<ボリビア船>「ヤンホー」 乗組員15人、
10カ月以上も足止め 小樽港

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UNDER-PERFORMING SHIPS (1年間に3回以上出港停止を受けた船舶) TOKYO MOUのHP

Flag of convenience (便宜置籍船)(Wikipedia)
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サブスタンダード船排除 (社団法人日本船主協会のホームページより)
第2回パリMOU・東京MOU合同閣僚級会議の結果について (国土交通省のHPより)
(岩崎忠夫大臣政務官が代表として参加し、サブスタンダード船の排除に向けた我が国の決意を表明)

経済常任委員会会議録 (外航船へのPI保険加入義務について) (小樽市のホームページより)

◆置き去り貨物船「ヤンホー」に支援呼びかけ!(小樽ジャーナル)

◆放置船「ヤンホー」の出港準備進む!荒天で23日出港せず!(小樽ジャーナル)

◆「ヤンホー」雪の中ついに出港!1年2ヶ月ぶりに港外へ!(小樽ジャーナル)

2012年の現在、日本でボリビア船籍船を見なくなった。なぜだろう?問題を過去に起こしすぎたからボリビア政府が対応したのか、 それともブラックリストに乗ってボリビア船籍だと目を付けられるから船主が敬遠して他の国籍を選択するようになったのか?

中国新聞(2007年12月8日)より

木材の下敷き 作業員が死亡

福山陸揚げ中

モンゴル籍船やカンボジア籍船と同様に出港停止命令を受ける頻度が多い。 多くのボリビア籍船がサブ・スタンダード船であると推測される。 全日本海員組合は、ボリビア籍を無法船と呼んでいる。

2003年に北海道でボリビア籍船が PSC により長期間出港停止を受けたためか、最近、名前を聞かない。 そのかわり、 ツバル籍船の名前を聞くようになった。

ボリビア籍船を日本では見なくなったが、ひそかにアジアでは存在しているようだ。 英語ではボリビア船籍のバージと表現されているが、転覆している写真を見るとプロペラが 見えるのでエンジン付きの自航式バージであろう。外航船で総トン数100トン(ITC)であればバージでもIMO番号が取得できる。
「Ocean Line 208」「IMO」で検索すると何も出てこない。インチキ、又は、不正の匂いがする。船籍をボリビア船籍 にする事自体、何か訳有りではと推測してしまう。
波を受けて簡単に転覆するのか?記事では大きな波を受けたと書かれている。船の航行区域次第で、規則で船に要求される復原性がことなる。 大きな波を受ける航行区域では簡単に転覆しないようになっている事を計算で証明しなければ検査に合格しない。ただし、 サブ・スタンダード船の中には、規則を満足しなくても、検査に合格したり、計算の入力データが 合格するようにメイキングされていたりするので、何が起きても不思議ではない。この点(問題の見逃しや簡単な検査)が魅力で、問題のある特定の国籍 を選ぶ船主も存在するので、今回の海難もまともな調査をすれば問題が明らかになるかもしれない。ただし、船主は図面や資料のコピーはないとか、 検査証書を発給した検査会社も図面や資料のコピーはないと言う可能性が高いので、適当な所で調査終了かもしれない。

最後に、ある記事に船員の水死体の写真が載っていた。日本だと、たぶん載せないだろう。事実から目を背けても、問題はいつも存在している。

Harapan temui kru masih hidup tipis (Bolivian-registered Ocean Line 208) (Kosmo)

14 kru kapal korek mungkin terperangkap (Bolivian-registered Ocean Line 208) 05/22/15 (Utusan)

Second body found floating in sea where barge sank 05/23/15 (Astoro Awani)



JOHOR BAHRU: A search-and-rescue team today found another body of a man floating in the sea off Johor where a Bolivian-registered barge sank on Wednesday and 14 crewmen went missing.

The second body (nationality yet to be verified) was found by fishermen at 9.3 nautical miles northeast of Tanjung Penawar, Kota Tinggi at 6.55 pm, said Tanjung Sedili District Malaysian Maritime Enforcement Agency (MMEA) in a statement.

"A MMEA vessel brought the body to Marina Tanjung Pengelih jetty and handed it over to the police for further action," said MMEA.

Earlier today, the first body was found at at 3.45 pm about 14 nautical miles from where the Ocean Line 208 barge had gone down.

The sand-laden barge sank at 8.6 nautical miles east of Tanjung Punggai at 4.20am on Wednesday while heading to Pengerang from Teluk Ramunia.

Fourteen crewmen, comprising 13 Chinese nationals and a Malaysian, were reported missing in the incident.

Body of Ocean Line 208 crew found floating in sea 05/22/15 (New Straits Times )

By JASSMINE SHADIQE

TANJUNG SEDILI: A body of an Ocean Line 208 crew member was found floating in the sea, at a location 14 nautical miles away from where the sand dredging vessel capsized on Wednesday.

Malaysian Maritime Enforcement Agency (MMEA) District 7 commander Mustafa Kamal Abas said the body was of a man, but his identity was yet to identified. The body was found floating face down at 3.45pm.

The body was brought to the Tanjung Sedili jetty, and handed to the police to facilitate investigation.

Mustafa also said the search and rescue operation to find the remaining 13 crew members including a Malaysian and a woman, ceased at 7pm yesterday and would resume today.

There are three MMEA vessels and other assets from the marine police and navy involved in the operation.

Five diver teams from the navy were also involved in yesterday's operation.

On Wednesday, the Bolivian-registered vessel with 15 people on board capsized at 8.5 nautical miles off eastern Tanjung Punggai after it was struck by huge waves.

The 3am incident had led to a search and rescue effort involving the MMEA, the marine police.

A 51-year-old Chinese national, Li Guozheng who is the vessel's chief engineer was the sole survivor of the tragedy.

He had managed to abandoned the vessel as it tipped over and swam to an anchored ship nearby to safety.

The dredging vessel was carrying sand from Teluk Ramunia and was headed to Pengerang.

貨物船沈没、中国人船員13人が行方不明 05/21/15(CRI)

 ボリビア籍の貨物船が20日、マレーシアの南沖で沈没し、中国人船員13人を含む14人が行方不明となっています。

 マレーシア駐在中国大使館領事処によりますと、この貨物船はマレーシアのジョホール州近くの沖合いで沈没し、同州海上救援センターが救助船4隻と航空機1機を派遣して捜索にあたっています。中国海上捜索救援センターも同州海上救援センターと連絡を取り合っています。また、中国大使館はマレーシア警察当局や海事部門と連絡を取り合い状況を確認するとともに、捜索などの最新情報を随時、中国側に知らせるよう求めました。

 マレーシア国営通信は、この貨物船が大波によって沈没した可能性があると伝えています。(玉華、山下)

Dredger "Ocean Line 208" capsized, 14 feared dead 05/20/15 (SeaNews)



Fourteen people are lost at sea and feared drowned after the sand dredging barge they were working on turned turtle after being struck by rogue waves east of Tanjung Punggai early yesterday.

A search and rescue operation launched by Malaysia Maritime Enforcement Agency shortly after being alerted led to the rescue of another worker.

He was spotted by a passing vessel. “The SAR operation under way involves four vessels and a surveillance aircraft, with assistance from the marine police,” MMEA enforcement chief Captain Amran Daud said.

The incident occurred when the Bolivian-registered Ocean Line 208 vessel, laden with sand, was struck by huge waves at 4.20am.There were 14 Chinese nationals and a Malaysian on board. The barge was bound for Pengerang from Teluk Ramunia.

「北海道小樽港に昨年12月入港したボリビア船籍の貨物船が『船体の安全基準を満たしていない』として出港差し止めを受けた...」 「生活費の送金もなく、訴えを受けた全日本海員組合(東京都港区)や国際運輸労連(ITF)が賃金などを工面するため船体を売却するよう求めたが、船主側は26年前に建造された老朽船に法外な値段をつけ、商談に至っていないという。  現在は連絡も途絶えてしまい、同海員組合は『船主としての責任を放棄し、モラルもない』と船主を厳しく批判。」と毎日新聞の 記事に書かれている。

偏見で見てはいけないが、どの旗国(フラッグ)に船を登録しているかで、船主の質はだいたい判断出来る。 また、どの検査会社の検査を受けているかでも、船の質(状態)が推測できる。また、オペレーターがどの会社か、 どの船舶管理会社かなどからでも、船舶の質(状態)を推測できる。責任を放棄するような船主は、 簡単に登録が出来る旗国(フラッグ)を選び、 不適切な検査で証書を発行する検査会社を選ぶ。 このサブスタンダード船のHPを見ていただければ、その事は理解できると 思う。ボリビア船籍の船舶は、このような問題が発生する可能性が高く、今回、運悪く最悪の結果となっただけなのである。 問題はボリビア船籍の船舶だけではない。 モンゴル船籍の船舶カンボジア船籍の船舶、そして パナマ船籍の小型船舶 も同じような問題を抱えている。しかも、野放し状態なのである。国際条約の要求とは関係なく、 委託された検査会社が適切な検査を行っているか、登録された船舶が国際条約を満足しているかを チェックするために旗国が安全検査(毎年の検査)を行うことを定めている旗国もある。 しかし、安全検査(毎年の検査)を行うようになっていても、実際に検査を行っていない、または、 行う体制が整っていない旗国もある。

不適切な検査を行う検査会社から 証書を発給されれば、問題があってもどこにでも行けるのである。運悪くPSCO(外国船舶監督官:日本の 場合は、国土交通省)に見つからなければ良いのである。例え、PSCO(外国船舶監督官)の検査を 受けても、全てのPSCOが問題に気付くわけでない。これは、 三菱自動車製大型車のクラッチ系部品の欠陥放置関西電力美浜原子力発電所3号機の事故 を見てもらえばわかる。上手くいけば、何年(何十年)もの間、問題の指摘を受けずにコストの削減が できるのである。事故後、原因を調査した時に問題が直接、または、間接的に関連があるとわかるだけだし、 大きな事故や死亡事故が起きない限り、事故が起こる可能性だけでは対応策が不十分は取られない。 既に厳しい検査を行っている国々では、多くの船主やオペレーターがこの事実を理解し、 このような厳しい検査を行うPSCO(外国船舶監督官)を嫌いながらも適応している。 日本はまだまだ、このようなレベルまで来ていないから問題のあるサブスタンダード船が多く、入港し、 出港しているのである。このような体質は、日本の体質とも考えられる。また、自治体も強い姿勢を 取らず、うやむやに終わる場合が多いのも悪い。お金をしぶしぶ出して、問題の解決。サブスタンダード船を 入港させない、輸出目的と言え、国際基準を満足しない船舶は自航させない等の対応を取るべきであろう。 地方自治体も、PSCO(外国船舶監督官)やサブスタンダード船の排除に貢献する組織に協力するべき であろう。広島県の広警察のように英語がわからないとか、海上保安庁に任せるとか、逃げていては 問題の解決などありえない。 捜査をおこなっている そうなので、いつかは結果がでるのであろう。警察のレベルの低さは理解できるようになったが、 国際貢献など関係ないし、何も理解したくない態度を取っていては、問題の解決などない。

「日本の代表として第2回パリMOU・東京MOU合同閣僚級会議に 参加し、サブスタンダード船の排除についてのステートメントを表明した。」 と国土交通省のHPに書いてある。しかし、現状は サブ・スタンダード船 の排除にはほど遠いのである。

不適切な検査を行う検査会社 と恩恵を受けている 会社K会社T などの共犯による虚偽の報告書。 比貨物船転覆無効国籍証書を税関が無視した 等などを見ても、日本のサブスタンダード船の排除を本気で考えているかわかる。

実際、PSCO(外国船舶監督官)の中には困っている職員もいるはずである。時間や予算の制限が あるのであれば、広島県の広警察の対応は サブ・スタンダード船 撲滅に対し間接的に非協力的であり 非難されるべきなのである。捜査に時間をかけ、上記のような問題が多く起きてもどのように 関連があるのかも理解できるとは思えないが残念である。

外国船を見ると、何度、試しても赤錆びたお湯しかでない船も入港してきている。 船体の強度を保つ部材が錆びて穴が開き、沈没や事故の可能性の高い船も入港してきている。 しかし、不適切な検査を行う検査会社 を援助する日本の造船所や海運会社も存在する。大手でも不正、虚偽報告、検査妨害など いろいろやっているので、仕方がない。ヤンホーの船員は、死んでいないだけましだ。 死人に口なしである。何も言えずに死んでいった者もいるだろう。しかし、日本のスタンスは 形だけではやる。厳しい処分はしない。だまされてやる。問題解決しても公務員の給料が 上がるわけもなし、遊んでいる、真剣に取組まない公務員がいるので、やる気も起こらない のであろう。

船舶油濁損害賠償保障法:2005年3月適用サブ・スタンダード船 の入港を阻止することは出来なかった。。 サブスタンダード船であっても、船主責任保険に加入していれば事故が起きても いくらかの額は保険がカバーすると言うことになる。これにより、適用以前よりも改善 されたと思わなければならない。これ以上は、たぶん、何も出来ないし、 PSC(外国船舶監督官) による改善も期待は出来ない。これが現実だろう。 警察でありながら、不祥事 を何度も起し、改善がなかなか見られないことを考えれば、期待できないことが わかるであろう。

次の更新まで続く。

◆小樽港に10ケ月以上放置されたボリビア籍船  ヤン・ホー号乗組員への帰国支援のカンパ要請のお願い

 ITFコーデイネーターはITFと連携し、小樽港に昨年12月より10ケ月以上も船主から放置されてきたウクライナ人船員15名からの支援要請を受け、緊急に食料提供などの人道支援にあたる一方、未払い賃金の支払いを求め船主と折衝を試みてきました。  しかし、本船は、代表的な便宜置籍国ボリビアに登録された船舶で、実質船主がボリビア国には在住せず、アメリカに連絡先を置き、実質船主はさらに別の国に在住する仕組みをとり、責任の所在が不明確な船舶のうえ、船籍国ボリビア政府の管轄権もないに等しく無法船の状態でした。  本船が、昨年12月、国際的な安全基準を満たしていないため、国土交通省の指導により、改善命令が発せられましたが、船主は改善命令に従う経済状態になく、放置が始まり、今日まで、一切の食料、賃金、燃料油を支給せず、船員が窮地に追いやられたものです。  実質船主は、まさに船舶と乗組員を遺棄するという許しがたいモラルハザードを繰り返しています。  本船は老朽船のため、船価も低く、法的手段の行使も困難なうえ、船主が船舶や船員を遺棄した以上、ITFコーデイネーターとITFは、いち早く窮状を回避するため、給料の支払いがないまま船員の帰国を促すことになりました。  TFコーデイネーターはITFと連携し、船員のウクライナまでの帰国旅費を工面し、船員が帰国後、絶望のきわみに陥ることなく、望みを持って生きられるようささやかなカンパを募ることになりました。すでに、小樽市港湾部、ならびに小樽市民の皆さんにもITFコーデイネーターを窓口にカンパを訴えています。  このたび、連合北海道にカンパの訴えを行い、10月18日、60万円のカンパをいただきました。  本組合も、積極的にカンパ活動に取り組む必要があるものと判断し、新聞紙上ならびに大会などを活用しカンパに取り組むこととしました。                

全日本海員組合が指摘しているように、旗国による管理や監督が全く、又はほとんど行われない旗国も存在する。 旗国に承認されている検査会社も検査を適切に行わず、証書を発給したり、証書を渡すためだけに船にやって くる場合も多い。 ある検査会社の例を参考にしてほしい。 程度の度合いが違うだけで、このように車で言う「ペーパー車検」が横行しているのである。 船主やオペレーターもこのような「ペーパー車検」のような検査を期待して、旗国や検査会社を選択する。 よって、「ボリビア籍船 ヤン・ホー号」のような問題は、ボリビア籍船に限ったことでない。 運悪く表面化しただけである。下記に欠陥船(サブスタンダード船)の根絶案の記事があるが、 最も効果的な方法は、現場にいる外国船舶監督官(ポート・ステート・コントロール)が厳しく検査し、 厳しい処分を下し、欠陥船(サブスタンダード船)の状態で入港してもメリットがない事を理解させるしかない。 甘い処分だと、謝れば良い、その場だけの嘘を付けばよいと思わせることになり、問題の解決に繋がらない。

欠陥船根絶で監査制度試行 日本の提唱受けIMO (共同通信)の記事を 読むと「国際条約の専門家や船舶検査官らを各国が派遣して監査チームを 結成し、海上人命安全条約や海洋汚染防止条約などに適合した国内法を 整備し、人員や設備などの十分な体制を取っているかを調べる。」と書かれて いる。人員や設備などの体制をチェックするよりも、問題のあるフラッグ (旗国)に登録されている船舶をどのように検査しているのか、検査報告書 と船舶の現状の違いについてどのような対応をしているのか。問題のある 検査会社に対する処分や制裁等を行っているかを確認するほうが良いであろう。 一般的に問題がある旗国でも規則等はあるのである。問題は、規則の厳守を 怠っているから問題なのである。また、問題を知っていながら放置している 旗国もある。また、PSCの能力のばらつきにより、サブスタンダード船が が問題を放置したまま入港を繰り返している場合もあるのである。

故意に問題を見逃している検査会社もあり、実際にこのような検査会社を 取締まらなければならない。現状は、野放し状態である。

日本のPSCには期待をしているが、なかなかPSCの検査能力は向上しない ようで、問題のある船であっても厳しく検査されていないのが現状だ。 以前よりPSCの検査は厳しくなった。しかし、多くのサブ・スタンダード船が 日本に入港しているのが現実で、PSCに指摘された不備を是正せずに 日本に入港している船もある。だから、ひどい状態のサブ・スタンダード船と おもわれるカンボジア船籍船が日本に入港できる。PSCは時間が あれば、可能な限り検査を行い、徹底的に不備を指摘するべきだ。 旗国のチェックの提唱も良いが、PSCが徹底的な検査を行い、不備を指摘し、 不備を是正しない船が入港してくれば出港前に是正しなければ出港させない。 そうすればサブ・スタンダード船はかなり減るであろう。

参考資料:

欠陥船根絶で監査制度試行 日本の提唱受けIMO (共同通信)の記事を 読むと「国際条約の専門家や船舶検査官らを各国が派遣して監査チームを 結成し、海上人命安全条約や海洋汚染防止条約などに適合した国内法を 整備し、人員や設備などの十分な体制を取っているかを調べる。」と書かれて いる。人員や設備などの体制をチェックするよりも、問題のあるフラッグ (旗国)に登録されている船舶をどのように検査しているのか、検査報告書 と船舶の現状の違いについてどのような対応をしているのか。問題のある 検査会社に対する処分や制裁等を行っているかを確認するほうが良いであろう。 一般的に問題がある旗国でも規則等はあるのである。問題は、規則の厳守を 怠っているから問題なのである。また、問題を知っていながら放置している 旗国もある。また、PSCの能力のばらつきにより、サブスタンダード船が が問題を放置したまま入港を繰り返している場合もあるのである。

故意に問題を見逃している検査会社もあり、実際にこのような検査会社を 取締まらなければならない。現状は、野放し状態である。

また、日本周辺を航行する多くのサブスタンダード船 の多くが、元日本国籍で日本から輸出された事実にも注目しなければならないだろう。監査制度 を提唱するぐらいだから、これらの問題にも取組むと推測する。今後の活動 に注目したい。モンゴル籍船の例のように、言っていることとやっている事が 全く違う場合もあるのである。効果を上げるにはどのようにすべきか考えて ほしい。今後の日本のPSC (外国船舶監督官)の活動に反映されることを祈るのみである。 多くのカンボジア船籍船モンゴル籍船は問題を抱えたまま日本に入港している。 PSCは検査を行う時は、気まぐれで検査せずに、徹底的に検査してほしい。 船主、荷主、港湾関係者の圧力に負けずに、日本のPSC (外国船舶監督官)の誇りを持ってUSコーストガード のように日本の日本のPSC (外国船舶監督官)は他のアジアのPSCとは違うと知られるようになってもらいたい。 日本の日本のPSC (外国船舶監督官)の活動に期待したい。

厳しい対応を取らないと サブ・スタンダード船 がやって来る。 2005年3月1日から船舶汚濁損害賠償保障法が適用される。 下記に紹介されているような船舶は船主責任保険には入れないはずだから、適用後はこのような船舶は 入港できなくなるであろう。同情しているとサブオペレーションの船主やオペレーターの思う壺である。 日本はこれを教訓に、このような船舶の効率的な対応を考えるべきであろう。 犯罪者を捕らえると、刑務所を建設しないといけないから逮捕しないような非常識な考え方は 受け入れられないのと同じである。

追記ではあるが、「同運輸局の船舶安全検査で、国際条約に適合する救命艇がないことなどがわかり、出港が差し止められた。」 と書かれてある。救助艇を持っていなくとも入港している外国船舶は存在する。日本では 「伝馬船」 と呼ばれる。貨物船の場合、長さが85m未満であれば国際条約のSOLAS要求では救助艇でも 問題ない。日本に入港しているパナマ籍貨物船の中には、下記のボリビア籍貨物船「ヤン・ホー」 (1077トン)よりも大きい貨物船にもかかわらず、救助艇を積んでいない貨物船も入港している。 しかし、指摘を受けていないケースもある。これは中国運輸局の管轄する港でも見られた。 そうするに、ボリビア籍貨物船「ヤン・ホー」は運が悪とも思える。たまたま厳しい PSC(外国船舶監督官) にあったからボリビア籍貨物船「ヤン・ホー」がかわいそうなのか、本来、これぐらい厳しい対応を PSC(外国船舶監督官) は取ることが当然なのであろうか。嘘を付き、PSC (外国船舶監督官)に謝って 出港していく船もいる。その後、船名や船籍を変えて再度、入港することがある。 日本は国連常任理事国になろうと思っているようであるが、この程度でも厳しい対応を取ってこなかった のである。北朝鮮問題で注目を受けるまで、北朝鮮籍の船舶に対しても適当な対応しかしてこなかった はずである。そのギャップが注目を浴びて少し変わったぐらいである。個人的には、このような 厳しい処置は当然のことであると思う。他のエリアの PSC(外国船舶監督官) の検査が甘すぎるのか、知識不足なのである。この船の長さはいくらなのであろうか。長さによっては、救命艇は要求されない。 トン数がごまかしなのだろうか。1000トン程度で、85m以上の船はおかしいように思える。

外国船員15人、置き去り10カ月 小樽港 10/16/04(毎日新聞)

 北海道・小樽港で、ウクライナ人船員15人が乗り組んだ貨物船が、約10カ月にわたって足止めされている。安全基準を満たしていないとして国土交通省が改善命令を出し、出港を差し止めたが、船主が放置。船員たちは置き去りになった。計2000万円余の賃金も支払われておらず、家族との連絡も十分にできない状態が続いている。

 北海道運輸局や、船員らで組織する全日本海員組合(東京)などによると、ボリビア船籍の貨物船「ヤン・ホー」(1077トン)で、シニツィン・ビクトル船長(43)ら男性15人が乗り組む。

 昨年12月1日にロシア・サハリン州から冷凍カニなどを積んで入港。同運輸局の船舶安全検査で、国際条約に適合する救命艇がないことなどがわかり、出港が差し止められた。15人はその事実を知らされないまま、12月23日、それまでの船員と交代する形で、空路で北海道に入り乗船した。

 船舶代理店や海員組合が米国にいる船主に連絡を取っているが、倒産に近い状態で、改善に応じる様子はないという。ビクトル船長は「皆、借金をして仕事を見つけて来た。故郷には仕事がなく、給料をもらえずに帰国はできない」と話す。

 上陸はできるが、海員組合からの援助だけが収入源で、1日一人500円相当の食料で暮らす毎日。国際電話も月に1度がやっとだ。

 苦境を訴える日本語の看板を10月初旬に船首に掲げてからは、住民から果物や野菜をもらうようになった。機関士のフィシュチェンコ・セルゲイさん(36)は「日本人には心から感謝している。友好の気持ちも芽生えた。でも、家族と今後の生活が心配でたまらない」と話す。

 海員組合はこれ以上の生活は無理と判断し、船主に船を売却し未払い賃金に充てるよう勧めている。応じなければ、船員たちを近く帰国させる方針だ。一方、小樽市は、全員帰国で船だけ残ると港の管理上支障を来す懸念があるとして、管理要員を残すよう、船側に求めている。

<ボリビア船>乗組員15人、10カ月以上も足止め 小樽港 10/16/04(毎日新聞)

 北海道小樽港に昨年12月入港したボリビア船籍の貨物船が「船体の安全基準を満たしていない」として出港差し止めを受けたうえ、船主が船の所有を事実上放棄したため、ウクライナ人の乗組員15人が10カ月以上も足止めされている。15人は船内生活を余儀なくされているが、賃金は支払われず、日々の食料も不足がちで、関係者は対応に苦慮している。  この貨物船は「ヤン・ホー号」(1077トン)。昨年12月1日、ロシア・サハリン州のコルサコフ港からカニなど冷凍水産物約70トンを積んで小樽に入港した。直後の国土交通省北海道運輸局の船体安全検査で(1)救命ボートがない(2)脱出用消防設備がない(3)日本で通用する乗組員資格についてボリビア政府の裏書がない――などの不適合が指摘され、改善するまで出港が差し止められた。  シニーツィン・ビクトル船長(46)ら15人は同23日に交代要員として空路、道内入りした。ビクトル船長は早速、米国在住の船主に連絡したが、資金難を理由に改善措置を取らなかった。賃金や燃料費、生活費の送金もなく、訴えを受けた全日本海員組合(東京都港区)や国際運輸労連(ITF)が賃金などを工面するため船体を売却するよう求めたが、船主側は26年前に建造された老朽船に法外な値段をつけ、商談に至っていないという。  現在は連絡も途絶えてしまい、同海員組合は「船主としての責任を放棄し、モラルもない」と船主を厳しく批判。「乗組員の健康状態も心配。人道的立場から見過ごせない」と、組合員から旅費をカンパで集めるなどして乗組員を帰国させたい意向だ。しかし、15人は「本国で借金をして来た。手ぶらで帰っては生活できない」と途方に暮れている。  港湾管理者の小樽市は早期解決を求めているが、船体が放棄された最悪の場合、船主に代わって処分する代執行も検討する。【西端栄一郎】

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