再び起きる懸念もある。

 日本原子力研究開発機構の中野政尚技術副主幹は過去に、茨城県沖から半減期が約30年の放射性セシウムが広がった場合のシミュレーションをした。海流に乗って5年ほどで北米に達し、10年後にアジア東部、30年後には太平洋のほぼ全域に広がった。

 今回、福島県沖からも同様に拡散すると予測。ただ高濃度の汚染水が2万トン流れ出たと想定した場合でも、濃度は1年後に1リットル当たり約1ベクレル未満、10年後には同0・1ベクレル未満と人体に影響のないレベルになるとみる。

食物連鎖で濃縮も

 気象研究所の青山道夫主任研究官は今回の事故で同様の流出量を想定すると、汚染水の流出後1カ月でセシウムが福島県の沿岸域に1リットル当たり最大40ベクレルの濃度で広がると推測。セシウムは長期間残るが、時間がたてばかなり薄まるという。

 青山さんは「今の科学技術ではいったん出した放射性物質の回収は難しい」と強調。食物連鎖により魚介類の体内で放射性物質が濃縮する恐れがあるため「環境中の濃度を監視し、濃縮が起きる危険を警告することしか対処法はない」と指摘する。

 東電が比較的低濃度の汚染水を意図的に海に放出したことに、国内外から懸念の声も上がった。青山さんは「東電は放射性物質の放出が最小となる方法で事態を収拾させるべきだ」と訴えた。

全電源喪失、国は「考慮する必要はない」と解説 04/09/11 (読売新聞)

 国や電力会社は、原子炉制御の“命綱”ともいえる電源を、どう位置づけてきたのだろうか。

 規制当局である内閣府の原子力安全委員会は、1990年に定めた発電用軽水炉の安全設計審査指針の解説に、長時間の全電源喪失について「考慮する必要はない」と明記している。

 理由は「送電線の復旧または非常用交流電源設備(非常用ディーゼル発電機)の修復が期待できるため」としており、国は外部電源を失ってもすぐに非常用発電機が作動すると想定してきた。

 各原発は、同指針に基づいて設計されており、非常用電源を含むすべての電源喪失に対して万全の備えをしてきたとは言い難い。東北電力関係者は「外部送電線など電源確保の方法はたくさんあると考え、これまでは全電源喪失は想定していなかった」と話す。東京電力は急きょ、11日に柏崎刈羽原発で全電源喪失などを想定した訓練を行うことにした。

10、11日の放射性物質拡散濃度予測 ドイツ気象庁 04/09/11 (ZAKZAK)

上から10日06:00時、10日18:00時、11日06:00時。

 ドイツ気象庁による10、11日の放射性物質拡散濃度予測は図の通り。色が濃い部分がより濃度が高くなる見込み。

 また、文部科学省によると、先月18日から今月8日までの間に、福島第1原発事故の影響で関東だけでなく、中国地方から沖縄にかけての5県でも、ほこりや雨から放射性物質が検出されていたことがわかった。「いずれも微量で、健康への影響はない」としている。

保安院の知識や蓄積されたデータは十分ではない。保安院の公表や指示は100%信用できないことが明らかになった。 「保安院側は『設計上は格納容器から水素が漏れないようになっている。国の安全審査でも、漏れてしまったらどうするかという設計上の手当てはされていない』と認めた。」 つまり、問題があれば国に改正を提案する能力は保安院にはない。お飾りの保安院であることも明らかになった。

水素爆発は想定外の事態だった…保安院認める 04/08/11 22時27分 (読売新聞)

 東京電力福島第一原発の1、3号機で発生した水素爆発は、経済産業省原子力安全・保安院が想定していない事態だったことがわかった。

 保安院が8日夜、記者会見で明らかにした。

 水素ガスは、原子炉内の水位が低下し、核燃料棒が水から露出して高温になると発生する。

 しかし、保安院によると、圧力容器を囲む原子炉格納容器には通常、窒素を充満させており、水素と反応して爆発を引き起こす酸素はほとんど存在しない。実際には、1号機で3月12日、3号機では同14日に、格納容器のさらに外側の原子炉建屋で、水素爆発が起きた。

 保安院側は「設計上は格納容器から水素が漏れないようになっている。国の安全審査でも、漏れてしまったらどうするかという設計上の手当てはされていない」と認めた。

重大なケースについては最悪の場合を考えて準備するべきじゃないのか。推測が間違っていたことが分かってから対応していたら時間的にも 十分な対応が出来ない。まあ、これが日本の現実だし、体質だ。近くに住んでいない事実に感謝するしかない。

西山審議官、原発の米紙報道内容を否定 04/08/11 13時52分 (読売新聞)

 経済産業省原子力安全・保安院の西山英彦審議官は8日の記者会見で、ニューヨーク・タイムズ紙の報道について、「我々の認識とは違う」と述べ、福島第一原発2号機の燃料が圧力容器から漏れて、格納容器の底にたまっているという見方を否定した。

 ただ、同機の格納容器や燃料棒が損傷した可能性は高いとした上で、西山審議官は「圧力容器内に注水される水が何らかの形で、格納容器内に漏れている。それが格納容器内で強い放射線として観測されている」と指摘した。

東電が国有化になるまで賠償させる。東電の資産を売却する。東電社員の退職金はなし。ボーナスもなし。その後に事故賠償補償料足りないので あれば国民負担も仕方がない。安易な国民負担は大反対だ。 原賠法で発電所の賠償措置額は1カ所当たり1200億円と決めておきながら、 「電力会社が毎年国に納めた補償料が、1962年の制度開始から2010年度まで累計で約150億円しかないことが12日、分かった。」だと。 「法改正で段階的に引き上げられ、09年の改正(10年1月施行)では、東海村事故を受けて600億円から1200億円に倍増した。」 全体的にチェックされた上で決めたことなのか??とにかく東電を国有化し、必要のない資産を売却しろ!東電を分離して、他の電力会社に 買い取らせろ!国民負担だと押し付ける前にやることはある。

福島第1原発:事故賠償補償料足りず 差額、国民負担に 04/13/11 2時36分 (毎日新聞)

 原発事故の損害賠償制度を定めた原子力損害賠償法(原賠法)に基づき、電力会社が毎年国に納めた補償料が、1962年の制度開始から2010年度まで累計で約150億円しかないことが12日、分かった。東京電力福島第1原発事故で、国は最低でも1200億円を支払う必要があるが、これまで受け取った補償料では足りず、不足分は国民負担で賄うしかない。現行制度では大規模事故への備えが十分ではないため、政府は賠償措置額の増額や補償料率の引き上げなど制度を見直す方向で検討する。

 原賠法では、原子力施設ごとに、事故時に国が支払う上限額が「賠償措置額」として決められている。同法が初めて適用された99年の東海村臨界事故では、約154億円の賠償金のうち、核燃料加工会社の賠償措置額10億円が国から支払われた。発電所の賠償措置額は1カ所当たり1200億円で、今回の事故で福島第1原発と同第2原発が賠償の対象になれば、国の負担は最大2400億円に膨らむ。

 原発の賠償措置額は当初は50億円だったが、法改正で段階的に引き上げられ、09年の改正(10年1月施行)では、東海村事故を受けて600億円から1200億円に倍増した。ただ、措置額を引き上げると、保険料に相当する電力会社の補償料負担も重くなるため、09年改正では補償料率を「賠償措置額の1万分の5」から「1万分の3」に引き下げ、電力会社の負担を2割増に抑えた。

 福島第1・第2、柏崎刈羽の3発電所を運転する東電の納付額は現在、年間1億数千万円、他の電力会社からの分も含めると、年間の補償料総額は8億~9億円とみられる。補償料は別会計で積み立てられる保険のような仕組みではなく、政府の一般会計に入れられているため、支払いも一般会計から出すことになる。

 これまで補償料率は「今回のような大規模の原発災害を想定せずに設定していた」(文部科学省幹部)。今回の事故で「原発のリスクに比べ、電力会社の負担が低すぎる」との意見が強まっており、賠償措置額や補償料率など、制度の抜本的見直しは不可避だ。ただし、電力会社の負担増は電気料金に跳ね返るため、政府は消費者の負担との兼ね合いもにらみながら議論を進める。【永井大介】

 【ことば】原子力損害賠償法

 原子力事故時の損害賠償の枠組みを定めており、電力会社は国が支払う賠償措置額の一定割合を「補償料」として国に納める。補償料率は損失の発生見込みなどを基に算定し、09年の改正では、民間保険で保険料率が低下傾向にあることを反映して料率を引き下げた。事故で賠償が必要になる可能性は極めて低いとの見方から、補償料は国の一般会計に入れられて使われている。

米倉弘昌日本経団連会長は 原子力安全委員会 及び原子力安全保安院 が設定する安全基準が甘かったことを事故が起こる前に指摘するべきだった。日本経団連会長が指摘すればそれなりの効果はあったと思う。 事故が起こった後に問題を指摘するのは誰にでも出来ること。原子力安全委員会 及び原子力安全保安院 の組織改革及び人選にも批判的なコメントをしてもらいたかった。これでは東電と利害関係がある人達だけのために国有化の批判をしているとしか聞こえない。

「どれだけ株価が下落したか」経団連会長が東電国有化論牽制 04/12/11 05:00 (サンケイビズ)

 米倉弘昌日本経団連会長は11日の会見で、東京電力福島第1原子力発電所の事故対応に直面している東京電力の経営体制について、「国は民間事業者として支援すべきだ」と述べ、政府内の一部に浮上している東電国有化論を牽制(けんせい)した。

 東電の賠償責任に関しては「原子力損害賠償法には大規模な天災や内乱による事故の場合には国が補償するとある」と指摘。「国が全面的に支援しなくてはいけないのは当然のこと」とした上で、「政府高官が東電に被災者に賠償金を払えと言ったと伝えられているが、これは政府の責任だ」と非難した。

 また、「政治家が国有化という言葉を使っただけで、どれだけ東電の株価が下落したか」と指摘し、東電株や東電債価格の下落が日本経済に悪影響を与えたとの認識を示した。

 福島第1原発の損傷についても「原発は国によって安全基準が定められ、設計され建設されている」と指摘。「東電が甘いのではなく、国が設定する安全基準が甘かった」と述べ、「徹底的に原因究明をして、安全基準を見直し、より安全な方向に補強し直すべきだ」と語った。

福島第1原発:海洋生物、長期の検査体制必要…仏研究所 04/08/11 18時39分 (毎日新聞)

 【パリ福原直樹】フランスの放射線防護・原子力安全研究所(IRSN)は、福島第1原発事故で漏えいした放射性物質が海洋に与える影響を予測する報告書を作成した。海藻や魚類に放射性物質が蓄積する危険性を指摘し、汚染海域や食物に関する長期的な観測・検査体制の確立が早急に必要だとしている。

 報告書では同原発の冷却作業などで直接海に流入した放射能汚染水のほか、汚染地下水・雨水が海に流入した場合も考慮。短長期の影響をコンピューターを使って予測した。

 報告書はまず、汚染水が海水に流入後、数日間は水深20~100メートルの海中に汚染物質が漂い、一部は海底に堆積(たいせき)すると指摘。数週間~数カ月後には、汚染海水が千葉県以北の太平洋沖合に達するとした。この段階で、海中の放射線量が薄まる可能性がある半面、10~15年後には、放射性物質が太平洋の赤道付近に到達する恐れもあるともいう。

 生物への影響について、放射性物質のヨウ素がコンブ、ワカメなどの褐藻類に付着しやすいと警告。ただヨウ素は放射能の消滅が早く、危険は数カ月で収まるとも指摘した。

 また報告書は生物への放射性物質の蓄積度合いが種ごとに違うと指摘。セシウムの場合、魚類は軟体動物の8倍、ヨウ素の場合、褐藻類は魚類の200倍になるという。セシウムは海水の表層部に最高で30年とどまる可能性を警告した。

米海軍、汚染水の拡散状況データ求める 04/08/11 14時39分 (毎日新聞)

 福島第一原子力発電所で低濃度の放射性物質を含む汚染水が放出された問題で、米海軍が防衛省・自衛隊に対し、汚染水の放出計画や海への拡散の状況、濃度などのデータを早期に提供するよう求めていたことが8日、分かった。

 米海軍はデータ資料の要求について、艦艇には海水を取り入れて淡水化し、飲料水などとして使う装置があり、日本近海を航行する際に汚染水が混じった海水を使えば、乗員の健康に悪影響が出かねないことを理由に挙げているという。

 政府関係者によると、米海軍からの要請は、東京電力が低濃度汚染水の太平洋側の海への放出を始めた翌日の5日にあり、防衛省・自衛隊は、「原発事故に関する日米両政府の連絡調整会議で、扱いを協議したい」との考えを伝えたという。放出については、事前に日本政府が米政府に連絡していた。

福島第1原発:「燃料棒除去の着手まで10年」東電顧問 04/08/11 2時30分 (毎日新聞)

 東日本大震災で被災した東京電力福島第1原発について、東電の榎本聡明(としあき)顧問が毎日新聞のインタビューに応じた。原子炉を冷却し、廃炉に不可欠な核燃料の取り出しに着手するまでに約10年かかるとの見通しを明らかにする一方、「放射性物質を残したまま埋めてしまうことはない。燃料は必ず取り除く」と、住民感情を踏まえ、チェルノブイリ原発のように燃料ごとコンクリートで埋める「石棺方式」は取らないことを強調した。【山田大輔】

 東電の勝俣恒久会長は1~4号機を廃炉にする方針を明らかにしている。通常の廃炉でも20~30年かかるとされるが、福島第1の場合、損傷した核燃料を取り出す専用装置開発から始める必要があり、廃炉完了までの期間がさらに長引くことは確実だ。

 榎本顧問は東電本店で取材に応じ、1~3号機で続いている原子炉への注水作業について「水を注入するほかない。燃料がこれ以上溶解するのを食い止めたい」と説明。本来の冷却システム「残留熱除去系」の復旧には少なくとも1カ月かかるとの見通しを示した。予備の冷却システム増設も併せて進め、原子炉内が「冷温停止」と呼ばれる安定な状態になるまでには数カ月かかると述べた。

 放射能漏れにつながっている汚染水の問題については、放射線量を放流できるレベルまで落とす浄化設備を今月中に着工。数カ月後をめどに、放射性物質を原子炉建屋内に閉じ込める対策も並行して進めると述べた。周辺自治体に対する避難・屋内退避指示の解除などは、この段階が検討開始の目安になるとみられる。

 廃炉への課題として榎本顧問は(1)原子炉建屋が損傷しており、まず放射性物質の拡散を防ぐ対策が必要(2)1~3号機の燃料棒が推定で25~70%損傷しているため、従来の方法では取り出せない、と指摘。燃料の回収装置を新たに開発し、燃料回収を始めるまでに10年はかかると述べた。

 事故に対して「我々が予測していなかった問題が次々と出てくる。現場の観察自体が難しく、思うように進まないのが今までの積み重ねだった」と、対応の遅れを振り返った。

 米原子力規制委員会によると、炉心燃料の約45%が溶融したとされるスリーマイル原発事故(79年3月)の場合圧力容器のふたが開けられる状態になるまでに5年、さらに燃料取り出し完了までに6年かかった。解体作業はまだ始まっていない。

 榎本顧問は東京大工学部卒、65年東電入社。福島第1では1号機の試運転(70年)を含め4回勤務した。副社長・原子力本部長だった02年、「トラブル隠し」が発覚し引責辞任した。

政府や東電の言っていることは信頼できない!=チャム・ダラス教授 2011/04/09 07:11 (イザ!)

緊急来日の米権威に原発直撃!「がっかり…IAEAを信じる」 04/08/11 (ZAKZAK)

 史上最悪といわれるチェルノブイリ原発事故(レベル7)で、米共同調査チームの代表を務めたジョージア大学のチャム・ダラス教授が緊急来日し、夕刊フジの単独インタビューに応じた。ダラス教授は、東京電力福島第1原発事故について、「チェルノブイリより軽いが、今後、ひどくなる可能性はある」と分析。日本政府の発表については、「米国が持っているデータや見解と違う。科学的にきちんと測定して公開すべきだ」と苦言を呈した。

 ――第1原発の事故について、日本政府は「米スリーマイル島原発事故(レベル5)と同等」としているが、教授の評価は?

 「日本政府は、がっかりするようなデータや見解しか発表していない。私はIAEA(国際原子力機関)やNRC(米原子力規制委員会)のリポートを信じる。特に、大きくデータが異なる原子炉がある」

 ――日本政府は事実を公表していないのか

 「私としてはNRCの見解を疑う理由はない。燃料棒が水につかっていなかったり、プルトニウムが保護されていないとすれば危険だ」

 《東京電力は6日、第1原発の敷地内4カ所で微量のプルトニウムを検出したと発表した。敷地内では別の場所で採取した土壌からもプルトニウムが見つかっている》

 ――国民も政府発表に疑問を持ち始めている

 「緊急時こそ、正しい情報を定期的に、普通の人が理解できる言葉で伝えなければならない。政府と国民の信頼関係、意思の疎通が重要だ」

 ――チェルノブイリでは主な放射性物質の流出は約10日で止まった。第1原発では事故から1カ月たつが、まだ流出や放出が続いている

 「チェルノブイリでは多数の犠牲者が出た。事故から2、3年で約1000人が亡くなっているが、旧ソ連はその数分の一しか公表していない。約1万人ががんになり、現場で作業した人には二十数年間、子供が生まれていない」

 ――第1原発もそうなるのか

 「いや、現時点ではチェルノブイリより軽い。チェルノブイリでは火が出た。第1原発でも出たが短時間だった。ここが違う。ただ、大きな余震も続いている。ひどくなる可能性もある」

 ――子供の件はどうか

 「日本も、原発周辺では同様ではないか」

 ――第1原発の作業員は相当過酷なようだ。政府は事故後、作業員の許容被曝量を100ミリシーベルトから250ミリシーベルトに上げた

 「2倍にする科学的根拠はない。作業員を確保するためだろう。よくないことだ」

 ――一部報道では「限度量を超えて作業している者もいる」という

 「そういう情報があるなら、きちんと調べなければならない。今後、作業員が体調を崩さないかモニターしていくべきだ」

 ――日本政府は現在、原発から20キロ圏内を避難指示とし、20キロから30キロ圏内を屋内退避としている。これで大丈夫か?

 「科学的測定をして、避難区域を決めるべき。先週、米軍が測定している。近々、結果と判断を日本政府に伝えるはず。避難区域は同心円である必要はない。地形や風向きによって違う。チェルノブイリでも、安全な場所と危険な場所が隣り合っていた。測定データに基づき判断すべきだ」

 《米国は自国民を第1原発から50マイル(約80キロ)圏内から退避させている》

 ――原発周辺の農作物はどうか

 「これも測定データに基づくべきだ。私はチェルノブイリの農作物に関するリポートを書いたが、チェルノブイリで採れた野菜を食べた、遠い地域に住む子供たちが甲状腺がんになっていた」

 ――放射線物質を含む汚染水が太平洋に放出されている

 「私は約20年間、海中(水中)での放射線の動きも研究している。結果、99%は海の底に沈んだ。傾向として海の底にいる魚ほど放射性物質を帯びやすい。これも、きちんと測定して、公開すべきだ」

 ――来日中、寿司を食べるか?

 「日本の寿司は大好きだが、測定して『放射性物質を含んでいない』という結果が出なければ食べたくない」

 ――日本政府は、放射性物質を止めるメドを「数カ月」としている。東京は安全なのか?

 「たぶん、止めるのに1年ぐらいはかかるのではないか。だが、現在の原発の状況ならば、東京は安全だろう。子供がいても大丈夫だ」

 ■毒物学、生物学専門の科学者

 【Cham Dallas】 1953年、米テキサス生まれ。テキサス大卒。毒物学、生物学を専門とする科学者。ジョージア大学教授で、大量破壊防衛研究所所長。86年のチェルノブイリ原発事故から3年後の89年から99年まで、米政府とジョージア大の現地共同調査チームを率いた。米CBSのニュース解説員も務める。今回は、米医師会の医療災害サポートチーム団長として来日した。

NEVADAブログの管理人さん、もっと情報は正確に書いてよ。ジョージタウン大学のダラス教授で英語のサイトを検索したけど出てこない。 夕刊フジ、ジョージタウン大学とダラス教授で検索したらジョージタウン大学ではなく ジョージア大学のダラス教授(Cham Dallas)。(University of Georgia)

彼のテレビでの発言を見たい人は下記をクリックしてください。
Nuclear 'fear factor' rises in Japan 03/11/11 (CNN.com)

Japan's nuclear power plant: What went wrong? 03/14/11 (CBS NEWS)

U.S. nuclear plants: Can they withstand a natural disaster? 03/14/11 (CBS NEWS)

Nuke expert: "This is only the very beginning" of disaster 03/18/11 (CBS NEWS)

Temperatures rising in reactor one at Fukushima Daiichi plant 03/28/11 (CNN.com)

ダラス教授の専門は毒物学。しかしながら彼の説明は福島原発の状態と危険性を推測できていると思える。彼は原発の専門家ではない。 根井寿規氏(原子力安全保安院審議官(原子力安全担当、核燃料サイクル担当))の会見 とは大違いだ。また、日本のテレビで出てきた原子力の専門家よりも説明がロジカルであった。日本の専門家達がいかに専門的な 説明が出来ないのかよく理解できた。ダラス教授(Cham Dallas)は基本的には原発推進派のようだ。原発は安全と言っている。 しかし「驚いたことに日本の原発はお粗末」だと言っている。また、彼は核燃料を取り出すまで安心は出来ないと言っている。 彼が正しいとすれば、日本政府が言っている「数ヶ月」は楽観的な数字だと言うことになる。福島は補償の話を進めたほうが良いと 思われる。

アメリカ専門家 :日本政府は信用出来ない 04/08/11 (NEVADAブログ)

夕刊フジはジョージタウン大学のダラス教授とのインタビュー記事を掲載していますが、その内容は衝撃的な内容が含まれています。

同教授は、今のところ史上最悪とされていますチェルノブイリ原発事故(レベル7)で、米共同調査チームの代表を務めた権威であり、日本のマスコミに登場する、いい加減な専門家ではありません。

《総括》

ダラス教授は、東京電力福島第1原発事故について、「チェルノブイリより軽いが、今後、ひどくなる可能性はある」と分析。

日本政府の発表については、「米国が持っているデータや見解と違う。科学的にきちんと測定して公開すべきだ」と苦言を呈した。

インタビューの詳しい内容は夕刊フジを購入して頂ければと思いますが、以下の点はどうしてもお読み頂きたいと思います。

ーーーーーー

【問】日本政府は現在、原発から20キロ圏内を避難指示とし、20キロから30キロ圏内を屋内退避としている。これで大丈夫か?

《返答》

「科学的測定をして、避難区域を決めるべき。

先週、米軍が測定している。 近々、結果と判断を日本政府に伝えるはず。

避難区域は同心円である必要はない。 地形や風向きによって違う。チェルノブイリでも、安全な場所と危険な場所が隣り合っていた。 測定データに基づき判断すべきだ」

《米国は自国民を第1原発から50マイル(約80キロ)圏内から退避させている》

【問】 原発周辺の農作物はどうか

《返答》 「これも測定データに基づくべきだ。 私はチェルノブイリの農作物に関するリポートを書いたが、チェルノブイリで採れた野菜を食べた、遠い地域に住む子供たちが甲状腺がんになっていた」

【問】放射線物質を含む汚染水が太平洋に放出されている

《返答》 私は約20年間、海中(水中)での放射線の動きも研究している。

結果、99%は海の底に沈んだ。

傾向として海の底にいる魚ほど放射性物質を帯びやすい。 これも、きちんと測定して、公開すべきだ

ーーーー

上記のような意見は日本では全く聞かれません。日本では『放射性物質を海にばらまいても海洋汚染は問題ない、安全である』と一点ばりですが、同教授は20年もの研究者として、99%の放射線は海の底に沈むと明言しているのです。

恐ろしい話だと言えます。 また米軍の検査結果が日本政府に通告されることになっており、この内容は衝撃的な内容になると一部で言われています。 それでも日本政府が事実を隠蔽するようなことがあれば、人類の危機であるとして国連ないしは連合軍が動くことになるかも知れません。

詳しい事は週末に【緊急ワールドレポート】を作成し、週明けに発送させて頂きます

窒素注入は米NRCの助言、水素爆発再発を警告 04/07/11 21時58分 (読売新聞)

 新たな水素爆発を防ぐため、東京電力は福島第一原子力発電所1号機の原子炉格納容器に窒素を注入しているが、この措置は米原子力規制委員会(NRC)が報告書の中で必要性を強調していたものだ。

 報告書は、同原発の現状について冷却のために原子炉に注入した海水の塩分が炉内にたまり、十分な冷却ができなくなっていると警告している。

 NRCは、原発の安全審査や規制、放射性廃棄物管理の監督に強い権限を持つ米政府の独立機関。日米政府が福島第一原発事故の対応のため設立した連絡調整会議にも参加している。

 NRCのチームが先月26日付でまとめた報告書は、1~3号機について、核燃料の一部が溶け、圧力容器の底にたまっていると分析。海水中の塩分が析出して燃料を覆い、冷却を妨げていると指摘した。特に、圧力容器内の温度が高い1号機で、塩の量が多いと懸念を表明している。2、3号機は、注水しても圧力容器の水位が上がらず、一部が壊れている可能性を示唆した。

 また、海水は真水に比べて、放射線による分解で水素を発生しやすいと指摘。海水に溶けていた酸素と反応して、水素爆発を起こす危険があると警告した。

 窒素注入は、その対策としてNRCが提案していたもので、東電は7日、「すぐに水素爆発する恐れはないが、(NRCの)指摘を踏まえた」と説明した。

原発事故 6万トンの汚染水、どうする 「処理したことのない高レベル」 (1/2ページ) 6万トンならドラム缶30万本、どこに貯蔵するのか (2/2ページ) 04/07/11 08:26(SankeiBiz)

ドラム缶30万本分、貯蔵場所は

 東京電力福島第1原子力発電所事故で、高濃度の放射性物質(放射能)を含む汚染水の海への流出はひとまず止まったが、課題は山積したままだ。推計6万トンに上る汚染水の排出・回収は難航しているうえ、その先には処理という難題が待ち構える。「玉突き排水」のあおりで低濃度汚染水を海に放出したことに対し、漁業者や海外から猛烈な批判が噴出。汚染水は原子炉の冷却機能の復旧にも最大の障害となっており、抜本的な対策を早期に打ち出すことを迫られている。

 「止めたからにはどこかで水が噴出することが想定される」

 経済産業省原子力安全・保安院の西山英彦審議官は6日の会見で、流出を止めても、問題解決にはならないとの認識を示した。

 保安院は1~3号機のタービン建屋地下や配管トンネル「トレンチ」にたまった汚染水を6万トンと推計。復水器から復水貯蔵タンク、東電は共用サージタンク、集中環境施設へと「玉突き」で移す考え。さらに静岡市から購入した人工浮島「メガフロート」の内部に1万トンを貯水することも検討中だ。

 合計容量は約6万3400トンで、何とか6万トンを回収できる。しかし、集中環境施設を空にするため、たまっていた低濃度汚染水1万トン近くを海に放出することを余儀なくされた。しかも、1~3号機とも満杯の復水器の水をタンクに移す作業中で汚染水は依然、手つかずだ。その間にも、原子炉に注入している冷却水が漏出し、汚染水は増え続けており、いずれ容量を超える恐れがある。

 容量を確保するには汚染水を処理することが不可欠。しかし、処理設備のある集中環境施設を貯水タンクとして利用するため、別の施設に運ぶか新設する必要がある。

 通常、発電に利用した低濃度汚染水は濾過(ろか)や蒸留によって放射性物質を取り除き、再利用したり、基準値以下なら海に放出したりしている。だが、今回は通常運転時の原子炉の水の最大約10万倍という高濃度。東電も「これほど高レベルの水を処理したことはない」と戸惑いを隠さない。

 海江田万里経産相は6日の衆院経済産業委員会で、「(仏原子力大手)アレバに放射性物質除去の技術について協力をお願いした」と述べ、同社のノウハウに期待を示した。ただ、核燃料再処理の専門家は「破損した燃料棒から溶け出した放射性物質を含む水は、使用済み燃料の再処理過程でも扱ったことがない」と、その困難さを指摘する。

 さらに汚染水は最終的にドラム缶に封じ込め、放射性廃棄物処理施設で外部に漏出しないよう貯蔵する必要がある。通常のように蒸留による濃縮ができないと、6万トンならドラム缶30万本にも上り、貯蔵施設の確保も簡単ではない。

東電は「国有化」より、「メキシコ湾BP型ファンド」創設で速やかな対応を 04/05/11 (現代ビジネス)

三菱重工はすごい技術を持っているんだな!普通に作られたはしけを高濃度放射性物質を含む汚染水を保管できるように 簡単に改修できるんだ。配管、ベント菅、マンホール、ポンプ、衝突しても簡単に流出しないようにタンカーのようなダブルハル構造、 簡単に沈まないような十分な区画及びはしけの強度などを考慮し、高濃度放射性物質を含む汚染水用に改修される。タンカーを 改造するほうが簡単のように思えるが、そこは三菱重工の技術でカバーするのだろう。

東日本大震災:福島第1原発事故 メガフロート、清水港を出発 横浜港で改修 /静岡 04/06/11 (毎日新聞 地方版)

 福島第1原発の放射性物質を含む汚染水を保管するための、静岡市の大型浮体施設「メガフロート」(長さ136メートル、幅46メートル、高さ3メートル)が5日午後、係留先の同市清水区の清水港を出発した。7日午前に横浜港に到着し、汚染水を貯蔵できるように改修工事を行った後、福島第1原発に向かう。

 メガフロートは静岡市が03年から清水港に係留して「静岡市清水海づり公園」として利用されていた。1日に東京電力の要請を受けて急きょ、提供することになった。

 5日は港とメガフロートをつないでいた4カ所のチェーンを切り離す作業を行った。作業が終わった午後3時にタグボートにえい航されて出港した。

 メガフロートは横浜港に運ばれた後、大手重機メーカー「三菱重工業」(東京都港区)が改修工事を行う。東電によると、点検によって工事期間が定まるため、福島第1原発に向かう時期は現時点では未定という。【小玉沙織】

汚染水流出ストップも、難題山積 04/06/11 18:03 (産経新聞)

 東日本大震災による東京電力福島第1原子力発電所の事故で、高濃度の放射性物質(放射能)汚染水の流出ストップが確認された。環境への悪影響が目に見えるかたちで改善されたことは、原発の放射性物質を閉じこめる機能の改善を示す大きな前進だ。東電は今後、汚染水の動向を慎重に見極めながら、敷地内の施設などへの「玉突き排水」を急ぐ。ただ、その先には大量の高濃度汚染水の処理という難題も控えており、問題解決の道筋は描けていない。

 「関係者の努力でようやくここまできた」

 経済産業省原子力安全・保安院の西山英彦審議官は6日午前の会見で安堵の表情をみせた。

 東日本大震災が発生した3月11日以降、放射性物質による汚染は拡大する一方だった。今月2日に2号機の取水口付近で採取された水からは法令基準濃度の750万倍の放射性ヨウ素が検出されていた。それだけに今回、高濃度汚染水の海への流出を食い止められたことの意味は大きい。

 ただし原発の現状は安心とはほど遠い。「止めたからにはどこかで水が噴出することが想定される」(西山審議官)ためだ。電源設備などがある2号機タービン建屋地下1階の水位が上がれば、復旧作業の足を引っ張ることは避けられない。

 このため東電は汚染水の排出作業を急ぐ。低いレベルの汚染水を処理できる集中環境施設の地下を貯水に使うことを決め、約3万2千トンの容量を確保。静岡市から約1万トンの水を入れられる大型浮体施設「メガフロート」を調達するなどして、そこに注入することも検討されている。これに1~3号機の復水器などを合わせると貯蔵可能量は約6万4千トン。1~3号機に関連する汚染水は6万トンと推定されており、ギリギリで必要な貯蔵量をクリアできる。

 しかしそれでも課題は解決しない。原発では機器からの排水はろ過や蒸留などの処理を行い、そのほとんどを再利用することが原則だが、「1立方センチメートルあたり1900万ベクレルというような高レベルの汚染水を処理したことはない」(東電)からだ。

 海江田万里経産相は6日の衆院経済産業委員会で、「(仏原子力大手)アレバに、廃炉の技術や、放射性(物質)除去の技術についてお願いした」と述べた。核燃料再処理事業も手がけるアレバの知見に期待をかけるかたちだ。

 しかしアレバの技術力に対して、国内の核燃料再処理の専門家からは「核燃料の再処理でも破損していない燃料棒を扱うことは大前提。福島第1のような高濃度の汚染水を処理することは簡単ではない」との指摘も上がっている。

基本的に魚は好きではない。自分の食生活に影響を与えないが、魚は危ないかもしれない!日本は魚に対する影響に関する データーはないようだ。研究も行われていないようだ。これで安全と言うのだから政府の発表は信用できない。

放射性物質、海底に沈殿の恐れ 魚介類で濃縮も 仏研究所 04/06/11 09:57 (産経新聞)

 フランス放射線防護原子力安全研究所(IRSN)は6日までに、福島第1原発から流出する高濃度の放射性物質を含む水などが海洋に与える影響予測を発表した。微粒子の形で海底に沈殿する放射性物質の危険性を指摘し、長期の監視が必要と警告。放射性物質が魚介類の体内で濃縮される可能性も指摘した。

 IRSNは、海流のデータなどを基にしたコンピューターシミュレーションの結果から、放射性物質のうち海水に溶け込んだものについては水中で拡散し、海流で遠方に運ばれるため危険性が少ないと示唆。一方で、微粒子の形で海中にとどまる物質は海底に沈み、長期間汚染が続く可能性があるとした。

 特にセシウム134は数年、セシウム137は約30年にわたって海中にとどまるとして「沈殿が疑われる日本の海岸地域では、長期にわたる調査が必要だ」と指摘した。(共同)

原子力安全委員会 及び原子力安全保安院 はサイトで書かれているように機能しなかった。「保安院は地方の検査官や事務職も含めて約790人の職員を抱えるが、 大学院などで原子力工学を学んだ人材がそろう電力会社や原発メーカーに比べれば層が薄い。『電力会社から専門知識を学ぶ検査官もおり、 教え子が教師を監督するようなもの』(経産省幹部)との指摘もあった。」

指摘されたような問題もある。しかし倫理やコードがしっかりしており個々がしっかりと判断できる能力があれば問題ない。 付け加えるならどの省でも専門知識を持ち合わせていない監督官やキャリアの人間が役についている。権限だけはあるが、不正を 見抜けない理由のひとつはこの点にあると思う。基本的に、業者にまる投げし、理論しか知らない人間達が利権、金、及び名声の なかで立ち回っているだけ。原子力安全・保安院を経産省から分離したほうが良いが、期待されるほどの効果はないだろう。

原子力安全・保安院:経産省から分離…新たな規制機関へ 04/06/11 2時37分 (毎日新聞)

 東京電力の福島第1原発での事故を受け、政府は5日、経済産業省の外局である原子力安全・保安院を同省から切り離し、内閣府の原子力安全委員会と統合させて新たな規制機関を設置する方向で検討に入った。新たな規制機関は、原発を推進する立場の経産省とは完全に分離し、米国の原子力規制委員会(NRC)のような強い権限を持った専門家集団としたい考えだ。【三沢耕平】

 ◇安全委と統合、原子力規制強化

 実現すれば、1978年の安全委設置、01年の保安院設置に続く、原子力安全体制の抜本的な見直し。

 現行制度では、安全委が原子炉の安全審査や事故時の政府に対する助言を行い、保安院は各原子力施設に保安検査官を配置して事業者を監督する。しかし、今回の事故では、保安院に「東電の事故対応を適切に監督できなかった」、安全委にも「政府に対する助言機能を十分に発揮できなかった」との批判がある。

 保安院は原発を推進する側の経産省(資源エネルギー庁)の外局にあたり、人事交流もある。このため、「推進と規制が厳密に分かれていない状況では、適正な監視はできない」との批判もあった。また、保安院は地方の検査官や事務職も含めて約790人の職員を抱えるが、大学院などで原子力工学を学んだ人材がそろう電力会社や原発メーカーに比べれば層が薄い。「電力会社から専門知識を学ぶ検査官もおり、教え子が教師を監督するようなもの」(経産省幹部)との指摘もあった。

 一方、安全委は国家行政組織法8条に基づいて設置される審議会と同等の位置付け。原子力に精通した委員5人とスタッフ約100人がいる。

 米国では、原子力規制を担う目的で74年にNRCを設置。法律で政権や他省庁などからの独立性が確保され、約4000人が勤務。このため政府内では、NRCにならって国家行政組織法3条に基づく公正取引委員会のような強い権限を持つ規制機関にする案を軸に検討が進む見通しだ。

 原発の安全規制を巡っては、菅直人首相が先月30日、首相官邸で会談した社民党の福島瑞穂党首から保安院の分離を要請された際に「今後、議論になる」との見方を示した。

『水産庁は「放射性物質は魚介類の体内では濃縮されない」としてきた。しかし高濃度で検出されたことから、専門家に再度分析を依頼することも決めた。』 確信などないのに勝手な嘘を付くなよ、水産庁!だから日本政府の公表や判断は信用できないんだよ!どこの専門家が「放射性物質は魚介類の体内では濃縮されない」と 言ったのか公表しろ!専門家として仕事している以上、公表されても問題ないだろう。

水産庁、検査強化 「魚の体内で濃縮せぬ」の見解再検討 04/05/11 12時23分 (朝日新聞)

 福島第一原発から約70キロ南にある茨城県北茨城市沖で採ったイカナゴ(コウナゴ)から高濃度の放射性ヨウ素が検出されたことを受け、水産庁は5日、水産物の放射性物質検査を強化することを決めた。茨城県のほか、千葉、神奈川両県と東京都で、品目を広げて5日から1日おきに調べる。

 これまで茨城県内では各漁協が任意で検査してきた。水産庁は5日から茨城県と連携し、水揚げの多い那珂湊漁港を中心に、イカナゴのほかイワシやヒラメなど多くの魚種で検査する。他都県分についても水産総合研究センター(横浜市)で分析を補助する。

 放射性物質の影響をより受けやすいとされるワカメなどの海藻は、漁期ではないことから当面見送り、魚介類を優先して調べる。同庁は「茨城県沖では現在、漁業は実施されていない」としている。

 水産庁は「放射性物質は魚介類の体内では濃縮されない」としてきた。しかし高濃度で検出されたことから、専門家に再度分析を依頼することも決めた。魚介類についてヨウ素の基準がないため、鹿野道彦農林水産相は5日、食品安全委員会に設定を求める考えを示した。

海洋汚染について汚染水は海水で濃度が薄められると保安院の審議官も言っていたぞ!海流により汚染水の拡散の承知の上だろう。 拡散するから濃度も低くなる。これ常識。魚も種類によっては移動するし、海流や泳ぐことにより分布範囲も広範囲になる。 どうやって調べるのだろうか?かなり難しいと思うよ。あくまでも参考データだけのこと。ウナギの稚魚についても最近まで 知られていないこともあったそうだ。安全なデータなんてありえない。あくまでも安全値をどこまでみるのか、シビアサイドか、 最低の基準の違い!人間が食べて想定外の結果が出たら修正するだけのこと。ただその例にならないように自己責任において 自分を守らないといけない。予防接種で死亡したり、副作用に苦しむ子供もいる。パーセントで言えばかなり低い。しかし、 その低いパーセントに入った人達や家族にとっては無視できない数値だ。科学では100パーセントなんてないと思う。 出来るだけ100パーセントに近づける努力をする。日本の教授達や権威のある人達がが安全とか言っているが 本心から言っているのか疑問である??

韓国政府、汚染水放出「国際法上、問題の可能性」憂慮伝達 日本外務省に 04/05/11 12:19 (産経新聞)

 韓国の聯合ニュースは5日、東京電力が福島第1原発から放射性物質を含む水約1万1500トンを海に放出していることについて、韓国政府が在日韓国大使館を通じ日本の外務省に対し、憂慮を伝達したと報じた。

 水に含まれる放射性物質の濃度は最大で、日本の法律で環境中への放出が認められている濃度基準の500倍。同ニュースによると、韓国大使館は「(今回のような濃度の汚染水を海に放出する行為は)国際法上、問題を引き起こす可能性がある」と指摘した。

 外務省側は「汚染水は5日間かけて少しずつ放出する予定だ。周辺海域の汚染度を測定し、許容値を超える場合、放出を再検討する」とした上で、「国際法に違反するかどうかについては確認する」と答えたという。

 韓国メディアからは今回の放出をめぐり、日本から韓国政府に事前通報がなかったとして批判の声が出ている。(共同)

国際法的問題の可能性…韓国、汚染水放出に懸念 04/05/11 11時19分 (読売新聞)

 【ソウル=仲川高志】韓国政府は4日夜、福島第一原発で汚染水が海に放出された問題で、在日韓国大使館を通じ、日本外務省に「国際法的問題を引き起こす可能性がある」との懸念を伝えた。

 韓国政府は、日本政府から汚染水の放出について、事前に正式な通告がなかったことを問題視している。

欧州、放射性物質の拡散予測 / 気象当局、福島原発事故で 04/05/11 19時44分 (佐賀新聞)

 【ベルリン共同】ドイツや英国、フランス、オーストリアなどの気象当局や原子力当局が、福島第1原発から放出された放射性物質の拡散状況を独自に予測、ホームページ上で公開し、注目を集めている。

 こうした予測の背景には1986年に起きた旧ソ連のチェルノブイリ原発事故で放射性物質が欧州に飛来し、飲料水や野菜などが汚染されたことがある。

 国際原子力機関(IAEA)からの要請を受け、日本の気象庁も放射性物質の拡散予測を行っているが「仮定の数値のため、予測精度が低い」として非公表にしてきたのとは対照的。インターネット上では「日本政府は頼りにできない。貴重な情報源だ」などと評価する声が多い。

 ドイツ気象庁は、時間の経過とともに放射性物質が拡散する範囲などを予測、日本を中心とした東アジアの地図上で色分けして示している。国際機関から入手したデータなどを基にしている。

 ただ、予測結果は「実際に放射性物質が放出される濃度を示すものではない」と強調。ある一定の気象条件下で「放射性物質が拡散し、薄まるイメージを示したもの」と指摘している。

 ノルウェーやフィンランドでも拡散予測が行われ、公開されている。

事前に報告があったら問題なかったのか??面子だけの問題なのか??補償の問題は後回しと言っているが、技術的な事では何も出来ない 東電社員達もたくさんいる。どのような補償を考えているのか話し始めても良いだろう。補償額を低くしたいから計測データーを改ざんしたり、 数値をいじるのはしないように今からでも話し合うべきだろう。今の状態じゃ、数ヶ月で見通しなど立たないだろう。ある程度推測や 考えられる問題も現場からの報告ではじめて知ったから対応が・・・のような報告が多い。わざと問題を確認するまで報告もせず、対応策も 考えていないように思える。まあ、日本政府や原子力安全・保安院が東電におまかせで知ったかぶりをしていたから問題だ。まあ、原発だけの 問題じゃないが、危機管理の点では日本の公務員は問題が多い。何も知らないのにキャリアが出世道の通過点として役に付くのだから問題。 今回の世界的な恥を機に、人事やキャリアパスのあり方を考えて実行に移すべきだろう。

汚染水放出、農水省に事前報告なし…農相抗議 04/05/11 12時24分 (読売新聞)

 東京電力が福島第一原子力発電所から低濃度の汚染水を海に放出し始めた問題について、鹿野農林水産相は5日の閣議後記者会見で、汚染水が流れる恐れのある茨城県沖での魚介類の検査を強化する方針を示した。

 また、放出について事前に農水省に報告がなかったことも明らかにした。その上で、海江田経済産業相に対して東電を指導するよう求めたとし、「遺憾なことで、東電は姿勢をただしてほしい」と述べ、漁業や環境への影響を軽視しているとして東電を厳しく批判した。

 鹿野農相は、今後、茨城県ひたちなか市の那珂湊漁港で、ヒラメやカレイ、イワシなどを毎日採取し、放射性物質の濃度を調べる方針を示した。この検査はこれまで1週間に1回程度だった。

 東電は4日午後7時過ぎ、高い濃度の放射性物質を含む汚染水の貯蔵先を確保するため、低濃度の汚染水約1万1500トンの海への放出を始めた。しかし、放出について、農水省には、東電から一切事前に報告がなかったという。鹿野農相は、海江田経産相に対して5日朝の閣議後に、「東電を厳しく指導してほしい」と抗議した。

東電の判断ミスによる被害の拡大について政府は税金を使う必要はない。東電に賠償させればよい。 東電が持ちこたえられないのなら、国有化にすればよい。株式は紙切れになるだけ。

保管対策も「無計画」 東電の低濃度汚染水放出 04/05/11 00:05 (産経新聞)

 東電が建屋内の放射性物質(放射能)を含む低濃度の汚染水を海に放出する事態になったのは、原子炉冷却のための注水が原因とみられる建屋地下の汚染水や、屋外の立て坑などにたまった汚染水の処理が追い付かなくなったからだ。

 汚染水の処理について、原子力安全委員会は3月29日、東電に対し、「井戸を掘る」「使わなくなったタンカーを活用する」「米軍の協力を得る」などの助言をした。

 東電は同委員会の案を取り入れず、4号機タービン建屋をタンク代わりにして水を移す計画を立てた。しかし、4号機のタービン建屋は3号機とつながり、汚染水の貯蔵場所としては使えないことがわかり、断念した。

 こうしたずさんな対応で、低濃度とはいえ、自ら大量の汚染水を海に放出する事態を招いた。

 原子炉を安定して冷やす循環、冷却機能はいまだ復旧しておらず、今後も注水によって汚染水は増える可能性が高い。

 2号機の取水口付近では、高濃度の汚染水が海に流れ出しているが、流出を止められないのと、緊急避難的な対応であっても、故意に放出するのとでは大きく異なり、国民の理解を得るのは難しい。

検証・大震災:原発事故2日間(1)東電動かず、首相「おれが話す」 04/04/11 (毎日新聞)

 東日本大震災から一夜明けた3月12日午前6時すぎ。菅直人首相は陸自ヘリで官邸屋上を飛び立ち、被災地と東京電力福島第1原発の視察に向かった。秘書官らは「指揮官が官邸を不在にすると、後で批判される」と引き留めたが、決断は揺るがなかった。

 「総理、原発は大丈夫なんです。構造上爆発しません」。機内の隣で班目(まだらめ)春樹・内閣府原子力安全委員会委員長が伝えた。原発の安全性をチェックする機関の最高責任者だ。

 第1原発は地震で自動停止したものの、原子炉内の圧力が異常に上昇した。東電は格納容器の弁を開放して水蒸気を逃がし、圧力を下げる作業(ベント)を前夜から迫られていた。班目委員長は「視察の前に、作業は当然行われていたと思っていた」と振り返る。だが、着手は遅れた。

 首相は官邸に戻った後、周囲に「原発は爆発しないよ」と語った。

 1号機でようやくベントが始まったのは午前10時17分。しかし間に合わず、午後3時半すぎに原子炉建屋が水素爆発で吹き飛ぶ。「原発崩壊」の始まりだった。致命傷ともいえる対応の遅れは、なぜ起きたのか。

 11日、東電の勝俣恒久会長は滞在先の北京で震災の一報を知る。心配する同行者に「情報がない」と漏らし顔をゆがめた。衛星携帯で本店と連絡を取り続けたが、帰国できたのは翌12日。清水正孝社長も出張先の関西から帰京できない。東電はトップ不在のまま対策本部を置く。

 一方、官邸の緊急災害対策本部。当初、直接東電とやりとりするのではなく経済産業省の原子力安全・保安院を窓口にした。「原子炉は現状では大丈夫です」。保安院は東電の見立てを報告した。

 しかし、事態の悪化に官邸は東電への不信を募らせる。菅首相は11日夕、公邸にいる伸子夫人に電話で「東工大の名簿をすぐに探してくれ」と頼んだ。信頼できる母校の学者に助言を求めるためだった。

 11日午後8時30分、2号機の隔離時冷却系の機能が失われたことが判明する。電源車を送り込み、復旧しなければならない。「電源車は何台あるのか」「自衛隊で運べないのか」。首相執務室にホワイトボードが持ち込まれ、自ら指揮を執った。

 官邸は東電役員を呼びつけた。原子炉の圧力が上がってきたことを説明され、ベントを要請した。しかし東電は動かない。マニュアルにはあるが、日本の原発で前例はない。放射性物質が一定程度、外部へまき散らされる可能性がある。

 「一企業には重すぎる決断だ」。東電側からそんな声が官邸にも聞こえてきた。復旧し、冷却機能が安定すればベントの必要もなくなる。

 翌12日午前1時30分、官邸は海江田万里経産相名で正式にベントの指示を出した。だが、保安院は実際に行うかどうかについて「一義的には東電が決めること」という姿勢を変えない。国が電力各社に文書で提出させている重大事故対策は「事業者の自主的な措置」と位置づけられている。

 「東電はなぜ指示を聞かないのか」。官邸は困惑するばかりだった。首相は「東電の現地と直接、話をさせろ」といら立った。「ここにいても何も分からないじゃないか。行って原発の話ができるのは、おれ以外に誰がいるんだ」。午前2時、視察はこうして決まった。

 事故を防ぐための備えは考えられていた。しかし、それでも起きた時にどう対応できるか。班目委員長は取材に「自分の不明を恥じる」と言ったうえで、こう述べた。「その備えが足りなかった」

      ◆

 東日本大震災から人も国も再び立ち上がるには何が必要なのか。教訓を得るというには重すぎる出来事を後世にどう伝えればいいのか。あらゆる現場を見つめ直し、長い時間をかけて考え続けなければならない。随時掲載する「検証 大震災」の初回は、かつてない原発の大事故に政府や東電が当初どう対処したのかを報告する。【震災検証取材班】

東電の株は紙切れで株主にも責任を取ってもらい、課長以上の役職は退職金やボーナスは今後一切なし、又は解雇を選択させるべきだ。 まだ、東電には甘えがある。

福島第1原発:「透明性確保を」IAEA事務局長クギ刺す 04/04/11 23時39分 (毎日新聞)

 【ウィーン樋口直樹】原発の安全性の確保・向上を目指す「原子力安全条約」(72締約国・機構)の検討会合が4日、ウィーンの国際原子力機関(IAEA)本部で開幕した。東京電力福島第1原発事故の行方に国際社会の強い関心が集まる中、天野之弥IAEA事務局長は冒頭、「極めて深刻な状況が続いている」との見方を示した。「原子力への信頼の回復と維持には、安全基準の厳守と完全な透明性が欠かせない」とも指摘。情報の秘匿などは許されないとクギを刺した。

 天野氏は福島原発事故の深刻さにかんがみ、「平常通りの取り組みで済むはずがない」と述べ、「締約国が初期的な見解や教訓を共有する最初の公式な機会になる」と意義を強調。最優先課題として目前の危機の克服を挙げる一方、事故の「反省と評価を始めなければならない」とも述べ、原発の安全性について本質的な改善に取り組む決意を示した。

 天野氏によると、日本に派遣されたIAEAの原子炉専門家は数日内に福島第1原発の危機管理室を訪ね、「第1次情報」を入手する予定。状況が整い次第、国際的な専門家調査団が日本に派遣され、事故の評価に当たるという。6月20日からウィーンで開かれるIAEA閣僚級会議で、初期的な評価などが協議される見通し。

 事故から3週間が過ぎたが、強力な放射線に阻まれ、原子炉の中がどうなっているのか知り得ない状況が続く。4日には低レベルの汚染水約1万トン以上の海洋放出が始まった。

 解決策が見えない状況の中、会合参加国からは、日本やIAEAからの情報の量にはおおむね満足する声がある一方、情報の質や真偽を問う厳しい声が聞かれた。

 毎日新聞の取材に対し、アラブ首長国連邦代表団のアフメド氏は「日本の当局者は国民を安心させ、事態を混乱させたくないと考えている。メディアに伝わる情報は詳細ではない」と指摘。スウェーデンのフローディン氏も「公式に伝えられていないもっと詳しい技術情報があると思う。我が国の原発施設と比較できるような詳細な情報が欲しい」と注文した。

 日本の近隣国の参加者は匿名を条件に「放射能汚染の拡大を心配している。健康被害はない、との日本当局の報道発表には懐疑的だ」と本音をのぞかせ、「事故直後の東京電力の不誠実な対応には、不信感を抱かざるを得なかった」と語った。

 一方、パキスタンのミンハジ氏は「情報が遅いとの批判もあったが、事故直後は仕方がない。大事なのは、今回の事故を教訓に危機管理のあり方を学び合うことだ」と指摘。メキシコのゴンザレス氏は「IAEAの情報提供で現時点では健康被害がないことが分かり、安心している」と語った。

 検討会合は14日までの11日間。日本からは経済産業省原子力安全・保安院の担当者らが参加した。4日夕には、日本政府とIAEAの共催で福島原発事故に関するセミナー(非公開)も開かれ、最新情報を基に質疑応答などが行われる。

東京電力:発電と送電の分離案 政府、大手と統合検討 04/04/11 15時00分 (毎日新聞)

 福島第1原発で深刻な事故を起こした東京電力への公的支援に関連し、政府内で東電を発電部門と送電部門に分離し、送電部門を他の大手電力会社などに統合する処理案が浮上していることが4日、明らかになった。東電は福島原発事故の放射性物質の漏えいで巨額の損害賠償が見込まれる。政府は原発周辺の避難住民らへの賠償に万全を期すとともに、電力供給の安定を図るため、東電に出資して管理下に置く方針。しかし「深刻な事故を起こした東電を公的資金で救済するだけでは、国民の理解が得られない」(政府筋)と見ており、分離処理案が浮上した。

 東電の分離と他の電力会社への統合が実現すれば、電力大手10社が地域ごとに発電から送電まで電力事業を事実上独占する戦後の電力体制の再編につながる可能性がある。

 10社の中でも、東電は売上高が関西電力の約2倍の約5兆円と断トツの存在で、昨年末時点で約7兆5000億円の有利子負債を抱える。福島原発の処理や数兆円にのぼると見込まれる損害賠償負担で経営が悪化するのは確実で、政府は東電破綻を防ぐため、出資して一時的に公的管理下に置く方針を固めている。

 ただ、公的管理の長期化は避けたい考えで、最終処理策の検討も進めている。政府が公的資金で救済することには国民の反発も予想され、政府は「(公的管理脱却後の最終処理では)東電の看板のまま存続させるのは難しい」(官邸筋)との見方に傾いている。

 また、丸ごと他の電力会社に統合するには規模が大き過ぎるとの指摘もある。このため、政府内では発電部門と送電部門を分離する「発送電分離」に踏み切り、送電部門を東北電力と合併させて「東日本電力」とする案や、ナンバー2の関西電力と統合させて、東西で異なる電力の周波数の統一を進め、長期的な電力の安定供給体制の構築につなげる案などが議論されている。【三沢耕平】

 【ことば】発送電分離

 東電など電力会社が一貫して行う電力事業を「発電」と「送電」などの機能別に分離し、それぞれ別の事業者に行わせること。発電会社は送電会社に送電線網の使用料を払い、家庭や企業に電力を供給する。実現すれば、鉄鋼会社など発電事業への新規参入組も公平な条件で送電線網が使えるようになり、電力市場の競争が活発化。電気料金の値下げや太陽光発電など再生可能エネルギーの普及促進につながると指摘される。

汚染水漏出は深刻、遮断の見通し立たない…東電 04/04/11 07時33分 (読売新聞)

 高濃度の放射性物質を含む汚染水の流出を防ぐ止水作戦。

 紙おむつなどに使われる高分子吸水材やおがくず、新聞紙を投入したが福島第一原子力発電所2号機の取水口近くの立て坑の亀裂から海への漏出を止めることはできなかった。

 「深刻な事態。一刻も早く放出を食い止めたいが、見通しは立たない」。東京電力の松本純一・原子力立地本部長代理は3日夕の記者会見で硬い表情で語った。

 今回の作戦は立て坑につながる電源ケーブル用のトンネルのすき間を高分子吸水材で埋めて、立て坑への汚染水の供給を断つ計画。高分子吸水材は水を吸って約20倍に膨張する。前日に、コンクリートを流し込んで亀裂を塞ごうとしたが、水量が多すぎて固まらなかったため作戦変更した。

官邸サイト汚染水データ誤掲載、11時間後削除 04/04/11 07時13分 (読売新聞)

 福島第一原発2号機の取水口付近の立て坑(ピット)の亀裂から高濃度の汚染水が海に流出し続けている問題で、政府の原子力災害対策本部が3日、東電が実施した汚染水の分析の途中経過を、誤って首相官邸のウェブサイトに載せ、11時間後に削除していたことが分かった。

 削除されたデータは、汚染水に含まれる放射性物質の種類と濃度。東電の汚染水の分析を巡っては、十分精査しないまま公表したデータの撤回が相次いでおり、経済産業省原子力安全・保安院は「最終的に間違っていたら、さらに信頼を失う」として同本部に削除を要請した。東電と政府のずさんな情報管理態勢が改めて問われそうだ。

海中深くでも放射性物質を検出 04/04/11 03時36分 (読売新聞)

 福島第一原発事故の影響を継続して調査している文部科学省は3日、福島県内の大気中の放射線量などの測定結果を公表した。

 海水の調査では、同原発を中心とした太平洋岸沖合約30キロ・メートルの5地点で今月1日に採取した海水の表層から、1リットルあたり放射性ヨウ素131を最大12ベクレル、同セシウム137を15・7ベクレル検出。

 水深113~160メートルからの採取でも、ヨウ素131を最大4・8ベクレル、セシウム137は11・4ベクレル検出した。ただ、いずれも原発区域外での水中の濃度限度の基準(1リットルあたりヨウ素131は40ベクレル、セシウム137は同90ベクレル)を下回っていた。

 原子力安全委員会は3日、放射性物質は拡散して魚に取り込まれるまでには相当薄まるとしつつ、水深の深い所でも検出したことから「注視していく必要がある」とした。

どこの国でも闇の部分がある。原発も地域の住民に与える恩恵とリスクのバランス。原発を受け入れたときからいつ爆発するか分からない 時限爆弾のスイッチを入れたと同じだ。住民は怒っているだろう。しかし、原発を受け入れた時、その後、地元の人達はいろいろと 検討するべきだった。今更言われても遅いだろう。しかし、原発がある地元の人達はこれから真剣に考えていくべきだろう。

英の放射能海洋汚染半世紀…健康被害なくても拭えぬ不信 (1/2ページ) (2/2ページ) 04/03/11 (朝日新聞)

 放射性物質の流出として過去最悪とされる海洋汚染は、1960年代から70年代にかけて英国の核燃料再処理工場から起きた。周辺漁場で取れる海産物に今、基準を超える汚染は見られない。だが、廃液は今も海に流され続け、住民や周辺諸国は不信をぬぐえずにいる。

 白いカモメの群れが高い煙突をかすめて飛ぶ。英北西部のセラフィールド。絵本「ピーターラビット」の故郷として観光人気の高い湖水地方から西へ約40キロ、アイリッシュ海に面した敷地に、再処理施設がたち並ぶ。

 1950年代前半には、軍事目的で再処理が実施されていた。以来半世紀、再処理に伴い、放射性物質を含む廃液を海に流し続けてきた。濃度は70年代がピーク。その後は処理技術が向上したため、近年は100分の1以下になっている。

 海洋汚染が発覚した80年代以降、付近の海岸は一時立ち入り禁止になっていた。放射性を帯びた溶液漏れ事故もしばしば起き、運営会社による事故隠しも浮上。批判が高まった。

 そのつど英政府は「健康に影響はない」と説明したが、アイリッシュ海がつながる北海に面したノルウェー、アイスランドは海産物の汚染を心配し、操業停止を求めている。特に対岸のアイルランドは毎年、魚介類などの放射能を測り、漁民の健康調査をしている。

 これまで、健康への影響は立証されていない。だが、ノルウェーのソールハイム環境担当相は「セラフィールドで爆発や火災が起きたら、わが国の環境はチェルノブイリ原発事故の7倍の影響を受けるだろう」と国民の不安を代弁する。

 沿岸はエビやタラ、カレイの宝庫。「廃液は海で拡散するから、大丈夫だ」と英国漁業者連盟の北西地区議長ロン・グレアムさん(66)は請け合う。

 それでも実際の汚染とは別に、風評被害が起きた。英国名物フィッシュ・アンド・チップス(魚とジャガイモのフライ)の店が「アイリッシュ海の魚は使いません」と張り紙を出したこともあったという。

 グレアムさんは、福島原発事故の影響で「日本の漁師たちが、風評被害を受けないか、心配だ」と顔をくもらせた。

 セラフィールドでは1万人が働く。原子力は、ほかにさしたる産業のない地域の大黒柱といえる。地元で表だって批判を唱える人はわずかしかいない。

 だが、この地方の公衆衛生を統括するジョン・アシュトン博士は「住民の胸には不安感がよどんでいる。そのいくばくかは原子力産業の秘密体質に由来する」と語る。セラフィールドの環境団体COREの代表マーティン・フォーウッドさん(70)は「微量とはいえ、汚染魚を食べ続けたら、将来どうなるかわからない」と話した。(セラフィールド=橋本聡)

■魚介類、健康心配ない水準に

 セラフィールド再処理工場から、最も高い濃度の放射性物質が海に排出されていたのは、1970年代だった。英スコットランド政府の報告書などによると、濃度が高いところでは、セシウム137で海水1リットル当たり12ベクレル以上の地点もあった。80年代以降は、放射性物質の排出は大きく減り、2007年には0.2ベクレルに下がった。

 福島第一原発事故の影響では、3月30日に原発から30キロ沖合の地点でセシウム137が1リットル当たり8.5ベクレルを記録した。これは、70年代のセラフィールドの値に迫り、現在の42倍の濃度になっている。

 セラフィールド近海では現在、「フィッシュ・アンド・チップス」の材料になるタラから、1キロ当たり10ベクレルのセシウム137が検出されている。他の魚類や貝類、甲殻類、海藻からも1キロ当たり約1~8ベクレル検出され、セシウム以外の放射性物質も複数、検出されている。日本の魚や肉の基準は1キロ当たり500ベクレルだ。

 英環境省などによると、セラフィールドの漁師らが近海の魚介類を口にすることで受ける被曝(ひばく)線量は、1970年代中頃には年約3ミリシーベルトに達し、80年代前半まで1ミリシーベルトを超えていた。最近は約0.16ミリシーベルト程度で、健康への影響は心配ないレベルだという。

構造的に大丈夫であることは分かっているのか??しかしタンカーを使う政府案よりもレベルが低い。 東電が真剣に考えているのであれば東電がいかにレベルの低い会社であったことを国民は知らなかったことになる。 一度、東電の株を紙切れにして、国有化するべきだ。幹部職員がいなくなっても現場で働く職員がいれば問題ない。 他の電力会社及びメーカーから支援を受ければ会社は問題ない。東電が日本の唯一の電力会社ではない。

メガフロートに汚染水=海釣り公園用を改造 04/01/11 17:12 (時事通信)

 静岡市は1日、東京電力の要請を受け、市内で海釣り公園として使っているメガフロート(大型浮体式海洋構造物)を同社に譲渡すると発表した。東電は、福島第1原発事故で放射能に汚染された水の保管に活用するという。

 同市によると、フロート内部は1万トン程度の水を入れても沈まないという。

想像も付かない額の税金が使われるのである。東電を国有化にして、JALのように株主にも責任を取ってもらう必要がある。 東電の安全を優先せずに廃炉を避けようとした結果、被害が拡大した。課長以上の東電の人間には責任を取って辞めてもらうべきだ。 会社更生法が完了したからとJALはボーナスを出すようだが、税金を使われたのにボーナスなのか??このような意識だから問題なのだ! ドラスティックな意識改革のためには意識を返られない幹部職員に去ってもらうしかない。これにより他の電力会社社員達の意識改革にも繋がるはずだ。 東電のようになっても良いのかと言えば、魔法の言葉のように多くの人達がわかるだろう!

元マイクロソフト日本法人社長・成毛氏「東京電力は国有化されるべき」 03/31/11 (ニコニコニュース)

東電株、一時400円割れ 59年ぶり、国有化など懸念 04/01/11 13時11分 (朝日新聞)

 福島第一原子力発電所で事故を起こした東京電力の株価が1日、1952年1月以来約59年ぶりに一時400円を割り込んだ。東電がいずれ巨額の補償を求められ、「一時国有化」もあり得るとの見方から、株価がどんどん下がっている。

 東電の株価は一時、前日比67円安い399円をつけた。午前の終値は同45円安い421円。

 日経平均株価の午前の終値は前日終値と比べ10円76銭(0.11%)安い9744円34銭、東京証券取引所第1部全体の値動きを示すTOPIX(東証株価指数)は同1.77ポイント(0.20%)低い867.61。

 午後1時時点の日経平均は同36円91銭高い9792円01銭。

地下水の放射能汚染、監視強化へ 法定の1万倍検出うけ 04/01/11 09時34分 (読売新聞)

 福島第一原子力発電所1号機の地下水の排水から高濃度の放射性物質が検出された問題で、枝野幸男官房長官は「海水や周辺地域に対する影響について、しっかりとモニタリングしていかなければならない」と述べ、監視を強化する考えを示した。今回の事故で地下水の放射能汚染が確認されたのは初めて。周辺海域の環境の監視が課題になっている。

 汚染が見つかったのは地下水を地下15メートル付近からポンプでくみあげ側溝に排水する施設。30日午前に採った水からヨウ素131を1立方センチ当たり430ベクレル検出した。原発敷地境界の法定限界値の1万倍に当たる。

 東電によると、ポンプは地震で停止しており排水溝から直接海には流れていない。今見つかっている海水の汚染とは「関連性は薄い」という。

 敷地内ではコンクリート製の地下坑道に高濃度の放射能による汚染水が見つかり、原子炉などから漏れ出した水が流れ込んだ可能性が指摘されている。地下水の汚染が見つかったことで地下内部まで汚染されていることがはっきりした。同原発には、ほかにも地下につながる経路があり得るため警戒が必要になる。

 検出された物質の種類や数値について東電が再評価しているが、地下水からの検出という事実は揺るがない見込みだという。

 東電はタービン建屋の地下などで見つかった汚染水との関係も「否定できない」とするが、周囲に飛び散った放射能が雨水でしみ込んだ可能性も挙げる。

 第一原発付近の海では基準の4385倍と高い濃度の放射性ヨウ素131が検出されている。東電はすでに調査地点を増やすことを決めている。

 文部科学省も第一原発の約30キロ沖合まで、観測地点を増やし表層や海底付近の海水の調査を続けている。23日には30キロ地点の表層から基準の約2倍の放射性ヨウ素131を検出。30日午後に約10キロ地点でも約2倍の値を認めた。本来見つからないことが多い海底付近からも4分の1の値を検出している。

 国の原子力安全委員会は31日、海の放射能汚染について「人間が口にするまでには相当薄まると考えられるが、いつまでも出し続けていい物質ではない」との見解を示した。

官邸・東京電力・保安院が「相互不信」 04/01/11 09時34分 (読売新聞)

 福島原発事故対応を巡り、官邸と、東京電力や経済産業省の外局である原子力安全・保安院の「相互不信」が高まったことも、その後の混乱につながった。

 中でも、最も強く不信感を募らせたのは首相自身だった。同原発3号機で水素爆発が起きた翌15日早朝には東京・内幸町の東電本店に乗り込み、「テレビで放映されているのに官邸には1時間くらい連絡がない」とぶちまけた。

 3月28日、官邸で開かれた各省次官出席の「被災者生活支援各府省連絡会議」では電力業界を所管する経済産業省の松永和夫次官が批判の矢面に立たされた。片山総務相から「被災市町村に保安院はしっかり情報を提供しているのか」と問われ、「2週間かけてやります」と答え、「なぜ、そんなに時間をかけるのか」と激怒された。松本防災相が「東電は社員を出して、例えば、さいたまスーパーアリーナに避難している人の支援をすべきだ」と訴えると、「東電の社員の動きは把握していない」と返答し、「東電が迷惑をかけているのにダメじゃないか」と更に怒りを買った。

 首相は31日、官邸で共産党の志位委員長と会談し、原発推進の経産省と、原発の安全規制を担う保安院の分離を提案されると「確かに、『原子力村』と言われるギルド的雰囲気がある。重大な反省が必要だ」と応じた。電力会社と経産省の関係を中世欧州の排他的な同業者組合になぞらえるほど、不信は高じている。首相やその周辺が経産省に厳しいのは、昨年の民主党代表選で小沢一郎元代表を支持した海江田氏や中山義活経産政務官ら政務三役との感情的なしこりが作用しているとの見方もある。

 逆に、東電や保安院にも官邸への不満がくすぶる。首相が官僚を遠ざけ、内閣官房参与に次々と起用した原子力の民間専門家の意見に耳を傾ける日が続いているためだ。東電福島事務所の関係者は「東京本店よりも官邸からの圧力が強い。事実関係を把握できていても、東京より先に発表するなと言われている」と漏らす。

作業員の個人線量計が不足 東電福島第1原発 04/01/11 00:14 (産経新聞)

 東京電力福島事務所は31日、福島第1原発でアラーム付きの個人線量計が不足し、作業員全員が線量計を持てない状況であると明らかにした。線量計が足りない時は、作業グループの代表者が携帯して、全員の被曝線量を管理していた。

 だが、作業員の中に不安を訴える人もいたため、同社は今後、全員が線量計を持つように改めた。

 同社によると、津波の影響で当初あった5000個の線量計の多くが使用できなくなり、現在使える線量計は320個。同原発内では多いときには1日の作業員が延べ800人に上り、全員が持てる状況ではなくなった。

 同社の放射線被曝管理のマニュアルでは管理区域で作業する際は、全員が線量計を携帯することを義務付けていたが改訂し、一定の条件を満たせば全員が線量計を持たなくても代表者が持てば作業ができるようにしていた。

東日本大震災:福島第1原発事故 被ばく線量計、数が足りずに代表者のみ携行 04/01/11 11時08分 (毎日新聞)

 ◇「1人1台」原則

 東京電力は31日、福島第1原発の事故処理に当たる作業員がチームで作業をする場合、被ばく量を測る線量計を代表者1人だけに持たせていたことを明らかにした。通常は「1人1台」が原則だが、地震と津波で線量計の多くが壊れ、数が足りなくなったためと説明している。東電は「1日からは全員に携行させる」としているが、全員分の線量計を確保するめどは立っておらず、作業の遅れは避けられないという。

 東電によると、線量計は同原発構内に約5000台あったが、被災で320台に激減した。事故処理には1日最大約500人が従事しており、線量計が足りない事態となった。

 東電は「作業員全員に線量計を携行させる」との内規を変更。(1)その日の作業の総線量が10ミリシーベルト程度(2)作業環境線量が事前調査で把握できている(3)作業場所全体がほぼ同じ線量になっている(4)グループ全体が同じ作業をする--という場合に限り、チームの代表者だけに線量計を持たせた。

 東電は「被ばく管理に問題はないと考えているが、不安に思う作業員がおり、全員に携行させることにした。作業員の一部は現場に入れなくなるため、影響は免れない」としている。【酒造唯】

東京電力、政府管理下へ とうとう公的資金を投入 04/01/11 (「日本の将来」より)

東電 作業員に線量計を持たせず 03/31/11 (「日本の将来」より)

日本の基準を適用したり、国際基準に変更したり、日本は都合が良いように変える。

「同原発から約40キロ離れた福島県飯舘村で測定された放射線レベルが、国際原子力機関(IAEA)の避難基準を超えていたことが30日、分かった。」 「福島第1原発から遠く離れた場所で放射線レベルが突出していることについて、日本の文部科学省は『地形や風向きの影響と考えられる』としていた。」

地形や風向きの影響も考慮しても安全なのが、20キロ圏外じゃないの?一般的には安全なのが20キロ圏外。長期的に影響が出る範囲では 屋内退避指示圏にも入らないのか??200キロ以上も離れているところに住んでいるから心配する必要はないけど、もしそこに住んでいたら 個人的には逃げるだろうな!

放射性物質:飯舘村、避難基準超す 日本にIAEA勧告 03/31/11 11時08分 (毎日新聞)

 【ウィーン樋口直樹】東日本大震災に伴う福島第1原発事故で、同原発から約40キロ離れた福島県飯舘村で測定された放射線レベルが、国際原子力機関(IAEA)の避難基準を超えていたことが30日、分かった。IAEAはウィーンでの記者会見で、同原発から20キロ以内を避難指示圏に設定している日本政府に対し、状況を「注意深く」評価するよう勧告したことも明らかにした。

 IAEAのフローリー事務次長は会見で、飯舘村での放射線レベルの測定値が「IAEAの作業上の避難基準のひとつを上回った」と述べた。その上で「我々は(日本政府に)状況を注意深く評価するよう勧告し、日本は既に評価中であることを示唆している」とも述べた。日本に対し事実上、地元住民への避難指示圏の見直しを促したものとみられる。

 IAEAのこうした見解は、福島第1原発からどこまでの範囲の住民に避難指示を出すべきかを巡り、新たな議論を呼びそうだ。

 IAEAによると、今月18~26日に同原発から25~58キロ圏で土壌のヨウ素131とセシウム137の量を調べた。その結果、飯舘村は土壌1平方メートル当たり約200万ベクレルだった。IAEAの避難基準の約2倍に相当するという。ヨウ素131かセシウム137かは明確にしていない。同村の測定値は1カ所のみで測られた散発的なデータで、あくまで初期的な評価だという。

 飯舘村は、避難指示圏の外側に設けられた屋内退避指示圏(福島第1原発から20~30キロ)のさらに外側にある。福島第1原発から遠く離れた場所で放射線レベルが突出していることについて、日本の文部科学省は「地形や風向きの影響と考えられる」としていた。

 一方、天野之弥事務局長は30日の会見で、原発の安全対策などに関する初めての高官級会議を6月20~24日にウィーンで開催すると発表した。IAEA加盟国の首相や外相などに招待状を送るという。

福島第一原発、廃炉は数十年がかり 03/31/11 09時21分 (読売新聞)

 危機的な状態が続く東京電力福島第一原子力発電所1~4号機。

 東電の勝俣恒久会長は30日、これら4基を廃炉にする方針を示したが、喫緊の課題は、原子炉の冷却や放射能に汚染された大量の水の処理だ。廃炉に持ち込むには長い時間がかかり、専門家は「すべてを終わらせるには数十年がかりの作業になる」と指摘する。

 ◆短期的課題

 目の前にある最大の課題は、高濃度の放射能に汚染された大量の水処理だ。作業用トンネル(トレンチ)にたまっている汚染水だけで、計約1万3000トン。このほか、量は不明だが、タービン建屋の地下にある大量の汚染水も除去しなくてはならない。

 汚染水を除去できれば、原子炉本来の効率的な冷却機能復活への道が開ける。しかし、現状では汚染水に阻まれ、原子炉の制御機器を動かす外部電源ケーブルすら敷設できていない。

 内部の放射線が強すぎて機器の修理ができなかったり、汚染水の排水ができなかったりして、電源が回復しないといった事態も想定される。漏えいが続くと、一時的な保管場所にしている外部タンクでは間に合わなくなる。関係者から「新たな貯蔵場所を、早急に確保しなければならない」という意見が出ているのには、こうした背景がある。

 汚染水を除去できたとして、同原発からの放射性物質の大量放出を止め、安全な状態に持ち込むには、原子炉を「冷温停止」と呼ばれる段階にする必要がある。杉山憲一郎・北大教授は「外部電源で本来の冷却装置を動かし、水を循環させることができれば、1~2日で冷温停止に導ける」と話す。廃炉に向け、核燃料をさらに冷やして取り出せる状態にするには、さらに数年はかかりそうだ。

 一方、仮設ポンプで炉心に水を送り続ける現状が続くと事態はより深刻になる。海老沢徹・元京都大原子炉実験所助教授は「核燃料は少しずつ冷えていくが、冷温停止には少なくとも数か月を要するだろう」と、推測する。このシナリオだと、水の注入量は増え、汚染水も増える。

 ◆長期的課題

 最終的な廃炉には、数十年の時間がかかる。国内の商用原発として、初めて廃炉作業に入った茨城県の日本原子力発電東海発電所では、1998年の営業運転終了後、2021年までかけて段階的に進めている。

 廃炉は、燃料を取り出し、放射線量の低減を待つ。この間、発電機など汚染の少ない設備を先に解体、最後に原子炉の鋼鉄容器などを切断し地下深くに埋める。現在は熱交換器などの撤去作業中だ。

 しかし、原子炉や建屋が破損した福島第一原発の例では、こうした通常の手順通りに解体できるか疑問だ。松浦祥次郎・元原子力安全委員長は「今回は汚染低減作業に非常に手間がかかる。廃炉は恐らく20~30年では終わらない」と語る

汚染水処理遅れる見通し 施設地下に予想超す浸水 03/31/11 0時22分 (朝日新聞)

 東京電力は30日、福島第一原子力発電所(福島県大熊町、双葉町)の集中環境施設の地下が冠水していることを明らかにした。津波の影響とみられる。この施設は4号機の原子炉建屋の隣にあり、液体を煮詰めて蒸留し、放射性物質をより分けるための施設。タービン建屋や坑道にたまった汚染水の処理に活用できると期待されていた。冠水によって汚染水の処理は遅れる見通しという。

 東電原子力設備管理部の小林照明課長は「思いの外浸水がひどい。復旧には時間を要する」と説明した。タンクやポンプのほか、電気ボイラーを含む機器も水没して使えなくなっている。

 一方、東電福島第一原発での放射性物質の飛散を抑えるため、経済産業省原子力安全・保安院は31日から、粉じん防止剤を散水車でまく実験を始める。

 防止剤はのり面の工事や埋め立てで使われるもので、流れ出たり、爆発で飛んだりして広範囲に降り積もった放射性物質を含む粉じんが、周辺に飛び散ったり、雨で洗われて海に流れ込むのを抑える。31日から2週間、実験として1~4号機付近に計約6万リットルまき、効果を確かめるという。

福島第1原発:沸騰水型の構造裏目に 03/30/11 23時56分 (毎日新聞)

 東日本大震災で被災した東京電力福島第1原発の原子炉は、「沸騰水型軽水炉(BWR)」と呼ばれる。国内の商用炉の6割を占めるが、今回の事故によって起きた大量の放射性物質の放出や汚染水の問題は、この構造が裏目に出た可能性がある。核燃料が過熱によって損傷し、核燃料を厳重に閉じ込めるはずの「原子炉圧力容器」の底部から外部に漏れ出していると関係者は見ている。【日野行介、須田桃子、下桐実雅子、江口一、関東晋慈】

 ◇燃料、溶接部から漏出か

 二ノ方寿(ひさし)・東京工業大教授(炉心安全性)によると、福島第1の原子炉は、水滴を含んだ蒸気を乾かす装置が圧力容器(高さ約22メートル)の上部にあるため、燃料棒の核分裂反応を止める制御棒は容器の底から通す構造になっている。圧力容器は厚さ約16センチの鋼鉄でできているが、底部には制御棒や中性子計測管を貫通させる100本以上の配管がある。

 一方、商用原子炉のもう一つの型「加圧水型(PWR)」は、制御棒を上から差し込む構造だ。

 現在、福島第1で発生している高濃度の汚染水や放射性物質は、圧力容器の底から漏れ出したものだと専門家は見る。

 奈良林直・北海道大教授(原子炉工学)は2号機について「溶け落ちた高温の燃料が配管の表面や溶接部分を溶かして穴を開け、管内を伝わって少しずつ格納容器内に漏れ落ちたのでは」と推測する。小林圭二・元京大原子炉実験所講師も「損傷しているとすれば底の部分だろう。貫通部の溶接部分が損傷して隙間(すきま)ができ、ここから漏れている可能性が高い」と指摘する。

福島第1原発の現状(3月30日現在) 国側も圧力容器の損傷の可能性を考えている。経済産業省原子力安全・保安院は30日の会見で、1~3号機の汚染水の起源について「圧力容器内で燃料棒が損傷してできた核分裂生成物が圧力容器の弁や管、(容器の底にある)制御棒の入り口とか弱いところから格納容器に出て、さらに漏れ出たと推測する」と話した。原子力安全委員会の代谷誠治委員も30日の会見で「1~3号機は圧力容器内が高温なのに圧力が上がっていない。程度の差はあれ、圧力容器に損傷がある可能性は高い」と指摘した。本来なら、燃料棒を冷やすための注水によって大量の水蒸気が発生し、炉内の圧力は高まるはずだからだ。

 これに対して東電は「水が外に出ているのは確かだが、どういう壊れ方か想定できない。大きく穴が開いているわけではない」と、圧力容器の損傷を明確には認めていない。

 1時間当たり1000ミリシーベルト以上と、極めて高い放射能を帯びた汚染水が大量に見つかった2号機では、2度にわたって圧力容器内が空だきになり、燃料棒が露出。燃料の壊れ方が1~6号機で最も大きいと考えられる。

 さらに、圧力容器を納めた格納容器の一部「圧力抑制プール」付近で15日に爆発音があり、同プールの破損が懸念されている。こうした状況で、燃料の破片を含む水が直接、同プールの穴から外部に流出した可能性がある。2号機同様、圧力容器と格納容器内の圧力がほぼ等しくなっている3号機でも、同様の仕組みで燃料が漏れ出ている可能性は否めない。

 原発で起こりうる重大事故については、配管から核燃料が漏れる可能性が国際会議で議論されたこともあり、配管や溶接部分のもろさはBWRの弱点と言える。二ノ方教授も「炉心が溶ける恐れがある場合、下部に貫通部分がある構造は弱みになる」という。

 しかし奈良林教授は「今回はその弱点が安全弁的な役割を果たしている可能性がある」とみる。燃料が漏れ出るにしても、少しずつ出ることによって、圧力容器の底が一気に抜けて大量の核燃料が格納容器内の水と反応し水蒸気爆発を起こす「最悪のシナリオ」が避けられるからだ。仮に水蒸気爆発が起きれば、これまで以上に大量の放射性物質が飛び散って周囲に近付けなくなり、原子炉の冷却ができなくなる恐れがある。

 福島第1の各原子炉では核燃料の冷却が進められている。

 奈良林教授は「現在は収束に向かい始めるまでの最終段階。汚染水が海に漏れないよう対策を施し、さらに安定的に炉心を冷却できるシステムが確立できれば、半年から1年の間に冷却を終えられるだろう」と予測する。

 ◇日本の商用原子炉の型◇

 沸騰水型(BWR)と加圧水型(PWR)があり、BWRは燃料の核分裂で発生する熱で冷却水を沸騰させ、蒸気を隣接する建屋に送ってタービンを回す。一方、PWRは炉内の圧力を高めて1次冷却水の沸騰を抑え、その熱を2次冷却水に伝えて蒸気を作りタービンを回す。これにより、放射能を帯びた水は格納容器内に閉じ込められる。世界全体ではPWRが多く、79年に事故を起こした米スリーマイル島原発もPWR。国内では6割弱がBWRだ。

米国で「東電には経営責任がある」株主代表訴訟も (1/2ページ) (2/2ページ) 03/30/11 22:44 (産経新聞)

 【ニューヨーク=松浦肇】東京電力の経営責任を問う声が米国内で強まっている。東日本大震災で事故を起した福島第1原子力発電所への対応処理、情報開示の遅さに対して、エコノミスト、大学教授からウォール街関係者まで批判的だ。東京電力が昨年9月に実施した公募増資では米国の投資家も東電株を購入しており、海外発で株主代表訴訟が起きる可能性も出てきた。

 「誠に残念ですが、日本は貧しい国になるでしょう」。米国家経済会議(NEC)前委員長のローレンス・サマーズ米ハーバード大学教授が23日、ニューヨーク市内の講演で断言すると、会場が静まり返った。

 米国では、震災後の落ち着いた日本の社会秩序が評価される一方で、経済の先行きが懸念されている。

 米国のエコノミストは第2四半期(4~6月)の日本の国内総生産(GDP)が前年比約3%減るとみているが、減少率の半分、1・5%分が東電「発」によるネガティブ要因。放射能漏れや停電が都心部の経済活動を妨げ、消費の低迷につながるという見方だ。

 経済への影響だけではない。コロンビア大学が22日開催した日本セミナーでは、出席した法律、経済、政治の専門家3人が口をそろえて、「東電には経営責任がある」と主張した。

 会社法を教えるカーティス・ミルハウプト教授は「原発の安全監督など内部統制ルールに従っていない場合は取締役責任を問える」と指摘。日本政治研究のジェラルド・カーチス教授も「昨年メキシコ湾で原油流出事故を起こした英BPと同じ構図だ」とする。

 経営責任はあくまで相対的な基準で問われる。大津波よりも高い場所に設置された東北電力の女川原発や、日本原子力発電の東海第2発電所が原子炉を安全に停止できたのに、福島第1原発だけで被害が拡大した点が問題視されている。

 原子力損害賠償法に従って、数兆円規模に上るとされる周辺地域への補償などを国が負担すれば、東電は事実上の国有会社となる可能性が高い。巨額赤字に伴う無配はもちろん、経営トップが退陣を迫られるのは必至だ。

 しかも、東電は昨年秋に4千億円超を株式調達したばかり。取締役が経営のプロとして通常期待される「善管注意義務」を果たしていなかった-として国内外の株主から代表訴訟を受ける可能性がある。

 清水正孝社長が昨年9月の記者会見で述べた「社会的貢献と収益の両立」がとも倒れとなった今、「(東電の)公益会社としての経営責任の果たし方、企業統治のあり方が問われている」(米公認証券アナリスト協会のロビンソン博士)という声が高まっている。

福島第1原発:汚染「海中、海底でも」…安全委見解 03/30/11 22時22分 (毎日新聞)

 福島第1原発の周辺海域で文部科学省が実施している環境中の放射性物質の調査結果について、内閣府原子力安全委員会は30日、「浅海で上層水と下層水の混合が認められる」として、魚や海藻への影響の大きい海中や海底でも放射性物質による汚染が進む恐れがあるという見解を明らかにした。

 文科省によると、原発から約30キロ沖合の観測点の一つで、海底から10メートル上の水深137メートルから採取した海水を分析したところ、1リットル当たりヨウ素131が2.17ベクレル、セシウムが8.64ベクレル検出された。

 いずれも表層水の半分から3分の1の濃度。松尾多盛・同委員会緊急事態応急対策調査委員は「海産生物への濃縮についても安全性を確かめることが必要だ」と話した。【西川拓】

汚染水のタンカー回収検討!考えが単純だな!タンカーを使えば高濃度放射能汚染水以外の荷物は二度と使えないだろう。 あまりに古いタンカーを使えば機能的な信頼度に問題がある。中古のタンカーをスクラップするコストはいくらになるのか。 ポンプのパッキンから少量の高濃度放射能汚染水が漏れても船員に影響がある。普通のタンカーのようにベントは使えない。 タンクからのベントは密閉しないといけないだろう。カーゴポンプルームには立ち入ることは出来ないし、入り口から気体が漏れないように しないといけない。完全な密閉はかなり難しい。アラームだって放射能検地や測定機能はない。今思いつく事を書いても書ききれないほど 問題があるように思える。高濃度放射能汚染水を貯蔵及び運搬するように建造されていないタンカーをこれから間に合わせで改造するのだろうか?? 船員のリクルートにも問題があるだろう。高額な報酬のために高いリスクを負う優秀な船員を集める必要がある。資格だけで船員を選ぶと事故のもと。 こんな単純な事を必死で考える日本政府の危機管理体制ってレベルが低いと思う。

汚染水のタンカー回収検討=特殊布で覆う案も-官房長官 03/30/11 11:07 (時事通信)

 枝野幸男官房長官は30日午前の記者会見で、福島第1原子力発電所のタービン建屋地下に漏れた放射能汚染水をタンカーで回収する案を検討していることを明らかにした。枝野長官はタンカーを使う案について「専門家にさまざまな検討をしてもらっている。その中に含まれているのは間違いない」と述べた。

 また枝野長官は、建屋が崩壊した福島第1原発1、3、4号機からの放射性物質の飛散を防ぐため、建屋上部の壊れた部分を特殊な布を覆いかぶせる案も検討していることを表明した。

今回の原発は多くの事を教えてくれた。日本政府、原子力安全委員会 及び原子力安全保安院 は非常時には大した事は出来ないことを教えてくれた。たぶん、多くの省職員もどうような問題を抱え、これまで多くの税金を無駄にしてきたのだろう。 東大卒又は高学歴のキャリアで経験がない職員は適切な対応が取れない。詭弁は得意だが、解決策は持ち合わせていない。今後、キャリアが 天下りまでの道のりで知識や経験がない分野の担当者に任命されることについて考え直す必要がある。直接的に原発事故とは関係ないが、 いかに彼らに対応能力がないかは今回の対応で理解できたと思う。適切な人事配置や結果を出すための人事を考える時が来たと思う。

「補強しても基本設計は同じ。水素爆発などで生じた力に耐えられる強度がなかった」いつこの情報が入手できたのか?? 早い段階で入手していたのであれば水素爆発を回避することに全力を挙げるべきだったし、破損も想定して対応していくべきだった。 日本政府の報道は楽観的な発言だけで、ネガティブな事実が予想に反して起きたような報道をする。事実であれば日本政府の対応能力は 極めて低いと言わなければならないし、今後の対応についてもかなり不安だ。なるようにしかならない、最悪のシナリオ回避を神に祈るだけ??

設計に弱さ GE元技術者が指摘 03/30/11 10時49分 (毎日新聞)

 【ロサンゼルス吉富裕倫】東京電力福島第1原発と同型の原子炉を設計した米ゼネラル・エレクトリック(GE)社の元技術者、デール・ブライデンバーさん(79)が毎日新聞の取材に応じ、原子炉格納容器について「設計に特有の脆弱(ぜいじゃく)さがあった」と指摘し、開発後に社内で強度を巡る議論があったことを明らかにした。

 東電によると、福島第1原発はGEが60年代に開発した「マーク1」と呼ばれる沸騰水型軽水炉を6基中5基使っている。

 ◇議論封印「売れなくなる」

 GEでマーク1の安全性を再評価する責任者だったブライデンバーさんは75年ごろ、炉内から冷却水が失われると圧力に耐えられる設計ではないことを知り、操業中の同型炉を停止させる是非の議論を始めた。

 当時、マーク1は米国で16基、福島第1原発を含め約10基が米国外で稼働中。上司は「(電力会社に)操業を続けさせなければGEの原子炉は売れなくなる」と議論を封印。ブライデンバーさんは76年、約24年間勤めたGEを退職した。

 ブライデンバーさんは退職直後、原子炉格納容器の上部が小さく、下部と結合する構造が脆弱で万一の事故の際には危険であることを米議会で証言。マーク1の設計上の問題は、米原子力規制委員会の専門家も指摘し、GEは弁を取り付けて原子炉内の減圧を可能にし、格納容器を下から支える構造物の強度も改善。GEによると、福島第1原発にも反映された。

 しかし福島第1原発の原子炉損傷の可能性が伝えられる今、ブライデンバーさんは「補強しても基本設計は同じ。水素爆発などで生じた力に耐えられる強度がなかった」とみる。また「東京電力が違法に安全を見落としたのではない」としながらも、「電気設備の一部を原子炉格納容器の地下に置くなど、複数の重大なミスも重なった」と分析した。

 ブライデンバーさんはGE退職後、カリフォルニア州政府に安全対策について助言する原発コンサルタントとして約20年間働き、現在は引退している。

汚染水、阻む復旧作業 処分困難「終わりは遠い」 (1/3ページ) (2/3ページ) (2/3ページ) 03/28/11 00:08 (産経新聞)

 東京電力福島第1原発1~4号機の発電用タービン建屋の地下で、高濃度の放射能を帯びた水たまりが見つかった。汚染水の排水作業は難航し、原子炉冷却に向けた復旧作業の大きな障壁となっている。今後、回収した汚染水の処分にも困難が予想されるなど、国際原子力機関(IAEA)の天野之弥(ゆきや)事務局長は「終わりまではまだ遠い」と指摘している。(大矢博之)

1000万倍

 「見たくないようなひどい数字だ」。原子力安全・保安院の幹部は、値の高さに顔をゆがめた。

 東電は2号機のタービン建屋地下で採取された水の放射能濃度が1立方センチ当たり29億ベクレルと保安院に報告。その後分析評価に誤りがあったとして再調査すると発表した。だが、放射能濃度が高いレベルにあることには変わりないとみられる。

 タービン建屋内の放射線量は水面、空気中ともに毎時1000ミリシーベルト以上が計測され、計測器の針は振り切れた。「再計測しようにも放射線量が高すぎ、現場にいられる時間が足りない」(東電)といい、実際はさらに高い可能性もある。

 タービン建屋には、原子炉の冷却システム復旧に欠かせない電源やポンプなどがあり、ここでの作業は避けられないが、3号機タービン建屋に入った作業員が被曝(ひばく)したように、汚染水が作業を阻んでいる。

処分に困難

 汚染水は他のタービン建屋地下でも見つかった。1号機の排水作業では、汚染水をポンプでくみ上げ、「復水器」と呼ばれる装置に注入している。

 復水器の容量は1号機が1600立方メートルで、2~4号機が各3000立方メートル。復水器に残っていた水もあり、「すべての汚染水を復水器に入れるのは難しく、別タンクが必要になるかもしれない」(保安院)という。

 また、復水器に入れた汚染水の扱いも、今後の問題として浮上している。

 汚染水はフィルターで放射性物質を除去したり、蒸発させて量を減らしたうえで放射性廃棄物として処理することになるが、「これほど大量の汚染水を処理した経験はなく、どれだけ時間がかかるか見当もつかない」(東電)。

 京都大原子炉実験所の宇根崎博信教授(原子力基礎工学)も「汚染水には半減期が長い放射性物質が多く含まれ、処分は大変な困難を伴う」と指摘している。

見えぬ現場

 東電は排水後、汚染を洗浄して電源ケーブルを敷くなどの作業を再開する予定だが、地下の照明は復旧しておらず、「真っ暗で、どこまで水が広がっているか分からない」(東電)。3、4号機は建屋内の状況を把握しきれず、排水方法さえ決まっていない。

 現在も漏水が続いている可能性もあり、作業環境の大幅な改善は難しく、宮崎慶次・大阪大名誉教授(原子力工学)は「排水が成功しても、システムの復旧作業が長丁場になるのは間違いない」としている。

福島第1原発:排水作業進まず 保安院、影響調査を指示 03/29/11 13時18分 (毎日新聞)

 東日本大震災で被災した東京電力福島第1原発で、1、2号機のタービン建屋外の「トレンチ」と呼ばれるトンネル状の穴から高い放射線量の汚染水が見つかった問題で、経済産業省原子力安全・保安院は29日、東電に対し、汚染水が海にあふれた跡や地下水への影響の有無を調査するよう指示した。また、汚染水の発見について、東電と政府の統合対策本部に連絡がまる1日遅れた点を重視し、社内の情報伝達を円滑にし、適切に報告が行われるよう指示した。一方で復旧作業は、汚染の広がりに加え、高い放射線量によって主要な作業を中断せざるをえない事態になり、事故収束の見通しは立っていない。

 保安院によると、トレンチの水位は安定し、現状では海にあふれた跡は確認されていない。しかし、1号機はトレンチの最上部まで10センチと迫っており、東電は土のうやコンクリートブロックで流出防止の応急処置をした。

 また保安院は、東電による第1原発付近の海水の分析で、放射性ヨウ素の濃度が上昇傾向にあった南放水口(1~4号機用)や北放水口(5~6号機用)付近で、28日に濃度が減少したと発表した。一方で、南に16キロ離れた岩沢海岸付近では上昇傾向にあり、保安院は「汚染がドーナツ状に拡散しているとみられる」としている。

 東電は29日、原子炉や使用済み核燃料プールの冷却機能の復旧に向けた作業を続けた。

 1~3号機のタービン建屋地下1階にたまった水は深さ約40センチ~1.5メートルほどあるといい、立て坑内すべてに水が満たされていれば約3000~6000トンになり、汚染された水は相当な量になる。所内のタンクに水を移す計画だったが、タンクの容量が足りないことが分かり、新たな方法を検討しなければならなくなっている。

 1号機ではタービン建屋内にある復水器に入れて排水を続け、3号機ではすでに復水器に水が入っているため、別のタンクに水を移し始めた。だが、2号機は検討段階で作業は進んでいない。

福島第1原発:放射性物質、スリーマイルの19万倍も 03/29/11 10時43分 (毎日新聞)

 東京電力福島第1原発の事故で放出された放射性物質の量は、1979年に発生した米国のスリーマイル島(TMI)原発事故で放出された量の14万~19万倍に上るとの試算を米国の市民団体、エネルギー環境調査研究所(IEER)のグループが29日までにまとめた。

 IEERのアージャン・マキジャニ所長は「事故の深刻度の国際評価尺度で、TMI事故と同じレベル5だとする日本の公式見解は、幻想としか思えず、多くの誤解を招くものだ」と批判。評価尺度はより深刻なレベル6に当たると指摘した。

 IEERによると、事故でこれまでに環境中に放出されたヨウ素131の量は240万キュリー(1キュリーは370億ベクレル)と推定され、これだけでTMI事故の放出量の14万倍。これに加えて、放射性のセシウム134とセシウム137が計50万キュリー程度放出されたとみられ、合わせると放出量は19万倍に達する。

 IEERによると、放射性のヨウ素もセシウムの量も旧ソ連のチェルノブイリ原発事故で放出された量の10%程度。だが、チェルノブイリ事故の放出源は原子炉1基だけだったのに対し、福島の事故の場合、三つの原子炉と四つの使用済み燃料プールが放出源になったとみられ、半減期が約30年と長く、体内に取り込まれやすいセシウム137の量も多いため、環境への影響が長く続くことが懸念される。

 マキジャニ所長は「日本政府は、事故の実態を市民によりよく理解させるため評価をレベル6に引き上げ、これまで放出された放射性物質の量や、今後予想される放出量などを詳細に公表すべきだ」としている。

班目春樹原子力安全委員長 よ、しっかりしろ!「『どのような形ですみやかに実施できるかについて、安全委ではそれだけの知識を持ち合わせていない。 まずは事業者(東京電力)が解決策を示すとともに、原子力安全・保安院にしっかりと指導をしていただきたい』と述べた。」

肩書きはお飾りか??いろいろな経験を通して良い大学を卒業しただけでまともに仕事が出来ない役人達がいる事を知った。 原発関連も同様なことが言えるようだ。少なくとも 原子力安全委員会 は役に立たないことが明白になった。「行政機関ならびに事業者を指導する役割を担っています。このため、内閣総理大臣を通じた関係行政機関への勧告権を 有するなど、通常の審議会にはない強い権限を持っています。」外国に原子力安全委員達は大した知識がないことを認め、アメリカを含め外国に助けを求めるべきだろう! 原子力の安全確保と原子力安全委員会の役割のホームページ に書かれていることと、非常時の対応に大きな違いがある。詐欺に近いほどの違いだ。福島県民そして近隣の県民達はこの事実を理解し、今後を考えなければならない。

福島第1原発:汚染水対応 班目氏、「知識持ち合わせず」 03/29/11 0時07分 (毎日新聞)

 班目春樹・原子力安全委員長は28日夜の記者会見で、東京電力福島第1原発のトレンチでみつかった高放射線量の汚染水への対応について、「どのような形ですみやかに実施できるかについて、安全委ではそれだけの知識を持ち合わせていない。まずは事業者(東京電力)が解決策を示すとともに、原子力安全・保安院にしっかりと指導をしていただきたい」と述べた。首相への勧告権限も持つ専門家集団トップの発言だけに、その役割について議論を呼びそうだ。

 同委員会は原子力利用時の安全確保のために基本な考え方を示し、行政機関や事業者を指導する役割を担い、他の審議会より強い権限を持つ。だが、班目委員長は23日に会見するまで、国民に対して見解や助言の内容などを説明することがほとんどなく批判を浴びていた。【大場あい】

結局、福島の原発は終息に向かっているような印象を与えておいて、一方では最悪の準備をはじめている。 作業員の被ばく上限を上げたり、食品の放射線の上限を上げたりしているのがその証拠。作業員の被ばくが国際基準で問題がないのであるなら、 「大量被ばくでは、血液を作る骨髄の造血幹細胞が破壊され、死に至ることがある。他人の幹細胞を移植した場合に心配される深刻な拒絶反応を、本人の幹細胞を使用することで予防する」 準備を仙谷由人官房副長官に要請するのか。外国人に比べると日本人は現実を受け入れることが困難のようだが事実を公表するべきだろう。 放射能漏れを止められないのに、農業とか酪農とか言っている場合じゃないだろう。放射能漏れを止められる方法さえも見つからない。 学者や大学教授は理論だけ。実際に誰がどうやって止めるのかについては何も言えない。保安院は人事のような説明。「これから考えなければならない。」 そんな時間は残されているのか????そして選択肢がない場合、どうするのか??説明する時に、対応策として、1・・・、2・・・があり、 1がだめなら、2をどのように行うのか等の説明がない。その場では何も思いつかないし、分からないと言っているのと同じだ。 奇麗事を言わずに、犠牲者を出来るだけ少なくするしかないと言うべきだろう。東電の人間もがんばっている等の記事を読んだ。しかし、 地元出身の東電作業員ばかり。本社からどれほどの東電作業員が応援に行っているのか??かなり少ないのではないのか?? どのような終わりをむかえるのか見守るしかない!

がんセンター:「造血幹細胞」の採取保存可能 被ばく備え 03/28/11 21時19分 (毎日新聞)

 国立がん研究センターの嘉山孝正理事長らが28日、会見し、事故があった東京電力福島第1原発の作業員が大量に被ばくした場合に備え、センターとして作業員の造血幹細胞を採取・保存することが可能だと提言した。

 大量被ばくでは、血液を作る骨髄の造血幹細胞が破壊され、死に至ることがある。他人の幹細胞を移植した場合に心配される深刻な拒絶反応を、本人の幹細胞を使用することで予防することが期待できる。採取には入院が必要で、3、4日かかるものの、嘉山理事長は「事前に自分の血液から幹細胞を取り出して凍結保存しておけば、被ばく後の治療に役立つ」と提案した。

 また、祖父江友孝・がん対策情報センターがん情報・統計部長ら4人の専門家が「広島や長崎の被ばく者10万人の解析や旧ソ連のチェルノブイリ原発事故の研究報告から判断して、子供の甲状腺がんも含めて、100ミリシーベルト以下では、がん増加を示すデータはない。健康への影響を心配する必要はない」との見解を述べた。

 一方、虎の門病院(東京都港区)の谷口修一・血液内科部長らが28日、官邸を訪れ、作業員の造血幹細胞の事前採取・保存を仙谷由人官房副長官に要請した。谷口氏によると、現場へ作業員を派遣している東電の下請け会社が、2人分の事前採取を要請しているという。【小島正美、青木純】

個人的な経験ですが官僚や公務員達は多少の知識はありますが、学歴だけで詳細な経験や経験は持ち合わせていない場合が多い。 多くの国民はこのことを知らない。東大卒だったらまともに仕事が出来ると思っていたら大間違い。今回の福島原発事故を教訓に ひとつひとつ間違った慣例や考えを変えている必要があると思う。

後藤政志さん(元東芝原発格納容器設計士)はとてもはっきりと説明してくれます。原... 03/28/11 (Yahoo!知恵袋)

2号機から高濃度汚染水…東電、分析めぐり混乱 03/28/11 02時16分 (読売新聞)

 東京電力は27日、電源復旧作業が進められている福島第一原子力発電所2号機のタービン建屋地下1階にたまった水の表面や周囲の空気から、毎時1000ミリ・シーベルトを超える高い放射線量を計測したと発表した。

 建屋地下には、原子炉の冷却機能回復に欠かせない主要なポンプや配管が集中しているが、2号機と同様、原子炉内の核燃料が損傷しているとみられる1、3号機でも、放射性物質の濃度は高いままで、東電は電気ケーブル敷設など復旧作業計画の見直しを迫られている。一方、汚染水の分析をめぐっては、東電が訂正の記者会見を開いて謝罪するなど、混乱した。

 汚染水の採取は26日午前、2号機の建屋地下1階南西側の復水移送ポンプ付近で行われた。しかし放射線量が、線量計の最大設定値である毎時1000ミリ・シーベルトを超えて針が振り切れたため、作業員らはこれ以上続けるのは危険と判断して現場を離脱。正確な計測はできなかったという。この線量は、15分ほど浴びた場合、緊急作業時の年間限度である250ミリ・シーベルトに達する計算になる。3号機でも、建屋地下1階にたまった水の放射線量が、24日に作業員3人の被曝(ひばく)事故が起きた際は同400ミリ・シーベルトだったのに対し、26日は同750ミリ・シーベルトに上昇していた。

「放射能1千万倍」は誤り 本当なのかどうか知らないが、計測に間違いがあることは明白になった。いろいろなデーターが各自治体や いろんな場所で計測されているが、誤りがあることもある。だから公表されたデーターを信用するかは個々の判断。本当に信頼できるのか、 担当者にしかわからない。間違って低い数値を公表した場合、実際は数値が高かったと訂正するだろうか?高いと公表したが、実際は低かったとは 今回のように公表するだろうが、逆の場合は訂正を公表するとは思えない。東京よりも南に住んでいて良かったと思うだけである。

「放射能1千万倍」は誤り 東電、違う物質と取り違え 03/28/11 0時42分 (朝日新聞)

 東京電力は27日、福島第一原発2号機のタービン建屋内のたまり水から通常の炉内の1千万倍の放射能を検出したと発表後、夜になり「違う物質と間違えた」と会見、さらにその訂正を28日未明に再訂正した。26日にもタービン建屋で計測した場所や数値を大幅に訂正した。情報を共有できず、高い放射線の場所で関連会社員が被曝(ひばく)する事故も起きた。情報伝達の不備が、混乱に拍車をかけている。

 2号機のたまり水を調べた際、減り方が極めて早いヨウ素134という物質について採取時点の放射能を逆算すると、1ccあたり29億ベクレルとなった。通常の1千万倍にあたる。これほど大量に検出されれば、炉内で核分裂反応が起きている可能性すらある。原子力安全委員会は再評価するよう東電に求めた。

 東電が再度測ると、ヨウ素134なら急速に減るはずの放射能が、さほど減っていなかった。東電は27日夜、「減り方がもっと遅いコバルト56と間違えた可能性がある」と発表。しかし、28日未明の会見で「コバルト56ではなくセシウム134だった」と再び訂正した。午前の会見で「検出した」と発表していた別の2種類の物質も、実際には出ていなかったという。

 武藤栄副社長は「(分析した)内容を吟味する過程で十分でないところがあった」と話した。

 東電の広報担当者は、「測定結果が不確実な可能性があっても、公表しなければ、後から『隠していた』と批判を浴びる」と悩む。経済産業省原子力安全・保安院も、同じ理由で公表を優先したとしている。

「想定超え」津波は考慮せず=原発耐震指針の委員長-被害経験なく「責任痛感」

原子力安全委員会委員 は次の人達から構成されている。班目 春樹 (専門:流体・熱工学)、久木田 豊 (専門:原子力熱工学) 、 久住 静代 (専門:放射線影響学) 、小山田 修 (専門:原子炉構造工学) 、代谷 誠治 (専門:原子炉物理・原子炉工学)

責任を痛感したのであれば、今後のためにすみやかに「リスクを考慮した原発の設計思想」を提出してほしい。班目 春樹氏の コメントも公表してほしい。

参考情報:
原子力安全委員会委員 (ウィキペディア)

【原子力安全委員会 班目春樹委員長】この委員会は、廃炉状態ですが... (「第四楽章 壊れた日本」より)

原発事故関連 (「平成うきよの覚え書き」より)

浜岡原子力発電所運転差止裁判 (「中部電力」より)

原子力安全委員会班目委員長が驚くべき発言をしている 小榑雅章 (「雑誌「埴輪」」より)

「想定超え」津波は考慮せず=原発耐震指針の委員長-被害経験なく「責任痛感」 03/27/11 14時21分 (時事通信)

 津波被害によって深刻な状況が続く東京電力福島第1原発について、  国の原子力安全委員会  の耐震設計特別委員長を務める入倉孝次郎京都大名誉教授(強震動地震学)が27日までに取材に応じ、「想定超えは常にあり得るという設計思想が、津波に対しては浸透していなかった。責任を痛感している」と語った。  入倉さんは地震の揺れの専門家。2006年に改定された原発の耐震設計審査指針や、既存原発の耐震性再確認の手法を検討した。「揺れに対しては、制御棒も動作し原子炉は止まった。指針では想定される地震を大きめに考えるが、それでも上回る可能性がある。そのリスクを考慮するのが原発の設計思想」と話す。原発を造る側から「起こりえないことまで考慮してはきりがない」と反発もあったが、05年の宮城県沖地震や07年の中越沖地震で原発が想定以上の揺れに見舞われ、原発の耐震性再評価につながった。  改定指針で、津波の記述は「地震に伴う随伴事象」としてわずか1項目だけ。断層調査や建物の強度など、地震の項目が多岐にわたるのに比べると極端に少ない。  入倉さんは「地震も津波も同じ自然現象。常に想定を超える可能性がある。機器が水をかぶっても、他に回避する方法があるのが原発の設計思想のはずだ」と指摘。「今回の事態を見ると、今まで言ってきたことは何だったのかという気がする」と悔しがる。  指針の中に、津波の想定を詳しく書くべきではなかったか。入倉さんは「指針はとても強いもの。書かれると事業者も規制当局も何とかしないといけなくなる。地震と違って過去に津波被害はなく、コンセンサス(合意)を得るのは難しかった」と明かした。  東日本大震災では、東北電力女川原発も激しい揺れと津波に襲われたが、無事に止まった。入倉さんは「徹底した分析があれば原発は本当は危険でないはず。責任は当然自覚しているが、どう安全を確保するかを冷静に振り返らなければならない」と語った。 作業員の健康に関わることでも伝わらない。この程度の危機管理なのだろう。事態や状況は変わる、報告や確認は重要である認識の 共有がかなり低いことがわかる。もし重大な変化が確認されても即時に報告される可能性も低いかも??今回の事故に関して 手際が悪いと感じるがこれが実態の結果なのかもしれない。

水たまりの危険性把握していた…東電伝えず 03/26/11 13時42分 (読売新聞)

 福島第一原発3号機で作業員3人が被曝(ひばく)した事故で、東電はタービン建屋地下に高濃度の放射性物質を含む水たまりがある危険性を把握しながら、情報共有を怠ったため、作業員が水たまりに注意を払わず、事故につながった可能性があることが26日、わかった。

 東電は18日に1号機タービン建屋地下1階で毎時200ミリ・シーベルトの放射線量を検出、水たまりに高濃度の放射性物質が含まれる危険性を認識していた。

 しかし、3号機タービン建屋で被曝した3人が24日午前に作業を開始するまでに、1号機に関するこの測定結果は作業員に伝わっていなかった。1号機とよく似た3号機の作業場所に、高濃度の放射性物質が含まれた水たまりがある可能性が伝わっていれば、作業員の被曝は避けられた可能性がある。作業員たちは汚染された水につかって作業を行い、線量計の警報が鳴っても、誤作動と思い作業を続行した。

 東電福島事務所の小山広太副所長は「情報共有を徹底していれば、3号機の被曝事故は防げたはずで、反省している」と話している。

東電、1号機の高放射線量を事前把握 作業員らに伝えず (1/2ページ) (2/2ページ) 03/26/11 12時49分 (朝日新聞)

 東京電力福島第一原子力発電所(福島県大熊町、双葉町)3号機のタービン建屋内で起きた作業員3人の被曝(ひばく)で、3人が作業に入る6日前の18日、1号機のタービン建屋地下で高い放射線量を確認しながら、東電は作業員らに注意喚起をしていなかったことがわかった。東電は「情報共有が早ければ被曝を防げた可能性があった」と認め、謝罪した。

 東電福島事務所によると、6日前の18日、1号機のタービン建屋地下1階で作業した際に放射線量を測定、作業員の被曝線量の上限(250ミリシーベルト)に迫る毎時200ミリシーベルトと高いことを確認していた。

 一方、3人の作業員が3号機で作業を始めたのは、24日午前10時半ごろ。作業員には1号機の情報は伝わっていなかった。

 3号機では前日にはなかった水が深さ15センチになっていたが、3人は前日の作業では線量が低かったこと、「タービン建屋は通常、線量が高い場所でない」と思っていたことなどから、水につかって作業をして、局所被曝した。18日のデータが事前に伝わっていれば、作業員らの思い込みを防げた可能性がある。

 東電福島事務所の小山広太副所長は「1号機の現場の状況の情報をしっかり各現場で作業している人たちに注意喚起していれば、今回の被曝は防げたと思っており、反省している」と謝罪した。

 東電は建屋内に津波による海水が残っていると考えて排水を検討。その準備として水を分析するため、24日午前9時半に1号機で水を採取、分析した。東電や経済産業省原子力安全・保安院によると、3号機と同様、通常の原子炉内の冷却水より約1万倍強い、1立方センチ当たり380万ベクレル(放射能の単位)の放射能が検出された。

 含まれている放射性物質の種類は3号機とほぼ同じだった。セシウム137など燃料に含まれる物質が検出されており、原子炉内から漏れ出した可能性がある。

 保安院は3号機の水の発生源について、使用済み核燃料の貯蔵プールよりも原子炉内の可能性の方が高いとの見方を示した。

 東電はまた、2号機のタービン建屋地下でも表面付近で毎時200~300ミリシーベルトの高い放射線量の水がたまっていることを明らかにした。これにより、高い放射線量の水がたまっていたのは1、2、3号機となり、今後、配管の損傷などからどういう経路で漏出が広がったのかを調べていくことになる。

 水たまりの深さは3号機で最大1.5メートル、2号機は1メートル、1号機は40センチ。4号機でも、放射性物質の状況は不明だが、80センチの水がたまっているという。

海水から基準濃度の1250倍放射性物質 福島第一原発 03/26/11 12時33分 (朝日新聞)

 東京電力は26日、福島第一原子力発電所近くで25日朝に採取した海水から、最大で安全基準の1250.8倍にあたる濃度の放射性物質が検出された、と発表した。

 東電によると、25日午前8時半に第一原発の放水口から約330メートル南側の海岸沿いで0.5リットルの海水を採取して調べたところ、ヨウ素131が原子炉等規制法が定める基準の1250.8倍、検出された。21日午後2時半のときの10倍に跳ね上がった。これまで1日1回だった測定を2回に増やして監視を強化する。

 経済産業省原子力安全・保安院によると、仮にこの濃度の水を500ミリリットル飲むと、一般人の年間限度にあたる1ミリシーベルト程度を被曝(ひばく)するが、ヨウ素131は放射線量が半分になる半減期が8日と短い。30キロ離れた場所での数値に変化は確認されていないという。

 このほか、セシウム134が基準の117.3倍、セシウム137が79.6倍、検出された。

福島第1原発:1日で1年分の放射線量 北西30キロ地点 03/26/11 1時05分 (毎日新聞)

 文部科学省は25日、東日本大震災で被災した東京電力福島第1原発から北西約30キロの地点で、24時間の累積放射線量が最大約1.4ミリシーベルトに上ったとする測定結果を発表した。防御なしで屋外にいた場合、一般の日本人の人工被ばく年間限度(1ミリシーベルト)を超える放射線を1日で受ける計算。【山田大輔、河内敏康】

 ◇異例の「自主避難」、安全委が国に要請

 内閣府原子力安全委員会は同日、放射性物質の拡散が収まる見通しが立たないことを受け、政府が「屋内退避」指示を出している同原発から半径20~30キロ圏内の住民は「自主的に避難することが望ましい」との助言を、原子力災害対策本部(本部長=菅直人首相)に対して行った。安全委の防災対策指針には、累積放射線量に応じて屋内退避や避難を選択するための指標があるが、どちらでもない「自主避難」を国に要請するのは極めて異例だ。

 これを受け枝野幸男官房長官は同日、20~30キロ圏内の市町村に対し「住民の自主避難を促進するとともに、政府の避難指示が出た場合には直ちに避難を実施するようお願いしたい」と、自主避難を促す考えを示した。対象地域は9市町村で、1万1000人程度がいるとみられる。

 文科省の調査は、震災以降定期的に実施しているモニタリング(監視)で、1時間当たりの放射線量が高めに出ている北西約30キロの5地点(福島県浪江町、飯舘村)と、南約25キロ(同広野町)の1地点を選び、簡易型線量計を設置して23日昼から24時間の累積放射線量を測定した。

 その結果▽浪江町の国道399号沿いで1.437ミリシーベルト▽飯舘村で0.864ミリシーベルトなどの高い値となった。南の広野町では0.109ミリシーベルトだった。文科省は「くぼ地などの地形や風向き、積雪などで特に高くなる場合もある。今後、測定を約60地点に増やし、拡散状況の調査精度を上げたい」と話す。

 安全委の助言は、25日の臨時会で決定した。「今後なお、放射性物質の放出が継続すると考えざるを得ない状況」を踏まえ、原発の事故対応が長期化する可能性を指摘。「20~30キロの屋内退避区域のうち、線量が比較的高いと考えられる区域の住民については積極的な自主的避難を促すことが望ましい」と要請した。

 30キロ圏内で線量がそれほど高くない区域からも「予防的観点などから自主的に避難することが望ましい」とした。特に政府に対して避難場所の確保や地域の交通事情を考慮するよう求めたほか、避難する場合は線量が高くなる雨天時を避けるよう求めた。

 一方で、避難や屋内退避区域を拡大することは現在は必要ないとしつつ、線量測定の結果次第で「見直しの必要性について適時に検討することが肝要」と、今後の監視を促している。

 ◇放射線量、低下傾向 安全委

 安全委の代谷(しろや)誠治委員らは25日夜に会見し、福島県浪江町などで高い累積放射線量が観測されたことについて「地域は限定的で既に住民は避難している」とし、現時点で屋内退避区域を拡大する状況にないと強調した。

 「自主避難」を助言した理由については「屋内退避区域の住民は、物資調達など生活に苦労している。防災計画は、屋内退避がずっと続くことを想定しておらず、現状がある程度長く続くとの予想の下、条件が整う(避難できる)人は無理にとどまらなくてもいいということだ」と説明した。

 また、高い線量は原発の水素爆発などで一時的に大量の放射性物質が放出された影響と説明した。代谷委員は「全体的に放射線量は低下傾向にある。水や食物の摂取制限を守れば健康に影響はない」と語った。

「ただちに健康に影響する数値ではなく・・・」とは定義でいれば1ヵ月、6ヵ月それとも1年。曖昧すぎて理解出来ない。 あえて「ただちに」をつけて曖昧にしているのか??屋内退避指示地域の人達はカレンダーで日数とか数えていたほうが良いかもしれない。 そしてニュースの記録も付けておくほうが良いかもしれない。あと原子力安全委が責任を取るのか、国が責任を取るのか問い合わせるほうが良いだろう。 逃げるような対応をしたら責任を取るつもりはないと考えたほうが良いと個人的には思う。

北西30キロ、24時間で年間許容量超す放射線 03/25/11 19時48分 (読売新聞)

 文科省が25日初めて発表した、福島第一原発から約25キロ~30キロ地点の24時間積算の放射線量は、6か所中1か所で、年間許容量の1・4倍にあたる1437マイクロ・シーベルトを記録した。

 23日に計測したもので、南約25キロ地点は24時間で109マイクロ・シーベルトだったが、屋内退避指示地域のすぐ外側の北西約30キロ地点が最高値だった。この地点は原発事故以降、毎時170マイクロ・シーベルトを観測するなどしているが、原子力安全委は「ただちに健康に影響する数値ではなく、屋内退避地域を広げる必要はない」としている。

 一方、同原発の太平洋岸沖合約30キロの8地点で24日に採取した海水からは、1リットルあたり16・9~59・1ベクレルの放射性ヨウ素131を検出した。3か所で安全基準の同40ベクレルより高いが、前日よりやや低い傾向。放射性セシウム137はいずれも基準値を下回った。

「チェルノブイリと比較は極端」天野IAEA事務局長 03/25/11 9時30分 (朝日新聞)

 【ウィーン=玉川透】国際原子力機関(IAEA、本部ウィーン)の天野之弥(ゆきや)事務局長が24日、朝日新聞の単独インタビューに応じた。天野氏は福島第一原子力発電所について「依然として深刻な状況にある」との見方を示す一方、放射能汚染については1986年の旧ソ連・チェルノブイリ原発事故と比較するのは「時期尚早だ」と述べた。

 天野氏は福島原発をめぐり「良い傾向も見えているが、同時に懸念すべき要素もある」とし、放射性物質の放出源特定が急務だと強調した。一方、農産物や水道水などの放射能汚染については「日本の基準に照らして深刻な状況だ」と指摘。そのうえで、チェルノブイリ事故と関連づけた汚染の分析や予測に対し、「非常に限られたデータを元にしており、いかにも極端だ」と疑問を呈した。

 また、IAEAとしてすでに派遣している放射線計測の専門家に続き、人体や食品への放射性物質の影響を調べる専門家派遣を日本側と調整していることを明らかにした。

 今回の事故でIAEAは、日本政府を通じて入手した情報を加盟国に提供してきたが、「情報量が少ない」「後手に回った」と批判もされた。天野氏は「原発の安全性は各国が責任を持つのが大前提であり、IAEAは『原発の安全の番人』ではない」と主張。核施設の査察では「核の番人」と呼ばれるIAEAも、原発事故の対応では当事国に対し強制力を伴う権限がなく、「協力者」に過ぎないと訴えた。

 国際的な原発の安全基準については「津波などに対する今の設定が本当に良かったか議論されるべきではないか」と指摘。加盟国に対し基準強化に向けた議論を促すと共に、早期に日本へ調査団を派遣する考えを示した。

 各国の原子力政策については、「脱原発」に路線変更する国が多数出ると見る一方で、「原発が安定したクリーンなエネルギーだという事実は変わらない」と指摘。各国の冷静な対応を期待した。

結局、住民の意思、補償額及びリスクを考慮した上での決断になるのだろう。チェルノブイリ原発事故後のデータはデータ。 参考にはなるが、実際に住んでデータを取ってみるまでは断定は出来ない。「だろう」の領域である。

「 原発から北西に約40キロ離れた福島県飯舘村では20日、土壌1キログラムあたり16万3千ベクレルのセシウム137が出た。 県内で最も高いレベルだ。京都大原子炉実験所の今中哲二助教(原子力工学)によると、1平方メートルあたりに換算して326万ベクレルになるという。

 チェルノブイリ事故では、1平方メートルあたり55万ベクレル以上のセシウムが検出された地域は強制移住の対象となった。  チェルノブイリで強制移住の対象となった地域の約6倍の汚染度になる計算だ。今中さんは『飯舘村は避難が必要な汚染レベル。  チェルノブイリの放射能放出は事故から10日ほどでおさまったが、福島第一原発では放射能が出続けており、汚染度の高い地域はチェルノブイリ級と言っていいだろう』と指摘した。」

健康被害に関する国に対しての訴訟は存在する。「国がすみやかに対応していれば・・・」や「国が危険性を認識した時にすみやかに・・・」は 結果論である。被害に苦しむ人達に対して決断した公務員達が責任を取ったことがあるのか??自分の知る限りではない!また、「認識していなかった」と 言われ、「認識していた」事を証明できなければ裁判で勝つのは難しそうだ。裁判になると一生をかけるほどの時間がかかる。原発が事故を起こせば 影響がある地域に住んでいる。他の県にあるので近くをドライブするまで知らなかった。福島県や近隣の人達も今回の事故を体験するまでは 同じようにさほど関心を示していない人達がいたと思う。今はとても便利なインターネットで簡単に情報が収集できる時代。農家もJAに頼らず、 自分達でリスクに関する情報を理解するべきだろうと思う。

福島第一原発事故、スリーマイル超えレベル6相当に 03/25/11 3時0分 (朝日新聞)

 東京電力福島第一原発の事故は、放出された放射能の推定量からみて、国際評価尺度で大事故にあたる「レベル6」に相当することがわかった。すでに米スリーマイル島原発事故(レベル5)を上回る規模になった。局地的には、旧ソ連のチェルノブイリ原発事故に匹敵する土壌汚染も見つかっている。放出は今も続き、周辺の土地が長期間使えなくなる恐れがある。

 原子力安全委員会は、SPEEDI(スピーディ)(緊急時迅速放射能影響予測)システムで放射能の広がりを計算するため、各地での放射線測定値をもとに、同原発からの1時間あたりの放射性ヨウ素の放出率を推定した。事故発生直後の12日午前6時から24日午前0時までの放出量を単純計算すると、3万~11万テラベクレル(テラは1兆倍)になる。

 国際原子力事象評価尺度(INES)は、1986年のチェルノブイリ原発事故のような最悪の「レベル7=深刻な事故」を数万テラベクレル以上の放出と定義する。実際の放出量は約180万テラベクレルだったとされる。今回は少なくともそれに次ぐ「レベル6」(数千~数万テラベクレル)に相当する。

 経済産業省原子力安全・保安院は18日、福島第一原発の1~3号機の暫定評価を「レベル5」と発表したが、今後放出量の見積もりが進めば、再検討される可能性が高い。

 土壌の汚染は、局地的には、チェルノブイリ事故と同レベルの場所がある。

 原発から北西に約40キロ離れた福島県飯舘村では20日、土壌1キログラムあたり16万3千ベクレルのセシウム137が出た。県内で最も高いレベルだ。京都大原子炉実験所の今中哲二助教(原子力工学)によると、1平方メートルあたりに換算して326万ベクレルになるという。

 チェルノブイリ事故では、1平方メートルあたり55万ベクレル以上のセシウムが検出された地域は強制移住の対象となった。チェルノブイリで強制移住の対象となった地域の約6倍の汚染度になる計算だ。今中さんは「飯舘村は避難が必要な汚染レベル。チェルノブイリの放射能放出は事故から10日ほどでおさまったが、福島第一原発では放射能が出続けており、汚染度の高い地域はチェルノブイリ級と言っていいだろう」と指摘した。

 金沢大の山本政儀教授(環境放射能学)によると、1メートル四方深さ5センチで、土壌の密度を1.5程度と仮定すると、飯舘村の1平方メートルあたりのセシウム濃度は約1200万ベクレルに上る。チェルノブイリの約20倍。「直ちに避難するレベルではないが、セシウムは半減期が30年と長い。その場に長年住み続けることを考えると、土壌の入れ替えも必要ではないか」と話した。

 健康への影響はどうか。チェルノブイリ原発事故では、強制移住の地域では平均50ミリシーベルト程度の放射線を浴びたとされる。しかし汚染地での長期の住民健康調査では、成人では白血病などの発症率は増えていない。

 甲状腺がんは増えたが、事故当時小児だった住民が放射性ヨウ素で汚染された牛乳などを飲んで内部被曝(ひばく)したためとみられている。飯舘村の24日午後までの放射線の総量は、3.7ミリシーベルトだ。

 長瀧重信・長崎大名誉教授(被曝医療)は「チェルノブイリ原発事故後でも小児甲状腺がん以外の健康障害は認められず、すぐに健康を害するとは考えにくい。高い汚染が見つかった地域では、データをもとに住民と十分に話し合って対応を考えてほしい」と話している。

原発、明暗分けた津波対策 女川は避難所に (1/2ページ) (2/2ページ) 03/24/11 22:32 (産経新聞)

 東日本大震災の被害では、同じ東北の太平洋沿岸に立地する東京電力の福島第1原発と東北電力の女川原発が明暗を分けた。福島第1原発が多くの住民を故郷から引き離した半面で、女川原発には壊滅的被害となった女川町民が避難所として身を寄せている。2つの原発の明暗が分かれたのは福島第1原発では想定された津波の高さが約5・6メートルだったのに対して女川原発は9・1メートルに設定した立地のわずかな違いだった。

 福島第1原発は過去の事例を参考に津波の高さを最大約5・6メートルと想定して設計されていた。東京電力は「隣の南相馬市の津波の高さは約10メートルにも及んだとされ、今回の津波は想定をはるかに超えていた。揺れは耐震設計の600ガルを下回っていただけに津波にやられました」と説明する。

 一方、女川原発は昭和53年の宮城県沖地震後の59年に運転を開始。東北電力によると、三陸沖地震津波や宮城県沖地震の経験から津波想定は高さ9・1メートル、耐震設計は580ガル、半径5キロ以内に活断層がない-などの地盤条件も含めた総合的な判断で現在の場所に建設されたという。

 固い岩盤上にある主要施設は海面から14・8メートルもの高さだった。地震の揺れは想定以下となる567・5ガルにとどまり、消波ブロックと芝生の斜面に阻まれた津波は主要施設に達することはなかった。「設計段階の津波と耐震の条件を満たした立地が津波被害を阻んでくれた」(東北電力)

 震災後の停電はなく、水の備蓄もあったため、女川原発は津波で壊滅的被害を受けた女川町民の救いの場所になった。原子炉等規制法で一般住民は許可なく原発敷地内には入れないが、人道上の配慮から開放され、最大で330人が事務建屋の別館と体育館に避難した。

 東北電力は「今後も要望があれは避難所として開放したい」と話している。

原発や放射能の知識がある人達は対応を考えられるかもしれないが、このような人達はあまり現場での仕事をしないから現場での経験や知識がないのではと思う。 たぶん指示を出す人達は現場の人間に指示を出すが詳細な事まで知らないからそこまで指示を出せないのだと思う。作業員が被爆したと言う事実で 結果として現れてきたように思える。知識もある、現場での経験がある人達が出世することはエリート企業では考えられない。公務員のキャリアと同じで 学歴、人脈そして立ち振る舞いの上手な人間が出世していくと聞いている。現場の人間でも管理能力があると認められれば出世できる会社は小さい会社か、 成長著しい若い会社であろう。

福島第1原発:長靴はかず足ぬれ 安全管理に問題か 03/24/11 22時43分 (毎日新聞)

 東日本大震災で被災し、深刻な事態が続いている東京電力福島第1原発3号機で24日、復旧作業にあたっていた男性作業員3人が、高い放射線量の被ばくをしていた可能性があることが判明した。ベータ線による熱傷の疑いがあるという。場所は、原子炉建屋の隣に建つ発電用のタービン建屋。通常は原子炉建屋に比べて、放射線量の低い場所だ。3号機では原子炉建屋の水素爆発など、トラブルが相次いでいる。作業の手順に問題はなかったか。なぜタービン建屋で高い放射線による被ばくが起きたのか。復旧はさらに難航しそうだ。【下桐実雅子、八田浩輔、永山悦子、河内敏康】

 原発では、原子炉内で熱した湯から発生する蒸気を使い、隣のタービン建屋に設置された大きな羽根車を回転させて発電する。タービン建屋には、放射性物質を含む蒸気や、蒸気が冷えてできた水が入る復水器があるが、通常は厳重に密閉され、高い放射線量は検出されることはない。一方、福島第1原発では2号機のタービン建屋でも、毎時500ミリシーベルトに該当する強い放射線が確認されるなど、タービン建屋の汚染が問題になっていた。

 東京電力によると、作業員は丈の短い靴で水に入り、足がぬれたという。住田健二・大阪大名誉教授(原子炉工学)は「放射線を含む可能性がある水の近くで作業をするなら、防水の長靴をはくなど、防護対策をとるのが常識だ。作業の管理に問題がなかったのか疑問が残る」と指摘する。

 福島第1原発では、水素爆発などが相次ぎ、作業現場の放射線量が高くなっている。従来、原発で働く作業員の被ばく線量の限度は年間50ミリシーベルトで、緊急作業時は100ミリシーベルトだった。厚生労働省は、この事故に対応する特例として、限度を250ミリシーベルトに引き上げた。被ばくした作業員は、放射線を遮蔽(しゃへい)する防護服を着ていたというが、高い放射線量を浴びた。

 一度に100ミリシーベルト以上被ばくすると、がんになる確率がやや高くなるとされている。

 中川恵一・東京大付属病院准教授(放射線医学)は「発がんの危険性が上がるレベルの被ばくだ。作業員の安全管理を見直すべきだ」と話し、防護服の着用や、被ばく量を計測する線量計の使用法の徹底を求めた。

 3号機は、13日に燃料棒が溶ける炉心溶融が起きて大量の水素が発生、翌14日に原子炉建屋が爆発した。その後、屋根が吹き飛んで野ざらしになった使用済み核燃料プールの水の温度が上昇し、大量の水蒸気が立ち上った。

 このため、17日からプールを冷やす放水作業を開始。自衛隊のヘリコプター、自衛隊や東京消防庁などのポンプ車による放水が続いている。

 タービン建屋で起きた作業員の被ばくについて、沢田哲生・東京工業大助教(原子核工学)は「原子炉圧力容器からタービン建屋につながる主蒸気管がある。そこに何らかの損傷があったとすれば重大なトラブルで信じがたい」と話す。

 一方、小出裕章・京都大原子炉実験所助教は「今回の被ばくは、敷地全体が汚染されていることの表れだ。電源が回復し、一つ一つの機器を動かしていく段階だが、多くの作業員が大量の被ばくを覚悟しなければいけない。被ばく限度を引き上げても、すぐに限界に達する状態だ。次々と人が必要になるが、特殊技能を持った人員は確保できるのか。先行きが心配だ」と話す。

昔、下記に名前が挙がっているメーカーの面接を受けたことがあるが、入社しなくてよかった。もし派遣命令を受けたら、辞めるか行くしかないのだろう。 このような危険な役回りは、ある程度経験があって年齢的にも若い人達(たぶん30代から50代前半)だろう。この範囲に入っているじゃないか。 ただ思うのは初期の段階で業界も含め官民で最大限の力で対応できなかったのか??さらなる問題の後の対応だとさらに厳しくなるのはわかっていたことだろう。 テレビで解説している専門家達と一緒で、外野で言うのは簡単なこと。結果を出すのとは違う。また発言に対して責任を取る必要もない。 しかし、いつまで続くんだろう??外国人に原発事故に関して聞かれると、「問題は解決していないし、すぐには解決しないと思う。」と繰り返している。

福島第1原発:メーカーも技術者ら投入 事故収束に全力 03/24/11 21時46分 (毎日新聞)

 東日本大震災で被災した東京電力・福島第1原発に、原子炉メーカーが技術者や作業員を派遣し、業界を挙げて事故収束に躍起となっている。だが、原子炉冷却作業が長期化する中、24日には最前線で作業を請け負う「協力会社」の3人が被ばく。大量の放射性物質が漏れる環境下、防護服に身を包んだ難しい作業が続いている。

 福島第1原発では24日朝、東電や原子炉メーカーなどの従業員581人が作業に入った。通常運転時は4000~5000人いるが、事故後、ほとんど避難し、一時は東電社員と協力会社員ら57人まで減少。その後、原子炉や使用済み核燃料プールの冷却機能回復作業のため、協力会社が派遣人数を増やし、送電線の設置や電源復旧にあたっている。

 福島第1原発の主契約メーカーは、▽1号機が米GE▽2、6号機がGE・東芝連合▽3、5号機が東芝▽4号機が日立製作所。東芝は「技術力、責任感のある選抜チーム」(広報室)約100人を派遣、電源復旧や海水くみ上げポンプの設置を担当する。神奈川県の原子力事業拠点でも、約600人が24時間体制で情報収集や対処方法の立案にあたり、冷却ポンプ用モーターなどを現地に送った。

 日立は電気系統の技術者ら120人を派遣。原発拠点の日立工場(茨城県日立市)などで約900人が資材調達などにあたっている。原子炉圧力容器などを納めたIHIは、約30人が2号機の注水作業を手助けした。

 各社とも原発の安全性を訴えてきただけに、24日の被ばく事故後も「安全に留意しながら作業を続けたい」と強調する。だが、原発内では下請け会社の従業員も多く作業しており、被ばくの報に家族の心労は募る一方だ。

 また、電力各社も福島原発事故を「できる限り支援する」(関西電力の八木誠社長)ため、被災地に計約1400人を派遣。送電網の復旧や、原発周辺の放射線量測定などに取り組んでいる。国民の原発不信が高まる中、「今は福島の冷却と被災地支援しか考えられない」(大手電力幹部)状況という。【弘田恭子、青木勝彦】

北西25キロに高放射線量地域 米エネルギー省発表 03/23/11 12:57 (産経新聞)

 米エネルギー省は22日、福島第1原発事故で放出された放射性物質により、放射線量が高い帯状の地域が北西方向に約25キロ広がっているとの観測結果を発表した。

 日本に派遣された同省の観測チームは、地上から1メートルの範囲の放射線量を計測できる装置を航空機に取り付け、17日から19日にかけて原発から半径約45キロ以内の状況を調べた。

 その結果、北西方向に約25キロにわたり、1時間当たり125マイクロシーベルト以上の地域が広がっていた。この線量は、8時間で一般人の年間被曝(ひばく)線量限度千マイクロシーベルトになる高い数値。毎時300マイクロシーベルトを超えた地域はなかったという。

 エネルギー省は約8トンの資材とともに33人の専門家を日本に派遣。日本政府と協力して事故対策に当たっている。(共同)

報告が遅くないか??まあ、正確な情報はないと仮定して安全サイドを考えていればよいだけだが、多くの人達が 同じように考えれば正確な情報を提供したほうが混乱がないと思う。

2号機の建屋内で500ミリシーベルト 復旧作業が一部で中断 03/23/11 11:57 (産経新聞)

 経済産業省原子力安全・保安院は23日午前、東日本大震災で被災した東京電力福島第1原子力発電所の2号機の建屋内の放射線量が1時間あたり500ミリシーベルトに達していたことを明らかにした。身体に影響を与える水準で、東京電力による2号機での復旧作業が一部で中断している。

 500ミリシーベルトは数日前に、2号機の発電用タービンがある建屋内で記録された。作業員が格納容器とつながっている圧力抑制室に水を出し入れするポンプの状況を確認しようとしたところ、放射線量が高いために作業できなかった。その後、このポンプ付近での放射線量の測定は行われていない。

 枝野幸男官房長官は15日に3号機周辺で1時間あたり400ミリシーベルトが記録された際、「身体に影響を及ぼす可能性がある数値」と説明し、同原発の半径20~30キロメートル圏内に屋内待避が指示された。500ミリシーベルトはこれを超える数値で、同日に2号機の圧力抑制室付近で爆発があり、破損したとみられることが影響している可能性がある。

 一方、東電は1号機で原子炉内の温度が400度まで上がったことから、23日未明から、これまで海水を注入していた配管に加え、別の配管からも炉心への海水注入を始めた。3号機では同日、格納容器に水を出し入れするポンプを復旧させる作業を進めるとともに、午後には東京消防庁ハイパーレスキュー隊による使用済み核燃料プールへの放水も予定されている。

放射性物質、アイスランドで微量観測 原発絡みか 欧州で初 03/23/11 09:13 (産経新聞)

 アイスランド当局は22日、首都レイキャビクの観測施設で、福島第1原発から放出されたとみられる微量の放射性物質を観測したと発表した。欧米メディアによると、同原発のものとみられる放射性物質が欧州で検出されたのは初めて。人体への影響はないという。

 大気中の放射性物質を観測する包括的核実験禁止条約(CTBT)機構準備委員会(本部ウィーン)がレイキャビクで運営している施設で検出された。

 米当局は18日、西部カリフォルニア州にある同委員会の施設で微量の放射性物質を観測したと発表、欧州の他の地域でも近く観測されるとみられる。

 同委員会は18日、福島から放射性物質が拡散した場合に備え、核実験の探知目的で世界各地に設けた観測施設のデータを国際原子力機関(IAEA、ウィーン)に提供し始めたと発表。放射性物質の観測地点は世界に約60カ所ある。(共同)

東日本大震災:福島第1原発事故 班目・安全委委員長「原子力規制行政、見直しを」 03/23/11 (毎日新聞 東京朝刊)

 ◇「福島の事故、個人的に謝罪」

 原子力安全委員会の班目(まだらめ)春樹委員長は22日の参院予算委員会で、東日本大震災に伴う福島第1原発の事故について「(耐震設計が)想定を超えたものだった。世界的な見直しがなされなければならない」と指摘し、「今後の原子力安全規制行政を抜本的に見直さなければならない」と述べ、従来の原子力安全規制を大幅に見直す考えを明らかにした。事故については「個人的には謝罪する気持ちはある」と述べた。

 社民党の福島瑞穂党首が、班目氏が07年2月の中部電力浜岡原発運転差し止め訴訟で、複数の非常用発電機が起動しない可能性を問われ「そのような事態は想定しない」と発言したことを追及したのに対し、班目氏は「割り切らなければ(原発の)設計ができないことは事実。割り切り方が正しくなかったことも、十分反省している」と述べた。

 班目氏が東日本大震災発生直後の12日未明、菅直人首相に「水素が発生する可能性がありますが、大丈夫です」と説明したことについては「(説明で)首相の判断が甘くなったことはないと理解している」と説明した。

 原子力安全委員会は国の安全規制について基本方針を決定し、関係省庁や東電など事業者を指導する強い権限を持つ独立機関。班目氏は原子力工学などが専門の元東大大学院教授で、10年4月から現職。【中山裕司】

朝日テレビ(CS)で東芝で放射能を閉じこめる原子炉格納容器の耐性研究グループ長だった後藤政志さんの話を聞いた。感動した。 政府や大企業に楯突くと良いことなどない。テレビで安全だとか言っている教授達の話を聞いていると疑問を感じる。自分の理解できる範囲で 判断しても肩書きだけりっぱだが国民をばかにしているとしか判断できない発言が多い。良心があるのだろうか、人によっては控えめに言っている。

元東芝原子力設計技術者に聞く大震災原発事故 (YouTube)

2011/03/23 院内集会 後藤氏レクチャー (原子炉格納容器設計士:後藤政志氏の視点。) (USTREAM)

後藤政志(東芝・原子炉納容器設計者)の外国特派員協会記者会見 (あらゆる情報を分析するM総研)

「会社はコスト優先」 原発の元技術者ら ネットで自己批判 03/23/11 06:55 (北海道新聞)

 東京電力福島原発を造った大手重電の元技術者たちが事故発生以来、インターネット放送などで自己批判と原発政策の告発を続けている。

 「もっと声を大にして言い続けるべきだった」。東芝で放射能を閉じこめる原子炉格納容器の耐性研究グループ長だった後藤政志さん(61)は話す。1979年の米国スリーマイル原発事故などで、格納容器内が異常に高圧になるとわかり、放射能物質ごと大気に放出する弁を付ける事になった。

 「フランスは、内圧が上がりにくく、放射能物質が漏れにくい巨大なフィルター付き格納容器を造った。われわれも必要、と議論したが、会社は不採用。コストだなと思った」と後藤さんは言う。

 「高台に建てたり、防水構造にしたりしていれば。想像力が足りなかった」。60年代、国内に技術がなく、津波を想定しない米国の設計図をコピーして第1原発を設計した元東芝社員小倉志郎さん(69)は悔やむ。

 4号機の設計にかかわった元日立グループ社員で科学ライターの田中三彦さんは今回「政府や公共放送が危機を正しく国民に伝えていない」と感じている。「格納容器内が8気圧になった時、普通は4気圧などと流していた。普通は約1気圧で、4気圧とは事故に備えた設計値だ。8気圧なら異常事態なのに、パニックにしないという配慮が多すぎる」

 3人はこれまでも匿名、あるいは著作、集会などで原発の危険性を訴えてきた。だが国や企業から返ってきたのは「冷笑だった」(後藤さん)。

 東京のNPO環境エネルギー政策研究所顧問竹村英明さん(59)は「日本には許認可権を持つ経産省、学者、電力会社などで作る原発ムラがある」という。竹村さんによると、ムラは強力で、疑問や批判を口にする技術者を村八分にする。3人がそうだったという。放送は、動画中継サイト「ユーストリーム」や「ユーチューブ」などで見られる。

原発事故周辺住民への損害賠償、国も負担へ 03/23/11 03時03分 (読売新聞)

 政府は22日、東京電力の原子力発電所の事故で被害を受けた周辺住民らへの損害賠償について、国も負担する方向で検討に入った。

 原発事故の際の賠償責任などを定めた原子力損害賠償法に基づき、国が1200億~2400億円を負担するほか、残りも、東電の支払い能力を上回る部分は国が支援を行う方向で被害額の算定作業に入る。

 同法は、原発事故の損害について原則、電力事業者がすべて賠償すると定めている。ただ、地震や津波などの災害が理由の場合は、国が原発1か所あたり1200億円までを負担する決まりだ。政府は、福島第一原発の事故がこれに該当すると判断している。同様に周辺への避難指示が出た福島第二原発も含めれば2400億円となる。

 同法には「社会的動乱、異常に巨大な天災地変の場合」にはすべてを国が補償するとの例外規定もある。しかし、政府は、今回の事故の原因が「社会的動乱」や「異常に巨大な天災地変」にはあたらないとして、東電も責任は免れないと判断している。高木文部科学相は22日の参院予算委員会で「一義的には東京電力に責任を持っていただく。その上で、被害者救済を最優先に国も必要な対応をしなくてはいけない」と説明した。

 賠償は、営業できなくなった企業や農産物が出荷できない農家が対象となる見込みで、支払いの範囲によっては総額が数兆円になるとの見方もある。東電の支払い能力を超えた場合に、国がどのように賠償を支援するかが焦点となりそうだ。一方、与党内には国がすべて負担する例外規定を適用すべきだとの声もある。

 1999年9月に茨城県東海村の核燃料加工会社「ジェー・シー・オー(JCO)」で起きた臨界事故では、住民の健康被害や検査・避難の費用、出荷できなくなった農産物の補償などにJCOが約150億円を支払った。JCOの事故は、避難の対象が半径350メートル圏内で期間も3日間だった。

「班目氏は2007年2月の中部電力浜岡原発(静岡県御前崎市)運転差し止め訴訟の静岡地裁での証人尋問で、非常用発電機や制御棒など重要機器が複数同時に機能喪失することまで想定していない理由を問われ、『割り切った考え。すべてを考慮すると設計ができなくなる』 と述べていた。」「班目氏は『割り切り方が正しくなかったということも十分反省している。原子力安全委員会は原子力安全、規制行政に意見を言う所だが、抜本的な見直しがなされなければならないと感じている』と語った。」 政府の原子力安全委員会の班目(まだらめ)春樹委員長 は責任を取らないのか?? 割り切った考えで設計された他の原発は危険だから止めて改修を行うのか??

日本を破滅に追い込む3バカ

でたらめ原発推進の擁護者班目(まだらめ)氏か?「虹亜の独り言 」より

まだらめ先生、申し訳ありません「平和と徒然のちゃんぷるーブログ」より

班目春樹氏は委員長として不適格 交代をもとめる「原子力資料情報室 」より

無責任列島日本★<班目(まだらめ)春樹>委員長らは「非常に厳しい条件を想定した。<ただちに>対策を取る<必要はない>」★『<直ちに>危険という訳<ではない>』 を流行語にしては危険だ!「ナザレのイエス御自身の信仰の形成過程と見えたもの 」より

原発設計「想定悪かった」原子力安全委員長 03/22/11 20時26分 (読売新聞)

 政府の原子力安全委員会の班目(まだらめ)春樹委員長は22日の参院予算委員会で、東日本巨大地震による東京電力福島第一原子力発電所の事故に関し、「(原発設計の)想定が悪かった。想定について世界的に見直しがなされなければならない。原子力を推進してきた者の一人として、個人的には謝罪する気持ちはある」と述べ、陳謝した。

 社民党の福島瑞穂氏の質問に答えた。

 班目氏は2007年2月の中部電力浜岡原発(静岡県御前崎市)運転差し止め訴訟の静岡地裁での証人尋問で、非常用発電機や制御棒など重要機器が複数同時に機能喪失することまで想定していない理由を問われ、「割り切った考え。すべてを考慮すると設計ができなくなる」と述べていた。福島氏はこの証言を取り上げ、「割り切った結果が今回の事故につながった」として謝罪を求めた。

 班目氏は「割り切り方が正しくなかったということも十分反省している。原子力安全委員会は原子力安全、規制行政に意見を言う所だが、抜本的な見直しがなされなければならないと感じている」と語った。

 これに関連し、菅首相は22日、首相官邸に班目氏や経済産業省原子力安全・保安院の寺坂信昭院長ら関係機関のトップを呼び、連携を密にするよう指示した。

 班目氏は首相と会談後、記者団に「(首相から)もっと連携を良くしろ、と怒られた」と語った。首相周辺は「事故対応の役割分担についてすり合わせをした」としている。

原発安全基準、権限なきIAEA 核の番人、限界露呈 03/22/11 09:05 (産経新聞)

 【ロンドン=木村正人】東日本大震災による福島第1原発事故で、国際原子力機関(IAEA)は21日、ウィーンの本部で緊急理事会を開き、天野之弥(ゆきや)事務局長が事故状況を報告した。

 天野氏は冒頭、事故について「非常に深刻な状況が続いているが、日本が危機を乗り越えることを確信している」と説明した。天野氏は2日間の日程で訪日し菅直人首相らと会談、詳細な情報をIAEAに提供するよう要請した。

 原発1号機の建屋が爆発した12日、IAEAが第一報をウェブサイトに掲載したのは爆発の6時間後。また天野氏が初めて記者会見したのは14日だった。しかもIAEAの発表が常に日本の報道より数時間遅れ、「核燃料が溶融している兆候はない」と事故の初期評価も誤ったため、欧米メディアの集中砲火を浴びた。

 IAEAはイランの核開発に目を光らせるなど“核の番人”としての役割を強調してきた。核兵器開発では査察が認められているが、原発については安全基準を加盟国に義務づけられず、事故の速報も広報資料を作成し当事国の承認を得て発表している。「核の番人というより加盟国の仲介者だ」との指摘もある。

 旧ソ連・チェルノブイリ原発周辺で放射能を浄化したことがあるロシア人専門家は、「IAEAは原発事故という危機に対応する能力も、チームもない」と指摘している。

「今回のような事故を想定して開発されたシステムだが、『生データを公表すれば誤解を招く』として明らかにされていない。」つまり、 データーを公表すれば困るような数値であると推測して間違いないだろう。これで「安全」、「直ちに健康に影響を与えない」と言われても 信用しろと言うほうがおかしい。

放射性物質の拡散予測公表せず、批判の声 03/23/11 01時52分 (読売新聞)

 福島第一原発の事故で、文部科学省が行った放射性物質の拡散予測の結果が公表されていないことに、専門家から批判が上がっている。

 今回のような事故を想定して開発されたシステムだが、「生データを公表すれば誤解を招く」として明らかにされていない。

 このシステムは「SPEEDI(スピーディ)」と呼ばれ、炉心溶融に至った1979年の米スリーマイル島の原発事故を踏まえ、開発が始まった。現在も改良が進められ、2010年度予算には7億8000万円が計上された。

 コンピューターで原発周辺の地形を再現し、事故時の気象条件なども考慮して、精密に放射性物質の拡散を予測する。今回の事故でも、原発内の放射性物質が広範囲に放出された場合を計算。政府が避難指示の範囲を半径20キロ・メートルに決める時の判断材料の一つとなった。

 住田健二・大阪大学名誉教授は「拡散予測の結果を含め、専門家が広く議論し、国民が納得できる対策をとれるよう、情報を公開すべきだ」と批判する。

福島第1原発:海から放射性ヨウ素 限度の126.7倍 03/22/11 (毎日新聞)

 東京電力は22日、福島第1原発近くの海水を分析した結果、水中濃度限度の126.7倍にあたる放射性ヨウ素と、24.8倍にあたる放射性セシウムを検出したと発表した。海水の採取時間は21日午後2時半で、同原発の放水口付近。空気中の放射性物質が雨で海に流れ込んだり、放水作業により地中にしみ込んだ放射性物質が海に流れ出た可能性があるという。

結局、これが日本政府や役人の真の姿!政府からの情報を信用するのもよいが、信用する判断を下した個人にも自己責任がある。 以前、アメリカ人に「アドバイスを聞くかあなた次第。結果までは責任を持てない。」と言われたことがある。誰を信用するのか、 どの情報を信用するのか全て自己責任なのかと思った事を強く覚えている。多くの大使館が大阪に退避してきているのも自己責任による判断。 十分な補償を約束してくれないのなら、自己責任で判断するほうが賢明だと思う。日頃から判断する能力を身に付けておかないと簡単には 賢明な判断は出来ないと思うけど!

国、住民の被曝予測公表せず 研究者らが批判 03/21/11 23時45分(毎日新聞)

 住民の被曝(ひばく)量や放射性物質が降る範囲の予測を国が公表していないため、研究者らから批判が出ている。文部科学省が委託した機関が1時間ごとに計算し原子力安全委員会に報告しているが、国は「データが粗く、十分な予測でないため」と説明している。

 予測システムはSPEEDI(緊急時迅速放射能影響予測)と呼ばれる。原子力安全技術センター(東京)が、原発の位置、放射性物質の種類や量、放出される高さ、地形などを元に、最新の風向きや風速のデータを加えて計算。日本全域を250メートル四方に区切り、それぞれの場所にすむ人が吸入などで被曝する量を予測する。

 同センターによると、11日の地震発生約2時間後から、東京電力・福島第一原発について計算を始めた。放射性のヨウ素や希ガスについて、放出量の見積もりを何段階かに変化させて計算。1時間ごとに2時間後までの被曝予測データを、原子力安全委員会に報告しているという。

 原子力安全委員会事務局は「放射性物質の種類や量、放出時間などの推定が粗いので、避難などの判断材料としては使っていない。その状況なので軽々しく公表できない」と説明している。

 一方、長瀧重信・長崎大名誉教授(被曝医療)は「条件がそろわないと予測できないというのはおかしい。国は持っているデータをすべて公開することが大事だ。根拠をもとに住民と相談して、対応を決めるのが原則ではないか」と話している。

 福島第一原発から出た放射性物質の拡散予測について、米原子力規制委員会(NRC)は「あくまで推定で、実際とは異なるかもしれない」と注釈つきで公表。米国はこれらを参考に原発から半径80キロメートル以内にいる米国人に避難を勧告した。また、フランスやオーストリアの研究所なども拡散する様子の動画をホームページなどで公開している。(木村俊介)

政府の対応の仕方、最悪だね!政治家が本気を出せば公務員が動くのであれば、専業主婦の国民年金切り替え忘れ問題で救済策を定めた課長通達 を出させたのは厚労相の責任だな!

都知事、消防隊への圧力に抗議=原発放水「速やかにしないと処分」-海江田氏発言か 03/21/11 19:37 (時事ドットコム)

 東京都の石原慎太郎知事は21日午後、首相官邸で菅直人首相と会い、福島第1原発での放水作業をめぐり、政府関係者から東京消防庁ハイパーレスキュー隊幹部に対して「速やかにやらなければ処分する」との圧力的発言があったとして、抗議した。石原氏によると、首相は「陳謝します。大変申し訳ない」と述べた。都関係者は、発言は海江田万里経済産業相からあったとしている。

 石原氏は会談後、記者団に「現場の事情を無視して、(放水作業を)速やかにやれ(と指示があった)。やらなければ処分する、ということを上から言ってはいけない」と強調。さらに、「担当大臣か何か知らないが、恐らく上から来るのだろう。そんなばかなことを言ったら戦が戦にならない。絶対言わせないでください」と首相に申し入れたことを明らかにした。

 また、同隊が使用した放水車の連続放水能力は4時間が限度だったが、政府側の指示で7時間連続で放水したため、石原氏は「完全に壊れた」と説明した。

 一方、枝野幸男官房長官は同日午後の記者会見で「これから調査する」と述べるにとどめた。(

福島県飯舘村に早朝から給水車派遣 水道水から放射性物質を検出受け 03/21/11 03:08 (産経新聞)

 21日未明、福島県飯舘村の簡易水道から基準値の3倍を超える放射性物質が検出されたことを受け、福島県は同日、飯舘村に対して、簡易水道を利用する住民に飲用を控えるよう求めた。

 洗濯や食器洗いなど生活用水としては、続けて利用できるとしている。同村は人口約6000人。村外への避難者を除くと、現在は約4000人が残って生活しているとみられる。

 2本ある飯舘村の簡易水道のうち、飯舘村簡易水道事業の滝下浄水場から検出されたのは、放射性ヨウ素で1キロあたり965ベクレル(原子力安全委員会の摂取制限基準は同300ベクレル)。

 県災害対策本部は21日早朝から、給水車とペットボトル(10トン)を運ぶ予定で、「朝食の準備に支障がないようにしたい」としている。

 今後は村内でモニタリングを継続し、飲用禁止の継続や解除を検討していく。

 飯舘村は、事故があった東京電力福島第1原子力発電所から北西に約30~40キロと離れているが、風向きの関係で、大気中の放射線量は、原発周辺を除く県内で最も高い毎時20マイクロシーベルト台となっている。

福島第1原発:英雄でも何でもない…交代で懸命の復旧作業 03/21/11 (毎日新聞)

 東日本大震災で被災した東京電力福島第1原発では東電だけでなく原子炉メーカーや下請け企業の作業員らも懸命に復旧作業を続けている。水素爆発や構内火災で一時は約50人にまで減った作業員を、一部の海外メディアには「フクシマ・フィフティーズ」と英雄視した報道もあるが、実際は多くの作業員が交代で危機回避に取り組んでいる。近く現場に入るという下請け会社の30代の男性社員が毎日新聞の取材に応じ「不安はあるが、少しでも(事態の)沈静化に協力したい」と話した。【袴田貴行、日下部聡】

 東電によると、原子炉建屋内は20日午前も照明が消えたまま。安全性を考慮して放水時は放水だけ、電気工事の際にはその作業だけを行い、19日現在の従事者は約500人。一方、3号機周辺の放射線量は19日午後2時の3443マイクロシーベルトが、放水後の20日午前3時40分に2758マイクロシーベルトに下がったものの依然高い。20日午前5時現在、以前の制限値だった100ミリシーベルト以上の放射線を受けた作業員は7人。このため東電は交代要員集めを進めている。

 取材に応じた下請け会社の30代男性社員は「東電から元請けに話がきて、そこから1次、2次と下請けに要請があった。私も準備が整い次第向かう」という。海外メディアなどの注目については「残っている人がずっと放射線を浴びながら作業していると思われるかもしれないが、実際は法にのっとった管理で人を入れ替えながら作業を進めているので、英雄でも何でもないと思います」と冷静だ。

 一方で「不安は当然ありますね。それだけ高い放射線の中でやっているし、現場もどうなるか分からないですから。また爆発が起こるかもしれないし、放射線量が上がるかもしれない。断る選択肢もありますよね。家族からそういうこと言われますけど。すごく難しい判断で、みんな考えていると思います」。

 ◇「今後も原発で働きたいから」

 それでも現場行きを決めたのは「原発の仕事をしてきた職業人としてのプライドより、沈静化した後のこと」だという。「これからもこの仕事で食べていきたいという気持ち。断ったら後々の立場が悪くなるというか。今の会社で、またこういう仕事を続けていきたい気持ちなんで、少しでも協力し、会社の指示にできることは従って(やっていきたい)」と淡々と話した。

 現在、現場で作業に携わっているのは東電と子会社の東電工業、原子炉メーカーの東芝、日立のほか、鹿島、関電工やそれらの関係会社など。電源復旧では送電で4社、変電で5社、配電で3社という。地震発生直後に約800人いた作業員は15日の4号機の爆発による退避で一時約50人まで減ったとされるが、それ以降は300~500人で推移。18日に米軍に借りた高圧放水車で3号機に放水したのも、東電工業の社員2人だった。

 現在の急務は原子炉冷却に不可欠な電源の復旧作業だが、東電によると、実際に作業できるのは技術を持つ70人程度。しかも高レベルの放射線を長時間浴びるのを避けるため、20人くらいずつ順番に作業せざるを得ない。「真っ暗な中、投光器や懐中電灯を使いながら、防護服と顔を全部覆うマスク、ゴム手袋での作業になる。大変時間がかかり苦労している」(東電の担当者)

 作業員の「命綱」となっているのが、原発の敷地中央付近にある免震重要棟だ。07年の中越沖地震で柏崎刈羽原発の事務本館が被災したことを教訓に昨年7月完成した。2階建てで延べ床面積約3700平方メートル。震度7に耐えられる免震構造で、内部には災害時のための「緊急時対策室」が設置されている。

 1~4号機の中央制御室は放射線レベルが高すぎて誰もいない状態。普段は緊急時対策室にいる作業員が、定期的に交代で制御室に行き、監視や操作をしている。作業に出る時はやはり防護服を着て現場へ向かい、作業を終えると免震重要棟に入る前に脱ぎ捨てる。大量の防護服が必要とされている。

テレビで安全とか、専門家が食べても安全だとか言っているが、厚生労働省が職員が利用する食堂で暫定規制値を超える放射性ヨウ素やセシウムが検出された 野菜や牛乳が安全なので買い取って消費すると宣言すればよい。そして国会議員が利用する食堂でも同じように消費すればよい。まず安全とか言う前に 自分達が1年間消費する宣言を行うべきだ。

農産物の規制値超す放射性物質検出、5県に拡大 (1/2ページ) (2/2ページ) 03/21/11 (朝日新聞)

 栃木、群馬両県は20日、それぞれの県内産ホウレンソウなどの野菜から、食品衛生法の暫定規制値を超える放射性ヨウ素やセシウムが検出されたと発表した。千葉県産シュンギクのヨウ素も規制値を超えた。規制値を超えた農産物は福島、茨城に加え5県に拡大した。東京電力福島第一原発の事故の影響とみられる。

 福島など3県と千葉のシュンギクが見つかった東京都は一部農産物の出荷自粛などを生産者らに要請。ホウレンソウの供給不足が懸念されるため、農林水産省は20日、全国農業協同組合連合会に、規定の大きさや形に達していない作物の出荷などを要請した。

 政府は一定地域の食品の摂取制限や出荷停止が必要かどうか21日に結論を出す方針。

 枝野幸男官房長官は20日の記者会見で、「ただちに健康に影響を及ぼすとは考えられない」と強調した。厚生労働省は健康への影響評価を食品安全委員会に諮問した。

 栃木ではホウレンソウから規制値を超えるヨウ素とセシウムが検出された。かき菜からは規制値と同じ値のヨウ素が出た。県はJAにホウレンソウとかき菜の出荷自粛と出荷分の自主回収を要請した。牛乳からは放射性物質は検出されなかった。群馬でもホウレンソウから規制値を超えるヨウ素、かき菜からセシウムが検出され、出荷自粛をJAに要請した。

 規制を超えるヨウ素が検出された千葉県旭市産のシュンギクは、東京都が都内に流通している農産物を調べて見つかった。都は同時に出荷されたシュンギク90キロを販売禁止とし、千葉県などに旭市産農畜産物の出荷自粛を求める。

 福島では新たに4カ所の農場の牛乳が規制値を超え、ヨウ素の値は最高17倍を記録した。県は市場に出回っていないとしており、安全性が確認されるまで県内全ての牛乳の出荷自粛を酪農家に要請。ホウレンソウは検査ミスで改めて調べるが、21日から念のため県内全域の露地野菜の出荷自粛をJAなどに求めた。

 茨城ではハウス栽培を含むホウレンソウから規制値を超えるヨウ素(最高27倍)やセシウム(同4倍)が検出された。一方、トマト、イチゴ、キュウリ、ニラ、水菜、チンゲンサイ、レンコン、キャベツ、ネギ、ピーマン、レタスは規制値を下回った。

 新潟県は県内に流通する農産物を調べたが、規制値を下回った。

国が県単位で出荷停止指示 基準超える放射性物質検出 03/21/11 (47NEWS)

 政府は20日、農産物から食品衛生法の暫定基準値を超える放射性物質が検出された場合、その農産物が生産された都道府県全域を対象として、いったん出荷を停止するよう国が指示する方向で調整に入った。

 福島第1原発の事故で、農産物から相次いで暫定基準値を超える放射性物質が検出されている。現在は各県の判断で出荷を自粛しているが、今後は国の判断により基準値を超える農産物が出回るのを止め、消費者の不安解消を狙う。農家には出荷停止に伴う収入の減少分を補償する。

 21日に発表の予定で、茨城県のホウレンソウ、福島県の原乳などを出荷停止にする。その上で、基準値を下回っていることが確認された地域で生産された農産物については出荷停止を解除、産地名を明示して出荷することを認める。

 政府による出荷停止は、原子力災害対策特別措置法に基づく措置。食品衛生法では、出荷制限の対象は基準値を超える農産物を作った農家に限定され、地域単位で出荷を停止するかどうかは各都道府県の判断に委ねられている。都道府県によって対応にばらつきが出ないように、今回は首相が都道府県に指示する形とし、国の判断で出荷を止める。

 放射性物質の暫定基準値は、福島第1原発の事故を受け厚生労働省が設定し、17日に都道府県などに通知した。

今回の東京電力福島第一原子力発電所事故で避難した人々は原発のマイナスを実感した。原発がある地域は心配しても、しなくても 最悪の場合、似たような経験をすることを覚悟しなければならない。運が良ければ何も起こらない。そして福島県民も今までは そう思って生きてきたと思う。日本政府も実際にこのような状況を想定してこなかったからこそ、迅速な対応が出来なかった。 原発を廃炉すれば電力不足問題が生じる。東京周辺や東北の工場の再編が動き出している。何を優先させるのか、どのレベルまではリスクを 負うのかごまかしや隠蔽なして真剣に結論を出すための議論が必要だ。

福島第一原発全6基の廃炉、東電も「不可避」の見方 03/21/11 (朝日新聞)

 東京電力内で、福島第一原発の廃炉は避けられないとの見方が強まっている。東電関係者によると、建屋の爆発や炉心溶融が問題になっている1~4号機は、技術的に再稼働が難しい状態。損傷のない5、6号機についても「地元の住民感情を考えると再開は厳しく、6基とも廃炉にせざるを得ない」とみている。

 1~3号機は水素の発生状況から、炉内の核燃料棒の損傷が激しいと推測される。そのため、事故が収束した後も核燃料棒を取り出せない可能性が高いという。放射線量が高いため、処理には長期間を要し、「廃炉には10年近くかかるだろう」(東電の原子力関係者)としている。

判断ミスによる被害の拡大については税金でなく、原子力事業者による損害賠償についていくらか負担を負うべきだろう。

政府賠償1兆円超も 福島原発、被害者に 03/20/11 19:41 (産経新聞)

 政府は20日、東京電力福島第1原発の事故について、原子力事業者による損害賠償を定めた「原子力損害賠償法(原賠法)」の例外規定を初めて適用し、被害者の損害を国が賠償する方向で検討に入った。

 補償対象は、避難と屋内退避指示が出た住民約22万人のほか、営業に支障が出た企業や風評被害を受けた農家なども含まれ、政府内には国の賠償総額は1兆円を超えるとの見方が出ている。

 原賠法は原発や核燃料加工施設で起きた事故について、原子力事業者に賠償責任を課している。ただ「異常に巨大な天災地変または社会的動乱」による場合は例外として、政府が「必要な措置を講じる」と定めている。

 マグニチュード(M)9・0を記録した東日本大震災による揺れや津波は原発設計上の想定を超えており、文部科学省や財務省は例外規定を適用せざるを得ないとの判断に傾いた。

海水注入遅れたと米紙が指摘 03/20/11 17:56 (産経新聞)

 米紙ウォールストリート・ジャーナル(電子版)は19日、福島第1原発事故の状況に精通した複数の関係者の話として、東京電力が廃炉を懸念したため原子炉への海水注入が遅れたと報じた。

 同紙によると、東京電力は地震発生の翌日となる12日朝、原子炉を冷やすために海水を注入することを検討した。しかし、実際に1号機に注入したのは、爆発があった後の同日夜だった。他の原子炉への注入を開始したのは13日以降だった。

 事故対応に当たった複数の関係者によると、東電が海水注入をためらったのは長年の投資が無駄になることを心配したためだという。海水を入れることで、原子炉が再び使える可能性はほぼなくなる。

 東電の広報担当者は同紙に「施設全体の安全を考えて、海水を注入する適切なタイミングを見計らっていた」とコメントした。(共同)

「廃炉」検討も 元第1発電所長の東電常務が福島入り「痛恨の極み」(1/2ページ) (2/2ページ) 03/19/11 12:23 (産経新聞)

 いまだ収束できない東京電力福島第1原子力発電所の放射能漏れ。同社の小森明生常務は18日夜、福島県災害対策本部に訪れ、その場で報道陣に囲まれた。小森氏は福島県楢葉町に常駐するあいさつに来たのだが、その場で「準備なしの緊急会見」に。東電は企業統治(ガバナンス)の面でも、あまりにも未熟な体質が露呈。約50分間、厳しい質問が途切れず、県民に誠意ある回答ができず涙ぐむシーンもあった。(中川真、石崎慶一)

 小森常務は元福島第1発電所長。東電は福島県の浜通り地方では、地域経済や雇用の大きな受け皿で“名士”として持ち上げられてきた。それが一転、「福島に希望はあるか」「東電は今後も原発事業を継続するのか」…。想定問答集もなく、居並ぶカメラの前で「申しわけありません」「経営判断に及び、今即答できかねます」と答えるのが精いっぱい。涙ぐみながらの会見から、かつての所長の威厳はまったく感じられなかった。

 事故を起こした福島第1の廃炉の可能性について、小森常務は「幹部と議論したことはないが、今後はそういうことも含めて検討していく」と明言。廃炉を検討せざるを得ないとの認識を示した。小森常務は「このような事態を招き痛恨の極みです。福島県民におわびします」と同社として県民に初めて謝罪した。

 一方、長年、原発の耐震安全性を強調しながら、事故について「地震、津波があったとはいえ…」と公然と言い訳した。東電の“安全神話”を信じ、国の原子力政策に協力し、地域振興に夢を描いた地元の思いを踏みにじるなど、無神経な答弁も目立った。

 福島県民はいま、放射能汚染への不安と怒りの中にあるが、事態収束の見通しについては、「厳しい状況が続いている。あらゆる手だてを講じて、安全確保に努めたい」と述べるにとどまった。

 放射能汚染を避けるために避難所を転々としている周辺住民に対し、「誠に申し訳ない」と謝罪したが、補償については「国と相談して考えていく」。同席した別の幹部が「避難所数がわからない」と述べるなど無神経な発言も多かった。東電では、地元対応のため小森常務らが、連休明けに避難所を回るという。

 会見後、「へ理屈はいいから早く収束させてくれ」と肩を震わせながら立ち去る地元メディアの記者も。東電が計画から半世紀以上かけて、地元と築いた信頼関係を一気に吹き飛ばしたという極めて深刻な事実をあからさまにした。

 県民の反応も「社長謝罪の露払いか」(福島市の60代男性)と冷ややかで、東電にとっては、事故を収束できたとしても、その後長く続く苦難の地元対応の幕開けとなった。

なぜ第一に電源復旧を行わなかったのか??下記の問題は専門家でなくても理系の知識があれば推測できる。なのにこれまで 電源復旧すれば問題が解決できるみたいな事が新聞記事で書かれてきたのか??理解に苦しむ。テレビでは作業員はがんばっていると 強調するが、がんばっても結果を出せないと意味がない。東京電力の判断ミスが招いたこと。作業員が危険な状況でがんばっているのは わかるが、それと東京電力で判断した人間達の責任とは別問題。ある意味、東京電力の幹部達が作業員に対してより危険な状況を作り出したのだ。 結果は、東京電力の損失で終わらず、多くの福島県民や日本国民に影響を及ぼしている。テレビでは「ただちに健康被害を及ぼさない。」と グレーなことを言っているが、広島の原爆で生き残った人達で外傷を受けていなくても、20年後、30年後に放射能の影響による健康上の問題を 抱えている人達もいる。今だって原爆に関する後遺症に苦しむ人達と国で裁判が行われている。広島以外の人達は広島と長崎に原爆が落ちた 事実以外にいろいろな情報を聞くこともないし、興味を持つこともないかもしれない。

最終ステージに到達するまで一生懸命がんばりましたでは困る。

機器類正常に動くか?電源復旧への課題 03/19/11 09時15分 (読売新聞)

 東日本巨大地震で被災した東京電力福島第一原子力発電所で、電源を復旧させる懸命の作戦が続く。

 大きな津波に襲われて損傷し、水浸しになった機器や設備は正常に働くのか、慎重な点検が求められる。どのように送電工事は進み、復旧に向けて、乗り越えなければならない課題は何か。

 ▼強い放射線

 福島第一原発に外部から電源を供給する工事は急ピッチで進んだ。原子炉建屋付近では毎時10~20ミリ・シーベルト(17日午前11時時点)という強い放射線にさらされながら、懸命の作業が続く。東電はまず、津波の冠水を免れた2号機の電源を回復させた後、同じ電気系統にある1号機に供給し、系統の異なる3、4号機には別の送電線を敷く計画だ。

 電力供給で大切なのは電圧の調整。東北電力の高圧線の6万6000ボルトを、所内の変圧施設と、2号機の変圧器を介し、480ボルトまで下げる。

 第一原発がある地域は東北電の供給エリアで、もともと原発建設のため敷地内に作った東北電の高圧線が残っていた。高圧線がつながる変圧施設から2号機建屋までの直線距離は約400メートル。だが、周辺には爆発した原子炉建屋のがれきが散乱。通行可能な安全な道路に沿ってV字形に大きく迂回(うかい)して敷設せざるを得ない。送電線の総延長は1480メートルに及ぶ。

 1回の作業に従事できる人数は20人で、作業員総数は160人。工期短縮のため、鉄塔は建てず、地面にはわせる方法をとった。

 送電線は直径約14ミリのケーブル3本をより合わせたもので重量もある。そのため、車を使って引きずるようにして敷設している。1号機の北西に仮設の分電設備を備えた車を配置。1号機のタービン建屋内を通って、2号機タービン建屋内の変圧器まで達する送電線を敷設する計画だ。

 電源復活をめざす1、2号機は、地上から放水している3号機に隣接している。経済産業省原子力安全・保安院によると、3号機に触れて飛び散った水に放射性物質が混じり、敷設工事の作業員にかかる可能性もあり、放水と敷設の「同時進行はできない」という。作業は容易ではない。

 ▼浸水の影響

 通電に向けて克服しなければならない課題は少なくない。

 東電が16日午後、陸自ヘリから撮影した映像には、津波で流された船があおむけになって、原子炉建屋の脇に転がっている様子が映っている。このため、近畿大学原子力研究所の杉山亘講師は、1号機の建屋内に大量の海水が流れ込み、1階部分にあった電気系統が浸水してしまったとみる。

 この場合、水が引いたとしても塩分が付着しているため、通電したとたん、電気系統がショートを起こして新たな火災が発生しかねない。ポンプで排水し、電力系統を洗浄しなければならない。

 また、原発設計に詳しい石井正則・元石川島播磨重工業技監は「建屋内に水素がたまっていれば、水素爆発を避けるため、まずは排気系を動かす必要がある」と指摘する。放射能が高い現場での作業が困難を極めるのは必至だ。

 通電に成功しても、冷却する機器に故障があれば、原子炉から熱を奪えない。冷却水を貯蔵しているタンクが壊れていれば、新たな水源として、海水をポンプで引く必要がでてくるかもしれない。

 石井さんは「原子炉に水を注入するポンプや配管の電動弁がきちんと動くかどうか。海水の影響や長期間止まっていた影響があるかもしれない。作業員の被曝(ひばく)を避けるため、作業時間は限られる。電源確保の準備を進めながら、同時にポンプなどの点検を行う必要がある」と話している。

東京電力福島第一原子力発電所事故がどのような形で終わるのかわからない。しかし終わった後に、日本政府は東京電力の処分を行うべきだ。 他の電力会社に管理を任せる決断も必要であろう。これほどの重大な事故の対応を誤った責任は非常に重い。 役員及び管理職の処分は行うべきだ。

また、日本政府は尖閣諸島の漁船衝突事件のように隠さずに、事実を国民に公表すべきである。福島県民だけでなく、国民は知る権利がある。

政府筋「東電が米支援は不要と」…判断遅れ批判 03/18/11 15時11分 (読売新聞)

 東京電力福島第一原子力発電所で起きた事故で、米政府が申し出た技術的な支援を日本政府が断った理由について、政府筋は18日、「当初は東電が『自分のところで出来る』と言っていた」と述べ、東電側が諸外国の協力は不要と判断していたことを明らかにした。

 政府関係者によると、米政府は11日の東日本巨大地震発生直後、米軍のヘリを提供することなどを申し入れたという。政府は、各国からの支援申し出は被災地での具体的な支援内容を調整したうえで受け入れており、「(断ったのではなく)いったん留め置いた」と釈明する声も出ている。

 枝野官房長官は18日午前の記者会見で「政府、首相官邸としてそうした事実は全く認識していない」と否定する一方、米政府からの原子炉冷却材提供の申し入れなどについて「詳細は把握していない。確認してみたい」と述べ、事実関係を調査する考えを示した。

 政府・与党内では、政府の初動対応について、「米側は早々に原子炉の廃炉はやむを得ないと判断し、日本に支援を申し入れたのだろう。最終的には廃炉覚悟で海水を注入したのに、菅首相が米国の支援を受け入れる決断をしなかったために対応が数日遅れた」(民主党幹部)と批判する声が出ている。

 高木文部科学相は18日午前の閣議後の記者会見で「事実関係は把握していない。しかし、姿勢としてはあらゆることを受け入れるのは当然だ。内外の声をしっかり聞くことは非常に重要だ」と語った。

 一方、自衛隊が17日午前に行った大型輸送ヘリによる海水投下の背景には、米側の強い要請があったことも新たに分かった。

 日米関係筋によると、自衛隊の大型輸送ヘリによる海水投下に先立ち、今回の事故を「最大級の危機」ととらえる米側は、「まず日本側がやるべきことをやるべきだ」などとして、再三にわたり日本側の行動を強く要請していた。17日午前に予定されていた菅首相とオバマ米大統領の電話会談でも、大統領からの要請があると予想されたため、首相は防衛省・自衛隊に会談前の海水投下実施を求めたという。

 日本政府への懸念や不満は、米国以外からも出ている。

 今回の事故に関する情報収集や日本政府との意思疎通のため、急きょ来日した国際原子力機関(IAEA)の天野之弥事務局長は、「(日本政府は)情報伝達を質量ともに改善して欲しい。改善の余地はある」と述べており、18日午後に行われる松本外相との会談などでも、こうした問題が取り上げられる可能性がある。

福島原発:東電全面退去打診 首相が拒否…水素爆発2日後 03/18/11 2時33分 (毎日新聞)

 東京電力福島第1原発の高濃度放射能漏れ・爆発事故で、東電側が14日夜、同原発の職員全員を退去させる方針を政府に打診していたことが分かった。現地での作業継続は困難と判断したとみられ、自衛隊と米軍にその後の対応を委ねる構えだったという。菅直人首相は打診を拒否し、東電側も一部職員を残すことになったが、東電はその時点で高濃度の放射線被ばくが避けられない原子力災害に発展する可能性を認識していたことになる。

 複数の政府関係者によると、東電側が14日夜、「全員退去したい」との意向を枝野幸男官房長官と海江田万里経済産業相にそれぞれ電話で申し入れた。両氏は認めず、首相に報告した。首相は15日午前4時過ぎ、清水正孝・東電社長を官邸に呼び、「撤退はあり得ない。合同で対策本部をつくる」と通告。その後、東京・内幸町の東電本店を訪れ、「東電がつぶれるということではなく、日本がどうなるかという問題だ」と迫ったという。

 政府当局者は14日夜の東電側の打診について「全員を撤退させたいということだった」と明言した。

 一方、東電側も首相への不満がくすぶる。東電によると、同原発では協力会社と合わせ計4000~5000人が働いているが、現在、現地に残っているのは約300人。発電所の制御や復旧などの作業にあたっている。

 東電関係者によると、15日早朝に首相が東電本店を訪れた際、事故対応に追われる社員が会議室に集まったが、首相は「こんなに大勢が同じ場所にいて危機管理ができるのか」と非難した。東電関係者は「『撤退は許さない』というのは『被ばくして死ぬまでやれ』と言っているようなもの」と漏らした。

 東電幹部の話 (必要最低限の作業員を残し、あとは退去する)部分的な撤退を検討したのは事実だが、全員撤退を検討した事実は絶対にない。

【三沢耕平、小山由宇】

腑抜けな自衛隊は危険だからと逃げ帰った。問題の解決になるのか??この事実で多くの外国は自衛隊が本物の兵器をもった お飾りである事と思っただろう。福島第1原発の問題を健康に被害はないと逃げている対応能力に欠けている日本政府。 最悪の場合を考えれば、対応が出来た時に全力で取り組むべきだった。今は危険で対応できないだと!危険になる前に 自衛隊や機動隊を使って早期解決の決断をするべきだった!こんな対応しか出来ないから外国にばかにされるのだ。 状況がどんどん悪くなっているのに現場の作業員の数は減らされた!少ない作業員でがんばる!すばらしいことだ。 だけと結果を出す事を考えれば減らすことはありえないだろう。経験がない従業員を非難させた。ありえることだが、支援する 作業員の補充はない。やはり逃げたと考えても妥当であろう。
保安院、安全と言うなら50Kmまで撤退するな!同じ場所に留まれ!言っていることとやっていることが違うんだよ。 最悪のステージをむかえるのか、運良く回避できるのか知らないけれど、今後、国民が保安院を信用すると思うか?? 俺は信用しないね!

東日本大震災:送電一部回復へ…1、2号機に外部から 03/17/11 11時37分 (読売新聞)

 経済産業省原子力安全・保安院は、17日午後にも東京電力福島第1原発1、2号機への外部からの送電が部分的に回復するとの見通しを明らかにした。これにより、緊急炉心冷却装置(ECCS)による各号機の炉内の冷却機能が復旧できる可能性があるという。3、4号機の使用済み核燃料プールの冷却には、警察車両による放水や自衛隊ヘリコプターによる空からの水の投下に加え、海水注入施設を仮設する準備も進めているという。

 一方で、5、6号機の原子炉内の水位も徐々に下がり、特に6号機では同日午前4時までの1日間で91センチ急減した。保安院は、核燃料の余熱による炉内温度や圧力の上昇を弁で逃がしており、「補給の注水が十分ではないのではないか。1~4号機のようにならないように監視していきたい」と説明した。

 保安院は、福島第1原発に通常7人いる、安全を監督する立場の保安検査官が17日までに、福島県庁に避難して一人もいないことを明らかにした。【河内敏康、酒造唯】

東日本大震災:「できるだけ遠くに」 1000キロ超移動、出雲まで避難 03/17/11 (読売新聞 東京朝刊)

 福島第1、第2原発から3キロ余りの住宅に住み、大震災後、1000キロ以上離れた島根県出雲市まで避難してきた2人が16日、出雲市役所で毎日新聞などの取材に応じた。津波や被ばくへの恐怖から「できるだけ遠くに」とそれぞれ家族を連れて車で避難したという。

 福島県富岡町の会社員、池田秀幸さん(30)と同県双葉町の無職、後藤充良さん(69)で、共通の知人を頼ってそれぞれ出雲市に避難した。市営住宅などに入居する予定だ。

 東京電力の協力会社に勤める池田さんは昨年10月から福島第1原発で機器の計測業務に当たっていた。震災があった11日は業務の最終日で、午前中に原発を離れ、富岡町にある会社の事務所で被災した。翌日、原発でのトラブルを聞き、危険と判断。両親らと4人でかつて暮らしていた出雲市に避難してきた。仕事上の知人は今も原発周辺で作業している可能性が高い。「何事もなく会えればいいと思ってますけど……」と、声を詰まらせた。

 後藤さんは震災翌日の12日、津波への恐れから、一家5人と兄夫婦の計7人で避難所を離れた。出雲市に住んでいる長女夫婦方を目指し、約17時間休まず車を運転し続けてたどり着いたという。後藤さんは「ここまで来れば大丈夫」とほっとした様子を見せた。一方、長男浩さん(39)は地元の消防士として今も救援活動を続けているといい、身を案じている。【細谷拓海】

後藤政志氏(東芝・元原子炉格納容器設計者)院内集会発言要旨 (Twitlonger)

On Thursday 17th March 2011, @ichimuann said:

後藤政志氏(東芝・元原子炉格納容器設計者)院内集会発言要旨

池田香代子氏( @ikeda_kayoko )ツィートより抜粋

午前中に後藤政志さん(東芝・元原子炉格納容器設計者)が院内集会で話されたことを順次ツイートします(1)今回の事故は多重故障。フェイルセーフ思想の設計すら無効に。人間は思い上がってはいけない。危険性は誰もが平等に知るべき。1~3号は格納容器が壊れたか「閉じ込め」機能を失っている。

後藤政志さん院内集会(2)初期の段階で格納容器の圧力が設計圧の2倍と聞きこうなるとピンときた。壊れるか壊れないかは運次第。「2倍ぐらいは平気」(TV学者)などということはない。(海)水を圧力容器に入れるには「ベント」を開く。これは、格納容器の役目を放棄することに等しい

後藤政志さん院内集会(3)放射能除去フィルタは小さな弁にありベントにはなく、放射性物質が多量に放出されるのは必至。いまやってることはみな「決死隊」。でもなんとか冷やすしかない。そもそも水を掛けるということは「水蒸気爆発」を招くので最も危険。でもやらねばならないのが現在の困難

後藤政志さん院内集会(4)4~6号。使用済み燃料はむしろ放射性物質が増えた状態。水位が下がる原因は、揺れてこぼれる、蒸発、プールのライナー(鉄板囲い)の亀裂の3つが考えられる。注水は永久に続けなくてはならない。現在は中の状況がまったくわからない状況

後藤政志さん院内集会(5)今後想定される危険①炉心・圧力容器:注水ができなくなって溶融物(でぷり)が落ちること②その結果圧力容器や格納容器の底が抜ける③そうなるとコンクリート内の水分と反応して「水素爆発」が起こる④格納容器の大規模破損⑤水素爆発、水蒸気爆発、再臨界

後藤政志さん院内集会(6)⑥大爆発が起こればチェルノブイリと同じ⑦起こらなくても長期に放射性物質を出し続ける放射性物質は積算される。再臨界の可能性はまだ小さいが「起こるはずがない」は間違い。現にホウ酸を海水に混ぜているのは再臨界予防の為。後藤さんの事故評価レベルは6.5(了)

以上

メルトダウン(全炉心溶融)発生回避をただ祈るのみ。

一夢庵

米紙「大惨事の防止をあきらめたように思える」 03/16/11 20時33分(読売新聞)

 東日本巨大地震に伴う福島第一原発の事故深刻化を受けて、日本を危険視する傾向が国際社会で強まる一方、総力を挙げて未曽有の大災害に立ち向かう日本社会を信頼し続ける外国人も少なくない。

 海外メディアではこれまで、被災者の忍耐強さや規律正しさを称賛し、激励する論調が主流だったが、原発の事態悪化につれて、悲観論が目立ってきた。

 同原発で注水作業などにあたる作業員数が50人まで減らされたことについて、15日の米紙ワシントン・ポスト(電子版)は、「大惨事の防止をあきらめたように思える」との原子力専門家のコメントを掲載。ロイター通信も「(作業員の退去決定は)さじを投げたことを意味するとも受け取れる」との専門家の言葉を伝えた。

 在京外国公館では、オーストリア大使館が16日、業務を大阪の総領事館に一時移転した。自国民に国外退避を促す国も増えている。

 現場取材のため被災地に記者団を送り込んでいた報道機関の中にも、記者らを日本から退避させる動きが出ており、報道によると、仏国営「ラジオ・フランス」は、地震取材のために送り込んでいた記者5人と技術者2人の撤収を決定した。取材陣の引き揚げを決めたイスラエルのテレビ局は本紙に、「現時点で危険はないが、今後、危険が増す可能性があるとの専門家の助言に従った」と語った。

 一方、AFP通信東京支局は、「本社から指示があった場合、直ちに拠点を移動できるよう、各スタッフが準備は進めている」としながらも、「今のところ、東京から動かない」と冷静に事態を見守る。英紙ザ・タイムズ東京支局も「(移転の)決定はない」という。

 ロシア通信東京支社長セルゲイ・コツーバ氏(53)は、「危機的状況下でも、日本では略奪行為やパニックが起きていない。この社会は大丈夫だと信じる」と述べ、東京に残る意思を笑いながら強調した。(カイロ 加藤賢治、国際部 五十嵐弘一)

東電など作業員181人、危険覚悟で復旧作業 福島第1原発 (1/2ページ) (2/2ページ) 03/16/11 20:15 (産経新聞)

 東日本大震災で被災し深刻な事故が相次いでいる東京電力福島第1原子力発電所。日増しに放射性物質(放射能)漏れが広がる中、被害の拡大を少しでも食い止める作業には一刻の猶予も許されない。だが、原子炉周辺では健康に大きな影響を与えるほどの放射線が検出されている。深刻な被曝(ひばく)が確実な長時間の作業はとても不可能。多くの作業員は危険を覚悟の上で復旧に当たっている。

 東京電力や協力会社の社員らが現在、現場で復旧作業に当たっているのは1~3号機だ。使用済み核燃料を貯蔵するプールの水位が下がり、深刻な放射線漏れが懸念される4号機は、危険すぎて近寄れず、モニターで監視するしかない。

 1~3号機周辺も放射線量は極めて多い。3号機西側では15日、1時間当たりの放射線量が年間被曝限度量の400倍に相当する400ミリシーベルトを計測したが、16日午前時点でもこの数値は減っていない。

 福島第1原発では震災後、800人が働いていたが、放射線漏れを受け、15日午後からは注水作業などに携わる73人を残して撤退。厚生労働省が同日、作業員の労働基準を緩和したことを受けて16日からは181人が復旧作業に就いている。

 ただ、作業には制限が多い。作業員は防護服にガスマスク、ヘルメットに身を包み、被曝した放射線量を測定する計器を身につけながら作業を行う。例えば400ミリシーベルトの放射線量がある地域では、作業時間がわずか37分に限られるなど厳密なチェックが必要だからだ。

 作業内容は、消防車のポンプを格納容器の取水口に取り付けるものなど。1度つなげれば退避できるものの、燃料切れや水を送れないトラブルなどもあり得るため、近くで監視しなければならない。

 また、原子炉の建屋に隣接した2カ所の中央制御室は15日から常駐できなくなり、炉内の温度や水位をチェックするため、中央制御室で短時間の確認作業を行った後、すぐに戻る繰り返し作業が必要だ。

 原発建屋内の水素爆発で吹き飛ばされたがれきも作業の障害となる。がれきの中には放射性物質が含まれている可能性もあり、東電は16日、ブルドーザーなどの重機を使って2、3、4号機周辺のがれきを撤去する作業を始めた。

 安全性が強みとされる日本の原発。しかし、想定を超える事故に直面し、被害を最小限に抑えるための底力が試されている。

「長時間浴びれば危険高まる」北海道がんセンター院長 03/15/11 (産経新聞)

 国立病院機構北海道がんセンター院長の西尾正道氏(放射線治療科)は「長時間、被曝(ひばく)が続けば、深刻な問題が出てくる危険がある」と指摘する。影響を受けないためには「とにかく離れるしかない」という。

 西尾氏によると、人体に影響が出てくるのは250ミリシーベルト。3号機周辺では400ミリシーベルトの線量が計測されているが、仮に300ミリシーベルトの線量とすると、30キロ離れた場所では約0・3ミリシーベルトとなる。これを10時間浴びたとすると、3ミリシーベルトの被曝。直ちに人体への影響が出る量ではないが、長期間影響を受けるとその分、危険も高くなるという。

 東北地方では、15日夜に雨が降る予報。「放射性物質は風で広く飛ばされる。雨が降ると、大気中の物質が落ちて土壌に吸収される」(西尾氏)といい、雨でさらに拡散される危険はないという。

「県民の不安、怒りは極限」福島県知事、首相に伝える 東電の対応を批判 03/15/11 (産経新聞)

 東京電力福島第1原発での相次ぐ事故を受け、同県の佐藤雄平知事は15日午後、菅直人首相と枝野幸男官房長官と相次いで電話会談を行った。

 佐藤知事は、「次々と重大な事故が発生し、県民の不安や怒りは極限に達している」と懸念を表明。その上で、県外避難先の確保や生活物資の確保などを国に求めた。菅首相は「福島県民に心配、迷惑をかけている。要請を重く受け止め、しっかり対応したい」と応じた。

 佐藤知事は会談後に報道陣の取材に応じ、「正確な情報をもっと早く伝えるべきだ」と東電の対応を批判した上で、「原子力(発電所)事故では最大のものであり、国に全面的な対応、対策を望む」と述べた。

東京エリアには電力は必要!感情的になっても仕方がない。本当に東京電力の体質に不満があるのであれば、他の電力会社も似たような体質かもしれないが 社長及び役員達を首にして、東京電力以外の電力会社に全てを移管させればよい。現場の人達は必要!まともな判断が出来ない及び対応が出来ない人達 には去ってもらう。それで良いのではないか!

「一体どうなっているんだ。連絡遅い」首相、東電本社で激怒 03/15/11 (産経新聞)

 菅直人首相は15日午前、東京・内幸町の東京電力本社を訪ね、福島第1原発の爆発事故の連絡が遅れたことについて「一体どうなっているんだ」と強く批判した。自身を本部長として設置した政府と東電との統合本部であいさつした。

 首相は「テレビで爆発が放映されているのに、首相官邸には1時間くらい連絡がなかった」と東電の対応に苦言を示した。さらに「撤退などあり得ない。覚悟を決めてほしい。撤退したときには東電は100%つぶれる」と厳命した。

情報の公表が遅すぎる!安全なら大丈夫と言っている教授や東京電力職員は福島原発に行くべきだ!大した被爆量じゃないんだろうから、 問題ないだろ!

2号機で爆発音 従業員が退避 03/15/11 9時3分(NHK)

東京電力福島第一原子力発電所2号機で、15日午前6時すぎ、原子炉が入っている格納容器の圧力を調整する設備の付近で爆発音がして、格納容器内の圧力が下がり、敷地周辺の放射線量が急激に上がったため、原発の所長の判断で一部の従業員の退避を始めたということです。

経済産業省の原子力安全・保安院や東京電力によりますと、15日午前6時14分、福島第一原発2号機で、原子炉が入っている格納容器の圧力を調整する圧力抑制室=サプレッションプールと呼ばれる設備の付近で爆発音がしました。この直後、設備の中の圧力が急速に下がったことから、原子力安全・保安院は、詳しいことは分からないものの、この設備に損傷があったものとみています。爆発音の確認の直後に、福島第一原発の敷地の周辺では1時間に965.5マイクロシーベルトの放射線の値を計測し、この値は、国に緊急事態を知らせる基準を超えていたため、原発の所長の判断で一部の従業員の退避を始めたということです。対象となったのは、原子炉を冷却する作業に直接従事していない作業員で、原子力発電所の安全な場所に移動しているということです。放射線の値については、その後も上がり続け、午前8時31分には原発の正門付近で1時間当たり8217マイクロシーベルトと、一般の人が1年間に浴びてもよいとされる8倍の量を1時間で浴びる計算になります。これについて、原子力安全・保安院は「まだ詳しいことが分かっていない。仮にサプレッションプールという設備に穴が開いているとした場合、壊れている場所によって、液体か気体かで漏れ方が変わってくる」と述べました。また、2号機では、水位が低下して燃料棒全体が露出した状態が続いていたとみられますが、その後、水位が若干回復し、核燃料が水面から2.7メートルほど露出した状態になっていることが分かりました。露出している長さは、核燃料全体の半分程度に当たり、東京電力では引き続き原子炉に水を注入する作業を続けることにしています。

3号機核燃料プール 覆いなし 03/15/11(NHK)

東京電力の記者会見で、15日午前7時5分ごろ、福島第一原子力発電所3号機の原子炉が入っている建物の上部に、蒸気のようなものが漂っていることを明らかにしました。また、福島第一原子力発電所の3号機で、格納容器の中にある使用済みの核燃料を保管するプールが、14日午前に発生した水素爆発によって、格納容器の上にある原子炉建屋の屋根が吹き飛んだことから、プールの上を覆うものがなくなっている状態であることも明らかにしました。

このプールは、原子炉で燃焼させて使い終わった使用済み核燃料を移動させて冷やすために設けられた設備です。通常の状態では、プールの水を循環させて核燃料を冷やしていますが、福島第一原発では停電が起きていることなどから、冷やす機能が失われている可能性も大きいということです。東京電力は記者会見の中で、3号機の原子炉が入っている建物の上部に蒸気のようなものが漂っていることとの関連について、「現時点では明確な答えはできない」としています。

避難民にヨウ化カリウム 原発爆発「いつ帰れる」(1/2ページ) (2/2ページ) 03/13/11 3時0分(朝日新聞)

 12日午後3時30分ごろ、大きな爆発が福島第一原子力発電所で起きた。テレビが伝えた映像では、何かがはじけるように飛び散り、白い煙がもくもくとあがり、海岸線に沿って広がっていった。

 「えーー」。福島市大町の東京電力福島事務所では、爆発のニュース映像を見た男性社員が声を上げた。「圧力で爆発したということ? そんなことがあったら大変なことだよ」。別の1人は「でも水位が変わってないから何なのか分からない。水素が漏れたということもありえる」。

 「いったい何が起きているのか」。慌ただしい事務所に、緊張と不安が漂った。

 原発近くの住民が避難している福島県川俣町の小学校。800人以上が詰めかけ、床に敷いた毛布に寝転ぶなどして過ごす。テレビは無く、新聞も届かない。昼過ぎにおにぎりが配られたが、「2人で一つ」。あっという間になくなった。

 午後からは、薬剤師らが0歳から40歳未満の住民全員に、ヨウ化カリウムを精製水に溶かした水溶液をスポイトで飲ませ始めた。放射線を浴びることに伴う甲状腺がんや喉頭(こうとう)がんを予防するため、と説明があった。数十人の住民らが不安げな表情で列を作り、順番を待った。

 第一原発がある同県大熊町に住む主婦(39)は、1歳の次男を抱きかかえ、5歳の長男の手を引いて川俣町の避難所にやってきた。自宅は第一原発から約2キロ。地震後は隣接する双葉町の親類宅に身を寄せたが、12日朝、防災無線の避難指示を聞き、さらに遠くへ移動した。夫は第二原発の警備関係の仕事をしており、なかなか連絡が取れない。「子どもの体が心配です」

 第一原発から約4キロの地点に住む釣り具販売業男性(61)は、爆発のニュースを聞き、「これで農業や漁業は非常に大きな打撃を受ける。自宅にいつ帰れるのか……」と肩を落とした。

 午後6時25分。政府は第一原発で起きた爆発などを受け、第一原発からの避難の範囲を10キロから20キロに広げた。

 「避難を受け入れ終わったと思えばまた避難。最悪の状況だ」。福島県川内村の松本茂・農村振興課長はこぼす。

 第一原発からは最短で約12キロだ。隣接する富岡町から避難してきた約5千人を、村内20カ所の公共施設に受け入れたばかりだった。人口約3千人の村の施設に入りきらないほどの避難住民を受け入れた。ひと息つく間もなく、今度は村民も合わせた計8千人がさらに遠くへと避難する必要に迫られる可能性がある。

 村は同夜、第一原発から20キロ圏内の村民と、富岡町から避難して来ていた町民の計約400人をバスに分乗させ、圏外の小中学校に避難させ始めた。

 危険性が広がる事態に、住民は戸惑うばかりだ。

 第一原発から北西に約25キロ離れた福島県葛尾村。12日午後6時25分ごろ、村役場の放送で「爆発の影響を防ぐために、外には出ず、窓を閉めて屋内に待機してください」と流れた。

 同村の男性(77)は、天井がすっぽり抜け落ちた建物の映像を見て、ぞっとした。防災行政無線に従い、家にとどまっている。「覚悟はしないといけない。放射線は風に乗って広がる恐れもある。対策はきちんと考えられているのか」

 大熊町の関根てる子さん(50)は子ども2人を連れて、自家用車で実家のある葛尾村に避難してきた。

 「原発から何キロ離れたら本当に安全なのか、誰にも分からない。地震に遭遇したと思ったら、翌日には原発の事故も起きた。住まいに戻れる日がどんどん先になっていく」

 第一、第二原発から約30キロ余り離れた南相馬市内の避難施設でも、不安はつきない。一時は約1400人が避難していたが、危険性が広がることを心配し、多くの人がさらに遠くへと移動。避難民は約600人に減った。

 同市にとどまった男性(65)は、「爆発したらもっと遠くに逃げても同じ。自宅に近いここに残る」。あきらめ気味に語った。

安全を優先すれば原発はありえない。東電だけでなく、原発を持っている電力会社の 体質改善は期待できない。変化はあったとしても、「仕方なく」対応していると感じる。 国も原発を推進しているから、電力会社側と見てよい。国が責任を持つといっても、 担当者は辞めたり、退職すれば責任は問われる可能性は少ない。 年金問題の社会保険庁松嶋・前九州厚生局長 の件を考えても、時効とか退職したからとの理由で責任を問えない。 原発の承認、認可や検査の立会いだって担当者の責任について追求できないと思う。 安全を優先させれば、コストが掛かる。これは常識!コストが上がれば利益は減る。 これも常識!安全を優先すれば原発はありえないと思う。しかし、お金や見返りを 考えるならリスクも必要。リスクが低い儲け話などめったにない。

日本原燃が保安規定違反…核燃再処理工場の放射性廃液漏れ 04/02/09(読売新聞)

 青森県六ヶ所村の使用済み核燃料再処理工場で今年1月、高レベルの放射性廃液が漏れた問題で、経済産業省原子力安全・保安院は2日、原子炉等規制法に基づく保安規定に違反があったと発表し、日本原燃に原因究明と再発防止策の提出を求めた。

 廃液漏れは、使用済み核燃料を処理した後に発生する高レベル放射性廃棄物をガラスと混ぜて専用容器に閉じ込める作業を行う建屋内の配管で見つかった。保安院が3月に実施した保安検査で、廃液漏れの復旧作業に際しての実施計画が作成されていなかったことや漏えいを事前に把握しながら速やかに回収しなかったことなど5項目の違反が見つかった。

 再処理工場は全国の原子力発電所から出る使用済み核燃料を化学処理し、ウランとプルトニウムを抽出する施設。今年8月の完工を予定しているが、トラブルが相次ぎ、現在、廃液を閉じ込める作業試験を中断している。

悪性リンパ腫で死亡の原発労働者、初の労災認定 10/27/08(読売新聞)

 厚生労働省は27日、各地の原子力発電所で働いた後に悪性リンパ腫で死亡した沖縄県うるま市の喜友名(きゆな)正さん(当時53歳)について、被曝(ひばく)との因果関係を認め、労災認定した。原発労働者の悪性リンパ腫での労災認定は初めて。

 遺族が2005年10月に厚労省淀川労働基準監督署(大阪市)に労災申請したが、同労基署は因果関係を認めず労災保険給付の不支給を決定。遺族は不服を申し立て、最近、厚労省の検討会が因果関係を認める方針を出していた。

 喜友名さんは原発の検査を請け負う大阪市内の会社の社員として1997年から04年まで業務に従事し、05年3月、悪性リンパ腫で死亡した。沖縄県庁で27日、記者会見した妻の末子さん(57)は「(これで)同じような傷病者の労災認定に道を開くことになる」と話した。

日本原燃:トラブル相次ぐ 青森・六ケ所 08/04/08(毎日新聞)

 日本原燃(本社・青森県六ケ所村)は4日、使用済み核燃料再処理工場の前処理建屋で、せん断工程で処理されずに残る使用済み燃料集合体のごみを収納するドラム缶保管室の入り口扉が開かないトラブルが起き、製造作業を停止したと発表した。

 故障したのは7月29日で、左右に開閉する扉の一方が最後まで開かなくなった。放射線管理区域内だが、放射能漏れはないという。復旧には数週間かかる見通し。

 また、8月1日にはウランが入った容器をつり上げるクレーンに長さ5~6センチの亀裂が見つかり、2系統のうちの1系統でウランの回収作業を中断している。

 使用済み核燃料再処理工場の試運転は現在、最終段階に入っているが、相次ぐトラブルのため、終了時期を7月から11月へ延期したばかり。【後藤豪】

朝日新聞(2008年1月26日)より

電力4事業者 敦賀市に120億円寄付

匿名で37年間6割未公表

朝日新聞(2008年1月31日)より

背水関電巻き返し

カネと安全揺れる地元

朝日新聞(2007年12月25日)より

原発の安全 どう判断 「浜岡訴訟」で見えた課題

旧耐震指針を基に判決

中越沖地震、柏崎原発では「震度7」…東電報告せず 12/24/07(読売新聞)

 7月の新潟県中越沖地震の際、東京電力の柏崎刈羽原子力発電所敷地内で、阪神大震災級の「震度7」の揺れが観測されていたことがわかった。

 気象庁がこの地震で観測した最大震度「6強」を上回る強い揺れに直撃されていたことになるが、東電は震度の値を公表せず、国や地元自治体にも報告していなかった。

 体感で震度を決めていた気象庁は、1996年以降、地震計で計測したデータから計算するやり方に改めた。この計測震度を10段階に分けて「震度」として公表、5・5~5・9は「6弱」、6・0~6・4は「6強」、6・5以上が最高段階の「震度7」となる。東電は、地表の揺れを観測できた3台の地震計データを処理し、7月末に震度を算出した。1号機の地震観測小屋で震度7(計測震度6・5)、5号機の地震観測小屋は6強(同6・3)、発電所に隣接したサービスホールは6強(同6・1)だった。

 計測震度導入後、気象庁が震度7を観測したのは、2004年の新潟県中越地震時の川口町(計測震度6・5)だけ。同庁作成の震度別被害状況の目安によると、震度7は「人間は揺れにほんろうされて自分の意志で行動できない。耐震性の高い建物でも傾いたり大きく破壊することがある」とある。同原発では今のところ、原子炉本体の深刻な損傷は見つかっていないが、発電タービンの羽根同士の接触や炉のふたを持ち上げるクレーンの損傷など、約3100件のトラブルが報告されている。

 東電は、地震の波形や最大加速度などのデータは国などに報告したが、震度は伝えておらず、記者会見でも言及していない。「あくまで参考値で、原子炉などの安全性評価には無関係」(広報部)と判断したのがその理由。隠したわけではなく、市民団体などの問い合わせには、計測震度の数値を回答してきたという。

東電、08年度は赤字転落へ…料金値上げ検討 09/27/07(読売新聞)

 東京電力は27日、新潟県中越沖地震による柏崎刈羽原子力発電所の運転停止や、原油価格高騰の影響で、2008年度の費用負担が07年度の当初見込みに比べ6000億円程度増えるとの見通しを明らかにした。

 08年度(09年3月期)決算で赤字に転落することはほぼ確実となり、電気料金の値上げが検討課題として浮上してきた。東電の赤字決算は、第2次石油危機の際の1979年度以来、29年ぶりだ。

 原油価格の国際的な指標である米テキサス産軽質油(WTI)は現在、1バレル=90ドルを超える水準で推移しており、今後も高止まりが続く公算が大きい。

 関係者によると、東電は、柏崎刈羽原発の08年度中の再稼働を絶望視している。火力発電の稼働を高めざるを得ず、運営コストがかさむほか、燃料費の高騰が費用負担を大きく押し上げる見込みだ。

 さらに、6000億円程度という負担増には、同原発の補修費用を盛り込んでいない。どれほどの費用がかかるか現時点で推定が困難なためだ。補修費用は1000億円規模とも見られており、補修が本格化する08年度に、費用の大半が上積みされる可能性が高い。

 一方、これに先立つ07年度連結決算では、税引き後利益が650億円の黒字とした今年7月時点の予想について、31日に予定している中間決算の発表時に下方修正する。燃料費の高騰などのマイナス要因を、テレビCMの放映自粛などの経費削減効果でどこまで相殺できるかが焦点で、税引き後利益が赤字に転落する可能性が残る。業績悪化を受け、東電は、08年度以降の電気料金改定で値上げの検討に入る。値上げへの理解を得るとともに、業績悪化の責任を明確にするため、役員報酬の減額や減配なども検討している。

新潟知事、県議会で「廃炉もありうる」 柏崎刈羽原発 09/27/07(朝日新聞)

 新潟県中越沖地震で大きな被害を受けた東京電力柏崎刈羽原子力発電所について、泉田裕彦知事は27日、県議会の代表質問に対し、今後の調査の推移次第で「廃炉もあり得る」との考えを示した。知事に廃炉を決定する権限はないが、立地県の反対を押し切って東電が再開させることは事実上難しい。

 知事は、原発への今後の県の対応について問われ、「原子炉本体の被害状況の点検調査が始まったところで、今後については白紙」としつつ、「無論、調査結果によっては廃炉はあり得ると思う」と答えた。

 また、「地域とのコンセンサスができなければ、議論のテーブルには載せられない」と発言。地域の了解を得られないうちは、原発の運転再開を認めないことを強調した。

泊原発:発電機故障の原因は異物混入 来週にも運転再開へ 09/27/07(毎日新聞)

 北海道電力は27日、泊原発(後志管内泊村)1号機の非常用ディーゼル発電機2基が故障したため原子炉を停止している問題で、発電機内のタービンの回転数を調整する「調速装置」に金属片やテープなどの異物が混入したのが故障の原因だと発表した。北電は28日に原子力安全・保安院の調査を受け、試運転で問題がないことを確認したうえで、来週にも原子炉の運転を再開する方針。

 発電機2基は非常時に原子炉を冷却する機器を動かすためのもので、18、19日の定期検査で作動せず、20日から原子炉を停止した。原因を調べたところ、一方の調速装置からネジが欠損した金属片4個、もう一方からは油漏れを防ぐテープの破片3個が見つかったという。北電は、メンテナンス業者が装置を検査した際に混入したとみている。【木村光則】

美浜原発2号機、配管溶接部に傷13か所…運転再開を延期 09/26/07(読売新聞)

 関西電力は25日、定期検査中の美浜原発2号機(福井県美浜町、加圧水型軽水炉、出力50万キロ・ワット)で、蒸気発生器下部の配管溶接部に、最長17ミリ、深さ13ミリの亀裂など13か所の傷を確認したと発表した。

 関電は溶接ミスの可能性があるとみて、11月下旬に予定していた運転再開を延期し、調査を始めた。

 蒸気発生器は三菱重工業製で、傷は1992年11月の製造時に溶接作業を行った個所に集中していた。

 関電によると、正常に溶接してあれば、15年程度で傷が生じることは考えられず、溶接時の熱によるひずみが多く残ると、運転時の熱や圧力によって金属疲労が進みやすくなるという。

朝日新聞(2007年9月2日)より

電力窮迫の8月22日 東電、火電停止発表せず

企業に節電要請直前

原子力機構:問題事例49件…文科省、3施設に停止命令 08/31/07(毎日新聞)

 日本原子力研究開発機構(岡崎俊雄理事長)は31日、国への虚偽の報告や放射能汚染の報告漏れなど、60年ごろから現在までに、計49件の問題事例があったと文部科学省と茨城県に報告した。同省は法手続きに不備があったとして、同機構の三つの臨界実験施設に対し、原子炉等規制法に基づく使用停止命令を出すとともに、岡崎理事長を呼んで厳重注意した。

 機構の原子力科学研究所(茨城県東海村)で今年6月、未報告の放射能汚染が見つかり、同省が同様の事例がないかの調査を指示していた。その結果、同研究所だけで34件、機構の他の研究施設も含め49件が発覚。うち37件は法律に抵触する事例だった。

 使用停止命令が出たのは、同研究所の「高速炉臨界実験装置」と「定常臨界実験装置」「過渡臨界実験装置」の三つ。

 高速炉臨界実験装置では、91~05年にかけ核燃料用の金属ケース20個を国の認可を受けずに製造し使用した。残り二つの装置では、国から「一時保管」の許可を受けただけのウラン燃料を94年以降、保管してきた。

 また、61~67年に起きた所内の床や土壌の微量の放射性物質汚染が新たに7件で発覚した。すべて、放射性物質が存在しないはずの「放射線非管理区域」の汚染だった。

 さらに、放射性廃棄物の地下保管庫について、97年に旧科学技術庁と茨城県が、庫内に水がたまっていないか調査を求めた際、機構は「水なし」と回答。約半月後に水があると分かったが、訂正しなかった。庫内には今年3月にも最大で水深19センチの水があった。

 今年7月には、三つとは別の臨界実験装置について、地震で事故が起きた際に周辺住民が受ける恐れがある放射線量を計算した際、間違った数字を使ったことを知りながら、結果をそのまま国に報告していた。【高木昭午】

朝日新聞(2007年8月15日)より

中越沖地震時の柏崎刈羽 原発職員緊迫20時間

扉壊れ壁壊れ白煙舞う 緊急時対策室開かず

会田市長の気持ちは理解できないわけではない。 しかし、多くの電力消費者は何も感じていないだろう。 原発を受け入れたのは、国の働きかけや東京電力の働きかけ、多額の補助金の利点、前市長や その他の議員に対する工作などのいろいろな理由の結果だろう。

原発の利用について誰かがリスクを負わなければならない。誰もメリットがなければ、 リスクを負わない。原発の受入の決定プロセスに問題があったのか、市民の意見を尊重した 結果なのか知らない。しかし、メリットとリスクを共に受け入れたのだ。 今さら、皮肉を言っても仕方が無い。

柏崎市長「影響ない首都圏に違和感」 地震の原発停止で 08/11/07(朝日新聞)

 新潟県中越沖地震で被災して運転停止した東京電力柏崎刈羽原発がある柏崎市の会田洋市長は10日、「(原発の電力供給先の)首都圏の電力に影響が出るだろうと考えたが、何も影響を受けていない。上京した時、そのことに非常に違和感を持った」と述べた。

 首都圏への電力供給の最大基地である同市が震災に苦しむ中、首都圏がこれまでと変わらない生活を享受していることへの反発を吐露したものだ。会田市長は「節電に努めるなど、被災地の痛みを分かち合うところがあってもいいのではないか」と対応を求めた。

原発:耐震性に「不安」が9割 特に女性で 毎日世論調査 08/11/07(毎日新聞)

 原発の耐震性に不安を抱く人が約9割に達することが、毎日新聞が今月4~5日に実施した世論調査で分かった。新潟県中越沖地震による東京電力柏崎刈羽原発の被害を受け、原発の安全性に厳しい見方が増えたためとみられ、原発増設に賛成の人も16%にとどまる。国は原発の安全目標として「大事故が起きて死者が出る危険性を年100万分の1以下に抑える」との案を検討中だが、75%はより厳しい基準を求め、60%だった04年の調査より大幅に増えた。

 原発の耐震性については、「非常に不安」が56%を占め、35%が「ある程度不安」と回答。「あまり不安がない」は6%だった。特に女性に不安感が強く、男性で46%だった「非常に不安」が、女性では64%に上る。一方、原発立地県とそれ以外で大きな差はなく、中越沖地震の被害は地域を問わずに大きな衝撃を与えたことを裏付けた。

 エネルギー確保や地球温暖化防止のため、国は原発を増やす政策を掲げているが、「現状程度でいい」が57%と最多で、削減を求める人は23%。増設に賛成した人でも、原発の耐震性に不安を持つ人が83%に上り、不安を感じながらも「増設やむなし」と考えていることをうかがわせる。

 国の安全目標案を認める人は19%で、04年調査の22%を下回った。「100万分の1より厳しい基準を」と答えた人が47%で、04年の36%から増加。「危険性がゼロでない限り運転停止を」との回答も28%で、04年の24%を上回った。【鯨岡秀紀】

柏崎刈羽原発、地震時に400人が汚染測らず退避 08/10/07(産経新聞)

 東京電力は10日、新潟県中越沖地震が発生した際に柏崎刈羽原発1、2号機で作業していた約400人が、退出時に放射性物質で汚染されていないかを調べる計測を、計器の故障のため省略して退避させていたと発表した。

 東電によると、計測なしで退出した作業員がいたのはもともと汚染のない区域で、退避した経路の床にも汚染はなかったという。

「東電によると、当日、両委員に被災状況を説明したのは同原発ナンバー2のユニット所長。 この時点では、ユニット所長は照明の落下などの被害を承知していなかったという。 『決して隠したわけではなく、発電所内の情報共有が不十分だったのが原因』(広報部)としている。」

隠していないとのコメントにはすごく疑問を感じる。隠してないと信用するとして、 柏崎原発ナンバー2のユニット所長の管理能力、情報収集能力及び状況判断能力は 低いと思われる。隠していないと言い張るのであれば、それなりの処分又は降格が 必要である。このまま柏崎原発ナンバー2のユニット所長にしておけば、将来、 人的被害に発展する危険もある。原発は危険である。危険であるからには、不安要素を 取り除く必要がある。東電がどのような対処するのか、本当に隠ぺいしていなかったのか次第 であろう。

報告が過小報告であると適切な判断を妨げ、状況判断にも問題が起こる場合がある。他にも問題が無いか、 他の項目についても過小報告がないのか、疑わしい。風評被害と言うが、情報が適切でないと 国民が疑えば、風評被害が起こっても仕方が無い。どこまで信頼できるのか?様子を見たほうが 安全と思っても非難できないであろう!

柏崎原発の被災、東電が中央制御室の被害を過小報告 08/06/07(読売新聞)

 中越沖地震で東京電力の柏崎刈羽原発が被災した問題で、国の原子力安全委員会が現地調査した際に、東電が中央制御室内の被害の様子を実態より小さく報告していたことが6日、わかった。

 東電は、この過小報告に関する事実関係の確認と原因の調査を始めた。

 同委員会は地震3日後の7月19日、東邦夫委員長代理(元京大教授)と早田邦久委員(元日本原子力研究所理事)を現地に派遣し、原発の被災状況を調査した。

 その際、両委員は同原発6、7号機を集中制御する中央制御室を訪問し、地震の被害について尋ねた。応対した職員は「棚からマニュアル類が落ちただけ」と説明。制御室内はきれいに片付いており、被害はないように見えたという。

 ところが実際には、蛍光灯86本がカバーごと落下したほか、天井の板の一部が脱落し、避難路を示す非常灯もずれる被害などが出ていた。けが人はおらず、原発の制御にも影響はなかったが、東電は今月3日になってこの事実を詳しく公表。両委員は報道された内容を見て、初めて制御室内に被害があったことを知った。

 東電によると、当日、両委員に被災状況を説明したのは同原発ナンバー2のユニット所長。この時点では、ユニット所長は照明の落下などの被害を承知していなかったという。「決して隠したわけではなく、発電所内の情報共有が不十分だったのが原因」(広報部)としている。

原爆について広島や長崎及び原爆の被害を受けた家族や親戚を持つ人達以外は 原爆が投下された事実は知っているがあまり深く考えたことはないようだ。

日本ではあまり知られていないようだが、アメリカでは実物大の家、飛行機、戦車などを配置して、 訓練だと言って原爆の実験を知らせずアメリカ人兵士さえも実験として使った。何十年も経って、 訓練に参加したアメリカ兵の多くがガン(原爆症)など死亡した。多くのアメリカ兵士がガンで 死亡していることに疑問を持ちながら、多くの兵士は事実をアメリカ軍から事実を伝えられなかった。 はっきりと覚えていないが、40年経ってから事実が伝えられた。

原爆を製造する工場で働くアメリカ人にも軍事機密と言う事で、事実が隠ぺいされ 放射能被害の危険性が伝えられていなかった。工場で働く女性の多くが流産したが、 放射能について知らされていなかった。放射能被害と流産は関係があることは知らせられなかった。 工場へ行くために乗るバスの揺れと流産を関連付けてアメリカ政府を疑わなかった。

結局、軍事機密のためにアメリカ人さえも犠牲者になった。日本人であれば、なおさら 配慮などしないであろう。アメリカの大学で歴史を取った時は、日本に原爆が落とされた 理由は、日本人が白人でなかったからだと教えられた。ドイツと日本のどちらかに原爆を 落とすのか決める時に、白人と東洋人の差で決まったそうだ。広島の小学校に行ったので 原爆のことは他の県の小学校以上に教えられていた。歴史の授業を取りながら悲しくなった。 日本ではこのようなことは教えなかったし、言わなかった。広島の平和は偽善とも 思えた。事実を教えれば、韓国人が日本人に対して怒りを感じるように日本人の中にはアメリカに 対して怒りを感じる人はいるだろう。

歴史は勝者が書くもの。勝者と敗者サイドから見る歴史は必ずしも同じではない。 歴史の授業で教授はそうように言った。

原発が安全か、そうでないか、後生の人達が決めること。政府が信じられるのか、 政府を信じるのか、それは個々の人達が決めること。放射能被害を伝えられなかった アメリカ人。彼らは勝者であっても、幸せだったのだろうか?広島や長崎では 原爆反対と言うが、世界に届いているか、響いているのか?核や放射能が使われなければ、 自衛隊の海外派遣は問題ないのか?日本企業が軍事産業に間接的に関わるのは良いのか? 日本政府が軍事に関してアメリカにべったりな事実を容認するのか? どのように感じるのか、どのような結果を望むのか、個々の感じ方だろう。

個人的には原発の近くに住みたくない。

朝日新聞(2007年8月11日)より

誰がためにABCC60年

米国内「国防のため」名言

柏崎原発で圧力容器開閉の機械から油漏れ…東電が発表 08/06/07(読売新聞)

 東京電力は6日、中越沖地震で被災した柏崎刈羽原発4、6号機で、原子炉圧力容器のふたの開閉に使う油圧式機械から油が漏れ、機械が使えなくなっていると発表した。

 6号機では天井クレーンの破損が3か所で見つかっており、原子炉内部の調査が遅れる可能性があるという。

 油漏れが見つかったのは、圧力容器のふたをボルトとナットで容器本体に取り付けるための機械で、1~7号機の各炉にある。6日午前、6号機の機械の下の床に、内蔵されている油圧用の機械油300リットルのうち、24リットルが漏れているのを作業員が発見。4号機でも200リットルが漏れていた。

「中越沖地震で被害を受けた柏崎刈羽原発1、5、6号機の使用済み核燃料プールのそばで 当日作業中だった数人ずつに、地震の揺れでこぼれた水がかかっていたことを明らかにした。」

報告が遅くないか??????水にかかったかどうか、本人がわかるはず!しかし、なぜ今?

結局、これが東電の体質なのだろう!

原爆症認定集団訴訟 のニュースを見た。今日が8月6日、原爆が広島に落とされた日だからであろう。 科学的に説明できない事は、国は認めない。東京電力柏崎刈羽原発の風評被害と言うが、 多くの隠し事が明らかになり、「安全、安全」と言うが安全宣言を信用するかどうかは 個々の判断で良いと思う。国が原爆症に認定に関して、認定されていないが放射能の 影響を受けていると思われる人達の認定を長い間、拒んできた。このような国を信じて 簡単に「安全」と言われたから安全と思うのは個人の判断。判断の責任を取るのも判断した 個人。国は責任を取らない。とっても最低限と言う事を 原爆症認定集団訴訟 のニュースを見て、再認識した。

原発の安全を信頼するかどうか、電力会社を信用するかどうか、個々が判断する必要があるだろう。 何か有ってからでは遅い!

柏崎刈羽原発:作業員に放射能の水かかる 中越沖地震時に 08/06/07(毎日新聞)

 東京電力は6日、中越沖地震で被害を受けた柏崎刈羽原発1、5、6号機の使用済み核燃料プールのそばで当日作業中だった数人ずつに、地震の揺れでこぼれた水がかかっていたことを明らかにした。微量の放射能を含んでいたが、作業着にかかっただけで被ばくした人はいなかったという。

 1号機では、作業していた男性2人に、防水作業着の上から水がかかった。さらに1、5、6号機でそれぞれ数人の作業員の足もとに水があふれ、靴などがぬれた。作業終了時に全員が、作業着や靴を脱いだ上で体の放射能の検査を受け、被ばくはなかったという。

 また、同原発の4、6号機で、原子炉圧力容器(原子炉の本体)のふたの開閉に不可欠な巨大機器「スタッドボルトテンショナー」から油が漏れていたと発表した。圧力容器の点検がさらに遅れる可能性も出てきた。

 油漏れは4号機で約200リットル、6号機で約24リットル。いずれも床に漏れており、ボルトを締める油圧装置の配管のつなぎ目などから漏れたらしい。このままでは油圧をかけられず修理が必要だという。

 同社によると、テンショナーは円筒形で、4号機では直径8メートル、高さ6メートル、重さ約30トン。6号機では重さ37トン。圧力容器のふたを固定するボルト(長さ1.8メートル、重さ250キロ)を締めたりゆるめたりする時に使う。【高木昭午】

柏崎刈羽原発:原子力安全委に「蛍光灯落下」説明せず 08/06/07(毎日新聞)

 中越沖地震で東京電力柏崎刈羽原発6、7号機共用の中央制御室の天井から蛍光灯が落ちた問題で、地震3日後に視察した原子力安全委員会の早田邦久委員に同社側が「マニュアルなどが落ちただけだった」と、事実と異なる説明をしていたことが、6日分かった。早田委員が同日の委員会で明らかにし「ありのままの状況を聞きたかった。残念だ」と批判した。

 制御室では蛍光灯86本が照明器具ごと落ち、天井の化粧板も落ちた。しかし同社は当初、軽微な問題とみなし、地震直後の公表もしなかった。早田委員に説明したのは発電所ナンバー2の「ユニット所長」だが当時は落下を知らなかったという。同社は委員会で「不手際をおわびします」と謝罪した。【高木昭午】

掘り出しニュース:原発トラブル直撃…柏崎の海水浴客激減 08/06/07(毎日新聞)

 ◇遊泳に問題ないのに--例年の10分の1

 【新潟】中越沖地震でトラブルに見舞われた東京電力柏崎刈羽原発の北約8キロ、柏崎市西山町の石地海水浴場は5日、家族連れや若者らでにぎわった。だが、海水浴客がピークを迎える8月最初の日曜日にもかかわらず、人出は例年の10分の1程度に落ち込んでいるという。

 長岡市の会社員、富居久美さん(22)は「毎年ここに泳ぎに来るが、去年は砂浜にシートも置けないほど人が多かった」と話す。「今年は海に入るのは怖い。砂浜で日焼けだけしようと思う」と話す20代の女性もいた。

 母親と海の家を営む男性(32)は「宿泊予約の8割がキャンセル。人出は例年の10分の1ほどだろう。原因は原発のトラブルだ。売り上げの集計は怖くて見られない」。別の海の家を営む阿部真粧江さん(40)は「石地海水浴場は遠浅で美しい砂浜。安心して泳いでほしい」と呼びかけた。

 西山町観光協会によると、石地海水浴場は7月1日に海開きを迎えた。地震による海の家の建物への被害は小さく、一部を除き20日には営業を再開した。同協会の光村利寛会長は「海水浴客は日に日に増えている。『被災地に遊びに行ってもいいんですか』という電話をよくいただいたが、遊びに行こうという気持ちになってもらえれば」と期待を込める。県が7月24日に実施した調査では人工放射性物質は検出されず、遊泳に問題はないという。【岡田悟】

朝日新聞(2007年8月3日)より

国含めた事前対応の検証必要

「新潟県原子力発電所の安全管理に関する技術委員会」の宮健三座長(法政大大学院客員教授)の 「大地震が起きたことは大変ショックだったが、現場を見たら安心した。(地震は)歴史的な実験だったかもしれない」 発言は重要だ。テレビの報道を見たが、実際は、もっと状況はひどいと推測していたと言うことだろう。

原発が近くなかったら少々の問題は国の方針次第と言う事なのだろう。

まあ、宮健三座長の判断だとそれほど深刻な問題はなかったと言うことだろうから、地元は安心する べきだろう。怒りを向ける相手は、東電と経済産業省原子力安全・保安院であろう。 原発建設を申請した企業と許可した国なのだから!

問題発言「地震は歴史的な実験」、原発技術委の座長が辞任 08/03/07(読売新聞)

 新潟県は3日、「新潟県原子力発電所の安全管理に関する技術委員会」の宮健三座長(法政大大学院客員教授)が同日付で委員を辞任したと発表した。

 宮氏は1、2の両日、中越沖地震で被害を受けた東京電力柏崎刈羽原子力発電所の県の立ち入り調査に同行。2日の記者会見で、「大地震が起きたことは大変ショックだったが、現場を見たら安心した。(地震は)歴史的な実験だったかもしれない」と発言し、地元住民の間で問題視する声が出ていた。

 県によると、宮氏が3日、「一身上の都合」を理由に辞任の意向を伝え、県がこれを了承した。当面、鈴木賢治・新潟大教授が座長を代行する。

 同委員会は、2002年に発覚した東電の自主点検不正問題をきっかけに、県が同原発の運転、管理、安全確保に関して専門家の指導・助言を受けるために設置。以来、宮氏が座長を務めてきた。

 宮氏は、原子炉機器工学の専門家で、東大、慶大教授を歴任した。

米橋崩落 についてコメントを書いたが、検査で問題を発見しなかったから100%問題ない と言う事はありえない。

「破断した部品はいずれも車輪にモーターの動力を伝える車軸の一部で「継ぎ手」と呼ばれる部分だった。継ぎ手は計4カ所あり、 これまで異常なしとされた2カ所にはいずれもカバーがかかっている。」

つまり、検査を行なった個所については異常無しと判断したが、詳細な検査では破断が見つかった。 安全性の向上は時間とコストをかけることにより向上する。

柏崎刈羽原発:6号機の天井クレーンで新たな部品の破断 08/03/07(毎日新聞)

 東京電力は3日、柏崎刈羽原発6号機原子炉建屋の天井クレーン(重さ約310トン)で、新たな部品の破断が見つかったと発表した。7月24日、新潟県中越沖地震による鋼鉄製部品2個の破断が見つかっていたが、部品のカバーを外すと、もう1個が破断していたという。

 クレーンはレールの上を車輪で動く仕組み。破断した部品はいずれも車輪にモーターの動力を伝える車軸の一部で「継ぎ手」と呼ばれる部分だった。継ぎ手は計4カ所あり、これまで異常なしとされた2カ所にはいずれもカバーがかかっている。2日夜、カバー全体を外して、新たな破断が分かった。

 東電はすでに6号機以外の原子炉建屋天井クレーンの外観を点検し、異常なしとしていた。しかし同様のカバーは1、2、3号機のクレーンにもあり、どれも外していなかった。このため来週以降、点検をやり直す。

 クレーンの下には原子炉本体があるが、東電によると、車軸が壊れてもクレーン本体はレールから外れない仕組みで、破断が3個でも落下のおそれはなかったという。【高木昭午】

柏崎刈羽原発:3号機の揺れ2058ガル 想定の2.5倍 07/30/07(毎日新聞)

 東京電力は30日、新潟県中越沖地震により東京電力柏崎刈羽原発3号機タービン建屋1階で、瞬間的な揺れの強さを示す加速度が原発では過去最高とみられる2058ガル(ガルは加速度の単位)に達し、設計上の想定(834ガル)を1200ガル以上超えたと発表した。1000ガルを超える揺れは、全7基のうち4号機以外の6基で記録された。また、3号機の揺れの周期を分析すると、原子炉本体など重要機器への影響が大きい短周期の小刻みな揺れを含め、各周期で想定を2倍程度上回った。経済産業省原子力安全・保安院によると、地震により東北電力女川原発、北陸電力志賀原発でも揺れが想定を超えたが、全周期でこれほど大きく超えたのは初という。

 東電はこれまで、原発の地下最深階での加速度だけを発表し、最大680ガルとしてきた。この日は、揺れやすい上階も含めた97カ所で観測した地震波形などを保安院に報告した。

 2058ガルが記録されたのはタービンを載せる台の上で、比較的揺れやすい構造だった。同じ台の上では1号機のタービン建屋1階で1862ガルを記録し、想定値(274ガル)の7倍近くに達した。ただ、東電によると1号機は想定値の算出方法が他と違い、想定と揺れの加速度を比べるのは不適当だという。

 また、地震計の測定範囲を1000ガル以下に設定していたため、振り切れて「1000ガル以上」としか分からない測定点が10カ所あった。

 一方、東電は3号機のタービン建屋の床にあった地震計が、記録装置の異常のため地震波形を記録していなかったと発表した。同原発の地震計のうち、地震波形が取れなかったものはこれで64台に達した。

 東電は「結果的に地震の想定が甘かった」として今後、同原発で想定する地震の強さを、中越沖地震を上回るように大幅修正する。ただ、耐震補強は、設備の詳細な点検結果を見た上で検討するという。【高木昭午】

 【ことば】◇ガル◇ ガルは加速度の単位で、地震の激しさを表すのに使われる。1ガルは物体の速度が1秒間あたり秒速1センチずつ速くなる状態を表す。ボールを手から放すと、重力のためスピードを増しながら落ちるが、この時の加速度が約980ガル。2058ガルは、横揺れの力が重力の2倍以上に達したことを示す。ただ、ガルは瞬間の値で揺れの方向は実際には刻々と変わるため、重力のように同じ方向に引かれ続けるわけではない。

朝日新聞(2007年7月26日)より

「原発震災」

新指針の不備、見直し急げ

朝日新聞(2007年7月25日)より

柏崎刈羽 原発地下 浸水2000トン

配管破裂、放射線区域に

柏崎原発、放射能漏出の恐れ13件も…5件は詳細不明 07/25/07(読売新聞)

 新潟県中越沖地震で被害を受けた東京電力の柏崎刈羽原子力発電所で、放射性物質の放出につながりかねないトラブルが、実際の漏出2件のほかに13件あり、そのうち5件では詳細が依然としてつかめていないことが25日、東電のまとめでわかった。

 13件のうち、排気ダクトのずれや消火配管の破損による水の大量流れ込みなど6件は、同日現在、復旧作業に取りかかれていない。

 原子炉建屋内などの空気を吸い出して主排気筒に接続するダクトのずれが五つの建屋で見つかった。稼働中に被害を受ければ、放射能を帯びたガスの漏出が懸念される部分だが、高所にあるため余震発生の危険から足場を組んで直接点検ができず、今回の地震による放射能の有無など詳しい状況は確認できていない。

 また、1号機では、消火系配管の損傷で複合建屋地下5階の放射線管理区域を含む部分に最大2000トンの水が流れ込み滞留した。放射性物質の量は検出できないほどわずかだが、これほど大量の水は想定外で、排気ダクトのずれ5件とともに、復旧の見通しは立っていない。

 現実の放射能漏れは、これまでに2件確認された。地震の揺れで6号機の使用済み燃料プールからあふれた水の一部が非管理区域に漏れだし、最終的に微量の放射性物質が海に流出。7号機の排気筒からは、原子炉の緊急停止後の操作手順ミスで、微量の放射性物質が放出された。ただ、原発敷地内や放水口周辺に設置された監視装置では検出されておらず、いずれも人体に影響ない濃度に薄まっていたとみられる。

 使用済み燃料プールからの水漏れは全7基で発生し、24日までに4か所で除去が完了した。

 東電によると、主な目視による点検は終わり、より細かな部分の点検を現在進めている。同原発には約1200人の社員が常駐しているが、地震で自宅が被災した社員も少なくなく、「現在は600~700人程度しか出勤できない状態」(東電広報)という。

 同原発では、これまでに、この13件や漏出の2件を含む計64件のトラブルが確認されている。64件中には、24日になって新たに見つかった6号機原子炉建屋のクレーン損傷もあるうえ、原子炉の炉心部分の調査は手つかずの状態で、被害の全容はつかめていない。

朝日新聞(2007年7月24日)より

電力関係者 原発規定に反発

保安院検討会 不正防止 省令改正案

柏崎刈羽原発の審査、不十分…断層問題で経産相認める 07/24/07(読売新聞)

 甘利経済産業相は24日の閣議後の記者会見で、新潟県中越沖地震で東京電力柏崎刈羽原子力発電所が被災したことを受け、震源となった海底断層を巡り、建設時の東電側による調査や、これに基づく国の審査体制が「対応が不十分だったかどうかと言われれば、そうだとしか言えない」と述べ、国の審査が甘かったとの認識を示した。

 東電による海底断層の調査は十分ではなかったとの指摘があり、防災科学技術研究所などによる今回の地震の分析で、同原発の直下にまで断層面が及んでいる可能性が示唆されている。

 また、経産相は、原発の地震対策を総合的に検討するため、第三者による対策委員会を総合資源エネルギー調査会原子力安全・保安部会の下に新たに設置することを明らかにした。委員長には班目(まだらめ)春樹・東大教授(原子力社会工学)が内定した。

 同原発で、変圧器の火災や消火施設の破損、さらに微量の放射能が外部に漏えいした被害実態を踏まえ、事実関係を改めて精査し、他の原発への教訓について検討。原発の耐震性や、大地震に対する備えといった電力会社など原子力施設を運用する事業者や国が取り組むべき課題を探る。

柏崎刈羽原発の水漏れ、建屋に構造欠陥…原子力保安院 07/23/07(読売新聞)

 新潟県中越沖地震で、東京電力柏崎刈羽原子力発電所6号機の使用済み燃料プールの水があふれ、放射性物質を含む水の一部が「非管理区域」に漏れ、海に放出された問題で、経済産業省原子力安全・保安院は23日、プールが設置された原子炉建屋4階の構造に、設計上の問題があるとの見方を示した。

 また、保安院の薦田康久院長は同日、同原発を視察して、「消防体制や放射性物質漏えいの連絡体制など改善すべきことは多い」と地震対策の問題点を指摘、「運転再開を考えるべき時期ではない」と、再開までかなりの時間がかかるとの見通しを示した。

 東電の説明によると、使用済み燃料プールの水は、地震の揺れで建屋4階の「作業フロア」にこぼれ、一部が床下に設置した「給電ボックス」に入った。

 ボックスにはケーブルを通す配管の穴があり、ケーブルの周囲は充てん材で固められていたが、完全な密封状態ではなく、すき間から水が浸入、配管を通って壁の向こう側の中3階にある非管理区域の中継ボックスに到達、床に落ちたとみられる。同社によると、プールから給電ボックスまでは10メートル以上の距離があり、水の浸入は想定していなかったという。

 ただ、6号機以外では、中継ボックスが管理区域にあり、万一水漏れが発生しても、外部に漏れ出す恐れはない。また、1~5号機については、給電ボックスの開口部が床面よりも上にあるため、水漏れが起きにくい構造という。

 保安院は、こうした点から6号機建屋の構造に、水の漏出を引き起こす欠陥があったと推定、東電に対し改善を促す方針。

 東電は当面、給電ボックスの開口部に充てん材を補充し密封性を高める応急措置を取り、給電ボックスそのものの改良も検討する。

 また、東電は23日、原子炉建屋内の点検計画を国に提出し、来月中旬以降、各号機の圧力容器内部の調査に着手することを発表した。

「経済産業省原子力安全・保安院が、原発規制強化の省令改正案を示したところ、 『企業の一挙手一投足まで規制しなくても』などの反対意見が次々と寄せられた。 大半は電力関係者からだという。」

モラルがない、嘘も平気で付く、自己中心的な電力関係者が多いい事が過去の対応で 分かっているが、反対意見の大半が電力関係者である事実から推測して、 多くの電力関係者は反省していない。また、問題を起す体質が残っていることもわかる。

原発規制強化:電力の反対に抗して省令改正案了承…経産省 07/23/07(毎日新聞)

 電力各社の事故隠しなどが多数発覚したことを受け、経済産業省原子力安全・保安院が、原発規制強化の省令改正案を示したところ、「企業の一挙手一投足まで規制しなくても」などの反対意見が次々と寄せられた。大半は電力関係者からだという。しかし、同省の検討会は23日、規制強化が必要だとして、原案通り了承した。

 今年3月の電力各社による不祥事総点検で、制御棒の抜け落ちが多数起き、原発メーカーはこの事実を各社に知らせなかったことなどが判明。保安院は▽電力各社は原発の技術情報を各社間で共有する▽作業手順書などは法に基づく保安規定で定め順守を義務づける--など、原子炉等規制法の省令改正案を示し、意見を公募していた。

 この日の検討会では、意見計560件の概要を公表。「(情報共有は)企業機密など制約がある」「作業手順書などは(合計で)A4用紙数十万枚に及び順守を機械的に求めると現場が混乱する」などが主だった。電気事業連合会はこうした意見を支持し「電力業界の個人が意見を出した」と話している。【高木昭午】

アメリカに行った時にきれいな海岸にたまたま行った。アメリカ人の友達が笑いながら 「泳いでみたら」と言ったので、なぜかと聞いた。指をさしながらある建物(原発)を見た。 あれは原発だと言う。原発から流れ出ている川が海に注いでいる。友達が大丈夫だからと 笑う。海岸を歩くのも嫌になった。

国の言うことを信じるかは個人の責任。国を信じても、国が責任を取るかは疑問。 責任を取ったとしても最低限に留めるだろう。東電の報告の過小評価。後で公表される 問題。絶対に近隣住民はこのような問題からは逃げられない。もっと真剣に原発問題に 取組むべきだったと思う。

風評被害で観光地閑古鳥 「死んだ町になっちゃう」 07/22/07(産経新聞)

 新潟県中越沖地震の風評被害が夏本番を迎えている観光地を直撃している。新潟県旅館組合によると、地震以降約2万人が宿泊予約を取り消した。深刻なのは柏崎市から30キロほど離れた長岡市寺泊。関東や長野からも海水浴客が訪れる日本海側有数の海水浴場だが、7月の予約の8~9割がキャンセル。3年前の中越地震から復興した長岡市蓬平温泉でもキャンセルが相次いでいる。柏崎刈羽原発事故の影響を心配する声もあり、風評被害を払拭(ふっしょく)するには時間がかかりそうだ。

 「どうして新潟県中越沖地震なの? 寺泊じゃ棚から物ひとつ落ちてないし、海だって安全なのに…。名前を付けるなら新潟県柏崎沖地震じゃないの」

 こう吐き捨てたのは中央海水浴場の浜茶屋の女性(51)。寺泊にある4つの臨海学校用施設のうち、群馬県の吾妻広域町村圏、伊勢崎市、前橋市が臨海学校の中止を決めた。表向きは長引く余震が理由だが、原発の安全性に保護者が敏感になっている側面もありそうだ。

 この中止で約7000人の宿泊が消える。食事や土産物、水族館見学など地元経済に与える影響は大きい。「被害がなく安全なことを説明していますが、風評が理由の中止なら残念だ」(森山信太郎支所長)

 宿泊施設も深刻だ。海洋深層水を使ったお風呂とカニ食べ放題で人気の「きんぱちの湯」も例年なら8月のお盆まで予約でいっぱいだが、「7月中の予約は9割近くキャンセル。毎日75人のうち60人のキャンセルです。日帰り客も1日400~450人だったのが100人もない」と納屋富雄支配人は話している。

 寺泊町海岸通り魚商組合の海産物店が軒を連ねる「魚のアメ横」も閑散としている。

 「人出は例年の1割。風評被害は中越地震よりひどい。このままじゃ死んだ町になっちゃう」と山田栄三郎組合長も心配顔だ。

 中越地震から立ち直りかけている長岡市蓬平温泉も「和泉屋」「福引屋」「よもやま館」では7月中のキャンセルが700件に達している。和泉屋は県と市からの3億円の制度資金で建物を再建、経営も軌道に乗り始めた直後で、女将の田崎久子さんは「返済も順調でこれからという時期。450件のキャンセルに血の気がうせました」と頭を抱えている。(石田征広)

結果を見れば、後に東電社長もいい経験を することになる!先を読む力があるのだろう!

朝日新聞(2007年7月22日)より

柏崎刈羽原発 東電社長「いい経験」

「多重防護」穴だらけ

原発火災を職員遠巻き、放水わずか1m…柏崎刈羽所長会見 07/21/07(読売新聞)

 新潟県中越沖地震で放射能漏れや変圧器の火災などを起こした東京電力の柏崎刈羽原子力発電所の高橋明男所長は20日、現地で初めて記者会見を開き、地震直後の所内の詳しい状況を明らかにするとともに、現地での情報提供が遅れたことなどについて謝罪した。

 説明によると、3号機の火災現場には、職員ら4人が駆けつけたものの、現場近くにあった消火用配管が壊れていた。このため数十メートルの距離から放水できるはずのホースからは、「1メートルほどしか水が出なかった」という。

 同発電所の川俣晋(すすむ)ユニット所長によれば、身の危険を感じた職員らは、火事の近くで見守るか、安全な場所で監視するか迷った末に退避し、約30メートル離れた建物の陰から「見守るしかなかった」という。

 一方、高橋所長も火災を発生直後に知り、午前11時過ぎには同発電所に到着したが、自衛消防隊の招集については「当直が当然したと思った」。しかし地震の影響で地元消防署との専用電話は使用できず、初期消火の体制、連携などに不手際があったことを認めた。

 地震から5日間近く、会見など現地住民に向けた十分な情報提供をしてこなかったことについては「現場の安全確認などを最優先に、全体の状況を把握していた」などと説明。「おわびしたい」として、今後は毎日、停止している原発の点検状況などを公表する方針を示した。

 一方、想定外の揺れにより、放射性物質を含んだ水やガスが漏れたことについても「漏れた量は法令レベル以下で安全性に問題はない」としながらも、「ご心配をかけた。おわび申し上げたい」と謝罪した。運転再開の見通しについては「(夏場の再開は)非現実的。現在は、そういうことを議論できる状態ではない」と述べ、断層を調べるための海底調査などをふまえて検討するとの見解を示した。

柏崎刈羽原発:04年中越地震でも放射能含んだ水あふれる 07/21/07(毎日新聞)

 東京電力は21日、04年10月に起きた新潟県中越地震時も、柏崎刈羽原発(新潟県柏崎市、刈羽村)の使用済み核燃料プールから、放射能を含んだ水が周囲にあふれたことを明らかにした。あふれたのは7基ある原子炉のうち1号機と6号機を除く5基のプールだが、外部への放出はなかったという。また、東電は同日、核燃料が入っている同原発2~7号機までの原子炉の水の分析からは、燃料の損傷は見られないと発表した。【関東晋慈、高木昭午】

柏崎刈羽原発:水漏れの建物内を初めて公開 07/21/07(毎日新聞)

 新潟県中越沖地震で放射能漏れや変圧器火災を起こした東京電力柏崎刈羽原子力発電所(柏崎市・刈羽村)の建物内が21日、報道陣に初めて公開された。微量の放射能を帯びた水が原子炉建屋から外部に漏れ出た6号機では、水があふれた床がシートで覆われ、汚染された水をためるバケツが置かれていた。1号機の消火系配管付近では、地盤沈下が1.6メートルに達した場所もあった。

 6号機のタービン建屋の周辺も地盤沈下が激しく、東側の車道にはいくつも亀裂が走っていた。自動停止した7号機の中央制御室のディスプレーには各機器の状態が示され、「重故障」「軽故障」などの文字が並ぶ。

 中越沖地震では、火災を起こした3号機の変圧器の他にも、計4基の変圧器で油漏れが起きた。油漏れはいずれも、まだ止まっていないという。

 一方、新潟県と柏崎市、刈羽村は同日、安全協定に基づく立ち入り検査をしたが、東電の放射能の測定法や分析に問題はなかった。県は、放射能漏れの再発防止を徹底するよう東電を指導する方針だ。【関東晋慈、田中泰義】

放射性物質の放出続く 柏崎刈羽原発「人体に影響なし」 07/20/07(朝日新聞)

 新潟県中越沖地震で緊急停止した東京電力柏崎刈羽原発ではトラブルや故障などが19日も、続々と見つかった。排気筒から放射性物質が大気中に出ていた問題では、確認された17日以降も放出が続いていた。地震発生から日がたつにつれ、被害の詳細が次第に明らかになってきた。

 7号機の排気筒からは、17日昼から18日夜までの間も引き続きヨウ素が検出された。大気へ放出された放射能量は約2000万ベクレル。放射線量は合計で1000万分の2ミリシーベルトで、法に定める公衆線量限度の500万分の1。人体や環境に影響はないとしている。

 東電は、タービンの軸を封じる部分から、復水器にたまっていた放射性物質が含まれた空気が排気筒に流れ出たことが原因とみている。原子炉停止で手動で止めるべき機器が動いたままになっていたなど、操作手順の誤りと機器の故障が重なって起きたという。

 原子力運営管理部の鈴木良男部長は「地震発生後も何日にもわたって放出を止められなかったのは遺憾だ。一日も早く止められるよう全力を尽くす」と話している。

 6号機から、使用済み核燃料プールの放射性物質を含む水が海に漏れたのは、原子炉建屋内の電線を通す管を伝って、下の階に流れ出たのが原因だったとわかった。

 1号機の原子炉建屋では消火用配管の損傷による水漏れが止まらず、地下5階に深さ40センチまで水がたまり、機器の損傷が懸念されている。この水は、床にあった放射性物質で汚染されていることもわかった。

 4号機と7号機のプールでは、使用済み核燃料が入った囲いの上に水中で機器類を載せる鉄製の作業台(重さ200キロ)が落ちていたことも判明した。燃料に損傷はなかったが、「結果として大事に至らなくても安全性の検証は必要だ」と経済産業省原子力安全・保安院原子力発電検査課の根井寿規課長は話す。

 さらに東電は、中越沖地震の震源から柏崎刈羽原発までの距離は23キロ、震源の真上にあたる震央からは16キロと訂正した。これまでは14キロ、9キロとしていた。気象庁による震源の変更を反映した結果、距離が延びた。

柏崎刈羽原発:原発持つ全電力、「地震時火災」の体制なし 07/20/07(毎日新聞)

 新潟県中越沖地震により東京電力柏崎刈羽原発(同県柏崎市、刈羽村)で火災が起きたが、原発を持つ国内の電力会社すべて(10社)で、地震に伴って火災が発生した場合の具体的対応を定めていないことが19日、毎日新聞の調査で分かった。東電を含め多くの社は地震と火災で別々にマニュアルを作成していたが、東電は十分な対応ができず、鎮火まで約2時間かかっている。地震による火災発生への準備不足が浮き彫りになった。

 国の指針は、原発火災について、原子力事業者に発生防止や影響軽減措置を求めている。調査では、自衛消防隊の有無▽地震に伴う火災発生時のマニュアルの有無▽地震に伴う火災時の訓練の有無--などを聞いた。

 自衛消防隊は全社が組織していたが、地震に伴う火災への具体的な手順を定めたマニュアルを持つ社はなかった。各社は「地震と火災のマニュアルを関連付けて対応する」(中国電力)、「どんな火災でも自衛消防隊が初期消火にあたる」(日本原電)、「地震と火災が仮に同時に発生しても対応できる体制はある」(東北電力)と答えた。

 しかし、東電の火災では、地震の混乱で消火に参加したのは4人にとどまり、地元の消防署の到着も遅れた。消防署は「出動要請が多く到着が遅れる。到着まで自衛消防隊で対応してほしい」と伝えたという。

 調査によると、各社とも火災発生時に外部の消防隊が来ないケースは想定していない。地震に伴う火災に注目した訓練も、東電福島第2原発以外はしていなかった。

 北海道電力は、地震による原発事故発生を想定した訓練すら未実施だった。「原発は十分な耐震性が確保されていることが前提で、地震による大きなトラブルや事故は発生しないことになっている。そうした訓練は想定しようがない」という。

 東電の火災を受けた対応については、「地震による火災の初期消火態勢の徹底を社員や関連会社に通知した」(九州電力)「(東電の火災の)調査結果を踏まえて対応を検討したい」(関西電力)などと答えた。【まとめ・永山悦子】

水から放射能を検出したが、再度、放射能を検出しないことを祈りながらチェックしたのだろう。 3回目も放射能を検出したのであきらめて報告したと思いたくなる。

「休日のトラブルに対応する当番が4人しかいなかった。」と言う事実は、変わりない。 体制に問題ないと断定して良いだろう。火災発生時のマニュアルもないとテレビで言っていたし、 ほんと原発の安全体制はすばらしい。

柏崎刈羽原発:放射能含む水漏れ報告 発生から4時間後 07/20/07(毎日新聞)

 新潟県中越沖地震で、東京電力柏崎刈羽原発(柏崎市・刈羽村)から放射能を含む水が漏れていたことを国や自治体に報告したのは、最初に放射能を検出してから4時間もたってからだったことが分かった。同原発を19日に現地調査した経済産業省の原子力安全・保安院が発表した。

 調査した加藤重治審議官によると、地震当日の午後0時50分ごろ、運転員が同原発6号機の非管理区域で水たまりを発見。午後3時ごろには、この水から放射能を検出した。ところが、混乱のためどこから採取した水かが分からなくなり、再度サンプルを採取して検査。ところが、再び検出した放射能の単位を間違えたためもう一度水を採取して検査し、最終的に放射能を含むと確定したのは3回目の検査をした午後6時20分。国などへの報告は午後6時52分だった。地震への対応に追われ、放射能の検出に不慣れな運転員が担当したのが原因という。

 加藤審議官は「休日のトラブルに対応する当番が4人しかいなかった。これでは少ないし、連絡体制も悪い。改善すべきだ」と述べた。【根本毅、関東晋慈】

柏崎刈羽原発:地下5階、水漏れ続く 消火用水の配管壊れ 07/20/07(毎日新聞)

 東京電力は20日、柏崎刈羽原発1号機(新潟県柏崎市)の地下5階で、現在も水漏れが続いているとみられることを明らかにした。中越沖地震で消火用水の配管が壊れたためで、深さ約40センチ、量は約1700トンに達している。17日には一度止まっていたが、19日に再びしたたり落ちる程度の水が漏れ出した。

 水からは放射性物質が検出されているが、この床はもともと微量の放射能で汚染されており東電は「床の汚染が水に混じったのではないか」としている。東電は、水が所外に出るおそれはないとして他の復旧作業を優先し、当面はそのまま床にためておくという。【高木昭午】

柏崎刈羽原発:地震計のデータ消失など対応の不備相次ぐ 07/20/07(毎日新聞)

送風機が動いていることを示すランプは故障していたのか?? 地震で故障するような設計のランプやコントロールパネルであるなら、大問題だ。 どの機器が動いているのか、どの機器が停止しているのか確認して回る必要がある。

本当に原発は安全のようだ。

 中越沖地震により損傷を受けた東京電力柏崎刈羽原発では、地震計のデータ消失など同社の対応の不備が相次いだ。

 同社は19日、同原発に設置されていた地震計97台のうち63台で地震の揺れの詳細データが消失したことを明らかにした。古い型でデータ容量が小さく、余震の揺れが本震データを上書きした。安全性確認は可能というが、揺れの強さを模擬計算した結果を実測値で確認できない部分が増えるという。同様のデータ消失は、3月に能登半島地震に見舞われた北陸電力志賀原発でも発生。東電は来年度までに新型地震計にする計画だったという。

 一方、微量の放射性ヨウ素が主排気筒から漏れていた同原発7号機では、放出確認後の18日も続いていた。経済産業省原子力安全・保安院が19日、発表した。原発敷地外での放射線量は、法律上の一般人の被ばく限度の500万分の1以下で健康影響はないという。

 保安院と東電によると、原発運転中にできた放射能を含む気体がタービン内に残っており、これが送風機の働きで排気筒に送られた可能性が高いという。送風機は1~6号機では止まっていたが、7号機は動き続け同社が止めたのは18日午前11時前だったという。【高木昭午】

朝日新聞(2007年7月18日)より

放射性物質大気中へも

東電発表 機器故障・破損50件

原発周辺で起きる地震は過小評価すれば、原発建設コストが抑えられる。 大学教授も国には盾突かないだろうし、権威のある大学教授がお墨付きを与えたら、 誰も文句を言えない。経済産業省原子力安全・保安院が承認すれば、全てOK。

柏崎刈羽原発6号機の使用済み燃料プールに隣接した、放射性物質を扱わない「非管理区域」で水漏れが見つかった ことを考えても、問題があることがわかる。非管理区域に使用済み核燃料プールの水があること自体、 おかしい。テレビで東電の職員がダクトから3秒に1滴ぐらいで水が漏れていると言っていたが、 水が来るのだから、水蒸気や気体も燃料プールから「非管理区域」に入り込むことがあると言う事である。 しかし、「非管理区域」とされ、チェックされない事実はどう考えてもおかしい。

東海村の臨界事故の時もそうだったが、日本ではメディアが放送しなかったが、CNNでは 臨界事故がニュースとして流された。今回も海外のほうが、使用済み核燃料プールの水が漏れたことを 大きく取り上げ、日本は大きく取り上げなかった。もし、大きな被害が出ていたら、メディアは報道して いたのか?

いくら安全に留意するといっても、既に原発は小さい地震を想定して建設されている。 天に祈るか、強運を祈るしかないだろう!

原発直下に断層…「危険性を過小評価」と専門家 燃料棒破損も? 07/18/07(産経新聞)

 新潟県中越沖地震を受け、柏崎刈羽原発の直下に断層がある可能性を認めた東京電力。広報部は「設計時に今回の規模の地震は想定していなかった」と説明するが、専門家からは「国や東電の見立ては甘い」と指摘する声が上がる。東海地震の想定震源域の真上に立つ浜岡原発(静岡県御前崎市)を運転する中部電力は「安全性は確保されている」としている。

 京都大原子炉実験所の今中哲二助教(原子力工学)は「今回の地震で、国の安全審査や(断層は地震の原因にならないとした)東京高裁の判断は、危険性を過小に評価していたことが証明された」と指摘。「耐震設計にできるだけ費用を掛けたくないのが電力会社側の論理。そこに危険性を過小に見積もる余地がある」と話す。

 今中助教は「今回はヨウ素が大気中に放出されており、炉心内部にある燃料棒の破損が想定される。配管のひびや、制御系回りのトラブルが発見される恐れもある」と分析する。

 一方、地震で受けるダメージが国内で最大規模になると想定される中部電力浜岡原発。中部電は国の新しい原発耐震指針に照らし、今年1月に国に報告した安全性評価で「問題となる活断層は発見されなかった」と結論付けた。

 しかし、地元の感情などに配慮し、平成17年12月から自主的に配管の補強や地盤改良などの耐震性向上工事を開始。東海地震の想定地震動を従来の600ガルから1000ガルに引き上げ、中央防災会議が想定する同地震の揺れ(395ガル)の2、3倍の揺れにも耐えられるよう22年度までに全5基で工事を終える予定だ。

柏崎市、刈羽原発の緊急使用停止命令 中越沖地震トラブルで 07/18/07(産経新聞)

 新潟県中越沖地震に伴い、東京電力柏崎刈羽原発で火災や微量の放射能漏れなどが相次いだ問題で、新潟県柏崎市の会田洋市長は18日午前、東京電力の勝俣恒久社長と会い、「放射性物質が放出されるなどトラブルが相次ぎ、消防サイドの現地調査で土壌の隆起や陥没が多くあり、現状のままでは運転再開は難しい」と述べ、消防法に基づく緊急使用停止命令書を東電側に手渡した。勝俣社長は「大変心配とご迷惑をおかけしました」と陳謝した。

 新潟県、柏崎市、刈羽村の地元自治体は、東電側と結んでいる安全協定に基づき、地元同意がないままでは運転再開を認めない方向で協議を進める。

 また、会田市長は同日午前、原子力・安全保安院の加藤重治審議官からも報告を受けた。

 17日に同原発構内を調査した同市消防本部によると、油類が通る配管に変形が確認できたほか、消火設備にも不具合がある可能性が浮上したという。

 同原発をめぐっては、地震発生後、主排気筒からの放射性物質を検出、低レベル放射性廃棄物が入ったドラム缶の転倒なども確認され、トラブル多発に住民の不安も強まっている。同原発は、定期検査中を含め、すべての原子炉を停止している。

中越沖地震:原発停止命令 他の立地自治体に衝撃 07/18/07(毎日新聞)

 東京電力福島第1、2原発を抱える福島県では、佐藤雄平知事が17日、被災地支援の庁内会議で「(東電には)想定外を想定した対応を望む」と発言したばかりだった。

 東電によると、福島第1、2原発では計約460人の自衛消防隊員がいるが、初期消火の訓練しか受けていないという。大規模な火災が発生した際は「地元消防署に頼らざるを得ない」といい、災害時に消防署が手薄になる場合に不安を残している。そのため、佐藤知事は中越地震を受け、万全の防災体制を求めている。

 同原発の地元、双葉町の原子力対策室の職員は18日、「念には念を入れての措置だろう。運転には安全・安心が第一だ」と話した。

 中部電力浜岡原発のある静岡県御前崎市に住む、市民団体「浜岡原発を考える会」代表の伊藤実さん(66)は「停止命令は当然。内部がどうなっているのか明らかにされていないのが怖い。浜岡の場合は地元自治体がだらしないので地震が起こっても停止される可能性は低いだろう」と話した。

 国の地震調査委員会が近い将来99%の確率で発生すると指摘している「宮城県沖地震」。同県臨海部に立地する東北電力女川原発は震度6弱を観測した05年の「8・16宮城地震」で緊急停止し、そのうちの1号機は今月初めに1年11月ぶりにようやく発電再開したばかり。

 「原発は地震に耐えられるのか」との危機感は県民に広がっており、17日の会見で村井嘉浩知事は、柏崎刈羽原発のトラブルに言及。「女川原発ではないようにしたいという意を改めて強くした。国の調査結果を待ち、地震に起因するならば東北電力に対し安全に留意するよう要望していきたい」と述べたばかりだった。

 北陸電力志賀原発2号機を巡る運転差し止め訴訟で、金沢地裁が06年3月に耐震性の不備などを理由に運転差し止めを命じた石川県志賀町(訴訟は名古屋高裁金沢支部で係争中)。今年3月の能登半島地震では、同原発は定期検査中で停止していた。訴訟原告団の多名賀哲也事務局長(64)=石川県羽咋市=は「当然の措置。国の耐震指針の見直しが決まったばかりなのに、さらに見直しが迫られている。この地震列島に原発を建てること自体が無茶だったということで、いくら指針を見直してもどうにもならない」と話した。

 四国電力伊方原発(原子炉3基)がある愛媛県伊方町に隣接する八幡浜市の団体「伊方原発反対八西連絡協議会」メンバーの近藤誠さん(60)=同市=は「1日以上たって放射性物質を含む水漏れが明らかになった。安全審査で想定された以上の大きい地震で、耐震設計の誤りも実証された。伊方町沖にも活断層があり、地震が起きる可能性があり、安全性を保てない。最低限、耐震設計の見直しとやり直しが必要で、最善の方法は原発を停止することだ」と話した。

 関西電力の3基の原発が立地する福井県美浜町在住で、脱原発団体「若狭連帯行動ネットワーク」メンバー、松下照幸さん(59)は「柏崎市長の判断は、今後の原発耐震性の安全規制強化につながるという意味で評価できる」と話した。そのうえで「以前から地震は原発に対する不安の中心だったが、原発周辺で起きる地震は過小評価されてきた。不安が現実のものになり、ようやく多くの人に理解されるようになったのではないか。今回の地震は重要な警告だ」とした。

柏崎刈羽原発、全7基でトラブル50件…地震対策見直しへ 07/18/07(読売新聞)

 新潟県中越沖地震で柏崎刈羽原子力発電所(新潟県)の被災状況を調査している東京電力は17日、建屋と主排気筒をつなぐ排気ダクトがずれるなど、地震の影響とみられる50件のトラブルが全7基で確認されたと発表した。

 7号機の主排気筒では、ヨウ素などの放射性物質が検出された。地震の影響で何らかの機器や設備が破損した可能性がある。地震によって原発でさまざまな異常が確認されたのは初めてで、原発の地震対策の大幅な見直しを迫られそうだ。

 東電は地震後、全原子炉について、主排気筒の排気サンプリング装置の試料を分析。その結果、1~6号機では放射性物質は検出されなかったが、7号機では、放射性のヨウ素、クロム、コバルトが検出された。こうした放射性物質は主に原子炉の冷却水に含まれる。大気中に放出された放射性物質は微量で、保安規定の放出上限の1000分の1程度。東電は「地震との関連も含め、原因は調査中」としている。

 また、1~5号機では、建屋の屋上などを通っている排気ダクトがずれているのが見つかった。ダクトの破損や、それに伴う放射能漏れの可能性については調査中。さらに全7基で、使用済み燃料プールの水が作業用の床にこぼれていることが確認された。

 1、2号機の計5台の変圧器で、固定用ボルトの折損が見つかった。3号機の変圧器火災の原因は不明だが、ほかの変圧器でも火災が起きる可能性があったことになる。1、2号機は、建屋内外の計5か所で消火用水の配管の損傷が確認されており、火災が起きた場合には消火活動に影響があった可能性がある。

 固体廃棄物貯蔵庫では、交換した配管や汚染した手袋などの低レベル放射性廃棄物を納めたドラム缶約100本が転倒し、数本はふたが開いていた。貯蔵庫内の床の汚染状況を調べた結果、17か所のうち1か所で微量の放射能が確認された。ドラム缶は全部で2万2000本あるが、そのうちの相当数の状況が未確認で、今後、転倒数は増える可能性がある。

事故や地震がなければ、リアルタイムで見れるシステムなのだろう。 気休めリアルタイムシステムであるなら仕方がないだろう。

地震が起こったり、事故が発生するとリアルタイムで見られない。いや、見られることが ないシステムなのかもしれない。現場に行って見ないと何が起こっているのか分からない。 不都合なことが起こっても見られることがない便利なシステムかもしれない。

北陸電力の臨界事故隠しの時は、 「臨界を示すモニターの中性子量の異常値を、無視できるノイズとして処理することで口裏を合わせたという。」 このような事が出来るように、災害時(地震も含め)にはリアルタイムのダウンが不可欠。 嘘であっても、本当であっても、リアルタイムシステムがダウンするようになっていれば、 発電所側には便利である。

疑われるようなことはしないほうが良い。システムも簡単に ダウンしないようにする必要がある。

ネット公表装置が故障 柏崎刈羽原発の放射線量 07/17/07(朝日新聞)

 新潟県中越沖地震による揺れによって放射性物質を含む排水が海に流出した東京電力柏崎刈羽原子力発電所で、周辺で測定している放射線量を、インターネットなどでリアルタイムに公表するシステムが地震直後に故障していたことがわかった。県は「周辺住民に不安を与える」として東京電力に公表の早期再開を求める方針だが、復旧のめどはたっていない。

 公表が止まっているのは、同発電所の7基の原子炉の排気筒モニター7カ所、周辺の海水モニター7カ所、大気の放射線量を監視するモニタリングポスト9カ所の計23カ所の測定値。

 東電によると、地震直後、各測定器の情報をまとめるサーバーがダウンし、自社のウェブサイトや県に自動通知するコンピューターが停止。東電のウェブサイトで公表している測定値はすべて「点検中」の表示のままになっている。発電所内のネットワークの異常も解消されておらず、17日午後1時現在、復旧のめどはたっていない。

中越沖地震:東電に「自力消火体制を」と注文…甘利経産相 07/17/07(毎日新聞)

 甘利明経済産業相は17日の会見で、新潟県中越沖地震により東京電力の柏崎刈羽原発(新潟県柏崎市、刈羽村)で火災などが発生した問題について、「(消防車が来なくても、電力会社が)自力で消火できる体制を取ってほしい」と発言、地震時の火災に対する東電の備えの甘さを批判した。

 同原発では、火災発生から消防車の到着まで1時間以上、鎮火まで約2時間かかった。東電の勝俣恒久社長は「現場は、もっと早く消防車が来ると思っていて、(消火の)遅れがあったようだ」と話した。

 これに対し甘利経産相は「認識が甘かったのではないか。(昨日は)煙が出ているのに、消火活動がない映像を見て、燃えるままにしておくのか、大丈夫かと感じた。(大地震では火災が多発し)消防車が出払うことを前提に考えてほしい」と指摘した。

 一方で、地震の揺れ加速度が、経済産業省が認可した原発設計時の地震想定を2.5倍も上回ったことについては「(経済産業省として)知見の限りを尽くして設計を審査した」と釈明した。

 東電など電力各社は、昨年秋に改定された国の新しい原発耐震指針に従って原発の耐震性を再検討中だが、結果が出そろうには2年以上かかる。甘利経産相は「(検討を)急がせる必要を感じている」と話した。【高木昭午】

中越沖地震:放射能含む水の漏えいで釈明…塩崎官房長官 07/17/07(毎日新聞)

 塩崎恭久官房長官は17日午前の記者会見で、新潟県中越沖地震で東京電力柏崎刈羽原発から微量の放射能を含んだ水が海に放出されたことに関連して、自身の16日昼の緊急会見で「放射能漏れは確認されていない」と述べたことについて、「あの時点では確認できていないと言った。会見との齟齬(そご)は特にない」と語った。

 塩崎長官によると、東電が放射能を含んだ水が海に流れ込んだと確認できたのは16日午後8時28分で、経済産業省が事実関係の調査に時間をかけたため、東電の正式発表が夜になった。原子力安全委員会事務局に連絡があったのは17日午前1時ごろだったという。

 一方、高市早苗・内閣府特命担当相は同日の会見で「漏えい報告は非常に遅かった。きっちりと原因究明し、再発防止のプランを早急に報告することが大事」と東電の報告の遅れを批判した。

 また、塩崎長官は今回の地震が耐震設計上想定していた以上の揺れだったことについて「どれだけ想定を超えているのか分析をした上で、新たな知見を得られるならこれを踏まえて対応していかなければならない」と述べ、原発の耐震設計の見直しを視野に徹底した調査をする方針を示した。【西田進一郎】

骨材会社「東洋機工」(福島県広野町)がアルカリ骨材反応試験の結果を改ざんしたケースもあるし、 いろいろとチェックしないとたいへんだ!

柏崎刈羽原発、初期消火わずか4人…自主防災機能せず 07/17/07(読売新聞)

 甘利経済産業相は、17日の閣議後の記者会見で、東京電力柏崎刈羽原子力発電所で、設計時の想定を超える最大680ガルの揺れを記録したことに関連し、「国内の原発の耐震安全性の確認をできるだけ急がせたい」と述べ、昨秋改定された新耐震基準に基づく全55基の再検証作業を速やかに終えたいとの考えを示した。

 2005年8月の東北電力女川原発、今年3月の北陸電力志賀原発に続き、想定を超える揺れを記録したことで国民の不安を早期に解消する必要があると判断した。

 一方、甘利経産相は、これに先立ち、東京電力柏崎刈羽原発での変圧器の火災の鎮火や放射能漏れの確認や国への報告が遅れたことについて東電を厳重注意した。東電によると、報告が遅れたのは、国内の原発で初となる地震と火災の同時被災に、人の確保などが間に合わず、対応が後手に回ったためであるという。

 変圧器火災の発見は、地震直後の16日午前10時15分。しかし、地元消防本部は、市内各所からの救助要請への対応に追われていたため、消防隊が原発に到着し、作業を開始したのは、1時間以上たった同11時33分だった。

 発電所には自主防災組織があるが、初期消火にあたったのは、発見者の職員や作業員ら4人のみ。消防隊到着まで、延焼を防ぐため周辺に放水するにとどまった。同社では「他施設でも被害が出て、指示などが混乱した」と話し、自主防災体制が十分に機能していなかったことを認めた。

 この事態に、甘利経産相は、17日の会見でも「大災害では消防車も救急車も出払ってしまう。原発は自力で消火できる体制をきちんと準備してほしい」と注文を付けた。経済産業省は、既に昨日、東電を含めた各社に自主防災体制の点検と強化を指示した。

 一方、6号機の使用済み燃料プールに隣接した、放射性物質を扱わない「非管理区域」で水漏れが見つかったのは、16日午後0時50分。プールとは厚さ数十センチの壁で区切られており、原理的に漏えいが考えにくいことから確認作業を後回しにした。結果的に、漏えい水が放射能を含んでいることを把握、経産省へ報告したのは発見から6時間後。漏えい水の海への流出の報告は、さらに遅れ、同8時28分になった。

 水漏れの経路について、東電は、「壁の中を通る配管表面を伝わり非管理区域に広がった可能性が高い」と話している。

問題が発覚する黙っておくのが原発。甘利明経済産業相が東電社長を呼びつけているが、 経済産業省原子力安全・保安院は、柏崎刈羽原発の建設や運転許可でチェックを行い、承認 したから問題を指摘されなかったのだろう??想定以上の地震だったとの言い訳はおかしい。 もし同じように間違った推測や仮定に基付いて、他の原発も建設されていたら、 補強や改善工事を要求する必要がある。

経済産業省原子力安全・保安院の柏崎刈羽原発火災の記者発表は情けなかった。 もし、重大な事故が起こっても対応できないと確信させるほどのお粗末さであった。 原発は安全と言われて、信じるのは大間違い。

中越沖地震:原発不安で東電社長呼びつける 甘利経産相 07/17/07(毎日新聞)

 甘利明経済産業相は17日午前0時過ぎに、東電の勝俣恒久社長を経産省に呼び▽同社の消火活動の遅れの原因と対策を早急に報告すること▽地震の加速度が設計時の想定を超えたため安全が確認できるまで原発の運転は再開しないこと--など3点を指示した。

 甘利経産相は「消火活動が遅れ、火災の状況が国民の目にさらされたことで、原発の安全性への不安を増大させた」と話した。勝俣社長は報道陣に対し「全体の消火体制に弱点があった。大変申し訳ない」と話した。【高木昭午、北川仁士】

中越沖地震:微量の放射能漏れ海水中へ 柏崎刈羽原発で 07/16/07(毎日新聞)

 東京電力柏崎刈羽原発(1~7号機、新潟県柏崎市、刈羽村)では、稼働中だった2、3、4、7号機が自動的に緊急停止した。地震発生直後の午前10時15分ごろには、3号機のタービン建屋に隣接した変圧器から火が出ているのを、同社員が発見。約1時間後に駆けつけた消防署が化学消火剤で消したが、約2時間にわたり黒煙を上げ続けた。また、同社は6号機から微量の放射能を含んだ水約1.2トンが、海水中に放出されたと発表した。地震によりこのような事態が起きたのは例がないという。

 同社と経済産業省原子力安全・保安院によると、同原発から中越沖地震の震央までの距離は約9キロ。国内では最も原発の近くで発生した大地震とみられる。

 同社によると、燃えた変圧器は、原発で発電した電気の一部を発電所内で使用するために電圧を下げる機器。出火原因は不明だが、同社は、変圧器内の油が地震の揺れで漏れ、引火した可能性も含めて調査している。

 一方、海水中に放出されたのは6号機の使用済み核燃料プールの水とみられる。地震の影響でプールの水が原子炉建屋内の周囲にあふれ、排水に混じったらしい。放射能の量は約6万ベクレルで、ラドン温泉の温泉水6リットル程度が含む放射能と同程度。法令の基準以下で人体に影響はないという。

 同社は、他の6基でも建屋内のプール周辺での水漏れを確認した。外部への放射能漏れがないか調べているという。【中村牧生、高木昭午】

朝日新聞(2007年7月13日)より

原発工事認可への不服審査

経産省 最長で26年放置

原子力施設に関する異議申し立て、保安院が26年間放置 07/12/07(読売新聞)

 経済産業省原子力安全・保安院が、原子力施設の安全審査や検査結果に不満を持つ地域住民らの異議申し立てを、容認や棄却などの結論を出さないまま、最長26年間にわたり放置していたことが12日、保安院の内部調査で分かった。

 こうした未処理例は、申し立てなど59件のうち、25件に上った。行政不服審査法は、申し立ての処理期間を定めていないが、総務省の調査では、約7割が1年以内に処理されており、保安院の対応が問われる。

 25件のうち19件は、2001年の省庁再編で保安院が発足する前に、旧科学技術庁と旧通産省に出されていたもので、このうち保安院が引き継ぎ、処理を終えたのはわずか1件だった。最も古い放置例は、旧動力炉・核燃料開発事業団(現日本原子力研究開発機構)の再処理施設(茨城県東海村)に関し、1981年に行われた異議申し立て。

 保安院の上田英志企画調整課長は「保安院発足後、東京電力の原子力不祥事や関西電力美浜原発の死傷事故などがあり、処理が遅れた。意図的に放置した訳ではなく、今後、処理を急ぎたい」と説明している。保安院は12日、未処理分2件に関し、申立人を呼び、意見聴取会を開いたが、1件では、申立人が長期間の放置に反発して欠席した。

原子力機構、放射能汚染を放置 5年以上、隠蔽工作か 06/29/07(朝日新聞)

 日本原子力研究開発機構は29日、茨城県東海村にある東海研究開発センター原子力科学研究所の排水施設で、放射能汚染を確認したと発表した。同研究所はこの汚染を01年に確認していたが、5年以上放置。国や県にも報告していなかった。同研究所では26日にも、匿名の告発文書をきっかけに別の汚染が発覚しており、同機構は29日「口外しないでと言われて黙っていた」などと隠蔽(いんぺい)工作があったとも取れるこの文書の内容を公表した。

 同機構によると、これらの汚染で、管理区域設定基準の最高12倍強の放射能が検出されているが、周辺や人体への影響はないとしている。

 今回明らかになった汚染は01年10月に一部の施設の廃止に伴う調査の際に確認されていた。排水施設は非管理区域だが、調査した職員は除染作業などを行わず、法令報告にあたるという認識もなく放置した。

 26日に発覚した問題を受けて、28日夜になって法令報告が必要ではないかと上司に報告。29日に調査したところ、基準の最大12.5倍にあたる放射能が確認された。

 26日の汚染発覚のきっかけとなった文書には「汚染が放置されている。口外しないでほしいと言われた」などと書かれていた。これを受けて同機構が26日に調査したところ「モックアップ建家」東側の共同溝(非管理区域)で、基準の1.5から3倍の汚染を確認。さらに付近の引き込み溝で、06年6月に汚染が確認されていたが、国や県に報告をしていなかったことも明らかになった。

 一連の問題を受け、同機構は7月2日に安全管理担当理事を本部長とする「安全確認調査・対策本部」を設置、同研究所に調査委員会を設け、ほかに同様の事例がないかの確認を進める。

原子力機構の共同溝に昔のウラン汚染、除染作業が不十分 06/26/07(毎日新聞)

 日本原子力研究開発機構は26日、原子力科学研究所(茨城県東海村)の「モックアップ建家」に隣接する共同溝内からウランの放射能汚染が見つかったと発表した。

 汚染レベル自体は極めて低いが、本来汚染のない場所で、25日に機構と茨城県に郵送された匿名の告発で判明した。機構は昨秋まで除染作業を実施していながら、汚染を見逃しており、調査が不十分だった可能性が高い。

 共同溝には蒸気配管などが入っており、引き込み溝で建家とつながっている。建家では以前、使用済み核燃料の再処理の研究が行われており、1961年にウラン溶液の漏えいが発生した際、引き込み溝を通じて、溶液が共同溝にも流れ込んだとみられる。

 当時は汚染拡大の防止策として、汚染した床をモルタルで塗り固めただけだった。しかし、機構が建家を倉庫に転用するため、2005年度からモルタルをはがし、床の除染を進めたところ、引き込み溝に汚染が広がっていたことが分かった。だが、引き込み溝と共同溝の間に雨水を止める堰があることから、共同溝には汚染はないと判断し、調査しなかったという。

 機構は、環境への悪影響は考えにくいと説明する一方、汚染を知らない作業員が、マスクを付けずに共同溝の点検などを行った場合、ウランを吸入し、被ばくした恐れは否定できないと話している。

もんじゅ火災事故:調査担当自殺 「虚偽発表指示ない」 遺族の損賠請求棄却 05/14/07(毎日新聞)

 高速増殖炉「もんじゅ」(福井県敦賀市)で95年12月に起きたナトリウム漏れ事故を巡り、内部調査を担当して自殺した動力炉・核燃料開発事業団(動燃、現・日本原子力研究開発機構)職員の遺族が、同機構に1億4800万円の損害賠償を求めた訴訟で、東京地裁は14日、請求を棄却した。山崎勉裁判長は「動燃側が職員に記者会見で虚偽発表を強いたとは認められない」と述べた。

 原告は、動燃の総務部次長だった西村成生さん(当時49歳)の妻トシ子さん(61)と息子2人。「現場撮影ビデオを隠した動燃の姿勢に批判が相次ぐ中で、幹部が西村さんに対し会見でうその発表を強いたのが自殺の原因」と主張していた。

 判決は、会見前の打ち合わせで調査結果通りに答えることが確認されていたとし、結果と異なる説明をした西村さんの発言は「意図的か何らかの勘違いによるもの」と認定。発言に責任を感じて自殺をほのめかすような言動はうかがわれず、動燃側は自殺を予見できなかったと判断した。

 判決によると、動燃は事故翌日の95年12月9日に現場をビデオで撮影したが公表しなかった。西村さんが担当した内部調査で、同25日には動燃本社内でもこのビデオを保管していたことが判明した。しかし、西村さんは96年1月12日の会見で、判明時期を「1月10日」と説明。翌13日に宿泊先のホテルで飛び降り自殺した。【北村和巳】

 ◇「納得いかない」--妻が会見

 「全然納得がいかない。特命を受けて死んだのだから動燃に責任がないわけがない。(虚偽発表が)夫の勘違いと言うなら、同席した上司はなぜ訂正しなかったのか」。判決後、原告の西村トシ子さん(61)は無念の表情で記者会見し、控訴の意向を明らかにした。

 夫は何を命じられ、どんな仕事をしていたか--。大石博・動燃理事長(当時)に何度手紙を書いても返事がなく、04年に提訴した。遺品には資料の束があった。関係者の証言や調査結果は、夫が会見で話した内容と食い違っており「上司に無断で発表内容を変えるわけがない」と動燃への不信感が募った。

 弁護団は「理事長が会見で、うそを発表したことは判決も認定した。それをかばって成生さんが虚偽発表したのは明らかだ」と判決を批判した。【高倉友彰、北村和巳】

柏崎刈羽原発の配管で微量の放射能含む水漏れ、運転停止に 04/26/07(毎日新聞)

 東京電力は26日、新潟県の柏崎刈羽原発6号機のタービン建屋内の配管で微量の放射能を含む水漏れが見つかったため、6号機の運転を停止して点検を行うと発表した。運転再開のめどは立っていない。

 水漏れが起きたのは、給水ポンプと加熱器をつなぐ排水配管。25日午後に発見された際、建屋内の床には、配管から漏れた水が約4リットルたまっていた。

福島第1原発:5回点検し「異常なし」 作業員が見逃す 04/26/07(毎日新聞)

 福島第1原発5号機(福島県双葉町)で作業員の放射性物質汚染を測る装置に誤設定があった問題で、東京電力は26日、今年3月に発覚するまでの2年3カ月間に子会社の作業員が装置を5回点検したが、ミスを見逃し、点検記録に5回とも「異常なし」と書き込んでいたと発表した。東電は点検がずさんだったことを認め、社員が設定値を直接確認することや、点検に関する子会社への特別監査の実施を決めた。

 測定装置は放射能を含む水をためるタンクの近くに設置されており、装置が警報を発する放射能の濃度が100倍高く設定されていた。

 点検は警報動作試験と呼ばれ、毎年6月と12月に実施する。装置に放射性物質を近づけ、警報が鳴ることを確かめる。

 東電が測定装置に記録されたデータを調べた結果、04年12月~06年12月まで5回の点検で、警報が正しく鳴った記録は1度もなかった。

 このため、設定ミスが起きたのは04年12月の点検時とみられたが、以降の点検記録はみな「異常なし」で、点検した計7人の作業員は全員、点検で警報が鳴ったかについて「記憶があいまい」などと話しているという。

 今年3月に別の点検でミスが発覚するまで、作業員約200人が設定の誤った装置で検査を受けた。東電は「他のデータからみて被ばくはなかったと考えている」としている。【高木昭午】

朝日新聞(2007年4月24日)より

臨界事故隠し30人処分

北陸電力 常務ら辞任、社長は減給

美浜原発事故:関電社員不起訴不当の申し立て検討 04/23/07(毎日新聞)

 11人が死傷した関西電力美浜原発3号機(福井県美浜町)の蒸気噴出事故で、業務上過失致死傷容疑で書類送検された6人のうち、関電旧若狭支社保修グループチーフマネジャー(48)が不起訴になったことに対し、遺族が福井検察審査会に不起訴不当の申し立てをする方向で検討していることが22日、分かった。一部の遺族が明らかにした。

 事故で亡くなった5人の遺族の大半は、関電社員ら5人が罰金刑となり、チーフマネジャーが不起訴となった処分を、「軽すぎる」と不満に思っている。遺族によると、福井県内でこの日、関電幹部と書類送検されていた6人の直接謝罪などについて話し合ったが、関電側は「個人ではなく会社として責任がある」と説明、話し合いは平行線に終わった。

 その後の遺族だけの話し合いで、検察審査会への申し立てを検討することに、異論が出なかったという。

北陸電力の臨界事故隠し、関与の常務が辞任へ…処分発表 04/23/07(読売新聞)

 北陸電力志賀原発1号機(石川県志賀町)の臨界事故隠しで、同社は23日、取締役会を開き、事故隠しを決めた会合に発電所長代理として参加した辻井庄作常務(59)から出されていた辞職願を同日付で了承した。

 当時、社長だった山田圭蔵相談役(78)は5月1日付で非常勤顧問に退く。

 また、関係者の処分(23日付)も決め、新木富士雄会長(70)と永原功社長(58)の減給50%(3か月)をはじめ取締役や執行役員ら23人を減給、事故隠しを決めた会合に出席していた社員5人を厳重注意とした。

 当時の発電所長と原子炉主任技術者は既に退職しているが、責任を取り、転籍先の会社を辞職した。

 富山市の本店で記者会見した永原社長は、社長と会長が辞任しなかったことについて、「新しい北陸電力を作っていくということで経営責任を果たしていきたい」と述べた。

事故隠し発覚の東電・福島第1原発、県が立ち入り調査開始 04/23/07(読売新聞)

 東京電力の福島第1、第2原子力発電所で事故隠しやデータ改ざん発覚が相次いだ問題を受け、福島県は23日、第1原発の立ち入り調査を始めた。

 24日には第2原発にも調査に入る。

 立ち入り調査は東電と締結した安全協定に基づくもので、県や立地4町(大熊、双葉、楢葉、富岡町)の職員のほか、日本原子力研究開発機構の研究主幹や大学教授などの専門家を同行させ、<1>制御棒駆動装置の安全管理や原子炉の起動・停止時の安全確保対策<2>データ処理の手順<3>総点検調査の実施状況――を柱に、再発防止策が適切にとられているか確認する。原発の運営に携わる企業の聞き取り調査も行う。

 第1原発では今年3月、定期検査中に制御棒脱落による臨界事故が隠ぺいされたこと(1978年)が発覚し、第2原発では4月、定期検査中に制御棒駆動装置を無届けで交換し、偽装工作があったこと(88~90年)が判明している。

多くの不正を見つけられないシステムや体制も問題だ。 「不正を見抜けなかった国交省も、抜き打ち検査の導入など検査体制を抜本的に見直すとしている。」 当然の対応だが、効果が出る体制を取らないと、形だけではお金の無駄となるだろう。

959発電所に不正、電力10社を監督処分…国交省 04/20/07(読売新聞)

 全国の水力発電ダムなどでデータ改ざんや違法取水が相次いだ問題で、国土交通省は20日、電力10社に対する処分を公表した。

 1級水系全体の96%に当たる959発電所に何らかの不正が見つかり、全10社に対し法令順守やチェック体制の確立などを求める監督処分を行う。

 また東京電力の小武川第3水力発電所(山梨県)など12発電所で悪質な河川法違反があったとして、使用停止や、第3者による安全点検などを義務づける。

 すでに水利許可の取り消しなどの重い処分が明らかになっている東電・塩原(栃木県)や関西電力・川合(奈良県)など3発電所に加え、安全性を損なう改修工事が無許可で行われていた東電の小武川第3、北陸電力の中宮、市ノ瀬(以上、石川県)、中地山(富山県)の計4発電所について、安全性が確認されるまでの間、使用停止とする。

 また、中国電力の土用ダム(岡山県)など8発電所の8ダムについては、ダムの安全性にかかわるデータ改ざんが長期間行われていたとして、今後10年間、第3者による安全点検を義務づける。

 電力10社に対しては、再発防止策を提出させるのに加え、約束した点検体制や法令順守の取り組みが継続しているか、毎年1回、再点検して報告するよう求める。不正を見抜けなかった国交省も、抜き打ち検査の導入など検査体制を抜本的に見直すとしている。

ようするに、問題があっても、不備を黙っても、結果的に被害がない場合、隠ぺいがベストの対応方法 であると同省原子力安全・保安院が認めているような処分だ。

うそも隠ぺいもお金儲けのためには許される。力や規模が大きければ、守られると言う事を教えてくれる 対応である。ホリエモンは運がなかった。村上ファンドは注目を浴びすぎた。もっと大きくなるまで、 時間をかけて成長するべきだったのであろう。

補助金やその他の財政支援ほしさに原発関連を招き入れる前にリスクを考えるべきだろう。 安全との約束など信用など出来ない。他の場所へ引越しが必要だろう。 違反しても軽い処分ならば、違反したほうが得。みせしめ的な処分を見送るとしても、 今後、違反した会社や関与した者の重い処分を含む法改正をしない以上、今後も、不正や隠ぺいを 見逃すことを考慮しての判断だと思う。

電力会社トラブル「悪質」50件、経産省が改善命令 04/20/07(読売新聞)

 原子力発電所のトラブル隠しやデータ改ざんなど電力会社12社が長年にわたって続けてきた一連の不正問題に対し、経済産業省は20日、臨界事故隠しなど深刻な事例があった北陸電力や東京電力など11社に対し、重大事故が経営責任者にすぐに通報されるように保安規定の改善などを命じる行政処分を発表した。

 原子力発電所に対して、運転停止など厳しい処分は下さなかった。

 経産省は昨年11月、電力各社に一斉調査を指示。先月30日に報告書を受け取って、処分の検討を進めていた。316事案と認定した不正行為の悪質度を4段階に分類。このうち、最も悪質で、原子炉等規制法と電気事業法に抵触する可能性が高く、安全確保に悪影響を与えた不正行為として、原子力11事案、水力21事案、火力18事案の計50事案を認定した。

 原子力11事案の内訳は、北陸電力1事案、東京電力3事案、中国電力2事案、日本原子力発電5事案。北陸電力の1事案は、1999年の志賀原発1号機の臨界事故隠しで、8段階ある国際的な事故評価尺度で、軽い方から3番目の「レベル2」(異常事象)と暫定的に評価した。東京電力の3事案は福島第1原発3号機の臨界事故の隠ぺいや柏崎刈羽原発1号機の緊急炉心冷却装置関連の定期検査の偽装工作などだった。

 処分は、50事案を中心に検討し、原子炉等規制法と電気事業法に基づく行政処分として、東京、北陸、中国、北海道、東北、中部、関西、九州、沖縄の9電力と、日本原子力発電、電源開発の計11社に対し、重大な事故が経営トップにただちに報告されるような体制を確立するよう保安規定などを改めるよう命令した。

 原子力の11事案に該当した東電など4社の7原発9基の原子炉については、定期検査期間を延長するなどして、特別に厳重な検査を行う。国による特別な監督も実施する。

 02年に東電福島第1原発1号機の定期検査の偽装工作が発覚した際には、国は1年間の運転停止を命令した。北陸電力志賀原発1号機の臨界事故隠しは、こうした例と比べても悪質度は高いとみられるが、国は、1号機は行政指導で既に運転が止まっている上、現時点で安全に問題はないとの理由で、運転停止命令は不要と判断した。

電力不正問題:経産省、4社を行政処分 臨界事故隠しなど 04/20/07(毎日新聞)

 電力12社の不正問題で経済産業省は20日、臨界事故隠しのあった北陸電力、東京電力と、原発検査で機器の故障を隠すなどした中国電力、日本原電の4社の7発電所に、原子炉等規制法に基づく発電所の保安規定変更を求める行政処分を発表した。安全確保に対する経営責任者の関与を強める規定の新設を命じ、7発電所9基の原発に、定期検査期間の数週間延長などの特別な検査も実施する。原子力、火力、水力を合わせると、行政処分は11社に達した。

 不正は各分野で316事案、合計で計1万件を超えた。同省は各電力の報告に基づき不正を四つに分類。最も重大な「原子炉等規制法などに抵触し安全が損なわれたか、そのおそれがある」ものとして、北陸電力志賀(しか)原発の臨界事故の隠ぺいなど原子力11事案、火力18事案、水力21事案を挙げた。

 同法違反には、原子炉設置許可取り消しなどの処分が考えられ、東京電力福島第1原発の不正操作(02年)では1年間の運転停止処分が科された。しかし同省は「運転停止などは現在、安全が損なわれている場合に適用する」と説明。今回の報告は過去の問題で法的に適用対象外との立場をとった。「今後の安全確保と再発防止が重要」とし、運転停止などは見送り、原子炉設置者が原発の安全運転のため守るべき事項を定める保安規定の変更命令にとどめた。

 このほか▽法に抵触したが、安全が損なわれなかったか損なわれるおそれがない104事案▽法のうち電力の安定供給に関する観点に抵触し、コンプライアンスで問題があった149事案▽その他13事案と分類した。

 水力、火力発電では10社に、データの適正な記録と保存などを発電所の保安規定に盛り込むことなどを求めた。このうち東京電力小武川第3発電所と北陸電力市ノ瀬発電所に対し、発電用ダムの安全確保に問題があるとして、運転を停止してダムを改修するよう電気事業法に基づき命令する。

 同省原子力安全・保安院の広瀬研吉院長は「必要な対応はとった」と話し、法改正などは考えていないとの見解を示した。【高木昭午】

電力不正問題:行政処分…「国は責任を放棄」地元住民怒り 04/20/07(毎日新聞)

 臨界事故隠し、制御棒脱落、発電機故障隠し……。述べ1万件を超える電力各社の不正に対し、経済産業省は保安規定の変更を命じる行政処分で幕引きをした。「この処分の軽さはおかしい」「行政処分くらいで問題が片づくとは思えない」。原子力発電所を抱える地元住民らからは怒りと反発の声が相次いだ。

 東電の原発10基を抱える福島県で市民運動を行う「脱原発福島ネットワーク」の世話人、佐藤和良いわき市議は「そんないいかげんな処分では、監督官庁としての役目を果たしていない。国民の『安全・安心』を守る責任を国が放棄したに等しい」と厳しい口調で批判した。また、福島第2原発のある地元町役場幹部は「抑止効果という意味でも、もっと厳しい処分にしてほしかった」と話した。また、「一般の民間企業で不祥事があれば、社員やその家族が路頭に迷う。なぜ電力会社だけは特別なのか」と首をかしげた。

 新潟県の柏崎刈羽原発の地元反原発3団体メンバーの武本和幸さん(57)は「行政処分が甘いものになるとは予想していた。検査がごまかされていたことへの何の怒りも感じられず、『国は無能です』と認めているようなもの。原発が何をやっても『やり得』になっており、けじめをつけなければ不信を招くばかりだ」と話した。

 長野栄一・浜岡原発を考える静岡ネットワーク代表(86)は「ありえないことだ。中部電力は内部告発がないだけで、危険性は東電や北陸電と変わらない。現に、ずっっと明らかにされてなかった91年の制御棒落下事故では、運良く臨界しなかっただけ。特に静岡は地震の心配があるのに、この処分の軽さはおかしい」。99年に起きた茨城県東海村のJCO臨界事故以降、原発施設の安全問題について住民監視を続けてきた「茨城県原発を考える会」の中村敏夫会長(74)は「行政処分くらいで問題が片付くとは思えない。原発を推進する立場の経産省から、原子力安全・保安院は独立して規制を行うべきだ」と語った。【坂本昌信、渡辺暢、稲生陽、立上修】

 ◇経産相に疑問集中

 「事故が起きたときに公開する体制をつくることだ」--。電力各社で相次いだ不正に対し、厳しい処分を見送ったことについて、甘利明・経済産業相はこう強調した。しかし、甘い処分に会見では疑問や批判の声が集中した。

 経済産業省は最も悪質な4電力会社の原子力の11事案について保安規定の変更を命じる行政処分を発表したが、原発の運転停止処分などはなかった。

 「国民の目には、不問に付したように見える」「重大事案へのペナルティーはないのか」という記者の質問に、甘利経産相は「何より大事なのは、見せしめにすることではなく、今後、同様のことが起きないよう命令することだ」「電力会社は社会的なペナルティーを受けている」と繰り返した。電気事業法違反の検査妨害に該当したが時効となった事案について問われると表情を厳しくしたが、「極めて遺憾だ。全電力会社に厳重に注意する」と答えるにとどまった。【須田桃子】

電力不正問題:経産省、4社を行政処分 臨界事故隠しなど 04/20/07(毎日新聞)

 電力12社の不正問題で経済産業省は20日、臨界事故隠しのあった北陸電力、東京電力と、原発検査で機器の故障を隠すなどした中国電力、日本原電の4社の7発電所に、原子炉等規制法に基づく発電所の保安規定変更を求める行政処分を発表した。安全確保に対する経営責任者の関与を強める規定の新設を命じ、7発電所9基の原発に、定期検査期間の数週間延長などの特別な検査も実施する。原子力、火力、水力を合わせると、行政処分は11社に達した。

 不正は各分野で316事案、合計で計1万件を超えた。同省は各電力の報告に基づき不正を四つに分類。最も重大な「原子炉等規制法などに抵触し安全が損なわれたか、そのおそれがある」ものとして、北陸電力志賀(しか)原発の臨界事故の隠ぺいなど原子力11事案、火力18事案、水力21事案を挙げた。

 同法違反には、原子炉設置許可取り消しなどの処分が考えられ、東京電力福島第1原発の不正操作(02年)では1年間の運転停止処分が科された。しかし同省は「運転停止などは現在、安全が損なわれている場合に適用する」と説明。今回の報告は過去の問題で法的に適用対象外との立場をとった。「今後の安全確保と再発防止が重要」とし、運転停止などは見送り、原子炉設置者が原発の安全運転のため守るべき事項を定める保安規定の変更命令にとどめた。

 このほか▽法に抵触したが、安全が損なわれなかったか損なわれるおそれがない104事案▽法のうち電力の安定供給に関する観点に抵触し、コンプライアンスで問題があった149事案▽その他13事案と分類した。

 水力、火力発電では10社に、データの適正な記録と保存などを発電所の保安規定に盛り込むことなどを求めた。このうち東京電力小武川第3発電所と北陸電力市ノ瀬発電所に対し、発電用ダムの安全確保に問題があるとして、運転を停止してダムを改修するよう電気事業法に基づき命令する。

 同省原子力安全・保安院の広瀬研吉院長は「必要な対応はとった」と話し、法改正などは考えていないとの見解を示した。【高木昭午】

電力不正問題:解説 対症療法「甘い処分」 04/20/07(毎日新聞)

 臨界事故隠しなど全国の原発で発覚した重大な不祥事に対し、経済産業省が決定した処分は、その重大性や件数からみると「甘い処分」にとどまったといえる。法律に触れない不正や時効になった事案が多かったとはいえ、安全確保や信頼回復につながる有効な改善策となるのかどうか疑問を残した。

 吉岡斉・九州大教授(科学史・科学技術政策)は「政府の原子力推進の方針を考えれば予想された処分内容だ。しかし隠ぺいされていた実態はひどい。志賀原発1号機は設置許可取り消しが妥当。過去の事例と比較しても、他の原発も運転停止にあたる。この程度の処分で不正を根絶することは難しい」と批判する。

 一方、日本原子力技術協会の石川迪夫理事長は「東電原発トラブル隠しが発覚した02年以降は隠ぺいなどの数は激減しており、各電力会社は改心してきている。一見、温かい措置と思われるかもしれないが、電力会社自ら一層の努力をすることを求められたといえ、運転停止処分などより責任は重い」と話す。

 不祥事を報告した12社の多くは、地域でのシェアが9割を超す独占企業だ。原子力資料情報室の西尾漠・共同代表は「今回の不祥事で、各電力会社の安全軽視の姿勢が改めて明らかになった。対症療法を繰り返すのではなく、今度こそ安全の重要性を肝に銘じなければ、国民からの信頼は取り戻せない」と話す。【田中泰義、永山悦子】

六ヶ所村再処理工場で耐震計算ミス、日立エ社11年隠ぺい 04/19/07(読売新聞)

 日本原燃は18日、試運転中の再処理工場(青森県六ヶ所村)で耐震設計の計算ミスがあったと発表した。

 設計を担当したのは、日立製作所の子会社「日立エンジニアリング・アンド・サービス」で、11年前に計算ミスに気付きながら、隠ぺいしていた。

 計算ミスが見つかったのは、使用済み核燃料を収める金属容器の切断装置(高さ約12メートル、重さ約3・5トン)など。設計上想定する大地震が起きた場合、土台部分の強度不足で切断装置が転倒し、使用済み燃料などを傷つける恐れがある。原燃は今後、切断装置の土台部分などを補強する方針だが、11月予定の営業運転開始が遅れる可能性が出てきた。

 日立エ社が1993年に耐震計算を行った際、切断装置の固有振動数などのデータを誤入力したことが原因だった。同社の担当者は、切断装置が実際に据え付けられた96年時点で誤入力に気付いたが、再計算などを十分に行わず放置した。

 日立製作所は、日立エ社からミスの連絡はなかったとしており、隠ぺいの経緯は調査中という。

 計算ミスと隠ぺいは、国の新しい耐震設計審査指針に基づいて安全性の再確認作業を行う中で発覚した。

伊方原発:加熱器でひび割れ 昨年6月点検したばかり 04/16/07(毎日新聞)

 定期点検中の伊方原発1号機(愛媛県伊方町、加圧水型軽水炉、出力56万6000キロワット)で16日、2次冷却水配管に設けた湿分分離加熱器内の蒸気整流板の一部にひび割れがあるのが見つかった。この加熱器では、昨年6月にも蒸気整流板のひび割れが見つかり、部品の交換や点検をしたばかり。放射能漏れなど環境への影響はない。

 四国電力と県によると、湿分分離加熱器は蒸気を通す高圧タービンと低圧タービンの間にある、加熱のため蒸気の水分を取り除く装置で、1、2号機に計8個ある。前回見つかったひび割れは、溶接の方法に問題があったとしていた。

志賀原発:「即発臨界」瞬間的に生じていた可能性が 04/11/07(毎日新聞)

 北陸電力志賀原発1号機(石川県志賀町)の臨界事故で、核分裂反応が急激に進む「即発臨界」という状態が瞬間的に生じていた可能性があることが11日、「日本原子力技術協会」(石川迪夫理事長)の解析で分かった。即発臨界は小規模で、核燃料の損傷や水蒸気爆発など重大事態の恐れはなかったが、通常の原子炉の運転から外れた異常な状態だったという。

 通常運転中の原子炉では、ウラン燃料の核分裂の直後に出る中性子に加え、数秒後に遅れて出る中性子の作用で、核分裂反応が連鎖的に起きる臨界状態になる。これに対し即発臨界は、分裂直後の中性子だけで核反応が急激に進む状態で、制御が難しいとされる。

 志賀原発の臨界事故では、原発のブレーキ役の制御棒が3本同時に抜けた。同協会によると、制御棒が抜けた速度などを厳しく見積もった場合、臨界発生から約6秒後に即発臨界が生じ、出力は瞬間的に約23万キロワット(通常運転時の14%)に達したとの解析結果が出た。

 しかし、炉は急速な出力上昇があると自動的に出力が下がるよう設計されており、即発臨界は約0.3秒間で収まった。その後は出力約4000キロワットの臨界状態が、約15分後に作業員が制御棒を挿入するまで続いた。

 北陸電力も同様の解析をまとめ、先月末に経済産業省原子力安全・保安院に報告していた。

 石川理事長は「即発臨界はチェルノブイリ原発事故でも起きたが、今回は起きたとしてもずっと小規模で燃料損傷などの恐れはなかった」と話している。【高木昭午】

原発不祥事:地元は怒り、あきれ、ため息… 03/30/07(毎日新聞)

 制御棒抜け落ち、データ改ざん、隠ぺい体質……。原子力発電所をめぐる不手際が30日も噴き出した。原発が立地する地元の関係者は電力会社の対応に怒り、あきれ、ため息をつき、ついには信頼をなくした。「まだ何かあるのではないか」「企業倫理があるのか」。そんな疑念と批判の声は電力会社に届くのか--。【坂本昌信、石川貴教、渡辺暢】

 ■福  島

 東京電力原子力・立地本部の藤原万喜夫副本部長らが福島県に調査結果を説明し謝罪した。佐藤雄平知事は「激高するのを抑え切れない」と厳しく東電と国を批判し「(東電がウミを出し切ったというのは)信じられない」と語った。福島第1原発1~4号機が立地する大熊町の志賀秀朗町長は「東電の体質が問われている」と述べた。「02年のトラブル隠し以降は何もなく、これからはマニュアルに沿って安全・安心を追求してほしい」

 ■宮  城

 宮城県庁では東北電力の津幡俊原子力部副部長らが報告した。女川原発では数々のデータ改ざんが放置され、県の担当者は「過去の誤りを現時点まで気づかなかったのは問題」と指摘した。佐藤信俊原子力安全対策室長は「安全性に問題ないという思い込みで、問題を放置してきたのではないか。問題はもうこれ以上ないと言い切ってもらわないと困る」と語った。村井嘉浩知事は「県民の信頼を大きく損ね極めて遺憾。安全確保を最優先に、企業倫理の保持にさらにまい進することを望む」とコメントした。

 ■新  潟

 新潟県柏崎市の会田洋市長は東京電力柏崎刈羽原発の報告を受け「過去のこととはいえ、誠に遺憾で実効性のある再発防止策か十分に吟味したい」とし、同県刈羽村の品田宏夫村長も「企業体質の改善が実感として伝わるよう望む」と語った。

 地元反原発3団体メンバーの武本和幸さん(57)は「志賀原発の問題が出た後で制御棒の話がぽろぽろ出てくるようでは今回の調査結果ですべてとは思えない」と指摘した。「原発の根幹に関わる問題すら隠し続けてきた会社に原発を運転する能力も資格もない」

 泉田裕彦知事は「組織的に隠そうとしたものはないのではないか。ヒューマンエラーだろう。なぜ生じたのか、どうして今日まで公表されなかったのかの検証が必要だ」と語った。

日本原電:格納容器の密閉性試験ごまかす 実は弁に不具合 03/30/07(毎日新聞)

 日本原子力発電(原電)が97年、定期点検中の敦賀原発2号機(福井県敦賀市、加圧水型軽水炉、出力116万キロワット)で、国が実施した原子炉格納容器の密閉性を確かめる試験を不正にすり抜けていたことが分かった。原電はこの事実を30日、経済産業省原子力安全・保安院に報告する。相次ぐ原発のトラブル隠しを受け、国が電力会社に施設の総点検を指示していた。

 格納容器は事故時に外部への放射能漏れを防ぐ重要な役割があり、定期検査で容器内部に圧力をかけて気体の漏れ具合を点検している。

 関係者によると、密閉性試験が行われる前、格納容器内に空気を通す弁の一つに不具合が発生。発電所員が応急措置でふたをして立ち会った国の検査官をごまかし、合格した。その後、運転再開前に所員が正常な弁に交換したという。

 密閉性試験を巡っては、東京電力福島第1原発1号機の定期検査で不正が行われたことが02年に発覚。経済産業省は同年11月から1年間、同1号機を停止するよう命じている。原電が02年11月に国に提出した過去のトラブルの自主点検結果には、今回の不正は含まれていなかった。

臨界事故隠し:東京、北陸電力が経営陣処分へ 03/29/07(毎日新聞)

 東京電力は29日、78年に福島第1原発3号機で発生した臨界事故と見られるトラブルを隠していた問題や一連のデータ改ざんに関する経営責任を明確にするため、勝俣恒久社長ら経営陣の報酬をカットする方針を固めた。30日に過去のトラブルの総点検結果を経済産業省に報告した上で、記者会見を開いて表明する。

 全国の電力会社10社に電源開発と日本原子力発電を加えた計12社が、30日に経産省への報告を予定しており、東電と同様に原発の臨界事故を隠していた北陸電力なども経営責任を明確にするため社長らの処分を決め、内容を公表すると見られる。【斉藤信宏】

東京電力社長ら減給へ、原発制御棒脱落で責任を明確化 03/30/07(読売新聞)

 東京電力は29日、原子力発電所の臨界事故を引き起こした可能性が高い制御棒の脱落や、データ改ざんなどの経営責任を明確にするため、勝俣恒久社長ら経営陣の報酬を削減する方針を固めた。

 発電施設のトラブルの総点検結果を経済産業省に報告する30日に発表する見通しだ。

 東電では国内初の臨界事故につながったと見られる福島第1原発の制御棒脱落事故、福島第2原発と柏崎刈羽原発の緊急停止隠ぺいなどが相次いで発覚した。いずれも、現在の経営陣が就任する前の事例だが、原発周辺の自治体や住民との信頼回復を図るには、現経営陣の責任を明確にする必要があると判断した。

「北陸電力本店は当初から認識」たぶんそうだと思った。 うそつきは電力会社幹部の始まり。電力会社幹部は嘘つきの集まり。

保安院が関係者及び関与した者達に対して、懲戒的な処分を行わなければ、 たぶん、どこかの電力会社で同じ事は繰り返されるだろう。結果は、違うだろうが 動機は同じとなるだろう。

臨界事故隠し:北陸電力本店は当初から認識 03/29/07(毎日新聞)

 北陸電力(本店・富山市)の志賀(しか)原発1号機(石川県志賀町)の臨界事故隠しで、99年6月から、本店の原子力部門の幹部が事故を認識していたことが28日、分かった。北陸電はこれまで「隠ぺいは(当時の原発)所長の判断。本店や当時の経営陣は知らなかった」としていた。

 関係者によると、99年6月18日未明の事故直後、原発内の事務棟2階にある「緊急時対策室」で、所長や所長代理(現役員)ら約10人が事故について協議し、隠ぺいを決めた。直後に所長らが本店原子力部門幹部にテレビ会議で、ホワイトボードなどを使って、数十分にわたり、制御棒が抜けた状況など事故について説明したという。

 同社が隠ぺい問題発覚後、設置した社内の調査委員会の聞き取りに対し、複数の当時の関係者が証言し、この幹部も認めているという。

 北陸電は30日、本店の関与を含めた事故原因の詳細を、経済産業省原子力安全・保安院に報告する。臨界事故隠しは、原子炉等規制法の国への報告義務違反のほか、同法に基づく保安規定に違反する疑いがある。報告義務違反は時効の3年が過ぎているが、保安規定違反には時効がない。違反が明確になれば、原子炉の運転停止を含めた行政処分が可能となる。保安院は、北陸電の調査報告を受け、処分を検討する。【近藤大介、八田浩輔】

志賀原発臨界隠し、本店幹部に発生直後に「事故」報告 03/29/07(毎日新聞)

 北陸電力志賀原発1号機(石川県志賀町)の臨界事故隠しで、1999年6月の事故直後に、テレビ会議システムで、原発から本店(富山市)の原子力部門の幹部に「事故があった」とする報告が上がっていたことが29日、わかった。

 同社は、事故発生直後に原発の所長、所長代理らによる緊急会合で隠ぺいすることが決められ、本店へ報告されることはなかったと一貫して説明してきたが、本店側でも、臨界事故を知る可能性があったことになる。

 同社は、臨界事故隠しが発覚した翌日の、今月16日から、事故調査対策委員会を設置して、社内調査を進めていた。この中で本店の原子力部門幹部の一人が、「事故があったという報告を受けた」と話した。ただし、同幹部は「臨界事故であるとは聞かされなかったので、そういう認識はなかった」としている。

「『所長に反論できず』複数職員が証言」が真実であれば、所長は刑務所行きが良い。 安全に責任を持つ人格が備わっていないのだろう。どこの大学を卒業したのか知らないが、 モラルや責任感が欠如している。今後の同じ事を繰り返す責任者が出ることを防ぐ目的で、 刑務所暮らしをさせるべきだ。

北電臨界隠し:「所長に反論できず」複数職員が証言 03/29/07(毎日新聞)

 北陸電力志賀(しか)原発1号機(石川県志賀町)の臨界事故隠しで、事故直後の会議で隠ぺいを決め、本店幹部に事故を報告するまでの様子が、参加した当時の職員の証言や同社調査委員会の聞き取りなどで明らかになった。「公表はしない」という当時の所長の決断に対し、複数の職員が「これでいいのかと疑念はあったが、異論を唱えられなかった」と証言した。異論なく隠ぺいが決まった社内体質の実態が浮かんだ。臨界を示すモニターの中性子量の異常値を、無視できるノイズとして処理することで口裏を合わせたという。

 職員らによると、会議は99年6月18日未明の事故直後、原発内の事務棟2階にある「緊急時対策室」で、所長や所長代理(現役員)ら約10人が参加。事故の4日前、非常用ディーゼル発電機の部品にひびが見つかっていたため、会議は初めから「今回は公表できない」という雰囲気があった。二重のミスが重なったことで対応に追われる職員が出入りし、あわただしい中で進んだという。

 事故時のモニターに示されていた、核分裂を示す中性子量の異常値については、中性子でなく、点検時に計測されることがある「ノイズ」を拾ったことにしようと確認。モニターに「点検」と手書きで加えて改ざんすることが決まった。

 この決定後、事故があった時間帯の原子炉運転状況などを記録したデータ原本の破棄や、当日の当直長が作成する「引継日誌」上で事故が隠され、所長は会議直後、本店原子力部門幹部にテレビ会議で事故の状況を報告した。

 北陸電の原子炉等規制法に基づく保安規定によると、原子炉で異常事態が発生した場合、所長には国や本店側などへの通報経路の承認や、対外的な事案概要の報告など多くの職務権限が集中している。【柳沢和寿、近藤大介、八田浩輔】

「記録紙の数値は、半月に1度、原子炉主任技術者の資格を持ち、原発の保安監督を 担当する次長がチェックする決まりになっていた。だが、次長は事故後、所長や 所長代理(現常務)らとともに緊急招集され、事故の隠蔽を申し合わせたとされる。」

所長代理(現常務)の責任は重いぞ!!

臨界示す値に「点検」 志賀原発、事故隠蔽か 03/25/07(朝日新聞)

 北陸電力による志賀原発1号機(石川県志賀町)の臨界事故隠しで、事故当時、原子炉内の中性子量を調べる計測器の記録紙に、同一人物の筆跡で6カ所に「点検」と書き込まれていたことが分かった。記録紙には、臨界状態に達していた15分間、中性子量が突出し、計測器が振り切れた異常を示す直線が残っていた。計測器の点検時にも同様の記録を残すことがあり、同社は、所長らが事故を隠蔽(いんぺい)するために、点検だったように見せかけていたとみている。

 同社などによると、臨界状態となった99年6月18日午前2時18分から15分間、原子炉内の中性子の状態が、測定の位置や感度が異なる少なくとも5種類の記録紙に打ち出されていた。これらの記録紙には、計測器が振り切れたことを示す直線の上下に、手書きで「点検」の文字が計6カ所書き込まれていた。文字の特徴から同一人物が書いたとみられるという。記録紙は、いずれも巻き取り式で保存期間は10年とされる。

 記録紙の数値は、半月に1度、原子炉主任技術者の資格を持ち、原発の保安監督を担当する次長がチェックする決まりになっていた。だが、次長は事故後、所長や所長代理(現常務)らとともに緊急招集され、事故の隠蔽を申し合わせたとされる。

 同社は02~03年にかけて実施した社内調査で保存されていた過去の原発の記録類なども調べたが、隠蔽を見抜けず、「不正なし」と結論づけていた。「点検」と書き込まれた時期と、書き込んだ人物についてははっきりしておらず、同社が当時の関係者から事情を聴いている。

中電・碧南火力発電所で作業員3人が被曝、配管撮影で 03/25/07(毎日新聞)

 中部電力は25日、碧南火力発電所2号機(愛知県碧南市)のボイラー建屋内で、23日に定期検査のため配管を放射線撮影していた非破壊検査会社「シーエックスアール」(本社・広島県呉市)の作業員3人が被曝(ひばく)した、と発表した。

 被曝線量は最高で38・6ミリ・シーベルト(暫定値)で、放射線業務従事者の年間被曝量の限度(50ミリ・シーベルト)を下回り、放射線障害の恐れなどはないという。

 中電によると、23日午後10時ごろ、ボイラー内部の伝熱管の溶接部分に傷がないか確認するため、作業員がガンマ線を出す放射線源を遠隔操作する方法で管内を撮影していたが、撮影終了後に放射線源を収納容器に収納できず、被曝した。

朝日新聞(2007年3月25日)より

志賀原発臨界事故 記録紙6ヵ所に隠ぺい工作

計測器の点検装う

「主任技術者には、原子炉等規制法で『誠実な職務遂行』が義務付けられている。 また同法に基づく北陸電の保安規定で定めた職務には、異常発生時の原因調査や日誌や 点検報告書の確認などが挙げられている。」

綺麗だけでは問題は解決しない。「同原発の安全管理を監督していた『原子炉主任技術者』の次長が、 事故直後の隠ぺい会議に参加していたことが分かった。」 罰則がなければ、会社が有利になるように動く。記録の改ざんや隠蔽の容認をして会社に 感謝され特別の扱いを受けることは悪くない。見逃しても処罰がなければ、見逃したほうが得。

これまでの電力会社の体質や姿勢を見てくれば良くわかること。安全よりも、利益。つまり、「金」。 国や原子力安全・保安院は、今後の不正を本当に防止したいのであれば、重い処罰を定める必要が ある。多くの住民に被害が出ていないから良いが、被害が出てからでは遅い。人災は防げる。 全ては国と原子力安全・保安院の考え方次第だ!!!!

志賀原発臨界:直後の隠ぺい会議に安全監督者も参加 03/22/07(毎日新聞)

 北陸電力志賀(しか)原発1号機(石川県志賀町)の臨界事故隠しで、当時、同原発の安全管理を監督していた「原子炉主任技術者」の次長が、事故直後の隠ぺい会議に参加していたことが分かった。次長は事故がなかったとの内容になっている「引継日誌」の決裁欄に押印していたことも判明。「安全運営における司法的な役割」を担う責任者が隠ぺいにかかわっていた可能性が高まり、原子力安全・保安院は「事実なら、法令に照らした処分も検討しなければならない」としている。

 北陸電や関係者によると、隠ぺい会議は、事故直後の99年6月18日未明に事務棟2階の「緊急時対策室」で開催。当時の所長や所長代理(現・役員)らとともに次長が参加。所長が主導した隠ぺい工作を事実上承認したとみられる。また、同日午前8時半ごろ作成された事故当直時間帯の引継日誌には、主任技術者の確認印があった。

 主任技術者制度は1957年に創設。国家試験などで資格免状が交付される。主任技術者には、原子炉等規制法で「誠実な職務遂行」が義務付けられている。また同法に基づく北陸電の保安規定で定めた職務には、異常発生時の原因調査や日誌や点検報告書の確認などが挙げられている。【近藤大介】

調査を進めても、当時のことについて覚えているものがいない、書類を破棄している等の理由になるのだろう。 電力会社も、保安院の能力も信用できない。原発の近くに住まない、これが自己防衛手段だろう。

東電・福島第1原発でも29年前に臨界事故か 03/23/07(読売新聞)

 東京電力は22日、福島第1原子力発電所3号機(福島県)で1978年の定期検査中に臨界事故が起きていた可能性が非常に高いと発表した。

 停止中の原子炉から、出力を抑える制御棒137本のうち5本が脱落した。臨界は最長7時間半も続いたとみられている。

 国には報告しておらず、法令違反だった疑いがある。本店への報告の有無は不明だが、運転日誌に記録はなく、隠ぺいした可能性が高い。国内初の臨界事故だったとみられる。

 この後にも、5号機で79年に、2号機で80年に制御棒1本が脱落するトラブルが起きていたことが判明。福島第2原発3号機と柏崎刈羽原発1号機と合わせ、東電の制御棒脱落トラブルは計5件となった。いずれも北陸電力志賀原発1号機の臨界事故を受けた社内調査で判明した。

 3号機の臨界事故があったとされるのは78年11月2日。原子炉圧力容器の耐圧試験の準備中に、制御棒5本が30~90センチ落下した。4本は隣り合っていた。ほかのトラブル同様、制御棒駆動用の水圧調整弁の操作を誤ったらしい。

 午前3時ごろから中性子が増加し、制御棒を再挿入したのは午前10時半ごろだった。臨界時の出力は運転時の0・01%程度だったとみられる。圧力容器の上ぶたは閉じていたが、格納容器のふたは開いていたと推定される。外部への放射能漏れはなかった。

 東電の小森明生・原子力運営管理部長は「当時の資料が十分に残されておらず、断定はできないが、臨界というレベルだったと考えている」と話している。

福島第1原発:78年に臨界事故か 東電は国に報告せず 03/22/07(毎日新聞)

 東京電力は22日、78年に、定期検査で停止していた福島第1原発3号機(福島県大熊町、沸騰水型、出力78万4000キロワット)で、臨界事故が生じていたとみられると発表した。臨界は最大7時間半続いたとみられ、判明している中では日本初の臨界事故だったことになる。

 停止中の原子炉から、炉のブレーキである制御棒5本が抜けて臨界に達していたと考えられる証言やメモが、元発電所員や、原子炉メーカーの東芝などから得られた。東電は事故を国に報告していなかったが、当時、法律上の報告義務があったかについては、経済産業省も文部科学省も分からないという。

 同原発ではさらに、79年2月12日に5号機、80年9月10日に2号機で、いずれも定期検査で停止中に制御棒1本が抜け落ちていた。原因は3件とも、北陸電力志賀原発1号機の臨界事故などと同様で、開けるべき弁をしめたまま作業していたためとみられるという。

 東電の調査結果を総合すると、78年11月2日午前3時ごろ、137本あってすべて完全に炉に挿入されていた制御棒(長さ3・6メートル)のうち5本が、全長の12分の1から4分の1にわたって抜け落ちた。発電所は当時、各制御棒の駆動装置の弁を閉める作業をしていた。この際に、事前に開くべき別の弁(逃し弁)を閉じたまま作業したため、駆動装置が異常作動したと推測されている。

 炉内で核分裂反応が始まり、発生する中性子の量が上昇。東電の車内メモによると、少量の中性子を測るための中性子測定器が測定限界値を記録する状態が、約7時間半にわたって続いていた。午前10時半ごろ、運転員が各制御棒の緊急挿入装置を作動させ5本を元の位置に戻したらしい。

 当時、原子炉の本体(圧力容器)のふたは閉まっていたがその周囲にある格納容器のふたは開いていた。被ばくの有無は調査中だという。【高木昭午】

「誤信号」で口裏合わせ…志賀原発臨界事故隠し 03/22/07(読売新聞)

 北陸電力志賀原発1号機(石川県志賀町)の臨界事故隠しで、当時の原発所長が事故直後「緊急会合」を開き、臨界状態となったことを示すモニター記録について、「これは誤信号だった」と結論付け、点検のために故意に異常な信号を流したために記録されたことにすると決め、本店への報告は不要、と指示していたことが21日、関係者らの証言でわかった。

 会合には、所長代理ら原発幹部が同席したが、異論を唱える者はなく、隠ぺいの最初の意思統一がされたとみられる。

 所長は北陸電力の調査に「記憶にない」などと答えている。

 関係者らによると、会合は1999年6月18日午前2時33分に原子炉の臨界状態が収束した直後、事務棟2階の緊急時対策室で開かれた。室内には富山市の本店に会議映像を流すテレビカメラがあったが、スイッチは入れられなかった。

 機器を点検するため、意図的に「誤信号」を流すことは実際に行われることから、所長は試験的に「誤信号」を流すことでモニターが臨界状態を示したと口裏合わせをしたとみられる。

 所長は、北陸電力を退職後、現在は地元原子力関連団体の役員に就いている。

 北陸電力の社内調査では、炉内の中性子量が急激に増えた臨界状態を示す折れ線の脇に「点検」と書き込まれ、事故ではないように装った、別のモニターも見つかっている。また、当直の「引継日誌」でも事故は伏せられており、この緊急会合以降、一連の隠ぺい工作が行われたとみられる。

福島第一原発:78年に臨界事故か 東電は国に報告せず 03/23/07(毎日新聞)

 東京電力は22日、福島第一原発3号機(福島県大熊町)で78年、臨界事故が生じていた可能性が高いと発表した。同年11月2日、定期検査で停止中の原子炉から炉のブレーキである制御棒5本が抜けた。「臨界に達していた」との証言が原子炉メーカーの東芝などから得られ、中性子の測定データにも異常がみられた。

 東電は事故を国に報告していなかったが、当時、法律上の報告義務があったかは不明。

 同原発ではさらに、79年に5号機、80年に2号機から、いずれも定期検査で停止中に制御棒1本が抜け落ちていたという。【高木昭午】

美浜原発事故、社員ら5人の罰金命令のみで決着へ 03/20/07(読売新聞)

 11人が死傷した2004年8月の関西電力美浜原発3号機(福井県美浜町)の配管破損事故で、福井地検は20日、同原発の機械保修課長(45)ら当時の現場担当者5人を「50万~30万円の罰金が相当」との意見を付け、業務上過失致死傷罪で略式起訴、旧若狭支社の保修グループチーフマネジャー(48)を嫌疑不十分で不起訴処分とした。

 5人は略式命令を受け入れる意向で、国内の原発史上最悪の事故の刑事責任は、公判で追及されずに終わる見通しになった。

 起訴状などによると、機械保修課長ら関電社員4人は04年7月末~8月初めに、また、グループ会社の旧日本アーム社員(58)は03年11月ごろ、破損した配管が、美浜原発3号機の運転開始以来、28年間未点検だったのに気付き、事故の可能性を予見できたのに適切な処置を取らなかった。

 略式起訴にした理由について、地検は、2次系配管の管理が社内で周知されておらず、「関電の長年のずさんな体制が過失を招いた。個人の責任のみを問うのは公平を欠く」と説明している。

 チーフマネジャーの処分については、破損の危険が迫っている配管があるといった具体的な報告を受けておらず、「過失があるとは認めがたい」とした。

保安院も問題が大きくならないと原子炉等規制法を改正しない怠慢は問題だ! 義務がないから報告しない態度を電力会社が取ることを前提に制御棒抜け落ちだけでなく、 その他の項目についても見直しをするべきだ。そして、違反した場合、罰則も明確に 定めるべきである!!

原発事故隠し:報告義務盛り法改正の方針 甘利経産相 03/20/07(毎日新聞)

 北陸電力志賀(しか)原発の臨界事故隠しに続き、東北電力女川原発、中部電力浜岡原発で制御棒の抜け落ちが発覚した問題で、甘利明経済産業相は20日、制御棒抜け落ちなどの問題に報告義務を課すよう原子炉等規制法を改正する方針を示した。

 女川、浜岡両原発の制御棒抜け落ちは臨界に至らず、原子炉の緊急停止もなかったため、同法上、国への報告義務はなかった。しかし「臨界事故になる可能性も否定できなかった」(中部電力)という重大な問題だった。

 これに対し甘利経産相は会見で「(事故などの)情報を共有することが重要で、報告義務の対象を広げることが必要ではないかと思っている。事故につながりかねない情報については、今の報告対象を検証し、必要なものを追加したい」と発言した。【高木昭午】

東電福島第2、柏崎刈羽原発でも制御棒の脱落トラブル 03/20/07(読売新聞)

 東京電力の福島第2原子力発電所3号機(福島県)と柏崎刈羽原発1号機(新潟県)でも、定期検査中に制御棒の脱落トラブルが起きていたことが20日、分かった。

 トラブルが起きたのは福島第2が93年6月で、柏崎刈羽が2000年4月。格納容器の密閉度の試験のために制御棒を挿入状態で固定しようとしたところ、制御棒を動かす水圧の調整弁の操作を誤り、それぞれ制御棒185本のうち、2本が落下した。

 いずれも臨界には至らず、緊急停止の必要はなかったが、緊急停止に不可欠な加圧装置の準備が不十分で、緊急停止できる状態ではなかった。圧力容器の上ぶたは閉じていた。発電所内では原因を究明し、再発防止策を周知したが、国には報告していなかった。

3原発の制御棒脱落、防止装置が機能せず…構造に問題 03/18/07(読売新聞)

 1999年に北陸電力志賀原子力発電所で臨界事故が起きる前に、東北電力女川原発と中部電力浜岡原発で制御棒の脱落トラブルが起きていた問題で、いずれも制御棒の落下防止装置が機能しなかったことが19日わかった。

 3基は同じ沸騰水型原子炉で、構造に共通の問題がある疑いが強い。

 制御棒が抜けたのは、いずれも制御棒を駆動する水圧の調整弁を開閉操作していた時だった。操作した調整弁は同一で、制御棒を炉心に挿入したまま固定するか、逆に固定状態から可動状態に戻すことが目的だった。しかし、開閉する弁の順番を誤ったため異常な水圧が制御棒の引き抜き方向にかかった。

 制御棒には落下を防ぐため、ツメが溝にはまるような形の落下防止装置が駆動部分にある。ツメは引き抜き方向の水圧を利用して外す構造となっているが、通常は制御棒の自重がかかっており、制御棒を持ち上げる操作を加えないと外せない。しかし、高い水圧がかかったことで、制御棒を持ち上げる操作はなかったにもかかわらず、ツメは強制的に外れたとみられる。

 国内には沸騰水型炉が32基ある。うち4基は改良型炉で制御棒が脱落しない機構になっているが、問題の3基と同構造の炉が25基ある。経済産業省原子力安全・保安院は「設計上の問題とは考えていない」としているが、19日、同型炉を持つ各電力に対し、水圧調整弁の操作手順を確実に守るよう改めて指示した。

         ◇

 東北電力は19日、定期検査中で核燃料が取り出された状態だった女川原発3号機で2003年3月19日、水圧調整弁の操作を誤り、抜けた状態だった制御棒137本のうち5本が突然、炉心に挿入されるトラブルも起きていたと発表した。

北陸電力だけの問題でないと思っていたが、やはりだ! 日本の原発が安全でないことだけは理解できた!もし、近くに原発建設計画があったら猛反対、 それでも、多くの賛成者のため原発建設が決まったら、引越しをする! 信用できない原発!これが現実!!!!!

浜岡・女川でも制御棒脱落 沸騰水型、臨界には至らず 03/19/07(朝日新聞)

 中部電力の浜岡原発3号機(静岡県、沸騰水型炉、出力110万キロワット)で、91年の定期検査中に制御棒3本が想定外に抜けていたことがわかった。抜けた制御棒の位置がそれぞれ離れており臨界にはならなかったが、同じ沸騰水型炉の北陸電力志賀原発1号機で99年6月に起きた臨界事故が明るみに出たのを受けて、中部電力が19日公表した。また、88年7月には東北電力女川(おながわ)原発1号機(宮城県、沸騰水型炉、出力52.4万キロワット)でも定期検査中に制御棒2本が脱落していたこともわかった。志賀、浜岡、女川のいずれも沸騰水型炉であり、相次ぐ制御棒の脱落に同型の原子炉の信頼性が問われる事態に発展しそうだ。

 経済産業省原子力安全・保安院は「国への報告義務はなく、隠蔽(いんぺい)にもあたらない」としているが、両社とも外部には公表せず、トラブル情報が電力業界で共有されていなかった。

 中部電力によると、定期検査中の91年5月31日、原子炉の状態を中央制御室に知らせるための信号の確認試験を終え、制御棒駆動装置に水が流れるように配管の弁を開ける作業をしていた。制御棒は全部で185本あり、最初の3本の制御棒の弁を開けたという。

 ところが、その後、操作していないのに、本来動くはずのない制御棒(全長3.6メートル)がそれぞれ全部、3分の1、8分の1抜けたという。トラブルは1時間ほど続いた。ただ、抜けた制御棒3本のうち1本が離れた位置にあり、臨界状態にはならなかったという。

 この作業中、原子炉本体と格納容器のふたは開いており、志賀原発の臨界事故と似た状況にあったという。

 抜けた原因について、中部電力は「途中の別の弁に水漏れがあり、制御棒を引き抜く側に水圧がかかったのが原因ではないか」としている。

 女川原発1号機では、88年7月9日、定期検査をほぼ終えて制御棒が水圧で動くように配管の弁を開ける作業をしていたところ、制御棒89本のうち2本がそれぞれ24分の1、8分の3抜けた。制御棒の位置が離れていたので臨界状態にはならなかった。

 東北電力では、事故の原因について、制御棒に水圧がかからないようにしようと、水を逃がす弁を閉めたままで作業したために、制御棒が下がる方向に圧力がかかり、脱落したとみている。トラブル時、原子炉本体と格納容器のふたは閉まっていた。

 「弁は開けるようにと作業手順書には書かれており、作業員のミスが原因だろう」と話している。

 東北電力も事故の情報について外部には公表していなかった。

 一方、保安院は19日、臨界事故隠しをしていた志賀原発の緊急調査に入った。

志賀原発、計器設置ミス見逃し運転 昨夏の定期検査 03/19/07(朝日新聞)

 臨界事故隠しを起こした北陸電力志賀原発1号機(石川県志賀町、沸騰水型炉、出力54万キロワット)が、昨年6月の定期検査で原子炉内の中性子計測器の配線を間違って取り付けたまま、一時的な故障と判断して運転再開していたことがわかった。経済産業省原子力安全・保安院は、北陸電力の運転管理体制や安全上の認識に問題があるとみて厳しく調査する方針。

 設置ミスは、この定検中に原子炉内に80個ある中性子計測器のうち2個を交換した際、ケーブルを逆に接続してしまっていた。

 北陸電力は06年6月、定検の最終段階として原子炉を調整運転中、計測器が適切に作動しないことに気づいたが、当時、十分に確認しないで一時的な「故障」と判断し、そのまま運転を再開した。ところが06年11月、たまたま別のトラブルで停止したため、詳細に調べてみたところ、配線接続の設置ミスに気がついたという。

 保安院は、北陸電力の保安規定における「原子力安全の重視」「不適合管理」「是正措置」などの定めから著しく逸脱している恐れがあるとし、07年2月、北電に対して原因究明と再発防止策を3月15日までに求める指示文書を出していた。

志賀原発臨界事故:保安院長が視察 事故隠し厳しく批判 03/18/07(毎日新聞)

 北陸電力志賀(しか)原発1号機の臨界事故とその事故隠しを受け、経済産業省原子力安全・保安院の広瀬研吉院長が18日、石川県庁を訪問し、志賀原発も視察した。谷本正憲知事との懇談で、広瀬院長は保安院自体も再発防止策をまとめる考えを明らかにした。保安院は19日から8人態勢で、同原発の特別検査を行う。

 広瀬院長は谷本知事に「臨界事故そのものも大変だが、その後の北陸電の対応を非常に重大に受け止めている」と話し、事故隠しを厳しく批判した。同社の原因究明と再発防止策策定、特別検査の結果などを踏まえて、保安院自体も再発防止策をまとめるという。

 志賀原発では、永原功社長から事故概要の説明を受け、1号機の中央制御室などを視察。事故を見逃した国の検査のあり方についても「これから調査していきたい」と述べた。【池内敬芳】

北陸電力は今後、原発使用禁止!所長は厳しい処分を!刑務所行きでも良い! 覚えていないと言えば、逃げれると思う態度は許せない!人間として恥じるべきだ。 会社からの圧力であれば、とんでもない会社! 中国電力 社長、隠蔽事件の ように覚えていないと言っているだけかもしれない。 とにかく、日本企業やエンジニアのモラルの低さは驚く!!!!原発は廃止が良い!

志賀原発事故隠し、臨界で警報12回…モニターに記録 03/18/07(読売新聞)

 志賀原発1号機(石川県志賀町)の臨界事故隠しで、臨界状態にあった15分間に原子炉内の複数のセンサーが異常を感知し、計12回にわたって中央制御室に警報音が鳴り響いていたことが17日、わかった。

 当時の原子炉内の状況を示すモニターに記録されていた。原子炉自動停止信号が出ていたことも示されており、当時の緊迫した状況が浮き彫りになった。

 モニターは、当時の関係者が保管していたコピーで、臨界直前の1999年6月18日午前2時11分から、炉内で降下した制御棒3本が再挿入された同33分までの運転状況が記録されていた。

 それによると、午前2時17分27秒に制御棒の降下が始まり、同18分43秒に中央制御室で核分裂の炉内計測器から最初のアラーム(警報)が鳴った。これを含め、約1分間に計6回、警報が作動。さらに、同19分59秒には四つの警報音が同時に鳴り出すなどした。この間、原子炉自動停止信号が出され、中央制御室内にいた作業員らが制御棒の再挿入を試みたとみられるが、必要な調整弁が閉じるなどしていたため、すぐに再挿入できなかった。

 原子力安全委員長の鈴木篤之・東京大名誉教授は「まさにアラームがひっきりなしに鳴っている状況。現場は焦って精神的にも追い詰められ、ベテランでも対処は難しかったはずだ」と指摘する。

 当時のモニターについて、北陸電力は、事故隠しを明らかにした3月15日の記者会見で「記録の写しは出てきたが、内規で保存すべきオリジナルは見つかっていない。なぜなくなったのか分からない」と説明しただけで公表しなかった。

志賀原発、臨界当日の引き継ぎ日誌に「異常」記載なし 03/18/07(読売新聞)

 北陸電力志賀原発1号機の臨界事故で、事故当日の当直が作成した引き継ぎ日誌には、異常を示す記載がなく、交代メンバーにも事故を隠していたことが17日、わかった。

 臨界時の中性子量の記録も、事故ではないように偽装されていた。事故は、当直者の4人ら10人以上が知っており、いずれも口をつぐんでいた。

 「引継日誌」は1999年6月18日午前8時30分に作成された。日誌の存在は、当時の原子力発電所長、次長、発電課長、当直長、当直員3人、メーカーの社員らの計10~15人が知っていたとみられる。日誌は当直長が作成し、発電課長、発電所次長、原子炉主任技術者が閲覧したことを示す押印があった。

 日誌の「運転状況」の項目には、定期点検のために「原子炉停止中」と記入されたが、「定例試験」「作業依頼」「その他」の3項目はすべて「なし」と書かれ、交代社員に異常があったことを伝えなかった。

 この日は制御室でアラームが12回も鳴り響いていたのに、社内では何もなかった静かな夜とされていた。当夜の当直者は、ほかの社員らにも事故のことは一切語らなかったという。

 「引継日誌」は、17日に志賀原発を視察した社民党の福島党首らの求めに応じて公開された。

 ほかに原子炉内の中性子束を記録したモニターも明らかにされた。モニターは折れ線で、想定外の制御棒降下により炉内の中性子束が急激に増えた臨界状態を記録していたが、手書きで折れ線の脇に「点検」と虚偽の内容を記載し、異常事態ではないように装われていた。

志賀原発臨界事故、商業軽水炉では世界初…IAEA 03/18/07(読売新聞)

 原子力施設での臨界事故は過去に世界で60件発生していることが、国際原子力機関(IAEA)などの統計で17日明らかになった。

 大半は核燃料プラントなどで起きており、北陸電力志賀原子力発電所(石川県志賀町)の臨界事故は、商業軽水炉で起きたケースとしては世界で初めてとなる。

 IAEAや米ロスアラモス国立研究所の統計によると、1945年以来、今回のケース以外に米欧露など9か国で60件の臨界事故が発生、計21人が死亡している。大半は核燃料を扱うプラントや実験施設で起き、原子炉での臨界事故は40~60年代に8件あったのみ。これらも、燃料や炉の形式が異なっていたり、重大事故を模擬する目的で作られた実験用の原子炉だった。

 商業炉で起きた類似の例としては、80年代にスウェーデン南部オスカーシャム原発3号機で、発電目的の臨界状態を確認する試験中に、制御棒が機能せず、臨界状態を止めるための緊急停止ができなくなったケースがあるが、この時は別の方法を使って約4分かけて停止できたため、臨界事故にはならなかったという。

 60件の中には、核分裂数がJCO臨界事故(99年9月)の約1000分の1という規模が小さいものも含まれる。志賀原発の臨界事故については、国や北陸電が詳しく調査中だが、たとえ小規模でも、実験を前提としない商業炉で、こうした事故が起きたとなれば、非常に特殊な事例として、海外から情報を求められる可能性も出てきた。当時のデータが失われていれば、その点についても国際的な批判を浴びることになる。

中国新聞(2007年3月18日)より

志賀原発臨界 未経験者が制御棒試験

手順書ミス気付かず

未経験の電気保修課が試験 志賀原発臨界事故 03/17/07(朝日新聞)

 北陸電力志賀原発1号機(石川県志賀町、出力54万キロワット)で99年に起きた臨界事故で、発端となった制御棒駆動装置の試験を通常の担当課とは異なり、経験のない別の課に担当させていたことが17日わかった。また当時、原子炉メーカーの日立製作所関係者が現場にいたこともわかった。北陸電力は、経験のない課に担当させたことが事故発生に関連したのか、事故隠しを判断した当時の発電所長らが日立関係者にも口外しないよう働きかけたのか、についても調査していく。

 北陸電力によると、こうした試験は通常の定期検査では機械保修課が担当する。しかし、事故当時は、緊急時の原子炉停止機能の強化工事で電気系統の改修をしたことから、電気保修課員が担当した。同課員らは機械保修課から引き継ぎは受けていたが、実際に試験を担当したのはこの時が初めてだった。

 正常な動作を確認する試験は、日立製作所が手順書を作成して北陸電力が確認する形で進められる。事故原因として手順書の記載ミスが指摘されているが、手順書のチェックも、この時は電気保修課が担当した。試験中は日立製作所の担当者が立ち会うのが慣例で、事故があった99年6月18日未明も電気保修課員のほか、日立製作所の担当者らがいたという。

 北陸電力は「担当課が別で手順書のミスをチェックできなかったことが事故原因かどうかは断定できない。今後調査していく」としている。日立製作所広報部は「関係者にヒアリングして調査を始めたばかり。現時点で、事実関係は全くわからない」と話している。

国は北陸電力に対して大規模な改革の断行を要請するか、他の電力会社へ原発管理の 譲渡又は、全ての譲渡の要請をするべきだ。

「隠ぺいの背景について、永原社長は原発の現場技術陣と経営陣との関係の難しさをほのめかし、『(原発事業は)一体となって 推進していくべきと考えているが、壁を感じる』とも明かした。」と発言している。 これでは、「二度と起こさないよう責任を持って対応したい」と発言しても、実現できるとは 思えない。

中国電力 社長、隠蔽支持認めるたケ-スの ように忘れたと言っている可能性もある。 徹底的に調査が必要。調査を行わずに、原発の永久停止でも良い!

国は適切な管理や報告が出来ない電力会社に対して原発の廃止を要請すべきだ。 大事故が起きてからでは遅い!!!!!!!!

臨界事故隠し、本店は関与せず…北陸電力社長が会見 03/16/07(読売新聞)

 北陸電力の永原功社長は16日、富山市の本店で記者会見し、臨界事故当日に発電所長や課長らによる「緊急対策会議」が開かれたことを明らかにし、「課長や副課長から『発電所長が(外部に)報告しないと判断した』と聞いている」と説明した。

 ただ、当時の発電所長は2度の聞き取りに「覚えていない」などと記憶があいまいとする一方、当時の本店原子力部長が「報告を受けていない」と回答していることから、本店側の関与はなかったと判断しているとした。

 また、永原社長は自分自身を委員長とする「志賀1号機事故調査対策委員会」を設置し、事実関係の調査、究明にあたることを明らかにした。責任については「当時の発電所長と当時の社長、現在の社長の私にあると思う」とし、当時の発電所長については「厳正に処分したい」とした。

 隠ぺいの背景について、永原社長は原発の現場技術陣と経営陣との関係の難しさをほのめかし、「(原発事業は)一体となって推進していくべきと考えているが、壁を感じる」とも明かした。

 その発言を証明するようにJCO臨界事故について、永原社長が「こっちの事故が報道されていれば、注意喚起となって(JCO事故が)なかった可能性はある」と話したのに対し、記者会見に同席した山崎達広原子力部部長は「まったく異なる事故」と発言した。

 永原社長は16日、石川県庁に谷本正憲知事を訪ね、「深く反省し、おわび申し上げます」と謝罪した。

美浜原発事故、関電社員1人は不起訴の方針 03/16/07(読売新聞)

 11人が死傷した2004年8月の関西電力美浜原発3号機(福井県美浜町)の配管破損事故で、福井地検は、業務上過失致死傷容疑で書類送検された関電旧若狭支社の井戸浦靖雄・保修グループチーフマネジャー(48)(肩書は当時)について、事故の予見は困難だったとして、嫌疑不十分で不起訴とする方針を固めた。

 同容疑で書類送検された同原発の関電社員ら5人は、略式起訴する方向で上級庁と最終協議に入った模様だ。

 調べでは、事故1か月前の04年7月初め、関電大飯原発1号機で、国の基準以下にすり減った2次系配管が見つかり、同支社は全原発に調査を指示。美浜原発では事故の約2週間前に、破損個所を含む未点検の配管が見つかった。しかし、この情報は当時、調査を指揮した井戸浦チーフマネジャーに伝えられず、地検は「事故の回避措置を指示するのは困難だった」と判断したとみられる。

 一方、同原発の関電社員4人とグループ会社の旧日本アーム社員は、事故の前に破損個所が未点検と気付いており、過失責任はあるとみている。しかし、関電は現場の担当者に2次系配管の危険性を周知しておらず、担当者が負う責任は限定的として、公判請求は見送る意向だ。

北陸電力の社長の発言を聞いて納得。誰も見ていなければ、隠蔽や改ざんもOK。 しかも、上に報告していないから責任もない。嘘の報告を現場が勝手に行い、隠蔽する決定を現場が 決定する体質が北陸電力の体質であるなら、即座に管理職の更迭及び、原発だけでなく、他の発電所 の停止が必要だ。全てが信頼できない。北陸電力による調査報告書さえも信頼する根拠がない。現場が 勝手に嘘の報告書を出したと言えば、終わり。社長が、所長や関与した社員の処分や解雇に触れない 事自体、疑問を感じる。中国電力のように、組織的に嘘を言っているのか、社長の能力がかなり低い と思う。

志賀原発臨界事故が簡単に忘れ去られるなら、日本の原発に安全と言う言葉は使えない!!! 「原子炉等規制法に基づく報告義務違反の時効は3年」ならば、処罰に対する法を変えない限り、 安全は考えられない!!

「二度と起こさないよう責任を持って対応したい」との言葉に社長が責任を取るわけではない。 挨拶ていどの発言と、形ばかりの謝罪で全ての隠蔽が許される。日本って、いい国だ。 大きくなった会社の勝ち!

志賀原発臨界事故:1号機の停止と総点検を指示 経産省 03/16/07(毎日新聞)

 北陸電力志賀(しか)原発1号機(石川県志賀町)で99年6月、停止中の原子炉が臨界状態になり、その後緊急停止したことが隠ぺいされていた問題で、経済産業省原子力安全・保安院は15日午後、同社の永原功社長を呼び、1号機の停止と安全総点検を指示した。同社は同日午後6時過ぎに炉の停止作業に入った。炉の停止は16日未明になる見通し。

 茨城県東海村の核燃料加工会社ジェー・シー・オーの臨界事故発生は99年9月で、保安院は、今回が国内初の臨界事故だったとしている。

 臨界事故隠しは、原子炉等規制法の国への報告義務違反のほか、同法に基づく保安規定に違反する疑いがある。報告義務違反は時効の3年が過ぎたが、保安規定違反には時効がない。保安院は、違反には原子炉の運転停止などの行政処分も可能としており、同社から今月30日に文書でさらに詳しい報告を受けた後、実際の処分を決める。

 永原社長は保安院での会見で、隠ぺいの動機を「(未明の事故で)だれも見ていない、発電所内で処理したいというのがあったのではないか」などと説明、「二度と起こさないよう責任を持って対応したい」と話した。

 また、谷本正憲・石川県知事は15日、「従来の事故と様相を異にしているもので、遺憾の極み。なぜ報告がなかったのか。県民の原発への信頼が揺らぎかねない大きな問題だ」と批判した。【高木昭午】

志賀原発1号機、保安院が停止指示 事故隠し「悪質」 03/16/07(朝日新聞)

 北陸電力による志賀原発1号機(石川県志賀町、沸騰水型、出力54万キロワット)の臨界事故隠しで、同社は15日、経緯を経済産業省原子力安全・保安院に報告した。保安院は、国内初の臨界事故を隠したのは極めて悪質と判断し、同機の運転停止を指示した。

 臨界状態の原子炉が制御不能となる事態は、ミスの連鎖で起きた。同社によると同機は当時、定期検査に合わせて原子炉の停止機能を強化。事故があった99年6月18日は、その性能を確かめるため、制御棒の挿入試験を準備していた。

 炉の上ぶたを開け、89本ある制御棒を炉の下から挿入して出力を止め、作業員が制御棒を上下させる駆動装置(水圧式)の弁を次々と閉める作業をしていた。駆動装置の別の場所で漏水があり、その水圧で制御棒3本が自動的に引き抜かれた。核反応が始まり、部分的に臨界状態となった。

 さらに、日立製作所がまとめた試験手順書には誤記があり、漏水を逃がす安全弁が働かない設定になっていたことや、制御弁を閉める順番のミスも続いた。出力は営業運転の際の定格熱出力の1%未満だったという。

 想定外の臨界で警報が鳴ったが、制御棒を緊急挿入する別の安全装置も働かず、中央制御室で警報を知った当直長が、放送で手動操作を指示。約15分後、制御棒は元の状態に戻った。作業員らの被曝(ひばく)はなかったが、発電所長ら幹部が協議して事実を運転日誌にも残さず、国などへも報告しないことを決めた。

 甘利経産相は「憤りすら感じる。今までのデータ改ざんとは質が違う。厳正に対処しなければならない」と述べた。

手順書ミスと誤操作、所長ら隠ぺい決定…臨界事故 03/16/07(読売新聞)

 北陸電力志賀原子力発電所1号機(石川県志賀町)で、定期検査中の1999年6月に起きた臨界事故が隠されていたことが15日明らかになったが、この事故は、原子炉の出力をコントロールする制御棒を動かす水圧調整弁の操作ミスが重なったことが原因だったとわかった。

 弁の開閉操作を示した手順書の記述自体に誤りがあったという。さらに隠ぺい工作には、発電所の所長がかかわっていたことも判明した。経済産業省原子力安全・保安院は同日、安全が確認できるまで1号機の運転を停止するとともに、事実関係を追加調査するよう北陸電力に指示した。

 事故は、1本の制御棒を急速挿入する試験の準備のため、水圧調整弁を閉めて残り88本の制御棒を挿入状態のまま固定する作業中に起きた。日立製作所と北陸電力が作成した試験用の手順書は、今回のような事態に備えて本来開けておくべきだった弁を、間違って閉じるように指示していた。

 さらに、手順書は別の弁を閉める順番を明記しておらず、現場の作業員の判断で閉めた結果、誤った順番になってしまった。こうしたミスが重なったため、制御棒が抜けた上に、再挿入にも手間取った。

 北陸電力は、制御棒の緊急挿入用の加圧タンクがすべて空になっていたことや、炉心を覆う圧力容器と格納容器の上ぶたを外したままで、制御棒の試験準備を進めたことにも問題があったと説明している。

 事故の隠ぺいは、発電所長らが参加した所内会議で決定した。運転日誌などに事故の記録を記載せず、国や地方自治体にも報告しなかった。富山市にある北陸電力の本店にも、報告をあげていなかった。事故の原因も十分解明しないまま、99年7月には原子炉を再起動し、同年8月には営業運転を再開していた。

 こうした行為は、原子炉等規制法の報告義務違反と保安規定違反に該当する可能性が高い。保安院は、今後、改めて同法に基づく運転停止などの処分を検討する。1号機は16日未明に停止する見込み。2号機は発電タービンのトラブルで昨年7月から停止している。

 臨界事故が起きた4日前には、1号機の非常用発電機の部品にひび割れが見つかっていた。

 保安院を訪れた永原功・北陸電力社長は「地元との信頼関係も、今回で地に落ちた。おわびしたい。まずは事態を詳細に調査し、そのうえで原因を究明して、再発防止策を考えたい」と話していた。

北陸電力が志賀原発の臨界事故隠す、制御棒外れ15分 03/15/07(読売新聞)

 北陸電力志賀原子力発電所1号機(石川県志賀町)で、1999年6月18日、定期検査のために停止していた原子炉から突然、出力を制御するため下方から炉心に挿入していた「制御棒」89本のうち3本が外れ、原子炉が再稼働状態に入る事故が起きていたことが、15日わかった。

 原子炉は緊急停止せず、この状態は15分続いたが、北陸電力は当時、十分な原因調査を行わなかったうえ、記録を残さず国にも報告していなかった。経済産業省原子力安全・保安院は、臨界事故にあたるとみており、原子炉等規制法に基づく報告義務違反にあたる可能性を含め事実関係を把握し、安全が確認できるまで1号機の運転を停止するよう15日午後、指示する。

 制御棒が外れたのは、99年6月18日午前2時17分ごろ。制御棒1本の急速挿入試験のため、残り88本を動かす水圧制御弁を閉じる作業を進めていたところ、誤操作で3本が炉心から抜けた。原子炉の制御システムは、核分裂反応が継続する「臨界」に陥ったことを感知し、緊急停止信号を出したが、この3本を再挿入するために必要な加圧用窒素タンクの準備が不十分だったことなどから、ただちには再挿入できなかった。

 結局、弁の操作などで3本が炉心に入り、臨界が終息したのは15分後だった。臨界時の出力は定格の1%未満だったが、原子炉の制御が事実上、15分間効かない状態が続いたことになる。さらに、定期検査のため、炉心を覆う圧力容器と格納容器の上ぶたが外されており、放射能を封じ込める機能が低下していた。ただ、原子炉建屋内の原子炉周辺には作業員がおらず、被曝(ひばく)事故は起きなかった。

 予期せぬ形で原子炉が起動し、臨界状態に陥ったことから、経済産業省原子力安全・保安院では「想定外の重大事象で臨界事故にあたる」としている。

 今回の事故は原子力発電所のデータ改ざん問題に関する社内調査で判明した。93年7月に運転を開始した志賀原発1号機は出力54万キロ・ワット。沸騰水型で制御棒は原子炉の下方から挿入するタイプ。制御棒が入らない場合、核分裂反応を終息させる働きのあるホウ酸水を炉心に注入するが、今回は注入していなかった。

志賀原発臨界事故:重大ミス重なる 03/15/07(毎日新聞)

 北陸電力志賀原発1号機で、臨界事故隠しが発覚した。事故そのものが「想定外で重大」(経済産業省原子力安全・保安院)な上に、隠ぺい行為が重なっている。どんな事故で、なぜ起きたのか。そして、隠ぺいの背景にある、北陸電力の社内風土はどうだったのか。【高木昭午、大島秀利、河内敏康】

 ◇マニュアルも誤記

 事故は核反応のブレーキ役である制御棒が抜け落ちたことで起きた。

 1号機には89本の制御棒があり、それぞれ水圧による駆動装置がついている。事故直前はすべての制御棒が炉に挿入され、核反応は完全に止まっていたが、事故時は、制御棒の試験の準備のため、各駆動装置に2個ずつ計178個ついた弁を、次々に閉める操作をしていた。

 しかし閉める順序に問題があり水圧のバランスが崩れ、駆動装置が異常に働いて、制御棒3本が抜けた。事前に別の弁を開けておけばバランスを保てたが、作業マニュアルはこの弁を「閉める」と誤った記述をしていた。

 さらに緊急停止装置も働かなかった。緊急停止装置は制御棒を窒素の圧力で炉に挿入する。しかし、この日は以前に実施した制御棒の別の試験のため、各制御棒用の窒素をすべて抜いてあった。

 同社は「すべての制御棒の窒素を抜いて、緊急停止装置を無力化するのは現在は規則違反になる。JCOの臨界事故後に明文化された規則だが、当時でもやるべき行為ではなかった」と説明する。

 志賀原発1号機など沸騰水型原発は、もともと制御棒が「泣きどころ」と指摘されてきた。加圧水型原発の制御棒が上から下へ入れる構造になっているのに対し、沸騰水型は重力に逆らって下から上へ向かって差し込むためだ。

 制御棒の抜け落ち、緊急停止装置の無力化に加え、今回は放射能を封じ込める二つの「ふた」が開いていた。原発では、核燃料は鋼鉄製の原子炉圧力容器に納められ、さらに外側には鋼鉄製の原子炉格納容器がある。その二つの容器のふたが開いた状態だった。

 今回の事故では、中性子を遮へいする効果がある水が原子炉内に満たされ、放射能の漏出もなかったとされる。しかし、二重の閉じ込め機能がなかった条件下で、京都大原子炉実験所の小出裕章助手(原子核工学)はもっと深刻な事態になっていた可能性を指摘する。具体的には、(1)核燃料のピンホール(小さな穴)などの破損がもともとあった場合(2)引き抜かれた制御棒がもっと多数で核反応が盛んになった場合(3)制御棒の手動による挿入がもっと遅れた場合--を挙げ、「核分裂に伴い生成する放射性ガスが漏れ出たり、核燃料が溶融して大事故につながることも考えられる」と説明している。

 ◇臨界 原子核の分裂が連続して起こる状態。原発の燃料のウラン235は中性子が衝突すると核分裂し、新たに複数の中性子を放出する。それが周辺のウランとぶつかって連鎖反応をもたらし、大きなエネルギーを出す。原発では原子炉内で生成される中性子を制御棒に吸収させて臨界を制御し、出力を調整する。臨界事故は、この制御が利かなくなった状態。

 これまで確認されている臨界事故は99年9月30日、茨城県東海村の核燃料加工会社ジェー・シー・オー(JCO)東海事業所で発生した。高速増殖炉実験炉「常陽」に使う高濃縮ウランを製造していた際、作業員がバケツでウラン溶液を大量に沈殿槽に注ぎ込んだのが原因で、2人の作業員が被ばくで亡くなった。

 ◇所長ら会議で隠ぺい…社内調査で発覚

 事故発生時、1号機の中央制御室に緊急停止信号を示す警報音が「カーン、カーン」と甲高く響き、赤ランプが光った。だが、停止装置は働かない。当直長は全館放送で、弁の操作をしていた作業員の名を呼び「(開いた)弁を元に戻せ」と指示した。作業員は弁を閉め、炉は、警報から15分後に止まった。

 同社の調査によると、事故直後の未明、発電所長らが会議を開き、事故を報告しないことを決めた。隠ぺいの動機について同社は「4日前に同じ1号機で非常用ディーゼル発電機のひび割れが発覚、その対処で所員は疲労困ぱいしていた。トラブル続きだと地元の信頼を損なうと考えたのが一因」と説明する。

 一方、永原功社長は15日の会見で「発電所内だけで処理し、上には黙っていようという雰囲気があったのではないか。原子力の技術者は、素人の上司に相談しても分からない、という意識があるようだ」と話した。

 今回の臨界事故の隠ぺいは、技術系社員数百人を対象にしたアンケートでの一社員の指摘から発覚した。また、原子炉で核分裂が起こっていることを示す中性子量の上昇を記録したモニターに社員が手書きで「点検」と書き、臨界事故を隠そうとしていた証拠があったこともわかった。

 国の電力各社への指示に基づき、同社が今年1~2月、改ざんなどについてアンケートしたところ、1人の社員がこの秘密を告白。関係者からの聴取などで今月11日ごろ、問題が発覚した。

 ◇保安規定違反で運転停止処分も

 原発をめぐっては、東京電力で2件、東北電力で1件、原子炉の緊急停止を国に報告せず、隠ぺいしていたことが発覚するなど、トラブル隠しが次々に明らかになっている。保安院が昨年11月、各社に不祥事を過去にさかのぼって、報告するよう指示したからだ。

 原子炉等規制法に基づく報告義務違反の時効は3年で、緊急停止隠しそのものは時効だが、臨界事故隠しは、報告義務違反のほか、同法に基づく保安規定に違反する可能性がある。

 保安規定は緊急停止後の原因調査や停止後の再起動に発電所長の承認を得ることを求めている。しかし北陸電力は今回、いずれも行っていなかった。保安規定違反は行政処分の対象で時効はない。保安院が、安全確保を目的とした原子炉の運転停止処分を科すことも可能だという。【池内敬芳、花牟礼紀仁】

隠蔽もデータ-改ざんも、ごまかしはごまかし。結果が違うだけで、 同じ次元。明確な事故隠しに関与した人間を刑務所にぶち込め。 志賀原発1号機を止める必要なし。とにかく、関与した人間を刑務所にぶち込め! 当時の志賀原発所長は言い訳の余地なし!刑務所へGO! けじめをつけさせろ!出来ないのなら、志賀原発1号機を停止させ、廃止にしろ! それが出来ない日本国であれば、原発が安全だと言うな!!!!!

志賀原発:臨界事故…経産相、北陸電力を厳しく非難 03/15/07(毎日新聞)

 志賀原発1号機の臨界事故について、甘利明経済産業相は15日、東京都内で記者団に「極めて遺憾だ。憤りすら感じる」と述べ、事故を隠ぺいしていた北陸電力を厳しく非難した。

 甘利経産相は「明確な事故隠しだ。これまでの一連のデータ改ざんとは質が違う。厳正に対処しなければならない」と厳しい姿勢で処分を検討する方針を示した。【斉藤信宏】

原発制御棒はずれ一時臨界に 北陸電力、国に報告せず 03/15/07(朝日新聞)

 北陸電力の志賀原発1号機(石川県志賀町、沸騰水型、出力54万キロワット)で、99年の定期検査中に、挿入されていた制御棒3本が想定外に外れ、停止していた原子炉が一時、核分裂が続く臨界状態になっていたことが15日わかった。すぐ緊急停止信号が出たが制御棒は元に戻らず、臨界状態は制御棒が戻るまで15分ほど続いた。その間、原子炉の制御ができなかったことになる。北陸電力はこうした事実を国に報告していなかった。

 経済産業省原子力安全・保安院は「3本の制御棒が外れた想定外の臨界事故と認識している。極めて重大だ」とし、法令違反の疑いもあったとみて同日午後、同社に同1号機の運転停止を命じるとともに、事実関係を調べて報告するよう法令に基づいて指示する。

 北陸電力によると、トラブルは99年6月18日午前2時すぎに起きた。定期検査中で原子炉は上ぶたが開いた状態で停止していた。89本ある制御棒はすべて炉の下から挿入された状態になっていたが、そのうちの3本が制御弁の操作ミスで下に落ちてしまい、核反応が始まって臨界状態になった。この時の出力は1%未満だったとしている。

 すぐ、核分裂を起こす中性子の量が多いという警報が出たが、安全装置が正常に作動せず、制御棒は元に戻らなかった。その後、作業員らが手動で弁を操作するなどして約15分後に制御棒が元の挿入状態に戻った。

 作業員らの被曝(ひばく)などはなかったが、同社は当時、発電所長の判断でこうした事実を国へ報告していなかった。昨秋以降、電力会社のデータ改ざんが相次いだことを受け、国の指示で進めた総点検の中で、作業員への聞き取り調査などから事実が浮上したという。

 保安院の市村知也・原子力事故故障対策室長は会見で、「最近明らかになった東北電力や東京電力の事例よりも悪質な可能性がある」と事態を重視している姿勢を改めて明らかにした。

 会見では、同原発の安全審査では、制御棒の引き抜きトラブルは1本までしか想定されていないと説明された。また、当時、中央制御室を含めて複数人の作業者が関係していた可能性が高い。業務日誌など所内で次の運転グループに引き継がれた明確な証拠は残っていないという。

志賀原発で定検中に臨界 平成11年、制御棒抜ける 03/15/07(産経新聞)

 北陸電力志賀原子力発電所(石川県志賀町)1号機で平成11年6月、定期検査中に原子炉の制御棒が3本外れて起動し、原子炉が臨界に達するトラブルの起きていたことが15日、分かった。約15分後に緊急停止するまで臨界状態は続いた。同社はその後、法律で定められた国などへの報告を行っていなかった。  同社は同日午後、経済産業省原子力安全・保安院や地元自治体にも報告する。保安院は「臨界事故と認識している」と述べ、事態を重く見て同日午後、同社社長を呼んで厳重注意する。また、同社に対し、原子炉の停止と安全総点検、再発防止策の報告を指示する方針。  経済産業省によると、志賀原発1号機は定期検査中だった11年6月18日未明、何らかのトラブルで出力を調整する制御棒が外れ、原子炉が起動した。炉を緊急停止する自動停止信号が出たが、制御棒が入らなくなって停止できなかったという。約15分後に原子炉は緊急停止した。  保安院によると、原子炉内は出力ゼロのまま臨界に達していたという。作業員の被爆や外部への影響はなかったとしている。このトラブルをめぐっては、当時の志賀原発所長も認識していたという。  原子炉が緊急停止した際には原子炉等規制法で国への報告が義務付けられているが、同社は報告を怠っていた。原子炉緊急停止の未報告をめぐっては、東京電力や東北電力で相次いで発覚している。 結局、電力会社のモラルなどこんなものなのだ。原発は安全でクリーンと言っても、 何を根拠に信用するのか、全く、わからない!結局は、儲けが一番、安全はその次!

中国電力、81ダムで不正取水 データ改ざんし国に報告 03/14/07(朝日新聞)

 中国電力(広島市)は14日、中国5県の1級河川にある81の水力発電所すべてで、河川法で許可された量を超える取水を続け、国には改ざんしたデータを定期報告していたと発表した。数十年にわたって続いていた可能性もあるという。同社は安全性に問題はないとしているが、国土交通省は是正を指導する。

 国は、水の取り過ぎなどを防ぐため、水力発電所の取水量について1日の平均値を記録し、毎年1回まとめて報告するように電力会社に求めている。ところが、中国電力によると、同社は1日の平均値が許可量を超えた場合でも、その範囲内に収まっているようにデータを書き換えていた。70の発電所では、許可量を超えた場合には自動的にデータを改ざんするようにコンピューターのプログラムを設定していた。04~06年のデータを確認したところ、不正に取水した1日あたりの平均値が許可量を4%上回る発電所もあった。同社は「発電機を最大出力で運転することを優先したいという考え方があった。慣例として続いていた可能性もある」と説明した。

 また、70の発電所で国の許可を受けずに発電機の冷却用や消防用の水を取水したり、31の発電所で土地の占用許可を受けずに電線や通信用ケーブルを設置したりしていたことも明らかにした。

 同社は昨年10月末、水力発電用の土用ダム(岡山県)の沈下量などのデータの改ざんを本社の指示で隠蔽(いんぺい)していた問題が発覚。相談役3人が引責辞任している。同社は「昨年以降、法令違反の有無を調査していたが、十分ではなかった」と謝罪した。

原発は安全でないが、メリットがある。はっきり言えばと言いたい。 原発の近くの地域の電気代をある一定の使用量までは無料にするとか、 3分の1の料金にするとか、還元するべきだろう。政治家や地元の自治体、地元の有力者だけに 良い思いをさせる必要はない!

東北電力、女川原発1号機での緊急停止を国に報告せず 03/12/07(読売新聞)

 東北電力女川原子力発電所1号機(宮城県)で1998年6月、点検のために原子炉を停止させる作業を進めていた際、出力が落ちた段階で原子炉が緊急停止したにもかかわらず、同社が国に報告していなかったことが12日、わかった。

 原子炉等規制法は事故などで緊急停止した場合は国への報告義務を課しており、経済産業省原子力安全・保安院は義務違反の疑いが強いとみている。

 保安院によると、中性子の測定装置が異常を感知したために緊急停止したとみられる。同社は、電力使用量がピークに達する夏場に向け機器の点検をしていたが、そのまま点検を終えて発電を再開したという。

 東北電力の小林邦英常務が12日朝、県環境生活部を訪れて「このようなことになり深くおわびする。本日中に詳しい調査結果を報告したい」と謝罪。県側は「報告がなかったことは、残念で遺憾」と話した。

 いずれも東京電力の柏崎刈羽原発1号機(新潟県)と福島第2原発1号機(福島県)でも先月、緊急停止を国に報告していなかったことが発覚している。

原発は安全と言われているが、安全と言っている電力会社の嘘や隠蔽体質から考えると 信頼できるのかさえも疑問????原発の近くに住んでいる人は、国や電力会社から自治体に 落ちる援助金やお金を直接貰ったほうがいいよ。こつこつためて、地元に未練がなかったら 事故が起きる前に引越しする方法もある。後で、騙されたと言っても被害者は健康は戻らない!

原発データ改ざん:発電所幹部、対応煩雑化避け隠ぺい指示 03/01/07(毎日新聞)

 東京電力のデータ改ざん問題で同社は1日、柏崎刈羽原発1号機(新潟県柏崎市)と福島第2原発1号機(福島県楢葉町)での緊急停止の隠ぺいについて、いずれも発電所幹部が、国に正しく報告した場合、社内外への説明などの対応が煩雑になるのを避け、隠ぺいを指示していたことを明らかにした。また、同社が経済産業省原子力安全・保安院に行った報告では、原発で計9件、火力発電所で多数の改ざん例が盛り込まれた。

 同社によると、85年11月の福島第2原発1号機で起きた緊急停止を国に報告せず、隠ぺいしたのは同発電所の副所長か発電部長の指示だったという。

 また、92年2月の柏崎刈羽原発1号機の緊急停止を隠ぺいするよう指示したのは、同発電所の発電部長。この部長は隠ぺい指示に加え、同年、定期検査の際、緊急炉心冷却装置(ECCS)の一部のポンプの故障を正常だと偽装するよう指示したことも認め、「予定通り検査を終わらせるためだった」と話しているという。

 偽装の直前には、ポンプ故障を切り抜けようと、福島第2原発の発電部長に依頼して同原発から正常なポンプを借りた。しかし、機器の接続がうまくいかず実現しなかった。

 13火力発電所では検査結果のほか、発電所の日誌に出力を虚偽記載するなどの改ざんが多数判明した。【高木昭午、西川拓】

東電の原発データ、新たに9件で隠ぺい工作や改ざん 03/01/07(読売新聞)

 原子力発電所のデータ改ざん問題で、東京電力は1日、先月28日に判明した分も含め、計9件の隠ぺい工作や改ざんが新たに確認されたことを、経済産業省原子力安全・保安院に報告した。

 うち1件は定期検査中に行われた不正だった。

 1月末の報告分と合わせると、福島県と新潟県の3原子力発電所の全17基の原子炉のうち13基で、延べ200件の定期検査にかかわる不正があったことになる。

 このほか、火力発電所13施設と水力発電所1施設でも新たに不正が見つかり、追加報告した。東電は、今後も調査を継続し、3月末に、一連の不正行為の最終報告をまとめる。

 今回、新たに明らかになった原発絡みの9件の不正が行われたのは、1985―2001年。

 中でも「本件事案は重大」として、保安院に報告したのが、1985年11月に福島第2原発1号機で、92年2月に柏崎刈羽原発1号機で起きた緊急停止を巡るトラブル隠し。

 福島第2原発1号機のケースは、定期検査に向けて原子炉の出力を低下させる操作がうまくいかず、中性子量が瞬間的に増加、燃料棒の破損を防ぐため、原子炉が緊急停止したが、発電所幹部(未特定)の判断で運転日誌に虚偽の記録を記載し、隠ぺいした。

 柏崎刈羽原発1号機のケースは、蒸気の流れを切り替える弁の制御装置の故障で原子炉内の水位が急速に低下して原子炉が緊急停止したが、発電部長の指示でこの事実を隠していた。

 隠ぺいの理由は、いずれも、国や自治体への報告が煩雑でその面倒を避けたかった――としている。

 定期検査を巡る隠ぺいは、2001年3月、柏崎刈羽原発7号機で行われた。発電タービンの回転軸の位置調整が不十分だったにもかかわらず、合格するようにデータを改ざんした。

 これらの不正行為は、2002年の原子力不祥事の際の社内調査では見逃された。今回は社員や退職者からの聞き取りを中心に調査。02年以降、不正を告白しやすくなったなどの声が上がっているという。

 築舘勝利副社長は「過去の不正が次々と判明し、大変申し訳ない。最終期限の3月末まで徹底した調査を続けたい」と話している。

東電、隠ぺい発覚で報告書 副社長「心からおわび」 03/01/07(産経新聞)

 東京電力の柏崎刈羽原発(新潟県)と福島第2原発(福島県)で、原子炉緊急停止の隠蔽(いんぺい)や定期検査のデータ改竄(かいざん)が新たに発覚した問題で、同社の築舘勝利副社長は1日、今回判明した不正を含む調査結果を経済産業省原子力安全・保安院に提出した。

 受け取った保安院の青山伸審議官は「遺漏ないよう対応していただきたい」と要請。築舘副社長は「引き続き全力を挙げて調査します」と述べた。

 築舘副社長は終了後、「(社内で)ものを言える、社員の自発的行動を誘発する仕組みが必要だと実感した。社会にご迷惑を掛けてしまい、心からおわびしたい」と話した。

 保安院は3月末までに提出される、東電の総点検結果を精査した上で対処を検討する方針。

 東電の柏崎刈羽原発1号機では平成4年、福島第2原発1号機では昭和60年、それぞれ定期検査に入る前に原子炉を手動停止させようとした際、炉が緊急停止してしまったが、事実を国などに報告せず、隠蔽した。

 また、柏崎刈羽原発7号機では平成13年の定検の際、蒸気タービンの性能試験データも改竄していた。

朝日新聞(2007年2月27日)より

美浜原発機事故 関電社員ら書類送検 上層部、立件至らず

美浜原発3号機事故で関電旧支社幹部ら6人書類送検 02/26/07(読売新聞)

 11人が死傷し、国内の原発史上、最悪の事故となった2004年8月の関西電力美浜原発3号機(福井県美浜町)の2次系配管破損事故で、福井県警捜査本部(敦賀署)は26日、同社の原発全11基の運営を統括していた旧若狭支社(原子力事業本部に統合、同町)の当時の保修グループチーフマネジャー(47)ら関電社員5人と、配管の点検を請け負っていたグループ会社員1人の計6人を業務上過失致死傷容疑で福井地検に書類送検した。

 配管の破損個所が3号機の運転開始以来、点検リストから漏れ、長期間、未点検だったことに気付き、配管がすり減って事故を予見可能だったのに、適切な危険回避措置を取らなかったと判断した。

 送検されたのはほかに、美浜原発機械保修課の課長(45)、係長(52)、作業長(44)、配管担当(43)と、検査会社「日本アーム」(現・日本ネットワークサポート)の美浜作業所課長(58)(肩書はいずれも当時)。

 事故は2004年8月9日、2次系配管が破れ、140度の熱水885トンが噴出。定期検査の準備中だった関電の協力会社「木内計測」の社員5人が死亡、6人が負傷した。

 破損した配管の厚さは、水流による浸食と腐食で国の基準(4・7ミリ)を大幅に下回る0・4ミリにまですり減っていた。同3号機は事故後、停止していたが、関電は1月10日に原子炉を再起動し、2月7日に営業運転を再開した。

東海第2発電所の定期検査で確認漏れ…安全機構が発表 02/23/07(読売新聞)

 原子力安全基盤機構は23日、一昨年に実施した日本原電東海第2発電所(茨城県東海村)の定期検査で、点検項目に確認漏れがあったと発表した。

 同機構は経済産業省原子力安全・保安院の依頼を受け、検査業務の一部を代行しているが、確認漏れのまま合格させていた事例は初めてという。

 未確認だったのは、主蒸気配管の破損時などに、安全装置を作動させる電気信号が正常に出るか調べる試験。原電は試験を行い正常に働くことを確かめていたが、同機構がその結果を確認していなかった。確認漏れを見逃した原因は不明。

配管減肉66カ所で基準以下 関電、8割は老朽原発 02/22/07(毎日新聞)

 平成16年8月、関西電力美浜原発3号機(福井県美浜町)の配管が減肉して破裂し、噴き出した高温の水蒸気で11人が死傷した事故を受け、関電が自社の全原発で実施した2次系配管の減肉調査の結果、11基のうち10基の計66カ所で国の肉厚基準を下回っていたことが22日、関電の集計で分かった。約8割の52カ所は運転開始から30年を超える5基の「高経年化原発」に集中、老朽化によって配管の傷みが進んでいる実態が浮き彫りになった。

 減肉は、原発の運転中に配管内を流れる熱水が内側を浸食し、腐食させることで進行。運転時間が長いほど破裂などの危険が高まる。

 関電によると、減肉調査は、事故直後の緊急点検や、年1回程度行っている定期検査のなかで実施。対象個所は配管のなかでも減肉しやすい曲線部分など計約3万7000カ所に及び、95%以上の3万5394カ所で終了。減肉個所はすべて、腐食に強いステンレス製などへの交換を終え、個別に公表するとともに国や福井県に報告した。

 基準以下の減肉個所が最も多かったのは、調査の契機となった美浜3号機の34カ所。以下、美浜2号機(10カ所)、大飯2号機(8カ所)、美浜1号機(4カ所)で、1カ所もなかったのは大飯3号機だけだった。

 関電の原発11基のうち高経年化原発は美浜1、2、3号機と高浜1、2号機。美浜3号機を除く4基は、過去に事故やトラブルで長期間運転停止したことがあるという。

 配管の肉厚基準は電気事業法に基づき、配管の部位や流水の温度ごとに定められている。基準を下回る前の交換が義務付けられているが、美浜3号機の事故配管はこれをはるかに下回る0・4ミリにまで薄くなっていた。

 美浜3号機の事故後、経済産業省は原発の老朽化対策を本格的に開始。関電も補修要員を増やすなど、具体的な対策に取り組んでいる。

 美浜3号機は先月、約2年半ぶりに運転を再開。福井県警は今月20日、業務上過失致死傷容疑で、美浜原発と関電原子力事業本部(福井県美浜町)を家宅捜索し、立件に向けた詰めの捜査を急いでいる。

美浜原発事故:関電社員ら書類送検へ…蒸気噴出11人死傷 02/21/07(毎日新聞)

 04年8月に11人が死傷した関西電力美浜原発3号機(福井県美浜町)の高温蒸気噴出事故で、県警捜査本部は20日夜、同町にある関電原子力事業本部を業務上過失致死傷容疑で捜索した。県警は詰めの捜査を進めており、26日にも関電と関連会社の社員ら数人を同容疑で書類送検する。

 事故では配管が長年にわたって減肉し、突然破断。近くにいた作業員が噴き出した高温蒸気などを浴びた。

 この配管を巡っては、関電子会社の検査会社の担当者が03年4月、この部分が検査リストにないことに気付いたが、関電側に点検の提案や詳しい説明をせず、点検リストに追加登録されなかったことなどが判明。一方、関電の現場社員も04年7月にこの配管が一度も点検されていないことに気付いたが、翌月から定期検査が始まる予定だったため、すぐに検査しなかったことが分かった。このため、県警は事故の予見可能性がありながら、点検せずに放置したことが事故につながったと判断したとみられる。

美浜原発、無検査で溶接工事…炉心冷却の配管2か所 02/17/07(読売新聞)

 関西電力は16日、定期検査中の美浜原発1号機(福井県美浜町)で、電気事業法に基づく検査を受けないまま、緊急炉心冷却装置(ECCS)の付属配管2か所の溶接工事をしていたと発表した。

 経済産業省原子力安全・保安院は同法に違反する疑いがあるとして、関電の全原発11基で同様の検査漏れがなかったかどうかの調査を指示した。

 関電によると、原子炉停止後に炉内を冷やす余熱除去系統から、放射性物質の濃度を確認するため冷却水のサンプルを取る細管で、強度を増すための溶接を計画。電気事業法では溶接工事は国の検査が義務づけられており、通常、国の検査機関「原子力安全基盤機構」が工程を事前に確認し、工事に立ち会うなどして検査を実施しているという。ところが、関電は同機構に工事の実施を申請しないまま、昨年12月19日に溶接していた。

 16日に書類を確認していた下請け会社の社員の指摘で発覚。関電は再起動に向けて原子炉に入れていた核燃料を抜き取り、溶接部分を取り外し、改めて同機構の立ち会いのもとで溶接をやり直す。1号機の定検では計133か所で同様の溶接工事が行われていた。関電は「法定の検査を受けなかった重大なミスと受け止めている。なぜ申請が出ていなかったのか、原因を究明したい」としている。

朝日新聞(2007年2月17日)より

美浜原発が無許可溶接工事 電気事業法違反の疑い

原子力安全・保安院放射性廃棄物規制課が強度の調査結果を信じたくないのは当然。 他の原発も安全でないとなってしまう可能性がある。それでなくとも、どこの電力会社も 不正検査や検査記録の改ざんが常態化している。再調査となれば、問題発覚の可能性は大!

朝日新聞(2007年2月11日)より

ふげん建屋 強度不足か 実測値、設計基準以下

敦賀「ふげん」:原子炉補助建屋の強度、設計基準満たさず 02/10/07(毎日新聞)

 日本原子力研究開発機構(原子力機構)が福井県敦賀市の新型転換炉「ふげん」(03年運転終了)の原子炉補助建屋で行ったコンクリートの劣化調査で、壁面を抜き取った6カ所のうち5カ所の強度が設計基準を満たしていないことが9日、分かった。「施工に問題があったのでは」と指摘する専門家もおり、同機構はさらに詳しい分析を進めている。直前の「非破壊検査」では問題はなかったという。国内原発の建材に使われるコンクリートの劣化調査の大半は非破壊で行われており、今後の検査体制に影響を与える可能性も出てきた。

 「ふげん」は日本が独自に開発を進めてきた新型転換炉の原型炉で旧動力炉・核燃料開発事業団が79年に本格運転を開始、98年に廃炉が決まった。解体を前に試料を採取し、他原発の老朽化対策に反映させようと、昨年10月、24年間でどの程度コンクリートが劣化したかの調査を始めた。

 結果は半数以上の地点が設計基準強度を下回った。最も強度の低かったところでは、1平方ミリメートル当たりにかかって耐えられる力が、設計基準値22.06N(ニュートン)に対し、10.6Nしかなかった。

 コンクリートを壊さず、外部から強度を測る事前の非破壊検査では全地点が基準をクリアしており、破壊検査と非破壊検査で結果が大きく分かれた。

 小林一輔・東大名誉教授(コンクリート工学)は「強度が異常に低い」と指摘。「非破壊検査はさまざまな要因に左右されやすく、今回の試料はコンクリートの品質を正しく反映しているとみるべきだ。施工上、問題があった可能性がある」と話している。同機構は「施工管理は適切に行われていた」と説明している。

 同機構は昨年11月、国の原子力安全・保安院に「ふげん」の廃止措置計画を提出。12年度までに使用済み燃料を搬出した後、▽周辺施設▽原子炉本体▽建屋--の順に解体を進め、28年度までの撤去完了を目指している。

 放射線管理区域内のコンクリートについては来年度に調査する予定。

 ◇測定結果は素直に信じられず

 原子力安全・保安院放射性廃棄物規制課は調査結果について「コンクリートの劣化に関する過去の知見からみて原子力機構から聞いた測定結果は素直に信じられず、機構にデータの信頼性の確認を求めている。本当にコンクリートの強度に問題があるなら、地震などで壊れた場合、内部に残っている放射性物質が外に飛び散る恐れもあり、飛散防止策が必要になるだろう」と話している。

新型転換炉ふげんのコンクリート強度、設計基準下回る? 02/10/07(朝日新聞)

 日本原子力研究開発機構の新型転換炉「ふげん」(福井県敦賀市)で実施された建屋のコンクリート劣化調査で、実際にコンクリート片を抜き取って行った強度の実測値が設計基準値を下回っていたことが10日、経済産業省原子力安全・保安院の調べでわかった。外部から測る非破壊検査では基準を上回っており、実測検査と食い違った。実測値が正しければ、強度不足の建屋を使い続けただけでなく、建物の強度調査に広く使われる非破壊検査の信頼性が問われることになる。保安院は、非破壊検査と実測値のデータが食い違った原因の究明を進める。

 「ふげん」は03年に運転を終了、廃炉準備が進んでいる。劣化調査は原発の老朽化対策の一環で、「ふげん」を利用して国が実施している。

 保安院などによると、原子炉補助建屋の壁面6カ所から採取したコンクリート塊の34試料について、荷重を加えて破壊し強度を調べたところ、5カ所25試料が設計基準値を下回った。このうち、地下1階の壁面から採取した10試料は、設計基準値の約半分の1平方ミリあたり10.6~14.0N(ニュートン=力の単位)を記録。だが、昨年10月以降に実施した同じ場所の非破壊検査では27.7~37.9Nと基準値を上回っていた。

 非破壊検査は、建物を壊さずに強度を測れるため、原発をはじめ多くの建物の検査に利用されている。測定者の技量により誤差が大きくなる場合もあるとされる。一方、原子力機構によると、約30年前のふげんの施工時の検査では建物と同じコンクリートの測定で設計基準を満たしていた。

 保安院放射性廃棄物規制課は「非破壊検査は原発以外の分野でも長年の実績がある。現時点で信頼性が揺らぐものではないと考えている。今回の実測値にはばらつきが目立つため、コンクリート試料の測定法に問題がなかったかなど再確認を求めている」としている。

財政的な問題から原発や原発関連施設を受け入れて、いろいろな支援や援助を受ける 自治体がある。万が一のために、自治体に援助して無駄なものを作るよりも、 住民に現金を渡すほうが良いのでは??

少なくとも犠牲及び危険と見返りを強く理解できるだろう。どうせ一部の人間だけが おいしい思いをするのだから、住民に直接、利益を与えるほうが良いと思うが!

原発データ改ざん:東電に原因など究明指示 原子力保安院 02/01/07(毎日新聞)

 東京電力が原発や火力発電所の200回を超える国の検査で偽装や改ざんを行っていた問題で、経済産業省原子力安全・保安院は1日、さらに詳細な事実調査のうえ原因を究明し、再発防止策を3月1日までに報告するよう、原子炉等規制法と電気事業法に基づいて同社に指示した。原発については特に、東電が02年に実施した社内の総点検で改ざんなどが発見できなかった理由も報告を求めた。

 この問題では、東電が、柏崎刈羽原発(新潟県)で92年に、緊急炉心冷却装置(ECCS)のポンプの故障を隠して定期検査に合格し、そのまま原子炉を動かしたことなどが明らかになっている。保安院は事実を詳しく調べ、こうした行為が、原子炉等規制法(保安規定順守義務)違反にあたるかどうかなどを検討する。【高木昭午】

美浜原子力発電所3号機死傷事故 (福井新聞)

結局、日本は横並び。ばれなきゃ問題なし。たぶん、原発に対しても同じ考え方。 中国電力 社長、隠蔽支持認める と同じメンタリティーなのであろう。

上記のコメントは、下記の記事の当てはまる。原発は危険である。 それ以上に、運行及び管理する組織に問題がある。これで危険度は2倍以上だろう!

東電:国の検査で延べ199回の虚偽データ報告 01/31/07(毎日新聞)

 東京電力は31日、同社の3原子力発電所で77~02年に受けた国の検査のうち、延べ199回について、改ざんなどで虚偽のデータを報告していたと発表した。原子炉の安全上重要な「緊急炉心冷却装置」(ECCS)の故障を隠した例も含まれていた。このほか、川崎市の火力発電所でも延べ17回の改ざんがあった。報告を受けた原子力安全・保安院は故障隠しについて原子炉等規制法違反などの疑いもあるとみて、他の虚偽報告を含め調べると共に、同社に原因究明や再発防止策の策定を求める。

 東電では、福島第1原発1号機で昨年暮れ、原発で使う海水の温度を改ざんし国に報告していたことが判明。保安院は、法定検査でのデータ改ざんの有無をすべての発電所で社内調査するよう、東電に指示していた。

 東電を巡っては、02年に原発トラブル隠しや定期検査での偽装が明らかになり、再発防止と社内改革を進める中での改ざん再発覚となった。

 調査の結果、同社の福島第1(福島県)▽福島第2(同)▽柏崎刈羽(新潟県)の3原発が77年から02年までに受けた、延べ199回の定期検査で、偽装や改ざんされたデータを国に報告していたことが判明。東扇島火力発電所(川崎市)でも定期検査などで90年以降の計17回、発電機の出力を偽って国に報告した。

 柏崎刈羽原発1号機では92年の定期検査の際、ECCSの一部にあたる残留熱除去冷却系ポンプが、検査の前日に故障した。このため、原発の中央制御室からはポンプが順調に動いていると見えるように偽装し、国の検査官をごまかして検査に合格した。修理が間に合わないまま、検査の4日後に原子炉を起動。2日間そのまま運転した。この運転は、原子炉等規制法に基づく保安規定違反の疑いがあるという。

 東電は「原子炉は他の機器で冷却でき、安全上の問題はなかった」とするが、「機器を正しく整備したうえで原子炉を起動するという原則から逸脱していた」と認めた。

 さらに、柏崎刈羽原発1~3号機では、94~98年にかけ、緊急時に原子炉の蒸気を遮断する弁の漏えい率の検査で、漏れを測定したように見せかけ、虚偽の数値を国に報告していた。

 法定検査には当たらないが、柏崎刈羽原発から排出される放射性物質の測定値を東電社内で偽装した例や、東扇島火発で、90年から03年まで冷却用の海水の温度を改ざんしていた例も分かった。【高木昭午】

東電:原発トラブル隠しで信頼回復途上…また改ざん 01/31/07(毎日新聞)

 02年の原発トラブル隠しで失った信頼の回復途上にある東京電力で31日、また発電所のデータ改ざんが発覚した。原発の緊急炉心冷却装置のポンプ故障隠しなど、事故時の安全確保に直結するケースもあり、ウミを出し切れていない東電の態勢の甘さが露呈した。相次ぐ不祥事隠しに不信感は募るばかりで、原発が立地する新潟県などからは「言語道断で、一から組織風土を変えてほしい」などの批判が上がった。

 東電では、02年の原発トラブル隠しの発覚などを受け、社長直属の「原子力品質監査部」を新設するなど不正防止を図ってきたはずだった。

 記者会見した築館(ちくだて)勝利副社長は「(02年のトラブル隠しから)4年半、企業風土を改革しようと努力してきたが不十分だった。企業体質の問題に絡むと思う」と唇をかみ、経営責任については「徹底的に調査し、全体像が浮かび上がった段階でそれぞれの立場の責任を考えたい」と語った。原発での改ざんが大半を占めたことについては「社会的関心が高く、(現場では)圧迫感、負担感を感じていたという」と述べた。

 これに対し、緊急炉心冷却装置のポンプ故障隠しが発覚した柏崎刈羽原発1号機が立地する新潟県の鶴巻嗣雄・危機管理監は「過去とはいえ、検査に合格するための大変悪質な事例で、企業体質の問題だ」と怒りをあらわにした。泉田裕彦知事も「東電が安全な組織運営ができるよう、住民代表として県も見張っていく」と不信感を示した。

 政府は過去に原子力事故が相次いだ反省から、「情報公開の徹底」を各電力会社に指導してきたが昨年以降、東電を含め電力会社の発電所のデータ改ざんや虚偽報告の発覚が相次いでいる。

 技術評論家の桜井淳さんは「安全系で重要な装置であるポンプが機能していない状態で運転したというのは、重大な違反で、絶対やってはならない。国の安全チェックも機能していない。他の電力会社でも同様の事例があるのではないか。再発を防ぐ厳しいルール、システムを作るべきだ」と指摘する。【西川拓、田中泰義、前谷宏】

結局、日本は横並び。ばれなきゃ問題なし。たぶん、原発に対しても同じ考え方。 事故が起こった後に、原因を解明していけば突き当たることだろう。 中国電力 社長、隠蔽支持認める と同じメンタリティーなのであろう。

63ダムでデータ改ざん、無許可改修は520発電所 12/21/06(読売新聞)

 全国の水力発電用ダムなどでデータ改ざんが見つかった問題で、東京電力など電力5社と電源開発は20日、全国の計63ダムでダムの変位量などデータ改ざんがあったと国土交通省などに報告した。

 さらに無許可で改修工事などを行っていた発電所が約520か所あったことも判明。各社はダムの安全に問題はないとしているが、国交省はこのうち13ダムについて緊急に立ち入り調査し、安全性を確認する。

 中国電力の土用ダム(岡山県)でデータ改ざんが見つかったのを受けて、国交省などが各社に点検を指示。この結果、改ざんが見つかったダムは、関西電力25、東京電力12、中国電力と電源開発各10、東北電力4、北海道電力2。堤体の変形量や沈下量、砂のたまり具合などダムの安全性を確かめるため、河川法に基づき報告が求められているデータについて、改ざんされていた。

 群馬県の野反ダムで2種類のデータ改ざんが見つかっていた東京電力では、奈川渡、水殿ダム(いずれも長野県)という日本有数の巨大ダムなどで新たに改ざんが発覚した。

 また、東京、関西、北陸の電力3社で見つかっていた無許可改修は、電力9社と電源開発のすべてで見つかり、電源開発の尾上郷発電所(岐阜県)では、洪水などから施設を守るコンクリート部分を無断改築していた。

 経済産業省も20日、48発電所で電気事業法に基づく定期報告データに改ざんが見つかったと発表。10社は20日、都内で会見し、「法を守るという意識が希薄だった」などと陳謝した。

朝日新聞(2006年12月15日)より

関電課長改ざん指示

大飯原発データ-、6年超

運転に影響が出る可能性があれば、何をやっても良い。このような考え方が 事故が起これば、原因の一つとなるのであろう。 中国電力 社長、隠蔽支持認める と同じメンタリティーなのであろう。

敦賀原発2号機の海水温データ改ざん、発電課長が指示 12/13/06(読売新聞)

 日本原子力発電は13日、敦賀原発2号機(福井県敦賀市)の冷却用復水器の海水温度データを不正に操作していた問題について、同原発の発電課長の指示で行われていたと発表した。

 原電によると、復水器の入り口と出口の温度差は生態系など環境に影響を与えないよう、7度以内を目標に抑えているが、2002年7月、2系統のうち1系統の温度差が7・1度となったため、同課長が改ざんを指示。入り口が0・1度高く、出口が0・3度低くなるよう温度計の計測データを操作していた。別の温度計でも同様の改ざんをしていたことが新たに判明した。

 原電の調査に対し、課長は「運転に影響が出ると考え、操作した」と話しているという。

浜岡原発:配管工事前データを「工事後」と偽る 12/08/06(毎日新聞)

 中部電力は8日、浜岡原子力発電所3号機(静岡県御前崎市)で01年に配管の強度を高める工事を行い、その前後に損傷状況を検査した際、工事前のデータをコピーして工事後のデータとして記録していたと発表した。同社は「配管はその後正しい検査を受けており安全性に問題はないが、情けない限り。再発防止に努める」としている。

 同原発では01年の定期検査で「再循環配管」と呼ばれる配管を加熱し強度を高める工事を実施。その際、工事に伴うひびの有無などを確認するため、工事前後に配管を超音波で検査した。

 ところが、工事後に検査した18カ所のうち14カ所で正しく記録せず、工事前の検査結果を記録した用紙をコピーし、日付などを変えるだけで新しい記録を作った。【高木昭午】

東電、福島第一原発でもデータ改ざん 20年前からか 12/05/06(朝日新聞)

 東京電力は5日、福島第一原発1号機(福島県大熊町)の定期検査などで、温排水の温度を実際より1度低く記録して国に報告していた、と発表した。データ改ざんは約20年前から続いていた可能性がある。東電では11月末、柏崎刈羽原発1、4号機(新潟県柏崎市)で同様の排水温の改ざんが発覚したばかり。「ほかでは不正はない」としていたが、その後の調査で覆った。安全上の問題はないが、同社の体質が問われそうだ。

 経済産業省原子力安全・保安院は「検査の判定には影響しないが、あってはならないこと」として、ほかの原発でも改ざんがなかったか、来年1月末までに調査結果を報告するよう電気事業法(報告徴収)などに基づいて東電に指示した。

 東電によると、タービンの安全状態を示す指標として、冷却用海水の取水口側と放水口側で水温を測定し、その平均値を国に報告している。今月末の定検を前に、計測装置を管理する東芝の技術者がプログラムを分析したところ、発電所の仕様書と異なり、排水側の水温の平均値を1度低くするデータ操作が見つかった。東芝の記録では、不正な処理は88年に東電の指示で行われ、「93年に東電に報告済み」との記載もあったという。

 1号機は設計上、海水温の温度差を9度以内と想定しているが、定期検査など安全上の点検項目には含まれておらず、改ざんした理由は現段階で分かっていない。

 周辺の漁場や生態系への影響を評価するため、福島県に報告している排水温のデータは別に測定しており、そちらには改ざんはなかったという。

保安院、日本原電を厳重注意 検査合格目的に不正操作 09/08/06(朝日新聞)

 日本原子力発電・東海第二原発(茨城県東海村)の安全装置の流量計表示が不正に水増し操作されていた問題で、原電は8日、「不正操作は国の定期検査に合格するため始めた」と発表した。不正は20年以上続いており、経済産業省原子力安全・保安院は同日、原電に対し厳重注意し、再発防止策を徹底するよう指示した。

 安全装置は、非常時に原子炉内で生じるガスを抜いて爆発を防ぐためのもの。通常ガスは流れないが、検査のとき、ガスが十分に流れる設計になっているかどうかを確認することになっている。

 原電によると、ガスの流量を多めに表示する操作によって検査に合格する不正は、84年に行われた国による第6回定期検査で始まり、94年以降、原電自身による検査に変わってからも、今年8月1日の検査まで行われていた。

 原電の調査で、操作の目的が検査の合格であることを示す記録が残っていたことがわかった。不正操作は原電側の指示でメーカーが行っていたという。実際の流量は基準値を約15%下回っていたが、安全上の問題はなかった。

 同社は市田行則社長を月額報酬の30%を3カ月間カットするなど役員5人の処分を決めた。

原発耐震指針:問題点素通りに不信感 08/29/06(毎日新聞)

 原発の耐震指針見直しを巡り、神戸大の石橋克彦教授が原子力安全委員会・耐震指針検討分科会の委員辞任を表明した背景には、問題点が残っていることを知りながら、「議論の蒸し返しはしない」などとして幕引きを急いだ同委員会や分科会への強い不信がある。

 同分科会は01年7月から見直し審議を進め、今年4月に改定原案を決めた。一般からの意見募集を経て正式決定する予定だったが、6月に島根原発近くで活断層が見逃されていたことが判明し、指針や改定案の不十分さが浮かんだ。

 一般からは異例の726通もの意見が寄せられ、見直しを求める意見が多数を占めた。特に、中田高・広島工業大教授ら活断層研究の専門家から「指針に基づいて決められた活断層調査の基準は不十分。過小評価につながる恐れがある」と指摘され、活断層の扱いが大きな焦点となった。

 実際、毎日新聞が原発周辺の17断層について、電力会社の調査と国の調査を比較したところ、15断層で電力会社の方が活断層で想定される地震の大きさを過小評価していたことが判明。その評価に基づいて原発が建設されていた。

 石橋教授は、中田教授らの意見を基に修正を求めた。しかし、今月22日の分科会で、鈴木篤之・原子力安全委員長が「修正はできれば必要最小限にしていただきたい」と要望。委員に対する圧力ともとれる発言で、議論に終止符が打たれた。

 専門家に異論が残ったまま決められた耐震指針の改定案。一般からの多数の意見もほとんど反映されていない。原発の耐震性に不安を抱く人も少なくない中、国民の原発への信頼性を高めることにつながるとは思えない。【鯨岡秀紀、中村牧生】

原発耐震指針:現行指針ほぼ踏襲 委員、抗議の辞任 08/28/06(毎日新聞)

 原発の耐震設計審査指針の見直しを進めてきた原子力安全委員会・耐震指針検討分科会は28日、改定案を最終決定した。想定する地震の大きさを一部引き上げるほかは、現指針をほぼ踏襲した内容。これに対し、委員の石橋克彦・神戸大教授(地震学)が「原発の耐震性を保障できない」と辞任を表明し退席、地震の専門家の納得を得られないまま耐震指針が決まる異例の事態になった。

 78年の制定以来初の見直しで、9月中にも同委員会で決定される。

 見直しは、活断層が見つかっていない場所で、00年にマグニチュード(M)7.3の鳥取県西部地震が起きたことがきっかけ。現指針が想定を求めた直下型地震はM6.5にとどまるためだ。

 改定案では、想定する直下型地震をM6.8程度に引き上げる。ところが、広島工業大の中田高教授(地形学)らの調査で今年6月、島根原発南側の宍道断層でM7級の地震が起きる恐れがあることが判明。中国電力の調査では把握できていなかったことから、石橋教授は「指針の不十分さが分かった。明確な断層が地表に表れなかった過去の地震(M7程度)を想定対象にすべきだ」と主張していた。

 石橋教授は「活断層を見逃していた宍道断層の問題から目をそらそうとする姿勢が問題だ」と話している。【鯨岡秀紀、中村牧生】

東海第二原発、安全装置を不正操作 定期検査合格図る? 08/09/06(朝日新聞)

 日本原子力発電は9日、東海第二原発(茨城県東海村)で、非常時に原子炉内で生じたガスを抜いて爆発を防ぐ安全装置の流量計表示を不正に水増ししていた、と発表した。実際のガス流量は基準を約15%下回っていたのに、基準通りの大量のガスが抜けるよう装う不正操作をしていた。国の定期検査合格のためだった疑いが強く、水増し表示は82年から今月2日に是正するまで続いていたとみられるという。

 原電と経済産業省原子力安全・保安院は、実際には流量が基準より20%ほど少なくてもガスは制御できるため、安全上の問題はなかった、としている。だが、保安院は「安全上重要な機器で、長年不適切な状態が続いていたのは問題だ」として原電を厳重注意した。9月8日までに原因を究明し、再発防止策を報告するよう求めている。

 問題の安全装置は96年に制御弁を取り換えて流量が基準を満たすようになったが、不正操作はそのままになっていた。

 原電によると、東京電力福島第一原発(福島県)の同じ装置で今年6月以降、相次いで不適合が見つかったことから、自主的に点検記録を調べていて不正が分かった。82年の定期検査の報告書に「弁が全開でも(流量が)定格を保持できなくなる」と記され、86年の報告書には「(設定を)調整し、対処した」との記述があった。基準未満の流量でも基準以上に表示されるよう、設定を変えていた。

 今後、作業員への聴き取りなどで不正操作の理由を調べるとしている。

中国新聞(2006年7月1日)より

浜岡原発5号機停止
タービン羽根50枚損傷 製造の日立製作所「設計に問題」

東北電に原発総点検指示「安全管理ずさん」…保安院 07/08/06(毎日新聞)

 経済産業省原子力安全・保安院は7日、原発の安全管理にずさんな点が多いとして、東北電力に対し原発の品質保証体制の総点検を指示した。総点検指示は、美浜原発3号機の蒸気噴出事故で2004年9月に関西電力に出されて以来。保安院は、8月7日までに再発防止策も報告するよう求めている。

 女川原発(宮城県)の2号機では、保安院に配管の管理体制の強化を求められていたのにすぐに点検せず、5月に水滴が流れることで削られる減肉が原因とみられる穴が見つかり、1、2号機で1か所ずつ基準以上の減肉も確認された。

 3号機の定期検査では、配管に記載された番号が図面と123か所で違っているなどのミスがあり、保安院に「定期検査の実施体制は、相当程度改善すべき事項がある」と3段階で最も低い評定「C」を受けた。

 東通原発1号機(青森県)で発覚した東芝の流量計データ改ざん問題では、対策の有効性を見極める前に社内検討会を解散するなどした。

 東北電力は「真摯(しんし)に受け止め、改善に全力で取り組んでいく」としている。

日本原燃「被曝なかった」と報告 一方、人為的ミス判明 07/03/06(毎日新聞)

 日本原燃の使用済み核燃料再処理工場(青森県六ケ所村)で先月24日、作業員の体内被曝(ひばく)が疑われた問題で、原燃は3日、経済産業省原子力安全・保安院と三村申吾・青森県知事に「被曝はなかった」との調査結果を報告した。だが、人為的ミスからプルトニウムの試料が分析室に飛散したことがわかり、原燃は作業管理者の配置など再発防止策をまとめた。

 原燃によると、被曝が疑われた事態は、機器の性能を確認するために作業員がプルトニウム試料の放射線を測定していた分析室で起きた。検出値の異常に気付いた作業員が、試料を固着させた皿を取り出して袋に入れ、別の分析室にいったん持ち出したという。

 一連の作業の中で、試料の一部がはがれて飛び散り、作業員の鼻や床に付着したとみられる。ただ、作業員の排泄(はいせつ)物から放射性物質は検出されず、原燃は体内被曝はなかったと結論づけた。

 試料を皿に固着させる前の段階で、別の作業員による前処理の際、装置の画面に表示された文字を見誤って、放射性の高い成分を取り除く作業をしなかった。このため、プルトニウム濃度が高い状態で試料が皿に固着したという。さらに濃度を確認する検出器も正常に機能せず、そのままトラブルの起きた分析室に持ち込まれたらしい。

 原燃は、前処理が未実施の試料が持ち出されないようシステムを改良するほか、作業員の教育の徹底や作業種別に管理者を置くなどして再発防止を図るとしている。

 原子力安全・保安院の広瀬研吉院長は「必ずしも作業員の単純ミスだけによるとはいえず、分析の行程をよく見直して原因を洗い直す必要がある。品質保証や安全管理について専門家の意見を聞きながら検証していきたい」と話している。

 保安院は、5日に予定されている総合資源エネルギー調査会(経産相の諮問機関)の検討会などで、報告書の内容を検証することにしている。

制御棒ひび割れ:保安院に厳しい注文 原子力安全委 06/01/06(毎日新聞)

 原子力安全委員会(鈴木篤之委員長)は1日の臨時会議で、経済産業省原子力安全・保安院が報告した原発制御棒のひび割れ対策について、「ひび割れが見つかるたびに全挿入すれば、それでよいのか」など厳しい注文を付けた。

 保安院はひび割れが見つかった東芝製のハフニウム板型制御棒について、長期間使用したものは全挿入の状態で固定するか、交換するとの対策を求めている。

 会議では中桐滋委員が「制御棒を全挿入すれば原子炉の特性が変わる。適宜取り換えが必要だ」と指摘。これに対し、保安院は「全挿入を推奨しているわけではなく、電力会社も次回の定期検査までに交換すると言っている」と答えた。しかし、鈴木委員長は「制御棒は安全上重要な機器で、もう少し(深刻な)課題だと認識してほしい。場合によっては安全委独自の調査も考える」と見解を述べた。【中村牧生】

東芝、流量計データ改ざんで社員6人処分 05/18/06(読売新聞)

 東芝が発電所向け「流量計」の試験データを改ざんした問題で、同社は18日、火力発電所7プラントで行われたデータ改ざんについて、社員と上司ら6人を減給などの処分にしたと発表した。西田厚聡社長ら役員4人は先に判明した原発の改ざんで基本報酬の20%3カ月間返上を決めていたが、今回の火力分としてさらに報酬の10%返上を追加した。岡村正会長も同割合で自主返上する。

 東芝は同日、コンプライアンスの徹底など、一連の問題の再発防止策を経済産業省原子力安全・保安院に報告した。東京電力と東北電力も、調達先の監査の徹底などを柱とした再発防止策を保安院に報告した。

原発データ改ざん、東芝社長らを厳重注意 04/20/06(読売新聞)

 東京電力と東北電力の計3基の原子力発電所で冷却水の流量測定装置のデータを東芝が改ざんしていた問題で、経済産業省原子力安全・保安院は20日、東芝の西田厚聡社長を呼び、厳重注意するとともに、5月19日までに再発防止策を提出するように指示した。

 発注元の東京電力の勝俣恒久社長、東北電力の高橋宏明社長も、機器の調達管理の徹底を指示された。3社の社長が呼び出され、直接注意を受けるのは極めて異例。

 保安院の広瀬研吉院長は、西田社長に対し、「今回の不正は東芝の安全文化のあり方に疑問を抱かせるもので、原子力施設への信頼を揺るがした」と厳しく注意した。東芝は、データ改ざんは1基だけとする内部調査結果を発表したが、その後、相次いで新たな改ざんが明らかになり、調査のずさんさも問題になった。

原子力機構の手当不正受給、1億3175万円に 04/14/06(読売新聞)

 旧核燃料サイクル開発機構(核燃機構)などの職員が手当を不正受給していた問題で、核燃機構などの統合に伴い、その業務を引き継いだ日本原子力研究開発機構は14日、不正受給額が当初の内部調査より279万円多い総額1億3175万円だったと発表した。

 昨年10月の統合直前の9月の段階で内部調査の結果が公表されたが、文部科学省から添付資料の不備などを指摘され、再調査が行われていた。また、不正を行っていた職員も当初の717人から736人に増えた。

 不正総額のうち1億2558万円は、すでに国へ返納されているという。

 再調査は、原則として調査が可能な2002年度以降の約3年間について、手当支給の根拠となった出勤簿と、実際の作業記録を突き合わせる形で行われた。その結果「放射線業務手当」などの調査漏れが明らかになった。日本原子力研究開発機構は、新たに発覚した不正受給分についても返納を求めるとともに、同機構に在職している8人については厳重注意などの処分を行った。

志賀原発訴訟:2号機運転差し止め命じる 金沢地裁 03/24/06(毎日新聞)

 北陸電力の志賀原発2号機(石川県志賀町、出力135万8000キロワット)を巡り、同県を含む16都府県の住民132人が北陸電を相手に運転差し止めを求めた訴訟の判決が24日、金沢地裁であった。井戸謙一裁判長は住民側の主張を認め、運転の差し止めを命じた。商業用原発での初判断。「想定を超えた地震で原発に事故が起こり、原告らが被爆する具体的可能性がある」と明確に言い切っており、国が進める原発行政に見直しを迫る内容で、影響は極めて大きい。

 改良型沸騰水型(ABWR)で初の判決。原発訴訟では、研究開発中の高速増殖炉「もんじゅ」(福井県敦賀市)で03年1月、名古屋高裁金沢支部が設置許可の無効を言い渡している(05年5月に最高裁が破棄)。

 2号機は99年8月に着工。住民側は同月、建設差し止めを求めて提訴し、昨年4月に2号機が試運転を開始したことから、同5月、請求内容を運転差し止めに変更した。2号機は今月15日、営業運転入りした。

 住民側は訴訟で、2号機に近い邑知潟(おうちがた)断層帯について、政府の地震調査委員会が昨年3月、北陸電の想定を超える規模の地震が起きる可能性を示したことを指摘。2号機などが採用している国の原子力安全委の耐震指針は「時代遅れ」で、「北陸電の地震想定は過小評価。潜在的な危険性がある」と主張した。

 また、ABWRは出力などを調整する「再循環ポンプ」を原子炉本体に内蔵しており、ポンプにトラブルが発生すると原子炉内のウラン燃料にまで損傷を及ぼす可能性があり、「経済性優先の危険な設計」と訴えた。

 北陸電側は断層帯について、地震調査委とは評価手法が違うとした上で、「調査委の指摘通りの地震を仮定した検討でも、耐震設計の妥当性は損なわれないと確認した」と反論。ABWRの安全性についても、他原発での実績や国の安全審査に合格していることなどから、「信頼性は向上している」とした。

美浜事故検証・社外委員代表の団体 関電、家賃肩代わり 03/20/06(読売新聞)

 11人が死傷した関西電力美浜原発3号機(福井県美浜町、運転停止中)の蒸気噴出事故を受け、再発防止策の実施状況を監視してもらうために関電が設けた「原子力保全改革検証委員会」(10人)をめぐり、女性委員が代表を務める民間団体の事務所経費を、同社などが4月から負担することが分かった。経費は年間約240万円で、大半を同社が負担する。運転再開に向け、お墨付きをもらう立場の検証委員への支援は評価の客観性が問われることになりそうだ。 支援を受けるのは、「福井県女性エネの会」(政野澄子会長、380人)。市民レベルで原子力事業の啓発活動などをしている。

 関電は事故後、29項目の再発防止策を策定。昨年4月に検証委を設置した。委員10人のうち3人は関電幹部。他は弁護士、大学教授ら社外の有識者で、エネの会会長の政野氏も参加している。

 同会はこれまで、政野氏が館長の県生活学習館(福井市)に事務局を置いていたが、今月で館長を退くため市内の民間ビルに移転する。政野氏の側から関電などに、家賃や光熱費などの事務所経費について支援要請があった。県内に原発11基がある関電が大半を負担し、原発2基を持つ日本原子力発電(原電)なども一部負担するという。

 関電の森詳介社長は今年1月、国が実施して今月中に結果をまとめる予定の保安検査や、検証委の結果などを県が評価した上で、美浜原発3号機の運転再開に向けた協議を県に申し入れるとの見通しを述べていた。

 関電地域共生本部は「エネの会の趣旨が当社の事業内容と一致するため協賛金を出しているのは事実。家賃など個別の金額は明らかにしていない。協賛は会に対してであり、検証委の客観性が損なわれるとは考えていない」としている。

 政野氏は「4月以降に電力以外の企業にも協賛を求める考えで、電力会社だけに頼っているわけではない。エネの会の活動はボランティアで検証委の活動とは関係ない。委員会では私が一番厳しいことを指摘している」と話している。

   ◇

 〈キーワード・関電美浜原発3号機の蒸気噴出事故〉04年8月に2次系配管が破裂。高温・高圧の蒸気と水が噴き出し、作業中の5人が死亡、6人が負傷した。国は同9月に運転停止を命令したが、05年12月に配管の肉厚が技術基準に適合したとして停止命令を解除した。今後の運転再開に向けて関電は、独自に安全協定を結んでいる福井県、美浜町の了解を得る必要がある。

保安院、三菱重工に立ち入り検査・原発の刻印改ざんで 02/27/06(日経新聞)

 関西電力美浜原発3号機(福井県美浜町)の工事で三菱重工業が配管の製品番号の刻印を改ざんした問題で、経済産業省原子力安全・保安院は27日、電気事業法に基づき、刻印改ざんが行われた兵庫県高砂市の三菱重工業高砂製作所を立ち入り検査した。

 保安院は引き続き3月1日までに、美浜原発と関西電力の原子力事業本部を立ち入り検査する。

 保安院電力安全課によると、検査は両社が提出した再発防止策が的確に実施されているかどうかを確認するのが目的。27日午後1時から、配管の製作現場に立ち入ったのをはじめ、配管溶接にかかわるマニュアルや再発防止策の実施状況の書類などを6時間あまり確認した。

 この問題は、高砂製作所で昨年2月、同じ寸法の部品をつなぎ間違えた職員が正しい位置に入れ替えずに刻印を削って改ざん。関電の指摘で正しいものに取り換えていたことが昨年11月、発覚した。

 三菱重工業はことし2月、原子力と火力の計8発電所についても、間違えたケースがなかったかを点検すると保安院に追加報告している。〔共同〕

東芝本社などに立ち入り調査 原子力安全・保安院 02/14/06(朝日新聞)

 東京電力の原発の一部に納入された東芝製の給水流量計の試験データが改ざんされたとされる問題で、経済産業省原子力安全・保安院は13日、東芝の本社(東京都港区)と京浜事業所(横浜市鶴見区)に立ち入り調査した。10日の同事業所への立ち入り調査に続き、本社の原子力担当部門のかかわり方などを確認する、という。

 東芝製の流量計をめぐっては、福島第一原発6号機で東芝社員2人が試験データを改ざんしていたことが1月末に明るみに出たほか、今月10日には柏崎刈羽原発(新潟県)7号機のデータでも、改ざんを疑わせるコンピューターのファイルが見つかった。

 保安院は東芝に対し任意で試験記録などの提供を求め、担当者などからも事情を聴いている。

関電美浜事故、作業員が配管の接続間違ったうえ改ざん 11/10/05(読売新聞)

 関西電力美浜原発3号機(福井県美浜町)の配管破損事故で、事故後に破損した主復水管の取り換え工事を請け負った三菱重工業の作業員が、兵庫県高砂市の同社高砂製作所で配管を仮接続する際、つなぎ間違えたうえ、配管の製造番号の刻印を削って改ざんしていたことが9日わかった。

 関電によると、関電の検査員が2月、同製作所で配管を確認した際に改ざんに気付いた。関電は接続のやり直しを求め、改ざんに関する報告書を作成して三菱側に是正を要請。しかし、今月初旬まで、国に経緯は報告していなかった。

 経済産業省原子力安全・保安院は10日から2日間、修復された配管が技術基準に適合しているかを確認するため立ち入り検査を行う予定で、改ざんの経緯についても調べるという。

 関西電力原子力事業本部は「品質保証上あってはならないこと」としている。

JCO臨界事故:「無知が原因だった」 唯ーの生存者語る 09/30/05(毎日新聞)

 茨城県東海村の核燃料加工会社「ジェー・シー・オー(JCO)」東海事業所で99年に起きた国内初の臨界事故から、30日で丸6年。「スペシャルクルー」として現場で被ばくして入院した3人の一人、横川豊さん(60)が、毎日新聞の単独インタビューに応じ、事故の状況や当時の心境を語った。【須田桃子】

 「バシッ」。99年9月30日午前10時35分ごろ、JCOの転換試験棟。デスク作業を始めようとしていた横川さんは、薄い壁1枚を隔てた部屋から鋭い音を聞いた。同時に開けていたドアが青白く光り、臨界警報が鳴った。隣の部屋では同僚の篠原理人さん(当時39歳)、大内久さん(同35歳)が沈殿槽にバケツでウラン溶液を入れる混合作業中だった。

 臨界が起きると青い光と音が出ることは知っていたので「もう助からないな」と思った。横川さんは部屋から出てきた篠原さんと大内さんに「臨界だ。すぐ外に出ろ」と叫んだ。

 千葉市の放射線医学総合研究所に運ばれて間もなく、隣り合ったベッドの上で大内さんと言葉を交わした。「久、頑張れよ」「横さんも」。それが最後の会話になった。99年12月に大内さん、翌年4月には篠原さんが亡くなった。「独りぼっちになった感じ。話したことに相づちを打ってくれる人がいなくなった」。たった一人、「臨界の体験者」として生きる重さと孤独がのしかかった。

   ◇   ◇

 事故の約1年前にスペシャルクルーの副長になり、燃料用ウラン溶液の製造に携わるようになった。既にバケツの使用をはじめ「裏マニュアル」による違法な作業が常態化していた。「こんな作業がうまくなっても、自慢できないな」「泥棒がうまくなるようなもんだ」。仲間と冗談めかして語り合ったが、事故を招くとは夢にも思わなかった。

 「事故原因は『無知』だった」と言い切る。事故前には、それまでに経験のない高濃度ウラン溶液を扱うようになったが、会社から臨界の危険性についての指導はなかった。「ウランが液状なら、大量に沈殿槽に入れても大丈夫と思い込んでいた」という。

 退院して数カ月後に職場に復帰。還暦の誕生日を迎えた昨年11月末、JCOを定年退職した。シルバー人材センターに登録。平日はJCO敷地内の芝刈りに通い、2カ月に一度は大内さん、篠原さんの墓前に足を運ぶ。

 「『原子力の電気』がいるかどうか、国と事業者がリスクをすべて明らかにして住民と議論すべきだ」と横川さん。事故から6年。原子力を巡る国内の議論はまだ進んでいないと感じている。

 【ことば】JCO臨界事故 99年9月30日、茨城県東海村のJCO東海事業所の転換試験棟で、沈殿槽に作業員がウラン溶液を大量に投入。核分裂が連鎖的に続く臨界になり、JCO社員や周辺住民666人が被ばくし、2人が死亡した。水戸地裁は03年3月、業務上過失致死罪などで同事業所元幹部ら6人と法人としてのJCOに有罪判決を言い渡した。

女川原発:宮城沖地震で設計限界超える揺れ 国も事態重視 09/02/05(毎日新聞)

 先月16日に宮城県沖で起きたマグニチュード7・2の地震により東北電力女川原発1~3号機(宮城県女川町、石巻市)が緊急停止した問題で、同電力は2日、地震による岩盤上の揺れが一部の周波数帯で設計用限界地震動(S2)を超えていたと発表した。設計用限界地震は「およそ現実的でない」とされる大地震で、一部でも限界地震動を超えたことが確認されたのは国内で初めて。経済産業省原子力安全・保安院は事態を重視し、詳細な分析を指示した。今月中旬に予定していた2号機の運転再開は遅れる可能性が高まった。

 同電力は、地下8.6メートルの岩盤上に設置された地震計の観測値を分析。岩盤を押さえつけている上部の地盤の影響を取り除いた揺れを計算したところ、周期0.05秒で888ガルに達し、想定したS2の673ガルを超えた。ただし、さまざまな周期が重なった実際の揺れはS2の375ガルを下回る284ガルだった。また、建物や安全上重要な機器の揺れは設計の範囲内に収まっており、安全性に問題はなかったという。

 同電力では今後、(1)地震の発生メカニズムや震動の伝わり方(2)地盤の影響(3)国の地震調査委員会が推定する想定宮城県沖地震の影響--などを解析し、基準地震動の見直しが必要かどうかも含めて検討する。

 原子力安全・保安院の佐藤均・原子力発電安全審査課長は「一部とはいえ限界地震動を超えていたことは事実で、なぜ超えたのかについて詳細な分析・評価を指示した。(運転再開は)安全性を確認したうえですべきだと思う」と話している。【中村牧生】

 ◇ことば…基準地震動

 原発は、設計用最強地震動(S1)と設計用限界地震動(S2)の2種類の基準地震動を想定して設計される。S1は、原発の周辺で過去1万年間に活動した活断層と記録に残る過去の地震などから想定した場合の地震動。S2はS1よりも強く、過去5万年間に活動した活断層で起きる地震やマグニチュード6・5の直下型地震などを考慮して決める。原発で最重要の機器は(1)S1までは壊れない(2)S2までは多少壊れても安全性を確保する--などが要求されている。

 ◇小さすぎた耐震設計の前提条件

 東北電力女川原発の岩盤上で観測された地震動が、一部の周波数帯で設計用限界地震動(S2)を上回ったことは、同原発の耐震設計の前提となる基準地震動を小さく想定し過ぎていた可能性をはらんでいる。想定を超えた理由を解析し、全国で運転中の53基の原発の基準地震動に問題がないかどうか確認すべきだ。

 S2は同電力のパンフレットで「およそ現実的ではないと考えられる大きな地震」と表現されていた。だが、今回の地震は「30~40年に一度起きる」とされ、S1、S2の設定にも使われた宮城県沖地震=マグニチュード(M)7.5前後=より小さく、まれとは言えない規模だった。

 神戸大の石橋克彦教授(地震学)は「この程度の地震でS2を超えたのは、今までの耐震設計が万全ではなかった証拠だ」と指摘する。S2の設定方法はどの原発でも同じで、他の原発でも同様の問題が発覚する可能性がある。

 国の原子力安全委員会は原発の耐震基準見直しを進めており、基準地震動の設定方法も再検討している。今回の事態はこうした議論にも影響を与えそうだ。【中村牧生】

美浜原発事故、1か月前に未点検認識…責任追及へ 08/10/05(読売新聞)

 11人が死傷した昨年8月の関西電力美浜原発(福井県美浜町)の配管破損事故で、破損個所が28年間未点検のまま放置されていたことに、同発電所が事故1か月前に気づいていたことが9日、福井県警の調べでわかった。

 県警は、遅くても、1か月前には事故を予見し、未然に防げた可能性が高いと判断。業務上過失致死傷容疑での立件に向け、経緯を調べている。これまで関電側は、未点検に気づいたのは事故直前だったとしていた。

 調べによると、関電は昨年7月上旬に実施した大飯原発1号機(同県大飯町)の定期検査で、2次系配管3か所の肉厚が国の基準(厚さ15・7ミリ)を下回り、12・1~14・5ミリまで減り、配管の余寿命がなくなっていたことを確認した。この直後に美浜発電所でも同様の個所がないかを調査していた。

 県警が同発電所の捜索で押収した資料などから、調査過程で、同発電所機械保修課の複数職員が遅くても7月中旬には、運転開始以来、配管が一度も点検されていなかったことに気づいていたことがわかった。

 県警は、美浜3号機の破損個所の未点検が発覚した7月中旬時点で、大飯原発と同様に配管の厚さが減っていることを予見できた可能性が高いと判断した。

神戸新聞(2005年3月30日)より

関電・美浜原発事故
「企業任せ 国も反省を」調査委が最終報告了承

関電、三菱重工がISOの認定を受けているか不明であるが、ISOの認定を受けていれば ISO認定のために審査を行った検査機関にも問題がある可能性が高い。ただ、この場合、 少なくとも2つのケースが考えられる。依頼者(顧客)から審査を簡単に通すように圧力が あった。これは審査に通らなかった場合に審査会社を変える等の圧力を含む。もう1つは、 審査機関が適切な審査を行っていなかった。 これはあくまで仮定の話である。ただ、三菱ふそうの欠陥車問題を考えれば、可能性はあると 思える。三菱ふそうはISOの認定をキャンセルされたはずである。再度、取得したかは不明。

福井・美浜原発事故:関電、三菱重工の責任重い--調査委が最終報告案 03/15/05(毎日新聞)

 11人が死傷した昨年8月の関西電力美浜原発3号機(福井県美浜町)蒸気噴出事故に関する経済産業省の事故調査委員会が14日、福井市内であり、同省原子力安全・保安院が事故の最終報告書案を提出した。関電の保守管理体制が機能しなかったとして、関電の責任を厳しく指摘。メーカーの三菱重工業(東京都)の品質保証体制も批判し、2社の責任に重点を置いた内容。委員会は30日に最終報告書をまとめる。

 報告書案は、関電が(1)改造工事や修繕で配管の配置が変更されても図面に反映せず、保守管理業務の発注者として適切な管理を行わなかった(2)配管の寿命が1年未満と判明しても、補修を先送りにすることが常態化していた--と指摘した。

 一方、三菱重工は、関電が90年に策定した管理指針に従い、減肉の起きやすい個所をリストに登録。この際、ベテラン社員1人に大量の作業を任せ、関電の全原発で計42カ所の登録漏れを起こした。うち10カ所の漏れに気付いたが、関電に伝えなかった。

 検査会社の日本アーム(大阪市)については責任を問う記述は少なく、保安院は「(リスト漏れの個所は)次の定期検査で点検すればいいという認識にとどまっていた」などと話した。【根本毅】

「関電、自覚足りぬ」 美浜原発事故で保安院が報告書案 03/14/05 (朝日新聞)

 昨夏に11人の死傷者を出した関西電力美浜原発3号機(福井県美浜町)の蒸気噴出事故で、経済産業省原子力安全・保安院は14日午後、関電の事業者としての自覚不足や経営層の管理ミスを指摘した最終報告書案を、福井市で開く総合資源エネルギー調査会(経済産業相の諮問機関)・事故調査委員会に報告した。同社の合理化策が事故の背景にあったと判断。定期検査期間を短縮するなど、安全を軽視して「工程優先と現場に誤解を与えかねない風土」の排除を求める方針も明らかにした。

 検査漏れから事故を起こした破損部位は、90年に検査台帳を作った時、登録から漏れた。もとになった管理指針は関電が作ったが、関電は三菱重工業に検査台帳を作らせた際、指針に従うよう明確には求めなかった。三菱重工は、関電から委託を受けた調査研究の段階では破損部位を検査対象にしておらず、その後にできた指針で関電が対象に入れたことから三菱重工が混乱した。

 保安院はこの点について、関電が、三菱重工と十分な知見を共有できていると思いこんでいた、と分析。三菱重工の管理にも問題はあったが、関電の対応が検査台帳からの登録漏れを生んだ一因になったと指摘した。

 三菱重工や、96年に検査業務を引き継いだ関電子会社の日本アームは、新たな減肉現象が現場で見つかるたびに、それを反映させながら点検範囲を広げていた。このため、最初の登録漏れを疑う意識は希薄だった。

 さらに関電は、修繕や改良工事で配管の形状や材質が変わっても、三菱重工や日本アームに十分な情報を伝えなかった。保安院は「一義的には事業者責任であることの自覚が不足」「関電自らが十分チェックしていなかった」と関電の管理の不十分さを指摘した。

朝日新聞(2005年3月2日)より

「心からの反省ない」 遺族ら激しく反発

美浜原発:1号機の貯蔵タンクで水蒸気漏れ 福井 01/20/05(毎日新聞)

 関西電力は20日、営業運転中の美浜原発1号機(福井県美浜町、加圧水型)の高温の2次冷却水を一時的に貯蔵するタンクから水蒸気が漏れているのが見つかったと発表した。原子炉を停止せず、出力を10%まで下げて、関連する2次系配管の一部を隔離したうえ、修理するという。放射能は漏れておらず、外部環境に影響はないとしている。

 関電によると、水蒸気漏れが見つかったのは、高圧タービンを回した蒸気を再加熱した高圧、高温の2次冷却水(約50気圧、約260度)を一時的にためる「湿分分離加熱器ドレンタンク」(容量3・5トン)。20日午前10時ごろ、パトロール中の運転員が円筒形のタンク上部から蒸気が噴き出ているのを発見した。タンクは炭素鋼製で、容器の厚さは6センチ。70年の運転開始から一度も交換していないという。

【日野行介】

朝日新聞(2004年12月23日)より

越年する関電美浜原子力発電事故問題 やめぬ社長 揺らぐ信頼

関電データねつ造:5日、行政処分へ 経産省 11/05/04 (毎日新聞)

 関西電力の火力発電所の検査データねつ造問題で、経済産業省は5日、電気事業法に基づき、同社に対して厳重注意するとともに、不正のあった11火力発電所を対象に、定期検査の回数軽減の優遇措置を取り消す行政処分を出す方針を固めた。これまで3年に1回だったが、発電所によっては毎年になる。発電所の設備保安を監督する「ボイラー・タービン主任技術者免許」を持つ担当者複数に対しても、免許取り消しの手続きを始め、聴聞会開催を通知する見込み。免許が取り消されれば全国初になる。

 関電の火力発電所の定期事業者検査を巡っては、関西国際空港エネルギーセンターが4月に近畿経済産業局から立ち入り検査を受け、計測値の書き換えなどの不正が発覚。過去の検査で自主的な管理基準値を超えていたにもかかわらず記録を改ざんするなどの悪質なケースが101件あり、転記ミスなども含めると計8163件の不正処理が報告されている。

 近畿経済産業局は不正のあった発電所に立ち入り検査していた。

朝日新聞(2004年10月27日)より

関電、データ改ざん101件 火力発電所の検査不正報告 誤記含め8062件

朝日新聞(2004年10月27日)より

関電不正報告 組織の緩み また露呈 信頼回復、前途多難

関電データねつ造:不正処理8000件 社長ら処分へ 10/26/04 (毎日新聞)

 関西電力は26日、火力発電所の検査データねつ造問題で、追加調査の結果、今までの判明分も含め、転記ミスなどの不正処理が全体で約8000件に上ったことを明らかにした。計測値の改ざんやねつ造など悪質なケースはこのうち101件あった。同社は新たな不正発覚を受け、藤洋作社長、担当役員ら30人程度について、減給などの処分を行う考え。同日午後発表する。

 これを受け、近畿経済産業局は近く再び立ち入り検査を実施した後、行政処分を行う考えだ。

 11人が死傷した今年8月の美浜原発3号機(福井県美浜町)の高温蒸気噴出事故では、配管の検査漏れが原因と分かり、同社の安全管理意識の低さが指摘された。火力発電所の検査データねつ造がこれほど多発、まん延していたことが改めてわかり、経営陣への批判はさらに強まりそうだ。

 今年5月、同社の火力発電所、関西国際空港エネルギーセンター(大阪府田尻町)で01年度~03年度に行われた自主検査で176件の不正処理が発覚。経産局の指示で調査した結果、全11カ所の火電(11基)でも計3659件のミスが見つかった。悪質なケースが87件あり、7月に藤社長の報酬一部カットの社内処分をした。未調査だった残る35基の追加調査で、新たに悪質な14件と、全体で4000件を上回る不正処理が見つかった。

関西電力の悪質な不正計101件 検査データ改ざん問題 10/26/04 (朝日新聞)

 関西電力が火力発電所の検査データを捏造(ねつぞう)するなどした不正報告問題で、故意にデータを書き改めたりした悪質な不正報告が計101件にものぼることが26日までの同社の社内調査で明らかになった。誤記などのミスによる不正報告も8千件程度に達し、同社は同日午前、経済産業省に調査結果を報告した。同省は関電への立ち入り検査をしたうえで、行政処分の検討を始める方針だ。

 関電は同日午後、記者会見し、検査結果を正式発表すると同時に、担当役員らの追加処分も実施する。

 不正報告問題は、4月の近畿経済産業局の立ち入り検査で発覚。同局の指示で、関電が11カ所の発電所を調査した結果、これまでに計3659件の不正報告が判明した。このうち、計測値や管理基準値を書き換えるなどした悪質な不正報告が87件含まれていた。

 その後、さらに調査対象を拡大して調べた結果、南港発電所(大阪市)や海南発電所(和歌山県海南市)など5カ所で新たに14件の悪質な不正報告が見つかった。中川経産相は同日の閣議後会見で、関電の不正報告問題について「重大に受け止め、改善していただきたい」と述べた。

東京電力:福島原発骨材で納入業者がデータを改ざん 10/22/04 (毎日新聞)

 東京電力は22日、福島第1原発で、使用済み燃料共用プールなど3施設の建設に使われたコンクリート用の砂利などを納入した骨材会社「東洋機工」(福島県広野町)がアルカリ骨材反応試験の結果を改ざんしていたと発表した。アルカリ骨材反応はコンクリート中のアルカリ成分が砂利や砂に含まれる鉱物と反応し、コンクリートが膨張する現象。東電は改ざんが確認された3施設や疑いのある施設などについて臨時の目視検査を実施し、「安全性を確認した」としている。

 東電によると、東洋機工は95年5月~00年4月に第三者機関から試験結果の報告を受けた。福島第1原発の使用済み燃料共用プールなどについて「アルカリ骨材反応を起こす可能性がある」と判定されたにもかかわらず、「無害」と改ざんし、生コンクリート会社に提出していた。それ以前は試験成績書が保存されていないため、同社の骨材が使われた第2原発を含む他の7施設でも改ざんの疑いが否定できないという。【足立旬子】

「破損した配管が点検リストから漏れた経緯や、点検漏れを発見しながら対応しなかった理由などが明らかにされていない」と 原子力安全委に指摘された点は、調査すればわかること。こんな調査を行う保安院だから 今回の事故を防げなかったのだろう。能力の問題でなく、やる気の問題である。

美浜原発事故、保安院の調査は不十分…原子力安全委 10/21/04 (読売新聞)

 5人が死亡、6人が重軽傷を負った関西電力美浜原子力発電所3号機(福井県美浜町)の蒸気噴出事故で、内閣府の原子力安全委員会(松浦祥次郎委員長)は21日、経済産業省原子力安全・保安院の事故調査報告書に対する評価や再発防止策を盛り込んだ中間報告をまとめた。

 中間報告は、保安院の事故調査委員会が先月27日に公表した中間報告書について、「破損した配管が点検リストから漏れた経緯や、点検漏れを発見しながら対応しなかった理由などが明らかにされていない」と指摘。「さらなる調査を期待する」と保安院に対して調査の継続を求めた。

 保安院は現在も調査を続けており、原子力安全委に指摘された点は、最終報告書に盛り込みたい考えだ。

 再発防止策としては、原子力関係者全員が常に安全に対する意識を高めておくことが重要だと強調。原子力安全委員は今後、電力会社や下請け業者の幹部と安全対策について定期的に意見交換していくことを決めた。22日には早速、関電の藤洋作社長らと意見交換する予定。

朝日新聞(2004年10月13日)より

もんじゅ事故隠しの調査担当官
「ウソ強要され自殺」遺族きょう提訴

「動燃、うその発表強要」 自殺した職員の遺族、提訴へ 10/13/04 (朝日新聞)

 95年に動力炉・核燃料開発事業団(動燃)の高速増殖原型炉もんじゅ(福井県敦賀市)で起きたナトリウム漏れ事故の内部調査を担当した職員が自殺した問題で、妻ら遺族が動燃を引き継いだ核燃料サイクル開発機構(茨城県東海村)を相手取って約1億4800万円の損害賠償を求める訴訟を13日、東京地裁に起こす。原告側は、自殺前日に出席した記者会見での発言が、事前の調査と違うことなどから「うその発表を強いられ、死に追いやられた」と主張。自殺から8年余りを経て真相解明は法廷に持ち込まれることになった。

 自殺したのは動燃の総務部次長だった西村成生(しげお)さん(当時49)。西村さんは、事故直後の12月9日午前2時に現場を撮影したビデオが当初公表されなかった「ビデオ隠し」について社内調査を担当していた。

 西村さんは翌96年1月12日に開かれたこの日3回目の記者会見に初めて出席。動燃がまとめた記者会見議事録概要によると、本社がビデオ隠しに関与していることが分かった時期について、西村さん自身の調査結果とは異なる「1月10日」と発言した。

 原告側は、前年の12月25日に判明していたと発表すると、再度ビデオ隠し問題が批判されることを恐れたのではないか、と指摘している。

 西村さんは翌13日未明、宿泊先のホテルから飛び降りて自殺。当時の大石博理事長や同僚にあてた遺書には自らの会見での発言を悔いる趣旨の言葉が残されていた。

 原告側は、西村さんはこのような重大な問題について、独断で発言内容を決定できる立場にはなく、その発言内容は事前に決定していたはずだと指摘。そのうえで「動燃には、うその発表をさせなくてもすむように事前に真実を公表する義務があった」と主張している。

    ◇

 西村さんの妻(58)は「今まで8年間、何をしても、動燃は納得のいく説明をしてくれなかった。なぜ亡くなったのか、理由を聞きたい。それが訴訟の最大の理由です」と話している。

    ◇

 当時の動燃幹部は朝日新聞社の取材に対し、「事前の打ち合わせでは12月25日と説明することになっていた」とし、別の幹部は「西村さん自身の判断で1月10日と答えた」と説明した。核燃料サイクル開発機構広報部は「内容を把握していない段階ですので、コメントは差し控えさせていただきたい」としている。

肉厚緊急点検、6火力発電所でも安全基準下回る 10/12/04 (読売新聞)

 関西電力美浜原子力発電所3号機(福井県美浜町)の蒸気噴出事故を受けて行われている緊急点検の結果、新たに全国の6火力発電所の配管計23か所で、安全上必要な肉厚を下回っていることが12日分かった。

 美浜3号機では点検リストから漏れていた肉厚不足の配管が破裂して、高温高圧の蒸気が噴き出し、作業員11人が死傷した。

 今回、配管の肉厚不足が明らかになったのは、中国電力玉島発電所と下関発電所で計11か所、沖縄電力牧港発電所で9か所、北海道電力伊達発電所と知内発電所で計2か所、関西電力海南発電所で1か所。いずれも運転開始から20年以上経過していた。関電では既に姫路第1発電所でも、計3か所の肉厚不足が判明している。

 ◆運転開始20年未満、火力発電所の95%が未点検◆

 運転開始から20年未満の火力発電所の配管点検状況も公表された。

 全国11電力会社で、検査対象部位6万7468か所のうち、点検が行われていたのはわずか3528か所で、残りの95%は未点検だった。各電力会社では、運転開始から間もない新しい発電所や休止施設を除き、順次点検を進める。各電力会社の検査対象部位数は次の通り。カッコ内は点検を終えた部位数。

 ▽北海道電力1328か所(13か所)▽東北電力7977か所(534か所)▽東京電力8622か所(445か所)▽中部電力1万9001か所(1055か所)▽北陸電力2409か所(42か所)▽関西電力1万1602か所(746か所)▽中国電力3008か所(330か所)▽四国電力209か所(ゼロ)▽九州電力9988か所(339か所)▽沖縄電力895か所(ゼロ)▽電源開発2429か所(24か所)

配管の肉厚に不安、福島原発で5号機の運転停止へ 10/12/04 (読売新聞)

 東京電力福島第1原発5号機(福島県双葉町、出力78万4000キロ・ワット)の配管1か所の肉厚が国の基準を下回っている可能性があることが分かり、東京電力は12日、交換のため、5号機の運転を停止すると発表した。

 運転は13日未明に停止、配管の交換には1週間程度かかるという。

 問題の配管は、タービンを回した後、再び原子炉へ戻す水を温める「給水加熱器」の1系統。関西電力美浜原発(福井県美浜町)の蒸気噴出事故を受け、福島県が配管肉厚の管理状況を照会した過程で発覚した。東電は「安全上の問題はない」としていたが、福島県側が交換を要請していた。

「関電は、「検査を委託した会社にすべて任せていた。事故が起きるまで検査漏れに気が付かなかった」 などと主張しているが、これについても「責任逃れにほかならない」」との決断は妥当であろう。 たぶん、5人が死亡した事故が起こらずに誰かが告発でもすれば、闇に葬られていたかも知れない。 そして、死亡事故が起こった時に、「検査を委託した会社にすべて任せていた。事故が起きるまで検査漏れに気が付かなかった」 と同じ事を言うのであろう。警察もたぶん、何もそれまではしなかったであろう。 船の検査でも不適切な検査などやっている所はやっている。 このようなひどい状態の船舶 でも検査をパスする。PSCの努力の結果は、出ているがサブスタンダード船は今でも 日本に来ている。たぶん、検査の不備で事故が起こったら、 「検査を委託した会社にすべて任せていた。」と似たような言い訳を船主やオペレーターは 言うだろうね。関西電力でも使うのだから、小さな会社はもっと許されるのだろうね。 心から思うのは、原発だけは近くに建設しないでほしい。騙して建設した者勝ちだから。

石川島播磨重工業はエンジンデータ改ざんしていた。 「配管に前回の測定時期などを書き込んだ表示札を取り付け、点検漏れが瞬時に分かるようにする。」 ことにすれば、点検漏れ問題は解決できるが、石川島播磨重工業のような組織的な改ざんは 防げない。点検した担当者の名前も記入するようにすればもっと良いだろう。 組織的に改ざんを行った時に調査がスムーズになるだろう。嘘のつじつまを合わせるのは 難しいからね。上手くつじつまを合わせた場合は、悪質な組織ぐるみの隠ぺいや改ざんとなる のは明らかだろう。

原発の配管検査、委託最小限に…関電が事故再発防止策 09/27/04 (読売新聞)

 関西電力は27日、美浜原発3号機の蒸気噴出事故で事故調査委員会の中間報告が出たのを受け、当面の再発防止策をまとめた。

 検査を委託する企業との役割分担の見直しを打ち出したのが特徴で、国が求めている今年度中の期限を、年内に前倒しして実施する。藤洋作社長は同日午後会見し、防止策を発表する。

 防止策は、検査項目や頻度など検査計画の立案、測定後のチェックを関電が実施するなど、責任範囲を明確にし、既存の検査委託契約を全面改定する。2次系配管の肉厚検査は関電が主体的に行い、外部委託は測定作業など最小限にとどめる。

 また、配管に前回の測定時期などを書き込んだ表示札を取り付け、点検漏れが瞬時に分かるようにするほか、コンピューターのシステムも変更して管理を強化する。美浜発電所では保守・管理にかかわる人員を増やし、委託先企業を含めた現場での情報交換を緊密にすることも検討している。

美浜原発再開、国の基準順守が条件…経産省指導へ 09/26/04 (読売新聞)

 5人が死亡、6人が重軽傷を負った関西電力美浜原子力発電所3号機(福井県美浜町)の蒸気噴出事故で、経済産業省原子力安全・保安院は25日、関電が主張する独自の安全確認手法を認めず、国の技術基準の順守が確認されるまで同原発の運転を認めない方針を固めた。

 27日に開かれる事故調査委員会の審議を経て決定し、中川経済産業相が藤洋作・関電社長に対して直接、行政指導する。

 このほか、事故で破裂した配管の検査漏れについて関電は、「検査を委託した会社にすべて任せていた。事故が起きるまで検査漏れに気が付かなかった」などと主張しているが、これについても「責任逃れにほかならない」として、今後は外注部分についても責任の所在を明確にするよう指導する。

朝日新聞(2004年9月18日)より

関電の管理、機能せず 美浜原発事故 中間報告書案 保安院が指摘

大手でもいろいろとやっているようだ。三菱自動車と同じ体質なのでしょうか。 そうなると、原発はかなり危険と思う。どこまでが真実なのか??

原発トラブル隠し、福島原発で自主点検記録を改ざん 09/24/04 (読売新聞)

 東京電力は24日、福島第1原子力発電所(福島県)5号機の自主点検記録を社員が改ざんし、トラブルを隠ぺいしていたことを明らかにした。

 同日、不正にかかわった3人のうちリーダー格の当直長(当時)と、不正を見抜けなかった上司の発電部長(同)の2人を厳重注意処分とした。

 調べによると、3人は2000年10月17日、同機の緊急炉心冷却装置(ECCS)系配管の弁の開閉検査を実施。20個ある弁のうち1個が故障し、開閉の途中で止まってしまうことがわかった。すぐに交換用の弁を発注、翌18日から3日間かけて交換したが、検査記録には前回点検時の正常なデータを記入、問題がないように装っていた。

原発配管の「肉厚」、関西電力が国基準を“無視” 09/24/04 (読売新聞)

 関西電力が、大飯原発1号機(福井県大飯町)の2次系付属配管の寿命の算出の際、国の技術基準を独自に解釈し、必要な肉厚の12分の1も薄い「0・3ミリ」と算定していたことが、23日わかった。

 原子力安全・保安院は「0・3ミリでは配管の形を維持するのも難しく、安全意識に問題がある」と厳しく批判している。

 指摘を受けたのは2次系給水を温めるための給水ヒーター(直径15センチ、肉厚11ミリ)の配管で、国の基準では摩耗しても3・8ミリ以上の肉厚が必要とされているが、関電は「0・3ミリになるまで使用可能」と、独自に判断していた。

「こうした配管は本来、すぐに交換すべきだが、関電は技術基準で火力発電所に認められている特例を 独自に適用し、寿命をより長く評価。「安全に問題ない」として交換を翌年以降の定検に先延ばししていた。 こうした二重基準は正規の社内基準ではないが、保安院は美浜原発では以前から続いていた疑いがあるとみている。」 と書かれている。検査レポートなどにはこの事実は記載されていなかったのだろうか。記載されていたので あれば、やはり、保安院にも責任があるだろう。記載されていなかったのであれば、検査要求項目として 全てを記載するように義務付けるべきであろう。また、保安院は企業は利益を優先する傾向があることを 理解した上で、検査や検査要求項目について再検討する必要があるだろう。今回の事故により、原発が いかに危険で監督や検査に問題がある事が示されたと思う。

美浜原発の全機で肉厚不足放置 国の技術基準を独自解釈 09/17/04 (朝日新聞)

 蒸気噴出事故を起こした関西電力美浜原発3号機(福井県)で、昨夏の定期検査で別の2次系配管で肉厚不足が見つかったにもかかわらず、関電が国の基準を独自に解釈し、配管を交換しないまま運転していたことが16日、経済産業省原子力安全・保安院の調査で分かった。同様の放置は1、2号機でも見つかっており、美浜全機での確認となった。独自解釈が常態化していた疑いがある。

 3号機で肉厚不足が見つかっていたのは、給水系のポンプ吐出管。昨年5~7月の定期検査で、当初11ミリあった肉厚が9.4ミリに減肉し、電気事業法に基づく技術基準で必要とされる厚みを0.1ミリ下回っていた。

 また、復水管の1カ所でも4.8ミリだった肉厚が、必要な厚みと同じ3ミリにまで減っていた。主給水管など2カ所では必要肉厚を割り込むまでの推定寿命が0.2~0.9年に迫っていた。

 こうした配管は本来、すぐに交換すべきだが、関電は技術基準で火力発電所に認められている特例を独自に適用し、寿命をより長く評価。「安全に問題ない」として交換を翌年以降の定検に先延ばししていた。こうした二重基準は正規の社内基準ではないが、保安院は美浜原発では以前から続いていた疑いがあるとみている。

原発事故再発防止策、国が監査を・原子力安全委 09/15/04 (日本経済新聞)

 関西電力美浜原発3号機(福井県美浜町)の蒸気噴出事故を受けて再発防止策などを検討している国の原子力安全委員会は15日、検査漏れ情報を関係企業だけでなく他社も共有する仕組みづくりや、検査漏れ防止体制を国が監査するよう求める方針を決めた。月内にも経済産業省の原子力安全・保安院や電力会社に指示する。

 同委の専門分科会が同日まとめた美浜事故に関する中間報告骨子案に盛り込まれた。同案では事故原因は適切な管理を怠った検査漏れと判断。再発防止策として、検査漏れを指摘する報告があった場合は、他の電力会社など業界全体にもただちに伝わるようにすることが必要とした。また、電力会社が検査漏れをどのような体制で防ごうとしているかを保安院などが監査することも指示する。保安院は昨年秋から原発の検査内容を格付けしているが、新たに検査漏れ防止の社内体制も評価し、不備があると判断した場合は最も格付けを低くし、改善を求めるようにする。

三菱重工が検査台帳「ヤミ修正」 美浜と別の2原発で 09/07/04 (朝日新聞)

 関西電力美浜原発の蒸気噴出事故で、破裂した配管を検査台帳から漏らしていた三菱重工業が、別の2原発で同じ部位が検査台帳から漏れていたのに気づいたにもかかわらず、原発を管理する電力会社に伝えないまま、社内だけで台帳を修正していたことが6日、関係者の話で分かった。

 同社は、美浜原発など関電の11基を含む国内の加圧水型原発プラント23基を一手に建設。90、91年に原発ごとに検査台帳を作成した。

 そのうち北海道電力泊1号機(北海道泊村)で96年、今回の事故個所と同じ2次系復水管のオリフィス(流量を測る構造物)下流部の配管が、台帳から漏れていることに気づいた。また00年には、日本原子力発電敦賀2号機(福井県敦賀市)の同様の個所が、台帳漏れで未点検となっていたのが見つかった。

 三菱重工などによると、台帳漏れについて北電、日本原電に伝えないまま修正し、未点検だった配管は、次の定期検査から点検項目に含めて検査を行ったという。

別の配管も減肉し破損寸前 美浜3号機で保安院報告 09/06/04 (朝日新聞)

 関西電力美浜原発3号機の蒸気噴出事故について、経済産業省原子力安全・保安院は6日、事故があったのと同じ役割を持つ別系統の配管も肉厚が1.8ミリにまで減肉し、破損寸前だったことを明らかにした。福井市で開かれた総合資源エネルギー調査会(経産相の諮問機関)の事故調査委員会に報告した。

 事故では、2次系復水配管のオリフィス(流量を測る構造物)下流部が破裂した。美浜3号機には破裂した配管(A系)と同じ役割をする配管(B系)が1カ所あり、関電の管理指針では主要な検査対象になっていた。しかし、B系配管も三菱重工業が91年に作った検査台帳からは漏れ、28年間に一度も検査されないまま放置されていた。

 保安院によると、関電の測定では、肉厚10ミリだったのが局所的に1.8ミリになっていた。1.4ミリ以下になると、そのままでも破裂する恐れがある。破裂したA系配管は計算上、1年に0.4ミリ程度減肉が進むとされており、これを当てはめれば、1年以内に破損していた可能性が高い。

 一方、A系配管は上部が主に減肉していたが、B系配管はほぼ全周で減肉が認められた。保安院は今後、この違いを分析する。

 微妙な構造や水の流れの違いなどで配管減肉の速さや範囲は異なる。このため、保安院は配管管理の体制見直しなどを盛り込んだ再発防止策の素案も示した。

「チェックする仕組みがなかった。管理するものとして責任を痛感している」 「丸投げと言われてもしかたがない。」と発言したそうであるが、 丸投げしていたとすると、三菱重工から日本アームに変更する技術的に根拠も ないと思える。丸投げしか出来ないし、チェックする仕組みがなくても、 指摘する人材さえ、関電にはないと言っているとも解釈できる。保安院は、 チェックする仕組みを関電を持っていない事さえも、確認しなかったことに なる。そうすると、原発が安全であると言い切る根拠は、どこにもない。 誰も安全管理を行っているかのチェックできないことになる。 このような管理状態では、原発の延命など止めたほうがよいだろう。

三菱重工と日本アーム、「検査漏れ」を保安院に報告 09/02/04 (読売新聞)

 11人が死傷した関西電力美浜原子力発電所3号機の蒸気噴出事故で、配管の検査を請け負っていた三菱重工と日本アームは2日、経済産業省原子力安全・保安院に、検査漏れに気付いた経緯などを報告した。

 配管の肉厚検査を始めて以来、何度も検査に着手する機会があったが生かされないことが改めてわかった。

 報告は電気事業法に基づき、保安院が2日を期限として求めていた。それによると、三菱重工は1990年に関電と共に配管の管理指針を作成。指針に従い配管の肉厚検査を始めたが、事故が起きた部分は検査リストから漏れていた。96年に検査業務を日本アームへ引き継いだ際も、リストから漏れたままだった。

 三菱重工はその後、他の原発の検査データから、事故発生部分の配管の肉厚が水流の乱れで薄くなりやすいことを認識。99年と2000年の2回、日本アームに対してこの事実を説明し、注意を喚起した。

 日本アームはこれとは別に、システムの変更にともなってリストを整理していた2003年4月、事故発生部分の検査漏れを発見。同年11月、この部分の肉厚検査を今年8月14日からの定期検査で実施することを決め、検査計画書を関電に提出した。ただし、関電には、肉厚測定が運転開始以来初めてだということは伝えなかった。

 関電は日本アームから提出された検査計画書を見ても、検査漏れとは認識できなかったと主張している。事故は、検査開始5日前の8月9日に発生した。

 保安院は今後、関電と三菱重工、日本アームの3者の言い分を整理。必要があれば再度報告を求めるなどし、検査漏れの原因を追究することにしている。

朝日新聞(2004年9月1日)より

関電社長、衆院で謝罪 経済産業委 参考人招致 早期辞任改めて否認

結果として関西電力美浜原子力発電所3号機の事故では、保安院が見抜けなかったとは言え、 関西電力が保安院をだます形になっているのは 三菱自動車(ふそう)の問題 と同じですね。やはり、不安を払拭するためには不正、虚偽の検査報告、検査方法、 検査担当者の責任、検査担当者からの検査報告書に対してチェックする管理者の責任等 について厳しいメスを入れないと無理でしょう。やはり、このような事故が起こるには それなりの要因があり、会社の体質や対応が反映されていると思う。また、発言や言い訳が 変わるのは、何とかごまかそうと思っている現れである。三菱の時も疑問を抱かせる発言が 多かったことを思い出してほしい。あまりにも隠すことが多すぎて、言い訳に矛盾点が多かった。

配管肉厚、関電の安全解釈は「不合理」…保安院断定 08/31/04 (読売新聞)

 11人が死傷した関西電力美浜原子力発電所3号機(福井県美浜町)の蒸気噴出事故で、経済産業省原子力安全・保安院は30日、関電が肉厚を検査していなかったほかの原発の11か所の配管と、独自の解釈で安全だとしていた美浜2号機の2か所の配管の計13か所について、「社内の指針に基づく管理がなされておらず不適切。関電の説明に合理性はない」と断定した。同日開かれた原子力安全委員会に報告し、了承された。

 関電はこれまで、事故が起きた美浜3号機など4基6か所の検査漏れのほかに、高浜3号機など3基11か所の配管の肉厚検査漏れを発表している。しかし、この11か所については「検査は1度もしていないが、同一タイプの他原発で同じ配管の厚みを調べており、安全性に問題はない」と主張してきた。

 また美浜2号機の配管のうち1か所は、昨年の定期検査で測定したところ、国の技術基準が求める最小肉厚を下回っていた。ところが関電は火力発電所の配管用の特例を独自に原発配管にも適用。「まだ厚みに余裕がある」と交換を先延ばしにしていた。

 保安院は13件に関する関電の説明について「これらの方法は、関電社内ですら標準的なルールになっていない」として退け、管理が不適切だと断じた。

関西電力は運がなかったですね。船舶は、「減肉摩耗」のチェックでは ないのですが、板圧計測と呼ばれる検査があり、船体の強度に関連する 部材や外板の厚みを計測します。このような検査を行っていても このようなひどい状態の船舶 でも検査をパス出来ます。この場合、板圧計測しなくとも腐食は確認できる のですが、不正検査を行う検査官や検査会社が存在するので逮捕者が出ることなく 平和なのです。大きな事故が起こるまで何もかわらないでしょう。美浜原発事故 と同じです。調査を行えば、同様に問題が放置されているケースが多々ある。 PSC(ポート・ステート・コントロール)も忙しすぎる、検査を行う 十分な時間がないようなので、不正を行う検査会社は大繁盛です。 これを考えると、強制捜査が入る美浜発電所、関電若狭支社(福井県美浜町) は運が悪いとしか言いようがありません。

基本的に国(公務員)によるチェックは甘い。 関電-美浜3号破断配管を「測定を実施し減肉なし」と2000年に国に虚偽報告 (美浜の会:美浜・大飯・高浜原発に反対する大阪の会のHPより) だからこそ、不正や偽装(野菜や牛肉) が存在し、よく調べると農水省にも責任があるように思える。省庁は適切な指導や チェックと行っていないので、責任が明らかになることを嫌がり調査しない。 教育給付金詐欺 捜査非協力の手引作成 山形労働局 厚生省が指示 被害を受ける可能性がある人達は、自分達で戦うしかないでしょう。 警察 や行政が言う通りに待っていては、進展など期待できません。多くの人に問題を 知ってもらうしかないでしょう。

美浜原発事故、一両日中に福井県警が強制捜査へ 08/30/04 (読売新聞)

 11人が死傷した福井県美浜町、関西電力美浜原発3号機の蒸気噴出事故で、県警捜査本部(敦賀署)は、破損した復水配管について、一度も検査が行われなかった結果、管内の肉厚が削られる「減肉摩耗」が起きて高温の蒸気が噴出した疑いが強まったとして、業務上過失致死傷容疑で一両日中にも、同原発のある美浜発電所、関電若狭支社(福井県美浜町)など数か所を強制捜査する方針を固めた。

美浜原発2号機でも減肉放置…保安院、関電に改善指導 08/27/04 (読売新聞)

 11人が死傷した関西電力美浜原子力発電所3号機(福井県美浜町)の蒸気噴出事故で、同原発2号機でも2次系配管の肉厚が不足した状態のまま、8か月間も運転を続けていたことが27日、経済産業省原子力安全・保安院の調査でわかった。

 関電は保安院の指摘に対し、「まだ強度は保たれていると判断した」などと反論したというが、保安院は「関電の説明には合理性がない」として、すみやかにこの部分の配管を交換するよう指導する。

 関電は美浜3号機の事故後、地元の不安を取り除くため、他の原発を順次停止して配管の厚みを調査。美浜2号機についても10か所を測定し、いずれも「必要な厚さを満足している」と発表した。

 しかし、今回問題になった部位はこの10か所に含めておらず、測定結果も発表していなかった。

 美浜3号機の事故は、配管内部の水流の乱れにより、内側から徐々に肉厚が減っていく「減肉現象」が原因で発生。配管が強度を保てなくなって破裂、内部の高温高圧の水が噴き出し、やけどで5人が死亡、6人が重軽傷を負った。

 保安院が関電から入手した他の原発の自主点検記録を調べていて、美浜2号機の配管についても、肉厚が極端に不足している部分が2か所あり、うち1か所は昨年秋の段階で既に国が定めた技術基準を下回っていたことが判明した。

 配管は美浜3号の事故が起きた配管と同じ炭素鋼製。管内には高温高圧の2次冷却水が流れ、水流の乱れで減肉が起きやすい部分だった。

 関電は昨年9月からの定期検査でこれらの配管の厚みを測定し、肉厚不足を認識。しかし「関電独自の解釈」(保安院)により、まだ強度が保たれていると判断。配管を交換しないまま同12月に運転を再開し、今月まで8か月間、運転を続けていた。

 美浜3号機の事故後、関電は福井県などの要望を受け、同社の他の原発を順次停止して配管の肉厚確認作業を進めている。美浜2号機についても、13日に運転を停止した。

関電、保安院指摘で美浜2号機も「減肉」配管交換へ 08/27/04 (読売新聞)

 関西電力が美浜原子力発電所2号機(福井県美浜町)の配管の厚み不足を認識しながら、昨年12月から8か月間運転を続けていた問題で、関電は27日、「当社の解釈では、強度は保たれている」としながらも、地元の不安を取り除く目的で問題の配管を交換することを決めた。

 関電は、国が火力発電所用に設けた技術基準の特例を、独自の解釈で原子力発電所に適用し、問題の配管についても「強度は不足していない」として運転を続けていた。経済産業省原子力安全・保安院は、同日開かれた美浜3号機蒸気噴出事故の調査委員会にこの事実を報告し、「不適当な解釈で、原発の保安規定の運用上問題がある」と指摘した。

 問題の部分は美浜2号機の2次系配管で炭素鋼製。管内には高温高圧の水が流れており、美浜3号機事故で破損した配管と同様、水流の乱れで管の肉厚が内側から減る「減肉現象」が発生していた。

温泉の問題じゃないけれど、日本は横並びの問題が多い。 つまり、あそこが指摘されない、処分されない、上手い汁を吸っているなら 自分も大丈夫じゃないだろうか。そして、皆横並び。 保安院は何をするところ??何のため?? 朝日新聞(2004年8月26日)より

北電・泊原発も検査台帳漏れ

検査が甘いメリットは、検査費用だけではありません。 その他の効果 もコスト(経費削減)に影響します。

朝日新聞(2004年8月24日)より

「検査業者独立性を確保」

朝日新聞(2004年8月24日)より

原発配管検査 他3基でも台帳漏れ 事故の美浜と同じ個所

配管検査、実績ない業者に変更 96年に関電 08/21/04 (朝日新聞)

三菱重工業と日本アームの証言の信ぴょう性の確認及び検証に重点を置くべきであろう。 責任の明確化、そして関西電力がどの程度まで知っていたのかの調査も必要だ。 関電の関連会社である日本アームの公平性も分析するべきであろう。これにより、 日本アームを選択した関西電力の責任も明確になる。 余談になるが、広島県の広警察は企業が利益のためなら、不正なことも不適切な行為も 行うことを理解した方が良いだろう。もしろん、広島県警は当然のことながら、このような ことは十分に理解していると思う。美浜原発3号機は、結果として4人の下請け作業員が 死亡しただけだ。三菱自動車(ふそう)のリコール隠しと同じ。結果として、死人が出たから リコール隠し疑惑の解明に至った。それだけの事である。死亡者や結果として最悪の事態が 起こったから原因究明や捜査をするのはおかしなことである。日本的なやり方も変えた方が ほうが良いと思う。いっそ、大爆発でもした方が今後のために良かったのかもしれない。 結果論で日本は動くのだから。原因や可能性など軽視する傾向がある。

 関西電力美浜原発3号機(福井県美浜町)の蒸気噴出事故で、96年からメーカーの三菱重工業に代わって配管検査を関電から請け負った日本アームは当時、原発検査の実績が全くなかったことがわかった。三菱側はその後、配管が想定以上の減肉現象を起こすのに気づいて日本アームに知らせたが、その情報は関電に正しく伝わらず、今回の事故につながった。日本アームは関電の関連会社で、業者の変更で検査費用の約3割を削減していた。

 原発検査は、他の発電所に比べて複雑とされ、美浜3号機と同じ加圧水型の原発を持つ北海道電力、四国電力、九州電力、日本原子力発電の4社は、配管の検査業務を三菱重工業に委託し続けている。18日、この4社を含む電力各社が原子力安全・保安院に検査状況を報告したが、検査漏れがあったのは関電だけだった。

 検査委託先を三菱重工業から日本アームに代えたことについて、関電は「電力自由化で、競争に勝つためにはコスト削減を進めなければならない」(広報担当者)と説明。さらに、メーカーとは異なる第三者の視点で検査できる▽火力発電所の配管の肉厚測定などで実績がある――などとしている。

 日本アームは56年創業で従業員265人。関電が45.2%を出資し、浅野尚社長をはじめ、7人の役員は全員が関電出身だ。これまでに計約240人が関電を退職後に再就職している。元々は電柱に取り付ける鉄製部品やくいなどを製造販売し、89年に火力発電所の配管検査業務に進出。96年以降は美浜3号機など関電の原発計11基の検査を三菱側から順次引き継いだ。

 日本アームによると、当初は原発検査のノウハウが不足していたため三菱側と契約を結び、他原発のトラブル事例などの情報を提供してもらった。関電はその日本アームに検査対象の選び出しや配管の寿命計算など重要な業務を任せきりにし、自らは確認する仕組みを整備していなかったと認めている。

 今回破損した個所は三菱側が91年、関電の「2次系配管肉厚の管理指針」に沿って点検検査台帳を見直した際に登録から漏れた。三菱側は99年4月と00年8月、「減肉現象が起こりやすい。点検した方がいい」と検査を引き継いだ日本アームに注意を促した。

 ところが、日本アームは、検査漏れという認識をもったのは03年4月とし、関電側には同年11月に報告したと説明している。関電は「検査漏れ個所を具体的に指摘する報告ではなく、破損個所が検査から漏れているのは事故まで知らなかった」と主張している。

 関電大飯原発1号機(福井県大飯町)でも、93年に三菱側が「復水管3本で減肉が進み、00年には国の基準を下回る恐れがある」と関電に報告した情報が日本アームに伝わらず、04年7月の定期検査まで点検されないままだった。

「点検漏れの指摘ない」 関電が原子力安全委で説明 08/20/04 (朝日新聞)

 福井県美浜町の関西電力美浜原発の蒸気噴出事故で、破裂した配管の点検漏れについて、関電の辻倉米蔵・原子力事業本部副事業本部長は20日、検査会社から「点検漏れの指摘がなかった」と述べ、独力で気付くのは困難だったとの認識を示した。事故を調査している国の原子力安全委員会の分科会で説明した。

 辻倉副事業本部長によると、昨年11月、検査会社の日本アームから今夏の定期検査に向けた減肉検査のリストが電子メールで美浜原発の担当者に送られてきた。300~400カ所が記載され、破裂個所もあったが、「初回点検」とされただけで「点検漏れ」との注釈はなかったという。

 ただ管理指針で主要な検査対象と定める流量測定装置の下流にあたることは書かれていた。

   ◇

 一方、96年まで同原発の検査を請け負っていた三菱重工業は、事故まで点検漏れに気づかなかったと、説明を修正した。

 事故直後は「漏れていることに気づいて99年4月と00年8月に日本アームに指摘した」としていた。その後の社内調査で、破裂部分が想定以上の減肉を起こす危険性があるとの注意喚起だったとわかったという。

 日本アームも5年前に漏れを指摘されたと説明していたが、指摘は「破裂個所で減肉が進んでいる恐れがある」という内容だったとしている。

下記の記事によると「検査は1度もしていないが、同一タイプの他原発で同じ配管の厚みを検査しているので、 安全性に問題はない」(辻倉米蔵・関電原子力事業本部副本部長)そうだ。 この関西原子力事業部本部長の専攻はなんであったのだろうか。たぶん、工学部では ないのであろう。データによりどの部分が腐食や磨耗しやすいか、推測はできるだろう。 それにより効率よく、検査個所を絞れるかもしれない。しかし、検査を行わずして、 安全性に問題はないとは言い切れないだろう。NASAでも失敗する確立をできるだけ 低くするだけで、100%なんて言い切れない。しかも何十年も検査していない個所の 安全性について保障など出来ないはずだ。このような推測において原発を安全と言うのであれば 安全の定義自体に問題があることになり、安全と言う言葉を使っても、信用に値しない とも考えられる。原発の安全は、実際の検査や確認なしに使えると言うのであれば、 保安院も電力会社への対応を考えるべきであり、「安全」と使う場合の定義からはじめなけれ ばならないであろう。安全を、必ずしも事故が起こらない程度の状態でも安全と言うのか、 実際の検査、確認、検証等がなくとも他のデータによる推測ができれば状態でも安全と 言うのか、はっきりと定義するべきであろう。次の事故調査の時は、「安全」と言う言葉の 使われ方がはっきりし、安全を主張する根拠と照らし合わせることができるでしょう。 今回、使われた「安全」は「安全」ではなく、どちらかと言うと「安全」だろうと思ったに近い。 その理由は、「同一タイプの他原発で同じ配管の厚みを検査している」である。 例えば、安全とは実際の検査、確認、又は検証等のいずれかのデータ(結果)がない場合は、 安全とは言わないと定義されていれば、安全とは主張できない。安全と主張する定義を満足しない からだ。日本は、言葉が曖昧なので「言葉のイメージ」でごまかすことができると思われる。 温泉問題と同レベルで考えていると危険であると考えられます。

検査漏れ説明は不合理、保安院が関電に再報告要求へ 08/20/04 (読売新聞)

 11人が死傷した関西電力美浜原子力発電所3号機(福井県)の蒸気噴出事故で、関電が18日に原子力安全・保安院に報告した11か所の検査漏れの評価報告について、保安院は20日、関電の説明には合理性がないとして、再報告を求めることを決めた。

 関電は、保安院の指示を受け、事故が起きた美浜3号機など、4基6か所の検査漏れに続き、18日、高浜3号機など3基11か所の配管の厚み検査について、検査漏れを発表した。この11か所について、「検査は1度もしていないが、同一タイプの他原発で同じ配管の厚みを検査しているので、安全性に問題はない」(辻倉米蔵・関電原子力事業本部副本部長)と主張。

 これに対し、保安院は、「他原発のデータをそのまま引用できるとは限らず、関電の説明は不合理」(梶田直揮・保安院原子力発電検査課長)と指摘、関電に再報告を求める構えだ。

朝日新聞(2004年8月19日)より

検査漏れ、関電だけ 新たに11ヵ所 社長、注意不足を陳謝

関電美浜原発事故で保安院が肉厚検査を検証 08/19/04 (朝日新聞)

 関西電力美浜原発の蒸気噴出事故をめぐり、経済産業省原子力安全・保安院は19日、関電が原発を停止して実施している配管肉厚検査を検証し、追加検査を検討する方針を決めた。

 関電は新たに3基で見つかった11カ所の検査漏れは、仕様の同じ別の原発で点検しているので安全性は確認できるとしているが、保安院の梶田直揮・原子力発電検査課長は同日開かれた事故調査委員会の席上、「現時点では妥当な判断と了解できない」と述べた。

 関電ではこれまでに、事故個所を含め6基の主給水配管などの17カ所で検査漏れが見つかった。現在、緊急点検を理由に停止したものも含め7基で原子炉を止めて配管の肉厚検査を進めている。

 保安院はこうした肉厚検査に検査官が立ち会ってチェック。測定部位やサンプル数の妥当性を確かめる。

美浜原発事故、県警が配管破損個所を切り出し押収へ 08/17/04 (読売新聞)

 11人が死傷した福井県美浜町の関西電力美浜原発3号機の蒸気噴出事故で、県警敦賀署の捜査本部は、業務上過失致死傷容疑の立件へ向け、近く強制捜査に着手し、配管の破損個所を切り出して押収する方針を固めた。

 破損個所の酸化が始まっていることが経済産業省原子力安全・保安院の調査で確認され、捜査本部は、これ以上酸化が進めば事故直後の「現状保存」が困難になるとして、早期の押収を決断した。

 これまでの調べで、配管検査を怠るなどした結果、管内の肉厚が削られる「減肉摩耗」で配管が破損し、高温の蒸気が一気に噴き出した疑いが強まっている。捜査本部は、破損のメカニズムを究明することで、関電側が長期にわたって配管検査を放置してきた実態を物証から裏付けられるとみている。

温泉の水道水使用問題と同じ。ばれなければ良い。ばかは真実を知らないお客だけ。 薬と言って砂糖水の飲まされても、本人は薬と信じ込み、安心する。回復した と感じるときもある。病は気からとも言われている。 見つからなければ、まともに働く方が愚かであろう。不正の方が儲かるし、楽。 公務員の裏金も一部だけでなく、多くの公務員がやっているか、恩恵を受けているのだろう。 警察の裏金が良い例だろう。多くの警察が程度の差はあれ、裏金に手を染めていた。 原発も安全と言われ、安全と思えば心の不安もなくなる。砂糖水である偽薬のように。 温泉が水道水を使っていても、お客が気分的に効果があったと思うから、多くの温泉が 嘘の表示をしていたにもかかわらず、これまで問題にならなかった。 今まで、誰も問題を公表しなかった。黙っていれば、得するばかりであった。 自己の利益につながり、お客は判断するだけの知識もなく、違いもわからなかった。 原発も同じ。問題は安全かどうかではなく、安全と思わせることが重要なのである。 安全であると思わせる事に努力し、検査の工程を簡素化し、出来るのであれば検査しない。 これが理想的であろう。チェックする人達さえも、味方につけたり、だませばよい。 だまされたと本人がわからなければ、詐欺にはならない。誰も被害届を出さないのだから。 事故が起こるまでは、現場の人達や責任者だけしか真実を知らない。安全と思われながら、 原発は稼動する。今回も同じであろう。どのようにして幕引きをするかであろう。 個人的なコメントであるが、原発が近くなくて良かったと思うぐらいだろう。 (原発が吹っ飛べば、こちらにも被害がないと言い切れないので、素直には喜べない 事実もあるのだけれども・・)

美浜原発事故:福井県知事が遺憾の意 点検に県職員ら派遣 08/17/04 (毎日新聞)

 関西電力美浜原発3号機の高温蒸気噴出事故の原因となった点検対象漏れが新たに見つかったことに、福井県の西川一誠知事は16日、遺憾の意を表明。今後、関電が原発の運転を順次止めて実施する点検に県職員や専門家を派遣し、監視することを決めた。住民は関電の姿勢にあきれ、すべての原発での総点検を求める声も上がった。

 同日開かれた県の事故対策本部会議。「なぜ(各施設の)同じ場所で見落としがあったのか」。県幹部の疑問に、岸田哲二・関電副社長は「忘れていたとしかいえない。当初から(点検対象個所から)抜けていた」と答えた。会議に同席した県原子力安全専門委員会の中川英之・福井大工学部長も不信感を募らせた。「今後、点検に立ち会いをしていかなければならない」と提案、岸田副社長から了承を得た。

 西川知事は「まことに遺憾。県民が安心できるような調べができるよう十分監視し、県として努力したい」と話した。

 住民からも痛烈な批判の声が上がった。高浜町音海の民宿経営、児玉巧さん(56)は「関電の過信、利益追求主義の結果だ。定検を短縮しており、1次系でなく2次系であることを考えると、『安全だ』と、自分たちで勝手に決めていただけだ」。大飯町本郷の会社員、猿橋巧さん(50)は「これが関電の体質。事故は起こるべくして起こった」とあきれた様子。

 原子力発電に反対する福井県民会議の小木曽美和子事務局長は「(放射能を含まない)2次系だけの話ではなくなった。配管だけでなく、1次系の機器も含めてすべての原発で総点検するべきだ」と話している。【兵頭和行、樋口岳大、佐藤孝治、川口裕之】

配管や原発の設計の段階で、圧力、配管の径、流速、蒸気の質量等について検討している はずである。「もともとのリストに入っていなかったのが根本原因だが、それをチェックする仕組みがなかった。」 で済ませるのはおかしい。 「蒸気の流れが乱れ、配管が摩耗する「減肉」が起きやすい場所として、関電の内規「2次系配管肉厚の管理指針」で検査対象となっていたが、運転開始以来、一度も点検されたことはなかった。」 そして、今回のような事故が起こった。 「関電は当該の部位は蒸気の量が少なく、破断しても原発の運転に影響を与えないため、安全上の問題はない、としている。」 これは、放射能漏れや放射能に関して安全だけでないのか。基本的に、自己チェックも出来ないシステムしか ないのであれば、次の事故が起こるまで未解決の問題は発見や改善されないことになる。 三菱ふそうは、欠陥隠しでISOの承認を取り消されたが、関西電力はISO9000を取得しているので あろうか。ISOの絶え間ない改善、マニュアル厳守、内部監査をおこなっていれば、今回のようなことに ならなかったであろう。 今回の事件が起こったこと自体、原発の検査や保安院の監督に問題があることを示している。 問題があれば、一番、影響を受けるのは原発で働いている人達、そして近隣や福井県美浜町の人達、 本人達が納得しているのであれば、被害者や死亡者が出ても仕方が無いのかもしれない。 日立の事故の時は、日本よりもCNNの方が事実を報道していた。日本の報道は、情報が入手できなかった のか、報道を規制されていたのか、情報が伝えることが出来ていなかった。もしかすると本当のリスクを理解して いないかもしれない。また、死人がでるまでは放置する傾向がある日本の役人にも問題があるかもしれない。 今後の対応を見守るしかない。

検査漏れさらに4カ所 高浜1号など4基で1カ所ずつ 08/14/04 (朝日新聞)

 11人の死傷者を出した関西電力美浜原発3号機(福井県美浜町)の蒸気噴出事故で、関電は16日、運転中の高浜1号機を含む計4基で1カ所ずつ検査漏れが新たに見つかった、と発表した。いずれも補助蒸気などをつくる装置の配管部分で、1基では9年前に計算上の耐用年数が切れていた。関電は事故後、経済産業省原子力安全・保安院の指導で原発11基を対象に検査体制の総点検をしており、その中間結果として国と福井県に報告した。18日に最終報告する予定で、検査漏れはさらに増える可能性もある。

 16日、関電の藤洋作社長が本社で記者会見して明らかにした。それによると、検査漏れが見つかったのは高浜1号機、大飯3、4号機、事故を起こした美浜3号機。高浜1号機のほかは事故に伴う点検や定期検査などで停止している。

 検査漏れが見つかった配管はいずれも、タービンを回した後の蒸気の熱を冷暖房の運転などに再利用する装置「スチームコンバーター」につながる配管で、美浜3号機の破損個所と同様のオリフィス(流量を測定する器具)や制御弁の下流だった。蒸気の流れが乱れ、配管が摩耗する「減肉」が起きやすい場所として、関電の内規「2次系配管肉厚の管理指針」で検査対象となっていたが、運転開始以来、一度も点検されたことはなかった。

 関電は4カ所の配管について、「あくまで補助設備」と強調しているが、配管内には約220度、20気圧の高温高圧蒸気が流れている。破裂すれば大事故になる危険がある。

 4配管の厚さは建設当初、それぞれ7.1ミリで、基準では最低でも2.83~2.52ミリ以上が必要とされる。関電の計算によると、美浜3号機はすでに0.59ミリで約9年前に耐用年数を迎え、残り3基も4~5ミリ余りまで減り、あと約4~12年で寿命に達するという。

 事故を起こした配管の最も薄い部分は実測で0.6ミリだった。

 関電は当該の部位は蒸気の量が少なく、破断しても原発の運転に影響を与えないため、安全上の問題はない、としている。16日午後6時半、運転中の高浜1号機は、スチームコンバーター部分についてのみ運転を停止した。

 関電の藤社長は点検漏れがほかの原発にも広がったことについて、「もともとのリストに入っていなかったのが根本原因だが、それをチェックする仕組みがなかった。地元との信頼を損ね、申し訳ない」と述べた。

大手の企業も自分達に火の粉が降りかかりそうになると、何でも言うようになるんですね。 日本の企業はモラルが無さすぎるのかもしれない。表向きだけにだまされる方にも 問題はあるのでしょうか。外国では、だますほうも悪いが、だまされる方も悪い(無知である) と言った考え方があるようです。これを当てはめると、だまされた保安院も悪い(無知である) と言う事になる。この後の展開はどうなのでしょう。

関電、下請けからの「検査漏れ」指摘を一転否定 08/14/04 (読売新聞)

 関西電力は13日会見し、福井県美浜町の関電美浜原発が、今回の蒸気噴出事故で破損した配管の点検対象リスト漏れに気づいたのは事故発生後だったと説明し、昨年11月に下請けの検査会社「日本アーム」(本社・大阪市)から検査漏れを指摘されていたとの従来の見解を撤回した。

 会見で関電原子力事業本部の豊松秀己・副事業本部長は、担当者から聞き取りした話として「(美浜原発は)日本アームが昨年11月、今回の破損配管付近について、点検計画の項目に入れて提案してきただけでリスト漏れの説明は受けていないと言っている。(事故前に)知っていて放置していたわけではない」と説明。配管の耐用年数を計算するなどして事前に危険性を把握、緊急に検査に入るような状況にはなかったと強調した。

 これに対し、日本アームの担当者は「点検対象から漏れていたことがわかるように点検計画書の中に示して、電子メールで報告したはずだ。事実関係を再度確認したい」と話している。

 破損配管は関電の管理指針で13年前に寿命を迎えていたことがわかっており、関電側が「リスト漏れ」に気付いた時期は破損の危険性予知にかかわる過失責任の焦点となっている。

 関電はこれまでの会見では「昨年11月に検査漏れの指摘があり、今月14日からの定期検査で破損部分付近の耐久性について初めて調べる予定だった」と説明し、美浜原発の担当者がすでに昨年11月にはリスト漏れについて把握していたとの認識を示していた。

美浜原発事故、関電社長の辞任必至…電事連会長職も 08/14/04 (読売新聞)

 関西電力美浜原子力発電所3号機の蒸気噴出事故の責任を取り、関電の藤洋作社長(66)の辞任が13日、避けられない見通しとなった。電力10社で構成する電気事業連合会の会長職についても退く見通しだ。

 原発で11人が死傷する前代未聞の事故に対し、藤社長は現時点での辞任を否定している。ただ、今回の事故は、原発を運営していく上で最も重視される安全性を大きく揺るがせただけに、トップの経営責任を問う声が高まっているためだ。藤社長は再発防止策などの対応策に一定のめどをつけ次第、退くと見られる。

 藤社長の進退については、中川経済産業相が12日の会見で「(事故は)人災と思っている。(経営責任の追及は)やるべき時にきちっとやる」と発言した。西川一誠福井県知事も同日、藤社長を県庁に呼び、「安全が揺らいだ」と対応を厳しく批判していた。

 これに対し、13日会見した藤社長は、今回の事故について「責任はあるが、原因を徹底的に究明し、再発防止を確実なものにすることが私の使命だ」と繰り返すにとどまった。

国の監督やチェックなど、一般的には業者や企業任せ。だから、肝が据わった 会社は、ごまかしや不正を行う。また、日本人の熱しやすく、冷めやすい傾向もあるだろう。 社会的な信頼度の低下も一時的の場合もある。法的には罰則が軽い日本では不正を助長している ようなものかもしれない。何十万、何百万の罰金など、不適切な検査、ごまかし、偽装などで 儲ける金額を考えれば安いもの。監督する国の人間が、能力、知識、経験不足な場合、 指摘など出来ない。形だけのチェックであること多い現状は、チェックされる方が良く 知っているのでは??チェックする方はわからないとしても、頻繁に現場に行き、質問ぐらいは するようにすれば数を重ねてくると、おかしな個所について疑問に思うことが増えるであろう。

美浜原発、国は管理「適切」と評価…関電の報告鵜呑み 08/13/04 (読売新聞)

 関西電力美浜原発3号機の蒸気噴出事故で、原子力安全委員会と旧通産省資源エネルギー庁が2000年、同原発の主要機器の保守管理を「適切」と評価していたことが明らかになった。

 経済産業省原子力安全・保安院が12日、原子力安全委員会にこの事実を報告した。

当時、エネ庁や原子力安全委員会が関電の検査漏れに気付いて是正を促していれば、今回の事故は防げた可能性が高く、原子力安全規制のあり方が改めて問われそうだ。

 配管が破損して蒸気が漏れた部分は、管の内部から厚みが摩耗する「減肉」が起きやすい要注意個所だった。しかし、検査対象リストから漏れていたため、関電は運転開始から28年間、1度も配管の厚みを検査していなかった。

 ところが、関電は2000年5月、エネ庁に提出した「定期安全レビュー報告書」の中で「減肉が予想される配管については、計画的に厚みを測定しており、異常な減肉は認められていない」と説明。エネ庁は検査漏れの有無をチェックせず、報告書をうのみにし、原子力安全委員会に「関電は主要な機器の劣化などの特性を把握して、設備の健全性の維持向上のための対策工事をきっちりやっている」と報告、了承されていた。

三菱自動車の欠陥隠しにしても今回の美浜原発事故にしても、利益優先であった ことに間違いない。三菱自動車なんか、後から報告書の隠ぺいや過小報告など 出てきた。現在もどこまで事実を伝えているかも不明である。美浜原発事故に ついても警察は今まで以上に踏み込んだ捜査をお願いしたい。原発の専門家で ないが、常識的な質問、わからない事があれば理解できるまで質問をすると言った 対応をお願いしたい。わからないからと言い訳を付け、捜査を適当にすることだけ はしないでほしい。事実、広島のある警察署は理解しようとする姿勢に問題があると 感じられた。例えば、配管内の肉厚の計測データを良くしようと思えば、 一番状態が良い個所を計測すればよい、計測個所がピンポイントで指定されていない限り、 一番状態が悪いと推定されるを避ければよい。これにより何パーセントぐらいは確実に 良いデータを提出できる。上手くいけば、何十パーセントも可能かもしれない。 これは常識の範囲である。このようなことを理解して上で、担当者に質問すれば 品質管理者や検査担当者がどのような目的で検査をしていたか把握できるかもしれない。 検査に通すための検査と問題点を事前に把握するための検査では、やり方が違うはずである。

美浜原発事故で参考人聴取、月内にも強制捜査へ 08/11/04 (読売新聞)

 福井県美浜町の関西電力美浜原発3号機のタービン建屋で復水配管が破損し、噴き出した水蒸気で作業員11人が死傷した事故で、県警敦賀署の捜査本部は、今回の破損個所が点検対象から漏れていたことを重視して、保守点検を担当していた同原発の幹部や複数の関電担当者から参考人として事情を聞いた。

 現場検証を行い専門家からも意見を聞いたうえ、早ければ月内にも、業務上過失致死傷容疑で関係先の強制捜査に着手する。

 関電や国の原子力安全委員会などによると、破損した配管部分の点検が対象リストから漏れ、約14年間も見落とされていたうえ、昨年11月、下請けの検査会社から点検の必要性を指摘された関電側が、指摘後も点検を先送りしていた。この結果、配管内の肉厚が水流の流れで削られる「減肉摩耗」が生じて配管が変形、破損に至る「延性破壊」が起きた可能性が高まっている。

 捜査本部は、こうしたメカニズムや原発の基本的な構造、一般的な検査手順などについて、専門家からも意見を聞いたうえ、関電担当者らから、〈1〉配管の破損が起きる可能性を関電や原発の点検・保守担当者らがどの程度、認識していたか〈2〉配管の余命評価をどう予測していたか〈3〉破損個所の点検がなぜ対象リストから漏れたか〈4〉1986年12月に米国のサリー原発で同様の事故が起きた時の教訓が生かされたのか――などについて広範囲に事情を聞いているものとみられる。

毎日新聞(2004年8月12日)より

美浜原発事故:指針通りなら10年以上前に配管交換必要に

 福井県美浜町の関西電力美浜原発3号機の高温蒸気噴出事故で破損した配管(直径約56センチ)は、関電が作った配管の管理指針に基づいて計算すると、10年以上前に新品に交換しなければならなかったことが分かった。この部分が検査対象に登録されていなかったうえ、昨年11月に未登録が発覚した時点で点検しておらず、関電の認識の甘さが改めて浮き彫りになった。

 この指針は「2次系配管肉厚の管理指針」と呼ばれるもので、12日報道陣に公開された。90年に通産省の指導で策定し、検査の対象部位、検査時期、交換時期などを定めている。指針によると、内径が細くなっている水量測定装置「オリフィス」の下流部分は、点検対象と明記されており、今回破損した配管部分は、これに当たる。また配管を交換しなければならない時期は、寿命が2年以下になった時とされている。

 関電によると、破損した配管は76年の運転開始当初は肉厚が10ミリで、安全性を考慮した必要な肉厚は4.7ミリとされる。これらの数値を蓄積されたデータにあてはめて、減肉の進み具合を計算すると、最初の点検は89年以前に実施しなければならなかった。また、その約2年後にはステンレス配管などに交換する必要があったことになる。

 関電は破損部分を、指針に基づく管理のリストに登録しておらず、昨年11月に検査会社の指摘で気づいた。その時点で指針の計算式に基づき厚さを推定していれば、既に交換時期に達していることが分かったとみられる。その結果、緊急検査を実施し、事故を防ぐことが可能だった。

 関電は「11月の時点で計算したかどうかは、言えない」としている。【根本毅、大島秀利】

美浜原発事故:直線配管も減肉認識 関西電力 08/11/04 (毎日新聞)

 福井県美浜町の関西電力美浜原発3号機の高温蒸気噴出事故で、関電は、破損した配管の「減肉」について、従来、発生しやすいとされてきた配管の曲折部と同レベルで発生する可能性を事前に認識していたことが11日、分かった。同社が認めた。破損部分は直線の配管だが、近くに流量測定のため内径が細くなっている「オリフィス」と呼ばれる水量測定装置があった。昨年11月に計画的な検査が必要と把握しつつ運転を継続したことと併せ、同社の安全確保に対する甘さが、さらに批判を浴びそうだ。

 同社によると、「オリフィス」は配管内にドーナツ状の輪を入れて口径を狭め、前後の圧力の差で流量を測定する。中央制御室で冷却水の流量を確認できるよう加熱器や蒸気発生器など主要機器を結ぶ配管に設置。同機では2次系の配管で約60カ所あり、減肉の調査を開始している。オリフィスの直後は水に渦が発生するため、それが当たる部分が減肉しやすい。同社は「この場所は配管の曲折部と減肉のしやすさで大差がない」と認めた。

 86年に米国サリー原発で起きた配管破損事故でも今回と同様にオリフィスの直後で発生。関係者によると、この事故を受けて国の指導で作られた管理指針でも配管の曲折部などに並び主要な点検ポイントに挙げられていた。

 一方、破損した配管のほかに、検査対象から漏れていた個所が、もう1カ所あることが分かった。2系統に分かれた配管のうち、破損した系統と対になったオリフィス付近。配管の大きさや水温、圧力など条件がほぼ同じため、事故原因の究明につながる個所として注目される。

 新たに判明した部位は、破損した個所と同様、冷却水を加熱する「低圧給水加熱器」と、冷却水から気体を除く「脱気器」の間の「復水管」にあり、約140度、約9・2気圧の熱水が流れている。【

問題を指摘すると報復される。 今回は、原発で4人も死んだので、騒ぎが大きくなっているだけ。 同じレベルの問題を放置している場合は多いと思う。 三菱自動車の問題と同じである。 誰かが死ななければ、放置されるのであろう。保安院はどのような機能をしている のだろうか。これが日本のやり方であろう。

「あまりにひどい」経産相が美浜原発の事故現場を視察 08/11/04 (読売新聞)

 関西電力美浜原発3号機で起きた復水配管破断事故で、中川経済産業相は10日、事故現場となったタービン建屋を視察し、その後の記者会見で「(破断した配管を)20年以上、検査していないのは、あまりにひどい」と述べ、関電の安全管理体制を厳しく批判した。

 また、放射能を含まない2次冷却水の配管の検査のあり方について「必要があれば柔軟に対応していく」と述べた。中川経産相は「地元に大変な迷惑をかけたことをおわびする。二度とこういう事故が起こらないよう、原因究明を徹底的に行う」と険しい表情で語った。

新たに1カ所の未検査確認 関電、検査履歴洗い直しへ 08/11/04 (朝日新聞)

 関西電力美浜原発3号機(福井県美浜町)のタービン建屋で下請け会社社員ら4人が死亡、7人が重軽傷を負った蒸気噴出事故で、関電は2次冷却水系配管について、破損個所と同様の冷却水流量を調整・測定する装置が設置された別の1カ所でも検査漏れがあったことを認めた。このほか同じ系統内の約60カ所についても検査をしたかどうか確認できておらず、調査を始めたという。関電の危険個所への対応の遅れが、重大な結果をもたらしたことが濃厚になった。

 福井県警は10日午後、関電関係者からの事情聴取を始めた。

 関電によると、3号機の2次冷却水系配管には、破損した個所も含めて計60数カ所に「オリフィス」と呼ばれる器具が設置されていた。高温・高圧状態で循環する冷却水の流量を測定、調整するもので、配管内部にドーナツ状のステンレス製器具が取り付けられている。水流が絞り込まれるため、オリフィスの下流部分の水流が乱れたり、水圧が上昇したりすることが確認されている。

 このため、オリフィス下流部では管(厚さ約1センチ)の肉厚が水の摩耗で削られる「減肉現象」が発生しやすいとされ、90年に定められた関電の内規「2次系配管肉厚の管理指針」でも点検対象となっていた。

 しかし、関電側の説明によると、管理指針の運用や配管の点検台帳の管理については、系列会社「日本アーム」に一括して委託。関電側は、日本アームが昨年11月に報告するまで検査漏れを把握していなかったという。

 関電は10日、破損個所とは別のオリフィスが設置された1カ所で検査漏れがあったことを認めたうえで、他のオリフィスが設置された約60カ所についても「2カ所以外の(検査漏れの)プラスアルファがあるかどうかは調査中」(松村洋常務)とし、過去の検査の有無について急きょ洗い直しを始めた。

 県警は、関電関係者のほか、死傷者を出した下請け会社「木内計測」の社員らからも聴取を進める一方、事故現場のタービン建屋の現場検証を今後1週間程度続ける方針。2次冷却水系配管の管理体制や点検・整備状況を中心に調べを進めるものとみられる。

日本アーム、三菱重工からの「警告」を関電に伝えず 08/11/04 (朝日新聞)

 関西電力美浜原発3号機の蒸気噴出事故で、関電から配管検査の委託を受けていた系列の検査会社「日本アーム」(本社・大阪市)が5年前、事故で破損した配管が検査対象から漏れていることを把握していたことが10日、わかった。前の請負会社の三菱重工業から99年と00年に指摘を受けていたが、日本アームは関電に検査漏れを報告せず、事実上放置していた。同社は昨年4月に初めて検査漏れに気付いたとされてきたが、実際にはそれより4年前から知っていたことになる。

 関電は87年から96年まで、原発の配管検査などを三菱重工業に委託。96年からは日本アームに委託していた。

 三菱重工業は自社が検査を受託していた90年に関電が点検個所の内規を定めた後、「オリフィス」と呼ばれる器具が設置された個所を検査対象に登録しなかった。担当が日本アームに代わった後にミスに気付き、同社に説明した。

 日本アームなどによると、99年4月と00年8月の2回、三菱重工業の担当者から「美浜原発3号機と構造が似ている発電所で配管が薄くなる減肉現象が確認された。美浜原発3号機の配管は定期検査の対象には含まれていないので、点検した方がよい」との内容の連絡を文書などで受けた。しかし、日本アームは「建設年数がほぼ同じ別の原発の配管について点検したが特に問題はなかった」と判断し、関電に伝えなかったという。

 関電は事故後の記者会見などで、日本アームは03年4月に、事故を起こした配管が検査対象から漏れていたことを把握し、11月に関電側に伝えてきたと説明していた。

 これについて、日本アームは「この時期に定期検査の未点検個所を見直し、今回の事故で破損した配管を加えた方がいいと判断した。三菱重工業の指摘とは関係ない」と話す。

 同社総務部は「結果的には美浜原発についても点検した方がよかったということになるが、そのときは大丈夫だと判断した。当時の判断の根拠の詳細は分からない」と話している。

福井県警、美浜原発事故で現場検証 08/11/04 (読売新聞)

 関西電力美浜原発3号機で起きた復水配管破断事故で、県警敦賀署の捜査本部は10日午後、蒸気が噴出したタービン建屋2階の破断した復水配管を中心に、約4時間30分にわたり現場検証した。

 事故当時、建屋内にいた下請け会社の作業員からの事情聴取も始めた。検証は数日間続く予定。捜査本部は、関電に建屋や配管の図面など関係資料の任意提出を求める方針で、業務上過失致死傷容疑での立件を目指す。捜査員は蒸気の流れなど配管の構造について、関電職員らから説明を受けながら図面を書いたり、写真を撮ったりした。原子力安全・保安院の検査官も立ち会った。

肉厚計測が必要な個所は、経験や理論的にわかるはずである。バルブの出口や曲がった部分では 流体や気体の流れに乱れが生じたり、直線部分よりも疲労や腐食が起き易い。 やはり、コスト観念が優先になったのでは!!磨耗や腐食がわかれば交換となるし、 なまじ検査の記録があるのに交換しないとなれば、問題となる。やはり、見て見ぬふりが 最良であったのではないか!! まあ、問題を指摘すると検査されるほうと検査する方 から嫌がらせをさせられたり、陥れられる場合もある。 警察もなかなか動かないし 検査のごまかしや不正検査が最良のコスト削減であろう。

美浜原発事故:配管検査は受注企業任せ 関電は確認せず 08/11/04 (毎日新聞)

 関西電力美浜原発3号機の蒸気噴出事故で破損した部分が検査リストから漏れていた問題で、配管検査を受注した会社が関電の策定した指針通りに検査を実施しているかどうか、関電がチェックしていなかったことが分かった。また、今回破損した配管が管理システムに未登録だったことも、事故発生まで美浜原発から関電本社に報告されていなかった。

 関電は90年、「2次系配管肉厚の管理指針」を決定。今回の破損付近のほかバルブの出口や曲がった部分などを検査が必要な個所に挙げている。

 検査は90年以降は三菱重工業が担当したが、問題の個所は検査対象に登録しなかった。96年に関電が出資する「日本アーム」(大阪市)に委託先が変更。未登録に気付いた同社が昨年11月に美浜発電所に指摘したが、発電所は関電本社に報告はしなかった。関電側は指摘まで、配管図などと照合して指針通りの検査かどうかなど確認せず、13年間も検査対象外だったことに気付かなかったという。三菱重工業は10日、なぜ検査対象に漏れたのか社内調査を始めた。

保安院も長年、検査に立ち会ったり、チェックしているとどの部分に問題があるのかわかっているはず であろう。事故が起こるまで放置しておくのは公務員らしいことであるが、原発が安全であると言えるので あれば、もう少し検査を厳しくしたほうが良いであろう。業者、下請け業者任せでは、自分達の都合の 良いようにするのはわかっていることである。一部の造船や海運ではごまかしは 常識である。

美浜原発事故:関電本社や現地を立ち入り検査へ 保安院 08/11/04 (毎日新聞)

 関西電力美浜原発3号機の蒸気噴出事故で、経済産業省原子力安全・保安院は10日、保安管理体制に問題があったとして電気事業法などに基づく関電本社や美浜原発の立ち入り検査を実施する方針を決めた。同日夜会見した保安院の山下弘二首席統括安全審査官は「しかるべきタイミングで行う」と話しており、福井県警の現場検証後になる見通しだ。

 同省は専門家による事故調査委員会の初会合を11日に開き、調査の方針などを決める。

 国の原子力安全委員会も11日、美浜原発3号機の現地調査を実施する。12日の同委員会の臨時会議で結果を報告する。【足立旬子】

美浜原発事故:減肉対策に不備 事故配管は28年間未検査 08/11/04 (毎日新聞)

 関西電力美浜原発3号機(福井県美浜町)の蒸気噴出事故は、配管の肉厚が摩耗して薄くなる「減肉」現象が原因との見方が強まってきた。米国の原発で86年に類似した事故が起き、国内の電力会社は自主検査などの対策を取ってきたが、関西電力は運転開始から28年間、事故を起こした配管を検査していなかった。なぜ、検査がされなかったのか。他の電力会社では、美浜3号機と同じ加圧水型軽水炉の検査状況はどうだったのか。発電にタービンを使う点で同じ仕組みを持つ火力発電所や沸騰水型軽水炉では、問題がないのか。検証した。【大島秀利、山田大輔、山本建】

 ■なぜか美浜3号機の点検だけを先送り

 配管が破損した「水量測定装置」付近は、乱流が起きて管が摩耗する「減肉」を引き起こしやすいと指摘されていた。86年の米国サリー原発の事故を受け、同装置付近の配管破損の危険性が認識されるようになったが、関電は美浜3号機の点検だけを先送りしてきた。

 国の指導を受けて関電が90年以降に作成した管理指針では、事故の起きた2次冷却水系配管は、計画的な点検が必要な部分とされていた。だが、そのためのリストの作成を委託された三菱重工が登録しなかった。昨年4月に下請けの検査会社が未登録に気付き、同年11月には美浜原発にも連絡があった。しかし、関電内部の連絡やチェック体制が不十分で、同社は超音波検査の実施を今月14日から始まる定期検査まで遅らせていた。

 一方で関電は、他の原発については、これまでに復水管の水量測定装置周辺について検査していた。90~02年にかけて美浜1、2号機と、同じ炉型の高浜1、2号機の同一個所を調べた。高浜2号機などはA、B2系統別々に検査した。減肉は少なく、交換までそれぞれ12~50年の寿命があると推定された。

 関電はこうした検査結果を重視した。美浜3号機は、美浜1、2号機より建設年が新しいこともあり、「大丈夫」と判断したという。しかし、美浜1、2号機は、事故が起きた美浜3号機と比べ出力の小さい小型のものだった。

 ■配管の点検 対象の優先順位を間違う

 一方で、美浜3号機とほぼ同じ出力の高浜3号機など3原発では、この間に同じ個所で激しい減肉が発見され、寿命が2年と見られたため、相次いで配管を交換、または年内の交換が決まっていた。

 関電は「一つの原発で点検対象の配管は数千カ所あり、優先順位を付けざるをえなかったが、結果的に間違った判断だった」としている。

朝日新聞(2004年5月22日)より

「志賀原発検査 試験日を偽る」

朝日新聞(2004年4月14日)より

「志賀原発 検査で不正か」

美浜の会:美浜・大飯・高浜原発に反対する大阪の会

げんぱつはんたい フクロウの会

不正MOX燃料返送用輸送容器の検査に関する要望書

東海村の臨界事故 ([K-Senior.1969]Oct 2,1999 published on May 1,2000 三宮一泰ほか)

原子力情報なび

六ヶ所村の再処理工場、検査ルール半数が「不十分」(読売新聞)

技術倫理について書かれたHPがあります。少なくとも虚偽の内容を書くような造船所は このような技術倫理などないのでしょう。また、これに関与したと推測される検査会社にも 技術倫理など関係ないのでしょう。国立大学を卒業しても、卒業の事実と倫理やモラルが あるかは関係のないことです。日本の不祥事を起こしている企業を見ればわかると思います。 トヨタでさえ、業績(合格者を増やす)のためには試験問題の漏えいが正当化される思う 従業員が存在するのですから。行政が厳しく対応しなければならないでしょう。行政自体にも 問題が存在するのが問題の解決を困難にしているようにも思えます。

昔から行われていれば、それは良いことか?
指摘されなければ、問題ない!!古い体質は、どの業界も同じか??

日通社員2人に逮捕状、過積載指示の疑いで大阪府警

内部告発の時代=8月31日

主要検査のほとんどで不正

京都民医連中央病院の検査虚偽報告及び不正請求に関する徹底究明を求める決議

虚偽の食品表示にはより厳しい罰則規定を設けるべき?

不正を明らかにしたのは内部告発文書だった

BSE検査職員の遺族、公務災害認定を請求/金峰-「虚偽報告強要が原因」

葉山のトンネル内壁粗雑工事 企業体が虚偽報告か

2002年の不正車検問題で捜査当局が動く

不正車検に係る職員の逮捕に関する自動車交通局長コメント

県警の捜査費虚偽請求 監査逃れに巧妙な工作

捜査費虚偽請求 オンブズマンが捜査一課長ら告発

法務・検察組織の不正を暴く

「名義貸し」で全国調査、文科省が全大学の医師対象

「交通死の夫に過失はなかった」検察捜査不十分と提訴

造船・海運業界とは関係ありませんが、司法改革を目指している 団体があるようです。古い体質が強い世界ではやはり改革は必要だと思います。

2医師名義借りで報酬不正受給4億円・・・鹿児島の病院(読売新聞)

埼玉県警:警部補再逮捕へ 個人情報漏えいで収賄の疑い(毎日新聞)

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仙台高検調活費開示訴訟、判決で「不正流用推認される」(朝日新聞)

道警察の補償費疑惑 怒りの声に知事動く--本部長に不快感示す(毎日新聞)

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北海道警、捜査用報償費を流量か・・・元幹部が証言(読売新聞)

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議員歴30年の前名古屋市議、交通違反もみ消し依頼(読売新聞)

裏金2千万円、職安所長ら3人を告発へ 広島労働局 (朝日新聞)

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