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海洋汚染の防止に関する大臣共同声明で、「我々は、世界中において、サブスタンダード船の排除に向けた多くの提案、 イニシアティブ及び対策が、検討され、また、実施されてきたことを承知しており、 また、我々は、多くの国が試みてきた強力なポートステートコントロールに対して支持をする。 このような強力な寄港国の行動は、潜在的にはサブスタンダード船による問題を軽減しうるもの であるとは評価するが、しかしながら、我々は、旗国の確乎たる行動こそが、船主と運航者の 責任ある行動と相まって、この種の船舶を効果的に排除するために求められているのだ、 と確信している。」と書かれている。しかし、旗国を間接的に脅迫する造船所、検査を簡単に しないと他の検査会社に変えるとほのめかす造船所が、日本に存在する。

扇交通大臣は、この事を知っているだろう?たぶん、知らないであろう。知っていれば、 このようなことは言えないだろう。まさか、日本の造船所が、旗国に圧力をかけているなんて 思わないであろう。「質の高い船舶に対するインセンティヴスキームの推進」もおかしい。 質の高い船を建造する造船所は、変なことをしないでしょう。嘘を書いて人を陥れること なんて、モラルを逸脱しています。大手の造船所の中には、おかしな事をしている所もあります。

新フェリー「ひろておん」はどこの造船所が建造したのだろうと検索したら下記のサイトを見つけた。


 備讃フェリーが2011年に建造した「しわく丸」(269総トン、全長47.81m、型幅10.50m、型深さ3.19m、機関出力441kW×2、
 航海速力11ノット、旅客定員150名)に色々不都合な点があったため、
 その使用を諦め新たに建造しているフェリー「ひろておん」です。
 航路の「広島」は江の浦港と青木港のある丸亀沖の広島のことです。
ひろておん (KiPiOの散歩道 船★フェリー)


第十かんおん


新フェリー「ひろておん」の性能は知らないが、1981年に就航して2016年ごろまで運航された土生商船の「第十かんおん」に形が似ている。船主が斬新なデザインを求めないのであれば、問題ない船や長く運航された船をベースにして改良したデザインを使うのも悪くないと思う。斬新、又は、新しいデザインだと使ってみるまでわからない問題があるかもしれない。機器の配置や選択したメーカーに問題がある事だってある。
建造後、10年ちょっとで新たにフェリーを建造するなんて無駄なことをするなと思って、どこが建造したのだろうと検索してみた。普通は20年から30年は使われている。そして下記のサイトを見つけた。石田造船が建造したそうなので納得。船主によっていろいろな意見があるが、もう船を造らないと言う話は聞くことがある。個人的な意見だが、仕様書がしっかりしていれば、どこの造船所で建造しても同じだと思うかもしれないが、入札の仕様書ではカバー仕切れない部分はあるし、規則で要求されない、そして、仕様書で記載されていない部分は、造船所の質の問題になってくると個人的には思う。多くの船を所有している会社でなければ設計や仕様に詳しい監督や船員はいないので問題を指摘できないと思う。それに悪質な造船所だと事後報告的なやり方を取る。そして変更すれば、追加とか、納期に間に合わないとか言う場合がある。監督する方だって、良心的な造船所の方が楽だと思う。まあ、船に限らず、官公庁の入札には問題がある場合があると思う。
土生商船の「第十かんおん」は30年以上も使われてその後はフィリピンで使われている。
第五こふじは1979年に就航して現在でも広島県の宇品港と新来島宇品どっくの連絡船として使われている。驚くことに40年以上も使われている。このような使い方もありだと思う。



し わ く 丸 Shiwaku Maru 


From(BALTICSHIPPING.com)
Ship Name: SHIWAKU MARU
IMO: 8663640
Type of ship: RO-RO
Flag: JAPAN
Gross tonnage: 269 tons
Year of Built: 2011
Builder: ISHIDA SHIPBUILDING CONSTRUCTION - ONOMICHI, JAPAN
Class society: JG (JAPAN GOVERNMENT)
Description: SHIWAKU MARU is a RO-RO built in 2011 by
ISHIDA SHIPBUILDING CONSTRUCTION - ONOMICHI, JAPAN.
Currently sailing under the flag of . It's gross tonnage is 269 tons.

3つの島と丸亀港を結ぶ新フェリー「ひろておん」就航へ 島の中学生と先生が命名 香川 02/06/23(中日スポーツ)


 香川県丸亀市沖にある塩飽諸島の3つの島と丸亀港を結ぶ新たなフェリーがお披露目されました。命名したのは、島にある中学校の生徒と先生です。

 丸亀港と手島、小手島、さぬき広島を結ぶ備讃フェリーの新造船「ひろておん」です。  2011年から運航していた「しわく丸」の引退に伴い造られたもので、全長約39m。船員を含めた定員は154人です。  7日は就航式が開かれ、関係者ら約25人が出席しました。  船の名前は公募し、現在、小手島中学校に通うただ1人の生徒と先生が一緒に考えた案が採用されました。「ひろしま」、「てしま」、「おてしま」、それぞれの島の頭文字を取りました。 (小手島中学校/丸岡美由貴 先生) 「皆さんに愛されて親しまれるように、最後に『ん』を付けて、かわいくした」  小手島中学校は唯一の生徒がこの春卒業し、休校となります。 (小手島中学校 3年/今中章乃さん) 「私は中学校を卒業した後、高校に通うため、島を離れることになります。『ひろておん』に乗って島に帰ってくることができるのが、とても楽しみです」 (備讃フェリー/天野雄二郎 社長) 「島の人びとも遠慮なく、使い勝手がいいような船になってますので、十分にご利用いただければ」  この航路のフェリーは毎日50人から60人が利用しています。「ひろておん」は2月19日から、これまでと変わらず1日3往復します。 KSB瀬戸内海放送

写真のような船で建造費は1億2600万円。造船所は儲けたな!バージに操舵室とバリアフリーの旅客スペースを付けただけ。
ランプドアが付いたバージではなく「『空母型』フェリー」と呼べばかっこよく聞こえる。水線下はナックルで簡単に建造されている。 素人相手にはこれで良いのかもしれない。
「国内初の試みだけにマストや航海灯の設置方法など、クリアしなければならない課題も多かったという。」
「船の容積に厳しい基準があるため、車両積載部分に天井がある従来の構造では、甲板から天井までの高さが制限され、かさばる荷物を積んだトラックやコンクリートミキサー車などを載せることが困難だった。」
高さがある車両が乗ると視界の問題があるかもしれない。操舵室の逆側の視界は中央の場合よりもさらに悪くなる。まあ、確率や回数を考えれば、少ないから無視と言う事であろう。 航海灯は構造的に弱そうに見える。古くなったり、メンテを怠り錆びると強風で折れるかもしれない。エンジンからの排気も風向き次第では操舵室の方向に流れる可能性もある。 使う船員がこれで良いと思うのであれば、これで良いのかもしれない。この仕様だったらもっと安く作れる造船所はあったかもしれない。
物は言いようだと言う事がよくわかる。

「空母型」フェリー、国産第1号が4月に就航 建造費は1億2600万円(1/2) (2/2) 03/23/16(八重山毎日新聞)



 操舵室や客室を片舷に寄せることで、車両を積載する甲板を露天にした「空母型」の小型フェリーを、広島県尾道市因島三庄町の「石田造船」が建造し22日、同社で進水式が行われた。左右非対称となる同様の構造を持った旅客船の建造は国内初という。市営渡船の細島-因島・西浜航路に4月上旬から就航する。

 細島-西浜間の約2・7キロを片道15分で結ぶ同航路は昭和33年の開設。就航する通船は初代が「こまたき丸」、2代目以降は代々「こまたき」と名づけられた。3代目からフェリーになり、今の4代目は平日と土曜に1日9往復、日曜・祝日に5往復運航している。新船は、プロポーザル方式で同社の設計が採用された。

 完成した5代目は総トン数19トン、全長28・2メートル、最大幅7・58メートル、航海速力約7ノットで、建造費1億2600万円。前後どちらに向かっても航行できる両頭船で、車両などが乗降するランプドアは船首と船尾の両方に設けられている。船長と甲板員各1人の乗組員2人で運航され、乗客定員42人、車両は普通車なら6台、4トントラックなら2台を積載できる。

 同社によると、総トン数20トン未満の旅客船は、より大型の船に比べて、乗組員数や定期検査の回数が格段に少なくて済み、運航経費が大幅に節約できる。一方で、船の容積に厳しい基準があるため、車両積載部分に天井がある従来の構造では、甲板から天井までの高さが制限され、かさばる荷物を積んだトラックやコンクリートミキサー車などを載せることが困難だった。

 「空母型」の採用は、このジレンマを解消するためだが、国内初の試みだけにマストや航海灯の設置方法など、クリアしなければならない課題も多かったという。

 また、バリアフリートイレや車いす用のスペース、点字ブロックなども設けられた。船体には「光と海と島と柑橘」をイメージした白と青と緑の地に黄色い水玉が配された塗装が施されている。同市の百島で芸術活動を続けている「ART BASE MOMOSHIMA広島アートプロジェクト実行委」がデザインした。

Hanjin’s Philippines shipyard rejects safety training despite mounting death toll of workers. 12/2/07(TradeWinds)

「立件視野に捜査」 県警 タラップ落下事故で 02/06/09(西日本新聞 朝刊)

 田盛正幸県警本部長は5日の定例会見で、県内で、振り込め詐欺の被害が相次いでいることについて、「現在、県内の市町村長に、犯罪抑止の協力のお願いに回っている。警察と市町村で連携して、被害を減らして行きたい」と述べた。
 また、宇都宮忠刑事部長が1月23日に大分市の南日本造船大在工場で発生した作業員26人が死傷したタラップ落下事故について「現在、事故原因を調べている。重大な事故であり、業務上過失致死傷容疑での立件を視野に入れて捜査している」と話した。

ISO9001 を取得したからと言って、品質や工程に問題がないとは言えない。これは過去の不祥事が示している。 南日本造船は2002年4月にISO9001取得を取得している。(フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』より) このISO9001がどれほどの範囲をカバーしているのか知らないが、タラップの発注までISO9001がカバーしていれば、 「南日本造船によると、フックの設計図はなく、担当者が下請け業者に口頭で仕様などを伝えただけだった。 南日本造船としてはフックの強度計算や強度検査はしていなかったという。」ことはありえない。 これでは、ISO9001の不備になる。内部監査は誰がおこなったのか?どこの民間認証機関がISO9001の認定をしたのか? 検索すると下記のHPを見つけました。興味のある人は参考にしてください。

ISO9001を認証取得するための要求事項を明らかに満足していない。(ActionのHPより) ISOの認定をおこなったのは財団法人 日本海事協会のようです。

登録番号:02-319 登録日:2002-03-26
南日本造船株式会社 該当製品範囲 及び 関連事業所等 :
商船及び官公庁船の設計 開発及び製造
関連事業所:
大分工場 大分県大分市
東京事務所 東京都港区
事業所の適用製品及び範囲:
本社;全製品の設計 開発及び製造
大分工場;全製品の部材加工
東京事務所;全製品の販売活動

個人的な意見を言えば、死亡事故がなければ、注目を集めなければ何でもありだと思うよ。 昔の話だけど、 嫌疑不十分で不起訴だしね。 まあ、どの世界でも表と裏はあるのが現実。運悪く、死人が出た。それ以上でも以下でもない。 計算や検査を省いても事故にならなければ、一部の人間しか事実を知らないだろうし、それが 当然となる。コスト削減にもなる。事故が起こった時に、逃げ切れるかが問題となる。 南日本造船だけの問題じゃないと思う。

タラップ落下:フック強度検査せず「組み立てただけ」 01/28/08(朝日新聞)

 大分市の南日本造船大在(おおざい)工場で起きたタラップ落下死傷事故で、同社からタラップ製作とその先端への鉄製フック取り付けの発注を受けた同市内の鉄工所社長が27日、毎日新聞の取材に応じ「フックとタラップの部品は南日本造船が用意し、うちは組み立てただけ。強度検査はしていない」と話した。南日本造船もフックとタラップの強度検査をしていないことが既に判明している。大分県警や大分労働局は、発注や安全検査に問題がなかったか調べている。

 南日本造船によると、船の乗降に使うタラップ(幅約1メートル、長さ約29メートル)本体は、この鉄工所が昨年8月ごろ製作。当初、タラップは水平に使用していたが、斜めに使うため、船体に引っかけるフック(約100キロ)を先端部に取り付けるようこの鉄工所に依頼。鉄工所は今月、4本のボルト(直径18ミリ)でタラップと固定した。南日本造船は事故の起きた23日に初めて使用した。

 南日本造船は「乗員も含め全体で約4・5トン」とタラップを発注したとし、タラップの自重を約3トンと推測していた。だが、事故後の実況見分で実際は約6トンあることも判明。ボルトすべてが、過度の力が働いて起きる「せん断破壊」により切れていた。

 鉄工所の社長は「鉄板などすべての部品を南日本造船から与えられ、フックを組み立ててタラップに取り付けた。強度検査は南日本造船がやらないといけない」と話している。

 南日本造船の佐藤正美業務部長は「ボルトを含めタラップの部品はうちの会社が用意し、担当者が下請け会社に仕様を口頭で伝え作らせた。強度検査をする責任はうちにあった」と話した。【中島京、深津誠】

大分・タラップ事故 フック強度、計算も検査もせず 01/26/08(朝日新聞)

 大分市の南日本造船(本社・大分県臼杵市)大在工場でタラップが落下して26人が死傷した事故で、船に斜めに架けるためにタラップに取り付けた鉄製のフックを製造した大分市内の鉄工会社の社長が26日、朝日新聞の取材に「納品前に強度計算や強度検査はしなかった」と証言した。発注した南日本造船も強度計算や強度検査はしていなかったと認めており、安全管理のずさんな実態が浮かび上がった。

 南日本造船によると、タラップ本体(重さ約6トン)もこの鉄工会社が製造し、昨年8月から船に水平に渡して使っていた。船に斜めに架けて使うため、南日本造船がL字形のフックを同社に発注。フックは重さ約100キロで、鉄製のボルト(直径約2センチ)4本でタラップの先端に取り付け、事故が起きた23日に初めて使用した。

 発注側と製造側のいずれも強度検査などをしていなかった点について、鉄工会社の社長は「うちはタラップもフックも南日本造船が用意した部品を組み立てただけ。検査などは100%、南日本造船がやるべきことだ」と話した。

 社長はタラップ本体の重さが約6トンあるとは認識していなかったと主張。ボルトも南日本造船側が用意したとして「30人程度が乗ると分かっていれば、もっと強度の高いボルトを使った」と述べた。

 南日本造船は事故直後、タラップは重さ約3トンと発表。大分県警と大分労働局の24日の実況見分で6トンと判明するまで重量を把握していなかったことが明らかになっている。「直接の担当者が不在のため、詳しいことは分からない」としている。

 調べでは、ボルトには4本とも強い力が加わったことを示す「剪断(せんだん)破壊」が起こっていた。県警や労働局は、一度に多くの作業員が乗った重さで4本のボルトが同時に折れ、タラップが落下したとみており、南日本造船と鉄工会社の双方の幹部らから事情を聴いて、フックを取り付けた詳しい経緯を調べる。

造船所事故 高力ボルト使わず タラップ製造業者証言 南日本造船は否定 01/26/09(西日本新聞 夕刊)

 大分市の南日本造船大在工場で建造中の船に架けた鉄製のタラップが落ちて26人が死傷した事故で、直前にタラップのフック部分を改造した業者が26日、西日本新聞の取材に応じ、破損したフックの取り付けボルトについて「強度がある高力(こうりょく)ボルトでなく、南日本造船から提供されたメッキ処理した(通常の)ボルトを使った」と証言した。大分労働局は、タラップなどの重量に対してボルトが強度不足だったとみて調べている。

 タラップは昨年8月に南日本造船がこの業者に発注して造り、同じ業者が事故4日前にフックを取り付けた。フックはボルト(直径約2センチ)4本で固定されていたが、事故後、4本とも折れた状態で見つかった。大分労働局の調べで、タラップは、南日本造船が想定した重量の倍の約6トンだったことが判明している。

 受注業者は「ボルトやフックなどの資材はすべて南日本造船から提供された。長さや幅も指示通りにつくった」と説明。フック取り付け時は「本当の重さも伝えられなかった。タラップが約6トンと知っていたら、高力ボルトを使った」と話した。

 また、タラップやフックの強度検査をしていないことも明言。「設計でなく、組み立てだけを依頼された。強度検査は発注側の南日本造船がすべきだ」としている。

 これに対し、南日本造船の佐藤正美業務部長は「すべての資材を提供したのは事実だが、高力ボルトは使っている」と全面的に反論している。

 高力ボルトはマンガンの含有量を増やし、熱処理を行った鋼材で作る。強い力で締め付けることができ、引っ張りにも強い。橋や建築鋼構造物の継手などに利用される。

タラップ落下、原因はボルト破損 フック製造業者聴取へ 01/26/08(朝日新聞)

 大分市の南日本造船(大分県臼杵市)大在(おおざい)工場で建造中の船に架けたタラップが落下して26人が死傷した事故で、大分県警と大分労働局は、船体に斜めに架けるためにタラップに取り付けたフックのボルトが、重さに耐えられずに折れたことが落下の原因とほぼ断定した。県警と労働局は、ボルトの強度を調べるとともに、同社やフックを製造した下請け会社の関係者らから事情を聴いて、フックを取り付けた経緯を調べる。

 県警や労働局によると、タラップは鉄製で長さ約30メートル、幅約1メートル、重さ約6トン。23日の事故当時は死傷した26人が乗っており、1.5トン以上の重さがかかっていたとみられている。

 南日本造船によると、このタラップは昨年8月から、船に水平に渡して使っていたが、斜めに架けて使うため先端にL字形のフックを付けることにした。フックは鉄製で重さ約100キロ。大分市内の下請け業者が製造した。鉄製のボルト(直径約2センチ)4本でタラップに取り付け、23日に初めて船に斜めに架けた。

 県警や労働局が24日に行った実況見分では、タラップが落下する際についたとみられる船体の傷が垂直方向に伸びていることが判明。ボルトには、強い力が加わって折れたことを示す「剪断(せんだん)破壊」が起きていた。このため県警や労働局は、一度に多くの作業員が乗った重さで4本のボルトが同時に折れ、タラップが真下に落ちたとほぼ断定した。

 南日本造船によると、フックの設計図はなく、担当者が下請け業者に口頭で仕様などを伝えただけだった。南日本造船としてはフックの強度計算や強度検査はしていなかったという。同社は「なぜ強度計算をしなかったのか、理由は分からない」としている。

落下タラップ一度も強度検査せず、専門家「最悪」 01/25/09(読売新聞)

 南日本造船大在工場(大分市青崎)で、タラップが落下し、2人が死亡、24人が重軽傷を負った事故で、船体にかけたタラップ先端の鉄製フックの強度検査が一度も行われていなかったことが24日、わかった。

 フックの製作を受注した大分市内の鉄工会社社長が、読売新聞の取材に「(どれだけの重みに耐えうるかの)強度検査はしなかった」と証言した。南日本造船側も強度は確認していなかった。専門家は「最悪の使い方」と批判している。

 事故は23日、建造中の船に架けられた鋼鉄製タラップ(長さ29メートル、幅90センチ)が落下、タラップを渡っていた作業員が岸壁や海中に転落するなどした。

 南日本造船によると、タラップも鉄工会社が製作し、昨年8月から使用。フックは鉄工会社が事故の数日前に作り、4本の鉄製ボルト(直径約2センチ)だけでタラップに固定していた。

 造船会社がタラップを使用する場合、製作を受注したメーカーと仕様書を交わし、造船会社かメーカーが強度検査を行うなどして安全性を確認したうえで使うのが一般的。しかし今回は造船会社、メーカーともタラップにフックを取り付けた改造後の強度検査をしていなかった。労働安全衛生法の規則では、作業用の仮設通路を丈夫な構造にするよう定めているが、両社とも順守していなかった。

 鉄工会社社長は「鉄板などすべての部品を南日本造船から与えられ、フックを組み立ててタラップに取り付けた。強度検査をやるとすれば、(材質が分かっている)南日本造船がやること」と主張。南日本造船幹部は「強度の検査は我々がやるべきだった」との認識を示した。

大分・造船所事故 全ボルト 強圧で破断 労働局調べ 断面平ら「剪断破壊」 01/26/09(西日本新聞)

 大分市青崎の南日本造船大在工場で自動車運搬船に架けたタラップが落下し、2人が死亡、24人が負傷した事故で、折れた4本のボルトすべての破断面が平面に近い状態だったことが25日、大分労働局の調べで分かった。ボルトは、タラップ先端部とフックを固定していたが、垂直方向に大きな力がかかることで起きる「剪断(せんだん)破壊」と呼ばれる現象が起きたとみられる。

 産業災害の防止技術の研究などを行う独立行政法人「労働安全衛生総合研究所」(東京)の所員が、回収できたボルト(直径約2センチ)の破片6個を調査。その結果、すべての破断面にはねじ切れたような跡がなく、「裁断機で紙を切ったような状態」だったことを確認。フックとタラップが重さでずれたことで、強力なはさみのようになり、留めていたボルトが「剪断」されたと判断した。

 タラップの重量は同社が当初想定していた3トンの2倍の約6トンだったことも判明しており、研究所は、大勢の作業員が乗ったタラップの負荷に対してボルトは強度不足だったと断定した。

 労働局は今後、折れたボルトの材質や形状を特定した上で、ボルト自体に問題がないかどうかの素材検査や加重実験などを行い、事故当時、どのくらい負荷がかかったかについて調べる。

 一方、このタラップは昨年8月に南日本造船が業者に発注して造り、事故4日前に同じ業者に依頼し、先端部にフックを取り付けられるように改造した。南日本造船は、タラップ完成時も改造後も重さを量っておらず、強度検査もしていなかった。

「同社(南日本造船)は『図面上は強度計算していた。発注業者を信用し、重さを確認しなかった』としている。」

最近は、中国製タラップを取り付けている船もある。今回は、中国製鋼材を使用した中国製タラップ??それとも 日本製タラップ??JISはJISでも、中国で製造されたJISは本当にJIS規格と疑問に思うものもあるからな! 中国製鋼材を使ったから、同じ図面上の強度を保とうとしたら重くなったの??図面で指示された板厚の鋼材を使用したら 計算よりも重くなったの?使用した鋼材の重さから推定の重さはわからなかったの??警察庁科学警察研究所からも応援が来ているのだから 科学的に原因を説明してくれるだろう。おかしな報告を発表したら警察庁科学警察研究所のレベルも低いと言う事になるだろう。 もしレベルが低かったら、警察庁のレベルも低いと言う事になるの???????

大分・事故の造船所 タラップ重量 把握せず 会社公表の2倍の6トン ボルト4本破断 安全確認せず 01/25/09(西日本新聞 朝刊)

 大分市青崎の南日本造船大在工場で23日、自動車運搬船に架けたタラップが落下し、2人が死亡、24人が負傷した事故で、タラップの重量が同社が当初発表した約3トンよりも2倍重い約6トンだったことが24日、大分労働局と大分県警の調べで分かった。タラップ先端部のフックを固定する4本のボルトがすべて折れていたことも判明。ボルトは新品で、労働局は破断原因は過大な重量がかかったためと断定した。

 県警はボルトの破片を押収。業務上過失致死傷の疑いで捜査しており、ボルトの強度なども調べる方針。

 大分労働局によると、23日の事故後、立ち入り検査の際にクレーンでタラップ(長さ約29メートル、幅約1メートル)の重さを量ったところ約6トンあったという。

 また、船への乗船口に引っかけるL字形フックとタラップ先端をつなぐボルト4本(直径約2センチ)はすべて破断していた。船体についた傷の状況から、4本がほぼ同時に折れ、タラップは垂直に落下したとみている。

 南日本造船の吉田泰社長は24日、西日本新聞の取材に「(重さ6トンとは)初めて聞いた。労働局から指摘を受けておらず、コメントしようがない」と、タラップの重さなど基本的な情報を把握していなかったことを認めた。

 同社によると、タラップは昨年8月、従来のタラップの図面を示し「同じものをつくってほしい」と業者に発注して造った。23日の事故後、図面にタラップと乗員の重さが「4.5トン」と記載されていたことから、「タラップ自体の重さは3トンぐらいだろう」と推測していたという。

 同社はタラップを造った後も実際の重さは量らず、強度も確認していなかった。19日にフックを取り付けて改造した際も強度を確認せず、そのまま23日に初めて使用し、落下した。

 同社は「図面上は強度計算していた。発注業者を信用し、重さを確認しなかった」としている。

下記の記事の写真を見る限り、 剪断(せんだん)(Yahoo!百科事典) 荷重(かじゅう)(Yahoo!百科事典) を考えれば、 ボルト(M22)の剪断力はどうやって計算するの?(Yahoo!知恵袋) からも推測できますが、難しい計算とは思えません。そして、モーメントを考慮すれば、どの程度の安全を 求めるかだと思います。しかし、今回の事故はなぜ起きたの????コスト削減のため、予算を抑えすぎたの?? タラップの自重もわからない、最大搭載重量も設定されていない。 船を建造する時には、設計で船のモーメントを計算しチェックする。知らないはずはないけどな???

サブスタンダード船 であっても簡単には 外国船舶監督官(ポート・ステート・コントロール) から出港停止命令は受けない。日本では船がパナマ籍であれば、規則を満足しなくても パナマ ビューロー が証書を発給してくれる。検査をごまかしてくれる検査会社は中国や韓国を含めれば、選ぶのに困らないほどある。 このような世界で中国や韓国の造船所を相手に競争すると、コスト削減のために 安全を犠牲にする必要があるのかもしれない。最近は安いと言う事で多くの外国人労働者が日本で働いている のも事実だ。中国だと作業員の安全は二の次と聞く。死んだ人間は生き返らないが、 死んだ人間の代わりはいくらでもいると言うことだろう。グローバルな競争は諸刃の剣だ。 このような現状を知っているのか、知らないのか、、教育費を増やさない日本の政府。 しかし、増税はやっている。早期の契約により2、3年分の仕事量はあるが、 海運会社の中にはかなり疲労している会社もある。船の質や船のメンテナンスの程度により違いはあるが、丁寧に扱えば 20年から30年ほど船は使える。造船の将来はかならずしも明るいとは言えない。日本の将来はどうなるのか?

タラップ重量、発表の2倍 南日本造船、誤って認識 01/25/08(朝日新聞)

 大分市青崎の南日本造船大在(おおざい)工場で建造中の船にかけられたタラップが落ちて26人が死傷した事故で、同社がタラップの重さを実際の半分以下の約3トンと誤って認識し、発表していたことが分かった。県警と大分労働局が24日、合同で行った現場の実況見分の中で、クレーンでつるして量ったところ重量は6.1トンと判明した。県警や労働局は、同社の安全管理態勢に不備がなかったか調べている。

 同社は吉田泰社長らが行った23日の記者会見で、タラップ自体の重さを約3トンと発表していた。24日午後に会見した佐藤正美・業務部長(57)は「タラップが耐えられる重さ(耐荷重量)を自重を含めて4.5トンとして下請けに製造を発注したので、耐荷重量を除いた自重は3トン程度と認識していた。自重が6トン以上もあるという認識はなかった」と釈明した。

 同社はこのタラップを船と作業場の間に水平に渡して使っていたが、先端に鉄製のボルト(直径約2センチ)4本でフックを取り付け、事故の起きた23日に初めて船体に斜めにかけて使った。事故当時、大勢の作業員がタラップを上っており、ボルトには大きな負荷がかかったとみられている。

 24日の実況見分では、タラップが落下する際にこすれたとみられる船体の傷が垂直方向に伸びていることが分かった。県警や労働局は、ボルトが片側からでなく、4本とも同時に折れ、タラップが真下に落ちたとみている。

 独立行政法人「労働安全衛生総合研究所」の専門官が現場でボルトの断面を調べたところ、ボルトには「剪断(せんだん)破壊」と呼ばれる現象が起きていたという。非常に強い力がかかった部分に起こる現象で、大分労働局はボルトに過大な負荷がかかったことを裏付けるとみている。

 実況見分は、県警と警察庁科学警察研究所の約20人、大分労働局や厚生労働省の労働安全衛生部門の専門官ら約15人で実施。クレーンでタラップをつり上げて船体にかかっていた状況を再現し、フック部分などを調べた。

タラップ落下の原因 重さを把握せず 01/25/08(大分合同新聞)

 大分市青崎の南日本造船大在工場で、建造中の船に架けたタラップが落下して二人が死亡、二十四人が重軽傷を負った事故で、厚生労働省や大分労働局は二十四日、タラップを船体に架けるために取り付けていたフック部分のボルトが、重さに耐えられずに折れたことが落下の原因とほぼ断定した。県警も同様の見方を示しており、業務上過失致死傷容疑で捜査。大分労働局は労働安全衛生法違反での立件を視野に入れ、事故当時、何人がタラップに乗っていたかなどを詳しく調べる。 @厚生労働省と大分労働局、県警などは同日、合同で実況見分を実施。フックとタラップをつないでいたボルト四本はすべて折れており、三本分・六片を回収。フックとともに県警が持ち帰り、科学捜査研究所で強度などの詳しい鑑定を進める。  労働安全衛生総合研究所の所員が、回収したボルトの断面を調べた結果、固定した金属に大きな力がかかって折れたときに生じる「せん断破壊」が見られた。劣化した状況もないことから、タラップに同時に多くの人が乗って渡ったためにボルトに過大な荷重が掛かり、強度不足で折れたとほぼ断定した。  ボルト自体に問題がなかったか調べるため、素材検査もする。  フックを架けていた船体の作業用出入り口の下方約一・二メートルの場所に、垂直に付いた傷が数カ所あった。ほかに目立った傷はなく、タラップは、ほぼ垂直に落下したとみられる。タラップを架けた状態のこう配については「安全性に問題のある角度ではなかった」としている。  実況見分は二十四日で終了し、今後は工場関係者や被災者などから聞き取りをする。

 二十四日に行われた厚生労働省や県警などの実況見分で、落下したタラップの重さを量った結果、タラップ部分が約六トン、フック部分が約百キロだったことが分かった。事故後の会見で、南日本造船は約三トンと説明しており、正確な重さを把握していなかった。  大分労働局などの調べでは、落下したタラップは昨年八月に製作し、斜めに架けても使えるようにと、今年一月にフック部分を取り付けたという。現場で使用するのは初めてだった。  同社は「三トンというのは、以前に発注した際の設計図を基に計算されたもので、正確な数字は把握していない」と説明。「六トン」に基づいた荷重計算や制限人数のテストも行わないまま、フックを取り付けて使用していたことになる。  同局は「タラップを斜めに使うことや改造してフックを取り付けることに問題はない。だが、使用する前に耐えられる荷重や人数など安全性を調べなくてはならない」としている。

タラップの強度審査、改造後一度もなく…造船所死傷事故 01/25/09(読売新聞)

 大分市青崎の南日本造船大在(おおざい)工場で作業用の鋼鉄製タラップ(長さ29メートル、幅90センチ)が落下し、作業員2人が死亡、24人が重軽傷を負った事故で、船体にかけたタラップ先端の鉄製フックの強度審査が一度も行われていなかったことが24日、わかった。

 製作を同社から受注した大分市内の鉄工会社社長が、読売新聞の取材に「(どれだけの重みに耐えうるかの)強度審査はしなかった」と証言した。南日本造船側も強度は確認していなかった。

 南日本造船によると、タラップもこの鉄工会社が製造し、昨年8月から使用していた。フックは南日本造船の指示で事故の数日前に作り、4本の鉄製ボルト(直径約2センチ)だけでタラップに固定していた。

 一般的に造船会社がタラップを使用する際、発注先のメーカーと仕様書を交わし、どちらかが強度審査を行うなどして安全性を確認したうえで使っている。

 しかし、今回は造船会社、鉄工会社ともタラップにフックを取り付けた改造後の強度審査をしていなかった。労働安全衛生法の規則では、作業用の仮設通路を丈夫な構造にするよう定めている。南日本造船の幹部は24日の記者会見で「強度の審査は我々がやるべきだった」との認識を示した。

南日本造船事故 固定ボルト折れる 01/24/08(大分合同新聞)

 大分市青崎の南日本造船大在工場で二十三日午前、建造中の船に架けたタラップが外れ、二人が死亡、二十四人がけがを負った事故で、船体とタラップを固定するフックに付いたボルト四本のうち、三本が折れた状態で海中から見つかった。船体とタラップを固定する補強用のワイヤを結んでいなかったことも判明した。重量に耐えきれず、タラップが落ちた可能性があり、同日午後に会見した吉田泰社長らは「ずさんな安全管理と言われても仕方がない」と謝罪した。

 南日本造船大在工場によると、タラップは長さ約二十九メートル、幅約一メートル、重さ約三トン。船体側の先端に、二個のL字型フックがあり、フックとタラップの結合部は角度を調節するために直径約二センチのボルト二本をそれぞれ取り付けていた。海中からは、折れたボルトのほか、タラップから外れたフックも見つかった。  同工場ではこれまで、船体の開口部の高さに合わせ、陸地側に足場を組んでタラップを水平に渡していたが、この日は初めて、水面から高さ約十メートルの開口部に向け、斜めに架けていた。  同日は、タラップを船体に架けるクレーンが故障し、作業開始が約一時間遅れたため、タラップを渡した直後に作業員が殺到したという。  同工場は、タラップの耐荷重は把握しておらず、渡る際の人数制限はしていなかった。  大分東署などの対策本部によると、けがをした二十四人のうち、臼杵市野津町宮原、会社員城純次さん(31)が肺に海水が入って急性呼吸不全で重体になった。意識はあるが、腕や足を骨折しているという。  同本部は業務上過失致死傷の疑いで、関係者から事情を聴くなど、事故原因を調べており、二十四日も捜査員十数人を動員し、実況見分する。

作業員「安全二の次」

 「大勢の作業員の“命綱”は、たった数本の小さなボルトだけ。そんな強度でいいのかと、危なっかしく思っていた」。三十年近く造船工事に携わる県内のベテラン作業員の男性(57)は、タラップを渡らずに難を逃れた。「会社には安全意識が欠けていた。いつかこんな事故が起きると思っていた」と、安全管理体制に疑問を投げ掛けた。  男性は二十三日午前八時半ごろに岸壁へ。しかし、タラップの設置作業が大幅に遅れていると聞き、その場を離れた。  「桟橋が落ちた」。仲間からの知らせで事故を知った。「命拾いした」  男性によると、タラップは一日数百人の作業員が行き来する。特に朝一番は、大勢の作業員が渡ろうと行列をつくるほどで、大きな負荷が掛かるという。  大在工場での造船は三隻目。これまでの二隻の作業では、岸壁に設けた足場から船体に向かって水平のタラップを渡していたという。「ボルトで固定するほかは、針金のような『番線』を巻き付けて補強するだけ。仲間内でも『こんな強度で大丈夫なのか』と話していた。世界一のフェリーを造っているのに、安全対策は二の次だった」と厳しく批判した。  別の男性作業員(57)は「造船業は数少ない好景気の業種。少ない人員で仕事をさせ、無理が出ていると感じる。船を浮かべた状態のまま作業をしたのも作業効率を優先させたためではないか」と指摘した。

ずさんな管理 社長ら、苦渋の表情で釈明 01/24/08(大分合同新聞)

 「補強のワイヤを結んでいなかった」「タラップの耐荷重は把握していなかった」―。次々と明らかになるずさんな安全管理。南日本造船大在工場で二十三日午後開かれた記者会見で、吉田泰社長らは、苦渋の表情を浮かべ、「安全を最優先しているつもりだが」と釈明に追われた。

 落下したタラップは、岸壁と船とを斜めにつなぐため、同工場が協力会社に発注し四日前に従来のものを改良した。使用したのはこの日が初めて。強度の検査はしていなかった。

 西川司工場長は「斜めに架けていることは、事故が起きて初めて知った。タラップの設置などは現場の責任者に任せているが、判断は会社としてのもの」と説明。「フックが外れても大丈夫なように、ワイヤで船体とタラップを固定するなど二重の安全対策を取るべきだった。そうした認識は現場責任者にもあったが、できていなかった」と悔やんだ。

 工場は昨年五月に完成したばかり。これまでは櫓(やぐら)を作り、タラップを水平に渡していたが、今回は方法を変えた。「効率を優先した結果の事故ではないか」という報道陣の質問に、吉田社長は「安全を最優先しているつもり。しかし、残念ながらこういうことになった」と釈明。「(現段階で)原因は分からないが、当社の責任。ミスだと思っている」とうつむいた。

作業中の事故続発

 南日本造船では、作業中の事故が続発している。

 大在工場では昨年八月、船をドックに引き入れるウインチ(巻き上げ機)の点検作業中にワイヤが直撃した関連会社の男性二人が大けがを負った。

 大分工場(大分市西ノ洲)では二〇〇七年八月、下請け会社の男性作業員=当時(47)=が建造中の船体の研磨作業中に転落、死亡した。

 下ノ江工場(臼杵市下ノ江)では〇二年四月、建造中の船内で溶接などをしていた男性作業員=当時(43)=が死亡。足場から転落したとみられている。

労働局が対策本部

 大分労働局は二十三日、「南日本造船大在工場桟橋落下災害対策本部」(本部長・佐藤学局長)を設置した。厚生労働省の専門官らも二十四日に現場に入り、県警などと連携して調査に当たる。

 同局安全衛生課は「タラップの強度や安全性などの管理義務を怠っていれば、労働安全衛生法違反の疑いもある」としている。

 厚生労働省からは、安全課の松下高志副主任中央産業安全専門官や、労働安全衛生総合研究所の技術者ら五人が来県。事故当時の状況や、タラップの構造に問題がなかったかなどを調べるという。

県が緊急部長会議

 県は二十三日、事故を受けて緊急部長会議を開いた。平野昭副知事ら十五人が出席。進藤憲一・危機管理監が事故の概要やDMAT(災害派遣医療チーム)の出動状況などを報告した。

大分・南日本造船のタラップ落下事故:全固定ボルト折損 荷重超過が原因か 01/24/08(毎日新聞 東京朝刊)

 大分市青崎の「南日本造船」(本社・大分県臼杵市)大在(おおざい)工場で23日、タラップが落下し、2人が死亡、24人が重軽傷を負った事故は、自動車運搬船の開口部とタラップを接続したフックを固定するボルト4本がすべて折れていたことが同社への取材で明らかになった。作業が遅れていたため作業員約40人が乗り込み、タラップの強度が耐え切れなくなった可能性もあるという。

 死亡したのは▽大分市大道町、下請け会社員、松尾洋一さん(53)▽同市寺崎町、自営業、黒木善友さん(58)で、24人が重軽傷。

 同社などによると、長さ約29メートル、幅約1メートル、重さ約3トンの鋼鉄製タラップの先端についたかぎ状のフックを留めたボルト(直径18ミリ)4本とフック1個が海中などから見つかった。ボルトはすべて折れていたという。

 タラップ本体は昨年8月ごろから使用。通常は船体と垂直にして使用していたが、ドックの岸壁の状況からタラップを斜めに掛ける必要があり、協力会社にフックを注文。4日前から造り、この日が初めての使用だった。タラップをつるクレーンが故障したため、タラップの設置作業が約1時間遅れ、設置後に作業員が殺到した。

 吉田泰社長は「管理に甘さがあったと言われても致し方ない」と話している。【古田健治、金秀蓮】

タラップ重量、会社発表の2倍と判明 09/24/08(日テレNEWS24)

 大分市の「南日本造船」の工場で23日、建造中の船に架けられていたタラップが落下し、作業員2人が死亡、24人が重軽傷を負った事故で、タラップの重量は会社発表の2倍だったことがわかった。

 警察と大分労働局などは24日午前10時ごろから、実況見分を行い、タラップを船に架けるなど事故当時の状況が再現された。タラップの先端部分にはフックが取り付けられていたが、フックを固定していたボルトは折れた状態で見つかっており、重量に耐えられなかったことが事故原因とみられている。

 南日本造船は23日、タラップの重量を3トンと発表していたが、大分労働局が事故後に計測したところ、6トンだったことが判明した。会社側は、ワイヤを使ってタラップを固定するなどの安全策が万全でなかったことを認めているが、タラップの正確な重量さえ把握していなかった実態が浮かび上がった。

落下したタラップ、耐荷重を超えていたか 09/24/08(日テレNEWS24)

 大分市内の造船工場で23日午前、建造中の船に架けていた鉄製のタラップが落下する事故があり、作業員2人が死亡、24人がケガをした。タラップは4.5トンの耐荷重をオーバーしていたとみられている。

 大分市の「南日本造船」で23日午前9時半ごろ、建造中の船と岸壁を結ぶタラップが水面に落下し、船に乗り込もうとした作業員が次々と転落した。この事故で、タラップの上で作業をしていた松尾洋一さん(53)と黒木善友さん(58)が死亡、24人がケガをした。タラップは長さ約30メートル、重さが3トンで、高さ10メートルの出入り口に架けられていて、船側についていたフックが破損したとみられている。現場の海中からはタラップとフックをつないでいたボルトが3本、折れた状態で発見された。

 事故を受け、南日本造船は23日夕方に会見を開いた。会社側は会見の中で、これまでタラップは船に向かって水平に取り付けられていたが、今回は出入り口よりも岸壁が低かったため、タラップを斜めに架けていたことを明らかにした。そのため、先端にフックが取り付けられたという。

 また、タラップは耐荷重が4.5トンと設計されていたが、タラップ自体の重さが3トン、タラップの上には約30人の作業員が乗っており、作業員の体重は少なくとも計1.5トンを超えていたと推測される。このため、耐荷重をオーバーしていたとみられている。これに対し、会社側は「“何人以上乗ってはいけない”と指示・表示しているかというと、残念ながらしておりません」と話している。

 警察は24日、実況見分を行った。

大分・南日本造船のタラップ落下事故:「なぜ、こんなことに」 悲報に家族ぼうぜん 01/24/09(毎日新聞 朝刊)

 「なぜ、こんなことに」。23日に起きた大分市・南日本造船大在(おおざい)工場のタラップ落下事故は黒木善友さん(58)、松尾洋一さん(53)の命を奪い、重体1人を含む24人が重軽傷を負った。優しく面倒見が良かった黒木さん、まじめで家族思いの松尾さん。遺族らは「安全管理がしっかりしていれば……」と悔しさをにじませた。

 作業員らはこの朝、建造中の自動車運搬船の船内工事のため、岸壁から船腹に渡されたタラップを上っていた。20人ほどが船内に入り、さらに約40人がタラップ上にいた時だった。突然「バキッ」という音とともにタラップが船体から外れた。

 亡くなった黒木さんの部下、井上直之さん(32)は事故を目撃した。「タラップが逆さに落ち、渡っていた人たちが地面にはじき飛ばされた」。井上さんは「一人親方」だった黒木さんが昨年8月に雇った初めての社員。「面倒見のいい人だった」と悔しがった。

 黒木さんは宮崎県椎葉村の出身。自衛隊員やトラック運転手などを経て、約8年前から南日本造船で溶接などの仕事を始めた。

 「来月、おふくろの命日にまた帰るけん」。黒木さんは前日夕、同県日向市の姉に電話していた。盆や正月には帰り、親族と焼酎を酌み交わした。義兄の黒木好隆さん(73)は「いつもの明るい声だった。信じられん」と言葉をつまらせた。

 松尾さんは大分市の国立病院機構大分医療センターに収容された。立ち会った人によると、霊安室で遺体と対面した妻は泣き崩れ、「信じられない」と繰り返したという。

 松尾さんの勤務先「伊藤鉄建」(大分市)の伊藤剛社長(32)らによると、松尾さんは昨年7月から働いていたが、大在工場での作業はこの日が初めてだった。まじめで、仲間から「まっさん」と慕われていた。仕事を共にした同市大在の建設業、吉良博士さん(49)は「なぜこうなったのか」と唇をかんだ。

 妻と小学4年生の息子の3人家族。仲間に「息子がかわいいでたまらん。立派に育ってくれれば。(息子のためにも)頑張らないけん」と話していたという。【阿部周一、島田信幸、斎藤良太】

宙に浮き 海へ岸壁へ 大分・タラップ落下 突然ごう音立て 作業員「まるで地獄」 01/24/09(西日本新聞 朝刊)

 突然、ごう音とともに落下した重さ3トンのタラップ。厳寒の海に、コンクリートの岸壁に投げ出された作業員たち。23日、大分市の南日本造船大在工場で起きた事故は、死傷者26人を出す惨事となった。死亡した2人は、仕事熱心で子煩悩な下請け作業員。「まるで地獄だった」「何で死んだの」。突然の悲報に家族や同僚は言葉を失い、動揺は九州の造船業界にも広がった。

 午前9時半ごろ。「ちょっと人間、乗り過ぎやわ」。約30人の作業員が間隔を空けずに自動車運搬船へのタラップを上る様子を見て、地上の作業員(45)が仲間に話しかけたときだった。重みに耐えかねたタラップの真ん中がたわみ、金属がこすれ合うようなごう音を立てて船体から外れた。

 タラップ上にいた男性作業員は「急に体が浮いて、とっさにしゃがみこんだ」。自分の前にいた人たちがバラバラと落ちていくのが見え、水しぶきが上がった。

 岸壁に投げ出され、頭から血を流す人。岸壁に上部を残し、半ば水没したタラップ。水中で、もがき、しがみつく人。「けが人は足がひん曲がっていたり、泡を吹いていたり。まるで地獄だった」。50代の男性は声を震わせた。

 騒然とする岸壁から、あおむけになって浮く男性を見つけた作業員(45)は、即座に海に飛び込んだ。安全ベルトや装具は身につけたまま。真冬の作業に備えて着込んでいた防寒着が水に浸り、思うように動けない。後から飛び込んだ2人と協力し“命綱”となったタラップに押し上げた。

 岸壁に上がると、何人もの負傷者が横たわる傍らで「AED(自動体外式除細動器)持ってこい」と怒鳴り声を上げる人や懸命に人工呼吸をする人がいた。救急車や消防車が赤色灯を回転させて次々に到着していた。

 事務所のテレビで、死者が出ていることを知ったという作業員は言った。「恐ろしさがこみ上げてきた。とんでもないことが起きた」

遺族 悲報に泣き崩れ

 大分市の造船所で起きた惨事で命を落とした松尾洋一さん(53)と黒木善友さん(58)はともに下請け作業員だった。仕事熱心で子ども好きな2人。家族や仕事仲間は突然の悲報に言葉をなくした。

 関係者によると、松尾さんは鉄板のひずみをとる作業の補助要員。仕事ぶりはまじめで、いつも朝早くから出勤していた。小学4年になる息子のことを「かわいいでたまらん。子どものために仕事を頑張らんといかん」と話すのが口癖だったという。近所の主婦は「よく息子さんとかけっこして遊んでいた」と話す。

 病院に駆けつけた松尾さんの妻は、遺体に対面すると泣き崩れたという。病院を出るとき「あまりに突然のことで…」とだけ話し、赤く腫らした目頭を指でぬぐった。

 黒木さんは宮崎県椎葉村出身。下請け会社に個人事業主として採用され、大分市内のアパートで1人暮らしだった。隣室に住む白岩千広さん(48)は「小学1年のうちの息子が気軽に遊びに行き、本を読んでもらったりお菓子をもらったりしていましたが…」と絶句。白岩さんの息子は「ねえ、おじちゃん何で死んだん? どこに行ったん? 」と尋ねていた。

 大分東署には黒木さんの姉の夫、黒木好隆さん(73)=宮崎県日向市=が訪れ、遺体と対面。「盆や正月には宮崎に帰って来ていた。普段はまじめで明るい。酒も好きで、カラオケがすごく上手だった。信じられない」と語っていた。

 黒木善友さんと小学校で同窓生という椎葉村の黒木吉美さん(59)は「昨年6月、大分県のホテルで善友さんと会い、仕事の話をしながら楽しく酒を飲んだ。まだ若いのに…」と残念がった。

タラップ落下 2人死亡 造船所 24人重軽傷 固定フックのボルト折れる 強度テストせず 大分 01/24/09(西日本新聞 朝刊)

 23日午前9時半ごろ、大分市青崎の南日本造船(吉田泰社長)の大在工場で、建造中の自動車運搬船に架けられたタラップが突然落下した。タラップを上っていた作業員が次々に海や岸壁に転落、大分県警によると男性作業員2人が死亡、女性1人を含む21‐62歳の男女24人が重軽傷を負った。大分県警は業務上過失致死傷の疑いもあるとみて事故原因を調べている。

 県警によると、死亡したのは大分市大道町、会社員松尾洋一さん(53)と同市寺崎町、自営業黒木善友さん(58)。また、城純次さん(31)=同県臼杵市=が重体になっている。

 南日本造船によるとタラップは鉄製で、長さ約29メートル、幅約1メートル。重さは約3トン。岸壁から、約10メートルの高さにある船側面部の乗船口へ向けて架けていた。

 タラップは先端部にあるL字形のフックで船体と固定する仕組みだが、タラップとフックをつなぐボルト(直径約2センチ)4本のうち3本が海中で見つかった。3本とも折れた状態で、フックに損傷はなかったという。

 同社は23日午後の記者会見で、強度テストなどをせずにこの日初めてタラップを使用したことや、作業開始時間が遅れたため待機していた多くの従業員が一気にタラップに乗り込んだこと、などを説明。

 強度確認と現場での指導確認が不十分だったタラップが、重量に耐えられずに落下した人為的ミスの可能性が強まっている。タラップの強度は1、5トンだった。

 吉田泰社長は同日夕の緊急会見で、「当社に落ち度があり重大な責任を感じている。おわびを申し上げたい」と謝罪した。

 大在工場は昨年5月に完成。同社で3番目となる大型船の製造工場。

■南日本造船

 大分県臼杵市に本社を置き自動車運搬船やタンカーなどを建造している中堅造船企業。1974年に設立され、従業員は約100人。2008年3月期の売上高は約240億円だった。

 臼杵市で造船所、大分市の新日鉄大分製鉄所の敷地内でブロック工場を操業していたが、同年5月、約140億円をかけて、国内では8年ぶりとなる新造船所(敷地面積約22万7000平方メートル)を同市青崎に新設した。これにより、年間建造能力は従来の5隻(7万5000トンタンカーの場合)から8隻に増え、売上高を3年で倍増させる計画。

人為的ミス重なる? 

 南日本造船大在工場で起きたタラップ落下事故は、幾重もの人為的なミスが重なったとの見方が強まっている。

 西川司工場長らによると、タラップは昨年8月から使用。これまでは陸上に組んだ足場に載せ、陸と船体を平行につなぐ形で使用していた。今回は地面に凹凸があり足場が組みにくいため、斜めにたてかけられるように事故の4日前に接続部分を改良。船体に引っかけるための鉄製のフックを計4本のボルトで固定した。

 しかし、フック部分がどれくらいの荷重に耐えられるか、タラップ上に一度に何人通行できるかの耐荷重を把握しないままこの朝、初めて使用した。西川工場長はタラップ改良などは現場に任せていたと話し、「斜めがけにしていたことも今日初めて知った。どれくらいの重さに耐えられるのか、強度を調べていたのかも分からず、報告も受けていない」と話した。

 また、現場責任者は「タラップを船に付けた後に鉄製ワイヤで(船と)固定し、補強しようと考えていたが、その矢先に事故が起きた」と話しているという。さらに、この日は作業開始が約一時間遅れたため、会社側の移動開始の合図で船内へ急ぐ作業員が一斉にタラップに殺到したものの、通行時の安全確認をする社員も不在だったという。

たぶん、オーダーメイドだから強度のチェックをしなかったのか、最大搭載人数を計算していなかったのか、最大搭載重量(人数)を 表示していなかったので、多くの作業員が使用したのだろう。個人的な意見だが、タラップ(船のアコモデーションラダー)の強度や 安全性に疑問がある場合、多くの作業員が一斉に上がっていく時に、全ての作業員がいなくなる、または数人だけが使用している時まで待つべきだろう。 少なくとも自分はそうしている。5分以上待ったことはない。それで自分の安全が保障されるなら悪い選択とは思わない。 多くの作業員はタラップに亀裂が入っていようと、整備に問題があるように思えても平気で一度に乗る。 結果論だが、南日本造船大在(おおざい)工場では、死傷事故になった。

大分県警と労働局が合同で実況見分 造船所死傷事故 01/24/08(朝日新聞)

 大分市青崎の南日本造船大在(おおざい)工場で23日、建造中の船にかけられたタラップが落ちて26人が死傷した事故で、大分県警と大分労働局は24日午前、合同で現場の実況見分を始めた。県警と警察庁科学警察研究所の約20人、大分労働局や厚生労働省の労働安全衛生部門の専門官ら約15人で実施。クレーンでタラップをつり上げて、船体にかかっていた状況を再現し、フック部分などを調べた。

 事故は、タラップの先端にフックを留めるボルトが折損したことが原因とみられる。県警と労働局はボルトの材質や強度、タラップが耐えられる重さなどを調べるほか、同社関係者から事情を聴いて、安全管理態勢に不備がなかったかなどを調べる。

 南日本造船では大在工場で昨年8月、作業員2人がワイヤに挟まれ大けがをした。大分工場(大分市西ノ洲)でも07年8月、作業員が建造中の船から転落して負傷。02年4月には本社工場(大分県臼杵市下ノ江)で作業員が足場から転落して死亡する事故があった。

フックのボルト折損 タラップ落下原因か 造船所の事故 01/24/08(朝日新聞)

 大分市の南日本造船(本社・大分県臼杵市)大在工場で23日にタラップが落下した事故で、船体に掛けていた先端のフックがタラップから外れたのが原因だったことが、わかった。死傷者は作業員26人に増えた。同社はフックの強度を把握しておらず、落下防止用ワイヤで船体とつなぐ措置もとっていなかった。大分県警は業務上過失致死傷容疑で、大分労働局も労働安全衛生法違反容疑で調べ始めた。

 死傷した26人はいずれも下請け会社の作業員。県警によると、死亡したのは黒木善友さん(58)=大分市寺崎町=と松尾洋一さん(53)=同市大道町。けがをした24人のうち、城純次さん(31)=大分県臼杵市野津町宮原=は水中転落による急性呼吸不全で重体となっている。

 県警や南日本造船などによると、タラップは鉄製で長さ約30メートル、幅約1メートル、重さ約3トン。午前9時20分ごろ、クレーンでタラップをつり上げて岸壁から高さ約10メートルの位置にある右舷の開口部にかけ、作業員が上った際に落ちた。

 タラップの先端にはフックが左右2本ずつの鉄製ボルト(直径18ミリ)で固定されていたが、すべて外れ、県警が3本を海中から回収すると、いずれも折損していた。タラップと船体はワイヤでもつなぐことになっていたが、ワイヤは使われなかった。

 運搬船は22日に進水。それ以前は船体の開口部と同じ高さに足場がある作業場で建造していたため、タラップは水平に渡して使っていた。階段のように斜めに船体にかけたのは23日が初めて。斜めにかけるために、下請け業者がフックを取り付けた。同日は作業開始が約1時間遅れ、大勢の作業員がタラップを上っていて事故が起きたという。

 同社は23日夕の会見で、フックとタラップの接合部の強度を把握しておらず、何人乗れるのかを現場に示していなかったことを認めた。吉田泰社長は「事故が起きたのは当社のミス。安全確認が完全ではなかった」と謝罪した。

 厚生労働省は安全衛生部門の専門官を現地に派遣した。大分県警は24日午前10時から現場検証を行う。

タラップ落下 2人死亡 大分 造船所、23人けが 改造後 安全確認せず 01/23/09(西日本新聞 夕刊)

 23日午前9時半ごろ、大分市青崎の南日本造船大在工場で、建造中の自動車運搬船に架けられたタラップが落ち、作業員が海や岸壁に転落した。大分県警によると、男性作業員2人が死亡、同日正午現在、23人が重軽傷を負っている。

 同社によると、事故原因は、船とタラップをつなぐフックのボルトが外れたか破損したためとみられる。タラップは4日前から改造、安全を確認せずに使用したという。大分県と同県警は、それぞれ対策本部を設置。県警は業務上過失致死傷の疑いもあるとして捜査を始めた。

 県警によると、死亡したのは大分市大道町、会社員松尾洋一さん(53)と同市寺崎町、自営業黒木善友さん(58)。

 同市消防局などによると、負傷者は市内9カ所の病院に搬送され、軽傷者は工場敷地内の応急救護所で手当てを受けた。負傷者の1人は女性。

 大分東署によると、タラップは鉄製で長さ約27メートル。タラップは完成したばかりで、クレーンを使って自動車運搬船に架けた直後に外れ、タラップ上にいた作業員は10メートルの高さから、海や岸壁に落ちたという。

 同工場の関係者によると、事故でタラップは「く」の字に曲がった。作業員の1人は「『ドカン』と海の中に何かが落ちる大きな音がして振り返ると、桟橋がすでに落ちていた」と話した。

 大分地方気象台によると、事故当時、同工場がある大分県中部地方は強風波浪注意報が発令中で風速12メートル以上の風が吹いていたとみられる。

 同工場の西川司工場長は記者会見し「重大な事故を起こし、申し訳ございません」と謝罪した。同社によると、死傷した作業員は全員、下請けの会社従業員や自営業者。自動車運搬船は22日に進水したばかり。大在工場は昨年5月に完成、同社で3番目となる大型船の製造工場。

 ▼南日本造船

 大分県臼杵市に本社を置き、自動車運搬船やタンカーなどを建造している中堅造船企業。1974年に設立され、従業員は約100人。2008年3月期の売上高は約240億円だった。

 臼杵市で造船所、大分市の新日鉄大分製鉄所の敷地内でブロック工場を操業していたが、同年5月、約140億円をかけて、国内では8年ぶりとなる新造船所(敷地面積約22万7000平方メートル)を同市青崎に新設した。これにより、年間建造能力は従来の5隻(7万5000トンタンカーの場合)から8隻に増え、売上高を3年で倍増させる計画。

造船所でタラップ落下、作業員2人死亡23人けが…大分 01/23/09(読売新聞)

 23日午前9時半頃、大分市青崎3の南日本造船(本社・大分県臼杵(うすき)市)大在(おおざい)工場で、建造中の自動車運搬船と岸壁を結ぶ鋼製タラップ(長さ27メートル、幅約1メートル、重さ3トン)が落下し、タラップを渡っていた多数の作業員が岸壁や海中に転落するなどした。

 2人が死亡し、23人が足などにけがをした。

 大分県警によると、死亡したのは臼杵市の下請け会社社員の大分市大道町、松尾洋一さん(53)、同市寺崎町、自営業黒木善友さん(58)。松尾さんは搬送先の病院で死亡、黒木さんは現場で死亡が確認された。同社によると、負傷した23人は、下請けの作業員という。

 南日本造船などの説明によると、岸壁から高さ5メートルの位置にある入り口にかけていたタラップの先端部分に、固定用フックを4個のボルトで取り付けていた。事故後、確認したところ、ボルトの一部がなくなっていたという。消防局によると、現場でボルトが折れているのが見つかったという。

 また、本来は船体に対し垂直にかけるタラップが、この日に限って斜めになっていたという。作業員によると、タラップには20人以上が乗っていたといい、重みに耐えられなかったらしい。県警は、タラップの設置の仕方に問題がなかったか調べる。

 船は3月末の完成予定で、作業用の水路から修繕ドックに移し、この日は午前8時から約200人が塗装作業などをしていた。敷地内の岸壁付近にはシートが敷かれ、負傷者の応急手当てを行っている。

下記の愛知県知多市のIHI(旧石川島播磨重工業)愛知工場の建造船爆発死傷事故と似たケースだろうね!

造船中に爆発1人死亡、塗料に引火か 山口・下松 09/11/08(読売新聞)

 25日午後4時ごろ、山口県下松市笠戸島、造船・修理会社の新笠戸ドックに係留中の貨物船で爆発が起き、船内で作業をしていた広島県福山市今津町、塗装工岡田雄一郎さん(30)が死亡した。ほかにも作業員ら3人が軽傷を負い、病院に運ばれた。県警下松署は業務上過失致死傷の疑いがあるとして調べる。

 同署によると、貨物船は新造船で約4万トン。全長約220メートルの船首付近にあるタンクで6人がさび止めを塗る作業をしていたところ爆発した。タンク内には5人おり、岡田さんは全身にやけどを負うなどしてほぼ即死状態だった。別の作業員1人も顔にやけど。また、船外にいた作業員ら2人が救助しようとした際にガスを吸って病院に運ばれた。同署は揮発性のある塗料に何らかの原因で引火したとみて原因を調べている。

 同社は、タンクの上の甲板で足場を切断した際に火の粉が落ちて引火したと思われる、と説明している。

 新笠戸ドックによると、岡田さんは下請け会社の従業員で、タンク内の塗装作業は午後3時から2時間の予定だった。岡田さんらは、船首付近にある「バラストタンク」の一つで作業していた。爆発による船体の損傷はほとんどなかったという。貨物船は8月に工事を始め、9割ほど完成し、来年1月に引き渡される予定だった。

 同ドックでは、昨年7月にも自動車運搬船で爆発が起き、作業員ら14人が軽傷を負う事故があった。

 同ドックはこれまで船の修繕作業をしていたが、昨年から造船も始めた。瀬野孝雄工場長は「安全第一でやってきたが、指導が行き渡っていなかった。遺族に申しわけない。原因を追及したい」と話した。昨夏に続く作業事故には「火気に十分注意するというのが(前回事故の)教訓だったのだが」と肩を落とした。

ドック内の貨物船で爆発、1人死亡3人けが…山口・下松 11/25/08(読売新聞)

 25日午後4時頃、山口県下松(くだまつ)市笠戸島の船舶修繕会社「新笠戸ドック」の6号岸壁で、係留中の新造貨物船「S―K002号」(全長217メートル、3万9700トン)の船首部の底にある左舷タンク(長さ25メートル、幅16メートル、高さ1・8メートル)内で爆発音を伴う火災が発生した。 タンク内で作業中の広島県福山市今津町、塗装工岡田雄一郎さん(30)が死亡、ほかの作業員3人が軽いけがをした。

 同社によると、タンク外側の真上部分で別の作業員がガスバーナーを使って部品を切断しており、火の粉がタンク内で気化したシンナーに引火した可能性があるという。県警下松署は、業務上過失致死傷の疑いがあるとみて調べている。

 同社では昨年7月、修理のため係留中だった自動車運搬船の機関室で火災が起き、作業員ら14人がやけどなどを負う事故が起きている。

爆発:山口の造船ドックで1人死亡、3人軽傷 11/25/08(毎日新聞)

 25日午後4時過ぎ、山口県下松市笠戸島の「新笠戸ドック」で、貨物船の造船作業中に爆発が起き、下請け会社、広野工業の塗装工、岡田雄一郎さん(30)=広島県福山市今津町=が全身にやけどを負い死亡、3人が軽傷を負った。山口県警下松署は26日朝から実況見分し、業務上過失致死容疑で捜査する。

 調べなどでは、この貨物船は来年1月に引き渡し予定で、全長217メートル、3万9750トン。岡田さんが、船首の船底部にある海水を入れるタンク内で、スプレーで塗料を吹き付けていたところ、引火したらしい。

 当時、船の上部ではガスバーナーを使った切断作業がなされていた。会社の規則では、塗装と同時に行ってはならないとされており、同署が詳しく調べている。

 新笠戸ドックは昨年7月にも定期点検中の貨物船でのガス爆発事故で14人が軽傷を負い、下松労働基準監督署が今年4月から1年間、安全性の管理を指導していた。【安部拓輝、大村健一】

建造船爆発死傷:IHI関連2社と責任者ら2人を書類送検 09/11/08(毎日新聞)

 愛知県知多市のIHI(旧石川島播磨重工業)愛知工場で07年8月、建造中の大型運搬船内で爆発が起き、6人が死傷した事故で、半田労働基準監督署は10日、IHIの子会社で建造の元請け会社「アイ・エイチ・アイ・エスエーテック」(ISAT)など2社と作業責任者ら2人を労働安全衛生法違反の疑いで名古屋地検に書類送検した。

 ほかに書類送検されたのは、下請け会社で塗装会社の南組(名古屋市南区)、ISAT知多工場生産部艤装(ぎそう)グループ職長代行(51)、南組知多営業所ブロック作業等責任者(61)。

 調べでは、ISATと同社職長代行は、溶接の火花が落下して塗装の有機溶剤蒸気に引火、爆発する恐れがあったのに、作業間の連絡、調整を行わなかった疑い。また南組と同社責任者は、爆発を防止する換気などの措置を講じずに塗装作業を行わせた疑い。【河部修志】

三原市の造船所で労災事故、クレーンから落下のレールが直撃し作業員死亡 08/24/08(RCCニュース)

 24日午前、三原市の造船所で作業員がクレーンから落下した鉄製のレールの下敷きとなり、死亡しました。

 事故が起きたのは三原市幸崎町の造船会社「幸陽船渠」です。

24日午前9時過ぎ、レッカー車のクレーンにワイヤーで固定して運んでいた長さ6m、重さがおよそ300kgの鉄製のレールが落下し、作業をしていた下請け会社の社員、天倉進さん(61)を直撃しました。天倉さんは背中を強く打ち、およそ1時間半後に死亡しました。

 警察では業務上過失致死の疑いもあると見て、安全管理面などから事故の原因を調べています。幸陽船渠では今月5日にも男性が鉄製部品の下敷きになって死亡しています。

幸陽船渠でまた労災死亡事故 08/25/08(中国新聞)

 24日午前9時5分ごろ、三原市幸崎町能地の幸陽船渠(せんきょ)=桧垣俊幸社長=の構内で、同所の作業員天倉進さん(61)が、落下したレール(長さ約6メートル、重さ約300キロ)に挟まれ、腹部内出血で死亡した。同社では4日に作業員男性が鉄板の下敷きになり死亡する事故があったばかり。三原署や同社によると、天倉さんは部材運搬用のレールの撤去作業中だった。クレーン車でつり下げていたレールが落ちたという。

 同社では2006年5月から今年5月まで4件の労災死亡事故が発生。三原労基署は「総合的安全衛生管理事業場」に指定し指導を強めている。

行政指導中に労災死亡事故 08/06/08(中国新聞)

 三原市幸崎町能地の幸陽船渠(せんきょ)の構内で4日、労災死亡事故が発生した。同社では2006年5月から今年5月まで4件の労災死亡事故が発生し、5人が死亡。三原労基署が行政指導を強めていた中での再発で、同社の安全対策がさらに問われそうだ。

 三原署などによると4日夕の事故は、下請け会社の作業員男性(38)が新造船の鉄板部品を運搬中、落下した鉄板(重さ640キロ)の下敷きになり死亡した。

 残業中で、1人で有線のコントローラーでクレーンを動かしていたとみられている。労基署は5日、同社へ調査に入り、作業状況などについて聴いた。

造船所で死亡事故 08/02/08(RCCニュース)

 呉市の造船所で、作業中の男性が船体の一部とその台に挟まれて死亡する事故がありました。

 2日7時15分頃、呉市川尻町東の神田造船所で、船の外側の鉄板を塗装するための台にクレーンで移動した時に起きました。

 警察の調べによりますと、クレーンで吊るした重さ130トンの鉄板は台の近くで作業していた呉市川尻町東の川本元文さん58歳の上に降りたということです。

 川本さんは頭を強く打って、収容先の病院で死亡しました。

 警察では事故の原因を調べています。(8/2 19:02)

急増する下請けの労災死亡事故 06/14/08(せとうちタイムズ)

労災事故死 県内17人 1~5月 造船業の割合目立つ 昨年上回るペース 06/02/08(読売新聞)

広島労働局 6日に緊急安全対策協

 県内の労働災害による死者数が、今年1月から5月末現在で17人にのぼっている。造船業の死亡事故の割合が目立っており、このままでは昨年1年間(35人)を上回る死者数になるおそれがあることから広島労働局は6日、県内の造船業18社の役員らを集めた緊急の安全対策協議会を開き、安全指導の徹底を求めるとともに、作業現場の一斉監督も始める。

 死者の内訳は造船業、建設業、清掃業各3人、林業、商業、貨物取り扱い業各1人など。

 造船業の3人は、昨年1年間と同数で、いずれも下請け会社の派遣社員。死亡例では、船底の修繕が必要な鉄板を切り取る際、会社側が落下防止措置を取っていなかったため、鉄板が男性作業員の頭を直撃したり、男性が倒れた鋼材(船体ブロック)に挟まれたりした。鋼材は、壁に立てかけてあっただけで、倒れないようにする特別な安全措置をしていなかった。

 同労働局は、「造船業が活況な一方、人手が足りず、派遣社員が増え、安全教育が行き届かないことが多いのでは」と分析する。

 3年連続で死亡事故を起こしているという三原市の造船業者は、下請け会社の社員数が2006年11月の約2300人から今年4月には約3200人と急増。

 2か月ごとに同労働局職員が作業現場まで行き、監督指導していたという同造船業者は「死亡事故が起きるたび、原因を探ってきたが、もっと安全対策を充実させなくては」としている。

 6日の安全対策協議会では、各社が安全に対する取り組みも発表する。同労働局安全衛生課の尼崎万智子課長は、「労災事故で死者が出るのは、経営者に重大な責任があるということを認識してほしい」と注意を呼びかけている。

Report: Broken leg causes deadly crane collapse 05/30/08(Source: Shanghai Daily)

ONE of a gantry crane's flexible legs broke, triggering a collapse that killed three operators and injured two security guards at Hudong-Zhonghua Shipbuilding Group in Pudong this morning, Xinhua news agency reported, citing a preliminary investigation of the accident.



Two gantry cranes, weighing 600 ton each, toppled together about 12:20am when lifting 900 tons of materials. Three crane operators fell from 60 meters and died immediately, the report said.

Two security guards patrolling the area were crushed by debris. One guard was seriously injured. Both were being treated at nearby East Hospital, the report added.

The cranes were operating normally and the lighting was standard, a Xinmin Evening News report said, citing a senior official of Hudong-Zhonghua.

The noise from the collapse was so loud that nearby residents thought it was an earthquake, one person living in the area told Xinmin.



Police set up a restricted area around the site.

The report added that there was a possibility that another crane might collapse.

Hudong-Zhonghua Shipbuilding Group at No. 2851 Pudong Avenue is a subsidiary of China State Shipbuilding Corporation, the country's main ship manufacturer.

On July 17, 2001, a 4,000-ton gantry crane carrying a crowd of workers toppled at the same site, killing 36 people, including nine supervisors or professors from Tongji University's Engineering School, the report said.

船舶塗装クレーン倒れ、ゴンドラの2人死傷 下関 05/22/08(朝日新聞)

 22日午後0時10分ごろ、山口県下関市長府港町の港湾整備会社「関門港湾建設」の敷地内で、作業中のクレーンが倒れ、作業員2人が死傷した。長府署の調べでは、2人はクレーンのゴンドラに乗り、船舶の塗装作業をしていた。何らかの原因でクレーンが倒れて地面に落ち、1人が死亡し、もう1人も負傷したという。

IHI巨額損失:決算虚偽記載で調査 証券監視委 03/29/08(朝日新聞)

 造船・重機大手「IHI」(旧石川島播磨重工業、東京都江東区)の巨額損失問題で、証券取引等監視委員会が証券取引法違反(有価証券報告書の虚偽記載など)の疑いで調査を始めたことが分かった。経理書類を任意提出させるとともに担当者から事情聴取している。調査には少なくとも数カ月を要する見通しで、約16億円と過去最高額の課徴金を勧告する公算が大きい。

 調査の対象は(1)連結営業利益約10億円を計上した06年9月期の半期報告書(2)連結営業利益約246億円を計上した07年3月期の有価証券報告書。同社は昨年12月「計上すべきコストが含まれていなかった」などとして(1)を営業損失約87億円(2)を同約56億円とする訂正報告書を提出した。

 証券監視委は訂正幅が大きいうえ、赤字決算を黒字として公表した事実を重視。「証券市場に重大な影響を与えた」として調査を開始した。07年1~2月(1)に基づいて新株約639億円、同6月に社債300億円を発行しているため「いつ決算の誤りに気づいたか」を焦点に調査を進めているとみられる。

 虚偽と知りつつ新株と社債を発行していた場合、悪質性から刑事事件化する可能性がある。しかし、証券監視委は「社債発行後にミスに気づいた」との見方を強めている。

 ただ、ミスであっても結果的に虚偽の決算書類を提出すれば、修正幅が大きい場合課徴金を科される。増資額や時価総額などを基に算出する課徴金の総額は約16億円となり、これまで最高だった日興コーディアルグループの5億円(07年1月納付命令)を大幅に上回る見通しだ。

 損失の大部分を生み出した当時のエネルギー事業本部長(07年12月末に取締役兼執行役員を辞任)は毎日新聞の取材に「業績悪化の可能性を認識したのは昨年7月下旬。損失額を把握できたのは8月で、盆明けに社長に報告した」と説明している。【堀文彦】

 【IHIの巨額損失問題】 昨年9月、火力発電所ボイラーの生産遅れなどが原因で最大約850億円の営業損失が発生すると公表。同12月、うち約302億円を07年3月期決算に計上する大幅な訂正を行った。併せて06年9月期の半期報告書も修正し、釜和明社長ら14人を処分した。東京証券取引所は「管理体制に問題がある」として、改善状況の報告を義務付ける特設注意市場銘柄に指定している。

クレーン倒壊 川崎造船を行政指導 神戸東労基署 03/14/08(神戸新聞)

 川崎造船神戸工場(神戸市中央区東川崎町)でクレーン(高さ約五十メートル、総重量八百トン)が倒壊し、七人が死傷した昨年八月の事故で、神戸東労働基準監督署は十三日、同社に対し、危険性が高い作業については事前に計画書を十分に点検することなどを求める行政指導をした。

 同労基署は、新しい機械の設置時などに作業計画書を届けることを義務付けた労働安全衛生法違反での立件も検討したが、今回の作業は同法の内容に当たらないと判断し、行政指導にとどめた。

 指導では、問題点を▽計画書が万全でなかったために事故が起きた可能性がある▽社内に今回と同様の作業をした経験者がいたにもかかわらず、十分な助言を得ていなかった▽同社の別の工場で近年、同様の作業をしたが、情報の共有が十分でなかった-などとし、改善と再発防止を求めた。

 川崎重工業の広報室は「指導を真しに受け止め、再発防止に取り組みたい」と述べた。

IHI、損失把握は昨春 社債発行前 調査報告とズレ 02/27/08(朝日新聞)

 巨額損失が発覚したIHI(旧石川島播磨重工業)が発表済みの07年3月期連結決算を黒字から赤字に訂正した問題で、決算発表前の昨年4月時点で業績悪化の事実を同社が認識していたことが、内部文書などから明らかになった。釜和明社長が昨年12月に公表した社内調査報告書は、業績悪化を把握したのは昨年7月としていた。虚偽の報告をまとめた社内調査委員会のトップだった釜社長ら経営陣の責任問題に発展しそうだ。

 証券取引等監視委員会は、IHIが事実と異なる決算結果を記載した有価証券報告書に基づいて07年初めに増資を行った疑いがあるとして、課徴金の対象になるか調査する方針を固めている。IHIは昨年6月にも社債を発行して300億円を調達しているが、業績悪化の事実を伏せたことで自社に有利な条件で資金調達したことが確認されれば、社債発行の経緯も金融当局の調査対象に加わる可能性がある。

 IHI株の上場維持を決めた東京証券取引所も、「組織ぐるみで悪質性が高い」と判断した場合は、改めてIHIから事情を聴くことになりそうだ。

 関係者によると、850億円にのぼる損失の約半分を計上したボイラー事業を所管するエネルギー事業本部は、昨年4月に業績悪化を把握。事業本部長に就任した前執行役員(6月から取締役、昨年12月辞任)が中心となって実態調査を始めた。

 同事業本部が昨年5月に作成した内部文書には、最終的に多額の損失を計上することになる神奈川県と愛媛県のボイラー工事について、すでに昨年3月時点で数十億円単位の損失が発生していたことが記載されていた。こうした損失額は、IHIが昨年5月に発表した07年3月期決算には計上されていない。

 複数の関係者によると、釜社長や当時の伊藤源嗣会長(現相談役)は昨年4月から6月にかけて、前執行役員らから業績悪化した事業の損益見通しについて報告を受けた。ボイラー事業以外の部門の幹部も、所管する事業の業績悪化について報告したという。

 IHI広報室は、昨年春に業績悪化を把握していたとする内部文書について「現場担当者はコストを多く見積もる傾向にあるため、(そこでの損失を)そのまま決算に反映していない」と反論。昨年春の時点で会社首脳に業績悪化を説明したかについては「事業全体について一定のリスクを伝えたことはあるが、事業ごとの損益見通しは報告していない」と否定している。

    ◇

 〈IHIの巨額損失〉 IHIは昨年9月、国内外のボイラー事業などで巨額損失が発生したと公表。同12月には約850億円の損失を決算計上することを決めた。その結果、昨年5月に246億円の営業黒字と発表していた07年3月期連結決算は56億円の営業赤字に訂正。06年9月中間決算も10億円の営業黒字から87億円の営業赤字に訂正された。東京証券取引所は今月9日付でIHI株を、投資家に注意喚起するために設けた「特設注意市場銘柄」に初指定した。

朝日新聞(2007年12月15日)より

ツネイシHD

違法埋め立て地 5億円購入

朝日新聞(2007年12月15日)より

IHI、営業赤字544億円

9月中間決算 社内くすぶる不満

中国新聞(2007年12月5日)より

外国人研修の監督強化

広島労働局 入国管理局 造船業界を合同で

中国新聞(2007年12月7日)より

「ツネイシへ売却」報告

違法埋め立てで中国財務局

IHI事故:爆発した運搬船の隔壁内に換気装置なし 愛知 09/06/07(毎日新聞)

 愛知県知多市のIHI愛知工場で先月6日、作業員6人が死傷した爆発事故で、爆発した大型運搬船内の隔壁内に、空気を外部へ送り出す換気装置が設置されていなかったことが5日、分かった。県警は換気が不十分だったため、作業で使用した引火性の高い塗料が気化して隔壁内に充満し、爆発した可能性が高いとみて、関係者を業務上過失致死などの疑いで調べている。

 県警や半田労働基準監督署によると、換気が不十分な空間で塗装などの作業をする場合、塗料が揮発して引火する可能性があるため、労働安全衛生法で換気が義務付けられている。しかし、事故があった隔壁内には、外部から空気を送り込む装置はあったが、内部から空気を送り出す装置がなかったという。

 爆発が起きたのは、建造中だった運搬船の船倉の隔壁内。作業員8人が、船を浮揚させるための空気をためる船底のブース内で隔壁の塗装作業をしていたところ爆発し、2人が死亡、4人が重軽傷を負った。【米川直己】

朝日新聞(2007年9月4日)より

安全衛生対策 造船事業者の85%違反

広島労働局 事故防止へ点検呼びかけ

クレーン倒壊に関する興味深いコメントを見つけた。(年金者の戯言帖より) クレーンについて知識があるようだ。興味がある方は参考に!

造船ブログも参考に!

クレーン倒壊で川崎造船を行政指導へ 兵庫労働局 08/31/07(神戸新聞)

 川崎造船神戸工場(神戸市中央区)のクレーンが倒壊し七人が死傷した事故で、兵庫労働局は三十日、川崎造船に対し、九月初旬にも労働災害防止に向けた行政指導をすることを明らかにした。

 事故原因は調査中だが、八月六日に愛知県の造船所でガス爆発による死者が出るなど、造船業界で重大事故が相次いだことを重視。調査結果を待たずに指導する異例の措置に踏み切る。

 三十日、神戸市内で開いた会見で八田雅弘労働局長が明らかにした。同労働局は、川崎造船の社長ら経営陣から、製造現場の安全管理体制などについて事情を聴いた上、再発防止に向けた対策を徹底するよう指導する。

 原因の調査中に行政指導することについて、八田局長は、造船工場で事故が相次いでいることを指摘し「早急に安全対策や事故防止の徹底を求めたい」と述べた。

 さらに同労働局は近く、兵庫県内に造船工場を持つ約四十社に設備や機械の点検をするよう文書で要請。八田局長は「比較的規模の大きい事業所には労働局職員が出向き、安全操業の徹底を求める」とした。

 川崎造船神戸工場での事故については、兵庫県警捜査一課や厚生労働省が原因を調べている。

生産の一部、坂出工場へ移管検討 川崎造船事故 08/26/07(神戸新聞)

 クレーン倒壊事故で神戸工場の操業を停止させた川崎造船(神戸市中央区)は二十五日、「全面再開のめどは未定」(藤本立樹・取締役神戸工場長)として、坂出工場(香川県)へ生産の一部移管も検討する考えを明らかにした。これまで多くの受注を抱え、フル操業を続けてきたが、操業停止が長引けば、親会社・川崎重工業の連結決算にも影響しそうだ。

 川崎造船は二〇〇二年、川重から分社。川重グループの造船部門の売上高は千八十八億円で全体の7・5%(〇七年三月期連結決算ベース)にすぎないが、海運需要の増加を追い風に、一一年三月期の収益は〇七年三月期の倍増を目指している。

 今後の需要増や韓国・中国のライバル企業との受注競争を見据え、〇七年度から二年間で約百三十五億円を投じ、神戸、坂出工場の生産を強化する計画。神戸工場でも、今回倒壊したのとは別のクレーンを更新する予定だった。

 倒壊したクレーンは、船体の最終組み立てを行う「第四船台」にある。事故の検証などを終えて再稼働させないと、工程に遅れが生じかねない。

 同工場は現在、ばら積み船三十一隻の受注を抱え、十七隻目を建造中。二十五日の会見で河部香副工場長は「(残りの受注分の)建造を進めるため、生産の一部を坂出工場に振り替えられるかなどについて検討したい」と述べた。

(段 貴則)

難作業、準備に甘さ 修理は数十年ぶり 08/26/07(神戸新聞)

会見を開き、倒壊したクレーンの作業状況などを説明する川崎造船神戸工場の河部香副工場長、藤本立樹工場長、竹田俊志生産管理グループ長ら(左から)=25日午後2時すぎ、神戸市中央区東川崎町  数十年ぶりのクレーンの修理は、三人が死亡、四人が負傷する惨事を招いた。二十五日、神戸市中央区の川崎造船神戸工場で起きた労災事故。注意を要する難しい作業にもかかわらず、同工場は手順などを記した計画書を作成せず、マニュアルもなかった。事前にクレーンメーカーに相談もしておらず、手探りともいえる作業の実態が明らかになった。

 同社によると、このクレーンは一九六四年、浦賀重工(現住友重機械工業)が製造。工場内に同種のクレーンは十基稼働していたが、ベアリング交換は、このクレーンで七〇年前後に一回行っただけ。当時の作業の計画書などは残っていないという。

 今回の作業計画は、二十三日に決定。前回の作業経験者も一人いたが、計画を記した書面は作成せず、口頭で計画を確認したらしい。同社は「今回の修理工事は労働安全衛生法で届け出がいる工事には当たらない」と説明。重さ五百トンのクレーン上部を持ち上げる油圧ジャッキ自体の点検も義務はなく、行っていなかった。

 同日の会見で、河部香副工場長は、四基のジャッキに均等に圧力がかからず、バランスを崩した可能性について「それも(原因を考える)一つになる」と述べた。

 工事ではバランスをとるため、クレーン上部と下部をチェーンとワイヤで結んでいた。あるクレーンメーカーの元技術者の男性(69)は「クレーン上部の重量に対し、チェーンやワイヤの強度が弱すぎたのでは。ジャッキは四方にかけても、まっすぐ上げるのは難しい」と指摘した。一方、住友重機械の広報担当者は「クレーンのベアリング交換は、めったにない大きな工事。事前に相談してもらった方が安全だっただろう」と話した。

■「夫の死、信じられない」

 朝、元気に出勤したばかりの夫や父が帰らぬ人となり、家族に突然の悲報が届いた。七人が死傷する事故を起こした川崎造船の谷口友一社長は遺族らを訪ね、謝罪の言葉を繰り返した。

 亡くなった赤瀬祐三さん(55)=高砂市=は職場長を務め、勤続約四十年のベテランだった。この日は地上十二メートル部分で、クレーン上部をジャッキで持ち上げる作業を指揮していたが、倒壊し、地面に落下した。

 搬送先の神戸市立医療センター中央市民病院にかけつけた息子は動揺した様子で、涙をぬぐいながら携帯電話で関係者に連絡をとっていた。午後十時ごろには、高砂市の自宅に谷口社長ら幹部が訪れて謝罪。誠意を持って遺族支援に取り組んでいく考えを示した。

 篠原武史さん(40)=神戸市灘区=はクレーンの地上三十一メートル部分から転落した。自宅近くの男性(31)は「優しそうで、休みの日は車で娘と出かけていたのに…」。妻は「状況が分からない。亡くなったなんて信じられない」と言葉少なに語った。

 篠原さんと同じ場所から転落し、死亡した山本和夫さん(55)=神戸市垂水区=は、派遣社員として神戸工場に勤務。孫の手を引き、生田署にかけつけた長女(23)は「言葉が出てこない」と、ぼう然とした様子。親族の女性も「家族のことを思って働き、仕事熱心だった」と話し、両手で顔を覆った。

修理計画書作らず 県警、捜査に着手 神戸・クレーン倒壊 08/25/07(神戸新聞)

検証作業のため、クレーンが倒壊した現場に立ち入る労働基準監督署の署員ら=25日午後2時4分、神戸市中央区東川崎町3、川崎造船神戸工場

 神戸市中央区の川崎造船神戸工場で、「走行式ジブクレーン」(高さ五十メートル、総重量八百トン)が倒壊し、三人が死亡、四人が重軽傷を負った事故で、クレーン上部を支えるベアリングを交換するため、油圧式ジャッキで持ち上げた直後にバランスが崩れ、倒壊したことが二十五日、分かった。また事前に作業の具体的な計画書を作らずマニュアルもないことが判明した。兵庫県警捜査一課と生田署は、業務上過失致死傷容疑で捜査。同課などは二十六日に現場検証し、ジャッキの不具合や作業計画などに問題がなかったかどうかを調べる。

 県警の調べで、高砂市曽根町、同工場整備職場長の赤瀬祐三さん(55)と神戸市灘区岩屋北町二、同社社員篠原武史さん(40)のほか、同市垂水区美山台一、派遣会社社員山本和夫さん(55)の死亡も確認された。

 同社などによると、倒壊したクレーンは一九六四年に設置された。今月二十三日、アームと主軸のクレーン上部を支えるベアリング部分から異音がし、点検でも破損が見つかったため、この日交換作業をしていた。ベアリングは直径一・二メートル、高さ〇・四六メートル、重さ二トンの円筒形。

 作業は午前八時から始まり、作業員八人と安全管理員一人で担当。クレーンの地上十二メートルに赤瀬さんら作業員六人、三十一メートルに篠原さんと山本さんが上っていた。

 十二メートル付近の作業場に四基のジャッキを設置。一平方センチメートル当たり二百キロの圧力でクレーン上部を三-四センチ持ち上げ、ベアリングを交換する計画だった。だが、持ち上がらず、圧力を同三百キロに上げた直後に、クレーン上部がずれ落ち、そのまま倒れた。持ち上げられたクレーン上部がバランスを崩したとみられる。

 同工場内では、同種のクレーンが十基稼働していたが、ベアリングの交換は、今回のクレーンで七〇年前後に一度行われただけだった。

 また、川崎造船の谷口友一社長は同日夜、死亡した赤瀬さんの高砂市の自宅を訪問。谷口社長は「大きな事故を起こし大変申し訳ない。事故の原因を徹底的に究明します」と遺族に謝罪した。

     ◇

 負傷者は次の通り。(敬称略)

 重傷=川崎造船社員廣瀬昌宏(33)▽軽傷=同・木下努(59)、同・定(さだ)隆行(52)、川重神戸サポート社員高木彰一(59)

クレーン倒壊、3人死亡4人重軽傷 川崎造船神戸工場 08/25/07(神戸新聞)

 二十五日午前九時四十分ごろ、神戸市中央区東川崎町三、川崎造船神戸工場内で、造船作業で使う「走行式ジブクレーン」(高さ五十メートル、総重量八百トン)が倒壊した。作業中の高砂市曽根町、同工場職場長の赤瀬祐三さん(55)ら三人が全身打撲などで死亡、四人が重軽傷を負った。兵庫県警捜査一課と生田署は業務上過失致死傷の疑いで捜査。事前に作業の計画書をつくらずマニュアルもなかったため、二十六日にも現場検証して、作業手順などに問題がなかったどうかを調べる。

 同署の調べによると、ほかに死亡したのは、神戸市灘区岩屋北町二、同社社員篠原武史さん(40)、同市垂水区美山台一、派遣会社社員山本和夫さん(55)。

 同社などによると、クレーンは八十トンをつり下げることができ、アームを動かして船舶部材の鋼製品を運ぶ。今月二十三日、アームの主軸を支え回転するためのベアリングから異音が出たため、この日、ベアリングの交換作業をしていた。ベアリングは直径一・二メートル、高さ〇・四六メートル、重さ二トンの円筒のような形。

 作業は午前九時ごろから始まり、作業員八人と安全管理員一人で担当。クレーン本体の地上十二メートルに作業員六人、三十一メートルのところに二人が上り、油圧式ジャッキ四基でアームを持ち上げベアリングを交換しようとした。しかしアームが動かず、油圧を上げたところ、主軸が地面にずれ落ち、はずみでアームが倒れたという。

 赤瀬さんは地上十二メートル、篠原さんと山本さんは地上三十一メートルにいて、地面に投げ出された。

 同社は会見を開き、藤本立樹神戸工場長が「重大な災害を発生させ、申し訳ない」と陳謝。竹田俊志生産管理グループ長が事故の概要を説明したが、原因については「調査中」とした。

 川崎造船は二〇〇二年十月、川崎重工業の造船部門が独立して発足した。神戸工場は本社工場。超高速旅客船(ジェットフォイル)や潜水艦などを建造している。

     ◇

 負傷者は次の通り。(敬称略)

 重傷=川崎造船社員廣瀬昌宏(32)▽軽傷=同・木下努(58)、同・定隆行(51)、川重神戸サポート社員高木彰一(59)。

造船所だけでなくクレーンを所有、使用している企業も同様の問題を抱えている 可能性は高い。

川崎造船神戸工場のクレーン倒壊で、兵庫県警が現場検証 08/26/07(朝日新聞)

 神戸市中央区の川崎造船神戸工場で、クレーンが倒壊して作業員7人が死傷した事故で、兵庫県警は26日、業務上過失致死傷容疑で現場検証した。県警は、部品交換のために重さ約500トンのクレーン上部をジャッキアップする際、上部のバランスの状況と、4基あったジャッキの力のかかり方がからみあって倒壊につながった可能性があるとみて、事故のメカニズムの解明を進める。

 調べなどによると、24日にクレーン上部を回転させるベアリングの一部に破損が見つかったため、同社は25~26日の予定でベアリング交換作業を開始。このクレーンは43年前の使用開始の数年後にベアリング交換を1度実施しており、当時の作業と同じ手順で進めることにしたという。

 事故当日の25日、クレーン上部の根元の4カ所に油圧ジャッキをあて、3~4センチ持ち上げるため、ジャッキの圧力をあげた際に倒壊した。

 現場検証には、生田署員ら約40人のほか、兵庫労働局、神戸東労働基準監督署の職員ら約10人も参加した。担当者らから説明を受け、倒壊したクレーンの部品を写真撮影するなどしたほか、同型機のベアリング部分の構造などを確かめた。

神戸・クレーン倒壊:500トンが一気に、騒然 青ざめる現場の同僚 /兵庫 08/26/07(毎日新聞)

 ◇7人死傷 「すまない」工場長沈痛

 「地鳴りのような音がして、一気にクレーンが崩れた」。神戸市中央区の川崎造船神戸工場で25日に起きた事故は、作業員7人が死傷する惨事となった。川崎重工業グループの船舶建造を担う拠点工場第1ドック付近。500トンのクレーン上部が倒れ、現場は騒然となった。記者会見した藤本立樹・神戸工場長は「すまない、というおわびの気持ちでいっぱいです」と沈痛な面持ちで謝罪した。【内田幸一、津島史人、酒井雅浩】

 クレーン倒壊時、近くの建物にいた男性作業員(35)は地面が揺れて外に飛び出した。土煙が高く上がっていた。「鉄骨が折り重なっていて、一生懸命どかした。助け出され、何とかなりそうと思ったが…。亡くなった3人はよく知っている。言葉が出てこない」と肩を落とした。別の男性作業員(45)は「地鳴りに振り向いたら、いつもの場所にクレーンがなく、驚いた。しばらく揺れが収まらなかった」と青ざめていた。

 海を隔て、現場の北にある中突堤を散歩していた同区内のビル管理業の男性(68)は倒れていくクレーンを目撃した。「びっくりして、あわてて110番をした」と話す。

 発生から約3時間後の会見には藤本工場長ら工場幹部が出席し、事故の概要や作業内容について説明した。藤本工場長は「重大災害が発生いたしまして、関係者の皆さまに多大なるご迷惑をおかけしました。誠に申し訳ありません」と頭を下げた。

 同市中央区の県災害医療センターには、死傷者の家族たちが駆け付け、突然の悲報に接した。亡くなった山本和夫さんの父は「クレーンが倒れて放り出されたと聞いてきた。仕事の話はほとんどしていないが、誇りを持ってやっていたようだ」と声を震わせていた。

 同区の市立医療センター中央市民病院を訪れた同僚の男性は「まさかこんなことが起きるなんて。事故を聞いて心配でたまらず駆け付けたが、運ばれた同僚には会えず、家族にも会えなかった」と言葉少なだった。

 川崎造船は、02年10月に川崎重工業から分社化して、設立された。1881年開設の川崎兵庫造船所から引き続く川崎造船神戸工場には、死傷者のうち5人が所属の工作部のほか修繕部、潜水艦設計部などがある。

 ◆死傷した方々

 死傷者7人は次の方々。

 <死亡>赤瀬祐三さん(55)=高砂市曽根町▽篠原武史さん(40)=神戸市灘区岩屋北町2▽山本和夫さん(55)=同市垂水区美山台1<重傷>広瀬昌宏さん(33)=明石市大久保町松陰<軽傷>木下努さん(59)=神戸市西区王塚台4▽定隆行さん(52)=三木市志染町細目▽高木彰一さん(59)=姫路市大塩町汐咲1

〔神戸版〕

地響き、対岸まで 青ざめる作業員ら クレーン倒壊 08/25/07(神戸新聞)

 高さ約五十メートルのクレーンが土台部分で折れ、地面にたたきつけられた。神戸市中央区東川崎町三の川崎造船神戸工場で二十五日、三人が死亡、四人が重軽傷を負った労災事故。重さ約八百トンの鉄の塊は砂ぼこりを巻き上げ、地響きが対岸のメリケンパークにまで響いた。現場にいた作業員は「何が起きたか分からない」と青ざめていた。

 惨事はクレーンを修理中、突然、起きた。クレーンは土台部分の三十メートルを残し、約二十メートルが根本からひしゃげるように、地面に横たわった。

 市消防から救急車やレスキュー車計六台が到着。救急隊員らが地面にシートを敷き、負傷した作業員らを応急処置した。約二十人の記者やカメラマンが集まり、上空には報道用ヘリコプター二、三機が舞うなど、現場は騒然となった。

 事故当時、九人がクレーンの上で作業していた。地上十二メートル部分にいたが、けがはしなかった男性作業員は「ジャッキを使いベアリング部分を交換していると、突然、ベアリングが下に抜け落ちる感じで、(クレーンが)倒れた。何がなんだか分からなかった」とぼう然としていた。

 クレーン修理とは別の作業をしていた男性も「がらがらと崩れる音がして地響きみたいだった。まさかクレーンが崩れるとは…」。現場にかけつけた男性従業員(64)も「いままでこんな事故は一度もなかった。きちんと安全点検をしているはずだが」と驚いていた。

 メリケンパークから倒れる様子を目撃した男性(68)は「クレーンがゆっくり動きながら、急に動きが速くなって倒れた。地響きはメリケンパークまで響き、何があったのかと思い、一一〇番した」と青ざめていた。

 現場付近には兵庫県警が立ち入り禁止のテープが張り、ヘルメットをかぶった社員らがこわばった表情で捜査員から事情を聴かれた。

 同様の型をした修理用のクレーンが十基あり、うち三、四基が海沿いの作業場に並んでいるという。そのうち、倒れたクレーンはもっとも陸側にあり、海に向かって倒れている。

 川崎造船は午後一時から同工場内で会見。冒頭で謝罪した藤本立樹工場長は「関係者にご迷惑をかけ、誠に申し訳ない。亡くなられた方、けがをされた方、ご家族におわびの気持ちでいっぱいです」と頭を下げた。

川崎造船神戸工場でクレーン倒壊、3人死亡4人重軽傷 08/25/07(読売新聞)

 25日午前9時50分ごろ、神戸市中央区東川崎町の川崎造船神戸工場で、造船用クレーン(高さ約50メートル、約800トン)のアーム部分(高さ約30メートル)が倒れた。

 兵庫県警生田署などによると、近くでクレーンの修理作業をしていた同社の作業員ら9人のうち、同県高砂市の赤瀬祐三さん(55)ら3人が死亡、4人が重軽傷を負った。

 ほかに死亡したのは、神戸市灘区の篠原武史さん(40)と、同市垂水区の山本和夫さん(55)とみられ、同署で確認をしている。

 調べでは、午前8時15分ごろから、作業員がクレーン部品の交換作業のため、主軸を動かそうとしていた。クレーンは、工場敷地内の中央付近にあり、アーム部分は「く」の字形に折れ曲がって、一部は隣接する工場の屋根に突き刺さった。クレーンは造船用の資材を運ぶためのものという。

部品交換中にバランス崩す 神戸のクレーン倒壊事故 08/26/07(朝日新聞)

 神戸市中央区の川崎造船神戸工場で25日、クレーンが倒壊して作業員3人が死亡した事故で、クレーンは部品交換のためのジャッキアップ作業中にバランスを崩して倒れていたことが、生田署の調べでわかった。けが人は重傷1人、軽傷3人となった。同署は業務上過失致死傷容疑で、26日午前から現場検証し、作業方法に問題がなかったかなどを調べる。

 同署の調べなどによると、クレーン(高さ約50メートル)はアーム(長さ45~50メートル)のある上部(重さ約500トン)と、それを支える下部(重さ約300トン)で構成。上部を支える根元部分(地上約12メートル)で、上部が回転するためのベアリングを交換する作業中、根元を油圧式ジャッキで3~4センチ持ち上げようとしたが上昇しなかったため、さらに強く油圧を加えた際、クレーン上部が地面にずれ落ち、下部の一部を壊しながら倒れたという。

 死亡した川崎造船社員篠原武史さん(40)=神戸市灘区岩屋北町2丁目=と派遣会社員山本和夫さん(55)=同市垂水区美山台1丁目=は、地上約31メートルのクレーンの作業台で上部の上昇具合を確認していて転落。根元部分の作業台には6人いたが2人が転落し、このうち川崎造船社員赤瀬祐三さん(55)=兵庫県高砂市曽根町=が死亡した。

    ◇     

 亡くなった3人の遺族や近所の人らは、悲しみにくれた。

 篠原武史さんは、妻と幼い長女の3人家族。近く「班長」昇格が決まっていたという。母親は搬送先の病院で「子どもも小さいのにどうして……」と涙を見せた。

 赤瀬祐三さんは妻と子どもの4人家族。近所の人によると、自宅には船の写真が飾ってあり、「わしらが造ったんや」とうれしそうに話していたという。

 山本和夫さんは昨年、初孫を迎えたばかり。近所の人は「『本当にかわいい』と孫を抱きながら笑顔を見せていた。あんなにうれしそうだったのに……」と話した。

クレーン倒壊、3人死亡4人重軽傷 川崎造船神戸工場 08/25/07(朝日新聞)

 25日午前9時50分ごろ、神戸市中央区東川崎町3丁目の川崎造船神戸工場のドックで、大型クレーン(高さ約50メートル、重さ約800トン)の一部が折れて倒壊した。周囲にいた作業員らが巻き込まれ、生田署によると、3人が死亡したほか、2人が重傷、2人が軽傷を負った。同署が業務上過失致死傷の疑いで調べている。

 死亡したのは兵庫県高砂市曽根町、同社員赤瀬祐三さん(55)▽神戸市灘区岩屋北町2丁目、同篠原武史さん(40)▽同市垂水区美山台1丁目、協力会社員山本和夫さん(55)。

 調べでは、作業員計9人でクレーンの部品交換などの修理作業にあたっていたところ、地上12メートルのクレーンの回転部分が破損。これをきっかけに部材が折れてクレーンが倒壊したらしい。作業員は7人がクレーン上に、2人が地上にいたという。亡くなった赤瀬さんは現場責任者で、事故当時は地上にいたらしい。

 倒れたクレーンは、造船用の「走行ジブクレーン」と呼ばれるもので、約80トンのつり上げ能力があるという。

 川崎造船の藤本立樹・神戸工場長らは同日午後、川崎重工業神戸工場で会見し、「重大な災害を発生させ、申し訳ない。亡くなられた方々のご冥福を祈るとともに負傷した方、家族におわびの気持ちでいっぱいです」と陳謝した。原因については「調査中」と述べた。

危険と効率は反比例。チェックを厳しくすることは、時間や労力がかかる。 働く人間も結果が死亡となっただけで、まさか、自分が死ぬなんて思っていもいなかっただろう。

死亡事故なんてどこでも起きる。企業に法令を順守するだけのゆとりがあるか、 企業がどれだけ利益を優先にしているのか、そして運が悪いのか? 1つの要素さえあれば、事故の確率は違うが、事故は起きる可能性がある。

船内爆発事故:死者2人に 原因は揮発塗料引火か 愛知 08/11/07(毎日新聞)

 愛知県知多市北浜町のIHI愛知工場で6日、建造中の大型運搬船内で起きた爆発事故で、意識不明の重体だった同市日長台、塗装工、山高聡一さん(24)が11日午前、入院先の名古屋市内の病院で死亡した。死因はやけど。この事故の死者は2人、重傷1人、軽傷3人となった。

 県警捜査1課と知多署の調べでは山高さんは、死亡した知多市日長台、塗装工、杢尾(もくお)龍己さん(24)と一緒に、爆発が起きた船体を区切る隔壁の内部で塗装作業をしており、2人は爆風で約20メートル吹き飛ばされた。同課は隔壁内で揮発した塗料が引火した可能性があるとみて、現場から発見されたライターなどとの関係を調べている。【月足寛樹】

IHI爆発事故:ライターとたばこ発見 愛知県警 08/08/07(毎日新聞)

 愛知県知多市北浜町のIHI(旧・石川島播磨重工業)愛知工場で6日、作業員6人が死傷した爆発事故で、爆発のあった大型運搬船内の隔壁の外側付近で、持ち込みが厳禁されている複数のライターと数本のたばこが発見されていたことが8日、分かった。県警捜査1課と知多署は爆発との関連を慎重に調べている。

 調べによると、爆発は船体内を区切っている隔壁の内部で起きたとみられるが、ライターなどは隔壁の外側の船底で見つかった。6人が隔壁内部で壁の塗装作業に使っていた塗料は引火性で、揮発して爆発を起こす可能性があることから、現場は労働安全衛生法で火気の使用が禁止されている。IHI側は6日夜、「現場責任者が火気の持ち込みの有無を確認しているが、事故当日に確認をしていたかは不明」などと説明していた。

 死亡した塗装工の杢尾(もくお)龍己さん(22)=同市日長台=と重体の山高聡一さん(24)=同=は爆風で約20メートル吹き飛ばされたという。ライターなどが発見されたことについて、IHI広報室(東京)は「コメントできない」などと話している。【桜井平】

愛知の造船所事故、隔壁内部で爆発か 空洞にガス充満? 08/07/07(朝日新聞)

 6人の作業員が死傷した愛知県知多市のIHI(旧石川島播磨重工業)愛知工場造船ドックでの事故で、爆発は空洞になっている隔壁の内側で起きた可能性が高いことが7日、わかった。死亡と重体の作業員2人は隔壁内部で塗装中だったという。県警は空洞内に充満したガスが何らかの原因で引火した疑いもあるとみて、業務上過失致死傷容疑で調べを進める。

 軽傷の作業員らから事情聴取した結果、全身やけどで死亡した杢尾龍己(もくお・たつみ)さん(22)と重体になっている山高聡一さん(24)の2人が、船体の区画を分ける隔壁の内部に入り込んで塗料を吹き付ける作業をしていたことがわかった。気道熱傷で重傷の久保和英さん(33)ら他の4人の作業員は隔壁の外側で塗装などをしていたという。

 IHIによると、使われていたさび止め用の塗料は引火性があり、濃度によってはライターをつけた程度で爆発する可能性があるという。空洞状の隔壁には4カ所の換気口が開けられていたと説明している。同社は「塗装作業中は火気厳禁にしていた」と説明。現場の作業員に対しては、労働安全衛生法の規則に基づき、たばこやライターなどの持ち込みがないかどうかのチェックを実施していたとしている。

 同日朝から始まった実況見分には、半田労働基準監督署や知多市消防本部も加わり、捜査1課の特殊班の捜査員ら20人以上で当時の換気の状況などを重点的に確認した。爆発時に塗装をしていたが、軽傷だった3人の作業員を立ち会わせ、当時の状況について詳しく説明させていた。

 同労基署は、(1)火気に関するIHIのチェック態勢に不備がなかったか(2)有機溶剤中毒予防規則に定められた通りに適切な換気装置が設置されていたか――などを確認するとしている。

建造中の船舶内で爆発、6人死傷 IHI愛知工場 08/06/07(朝日新聞)

 6日午後5時ごろ、愛知県知多市北浜町のIHI(旧・石川島播磨重工業)愛知工場内にある同社関連会社のドックで、建造中の大型船舶内で塗装作業中に爆発が起きた。知多署によると、現場にいた男性作業員のうち1人が死亡、1人が重体で、1人が重傷。ほかに3人が軽いけがをした。同署で原因を調べている。

 調べによると、死亡したのは作業員杢尾龍己(もくお・たつみ)さん(22)。杢尾さんだけが、ほかの5人と隔壁で分かれた別の区画で見つかった。

 調べでは、爆発があったのは鉄鉱石などを運ぶ20万トン級の大型運搬船の船首と船尾を除いた中央部分。内部が空洞になっている隔壁の内側に塗料を吹きつける作業をしていた。塗っていたのは、腐食防止のための変性エポキシ塗料で、引火性があるという。当時、付近にいた人によると、「ドーン」という大きな音とともに煙が上がった。

 IHIは同日午後8時すぎから記者会見した。それによると、事故があったドックは子会社「アイ・エイチ・アイ・エスエーテック」のもの。今回の造船はIHIが受注してエ社に下請けさせていた。死傷した6人はいずれも孫請けの塗装会社の作業員だったという。

 爆発があった中央部分は長さ約100メートル、幅約60メートル、高さ約30メートル。今月下旬に完成予定だった。区画を仕切る隔壁付近で爆発したという。この日、船内では午前8時から午後5時までの予定で約40人が作業をしていたという。

 同工場は、名古屋港に面する工業地帯にある。周辺には中部電力の火力発電所や製油所などが立ち並ぶ。

 IHIのホームページによると、同工場は敷地面積約73万平方メートル。従業員数は約370人。造船のほか、橋梁(きょうりょう)やシールド掘進機などが主な生産品目だ。

IHI:ガス爆発の愛知工場、実況見分 愛知県警など 08/07/07(毎日新聞)

 愛知県知多市のIHI(旧・石川島播磨重工業)愛知工場内のガス爆発で1人が死亡、5人が負傷した事故で、県警捜査一課と知多署は7日、爆発が起きた建造中の大型運搬船の内部などを実況見分した。見分には県警科学捜査研究所や半田労基署などから約30人が参加。軽傷を負った作業員らも立ち会った。

 県警の調べでは、死傷した作業員6人のうち、死者と重体の2人は船の胴体部分に設けられた隔壁の内部に、他の4人は隔壁の外部にいたことが判明した。爆発当時、引火性の高い塗料が気化して隔壁内部に充満していたとみられ、引火原因などを詳しく調べている。

 県警は7日、死亡した塗装工、杢尾(もくお)龍己さん(22)とみられる男性の司法解剖を行い、死因を調べている。【林幹洋】

愛知県知多市の造船工場で爆発、作業員1人死亡・5人けが 08/06/07(読売新聞)

 6日午後5時ごろ、愛知県知多市北浜町、IHI(旧・石川島播磨重工業)愛知工場敷地内にある造船工場で、建造中の大型貨物船内で爆発が起き、作業員の杢尾龍己さん(22)が全身やけどで死亡。

 作業員1人が意識不明の重体となり、4人が重軽傷を負った。

 調べによると、爆発が起きたのは、穀物などを運ぶ「バラ積船」と呼ばれる貨物船(全長100メートル、幅60メートル、高さ30メートル)の船体の一部で、浮力を調整するために空気をためる空洞内。午前8時から作業員8人が塗装器具を使って、下地を吹き付けていたという。

 造船工場はIHIの子会社の所有で、当時、船内では約40人が作業をしていた。

 県警知多署などは、内部にたまっていたガスが何らかの原因で引火、爆発したとみて、業務上過失致死傷容疑で捜査している。

 現場は、伊勢湾に面した工場地帯の一角。

朝日新聞(2007年6月14日)より

ツネイシの未登録土地

市会委、市域編入を可決

品質管理の人間が、欠陥船と思って言いから二度と来るなと言った造船所だけ事はある。

ある旗国から承認を受けていないのにもかかわらず、証書を発給した検査会社 と関係があるようだが、おかしなことがないことを祈る。時効もあるから、運次第か!

「 県が調査した結果、土地は約40年間、未登記状態で固定資産税も支払われておらず、 約2ヘクタール以外に約100平方メートルの新たな無許可埋め立て地も見つかったという。」

40年しか経過していないのであれば、生きてきる人間はまだいるだろう。 忘れたと言ってしまえば、「はい、それまでよ」だろう。調べるのか、幕引きするのか、担当者次第!

社長に常石造船からFAXが送られたのか、確認してほしいと お願いしたいので会わせてほしいと頼んだが断られた。 広島県の広警察署の平山警部補からは、数社の造船所から同じようなFAXが送られていると言われた。 しかし、これらのFAXは少なくとも同一人物又は、同じような書式で、一般的な会社の形式でないと言ったが、 警察が判断すると言われた。パナマ海運局からの回答だと平山警部補から見せられたFAXには パナマビューローから送られてきたことを示す文字が! パナマ海運局から送られてきたのであれば、カバーページがあると説明したが、警察が判断することだと、 再度、言われた。そして、結果は、

信用するのはHPを見ている人次第であるが、おかしなことがあったのだけは確かだと言いたい。

朝日新聞(2007年5月24日)より

県が8980万円徴収へ

ツネイシHDの無許可埋め立て 原状回復は免除

火災をおこしたパナマ船籍の「オリエンタルブルーバード(ORIENTAL BLUEBIRD)」と 常石造船。おもしろい共通点があった。それは、グリーンピースから嫌われている ことだ。

常石(1) 常石(2) 常石(3) ORIENTAL BLUEBIRD(1) ORIENTAL BLUEBIRD(2)

情報源
常石(1): 環境問題を考える法律家のページより
常石(2): 化学物質問題市民研究会のホームページより
常石(3): Basel Action Networkのホームページより
ORIENTAL BLUEBIRD(1)&(2): Greenpeaceのホームページより

朝日新聞(2007年5月9日)より

停泊のタンカーから出火 常石造船岸壁 乗務員ら無事

国有財産化も ツネイシ無許可埋め立て地 02/28/07(朝日新聞)

 造船企業グループ「ツネイシホールディングス(HD)」(神原勝成社長)の福山市沼隈町の工場敷地内で約2ヘクタールの土地が無許可で埋め立てられていた問題で、県は27日、ツネイシHDに対し、埋め立て前の状態に戻すよう求める方針を示した。同社の申し出で埋め立てをそのまま認める場合は、土地を国の財産にするという。

 県が調査した結果、土地は約40年間、未登記状態で固定資産税も支払われておらず、約2ヘクタール以外に約100平方メートルの新たな無許可埋め立て地も見つかったという。

 この日の県議会建設委員会で、空港港湾部は「公有水面埋立法に基づき、無許可の埋め立てをした同社に原状回復のための措置を回答するよう求める」とした。さらに「同社の申し出により原状回復義務を免除する場合、土地は無償で国有財産となる」とした。

 塩崎正孝部長は委員会の終了後、「免除する場合でも、埋め立て免許申請と同様の手続きを取らせるなど厳しく対応したい。その場合、一般的に土地は国から同社に売却される」と話した。(福家 司)

朝日新聞(2007年2月28日)より

国有財産化も ツネイシ無許可埋め立て地 「原状回復か国有財産」県が方針

工事ミスで水道料35年間未収 02/22/07(中国新聞)

 福山市沼隈町、造船会社ツネイシホールディングスの社員寮が35年間、水道料金を払っていなかったことが分かった。建設時の配管工事ミスが原因とみられる。市水道局は、時効分を除く過去10年間の水道料金相当分約3500万円を請求し、既に納付を受けた。35年間の水道料金は少なくとも4500万円と推定される。同社は1月、埋め立てた工場敷地の一部が40年以上も未登記で固定資産税を払っていない事実も発覚した。

中国新聞(2007年2月22日)より

ツネイシ水道料未納 福山の社員寮35年間10年分3500万円納付

朝日新聞(2007年2月22日)より

常石造船社員寮 水道料未払い35年10年分3500万円支払う

朝日新聞(2007年1月26日)より

2万平方メートル40年未登記 常石造船 固定資産税不払い

神様など信じないが、「神様は見捨てない」と 思わせる出来事!天罰は来ると思いたい! 警察検察 は見捨てたが!

中国新聞(2007年1月19日)より

改装中の船から出火 福山の常石造船 

常石造船で修繕中の船燃える 01/19/07(中国新聞)

18日午後4時45分ごろ、福山市沼隈町常石、常石造船カンパニー常石工場の修繕ドックで、改装工事中の練習船銀河2(4888トン)から出火。船内を焼き、約4時間20分後に鎮圧した。出火当時、船内では約20人が作業をしていたが無事だった。同社によると、銀河2は改装のため11日からドックに入っていた。この日は船首区画でガスバーナーを使い、鋼板を切断する作業などをしていた。

石川島播磨重工業、下請法違反の疑いで公取委から警告 08/25/06(読売新聞)

 石川島播磨重工業(本社・東京)が03年、下請け業者に対し、下請代金支払遅延等防止法(下請法)で渡すことが義務づけられている代金などを示した書面を渡さずに、製品を発注していたなどとして、同法に基づき、公正取引委員会から警告を受けていたことがわかった。

 同社によると、相生工場(兵庫県相生市)で03年3月ごろ、下請け代金を決めないまま口頭や見積もり照会書で事実上の発注をし、製品納入後に代金などを記載した注文書を渡す取引が度々あったという。同5月、公取委から下請法違反の疑いがあるとして文書で警告を受け、改善報告書の提出を求められたという。

 下請法は下請け業者が親事業者から不利な扱いを受けないようにするため、親事業者が発注時に下請け代金や支払期日を記載した書面(注文書)を下請け業者に渡すことなどを義務づけている。

三菱自動車の不祥事を見ればわかる。 大手と言えども、利益第一、コスト第二、安全第三で行っていることを公にした良い例でしょう。 企業の社会的責任 など表向きの隠れみのでしかないことを多くの消費者に伝えたことによる消費者の意識改革 においては三菱自動車は大いに貢献したかもしれない。しかし、これは予測をしていない 貢献であったに違いない。国土交通省を欺くマニュアルまで存在したことについては 検査が甘い、検査をごまかす、検査・監査の厳しさ等の項目が企業の利益やコスト削減に 大きな影響を持っている関係を示した良い例であったと思える。

三菱自動車の不祥事 で三菱重工の事まで新聞の記事で取り上げられるようになった。喜ばしいことである。 これで少しは広警察署に 造船所と検査会社の問題の背景 を理解してもらえたかもしれない。

技術者資格を不正取得 三菱重工28人、実務経歴偽る 12/08/05(読売新聞)

 三菱重工業(本社・東京都)神戸造船所の社員28人が、大規模な工事で配置が義務づけられている国土交通相認定の「監理技術者」資格を不正に取得していたことがわかった。資格者証の交付機関である国交省の外郭団体に対し、同社が一括申請していたが、同社発行の経歴証明書に虚偽記載があった。国交省は虚偽の証明書が組織的に作成された可能性もあるとみて、建設業法違反の疑いで調査を始めた。

 監理技術者は、建設工事の元請け業者が3000万円以上の工事を下請け発注するような大規模工事の施工時に必要な資格。建設業法で、取得には、指導監督的な立場での実務経験が2年以上必要などと定められている。

 三菱重工業によると、不正取得は昨年7月、神戸造船所の社員から社内のコンプライアンス(法令順守)委員会へ寄せられた指摘で判明した。

 社内調査によると、96年から04年にかけて資格者証の交付を受けた社員計28人の「実務経験証明書」には、個別の工事での実務経験月数について、実際には5~20カ月しかないのに、2年以上あると記載されていた。

 同社は、申請者である社員本人の記憶と工事契約書や出張記録などの資料との照合作業を怠った、と説明している。

 同社は今年3月、こうした経緯を国交省の外郭団体「建設業技術者センター」(東京)に報告。センターは9月、同社を通じて資格者証の返還を受け、登録を抹消した。

 国交省建設業課は、虚偽記載が組織的でなかったか、無資格の社員が有資格者として工事に携わらなかったかなどについて、調査を続けている。

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 三菱重工業社長室広報グループの話 手続き上のミスが原因だった。チェック態勢も不十分で反省している。再発防止に努めたい。

海自の護衛艦に不具合、マストのポールに亀裂で部品交換 06/24/04(朝日新聞)  三菱重工業長崎造船所が建造し、昨年3月に就役した海上自衛隊の護衛艦「おおなみ」(基準排水量4650トン)の高さ約28メートルのマストのポールに亀裂が見つかり、ポールの一部を交換していたことが23日分かった。溶接ミスが原因とみられる。

 防衛庁によると、亀裂が見つかったのは今月1日。神奈川県の横須賀基地に停泊中、ポールの上部が曲がっているのに気づいた乗員が点検したところ、ポールの上端から約2.6メートルの場所に、縦に約15センチの亀裂が入っていた。

 ポールには航空灯などが取り付けられている。放置すれば折れる恐れもあったため、海自は三菱重工業に連絡し、同社は4日から8日まで同社横浜製作所でポールの一部を交換した。ポールは四角柱のような形で、金属板をつなぎ合わせた構造になっているという。

 海自は同型のマストを装備する護衛艦を計12隻保有している。7日までに全艦を点検したが、「おおなみ」以外に同様の不具合は見つからなかった。防衛庁では「通常では起こりえない不具合だ」としており、同社には溶接業者への教育を徹底し、社内の品質管理体制を見直すよう申し入れた。同社は謝罪し、再発防止を約束したという。

 「おおなみ」の建造費は約640億円。昨年3月に就役し、横須賀基地第1護衛隊群に所属している。昨年12月には長崎造船所で年次検査も実施されていたが、不具合は見つかっていなかったという。

 同社広報・IR部は「本件については真摯(しんし)に受け止め、ただちに対応させていただいた。これまでも不具合が出ないようやってきたが、今後も最善の努力をしてまいりたい」としている。

まあ、溶接の品質に疑問があるならば、自衛隊は要求するX線検査のポイントを増やせばよい。 これにより溶接問題個所の発見の確立は高くなるであろう。三菱重工については知らないが、ある造船所では 船が引き渡されて出港した後に、小型船で追いかけて検査できるものなら検査しろなどと言う造船所も ある。その造船所が建造した船を検査した検査会社のレベルはこんなもの である。実際の平均的基準のレベルがどれほどかは知らないが、あまりにもひどいケースが存在する。 やり方も結構、汚い場合もある。この検査会社が関与されたと思われる件で広島県の広警察は捜査中で あるらしいが、問題のある検査が行われないように徹底的に背後関係や関与した人からの聞き取りをお願いしたい。 動機の背景に必ずコストや甘い検査等が出て来ると思われる。検査会社の関与が確認できるか、この点についても 捜査していただけることを信じたい。

日本のいくつかの造船所は、検査会社に検査を簡単にしないと他の検査会社に変える、 旗国には、監査を厳しくするなら他の旗国に変えるとほのめかす事により圧力をかけている。 この状況を何とかしてほしいものだ。世界に目を向ける前に、日本の国内事情に目を 向けてほしい。

このような問題を放置して、立派な事を言っても、無理。旗国も多くの船舶を登録したい。 厳しくするなら他の旗国に変ると言われれば、困る。その上、日本のPSCは、一般的に 甘い検査をする。この前、外国のHPで日本は、40隻の貨物船に改善命令を出したと書いて あった。日本は厳しいのか??今まで問題のある船を野放にしてきた結果と思う。何も 知らない人から見ると、勘違いをしそうだ。

大臣に一言あるとすれば、「日本の造船所がどんなことをしているか知っていますか、 お金のためなら、人を陥れる造船所の行為を黙認しているのか、問題を知っているなら、 このような造船所に対して適切な処分をして頂きたい。」と言いたい。

このような造船所が建造した船に対して、ポートステートコントロールは検査をしないんですかね? 「万景峰’92」号だけが特別なんですかね?読売の記事によると、ポートステート コントロールの説明として「外国船舶に対して、入港を許可する寄港国が監督を行う制度。 外国船舶監督官が船内に立ち入り、船舶の構造や設備などが国際的な安全基準を満たしている かどうかを検査する。通常は老朽化した船と新造された船が対象」と書いてあります。

参考として日本国籍の船舶に対する船級協会による検査については、次のようになっています。 「旅客船以外の船舶については、運輸大臣の認定を受けた日本の船級協会 ((財)日本海事協会)の検査を受け、船級の登録を受けた場合には、 船級を有する間一定の事項について国の検査に合格したものとみなされる。 国は﨎日本海事協会に対して検査規程の認可、立入調査等の権限を有するほか、 不正があった場合の罰則等を定めている。 」と OTOのHP(内閣府のHP)で書かれています。このように日本では旗国の監督の権限を 規定しているのです。日本の造船所は、日本国籍の船舶に対して、国土交通省が 立入り調査を行うときは、拒むのでしょうか。それとも、日本籍船舶は建造できない と回答するのでしょうか。

旗国の検査を拒否する造船所は、国土交通省のポートステートコントロールが検査を するべきでしょう。おかしな事をしているのは、日本の造船所です。旗国の責任にする のはおかしい。旗国に圧力をかける造船所は、最悪だ。虚偽の内容の書類を作成する 造船所も最悪だ。

下記で聞くことができる以上の脅しを船長から受けたこともあります。録音していないのが 残念です。悪質な造船所も存在します。国土交通省に改善をお願いしたいものです。

脅された!
 内容の一部

技術倫理について書かれたHPがあります。少なくとも虚偽の内容を書くような造船所は このような技術倫理などないのでしょう。また、これに関与したと推測される検査会社にも 技術倫理など関係ないのでしょう。国立大学を卒業しても、卒業の事実と倫理やモラルが あるかは関係のないことです。日本の不祥事を起こしている企業を見ればわかると思います。 トヨタでさえ、業績(合格者を増やす)のためには試験問題の漏えいが正当化される思う 従業員が存在するのですから。行政が厳しく対応しなければならないでしょう。行政自体にも 問題が存在するのが問題の解決を困難にしているようにも思えます。

企業の社会的責任 を意識し活動する企業が増えている中で、検査をごまかす検査会社と 手を組むなんて時代遅れのようにも感じます。誰にも知られなければ、何をしても良い。 そんな経営体制の会社とモラルのない従業員達はいつか問題を起すでしょう。 三菱自動車のリコール隠しが重工時代からあったのと同じケースではないかと思います。 今、その報いが消費者からの不信=販売低迷の形で出ているかなと感じます。

中国新聞 (06/11/04)より

検査官をごまかす方法や検査官と持たれ合う慣習までは伝承しないでほしいですね。 不適切な検査を行う会社 が存在します。アイエイチアイ マリンユナイティッドはこの検査会社の検査を 受けています。検査を受けるなとは言いませんが、この検査会社に不適切な検査を 行わないように指導してほしいですね。大手のプライドを見せてほしいですね。 やはり、雇用や利益第一で、その他は二の次なのでしょうか。 国土交通省は三菱自動車の不祥事 から監査や検査の方法について考えてほしいですね。日本籍船でなければ関係ない ですか。理論的に考えれば関係ないように思えます。 三菱自動車 の件は関係が大いにあると思いますが。

不正経費処理の30人処分 三菱重工 10/21/06(朝日新聞)

 三菱重工業の長崎造船所と神戸造船所の従業員約30人が、物品購入の際に不正な経費処理をしていたとして、社内の処分を受けていたことが分かった。このうち経費を着服していた神戸造船所の係長1人が諭旨退職処分となった。不正経理の総額は数千万円に上ったという。

 同社によると、両造船所では工具などを購入する際、先に水増し発注して取引先に資金をプール。次回から、正規の手続きを取らずに物品を納入させ、支払った金の一部は手数料として取引先に渡していたという。

中国新聞(2006年10月21日)より

三菱重で裏金作り 水増し発注、39人処分

三菱重長崎のフェリー火災、造船所係長ら4人書類送検 01/11/05(日経新聞)

 三菱重工業長崎造船所で昨年5月に起きた国内最大級のカーフェリー「はまなす」(17000トン)の火災で、長崎県警捜査一課などは11日、業務上失火の疑いで当時の同造船所機装係長(37)ら3人と、関連会社の主事(52)の計4人を書類送検した。

 長崎県警は、2002年10月の豪華客船火災に続き、同造船所で建造作業中の船舶火災が繰り返されたことを重視。消火活動中に1人がやけどを負っており、業務上過失傷害の疑いもあるとみて捜査したが、同容疑での立件は見送った。

 火災は昨年5月9日午後、同造船所立神第二ドックに停泊中だった船内で発生した。発電機の調整作業の不注意で、燃料を送り出すポンプの圧力が上昇。重油が噴出し、高温の排気管にかかって発火し、発電機関室を焼いた。

 県警は、調整作業にかかわった作業員らが作業手順を十分に理解しておらず「火災を予見し、回避する義務に反した」と判断した。〔共同〕

下記の記事は上記とは関係ないですが、事故は起こると言うことでしょう。 まあ、死者が出た事よりも工期が遅れることのほうが実際は痛いんでしょうけど!

鋼材位置調整中に倒壊か 呉の造船所事故 07/07/04(中国新聞)

 ■仮止めの5分後

 呉市昭和町の造船会社アイ・エイチ・アイマリンユナイテッド(IHIMU)呉工場の第三ドックで五日、建造中の大型コンテナ船の船体外板ブロックが倒壊した事故で、発生当時は作業員がブロックを仮止めした後、位置の微調整作業をしていた可能性が高いことが六日、分かった。

 同社によると、鉄製ブロックはクレーンで所定の位置に運び、金具で仮止めをした約五分後に外側に倒れた。呉労基署によると、高さ二十メートルのブロック上にいた四人のうち、取り付け担当が二人いたことなどから、仮止めした位置の調節をしていた可能性があるという。呉署は取り付け担当の一人がブロック上で作業中、隣のブロックとの間にすき間があるのに気付き、下にいたベテラン担当者が確認のために上がったとみている。

 六日は厚生労働省安全衛生部や広島労働局、呉労基署の職員の調査に、午後から工学的観点から事故調査に当たる産業安全研究所(東京)の職員二人も加わった。呉署も、業務上過失致死傷容疑で事故当時の作業状況などを詳しく聴いた。

 同社では、午前八時に作業員ら約千六百人が集まり、二人の犠牲者に黙とうをささげた。鈴木等呉工場長は「安全行動を完全に守り、一層気を引き締めて頑張りましょう」と話した。事故後に再開しているコンテナ船の建造作業は、事故現場付近を除いて続けた。

 同社は「ブロック搭載の作業はしていない。溶接などの作業なので安全」と説明している。

 ■広島労働局が災害対策本部

 アイ・エイチ・アイマリンユナイテッド呉工場で作業員四人が死傷した事故で、広島労働局は六日、「アイ・エイチ・アイマリンユナイテッド災害対策本部」(本部長・河津浩安局長)を設置した。

 本部内に監督、調査、補償の三班を配置。呉労働基準監督署や厚生労働省安全衛生部と連携し、原因究明や再発防止対策などを進める。

 本部設置後、栩木敬労働基準部長が広島市中区の同局で記者会見。五月に実施した主要事業所の一斉監督・指導で、同呉工場では今回の事故とは別の個所で転落防止措置に不備が見つかり、改善を指導していたことを明らかにした。

 広島県内では今年に入って労災事故で三十六人が死亡し、前年同期の二倍に達している。同局は「死亡災害多発対策本部」(本部長・河津局長)も併せて設置した。労働基準監督署長の緊急会議を十三日に開き、管内事業所に対する労働安全指導の徹底を指示。業界団体との合同パトロールなども実施する。

【写真説明】鉄製ブロック(左)が倒壊した付近の船体を調査する呉労基署の職員ら

船体の外側へ鋼材倒れる/呉の造船所事故 07/05/04(四国新聞)

 広島県呉市の造船会社「アイ・エイチ・アイ マリンユナイテッド」(IHIMU)呉工場で作業員4人が死傷した事故で、「外板ブロック」と呼ばれる鋼材(高さ約15メートル、幅約16メートル、厚さ約2・5メートル、重さ246トン)が突然、左舷船底部のブロック上(高さ9メートル)から船体外側へ倒れたことが5日午後、広島県警などの調べで分かった。

 県警は5日午後、業務上過失致死傷の疑いも視野に実況見分を続行。死亡した協力会社社員山崎徳人さん(26)、関連会社社員小林嵩寿さん(19)の2人の作業位置などについて関係者から事情を聴き、6日以降、事故原因を詳しく調べる。

 IHIMUの鈴木等工場長は記者会見し「二度とこのようなことが起きないようにしたい」と陳謝。今清水義紀社長を本部長とする重大災害対策本部を設置した。

建造中の貨物船が爆発、作業員4人重軽傷…香川 10/12/04(読売新聞)

 12日午後2時40分ごろ、香川県多度津町東港町の造船所「常石造船」(本社・広島県沼隈町、神原勝成社長)多度津工場西側岸壁で、建造中の貨物船(5万2000トン)後部エンジンルームで爆発があり、作業中の男性4人が負傷、香川県丸亀市内の病院に運ばれた。3人が全身やけど、1人は軽いけがをしているという。

 同社によると、作業員の1人が換気のスイッチを入れたところ、突然爆発したという。

 同社は1917年創業。資本金3億2000万円、従業員826人。事業は鋼船製造と修理業で、売上高は全国7位。

品質管理の人間がでたらめな事を書く会社は、 関西電力のように事故が多い のでしょうか?

中国新聞(2004年10月23日)より

腹挟まれ作業員死亡 常石造船修繕工場

「造船技師は生産性を維持し技術革新を常に採用して船体を建造しなければなりません。」と 下記のHPには書いてあります。ドイツのことは知りませんが、日本でGL(ドイツの船級)で 船を建造する(できる)造船所は、ほとんどありません。チェックが厳しいそうです。 厳しい検査を行われると予測される場合、日本で船を建造する造船所は稀と言う事でしょうか。

本当に適切にISOのマニュアル通りにやっているのか疑問です。品質向上=手抜きなし? 検査をごまかさないこともマニュアルに入っているのでしょうか?

造船所、今昔物語

三保造船ルポ 野口美恵

造船所の秘密:働いているものは真実を知っている?

海運業界、今昔物語

第3回 松井証券の営業廃止と日本郵船での自由化体験

昔から行われていれば、それは良いことか?
指摘されなければ、問題ない!!古い体質は、どの業界も同じか??

日通社員2人に逮捕状、過積載指示の疑いで大阪府警

内部告発の時代=8月31日

似たような問題でしょうか。
愛媛の造船所で作業員2人倒れる 船底で塗装作業中 09/03/04 (読売新聞)

 2日午後9時半ごろ、愛媛県今治市小浦町1丁目の今治造船の工場から、「作業員が倒れた」と119番通報があった。今治地区事務組合消防署のレスキュー車などが出動し、男性作業員2人を市内の病院に搬送した。うち1人は一時意識不明となった。

 同署などによると、2人は建造中のフェリーの船底で塗装作業をしていたらしい。

 同社では8月26日にも香川県丸亀市の工場で建造中の貨物船の船底で爆発があり、孫請け会社の作業員2人が死亡、1人がけがをしていた。 (09/03 01:04)

主要検査のほとんどで不正

京都民医連中央病院の検査虚偽報告及び不正請求に関する徹底究明を求める決議

虚偽の食品表示にはより厳しい罰則規定を設けるべき?

不正を明らかにしたのは内部告発文書だった

BSE検査職員の遺族、公務災害認定を請求/金峰-「虚偽報告強要が原因」

葉山のトンネル内壁粗雑工事 企業体が虚偽報告か

2002年の不正車検問題で捜査当局が動く

不正車検に係る職員の逮捕に関する自動車交通局長コメント

県警の捜査費虚偽請求 監査逃れに巧妙な工作

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橋の耐震補強で手抜き/国交省、全国調査(ASP NEWSより)

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もし、燃料を保管しているプールの水が漏れてなくなったら、大変。
放射能の拡散を抑えるために水に入ったプールに燃料を貯蔵する大事なプール。 北朝鮮の核開発のニュースで、プールに貯蔵されている使用済み核燃料。同じ原理。

青森の核燃料再処理工場で手抜き工事 保安院、指導強化

不正はいろいろな組織で存在する!

リンク集

国土交通省のHPからです。船ができるまでを簡単に説明しています。船について よくわからない人は、参考にしてください。

造船・海運業界とは関係ありませんが、司法改革を目指している 団体があるようです。古い体質が強い世界ではやはり改革は必要だと思います。

★不適切な検査:パナマ ビューロー ★サブスタンダード船の写真 ★神○造船の虚偽報告 ★常石造船からの報告?

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