PSCによる検査の現状! 今のままではサブスタンダード船はなくならない!

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★Casualty Investigation Code(海難調査コード)2010年1月1日から適用 (USCGのホームページより)
第2回パリMOU・東京MOU合同閣僚級会議の結果について (国土交通省のHP)
(サブスタンダード船の排除に向けた我が国の決意を表明)

海上災害の予防対策(総務省のHPより) PSCの検査について批判的な事実を書いている。
◆Recommendations and Safety Advisory Notices(ATSBのHP)
◆Recommendations and Safety Advisory Notices: Marine(ATSBのHP)
「2010 年のパリMOU及び東京MOUのポートステートコントロール(PSC)の活動報告 が行われ、両地域におけるPSC活動はこれまで同様、着実に成果を上げていることが報告された。」:CESS 造船関係専門委員会 (日本造船工業会のHPより)
東京MOUの報告には納得できない!あれだけサブスタンダード船が野放しされていて 「着実に成果を上げている」と言う方がおかしい。現場に行かず、目隠しをして報告だけで判断するからそう言えるのであろう。現実を 知っていてそれでも同じことが言えるのであればすばらしいイエスマンである。抜き打ちでPSCの検査を評価してそれでも着実に成果を上げていると 言えるのであれば、実際には評価などできない人物なのか、嘘など平気で報告できる人物なのだろう。
なぜ、日本はサブスタンダード船に対して厳しい対応を取らないのか?
外国船が事故 を起してからでは遅いことを理解できないのであろうか?
他人が困るだけの問題なので、うやむやにするほうが楽なのだろうか?
縦割り行政に問題があるので、問題に対する今後の対応が遅いのか?
公務員体質の問題なのであろうか?

国交省海事局安全基準課が担当で拠出金の目的・用途等が「サブスタンダード船の排除・国際船舶データベースの運営」として平成19年度の拠出総額が197,877千万となっている。
国際海事機関(IMO)(外務省のHPより)) 国際海事機関監督委員会拠出金(外務省のHP) ★ 開けない人はここをクリック
国際海事機関監督委員会拠出金 (平成20年度の拠出総額:189,932千円)(外務省のHPより)★ 開けない人はここをクリック

ポートステートコントロールの実施に必要な経費 平成21年行政事業レビューシート(国土交通省) 開けない人はここをクリック
ポートステートコントロールの実施に必要な経費 平成23年行政事業レビューシート(国土交通省) 開けない人はここをクリック
ポートステートコントロールの実施に必要な経費 平成24年行政事業レビューシート(国土交通省) 開けない人はここをクリック
ポートステートコントロールの実施に必要な経費 平成25年行政事業レビューシート(国土交通省) 開けない人はここをクリック

「PSC」って何ですか? (公益財団法人 東京エムオウユウ事務局)
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サブ・スタンダード船の排除の目的のために税金が使われている。国交省はサブスタンダード船の排除が国際貢献だと本当に思っているのであれば もっと外国船舶監督官(PSC) に厳しく適切に検査をおこなうように指導するべきだ。

外国船舶監督官(PSC)★ツバル籍船★シエラレオネ籍船★パラオ籍船★トーゴ籍船 ドミニカ籍船に関して日本で問題があればノジ マリン に連絡を取れば良いだろう。A HREF="http://orion3338.wixsite.com/noji-marine/about" TARGET="_blank">サイトに登録事務所・代理店と記載されている。( 所属団体:(一社) 日本海事代理士会、日本海事補佐人会、シエラレオネ共和国 海事局、パラオ共和国 国際船舶登録機構、トーゴ共和国 国際船舶登録局 海事代理士をしているので、外国船舶監督官(PSC)には協力的であると推測する。

ISMコード(国際安全管理コード)

6.1 会社は、船長が次の要件を満たすことを確保しなければならない。

.1 船舶を指揮するための適切な資格を有すること
.2 会社の安全管理システムに十分精通していること
.3 職務を支障なく遂行できるように必要な支援を受けられること

6.2 会社は、各船舶に、旗国及び国際的要件に従った免状、資格を有し、か つ、身体適正な者を配乗することを確実にしなければならない。

6.3 会社は、新たな要員及び安全と環境保護に関する職務に新たに配置転換さ れた者が、その職務に習熟することを確実にする手順を確立しなければなら ない。また航海前に示されるべき重要な指示は、明確にし、文書化されて出 航前に乗組員に供与しなければならない。

今後必要とされる自己防止策の「(2) 船長は、適法で有効な海技免許を有する職員を船橋当直につかせて適切な船 橋当直体制を維持すること。」は既にISMコード(国際安全管理コード) で要求されている基本的なこと。つまり、ISMコード(国際安全管理コード) の要求を守る事と言えば良いだけのこと。また、ISMコード(国際安全管理コード) は新しい規則ではない。PSC(外国船舶監督官)の検査で指摘されない事が不思議。 普通の事が出来ない船はISMコード(国際安全管理コード)の不備として指摘、又は、 出港停止命令を受けるのが当然。

貨物船JIA HUI貨物船第十八栄福丸衝突 11/26/15 (運輸安全委員会)

船舶事故調査報告書 参考資料 説明資料 (運輸安全委員会)

再発防止策 ・・・
船長は、適法で有効な海技免許を有していない乗組員を職員として船 橋当直につかせてはならない。 ・・・
今後必要とされる事故防止策
船長及び船橋当直者は、次の事項について徹底する必要がある。
(1) 船橋当直者は、船首方に船舶を認めた際、方位変化の観察、レーダープロッティング等を行うなど、見張りを適切に行うこと。
(2) 船長は、適法で有効な海技免許を有する職員を船橋当直につかせて適切な船橋当直体制を維持すること。
(3) 船橋当直者は、船舶と接近し、相手船の動作に疑問をもったときは、直ちに警告信号を行うとともに適切な時機に衝突を避ける動作をとること。

「事故当時、ジィア・フイを操船していた当直責任者の中国人男性(37)は、中国近海を航行する免許しか持っておらず、中国の運航会社との連絡や物品購入を担当する「実習生」として乗り組んでいたことも明らかにした。」

運輸安全委員会は上記を事実として信じるのか?

外国で操船することはできない船員資格しか所持していない船員が乗っている外国籍船は存在する。 韓国のPSCは2007年1月5日にパナマ籍船舶「RUI YANG」号を船員の免状 「Captain, chief engineer, 2nd officer & 1st engineer's licence not applicable for world wide trade. (valid only chinese greater coastal, coastal & near coastal vayage)」 に問題があるとの理由で出港停止命令を出した 件では士官の船員は全て「見習い」ではなかったと言う事か?

運輸安全委員会が衝突事故前に寄港した港の代理店から船員リストをチェックしたのか?船員リストには 船員のランクが記載されている。Deck Cadetと記載されたいたのか?また、本当に「実習生」で当直に関与しないのであればMinimum safe manning certificate(最少安全人員証書)の要求 を満足するだけの船員が乗船していたのか?
運輸安全委広報室の高橋守室長は上記等を確認した上で調査報告書を公表したのだろうか? 運輸安全委員会が不適切な調査報告書を公表する事はないか?個人的には疑問であるが!

韓国のPSCは2007年1月5日にパナマ籍船舶「RUI YANG」号を船員の免状 「Captain, chief engineer, 2nd officer & 1st engineer's licence not applicable for world wide trade. (valid only chinese greater coastal, coastal & near coastal vayage)」 に問題があるとの理由で出港停止命令を出した。日本のPSCは同様の問題を見つける事が出来なかったのか?

CCSのサイトより


トーゴ共和国船籍、貨物船「ARROW-1」。 小樽ではよく見る船だけど、近くから見たらマジすげぇ。ロシアのナホトカまで中古車を運搬しているみたいですが、その積み方ヤバくねぇ?これで外洋でたら、寄港地に着くまでに数台ぐらい海ポチャしてそうな気がするんだが… #小樽港湾愛好会(七海すず@パラオ泊地 12/28舞)


ARROW I - IMO 8227446(ShipSpotting.com)



衝突後に船首引き抜き、転覆加速 「時間的余裕あれば脱出も」 伊豆大島沖6人死亡の貨物船事故 運輸安全委(1/2) (2/2) 11/13/15(産経新聞)

 運輸安全委員会は26日、平成25年9月に東京・伊豆大島沖で貨物船「第18栄福丸」の乗組員6人全員が死亡した衝突事故についての調査報告書を公表した。衝突した西アフリカ・シエラレオネ船籍の貨物船「ジィア・フイ」が、中国人船長の指示で第18栄福丸の船体に刺さった船首を引き抜いたために転覆が早まった可能性が高いことを明らかにした上で、「転覆までに時間的余裕があれば、乗組員は脱出できた可能性があった」と指摘した。

 報告書によると、事故は25年9月27日未明、伊豆大島西方沖で発生。南西方向に進んでいたジィア・フイは、栄福丸とほぼ正面で向き合った後、海上衝突予防法の規定とは逆の左に向けてかじを切り衝突。一方、栄福丸は同法の規定通り右にかじを切ってわずかに方向転換して航行していた。

 衝突で船首が栄福丸の左舷中央部に刺さったジィア・フイは、危険を感じた中国人船長の指示で後進し、離脱。船体に開いた穴(幅約3・5メートル、高さ約5・5メートル)から浸水した栄福丸は約3分40秒後に転覆したとみられ、船長の大川信悟さん=当時(62)=ら6人が死亡した。

 安全委は、ジィア・フイが離脱せずに船首を押しつけた状態を保っていれば栄福丸の急激な浸水を防ぎ、約10分経過後でも「姿勢が大きく変化したとは考えられない」と指摘した上で、「転覆するまでに時間的余裕があれば、(栄福丸の)乗組員は船外に脱出できた可能性がある」とした。

 また、事故当時、ジィア・フイを操船していた当直責任者の中国人男性(37)は、中国近海を航行する免許しか持っておらず、中国の運航会社との連絡や物品購入を担当する「実習生」として乗り組んでいたことも明らかにした。

 静岡地裁沼津支部は昨年3月、業務上過失致死罪などで、当直責任者の中国人男性に禁錮3年を言い渡し、その後確定した。


”座礁船”放置問題を追う 2015 02 11(Youtube)

ワールドビジネスサテライト,2/11,WBS経済事件簿,"座礁船"誰が撤去する?

PSC(外国船舶監督官)の問題点はいくら加盟国による相互の協力体制が存在しても、PSC(外国船舶監督官)の経験、能力、そして判断力に大きなばらつきがある事。やらないよりはましである事は明らかであるが、簡単な検査を行うPSC(外国船舶監督官)により検査が実施される事により、厳しい検査を行うPSC(外国船舶監督官)が検査する機会が失われる事がある。
最近の極端な例で言うと、「レオパレス社内チェック機能せず 設計書類の誤表記、ずさんな管理 03/06/19(KYODO)」が良い例である。建築確認が行われているが、問題が何年間も見つけられなかった。建築確認だけでなく、ISOの審査でも問題が指摘されなかった。
複数の組織が似たような基準で検査を行っていても、問題が発見されない。つまり、検査の基準や検査をする人材による検査が甘ければ、理想や目標に関係なく良い結果は出ない事がある。残念ながらPSCによる検査が現状のままではサブスタンダード船はなくならない!

PSCの国際協力体制の構築|外国船舶監督官 2019年3月29日 更新(近畿運輸局)

下記の写真はサブスタンダード船の写真である。2008年から2009年の2年間でPSCから13回の検査を受けた。 日本のPSC(外国船舶監督官)は6回も検査したが、下記の不備を指摘しなかった。船の長さは80m未満の元日本船籍内航船。大きな船ではない。どんな検査を行えば見逃すのだろうか。

サンプル 1 2009年の冬に撮影。
サンプル 2 2010年の夏に撮影。
下記の写真もサブスタンダード船の写真である。
日本のPSC(外国船舶監督官) は下記の船を検査したが下記の不備を見逃した

サンプル 3 2003年の10月に撮影。


日本のPSCによる検査が2003年7月に行われた。不備としての指摘なし。
船倉がこんなに腐食していても日本のPSCは指摘しない!
もし座礁して、しばらく放置されると船体は真っ二つかも!

サンプル 4 2003年の3月に撮影。

PSCによる検査が2003年2月に行われた。不備としての指摘なし。

サンプル 5 2002年の9月に撮影。

日本のPSCの検査は2002年の7月。ボースン・ストアの水についての指摘なし。ハッチに問題ありと推測できる。
悪天候に遭えば多くの海水が流入する可能性もある。

航海機器用のバッテリーは適切にメンテナンスされていない。

サンプル 6 2002年の11月に撮影。


日本のPSCの検査は2002年の4月。PSCの検査から7ヶ月が経過しているが、7ヶ月でこのように腐食することはない。

サンプル 7 2002年の12月に撮影。

日本のPSCの検査は2002年の11月。エアパイプに関してPSCによる指摘なし。
たった1ヶ月でこのようにエアパイプが腐食することはない。

サンプル 8 2009年の6月に撮影。

消防ホースは穴が開き、消火栓のパイプからは水漏れ。火災探知機は故障の表示。
日本のPSCの検査は2009年の6月。PSCの検査から1ヶ月たっていない。

サンプル 9 2009年の7月に撮影。


補強のブラケットは折れ曲がり、整備に問題あり。CO2の起動装置はさびだらけ。
日本のPSCの検査は2009年の6月。PSCの検査から1ヶ月たっていない。

サンプル 10 2009年の8月に撮影。

ハッチカバーをつなぐピンがない。水密に問題があると思われる。
日本のPSCの検査は2009年の6月。PSCの検査から2ヶ月たっていない。

サンプル 11 2009年の8月に撮影。

チェーンパイプが腐食し、多数の穴がある。2ヶ月でこのように急速に腐食する事はない。
また、このチェーンパイプを見ただけで腐食が疑える。


停泊用発電機が汚い。メーターも壊れている。


主機及び機関室が汚い。


COMP. DKの機器の取り付けが仮修理の状態。SPEED LOGは故障。
日本のPSCの検査は2009年の6月。PSCの検査から2ヶ月たっていない。
日本のPSCは上記の写真について不備として記載していない。これらが日本のPSCの基準として
不備でないのであれば、実際は、サブスタンダード船の数は もっと多いと思う。

船舶検査技術に関する調査研究 島田道男*、成瀬 健*、吉井徳治* (国立研究開発法人 海上技術安全研究所)
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「安全や環境に関する国際基準を満たさず、海難事故を引き起こす外国船籍船に対処するため、PSC (ポートステートコントロール)に関する国際条約が整備され、PSCが実施されている。PSCにおいても、 構造安全性は重要な評価項目であるが、検査時間は短く、基準に満たない船舶(サブスタンダード船)を峻別 する検査技術もないため、検査機器開発に対する要望も大きい。」

大型船や巨大船であれば上記のようなことも必要だろうが、上記の写真は見れば問題があることは判断できる。小型船のカーゴホールへ行くのに時間が掛かったとしても20分、 普通なら10分あれば現場を見れる。検査時間が短いとか言い訳をする以前に問題がある部分を見ていないことは明らかだ。

10分や20分の時間さえも検査中に取れないのだろうか?訪船する前に船の概観を見ながらどこを見れば不備があるだろうかと考えて検査項目を考えれば難しいことではない。 国籍、船のサイズ、建造国、船のタイプそして船齢などで総トン数1万トン未満の船であればどこを見れば不備があるかある程度、予測できる。出来ないPSCがいれば 勉強するべきだ。上記のような不備を見逃すのは、知識不足か、やる気がない、または、両方である。

この乾舷、どこかおかしくない?外国船舶監督官達は容認しているのか?チェックしていないのか?

ISM(国際安全管理規則)コードによる船舶安全管理認定書(SMC)を取得している船舶J

ISM(国際安全管理規則)コードにより船舶安全管理認定書(SMC)の取得を要求される国際総トン数1000トン以上 の船であるが日本トン数499トン未満で適用されない船舶A
(現在はISM(国際安全管理規則)コードの改正で2010年1月1日から船舶安全管理認定書(SMC)の取得が要求される。)

ISM(国際安全管理規則)コードによる船舶安全管理認定書(SMC)を取得している船舶D


Gross tonnage: 81,135 tons、Summer DWT: 163,038 tonsそして検査会社が三流の検査会社のタンカーが PSC(外国船舶監督官)により出港停止命令を受けた。理由は 「14119 - POLLUTION PREVENTION - MARPOL ANNEX I - Oil and oily mixtures from machinery spaces (no responsibility of RO) 14108 - POLLUTION PREVENTION - MARPOL ANNEX I - 15 PPM Alarm arrangmts. (no responsibility of RO) 07113 - FIRE SAFETY - Fire pumps and its pipes (no responsibility of RO) 11101 - LIFE SAVING APPLIANCES - Lifeboats (no responsibility of RO)」

こんなタンカーが日本で油汚染を起こせば、何十億から何百億の被害は出るであろう。規則は厳しくなるのに、こんな抜け道が存在する。 個人的な経験では、検査会社(Overseas Marine Certification Services)にこのような大型タンカーを検査出来る能力や検査官は存在しないと思う。 タンカーの船齢は25年。手入れが悪ければ何があっても不思議ではない。

しかし、でたらめな検査を行ったとの理由で検査が出来なくなった検査会社は少ない。例え、検査できなくなってもまともな検査を行わないぐらいの会社で あるので何でもやる。名前を変えて、再出発するだけ。この事を知っているPSC(外国船舶監督官)は何人いるのだろうか?

税金で外国船が引き起こす海難の尻拭いだけはやめてほしい。問題がある外国船が入港出来ないようにPSC(外国船舶監督官) はしっかりと検査するべき。甘い検査をしているから、三流の検査会社が調子に乗って何でもやるのである。

タンカー以外の事故については、近年では、平成20(2008)年3月5日に明石海峡で衝突事故が起こり、ベリーズ船籍の貨物船Gold Leader(1,466GT)が沈没しました。沈没した船舶から燃料油が流出して、 漁業被害額は約40億円、周辺自治体の油除染経費が約15億5,000万円といわれていますが、船舶の責任限度額は1億7,000万円でしかありません。翌平成21(2009)年3月11日には豪でPacific Adventurer(1万8,391GT)の事故が発生し、 被害額は約24億円、船主責任限度額は約11億円でした。これらの事故を踏まえ、豪等の提案を受けてIMO が責任限度額改正案を採択しましたので、今回、船主責任制限法を改正する必要が生じたものです
05/07/15 (盛山正仁ブログ)

SEA LANDSORT (EX-KAMARI I)IMO8919154 Flag: Panama built: 1990 Vessel type: Crude Oil Tanker, Gross tonnage: 81,135 tons, Summer DWT: 163,038 tons (ShipSpotting.com)


SEA LANDSORT (EX-KAMARI I)IMO8919154, Classification: Overseas Marine Certification Services, Manager: WAVES SHIPPING LINE FZE TOKYO MOUのサイト

三流の検査会社が検査し、証書を発給するパナマ船籍船が最近大型化している。 昔は、小型船ばかりであった。小型船が海難を起こしても、大型船と比べれば油汚染を含む被害など小さい。日本で 三流の検査会社が検査し、証書を発給するパナマ船籍船でこれほど大きい船が海難を起こしたことは無い。 起こしていないと言うよりは存在しなかった。もしこのような大型船が油汚染を起こせば保険会社が対応するのか、保険が下りない状態で運航されることにより、 保険が対応しないリスクがある。

Hw Global IMO 8914037 Flag: Panama built: 1990(ShipSpotting.com)


TOKYO MOUのサイト

今度はシエラレオネ船籍の大型船が出港停止命令を受けた。 シエラレオネ船籍船は日本に麻薬を運んできたり、 不適切な免状の船員が操船する船が日本の内航船に衝突して、衝突された船に保険金が支払われずに泣き寝入りの状態になった。 大型のサブスタンダード船が日本で大きな損害を与えるまで時間的にそう遠くないかもしれない。

SOUTH HILL 2 IMO 8412467 Flag: Sierra Leone (Ex-North Korea) built: 1984(ShipSpotting.com)


TOKYO MOUのサイト

カンボジア船籍船 AN FENG 8 IMO 9365726の無責任な放置に成功したケースで 気を良くした中国船主が増えたのか、国際船級協会連合(IACS)でない検査会社(2流、又は3流)が 検査した船が大型化している。これまでは総トン数1万トンを超えた船はほとんど見られなかったし、日本にもほとんど入港しなかった。しかし、このような 船(サブスタンダード船の可能性が高い)が座礁したり、沈没したらどれほどの被害が出るのか?とてつもない額である。 ベリーズ船籍貨物船「GOLD LEADER」(総トン数1466トン、日本船籍内航船の時の総トン数683.96トン)が沈没した時の被害は約52億円。(参照:【第171通常国会】衆議院・国土交通委員会) 総トン数1500トンで52億円の被害である。総トン数1万トンの船の被害はとてつもない額になることが予測される。船の燃料タンクの容量も比べ物にならないほどに 大きい。保険に加入しているから安心と思っていたら大間違い。保険会社は船又は船員の免状や操船に問題があることを理由に支払いを拒否する可能性が非常に高い。 サブスタンダード船はいろいろな面で保険会社が支払いを拒否する問題を大きく抱えている。保険の加入は 気休めである。大きな損害を出す海難を起こす前にこのようなサブスタンダード船の厳しい検査を行わなければ とんでもない事になることを忠告します。このサイトを見た方で、利害関係がある人は行政に相談して早急の対策を求めてください。いつ大きな損害が出るかは 運次第です。

Lucky Future IMO 8822260 Flag: Panama built: 1989(ShipSpotting.com)


TOKYO MOUのサイト

Oriental Sunny IMO 8318817 Flag: Cambodia built: 1985(ShipSpotting.com)


TOKYO MOUのサイト

上記のような不備を見逃し、なぜ優先度(Priority: Low)で検査(不備:なし)を受けてから2ヶ月も経っていない船が日本のPSC(外国船舶監督官)から再び検査を受けるのか?ISO9001の認定を受けているのにおかしい。システムが機能していない決定的な証拠だ。

アジア太平洋地域18か国で外国船検査を強化へ 平成24年4月20日 国土交通省海事局及び 平成 18 年 6 月に国土交通省はISO9001 認証を取得を考慮すると下記のように不備を指摘されていない船がなぜ 日本のPSC(外国船舶監督官)により2ヶ月以内に2回も検査を受けるのだろうか?


(From TOKYO MOU)

2015年3月31日、カンボジア船籍貨物船「SEA EFFORT」(IMO:7425601)が博多港(箱崎ふ頭)に入港するのを見た。見た目から不備がありそうな カンボジア籍船

写真から推測してはしご(Embarkation Latter)はライフラフとの位置から空船状態の水面に届く十分な長さがあるのか?
1975年建造だからカーゴホールドやハッチカバーが腐食している可能性がある。腐食などはないのか?
車を搭載できるようになっているが、見通しや復原性資料に問題はないのか?
居住区、食料、労働時間などMLCに関して不備はないのか?
エアパイプやウェザータイトドア及びハッチの腐食や穴はないのか?コーミング高さに問題はないのか?

下記の検査データを見ると頻繁にPSC(外国船舶監督官)による検査を受けているが、そんなに不備はないのであろうか?


(From TOKYO MOU)


(AIS Marine Traffic)

From(Maritime Connector.com)
Ship Name: SEA EFFORT
Type of Ship: GENERAL CARGO
Flag: CAMBODIA
IMO: 7425601
Gross Tonnage (ITC): 1548 tons
Year of Built: 1975
Builder: SASAKI SHIPBUILDING - OSAKIKAMIJIMA, JAPAN
Class Society: GLOBAL MARINE BUREAU
Manager & owner: SILVER STAR - VLADIVOSTOK, RUSSIA
Former name: CENTURY 7 until 2002 Jun
OCEAN ACE until 2001 Feb
SHINNICHIFUJI MARU until 2000 Nov

Safety mismanagement tops Australian ship detentions 04/26/19(IHS Markit Safety at Sea)

Zoe Reynolds, correspondent


Once again, for the eighth year running, poor implementation of the International Safety Management (ISM) Code dominates ship detentions in Australia.

Since 2010, most ships detained in Australia have failed to apply the ISM Code, according to the nation’s 2018 recently released Port State Control (PSC) Report.

The Australian Maritime Safety Authority Authority (AMSA) recalled one case, where the vessel involved, the Thorco Luna, was banned from entering Australian ports. “The master and crew were not familiar with essential shipboard procedures relating to the safety of the ship over three separate inspections” AMSA commented.

Lack of knowledge and training in fire safety, emergency systems and life-saving appliances were next on the list, with breaches to the Maritime Labour Convention (MLC) following close behind.

In 2018, AMSA received 177 complaints regarding crew conditions, mostly to do with wages, contracts, hours of work, food and catering, repatriation and bullying. Yet, records show a growing confidence in seafarers seeking help, making 75 complaints in 2018, almost double the 44 of the previous year.

The seafarers trade union, the International Transport Workers’ Federation, however, made up the majority of the complaints, totalling 39 on behalf of the crew, with welfare groups coming a close second on 31.

While the number of alleged MLC breaches confirmed in port has decreased significantly compared to 2017 (from 918 to 674), the number of detainable offenses has risen only slightly from 20 to 23 over the year.

In 2018, AMSA banned three repeat offenders from Australia’s shores. Two of these bans involved significant breaches of the MLC. These were the Liberian flagged MSC Kia Ora, which underpaid its crew; the previously mentioned Philippines flagged Thorco Luna, for significant ISM and Safety of Life at Sea Convention breaches, and the Hong Kong flagged Shandon Hai Wan could not berth in Australia for 12 months after deliberately underpaying their crew by AUD56,000 (USD39,000).

Overall, the Flag states with the highest detention rates were Panama, Liberia, Hong Kong, Marshall Islands, and Singapore.

While AMSA reported a slight increase in the detention rate of vessels to 5.5%, ship deficiencies, on the other hand, remain at record lows having steadily decreased over the last decade.

“It is also a strong indication that AMSA’s PSC regime is exerting a positive influence on the quality of ships arriving in Australia,” the report concluded.

下記の記事は実に興味深い。細かい項目までチェックしている。たぶん、取材のためのパフォーマンスなのであろう。 これほど細かい点までチェックできるのに、上記のような不備を指摘しない、又は、指摘できない日本のPSC(外国船舶監督官) の多さには驚く。

「船長は『臨検は安全向上のためと受け止めている。日本やオーストラリアのPSC官はプロフェッショナルで、条約の観点から目の届かないところまで見てくれる』と話した。」
船長がインド人だからリップサービスで日本とオーストラリアのPSC(AMSA)をひとまとめでコメントしたのだろう。日本のPSC(外国船舶監督官) はすごく細かい点を調べるとは聞いたことがあるが、AMSA(オーストラリアのPSC)のように厳しいとは聞いたことがない。発展途上国のPSCは PSC検査と言いながら、金品を要求すると聞く。この点においては、金品を要求しない日本のPSC(外国船舶監督官) はプロフェッショナルと言える。

自分が知らない分野ではこのように現状と記事のギャップ(広報のパフォーマンス)があっても知りえることが出来ない。 サブスタンダード船の写真を公開するのは事実とは違うと強く感じるからである。 素人でも疑問に思う不備をなぜ指摘できないのか?ここに大きな問題がある。現実について何も知らない人が下記の記事を読めば、間違いなく現状に ついて勘違い、又は、間違った理解をするであろう。今回の取材にしても、選ばれた日本のPSC(外国船舶監督官) だろうし、素人を驚かすには大型の自動車運搬船は良い選択だ。中古専門の自動車運搬船であれば船の質は劣るだろうが、新車を運搬する船であれば、 ひどい船はいない。荷主の日本の自動車メーカーが質の悪い船などを選ばないからだ。船員の質にしても海難を起こる可能性の高い船員などは使わない。 仮に船員の免状が法的に問題がなくても、実際のパフォーマンスに問題があればしっかりした船長であれば、会社に連絡を取り、船員の交代を要求する。 海難が起きれば船長が責任を問われる。英国南部のワイト島近くで、自動車運搬船「ホーグ・オーサカ号」が傾き座礁した。 このような問題を起こせば、自動車の納期は遅れ、傭船社、船主そして運航会社は損失を出し、信頼も失う。交代させられる船員には気の毒であるが、 安全や信頼を最優先させれば、船員のパフォーマンスが船の安全を脅かすと判断されれば仕方のないことである。船員の免状が法的に問題ないから 対応しない会社も存在するが、安全の点だけで判断すると、どちらの会社が安全と信頼を提供できるのかは明らかだ。 サブ・スタンダード船であることを知っていても安ければ利用する傭船社や荷主も存在するのだから 全ては個々の企業の判断基準次第。
本当に厳しい検査を行っているのか判断するのであれば、問題の多い カンボジア籍船モンゴル籍船を選ぶべきであろう。素人でも判断できる不備があるかもしれない。 その不備を指摘するのか、しないのか?カーゴホールドをチェックするのか、機関室をチェックするのか?MLCが適用されたから居住区も チェックできる。たくさんの問題が見つけることが出来ると思う。 船員の免状の問題があるかもしれない。
記者が全てについて精通することは無理であることはわかっているし、政府機関の組織が嫌がることは出来ないのかもしれない。しかし、もう少し 現状について勉強して、質問をすることを考えるべきだと思う。

横浜港:外国船臨検に同行 安全設備に目光らせ 高い技術、国際評価 /神奈川 02/18/15 (毎日新聞)

 海洋環境保全のための国際条約基準を満たさない外国船を排除する外国船舶監督「ポート・ステート・コントロール(PSC)」が、横浜港でも実施されている。2003年に新潟市に入港した北朝鮮の貨物船・万景峰(マンギョンボン)号への立ち入り調査(臨検)で注目を集めた国土交通省のPSC官の技術は、国際的にも評価されている。全国最多のPSC官10人が所属する関東運輸局海上安全環境部(横浜市中区)の臨検に同行した。【高木香奈】

 対象は大黒ふ頭に着岸しているマルタ船籍の自動車運搬船。主任PSC官の飯田克己さん(49)らは岸壁に沿って歩きながら、船体に注意深く目を向けた。船は7万5000トンで、最大6000台の自動車を積み込める。

 午前10時。身分証明書を見せて船内に入る。さまざまな書類が置かれている事務室に向かう途中も、消火器が指定された場所にあるかどうか目を光らせる。事務室では、船員名簿や免許証、安全設備、保守点検記録などの提出を受け、インド国籍の船長から船の情報を聞き取る。飯田さんが手早く書類をめくり、提出物をチェックする。その間、同行した監督官の松本歩さん(52)は、証書の有効期限や燃料補給を記録する「油記録簿」などを確認する。

 心臓部の船橋に移動。海図や機器が動くのか確認し、船員に非常時への対応や連絡手順などを理解しているか尋ねる。救命艇や煙を感知する警報装置が実際に動くのか、消防担当の乗組員が消防着をスムーズに身に着けられるか--などを細かく見て回った。

 約2時間半後、再び事務室に戻った。松本さんは医務室のベッドカバーがなかったことや、船内の危険区域の指定が不十分だったことを指摘。重大な欠陥ではないと判断した松本さんが「これはアドバイスで、リポートには書かない」と説明すると、船長はほっとした様子で「サンキュー」と応じた。船長は「臨検は安全向上のためと受け止めている。日本やオーストラリアのPSC官はプロフェッショナルで、条約の観点から目の届かないところまで見てくれる」と話した。

 多くの船が行き交う横浜港では、寄港船の基本情報や検査歴などの情報の入った国際データベースを基に臨検対象を選ぶ。事故につながるような重大な欠陥が見つかり、運航を差し止める「拘留」対象となるのは古い船が多い。首席PSC官の斉藤正隆さん(60)は「過去に検査を受けたことのない船に、大きな欠陥が見つかることがある」と説明する。

 この日の船の出港予定時刻は午後2時。通常は2人1組で臨検に入り、限られた時間で船内を点検、判断する必要がある。船によっては船員と言い争いになったり、危険が伴ったりすることもある。斉藤さんは「PSCは専門家集団。『良い船』を使うように荷主にも関心を持ってもらいたい」と力を込めた。

 ◇全国で年1万5000件指摘

 船の安全や海洋汚染などを防止する国際条約については、船が登録されている旗国(きこく)が責任を持って守る必要がある。1970年代から、事実上の船主の所在国でない国に籍を置く「便宜置籍船」が増加し、条約を守らない「サブスタンダード船」も現れた。重大な海難事故も起きたため、寄港国側が条約に適合しているか検査する必要が生じた。

 国内では当初、日本籍船を監督する検査官がPSCを実施していたが、97年に専従のPSC官46人が配置された。現在は全国41カ所に143人が在籍。検査実績に比例し、船舶安全法や海洋汚染防止法などの国内法に基づく拘留率は減ってきており、近年は3%前後で推移している。

 国交省によると、13年の日本の船舶検査件数は過去最高の5365件。PSC官が指摘した欠陥総数は1万5467件に上る。拘留は毎年200件前後で、旗国別にはカンボジアが半数以上を占め、パナマ、中南米のベリーズ、大洋州のキリバスなどが続く。

………………………………………………………………………………………………………
 ■ことば
 ◇PSC
 海上人命安全条約や海洋汚染防止条約などに基づき、寄港国(ポート・ステート)が航行の安全や海洋環境の保全を目的に、国際条約に基づき入港した外国船舶の構造や装備の検査を行う制度。検査の結果、不備がある船に対しては航行停止命令を出せる。アジア太平洋地域での協力体制を確立するため、東京に事務局「東京MOU(エムオウユウ)」を設置している。

参議院会議録情報 第174回国会 国土交通委員会 第11号 一部抜粋

第174回国会 国土交通委員会 第11号
平成二十二年五月十一日(火曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 四月二十七日
    辞任         補欠選任
     川崎  稔君     尾立 源幸君
     平山 幸司君     下田 敦子君
 四月二十八日
    辞任         補欠選任
     尾立 源幸君     川崎  稔君
     大島九州男君     金子 洋一君
     下田 敦子君     平山 幸司君
     松野 信夫君     米長 晴信君
 五月十日
    辞任         補欠選任
     金子 洋一君     平山  誠君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         椎名 一保君
    理 事
                広田  一君
                室井 邦彦君
                佐藤 信秋君
                吉田 博美君
                草川 昭三君
    委 員
                植松恵美子君
                川崎  稔君
                輿石  東君
                田名部匡省君
                羽田雄一郎君
                平山 幸司君
                平山  誠君
                藤本 祐司君
                山下八洲夫君
                米長 晴信君
                大江 康弘君
                岡田  広君
                荻原 健司君
                西田 実仁君
                山内 俊夫君
                渕上 貞雄君
                藤井 孝男君
                長谷川大紋君
   国務大臣
       国土交通大臣   前原 誠司君
   副大臣
       国土交通副大臣  辻元 清美君
   大臣政務官
       国土交通大臣政
       務官       三日月大造君
       国土交通大臣政
       務官       藤本 祐司君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        畠山  肇君
   政府参考人
       法務大臣官房審
       議官       團藤 丈士君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○海洋汚染等及び海上災害の防止に関する法律等
 の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送
 付)
    ─────────────
○委員長(椎名一保君) ただいまから国土交通委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日までに、松野信夫君及び大島九州男君が委員を辞任され、補欠として米長晴信君及び平山誠君が選任されました。
    ─────────────
○委員長(椎名一保君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 海洋汚染等及び海上災害の防止に関する法律等の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に法務大臣官房審議官團藤丈士君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(椎名一保君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
○委員長(椎名一保君) 海洋汚染等及び海上災害の防止に関する法律等の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本案の趣旨説明は既に聴取いたしておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。

「中略」

○室井邦彦君 ・・・  続きまして、質問を十五用意しているんですけれども、まだ五問しか入っておりませんので、これはまずいなという思いが。前原大臣にすばらしい場面をつくっておるんですが、ちょっとその前に、これが言いにくいんですよね、万景峰号について。
 このときにはもう皆さん方も、全国に放映されましたから、いろんなところ、場面を見られたと思います。このポートステートコントロールという、PSC、これについてちょっと私も学習したいと思っておりますので、これはどのような組織で、団体で、どのような内容なのか、簡単にちょっと説明いただけますか。
○副大臣(辻元清美君) 概要を御説明いたします。
 このポートステートコントロールは、海洋汚染防止条約、そして海上人命安全条約等の国際条約に基づいて、寄港国当局、日本に入ってくる船でしたら日本が入港中の外国船舶に立ち入り、国際基準に適合しているかどうかというようなことを確認することをポートステートコントロールと申します。
 具体的には、国際条約で要求されている条約証書やマニュアルをきちんと備えているかとか、それから主要な構造、設備に欠陥がないかとか、さらには船員が十分な資格要件や機器の操作能力を有しているかなどについて確認を行い、そして欠陥が発見された場合には必要な改善や出港停止を命ずるというようなことを行います。
○室井邦彦君 この資料を見ていますと、北海道とか、そうですね、北海道には、これは十三名とか、非常に人員が少ないんですよね。こういうことで本当に完璧なそういう仕事といいますか、対応できるのかどうか。九州でも十九名しかおられないですし、いろんなところを見ますと、こういう方々の人員が素人から見ましても非常に少ないような感じがいたしますし、また、これのMOUですか、パリMOUは一〇〇%を目標に頑張っておられるということも耳にいたしました。日本の国は七五から八〇程度ということを目標値に置いているというようなことを聞いておるんですが、その辺の説明、我が国の体制、今後の体制とか、いろいろとPSCの監査官の人数とか、いろいろと人材養成のプログラムとか、いろいろとあると思うんですが、どのようにお考えで、どういう方針を取られていくのか、その部分を簡単にちょっとお聞かせ願えますか。
○副大臣(辻元清美君) 今御指摘のように、北海道は十三名ということでしたけれども、現在は地方運輸局などに、四十三官署に百三十四名配置をしております。
 ちょっと実績なんですけれども、昨年度は検査隻数が三千五百十一隻で処分の隻数が百九十二隻ということになっております。大体、毎年三千五百とか、それぐらいの船に立入りを行っております。
 ただ、御指摘のように、日本は周りを海に囲まれておりますので、しっかりと取り組んでいかなきゃいけないということで、現在では船上訓練とか、あとアジア諸国、各国との連携もやっておりますので、そのような連携について強化をするとか、実施機関への、他国への派遣など、研修や、それから国際的な取組に従った行動が的確にできるように強化してまいりたいと思います。
○室井邦彦君 時間がございませんので、最後になりますが、せっかく大臣の方に質問を三つほど用意していたんですけれども、最後にさせていただきます。

「中略」

○委員長(椎名一保君) 他に御発言もないようですから、本案に対する質疑は終局したものと認めます。
 これより討論に入ります。──別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。
 海洋汚染等及び海上災害の防止に関する法律等の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
○委員長(椎名一保君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(椎名一保君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午前十一時五十四分散会

PSC(外国船舶監督官)が検査する隻数を増やす事に問題はないが、検査する以上は不備があれば適切に指摘するべきだある。同じ船を何回検査しても素人でもわかるような不備を見逃す検査はおかしい。議員方々は上記の写真を見て、どう思われるのか?

以前、日本のPSC(外国船舶監督官)サブスタンダード船 と思われる カンボジア籍船シエラレオネ籍船 が接岸しているのでなぜそちらを優先させないのかと質問した事が何度かある。答えはPSCの検査から6カ月経っていないからだと言う。6ヶ月たっていなくても サブスタンダード船である可能性がある カンボジア籍船などは優先的に検査するべきだろうと言ったが6ヶ月があるからとしか言わなかった。上記の船は不備がないにも関わらず、2ヶ月も経っていないのに日本のPSC(外国船舶監督官)から検査を受けている。全く理解できない。ISOを取得している国土交通省は職員に対して18か国の検査履歴からメンテナンス不良の外国船を割り出し、欠陥を抱えるリスクの高い約3割の外国船を優先して繰返し検査する方針について適切な教育をおこなっているのだろうか。リスクが「LOW」でしかも日本のPSC(外国船舶監督官)が検査してから2ヶ月も経っていない船舶を検査することが可能であるならば、なぜサブスタンダード船である可能性が非常に高い カンボジア籍船を6ヶ月経っていないとの理由から検査しないと言うのであろうか。国土交通省海事局はもっとしっかりしろ!まったく効率的な検査が行われていない。


アジア太平洋地域における外国船検査(ポートステートコントロール)協力20周年を記念したフォーラムの開催 - 日本人初のIMO事務局長関水氏招聘 - 10/23/13 (国土交通省)

本フォーラムでは、国際基準に満たない質の悪い船舶(サブスタンダード船)の国際的排除を目指し、関係国と海事国際社会が協調してPSCに取り組むため、日本人初の国際海事機関(IMO)事務局長関水康司氏をはじめ海事産業の国際団体の代表が一堂に会するものです。

アジア太平洋地域における外国船検査(ポートステートコントロール)協力20周年を記念したフォーラムの開催について(PDF形式) (国土交通省)

上記のようなフォーラムが開かれても、PSCによる検査の現状を考えると現場と現場を知らない人達のギャップを感じる。


SOLAS: Accommodation ladders and gangways (Resolution MSC.256(84) and SOLAS Regulation II-1/3-9)11/29/12

上記の写真は中国船員が乗船している船のAccommodation Ladder (S-side)です。PSC (外国船舶監督官) は検査のために乗船する前に、このような不備があるかチェックしなければだめです。古い船で手入れが悪い場合、このような不備が見つかるはずです。

PSCのような検査をする場合、サブ・スタンダード船を検査するよりは 問題のない船、船齢が若い船、日本の海運会社が所有又は管理する船の検査を行ったほうが楽なのである。(個人的には、管理が行き届いていない日本の海運会社が所有する又は管理する船には行きたくない。 世界で有名なギリシャ人船長や監督の中には悪態をつく場合もあるが、問題のある日本の海運会社は相手が日本人だと姑息な方法を取る場合があるので、疲れるが英語でギリシャ人を相手にするほうが良い。 ただ、最悪のギリシャ人は英語が通じようが、通じまいが聞く耳を持たないので語学の能力は関係ない。不備に関する規則が国際条約のどこに書いているのか聞いてくる。規則に精通していないと該当する規則を 見つけるだけでも時間がかかる。説明できたとしても嘘は平気で付くし、理屈の通らない言い訳だらけ。最後には、規則が間違っている。 船級の検査官が指摘していないのだから、不備は許容範囲なので、規則は関係ないと言ったりもする。韓国人、中国人そして韓国や中国の海運会社も最悪になると同じレベル。 とてつもなく疲れる。)だから、外国船舶監督官(PSC)が楽をしたい場合、問題のない船、船齢が若い船、日本の海運会社が所有又は管理する船に 訪船したいのは理解できるし、サブ・スタンダード船と思われる船を訪船した場合、大きな不備を見つけなければ2時間ほどで帰れるので、問題を 見ないようしたい気持ちも理解できるが、公務員として税金が財源である給料をもらっているし、中立な立場で出港停止命令を出す権限を与えられているのだから、適切に検査するべきだ。

他国の外国船舶監督官(PSC)を指導するのも良いが、身内の外国船舶監督官(PSC)がどのような 船を検査し、どのような検査を行っているのかしっかりとチェックするべきだ。

平成25年度 国際海事機関(IMO)と連携したPSC 地域組織への専門家派遣 (公益財団法人 東京エムオウユウ事務局) 開けない人はここをクリック

青森)貨物船座礁から1年、いまだ進展なし 02/16/14 (朝日新聞)

座礁し、二つに折れた貨物船の船首部分。断面はさびている=2月16日、深浦町岩崎


豊饒の海に流れ着いた厄介者 2013年3月21日 (世界遺産・白神山地で暮らす)

新聞記者時代、座礁したまま何十年も放置されたままの北朝鮮船籍の船や中国船籍の船を取材しました。結局、船主は何の処置もしないまま、 行政が税金を使って処理させられていました。今回もそんな例にならないことを祈ります。親方らが安心して浜を歩けるようにするため、 市町村だけでなく国からの手助けも必要だと感じました。特に最近、何かにつけて傲慢な中国が相手ですから。

海難(問題)が起きてからでは遅いので事前に対応する形で外国船籍船を検査する権限を持つPSC(外国船舶監督)が外国船を検査しているのですが、2013年の現在でもこのありさまです。

SILVER DREAM (IMO:9359222)はIMO番号から推測して古い船ではないのにデザインは古そうです。検査したら不備がたくさん見つかりそうな船のようです。


カンボジア船籍の貨物船「SILVER DREAM (IMO:9359222)」 11/29/12(PHOTOHITO)

PSC (外国船舶監督官)はM/V "GLORIOUS GRACE"のような船を検査して出港停止命令を出さないとだめだ。 このサイトを見たPSC (外国船舶監督官)はこの船を検査する機会があれば航海日誌に船体の損傷について 記載しているかチェックするべき。記載していなかったら、少なくともISMコードの不備として指摘するべきだ。


八戸港で見かけた船 カンボジア船籍の貨物船「GLORIOUS GRACE」 11/08/12(Knブログ)

「この数年間に北朝鮮に出入りした第3国の船舶は中国、カンボジア、ベトナム船籍の数百隻に達する。これら船舶が韓国と米国、日本、欧州連合(EU)の港に入ることを防ぐ入港規制案を関係国と積極的に検討している」

こんなことをしなくても、韓国と日本のPSC(外国船舶監督官)達サブスタンダード船 を厳しく検査して不備を是正しないと入港させないようにすれば多くのサブスタンダード船(中国、カンボジア、ベトナム船籍が含まれる) 韓国及び日本の入港の港に入港できなくなる。全ての船舶の入港禁止を目的としなければこれで十分な効果があると思う。まあ、この点でいえば、韓国の PSC(外国船舶監督官)もまだまだだめだと言う事だ。

9月の1日から始まった SOLAS Chapter II-2/ Construction - fire protection, fire detection and fire extinction arrangementsの 集中検査(TOKYO MOUのHPより)も今月で終わる。やはり思ったよりも日本の外国船舶監督官 により出港停止命令を受けた船舶は少なかった。下記の アジア太平洋地域18か国で外国船検査を強化へ(国土交通省のHPより)は方針だけで実行されていないのか??

アジア太平洋地域18か国で外国船検査を強化へ
メンテナンス不良など3割の外国船が検査強化の対象
日本、韓国、オーストラリア等アジア太平洋地域18か国は、入港する外国船の検査について、メンテナンス不良の外国船などを対象に検査を強化することとしました。 19日までチリのビナデルマルで開催された地域協力の委員会で検討を行ったもので、域内を航行する外国船が増加する中、18か国の検査履歴からメンテナンス不良の外国船を割り出し、 欠陥を抱えるリスクの高い約3割の外国船を優先して繰返し検査する方針です。

「年間約2万5千件の外国船検査の内、約5千件は日本が実施しており、これを行う外国船舶監督官を今年度全国で142 名予定と するなど取組み強化を行っています。」平成24年4月20日 (国土交通省のHPより)

「年間約2万5千件の外国船検査の内、約5千件は日本が実施」した事をアピールしたいのは分かる。しかし、 問題船(サブスタンダード船)の不備を指摘できないような検査を行っていては意味がない。 税金の無駄使いだ。「外国船舶監督官を今年度全国で142 名予定とするなど取組み強化」は絵に書いた餅。 外国船舶監督官が不備を見つけることが出来るような検査を 行わないと意味がない。国交省がバス運行会社「クルージングワールド」に対して実施した特別監査と同じでは意味がない。

ツアーバス事故、違反見逃し「不適切だった」 08/03/12(TBS系(JNN) )

 東北道で高速ツアーバスの乗客ら31人がけがをした事故です。事故の前、国土交通省がバス会社に抜き打ち検査をしたものの、乗務時間の違反を見逃していたことについて、羽田国土交通大臣は「不適切だった」と述べました。

 この事故は2日、宮城県の東北道で高速ツアーバスがトラックに追突し、乗客ら31人がけがをしたものです。 関東運輸局による事故後の特別監査では、運転手の乗務時間が先月新たに定められた「1人で運行できる乗務時間は10時間まで」とする基準を超え、11時間半にわたっていたことがわかりました。このバス会社には先月、東北運輸局が抜き打ち検査をしていましたが、「乗務時間」については検査項目に入っておらず、違反を見逃していました。

 「限られた時間の中での対応とはいえ、点検項目の中に乗務時間の項目を含めなかったことは不適切」(羽田雄一郎国土交通大臣)

 羽田国土交通大臣は3日朝、このように述べ、事故防止のための一斉点検を強化するとしています。

事故ツアーバス、乗務時間は新基準超え…見逃す 08/02/12(読売新聞)

 宮城県白石市の東北自動車道で2日未明、ツアーバスがトラックに追突して乗客ら31人が負傷した事故で、バス運行会社「クルージングワールド」(千葉県成田市)の運行計画では、事故が起きたルートの運転手の乗務時間が、国土交通省の新基準で定められた夜間の上限時間(10時間)を超える11時間半になっていたことが、国交省が同日実施した特別監査で分かった。

 同省は「交代要員が必要なケースだった」としている。7月20日の新基準移行に合わせ、各社に検査を実施したが、上限距離(400キロ)だけを対象にしていたことから見逃していたという。

 宮城県警は2日、自動車運転過失傷害の疑いがあるとみて、バスの多田進運転手(61)(千葉県香取市下小堀)から任意で事情聴取を始めた。多田運転手も負傷しており、搬送先の病院で行った。

 病院によると、「少し眠かった」などと話し、2か月前に脳梗塞で入院し、医師から車の運転をやめるように忠告を受けていたとも説明しているという。

 クルージングワールドの伊地知晴之専務(45)は2日、「出発前の点呼では、体調の悪い様子はなかった。入院は、血が詰まる可能性があるためだった。5月17日の退院後、別の病院で健康診断を受けた。問題がなかったので、5月24日から復帰させた」と話した。

事故が起きなければ見逃しが発覚しなかった。外国船舶監督官の検査が 一部の監督官を除けばかなり低いレベルである可能性も高い。その根拠の一つは、特定の港でしか問題船(サブスタンダード船) が出港停止命令を受けていないこと。つまり、特定の外国船舶監督官しか 出港停止命令を出せる不備を見つけていないことだ。最近はAISと呼ばれる便利なものがあり、 船の動向はチェック出来る。問題船(サブスタンダード船)と思われる船、例えば カンボジア船が頻繁に入出港しているのに出港停止命令が出されていないと言うことは その港の管轄である外国船舶監督官達が甘い検査を行っているか、 外国船舶監督官の肩書きを持っているだけで不備を見つける能力がないと言う事なのだ。

外国船舶監督官を増やしても、結果を出せる人材がいなければ パフォーマンスだけで増員=検査強化とは言えない。まあ、現状を知らなければ、資料を読むとロジカルに考えれば多くの 問題船(サブスタンダード船)が出稿停止命令を受けると勘違いをしてしまうのである。

四国運輸局主要施策

9 外国船舶に対する立入検査(PSC)外国船舶に対する立入検査(PSC:ポートステートコントロール)を的確に実施することにより、国際 基準を満たさない船舶(サブスタンダード船)を排除し、四国地(海)域の航行安全・海洋環境の保全並びに大気汚染の防止を図ります。 また、入港税等の基礎となっている国際総トン数についてもあわせて検査を実施し、その確認等を行います
(四国運輸局のHPより)

本当に問題船(サブスタンダード船)を排除するような検査を行っているとは思えない。 やはり本当にそう思っているのなら結果で示して欲しい。日本の港には多くの問題船(サブスタンダード船) が入港している。しかし、日本の外国船舶監督官が出港停止命令を出す隻数から判断すると 船の絞り込み及び検査が甘いのではないかと判断する。

SOLAS Chapter II-2/ Construction - fire protection, fire detection and fire extinction arrangementsの 検査を9月の1日からはじめるそうだ!(TOKYO MOUのHPより)

チェック項目に「Does the Fire Control Plan meet the requirements?」がある。日本のPSC はまともにチェックできるのだろうか?防火構造(Fire Integrity)が施工されていないのに、火災制御図(Fire Control Plan)に施工されて いるようになっている図面を掲示している小型の貨物船が存在するが、指摘しているのを見たことがない! 多くの日本のPSCは火災制御図(Fire Control Plan)と現場の確認が出来ないのではないか、 それともほとんどチェックしていないのではないかの思う。

消防員装具(Fireman's Outfit)が納入されてからかなりたっているのに新品の状態のままの船もある。たぶん、適切に訓練をしていない 証拠である。また、呼吸具に取り付けられる耐火性の命綱をどこに取り付けるのか迷っている船員もいるので訓練が十分でないと思われる。 しかし、このような点を指摘している日本のPSCは少ない。

チェック項目「Does the activation of any detector or manually operated call point initiate a visual and audible fire signal at the control panel on the bridge or controlstation?」も興味深い。小型の中国建造貨物船や日本の内航船を売船し、簡単に火災探知及び警報システム を取り付けた船舶に問題が多い。船員達が、いつも電源をOFFにしているケースがある。日本のPSC はこの事実を知っているのか不明であるが、本気でチェックする気があれば、一般的に日本のPSC は2人以上で検査するので、書類チェックを始める前に1人がNav. Bri.に行って火災探知及び警報システムの電源が入っているのか確認するべきである。 電源がOFFになっていれば不備として指摘するべきである。また、電源を入れると故障のサインや誤作動を起こす場合もある。電源が 入っていない場合、電源をONにして5分ぐらいは警報システムパネルの前で故障や誤作動の表示がでないか確認するべきである。 これぐらい日本のPSCは普段の検査で行っていると思う人もいるかもしれないが、 多くの場合行っていないから不備が見逃させる結果となるのである。 平成 18 年 6 月に国土交通省が 取得したISO9001 認証はお飾りである。

チェック項目「Is the lighting in escape routes, including the Low Location Lighting systems where applicable properly maintained?」 も興味深い。日本の内航船として建造された船に脱出設備:防火構造のもの(Escape Trunk)はない。外売されて外国籍船となって新設された 船舶もあるが、日本のPSCが指摘しないので放置されたままの船も存在する。
「Low Location Lighting systems」と記載されているので、 SUB-COMMITTEE ON FIRE PROTECTION 56th session Agenda item 7 28 February 2012 (IACS) についても妥当であるか意見できるだろう。II-2/13.4.2.1.1は新船(New Ship)に適用される。(More specific requirements for escape ladder from machinery spaces (fire insulation, min. 800 mm x 800 mm internal dimensions, emergency lighting).
SOLAS 1994 第II-2章 構造(防火並びに火災探知及び消火)の適用は「この章のA部、C部及びD部の規定は、別段の明文の規定がない限り、 1886年7月1日以後にキールが据え付けられる船舶又はこれと同様の船舶に適用し、また、この章のB部の規定は、1994年10月1日以後にキールが 据え付けられる船舶又はこれと同様の建造段階にあたる船舶に適用する。」と書いてある。
C部 貨物船の火災安全措置 第45規則 脱出設備に下記のように書かれている。 3. 4に別段の定めがない限り、各A類機関区域からの2の脱出設備を設ける。この場合において、特に、次のいずれかの規定を適用する。

 (1)相互にできる限り話して設ける2の鋼製はしごであって、それそれが当該機関区域の負部の同様に離れている2の戸に通じており、かつ、  それらの戸から開放された甲板への通路が設けられているもの。原則として、これらのはしごの1は、当該機関区域の下部から外部の安全な位置まで  火災から防護するものでなければならない。以下省略
4.主管庁は、総トン数1000トン未満の船舶については、A類機関区域の上部の寸法及び配置に妥当な考慮を払った上で、3の規定により要求される 脱出設備の1を省略することを認めることが出来る。

ここで日本のPSCが注意するべきことは、総トン数1000トン未満の船舶が主管庁から省略を 認める書類を確認することである。主官庁から委任させている検査会社 が省略を認める権限を有しているのか確認が取れなければ主管庁からの種類を要求するべきである。問題がある 検査会社の信頼性は低く、お金のためなら何でもする会社が存在する事を理解して対応するべきだ。

チェック項目「Is the Emergency Fire pump, capable of producing at least two jets of water?」 と 「Are the fire protection systems, fire fighting-systems and appliances maintained ready for use?」で 非常用消防ポンプと消防ポンプもテストされるだろう。元日本籍内航船の外国船はポータブル非常用消防ポンプだけの場合が多い。 このポンプにつなぐホースが短いものしかなければ日本のPSCは指摘するべきであろう。 短ければ実際には使えない。そして消防ポンプを起動させててホースや消火栓や消火主管に問題がないかチェックするべきだ。

問題船(サブスタンダード船)の船の場合、下記の写真のような問題は珍しくない。

年次の検査を受けたばかりでも、上記のような問題は珍しくない。なぜなら 検査会社の検査がずさんだからである。
PSCは時間がないとか言い訳をする前に限られた時間でどのように検査するのか 考えるべきだ。例えば、書類チェックが終わる5~10分ぐらい前に船長に消防ホースを船首と船尾の消火栓に接続するように伝えたら メインデッキに下りてきたら直ちにテストできる。メインデッキに下りてきてからテストを伝えると10~30分以上は 準備で待つことになる。船員の訓練度が低いとテストを伝えてからホースから水が出てくるまでに30分以上はかかる場合もある。 これではPSC適当に手を抜かないと半日で検査は終わらない。
元日本籍内航船の問題船(サブスタンダード船)の検査をすれば、 まともに検査すれば1日はかかるであろう。半日で終わるPSC検査はどこかで 手を抜いたとしか思えない。火災制御図が実際の船の設備に基づき作成(位置の問題、正確に作成されていない問題)されているか、ファイアーダンパー、火災探知機、 非常用消防ポンプと消防ポンプテスト、緊急遮断弁のテスト(結構、作動しない場合が多い。どのレバーがどの弁か船員が分かっていない場合も多い)、 消防員装具、固定消火設備のテスト、ポータブル及び固定消火設備が定期的に検査を受けているかのチェック、 小型貨物船で危険物を積める証書を所持しているが、危険物を積むための消防及び防火設備が不足している船が存在する問題、 そして消防訓練とチェックする項目がたくさんある。 そして問題船(サブスタンダード船)は これらの項目のほとんどに問題がある可能性が高い。もしPSC達が この点に気付いていないのであればやはり これまでの検査が適切に行われてなく問題に気付きもしなかったと言うことだろう。

一般的に日本のPSCによる検査は甘く、上記の不備を指摘できるのか大いに疑問である。 言い訳は良いから結果で見せるべきだろう。能力の問題なのか、やる気の問題なのかはわからないが、多くの日本のPSC達がまともに検査を 行っていないのは事実。本人達は否定するか、自分達が行っている検査に満足しているのかのどちらかだろう。自己満足や自己評価は結果とは関係ない。 問題船(サブスタンダード船)を検査した時に、不備を見つけ指摘できなければ適切な検査とは言わない。
9月まで3ヶ月間あるのでどのように現状の問題を把握し、PSCを教育しているのか見守るしかないだろう。 平成 18 年 6 月に国土交通省が 取得したISO9001 認証が役に立っていない事を証明する一例にならないことを祈る!

川崎、名古屋、大阪、堺、水島、福山、四国エリア、博多などは 問題船(サブスタンダード船) と思われる船舶が入港している割には出港停止命令を受けている船舶が少ない。PSC 達のやる気がないのか、能力がないのか、両方の問題であろう。 平成 18 年 6 月に国土交通省が 取得したISO9001 認証が機能していない証拠ではないのか??

いくら検査の回数を増やしても、荒いざるの目のように問題船(サブスタンダード船) と思われる船舶に不備を指摘せずに出港させる現状では本来の意味は達成できない。
広島・福山の火災ホテルと同じ。査察を行っても 問題を指摘できなければ査察の意味がない。なんちゃって査察やなんちゃってPSC検査など結果が期待できなければ 税金の無駄!

Digital Seasと 呼ばれる無料のAISサイトを見つけた。国土交通省はAIS情報サイトに PSC(外国船舶監督) が予算の問題のためアクセスできるような支援をしていないのであれば利用してほしい。 無料なので日本の全ての港をカバーしていないし、サイトで確認できる船舶も優良のサイトに 比べれば少ない。しかし、リアルタイムで船舶の動静を確認できるし、無料。 やる気のあるPSC(外国船舶監督) はこのサイトを利用して 問題船(サブスタンダード船) を効率よく取締ってほしい。

この不景気なので公務員になりたい人はたくさんいるだろう。外国船舶監督になれる良い人材をよく吟味して採用してほしい。 英語が出来て、内航船及び外航船の規則に精通しており、ISM及びISPSについても知識がある人材。上司や会社の方針で 衝突したケースを除けば、会社が良い人材を手放すことは考えにくい!幅広い知識を持っている30代から50代は少ない。 手放すような人材は部分的な事しか 知らないだろう。大手の造船所ではある部分の専門である場合、他の部分はほとんど知らないことが多い。優秀であれば船が好きでない限り、 造船所で就職する理由が見つからない。大学院を卒業していても船の建造経験と知識とは別物。大学教授が船舶建造について豊富な知識を持っているとも 思えない。幅広い知識を持っていれば造船所は手放したくない人材。海運以上に造船は人材不足かもしれない。過去に建造された船舶の図面や 資料があるからなんとかなる。特定の船舶だけを建造している場合、他のタイプの船舶については知らない可能性もある。船は船かもしれないが、 必要のない知識まで知っている人は少ないであろう。結果が出せる外国船舶監督候補の採用は簡単ではない。しかし、この不景気と 将来が明るくない造船及び海運の状況が良い候補者集めに繋がる事を祈る。後、採用する担当の力量がなければ適切な選択が出来ないかもしれないので その点にも注意してほしいと思う。

船舶関係技術職員の募集について (国土交通省の各地方運輸局等における船舶検査、船舶測度、外国船舶監督に関する業務等)(国土交通省のHPより)

2009年:四国地域のPSC(外国船舶監督官)による検査は甘い。また、岡山のPSC(外国船舶監督官)による検査も人事異動後に 甘くなったと感じる。国土交通省は人材不足なのだろうか??? 岡山にサブスタンダード船が入港しないわけではない。 出港停止になるような不備がないわけでなく、検査されても見つけることが出来ないか、見逃してやっていると思われる。

博多にもスクラップを積むためにサブスタンダード船が入港しているが、PSC(外国船舶監督官)に出港停止命令を受けていないようである。 海事局はISO9001を取得したが、各港のレベル(経験や知識)が低いPSC(外国船舶監督官)のパフォーマンス向上には貢献していないようである。 いつまでお遊び気分の検査を続けるのか!真剣に検査しているのであれば知識や経験不足であるのは明らかだ。一部のPSC(外国船舶監督官達)の検査を除けば税金の無駄遣いであることは間違いない!

偽造国籍証書で輸出許可が出された 尾道港 からは1ヵ月に2、3隻の船が海外売船され出港しているようである。尾道のPSC(外国船舶監督官)は海外売船され外国籍になった 船に対して検査を行っているのだろうか。それとも、目をつぶっている間にさっさと出港してねと海上保安職員達と祈っているのだろうか?? だから尾道港は人気があるのかな??これだけ外国船が出港すれば、警備員などによるチェックも必要じゃないのか?保安のスペシャリストの 海上保安職員達はどのように思っているのか??地方にいる海上保安職員達はISPSコードなんか知らないのかもね??

知らない人達は国交省のHPを見て、PSC(外国船舶監督官)はすごいと思っているかもしれないけど、一部の地域ではこれが現実だ。 外国人PSC(外国船舶監督官)を教育し国際貢献しているとアピールしたいのは理解できるが(これって税金が使われいるの??) 国内のPSC(外国船舶監督官)の教育も重要である事を認識したほうが良い。日本のPSCが検査を行い問題を指摘しなかった のだから問題ないと言った船長がいた。規則を見せて納得したかと思えば、日本のPSCが問題として指摘しなかったのだから指摘される ほどの問題でないと屁理屈を言う。仕方がないので日本のPSCの検査が一部を除いて厳しい検査を行っていない事を説明した。 基本的に日本のPSCの検査は厳しくないし、問題を指摘しない場合が多くある。問題を指摘しない理由を聞けば旗国と検査会社の責任と言って 逃げるから個人的に信用しないと30分以上もかけて説明することがある。これでサブスタンダード船 の撲滅とか国際会議で言っているのだから日本人として恥ずかしい。当然、悪質な検査会社 の検査官はPSCに対して下手に出るが、彼らがいないところでばかにしている。

「IMO第9回旗国小委員会(FS19)の結果について」 で 「船舶の旗国間の転籍によって、サブスタンダード船が生み出されないようにするため. に、次の 5 つの原則を英国が提案した。」 規則の整備も大切だが、サブスタンダード船の不備を見つけられないPSC(外国船舶監督官)が存在する現状ではサブスタンダード船の 排除など夢物語だ。上記で指摘した海外売船され外国籍に登録され、日本から出港する元内航船のほとんどがサブスタンダード船だ。 PSC(外国船舶監督官)がこのような船を検査し、厳しい検査をおこなっているとは思えない。

大相撲野球賭博の事件を見ていて思うが、正直者がばかを見る。問題は事件がテレビや新聞で取り上げられるまで放置される。事件になっても パフォーマンス的な対応は問題の解決にならない。サブスタンダード船やPSC(外国船舶監督官)に関しても同様に思える。

2008年8月4日、 パナマ船籍の貨物船のハッチカバーを 操作する油圧管の中央部分が破損し油が流出した。 水島のPSC(外国船舶監督官) は検査が甘く船に出港停止命令を出さないので、出港停止命令を出すのかなと疑問に思った。 間違いだった。 M/V "TENYU" は出港停止命令を受けていた。油流出は不備の理由としては環境問題の関係もあり重大問題と 見られる。推測だが、船体及びその他の部分にも問題があると思われる。 水島のPSC(外国船舶監督官) の他の地域に比べて検査が簡単に行われているようなのでこのような船が入港してくるのだろう。 エアーテストを定期的に受けていれば油圧管の破損などありえない。しかし、検査はごまかすことも 出来るし、検査官が適切な検査を行っていない場合もある。そして多くの サブスタンダード船 が日本に入港しているのが現実。

なぜ PSC(外国船舶監督官) は指摘しないのか。指摘できないようなレベルの検査しか、多くのPSC(外国船舶監督官) 達が行っていないからだ。検査で重大な問題を指摘しなければ、少なくとも6ヵ月間は他のPSC(外国船舶監督官) に検査されないこととなる。このような問題がざるからこぼれるように見逃されている。写真なしの説明だといい訳はできるだろう。 写真を見たら、 TOKYO MOUの職員は今後の対策について考慮するのだろうか? これでサブスタンダード船 がなくなるのか。素人でも答えられると思う。TOKYO MOUの職員で このサイトを見た方がいれば、トップに問題を報告し改善策を話し合ってほしい。TOKYO MOU の上層部は何も知らないのかもしれない。

「何年も前の話ですが、外国人ブローカーは言います。 日本の古い船を、数千万から1億程度で買って帰って、日本とアジアを数往復(1.2年)で元が取れると・・・」 このような事が可能なのは アジアの国々の外国船舶監督官達 の検査が甘いから。事実は事実。もし 外国船舶監督官 の検査が厳しければ、このようなことは常識で考えればありえないこと。


日本に来て活躍している小型外国船たち (素人造船(株)船舶模型課)

内航船では考えられないような改造をして、シケの中でもやってくるなんでもありの小型外国船 (YouTube)

「近年中古船として海外に売船された旧日本籍内航貨物船がカンボジア、ベリーズ等の国旗を 掲げた便宜置籍船として、「金属くず」積荷運搬を目的にお台場ライナーふ頭にほぼ定常的に入港し ています。これらの船舶の多くは条約規則の大部分が適用されない国内トン数500t未満の一般貨物船 でその堪航性や乗組員の技量は十分なレベルとは言い難く、船舶の保守の状態も悪いため、PSCの 積極的な監督による強い是正勧告、指導を行っています。」(東京運輸支局のHPより) ★ 開けない場合はこちらをクリック

HPや書類では国土交通省や運輸支局は問題を認識していることがわかります。しかし、問題は問題を理解しているにもかかわらず、 検査がやはり甘いことです。海外に売船された旧日本籍内航貨物船で「金属くず」積荷運搬を目的にやってくる外国船籍船は 東京に限らず、ほとんどがサブスタンダード船です。 東京運輸支局の情報に付け加えるなら、「条約規則の大部分が適用されない国内トン数500t未満の一般貨物船」は1994年7月18日以前にキールが 据え付けられた元内航船だけ。1994年7月18日以前にキールが据え付けられた内航船は国際トン数で500トンを超えると国際条約を 満足しなければならない。よって1994年7月18日以前にキールが据え付けられた内航船であった外国船籍船は サブスタンダード船である可能性が非常に高い。
しかし、TOKYO MOUのHP を見てもわかると思いますが、出港停止命令を受けているサブスタンダード船 は少ないのです。ここが矛盾点であり、重大な問題点なのです。

海上災害の予防対策(総務省のHPより) で総務省がPSCの検査について批判的な事実を書いている。
読めない人はココをクリック
全てに同意はしないが、かなりの点で評価が同じである。多くの人達がこのことを知らないことは残念だ。 多くの PSC(外国船舶監督官) がタンカー船を検査していなのは事実だと思う。検査しても不備を指摘できるだけの経験と知識が あるのかについても疑問だが????結局、これが現実だ! 多くの サブスタンダード船 が日本に入港し、適切な対応をとれていないのが現実だろう。最近では、 郵便法違反:「自分の腹痛まない」…現場に無責任体質 が公務員の無責任体質の結果として長い間放置された問題が公になった。 似たような点もある。違反を見逃しても「自分の腹痛まない」。違反を取締ろうとすると 自分達に負担がかかる。不正な検査を行う検査会社 がこの点を利用すれば、いろいろな不正は可能である。

北朝鮮貨客船の検査をPSCがおこなった。検査に問題がない場合、PSCは6ヶ月間は 検査しないそうである。一般的に、これは守られているのか。答えは、NOである。 テレビを見る限り北朝鮮貨客船の検査は、多数のPSCにより検査がおこなわれた。 これを見ると、PSCの検査で不備を指摘されなかったら、安全な船であるように思える。 しかし、これは間違っている。下記の写真を見てほしい。これは、今年、日本のPSCの 検査を受けた船の写真である。写真は、PSCの検査から約3ヶ月後に取られた。

船倉がこんなに腐食していても日本のPSCは指摘しない!

PSCが不備を見つけなかった場合、北朝鮮貨客船のように6ヶ月間、PSCにより検査を 受けないと言うことになる。こんな状態で運航していて、大丈夫なのであろうか。 PSCがサブスタンダード船の排除のために検査をしているのであれば、このような 検査は目的を達成していないと思う。しかし、日本のPSCが検査を行い、問題を指摘 しなくても、6ヶ月間に他の国のPSCが検査をおこなうことはある。理由はわからない。 他のPSCを信用していないのか、それとも自国の安全を守るために自分達の基準で検査する 必要があるのだろうか。確かに検査を簡単におこなうPSCや経験が浅いPSCの検査の 検査を受けるようにすれば厳しい検査をおこなう国やPSCから逃れることはできる。

外国人のPSCの中には、お金を要求するPSCもいるそうだ。地獄の沙汰も金次第と言うわけだ。 その点、日本のPSCは素晴らしい。日本のPSCに関してそのような話は聞いたはない。 このような悪徳PSCの処分を求める話は聞いたことがある。お金を要求するPSCをビデオに取れば 処分されるかもしれない。PSCを処分するのだったら、日本の造船所の中には、 人を陥れる造船所もあるのだから、これらの造船所も処分してほしい。 処分されないから、悪は繁栄するのだろう。 三菱自動車の不祥事を見ればわかる。 三菱自動車のような大手でも、お金のためなら同じ事を繰り返すのである。 これは取締りや処分が甘ければ、ごまかしたほうが得であることを示している例である。 公務員も似たような体質がある。処分が軽いからだ。 日本の警察の不祥事や隠ぺい体質は、外国人PSCのたかりに匹敵するかもしれない。 腐敗した体質には変わりない。行政の腐敗である。

日本でも港を担当するPSCにより、検査が甘い、厳しいの差があるのである。 他のPSCだと出港停止や改善命令の出される程度でも、あるPSCはチェックさえも していないように思えるケースもある。マニュアルが存在するかは不明であるが、 国土交通省は、PSCの検査の質を上げてもらいたいものである。

M/V "TAIHE" (IMO: 8351467) 北九州で出港停止命令を受ける

「横濱の青い空、白い波、ピンクの肉球」より

M/V "TAIHE" IMO: 8351467 GEORGIA FLAG(上記の写真の船)が門司港エリアでPSC(外国船舶監督官) に出港停止命令を受けた。今年の出港停止命令を受けた船舶のデーターから判断すると日本のPSC(外国船舶監督官) の中で経験があり厳しい検査を行う検査官が門司港エリアにいると推測する。


「TOKYO MOU」より

2010年7月からのデータを見ると頻繁に日本のPSC(外国船舶監督官) に検査されている。驚くことに出港停止命令を受けていない。これは中国のPSCと日本のPSC(外国船舶監督官) が厳しい検査を行っていないことを示していると思う。中国のPSCはギフト(お金)を要求する場合もある。船舶代理店を通してギフト(お金)を 徴収された資料を見たことがある。ギフト(お金)は中国の一か月分の平均給料以上であった。だから中国のPSCの信頼性は低い。しかし中国だから 誰も文句が言えない。報復が怖いそうである。報復による損害のほうが大きいと思うからだ。だからこそ、日本のPSC(外国船舶監督官) はしっかりと検査する必要がある。また、検査会社や検査官達を簡単に信用してはいけないことを 理解しなければならない。

M/V "TAIHE" (IMO: 8351467)は グルジア籍 として日本に入港しているが、出港停止命令を受けた後に カンボジア籍 に変わっている。 残念ながらカンボジア籍に登録された後にどの検査会社が検査したのか記載されていない。 TOKYO MOUのウエブサイト上で、船級証書が発給されていなくとも国際条約で要求される証書を 発給した検査会社の名前を必ず公表すべきだと思う。もし、複数の検査会社 が証書を発給しているのであれば全ての検査会社の名前を公表すべきだ。 サブ・スタンダード船を撲滅したいのであれば絶対にすべきことの1つである。

この船舶の検査に立ち会っていないのでどの検査会社が検査したのかわからない。しかし まともに検査していないのだけはわかる。



「SHIPTRACKING」より

上記のTOKYO MOUのデータからM/V "TAIHE" (IMO: 8351467)は3月16日には カンボジア籍になっている。しかし、 SHIPTRACKINGのデータによると3月21日の時点でAISのデータは グルジア籍のデータのままである。これは検査が行われたのであれば、 検査会社がまともに検査をおこなわないままで証書を発給した証拠である。 無線業者が手を抜いたとしても確認のためにチェックはできる。検査レポートだけを偽造したとは考えにくいが、偽造していても 簡単なチェックで発見できる。日本のPSC(外国船舶監督官)検査会社の検査官を信用してはいけない。 出港停止命令を解除する前に、自分自身の目で、再度不備以外の項目も一通りしっかりと検査するべきだ。 問題のある検査会社を放置しないためにも 検査会社の名前を公表すべきである。 TOKYO MOUの理事はこのサイトを見ることがあれば、 検査会社の名前の公表を速やかに検討し、実行してほしい。

日本海難防止協会情報誌「海と安全」の記事、 「サブスタンダード船を排除できるのか!」 を読むととても良い事ばかり書かれている。ただ、現実の対応は 違うように思える。厳しい検査をしない、または偏った検査を行う日本のPSC(外国船舶監督官) は今現在でも存在します。

乾舷(フリーボードマーク)と国際条約の批准と直接的な関係がある国際トン数 について PSC(外国船舶監督官) はしっかりと検査してほしい。下記の写真は、1980年代に日本の造船所で 内航船 として建造され、その後、外国に売船され外航船となった船の乾舷マーク(フリーボードマーク)です。 内航船(沿海又は平水区域)の時の乾舷マーク(三角マーク)よりも外航船(近海以上の丸一)の乾舷マークが上にある (外航船として登録した後のほうが内航船として運航していた時より多くの荷物が積めます)。これだけなら、 外航船として利用する前に、船を改造して乾舷を出来るだけ上げたものと推測も出来る。 しかし、この船は内航船の時に取得した日本トン数499トンを国際条約 で要求される規則に、そのまま適用している。 (日本トン数499トン(500トン未満)を適用することにより、数多くの国際条約の規則適用から免除される。) 確かに船のトン数に関わるような改造を行っていない船に関しては、 キール日が1994年7月18日以前であれば船の国籍によっては、内航船の時に登録した日本トン数を外航船として登録の際に適用する ことは違法でないが、 日本トン数499トンを適用していながら、下記の乾舷(フリーボードマーク)はおかしい。 PSC(外国船舶監督官)しっかりと勉強し、問題があれば見逃さずに指摘するべきだ。

デッキラインは錆びているが船体の ペイントが薄いねずみ色なので問題ないか?

なぜPSC(外国船舶監督官) はオーバーローディングを指摘しないのだろうか? 国土交通省は教育していないのだろうか?
もしかすると重要視していないから乾舷問題全般を指摘しないのだろうか??

「県水産課は『事故件自体をなくす対策を取りたい』としている。」

サブ・スタンダード船に何を言っても無駄だと思う。対策を考えるだけ時間と労力の無駄!
国土交通大臣を訪問して PSC(外国船舶監督官)が厳しい検査を行うようにお願いするのが一番だと思う。

「近年中古船として海外に売船された旧日本籍内航貨物船がカンボジア、ベリーズ等の国旗を 掲げた便宜置籍船として、「金属くず」積荷運搬を目的にお台場ライナーふ頭にほぼ定常的に入港し ています。これらの船舶の多くは条約規則の大部分が適用されない国内トン数500t未満の一般貨物船 でその堪航性や乗組員の技量は十分なレベルとは言い難く、船舶の保守の状態も悪いため、PSCの 積極的な監督による強い是正勧告、指導を行っています。」(東京運輸支局のHPより)

少なくとも東京運輸支局のPSC(外国船舶監督官)は 中古船として海外に売船された旧日本籍内航貨物船にサブ・スタンダード船 が多いことを認識している。そしてこのようなサブ・スタンダード船は スクラップを積み込む岸壁に接岸することが多いことも認識している。しかしあまり改善は見られていない。 これは 平成 18 年 6 月に国土交通省が 取得したISO9001 認証が機能していない明らかな証拠であろう。 サブ・スタンダード船が頻繁に接岸する岸壁(港)の情報を国土交通省は既に 持っていると思いますが、下記のような場所に頻繁に入港しているようです。

東京の岸壁(お台場13号地埠頭)

川崎のスクラップ岸壁(千鳥町埠頭)



Xing Hong カンボジア籍「ふなLOG」より


Yuan Da No.9 カンボジア籍「ふなLOG」より


Long Trader カンボジア籍「ふなLOG」より

堺泉北港の助松埠頭(大阪府)

スクラップが積み込まれているベトナム船籍貨物船

2011年のある日に助松埠頭に接岸している船舶リスト:スクラップ岸壁に接岸しているAISから発信されているジャイロの方位がおかしい。
どこの国籍の船舶が接岸しているのかよくわかる。カンボジア船籍貨物船が3隻。黄色の船は船舶が停止していることを示す。
このデーターだけでも助松埠頭にサブ・スタンダード船の割合が非常に高いカンボジア船籍貨物船が接岸している ことがわかる。
海上保安庁はAISシステムを通してこのように船舶の動静を把握している。海上保安部は PSC(外国船舶監督官)にデータを提供しているのか?

尼崎の解体業者の岸壁

大阪の堺の解体業者の岸壁

姫路の公共岸壁(スクラップを積む)

岡山の備前(片上)港 にも多くのサブ・スタンダード船 が入港する。


東備港 (備前市、岡山) (岡山県)

税関職員によりチェックされている旧日本籍内航貨物船

片上港 (備前市、岡山) (内航.com)

水島港の公共岸壁(岡山県)

水島港でよくサブ・スタンダード船が接岸する場所

以前は中国船籍船と思われるM/V「SAFE OCEAN」

福山の公共岸壁(箕島地区)


北九州(若松)の解体業者の岸壁

博多港の箱崎埠頭にある「金属くず」積荷場所

サブ・スタンダード船で有名なカンボジア船籍船が接岸している。


「JIN AHUN」 2002年2月19日撮影 須崎埠頭飼料バース あいこばさんより説明 699t型?の内航貨物船のようですね。 ファンネルマークは紛れもなく神原汽船 (常石造船系の・・・)ですね。船籍の プノンペンってカンボジアでしたっけ? このように、もと内航貨物船を 便宜置籍国に船籍を移した船が 最近多いですね。果たしてその実態は どうなんでしょう?自分的には非常に 興味があります。
(フェリー・旅客船・貨物船・港のページ)

スクラップの岸壁ではないが、中古車を積みに来るロシア人船員の船が接岸する東北地方

東北の港にはどんな国の船が入港しますか?(国土交通省東北運輸局)

いろいろな国の船が入港しますが、特に多いのは、パナマ、ロシア、韓国、フィリピン、リベリア、カンボジア、ベリーズ、中国といった国々の船です。
ところで、船の国籍と乗っている船員の国籍は同じでないことの方が多いことを知っていますか?
たとえば、パナマ国籍の船に韓国人とフィリピン人が乗っていたり、カンボジア船にロシア人が乗っていたり、ベリーズ船に中国人が乗っていたりします。また、外国船に日本人が乗っていることもあります。


たかれろ 練習日記

上記のような積み付けの船に対してPSC (外国船舶監督官)は指導をしないのか?? これで問題はないのか??

サブスタンダード船の根絶を目指して -中国・タイ・オマーンのPSC検査官へのトレーニングを実施-
平成24年8月24日(国土交通省 神戸運輸監理部より)
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TOKYO MOUのDetention List (出港停止命令を受けた船舶のリスト)を 見れば中国PSCによる出港停止命令を受けた船舶の数がはるかに日本PSCから出港停止命令を受けた船舶より多いので中国PSCにトレーニングを与える必要はないと思う。 中国人PSC達が地元で教育すれば良い。わいろを要求しないようにモラルを徹底させれば問題ないと思う。 それよりも人件費の高い日本人PSC(外国船舶監督官)が厳しい検査を行えるように指導するべきだと思う。 多くのサブスタンダード船が日本から入出港しているのに出港停止命令を受ける船舶が少ないのはおかしい。

北陸信越運輸局におけるPSC実績について 平成18年3月31日(国土交通省 北陸信越運輸局海上安全環境部より)
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中部運輸局における23年度のPSC実績 平成24年4月24日(国土交通省 中部運輸局海上安全環境部より)
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下記の写真は 中部運輸局における23年度のPSC実績 平成24年4月24日(国土交通省 中部運輸局海上安全環境部より)からです。 個人的なコメントを付けて説明します。

写真で指摘されているような不備がある場合、ISMコードに関して重大な不備があると考えてよいでしょう。 一般的に毎週及び毎月、担当の船員が会社が作成したマニュアルによってチェックするようになっています。そして一等航海士(Safety Officerとして)及び船長(船長の義務:Master's Responsibilityとして)が 担当船員が適切に行っているか確認することになっています。不備を知らないはずがありません。チェックしたらISOで要求されるのと同じように 記録として残さなければなりません。選択肢は「チェックしなかった」、または、「虚偽の記載をした」です。よって写真のような問題をPSC(外国船舶監督官)が発見すれば 会社が作成してマニュアルをチェックして、一等航海士及び船長から原因を聞けば間違いなく問題があると断定できます。ここで出港停止命令が出すことが可能でしょう。明らかに 適切なチェックが行われていないことがわかりますし、訓練も適切に行っていないにも関わらず、記録簿には訓練を行ったと書いていれば、なぜ一等航海士及び船長はそのような 行為を許したのか、または見逃したのかと言うことになります。いろいろな背景、理由、そして言い訳は知っていますが、規則を守っているかチェックするPSC(外国船舶監督官) は不備として指摘しなければなりません。多くのPSC(外国船舶監督官)はそこまで理解して不備を指摘しないのか、 理解していないから不備を指摘できないのかわかりませんが、不備に関して適切な指摘が出来ていないと思います。

乗船前の外観検査

私がPSC(外国船舶監督官)ならば外観検査の時に、船が元日本籍内航船なのかチェックします。 経験があるならわかるはずです。海事六法及び国土交通省の通達により建造された船舶です。たとえ分からなくても船内に入ればわかるとはずです。 元日本籍内航船であるのか判断できないPSC(外国船舶監督官)は いくら教育し、経験を積ませても税金の無駄遣い的な検査しか出来ないでしょう。元日本籍内航船であるとわかれば どこをチェックすれば不備があるのかある程度わかるはずです。検査前から船の船籍は分かっていると思いますが、ほとんどの場合、船尾に船籍港が記載されています。 船の船籍で船の状態は推測できます。サブ・スタンダード船が多く登録されている船籍であれば、検査すれば不備を 見つける可能性が高い事が乗船前にわかります。

国際トン数500トン以上の船舶にはISPS(国際保安)コードが適用されます。よって乗船すると、 船員が訪船者記録簿を持って訪船理由や身分証明を聞いてきます。ここで前のページを見ると前港での訪船者が記載されています。船舶代理店の名前が 絶対に訪船者リストに記載されていなければなりません。また、荷役が行われていれば荷役関係者の名前も訪船者リストに記載されているはずです。大型船では、 荷役関係者が多いため訪船者リストに記載せず訪船者リストを渡す場合があります。もし、PSC(外国船舶監督官)が 前港で訪船者リストが未記入であればISPS(国際保安)コードの不備として指摘するべきです。そして、 ISPS(国際保安)コードが適切に実行されていない明確な根拠となるのでさらなるチェックも行うことが出来ます。

書類等の審査

船舶の国籍証書及び検査会社が発給する国際条約で要求される証書から サブ・スタンダード船である可能性を絞り込むことが出来ます。サブ・スタンダード船 は一般的に船舶の船籍と証書を発給している検査会社の組み合わせでほぼ推測できます。 たまに証書を発給している検査会社が大手の検査会社 (IACS)でISMコード で要求されるSMC及びISPS(国際保安)コードで要求されるISSCが二流、三流の検査会社 と言うことがあります。全ての証書が大手の検査会社 (IACS)が発給している場合と比べると、サブ・スタンダード船である確率は 高いと判断して間違いないでしょう。全ての証書が大手の検査会社 (IACS)が発給していてもサブ・スタンダード船の船舶がありますが、 ISMコードの要求を満足できないから審査が甘い二流、三流の検査会社を選択する 理由が高いので推測できるのです。PSC(外国船舶監督官)がどのようにサブ・スタンダード船 を絞り込み、判断するのか知りませんが、私がサブスタンダード船を減らす目的でPSC(外国船舶監督官)として検査するのであれば このように効率よくいろいろな情報から判断します。良い船も悪い船も同じような検査を行っていては限られた時間で最大の効果は期待できません。つまり税金の無駄遣いです。

ISMコードの要求を満足できないから審査が甘い二流、三流の検査会社を選択する 会社が運行管理する船舶では上記の写真の問題は起こることです。起こらないほうがおかしい。つまり、サブ・スタンダード船 は絞り込むことが出来るのです。不備を指摘できないのはPSC(外国船舶監督官)の知識、経験及び/またはやる気の 問題です。検査には不備を見つけようとする検査と不備を見つけまいとする検査があります。どちらも検査です。不備がありそうな項目をチェックせず、他の項目に時間をかければ 時間的な制限で他の項目をチェックできなくなります。問題が起きて理由を聞かれても「検査は行った」しかし「時間がなかった」または「全てを限られた時間内にチェックできない」と 非難できない正当な理由も付けることができます。これがサブ・スタンダード船が出港停止命令を受けない理由またはなかなか サブ・スタンダード船が減らない理由ではないかと思います。

権限や出港停止命令の手順が明確に確立されていてもソフト面、つまり、PSC(外国船舶監督官) による検査が適切に行わなければ結果には現れない。個人的にはこれは多くの公務員に言えることだと思います。

アジア太平洋地域18か国で外国船検査を強化へ
メンテナンス不良など3割の外国船が検査強化の対象
日本、韓国、オーストラリア等アジア太平洋地域18か国は、入港する外国船の検査について、メンテナンス不良の外国船などを対象に検査を強化することとしました。 19日までチリのビナデルマルで開催された地域協力の委員会で検討を行ったもので、域内を航行する外国船が増加する中、18か国の検査履歴からメンテナンス不良の外国船を割り出し、 欠陥を抱えるリスクの高い約3割の外国船を優先して繰返し検査する方針です。

「年間約2万5千件の外国船検査の内、約5千件は日本が実施しており、これを行う外国船舶監督官を今年度全国で142 名予定と するなど取組み強化を行っています。」平成24年4月20日 (国土交通省のHPより)

上記の方針を考えると2012年の結果(日本で出港停止命令を受けた船舶の隻数)は納得できない。一部を除くPSC(外国船舶監督官達) の検査能力に問題があるとしか思えない。

サブ・スタンダード船のエンジンルーム


(東京MOUのDetention List(Jan 2012)より)

2012年1月のPSC処分船リストによると門司港でカンボジア船籍船「XIN RUI 6 (IMO: 88904604)」 が日本のPSCから出港停止命令を受けた。理由の1つに「Cleanliness of engine room」があった。当然の事だと思うが日本のPSCが 「Cleanliness of engine room」で出港停止命令の理由とするは稀である。不備のカテゴリは「Living and working conditions」となっている。 ISMコードのメンテナンスでも指摘できると個人的には思う。

実際にどのくらいエンジンルームが汚いのか。写真で判断してほしい。写真の船はPSCから「Cleanliness of engine room」の指摘は受けていない。 個人的にはISM(国際安全管理規則)コードのメンテナンスで指摘できると思う。下記の船舶がSMS(マニュアル)に に従って維持管理されているとは過小評価しても思えない。PSC(外国船舶監督官)が 検査中に特別な場合を除いてエンジンルームに行っているのか知らないが、このようなエンジンルームを見て最低基準を満たしていると思っているので あれば 平成 18 年 6 月に国土交通省が 取得したISO9001 認証は機能していない事実の1つであると思う。下記の船は日本で内航船として建造された後、 外売され外国籍船となって日本に入港した船である。3隻の内、2隻はISM(国際安全管理規則)コードを満足している証明 としてSMCが発給されている。内航船の船員は自分の船と比較できるのでPSC(外国船舶監督官)の 検査基準が低いのか、高いのか判断してほしい。

第11回(1月13日)海事技術専門官の業務紹介 中国運輸局島根運輸支局 海事技術専門官 (国立米子工業高等専門学校) をたまたま見つけた。説明資料としてはすばらしい。問題は、外国船舶の監督(外国船舶監督官)やサブスタンダード船 の説明で指摘した不備が多くの外国船舶監督官達に指摘されていないこと。そして説明で指摘された不備を抱えたまま、日本に入港し、出港している 船舶が現在でも多く存在すること。このサイトを見ていただければ、多少なりとも理解していただけると思います。

第11回(1月13日)海事技術専門官の業務紹介 中国運輸局島根運輸支局 海事技術専門官 (国立米子工業高等専門学校) の資料があまりにもりっぱなので資料を使いながら指摘された不備と現状を説明したいと思います。外国船舶監督官達の5割が実行するだけで 目的であるサブスタンダード船の撲滅に関して確実にサブスタンダード船を 減らせると断言できます。

寄港国の権利:旗国が自国船舶の検査義務十分に果たさないというこ とから、これを補完するために寄港国が検査を行うことが条約上認められています。
ほ‐かん〔‐クワン〕【補完】:不十分な部分を補って、完全なものにすること。 (Yahoo!辞書)

旗国が自国船舶の検査義務十分に果たしていない場合、補完するための検査が行えると解釈出来ると思います。しかし、日本のかなりの外国船舶監督官 が旗国の義務で、外国船舶監督官が全ての(補完するような)検査をする必要はないと言っています。会話をテープに取っていないのが残念です。
この事実を知っている不適切な検査を行う検査会社はこのような現状を利用して 不備があっても外国船舶監督官が指摘した項目以外は指摘しないし、それ以上の検査もしません。なぜ外国船舶監督官はこの点に気付かないのか、 それとも知っていても知らないふりをしているのか、目に見える改善が見られません。 船主や運航会社はそのことを知っているので出港停止命令が解かれれば、安全や人命のことなどを 考えてなどいません。もし、検査官が外国船舶監督官が指摘した項目以外を指摘したら、たぶん船主又は運航会社 は検査会社を変えるでしょう。これが現実。現実と理想が違うところです。

第11回(1月13日)海事技術専門官の業務紹介 中国運輸局島根運輸支局 海事技術専門官 (国立米子工業高等専門学校) で何を言っても現実とは違う。メンテナンスができていない機関室として紹介された写真以上にひどい船はたくさんある。 ISMコードで要求される船舶安全管理認定書(SMC)を取得している船舶であれば、 メンテナンスが出来ていない船はISMコードの不備として指摘できる。 しかし指摘されているケースは知る限り少ない。つまり、現場と講演での説明は違うことがわかる。 講演で素人に「メンテナンスができていない機関室」として紹介している以上、不備である認識はあると言う事。

サブスタンダード船の船員

作業着を着用していない、ヘルメットをかぶっていない、安全靴を履いていない、手袋をしていない等の問題がある。 ISMコードで要求される船舶安全管理認定書(SMC)を取得している船舶であれば、 安全マニュアルで作業に関する指示等が記載されている。マニュアルに記載されていなければ、安全に対する対策が取られていない 事が不備になるし、記載されていればマニュアルの指示に従っていないことでISMコード の不備になる。元日本籍内航船の外国船籍船の中国船員にこのようなケースが頻繁に見られる。 しかし、外国船舶監督官がISMコードの不備として指摘したケースを見たことはない。 不備としての認識があるなら指摘すべきだ。

ISMコードの要求をシエラレオネ船籍の貨物船「JIA HUI(ジィア・フイ)」(IMO:8660911)の管理会社及び船長が満足していれば、 シエラレオネ船籍の貨物船「JIA HUI(ジィア・フイ)」号の中国操船者は無免許は絶対に ありえない事。

ISMコードの一部抜粋

6 経営資源及び要員配置

6.1 会社は、船長が次の要件を満たすことを確保しなければならない。

.1 船舶を指揮するための適切な資格を有すること
.2 会社の安全管理システムに十分精通していること
.3 職務を支障なく遂行できるように必要な支援を受けられること

6.2 会社は、各船舶に、旗国及び国際的要件に従った免状、資格を有し、か つ、身体適正な者を配乗することを確実にしなければならない。

6.3 会社は、新たな要員及び安全と環境保護に関する職務に新たに配置転換さ れた者が、その職務に習熟することを確実にする手順を確立しなければなら ない。また航海前に示されるべき重要な指示は、明確にし、文書化されて出 航前に乗組員に供与しなければならない。

6.4 会社は、会社の安全管理システムに関係する者全員が、関連する規定、規 則、コード及び指針について十分な理解を有することを確実にしなければな らない。

6.5 会社は、安全管理システムを擁護するために必要と思われる訓練を識別す る手順を確立し、維持しなければならない。また、関係者全員にそのような 訓練が行われれることを確実にしなければならない。

6.6 会社は、乗組員に、乗組員の使用言語又は理解できる言語で安全管理シス テムに関連する情報を提供する手順を確立しなければならない。

6.7 会社は、乗組員が安全管理システムに関連する職務を実行する場合に、効 果的に意思疎通ができることを確実にしなければならない。

国際安全管理規則解釈通達(CLASS NK)

ISPS(船舶保安法)のチェック

本当にISPS(船舶保安法)のチェックを行っているのか不思議に思う。 一般に税関の手続きのために船舶代理店が訪船してくる。そして荷役関係の人間が乗船してくる。 代理店が既に訪船している、又は、荷役関係の人間が本船にいるにも関わらず、訪船者記録簿に名前が記載されいない場合、 ISPS(船舶保安法)の不備となる。しかしながら、このような単純な チェックさえも外国船舶監督官が行っていないことが多かった。ISPS(船舶保安法)のチェック では何をチェックしているのか本当に知りたい。

四国のPSCの検査が甘い事を指摘し続けているが、下記の記事は実に興味深い。
四国のPSCの検査を受けて指摘した項目を改善していないとのことで、出港停止命令を受けた。 その後、航行に関して安全が確認できたと思うので出港停止命令が解除された。出港停止命令を受けた愛媛の宇和島港から中国に帰る途中に エンジントラブルで航行不能となった。

以前にも指摘したが PSCは3日に一度は「グアン・シアン3」(GUAN XIANG 3:IMO8974996)を訪船して更なる 不備があれば指摘して出港前に是正させるべきであった。

福岡沖で貨物船立ち往生 日本海保が中国人13人を救助 12/06/12(人民網日本語版)

 4日に福岡沖でエンジントラブルのため航行不能になった貨物船「GUANXIANG3」はすでに日本海上保安庁に救助され、乗船していた中国人乗組員13人は全員無事だったことが5日、中国駐福岡総領事館への取材で確認された。新華社のウェブサイト「新華網」が伝えた。

 浙江省の貿易会社が所有する同貨物船は4日、愛媛県から中国に戻る途中、エンジントラブルのため航行不能になり、福岡周辺の海域を漂流していた。連絡を受けた駐福岡総領事館は直ちに日本海上保安庁に救助を要請。日本側は5日に船を派遣し、中国貨物船を安全海域まで移送、乗船していた中国人乗組員13人は全員無事だった。(編集MZ)

愛媛新聞の記者の調査不足であるが、「四国内での航行停止命令は過去10年で2例目。」は間違い。もっと多くのサブスタンダード船 が四国で出港停止命令を受けている。しかしながら、他のエリアと比べると 出港停止命令を受けるサブスタンダード船は少ない。

「中国籍の船長らが他国籍船に乗船するための許可証明書を所持しておらず、汚水処理装置やコンパス、窓の故障・破損も判明した。 是正と中国での修理を命じられ、8月13日に中国へ出港した。しかし、今月14日に再入港した際の立ち入り検査で、 改善されていないことが分かった。」

船主、船舶管理会社及び検査会社が日本の PSCをなめているのがよくわかる。TOKYO MOU のデータ(下記にコピー)から判断しても「グアン・シアン3」(GUAN XIANG 3:IMO8974996)はサブスタンダード船 であり、サブ・シッピングであることがわkる。

船主、船舶管理会社及び検査会社サブスタンダード船の ままでは日本に入港することができないし、サブスタンダード船の状態で出港停止命令を受ければ、 不備の是正や修理が中国で行う以上に費用が掛かることを理解させるために、全ての不備が是正され、完全な修理が行われるまで宇和島港から出港させる べきでない。

ある問題のある検査会社の検査官が言っていた。検査会社 が検査した船舶が不備で出港停止命令を受けたら、日本での修理費用はすごく高いことをアピールして、反省したフリをすれば簡単に出港させてくれる。 日本のPSCは検査も甘いが、対応も甘いので馬鹿にされているのがよくわかる。 日本人として恥ずかしいがこれが公務員達の現実なのである。彼らの上司であるキャリア官僚達も馬鹿にされても自分達の出世や給料に影響がなければ 穏便にする方が良いと考えているのかもしれない。外務省の税金泥棒職員は外務省にはFAXが無いと平気で言うのだからタチが悪い。そんな言い訳など 通用すると思っているのか、よほど国民を馬鹿にしているとしか思えない対応を取る。名前を聞くと名前を名乗らない。一度、総務省に電話して 公務員は自分の名前を名乗る義務はないのかと抗議したことがあるくらいだ。その時は、少なくとも苗字は名乗る必要があると言っていた。 こんなことだから領土問題ないど解決できるわけもないし、まともに仕事をするわけがないと思っている。話は元に戻るが、 PSCは3日に一度は「グアン・シアン3」(GUAN XIANG 3:IMO8974996)を訪船して更なる 不備があれば指摘して出港前に是正させるべきである。





TOKYO MOUのサイトより

外国船に航行停止命令 宇和島で運輸局設備など不備 11/24/12(愛媛新聞)

 四国運輸局は23日、冷凍イカナゴ荷揚げのため中国から宇和島港に入港したカンボジア船籍の冷凍運搬船「グアン・シアン3」(448トン、10人乗り組み)に対し、設備や乗組員の海技資格に重大な不備があるとして、航行停止命令を出した。改善するまで出港できない。

 同船は7月30日に宇和島港に入港。同局が国際条約に基づき立ち入り検査したところ、中国籍の船長らが他国籍船に乗船するための許可証明書を所持しておらず、汚水処理装置やコンパス、窓の故障・破損も判明した。是正と中国での修理を命じられ、8月13日に中国へ出港した。

 しかし、今月14日に再入港した際の立ち入り検査で、改善されていないことが分かった。同局は「安全航海の観点から重い処分を下した」としている。四国内での航行停止命令は過去10年で2例目。

平成 18 年 6 月に国土交通省が 取得したISO9001 認証の事実から判断すると、 情報共有の問題、不備に関する認識の問題、検査基準の問題、そして外国船舶監督官に対する教育や講習が不十分である可能性、 外国船舶監督官による検査に関する評価及び現状把握の問題等が考えられる。 第11回(1月13日)海事技術専門官の業務紹介 中国運輸局島根運輸支局 海事技術専門官 (国立米子工業高等専門学校) で素人(生徒)に講演する前に本当に外国船舶監督官がおこなっていることを説明したほうが良い。これでは裏と表があることがよくわかる。

北朝鮮老朽船 舞鶴入港 安全より商売? 06/19/03(読売新聞)

老朽化した船は外装の鉄板が薄くなり強度が不足してくる。長年にわたり波に打たれた船腹の鉄板が波打つ(舞鶴港で)

上記の状態で、外国船舶監督官は指摘をしないのであろうか。 復原性資料が上記の積み付けで計算されているか、チェックしているのか、 外装の鉄板だけでなく、ホールドの状態、タンクの状態をチェックしてるのか すごく疑問である。疑問がある記者は、外国船舶監督官がホールドやタンクも チェックするのか、問題がある根拠を見つけた場合、さらなるチェックするのか 聞いてみると良い。

「日本の代表として第2回パリMOU・東京MOU合同閣僚級会議に 参加し、サブスタンダード船の排除についてのステートメントを表明した。」 岩崎忠夫大臣政務官は現状を知っているのだろうか。知らないのであろう。 知っていれば、もっと具体的な例を上げてサブスタンダード船の排除 に関して、現状の問題を説明し解決&改善案を提示できたかもしれない。 本当に結果を出したいのであれば、やれることや協力により結果が良くなるのであれば 実行すべきなのである。

国際航海船舶及び国際港湾施設の保安の 確保等に関する法律に基づく手続きについて(国土交通省のHPより)

中国運輸局ホームページに 「ポート・ステート・コントロール(PSC)とは」 と言うタイトルで、外国船舶の監督の内容、サブスタンダード船の説明、旗国の義務 、及び国際航海に従事する船舶が順守しなければならない国際条約について書いています。 しかし、広島や岡山エリアでのPSCによる検査が厳しいかについてはかなり疑問があります。 これについては、 ここをクリック して次に進んでください。

これが現状だから、PSCの検査が厳しい国ではサブスタンダード船が少ないかもしれないが、 その他の地域ではサブスタンダード船の生きている世界はあるのである。日本で外国人の 犯罪が急増する理由には、捕まる可能性が低い事実と関係があるかもしれない。 三菱自動車の不祥事は運輸省の甘い姿勢が問題 と指摘している記事もある。やはり甘い対応では問題を解決できないと言うことであろう。

問題船は、たびたび、PSCが来ない週末や夜にも入港する。 中古の輸出船も週末や夜に出港する傾向がある。PSCに捕まらないためだ。 まだまだ、サブスタンダード船は減らないようだ。多くのサブスタンダード船が日本から 輸出され、世界中を駆け巡っている。輸出される時に、最低限の基準を強制する必要が あるかもしれない。

NTA Essay 「侃諤(日本・極東ロシア間物流事情)」 が記載されているHPを偶然、見ました。作者が、日本の外国船舶監督官(PSC:ポート・ ステート・コントロール)のよる検査及びどのような船舶が日本に入港しているのかについても 書いています。

上記の記事は、2000年なので簡単には比べることができませんが、 日本からいくら岩崎忠夫大臣政務官が代表として第2回パリMOU・東京MOU合同閣僚級会議に 参加し、下記のステートメントを表明しても真実味が感じられません。

(1)海洋国家である我が国にとって、海事保安の確保及び海洋環境の保護は至上命題であることから、サブ・スタンダード船の排除のために協調し、その存在を許容している関係者に強い警告のメッセージとなる本会議に全面的に賛意すること

(2)サブスタンダード船の排除に対するこれまでのIMOの役割及び貢献並びに両MOU間のPSCの協調による船舶水準の向上傾向を評価する一方、サブ・スタンダード船による海難が依然として発生しているとの認識から更なる措置が必要であること

(3)我が国としてサブスタンダード船の更なる排除のために以下の施策を特に重要としていること
IMO旗国監査制度の実施
 条約の履行に一義的な責任を有するものは旗国であり、その確乎たる行動こそが船主と運航者の責任ある行動に相俟って求められるべきとの認識から、この制度の実施に向けたIMOの強力なイニシアティブへ期待していること

ターゲッティング検査方式の推進
 人的資源を有効に活用して効果的なPSCを実施するため、サブ・スタンダード船を運航する会社を標的とする一方、優良な船舶にはインセンティブを与えるような検査スキームを確立するとともに、現在、東京MOU域内で運用されているこのスキームを発展させ、サブ・スタンダード船の運航会社をも視野に入れたスキームを検討すること
東京MOU域内での研修訓練プログラムの継続・強化
 我が国の協力により、現在実施されているこれらプログラムを引き続き実施するとともに、今後は海事保安に関するPSCにも重点を置いた研修訓練として強化すること

(4)来年3月に全面施行となる油濁損害賠償保障法の一部改正が、PSCと相俟って広義のサブ・スタンダード船 の排除へつながることを期待していること

大きいことを言うのは簡単であるが、旗国が条約の履行するため日本側からの援助や理解が少ないと思われる。 実際に、上記のようなことを大臣政務官が表明したことを税関、海上保安庁及び警察は知っているのか。 岩崎大臣政務官ステートメントは、サブスタンダード船の排除を目的とした日本としての決意を表明である。 しかし、税関、海上保安庁及び警察の理解の低さは国土交通省だけの決意と間違えるほどのレベルである。 広島県の広警察は、大臣政務官が上記のように我が国の決意を表明したことを理解してほしいものである。 結局、この程度のレベルであるから、「サブ・スタンダード船の排除に対するこれまでのIMOの役割及び貢献並びに 両MOU間のPSCの協調による船舶水準の向上傾向を評価する一方、サブ・スタンダード船による海難が依然として 発生しているとの認識から更なる措置が必要であること」と表明しなければならないのである。

パナマ・ビューロー , カンボジア籍船モンゴル籍船 の問題にしても、もっと日本のPSCが厳しい検査を行い、厳しい処分を行っていればサブスタンダード船の 減少は極端であったに違いない。 <ボリビア船>乗組員15人、10カ月以上も足止め 小樽港 のようなケースは稀である。

NTA Essay 「侃諤(日本・極東ロシア間物流事情)」 で書かれているように、造船大国である日本で不備が直せないはずがないのである。 また、日本が本当に厳しいのであれば、日本に入港する前に問題点をチェックし、修理して入港する はずなのである。PSCが厳しい国へ入港する場合、多くの船舶は準備を入念にしている。 これが現実なのである。あまり立派なことを表明すると知らない人が読めば、日本は積極的に対応している ような錯覚を起すと思われる。検査の回数を多くしても、厳しい検査を処分をおこなわなれば、効果はない (意味はあまりない)。警察の理解力のなさも致命的である。いくら書類を偽造したり、ペーパー車検のような 検査を行っても、取締りをしないのようでは、違法行為をしたものが勝ちである。取締まる努力よりも、 取締りを行う能力や人材の問題であるかもしれない??日本の現状をよく理解し、サブスタンダード船の排除 の目的が達成できるように本当に努力してもらいたい。東京MOU域内での研修訓練プログラムの継続・強化 についてだが、教える側の知識と経験の向上にも努力してもらいたい。ペーパー車検のような検査を行う検査官に なめられるようではサブスタンダード船であるかの判断もできるのか疑問である。サブスタンダード船であると 見抜けなければ、サブスタンダード船の排除などありえない。警察と同様である。捜査能力が低ければ、 十分な証拠など得ることが出来ない。つまり、犯罪者を有罪に出来ない。これについては、被害者の中には うなずく者もいると思う。

参考資料

下記の記事を参考にしてください。今まで放置船や座礁船問題が起こっていも不思議でない 状況であったことがわかります。国土交通省もこれらの解決策を北朝鮮貨物船「チルソン」問題で 注目を受けるまで先延ばしにして来たことがわかります。下記の記事で300トンとか299トン の数値が使われていますが、日本トン数で300トンと国際トン数で300トンの場合、大きな 違いがあります。国際航海に従事する船は、国際トン数証書を持っているはずです。日本から売却 された時のトン数を使用している場合、認めるのは間違いです。もちろん、国土交通省のポート・ ステート・コントロールは、知っていると思います。漁船の場合、トン数のごまかしが横行していたので、 関連参考資料 この事実を含めて国際トン数をチェックすると、上部構造を変更しても299トンにならない 漁船改造貨物船も存在するはずです。

下記の記事で注目するもう1つのポイントは、国土交通省の調査で「経済に悪影響」と答えたのが8割と なっている点です。繰返すようですが、これらの日本側の体質がこれまでの放置船や座礁船問題の原因の ひとつであると言うことだと思います。国土交通省のポート・ステート・コントロールの活動も これらの問題にはたいした影響を与えなかったと言うことでしょう。

保険が掛からないような船は問題があると考えても不思議でないでしょう。そのような船が簡単に 日本を入出港できる。保険に加入できる状態の船にか入港させない条件すると困る人達がいる事実は、 ポート・ステート・コントロールの検査の未だに効果的でないことを示していると推測できる。

2003年7月1日から適用されるISPSコード(海上テロ対策法)が国際トンで総トン数500トン 未満の船には適用されないとしても、ポート・ステート・コントロールが船舶の構造や機器の作動テスト を厳しく行えば、問題のある船は簡単に出港できないことになる。全て国土交通省のやる気次第であろう。

皮肉なことに、多くの問題のは元日本国籍の船舶である。これらの船を利用してきた業界とこれらを許してきた 国土交通省の体質を改善し、サブ・スタンダード船問題を解決するべきであろう。

「本来は船が事故・災害防止のために有効な安全対策を確実に実施していることを確認・評価するための検査であるべきです。それが、ただ単に検査に合格することを目的にした見せかけの安全対策を講じることが多くなり、本末転倒になっている部分が少なからずあります。」と安全のための検査であり、合格するための検査ではありません 阪口泰弘 05/31/19(船学) と書かれているが仕方のない事だと思う。比較的に良い船主や管理会社にとっては煩わし無駄な事だと感じる事には理解できるが、残念ながらこの世の中には比較的に良い船主や管理会社ばかりではない。検査に合格すれば良い、とにかく、不正であっても、いんちきでも検査に合格すれば良いと考えている人達や会社は存在する。また、船や船の運航を評価できない、又は、評価できるだけの経験や知識はないが、船を利用する人達は何かしらの保証や評価する基準で利用する船を選択する。この基準や評価する組織やシステムに問題がある、又は、事故により問題がある事が指摘されれば、改善の要求や別の評価システムを使う必要が出てくる。
下記の写真は日本のPSC(外国船舶監督官:国交省職員)が2019年に外国船籍船を検査し、不備なしのリポートを出した日から1週間以内に撮った写真である。エアパイプヘッドの写真であるが、このような見ただけで問題がある事がわかるようなエアパイプヘッドは他にもあったがPSC(外国船舶監督官:国交省職員)のレポートには一切記載されていなかった。



この事実はどういうことなのか?検査に合格し、不備が指摘されないクリーンな船であるとデーターとして入力されても、そのデーターが間違っているとデーターだけで判断すると問題が起きる可能性があると言う事である。PSC(外国船舶監督官:国交省職員)の検査はランダムチェックなので問題があると言う。この考え方はISMコードでも用いられるし、問題がない事を保証するものではないと注意書きがある。
「運輸安全委員会が公表した調査報告書によりますと、航海士はルートを作成する際、船に備えられた電子海図を表示する装置を適切に使っていなかった上、装置の画面に表示された大島大橋に関する警告を見落としていたということです。
一方、船長は安全だと思い込みルートに誤りがないかどうか、詳細な確認を怠っていたということです。」(山口 周防大島町の貨物船衝突 独海運会社に勧告 運輸安全委 10/31/19(NHK))
を考えれば、船級による外部監査や管理会社による内部監査で問題は発見できなかったのかと思う。外部監査は約2年半に一度なので、その期間に船員の交代があるので嘘ではなく、運悪くこのような事が起きる事はあると思うが、内部監査でこのような事が見落とされるとは考えにくい。事故の前にPSC(外国船舶監督官)による検査があったのか調べていないが、ここまでずさんであれば、他の個所で問題として現れている可能性はある。
検査する人間の能力の問題なのか、やる気の問題なのか、癒着の問題なのか、又はその他の問題なのか、事実はわからないが、このような事が起きている現実を考えると、事故・災害防止のためには多くの検査が必要となっても仕方がない。旗国や船級の中には、顧客確保のために目を瞑るケースだってある。利害関係のない組織や人間が外部として入ってこないと隠蔽される可能性だってある。
船学の阪口泰弘氏にはこの点を含めて良い解決方法を書いてもらいたい。
実際、安全よりも検査に合格する事しか考えていない会社、監督、又は関係者は存在するし、プロセスは無視して結果だけを強調する人は存在する。また、安全とか検査とかはどうでも良く、自分が楽に給料を貰える事を考える人達は存在する。これが世の中だし、現実だと思う。経験を積めば、船や船員の対応を見れば、結構、良い状態だと思っても、チェックリストが作成されて、ガイドラインに従ってチェックリストに記載されている項目を全てあれと言われれば、仕事してやるしかない。逆に、船や船員に問題があると思っても、相手が検査に合格する事だけしか考えていない場合、安全のためには言った方が良いと思っても、チェックリストやガイドラインに記載されていなければ、追加の問題になるので触れない方が良いと思う事がある。事故が起こって改善されるまで待つしかない。愚かであると思うがこれが世の中の一部である。いろいろな立場の組織や人間達が存在し、考え方が違えば同じ方向に向かうはずがない。大きな事故や死者が出るから反対の立場の人達がしぶしぶ規則改正を受け入れるのだと思う。
抜本的な解決方法はないし、抜け道や抜け穴、そして、運用する側の人間が原因である腐敗や不正と隠蔽が存在する限り、性善説のよる対応はないと考えた方が良いと思う。

PSCも間違いでディテンションをする??

Incorrect Detention Withdrawn -M/V Klampenborg (From the website ofMaritime Authority of Jamaica)

Maritime Authority of Jamaica welcomes the decision of the China Maritime Safety Administration to reverse its decision to detain the Jamaican registered bulk carrier M/V Klampenborg and to have the detention removed from the detention records of the Memorandum of Understanding on Port State Control in the Asia –Pacific Region (Tokyo MOU).

On July 11, 2008 the Jamaican registered vessel M/V Klampenborg while conducting repairs to its main propulsion engine at anchorage at the Port of Shantou, People’s Republic of China, was boarded by Port State Control Officers (PSCO) from the Shantou Maritime Safety Administration and subsequently detained.

The vessel was under going repairs at the time of the detention and the owners lodged a complaint against the detention of the vessel and subsequently brought the matter to the attention of the Maritime Authority of Jamaica (MAJ) after not having received a response from the China Maritime Safety Administration.

The MAJ thereafter formally requested that the detention be reviewed and the detention removed from the Tokyo MOU detention list setting out a number of grounds including the fact that the vessel was acknowledged as being under repairs and was in the process of changing the management company at the time of the PSC inspection resulting in the detention.

Having received an unsatisfactory response to the MAJ’s repeated requests for the decision to detain the vessel to be reconsidered, the matter was brought before Detention Review Panel of Tokyo MOU for a determination that the detention of the vessel was unreasonable or unwarranted and should be withdrawn.

The Detention Review Panel did not adjudicate on the matter as the China Maritime Safety Administration advised that they had reviewed their decision and found it to be incorrect. The detention was subsequently removed from the database of the Tokyo MOU. The detention of vessels while they are undergoing repairs is contrary to the provisions of SOLAS 74/78 and those of other international maritime conventions adopted by the IMO and incorporated in the various regional Memoranda of Understanding on Port State Control including the Tokyo MOU and the Caribbean MOU the latter which Jamaica is a member State and currently hosts the Secretariat. The decision of the China MSA and the prompt response of the Tokyo MOU is welcomed by the MAJ which administers the Jamaica Ship Registry and at all times promotes the operation of quality ships which adhere to the internationally accepted standards.

Maritime Authority of Jamaica

January 13, 2009

次の更新まで続く。

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