大分県教員採用汚職!!

★HOME

★厚生労働省の問題・不正 ★ 「公務員不祥事」特集 ★ 教員のせまーい世界 ★ 公務員の不祥事
◆ 広島労働局裏金 ◆ 兵庫労働局カラ出張で裏金 ★もう社保庁職員はいらない!
◆呉市消防局不正採用!! ◆文部科学省&教育の問題 ◆ミンチ偽装問題 ◆ウナギ偽装:農水省は甘い!
★ 職安のヒミツ ◆ルールなんてくそ食らえ!学校側なりふり構わず 教育委員会問題・いじめ
◆公務員の不祥事 2005 ◆ 2006 ◆ 2007 ★ 2008 ★ 2009 ★ 2010 ★ 2011 ★ 2012 ★ 2013 ★ 2014 ★ 2017 ★ 2020
大分 教員採用汚職(毎日新聞) 大分県教委汚職事件(大分合同新聞社)

「復職を訴える男性、沈黙した女性。その姿からは、今も後遺症のように残る県を揺るがした教員不正問題の根の深さを感じました。」

採用不正が発覚した以上、処分される人や影響を受ける人がいるのは仕方の無い事。

「判決に対して男性は『私一人をクビにすれば、公益性を害することがなくなるのか。(教員としての資質は)私のクラスを見に来て判断してほしい』と悔しさをにじませました。」

公益性の定義や解釈はよくわからないが、少なくとも基準に基づいた公平な基準を満たしていないのだから、採用取り消しは当然である。 採用試験に受かり、採用された教諭が不祥事を起こし懲戒免職を受けたケースをインターネットのニュースでよく見る。教師としては失格であるが、 少なくとも教員採用試験には受かり、採用されている。採用基準に問題がある、又は、面接で人間性や性癖を見抜くことが出来なかったのは事実であるが、 採用基準が改正されるまではそれが正式な基準である。
教員採用試験に受からず、臨時講師を続けている人達も存在する。彼らは問題があるから正規の教諭ではないのか?単純に採用試験に受からないから 現状の臨時講師となっている。そのような人達の存在を理解せずに、違う基準で採用を維持しろと言う点では問題があると思う。
採用不正の問題を長年、放置してきた大分県及び大分県教育委員会は大きな責任があると思う。

教員の採用不正、今も苦しむ関係者 復職訴える男性、沈黙の女性 大分県を揺るがした問題の後遺症(1/2) (2/2) 01/06/18(withnews)

 教員採用の不正を巡って争われた賠償金支払いの裁判の判断が、最高裁でありました。「求償権」など専門用語が飛び交った法廷での結果は「差し戻し」でした。そんな中で考えたのは、当事者たちの思いです。採用を取り消された男性は臨時講師として働きながら復職を求めています。不正を知って自ら退職した女性もいます。県全体を巻き込んだ前代未聞の教員不正には、今も苦しんでいる人たちがいます。(朝日新聞大分総局記者・興野優平)

個人にどこまで賠償を求められるのか

 大分県では2007、2008年度の教員採用試験を巡って不正が相次いでわかり、大きな問題になりました。

 今年9月、最高裁であった判決では、不正のために不合格となった受験者への賠償金を、誰がどこまで負担するべきかが争われました。

 裁判で争点になったのは、不正に関わった当時の公務員個人に賠償を求められる「求償権」の範囲です。

 原告は、県が不正に関わった元公務員にもっと多くの賠償金を求めるべきだと主張しました。

 訴えられた県側は、不正に関わった元公務員は退職金を県に返しているなどの理由から、不当に請求額を安くしたわけではない。

 最高裁の判断は、審理のやり直しを命じる「差し戻し」でした。

事件に関係してしまった人

 裁判で争われた賠償は、大事な問題です。

 一方で、現地で取材をしている私は、事件に関係してしまった人たちは、どのように考えているのか気になりました。

 最高裁判決の3ヶ月ほど前、福岡高裁で一つの判決が下されました。

 不正に加点されたことがわかり採用を取り消された男性が、採用の維持を訴えたものでした。男性は、採用で不正はあったものの、仕事ぶりに問題はないので、採用を維持するべきだと主張しました。

 裁判で本人は直接関与していないと認定されました。その上で判決は、採用試験の公平性という公益性を重視し、「採用の維持は公共の福祉から著しく相当性を欠く」と指摘しました。つまり、不正な試験で採用された人をそのまま採用することは認められないという判断でした。

 判決に対して男性は「私一人をクビにすれば、公益性を害することがなくなるのか。(教員としての資質は)私のクラスを見に来て判断してほしい」と悔しさをにじませました。

玄関で沈黙した女性

 長女が受験する際、不正な加点を依頼したという元教員にも話を聞きにいきました。

 インターホンを鳴らして出てきた長女とおぼしき女性は、「県教委汚職の件で」と切り出した瞬間、暗い表情に。当時の記事は、合格通知を受け取って、勤務を始めた後に不正に加点されていたと知り、自分から退職したと伝えていました。

 今も両親と同居しているようでしたが、話を聞くことはできませんでした。

 事件後も引っ越さなかった理由は何なのか。両親と同居を続けるのはどういう気持ちからなのか。不正を依頼した側を責めるのは簡単です。ただ、不正に関係してしまった人たちが苦しんでいるのも事実です。その一端を見た気がしました。

 復職を訴える男性、沈黙した女性。その姿からは、今も後遺症のように残る県を揺るがした教員不正問題の根の深さを感じました。

退職金返納考慮の二審破棄=大分教員採用汚職で最高裁 09/15/17(時事通信)

 大分県教育委員会で2008年に発覚した教員採用汚職事件をめぐり、不合格者に支払った賠償金を不正に関与した元県教委幹部らに請求するよう県に求めた住民訴訟の上告審判決で、最高裁第2小法廷(菅野博之裁判長)は15日、「退職金返納などで全額回収されている」として請求を退けた二審判決を破棄し、審理を福岡高裁に差し戻した。

 訴訟では、刑事裁判での有罪確定を受け、元幹部が返納した退職金約3200万円分を請求から除外した県の対応の是非が争点となった。

 二審は「県教委にも一定の責任がある」として除外を認めたが、菅野裁判長は「抽象的な事情のみから、直ちに請求が制限されるとは言えない」と指摘。不正の経緯や県教委の責任の有無などについて審理を尽くす必要があると判断した。

 一、二審判決によると、県は07、08年度の教員採用試験で、点数改ざんの結果不合格とされた受験者のうち53人に計9045万円を支払った。県は職員らによる寄付金約4800万円や、返納退職金分などを差し引いた上で残額を請求。元幹部は195万円を支払った。

 大分県教委の工藤利明教育長の話 判決内容を十分精査した上で、福岡高裁で県としての考え方を主張していく。 

大分教員汚職、元幹部らに賠償請求可能と報告書 07/26/11(読売新聞)

 大分県教員汚職事件を巡り、2007、08年度の教員採用試験で点数を改ざんされ不合格となった人への賠償について、県教委の専門家委員会(座長=近藤敬夫弁護士)は26日、富松哲博・元教育審議監ら7人に計4203万円の求償権を行使できるとの報告書をまとめ、県教委に提出した。

 ただ、行使するかどうかは、県教委全体に指導監督責任があったことや、7人が処分を受けたり退職金を返納したりしていることを踏まえ、慎重に対応するよう求めた。

 点数改ざんでは54人が不合格となった。委員会は、賠償案に同意した53人に県が支払った計9045万円について検討。現職の校長らがカンパした4842万円を差し引いた金額を県の損害額と認定した。

 その上で、採用試験を巡り有罪判決が確定した二宮政人・元教育審議監、江藤勝由・元義務教育課参事(昨年12月死去)=いずれも収賄罪=、矢野哲郎・元同課参事、妻の矢野かおる・元小学教頭、浅利幾美・元小学校長=いずれも贈賄罪=に対して求償権があると判断。職員の昇任に絡む収賄で有罪判決が確定した富松氏と、江藤氏の補佐をしていた元同課職員も採用試験の不正に関与していたとして求償権を認めた。

大分県教委の教員採用汚職:不採用賠償、不正当事者へ請求 専門家委が方針 04/28/11(毎日新聞 西部朝刊)

 大分県教委汚職事件に絡み、06、07年にあった教員採用試験で合否が意図的に操作された問題で、弁護士3人による県教委専門家委員会は27日、不正を指示した当時の県教委幹部らに損害賠償の一部を請求する方針を固めた。請求額や対象者は6月までにまとめ、県教委に提出する。

 合格していたのに不合格にされた54人には、県が約9200万円の賠償を決め、既に53人に支払っている。一般教員らが4800万円のカンパをしたが、県民から「公費投入はおかしい」との意見が相次いだため、昨年12月に専門家委員会を設け、求償権行使が可能かを議論してきた。【深津誠】

執行猶予中だった江藤勝由・元大分県教委義務教育課参事(55)が2010年12月12日死亡。これで完全に幕引き。 悪い意味で大分もよく引っ張った。問題の解明や解決には至らなかった。田舎的な対応と思う。

大分県教員汚職、8705万円賠償を可決 06/12/09(読売新聞)

 大分県教員汚職事件に絡み、教員採用試験で点数を改ざんされて不合格となった54人の賠償問題で、県議会は14日の最終本会議で、賠償案に同意した50人に支払う8705万円を盛り込んだ一般会計補正予算案を共産1人を除く賛成多数で可決した。

 県教委によると、賠償案に同意したのは2007年度試験が32人中29人、08年度試験が22人中21人。賠償額は1人45万~440万円。残る4人とは賠償額などを巡って交渉を継続している。県教委は小中学校の校長、教頭らからカンパを募る一方、事件にかかわった元幹部らに国家賠償法に基づき負担を求めるかどうか、弁護士ら専門家の委員会を設置して検討する方針。

 ◆有罪元参事が急死◆

 点数を改ざんして賄賂を受け取ったとして収賄罪で有罪が確定し、執行猶予中だった江藤勝由・元大分県教委義務教育課参事(55)が今月12日、死亡した。家族によると、「病気による急死」だったという。

教員汚職、元審議監が控訴取り下げ…8人全員の有罪確定 06/12/09(読売新聞)

 大分県教員汚職事件で、部下を昇進させた見返りに20万円分の商品券を受け取ったとして収賄罪に問われ、1審・大分地裁で有罪判決を受けた富松哲博・元県教委教育審議監(61)(懲戒免職)が福岡高裁への控訴を取り下げた。

 高裁によると、取り下げは10日付で、懲役10月、執行猶予3年、追徴金20万円の有罪判決が確定した。これで昨年6月14日に発覚した一連の汚職事件に絡み贈収賄罪に問われた県教委幹部や小学校長ら8人全員の有罪が確定した。

 富松元審議監は今年3月31日付で定年退職の予定だったが、県教委が「公務員の信用を失墜した」として地方公務員法に基づき同月27日付で懲戒免職処分とした。

県議の口利き目の当たり 公判で矢野被告 01/27/08(大分合同新聞)

 県教委汚職事件で二十六日、大分地裁であった矢野哲郎(53)、かおる(51)両被告夫婦の論告求刑公判。被告人質問で、哲郎被告は収賄罪が確定した江藤勝由元被告(53)と接する中で、教員採用や昇任試験に絡む不正が常態化しているとの認識を深めたと供述。かおる被告は涙を流し、自らの犯罪を悔いた。

 「ある県議から江藤元被告に電話があり、教頭試験の合格を依頼していた」。江藤元被告の家で、この場面を目の当たりにした哲郎被告は、懇意にしていた元教頭二人(いずれも贈賄罪で有罪)らの贈賄工作を決断したという。

 不正のうわさを聞くようになったのは一九九六年に行政職に異動してから。周囲の話から「依頼するのは県議や国会議員秘書、市町村教育長ら。依頼の相場は県議で七百万から八百万円と聞いた」。

 昨年三月、江藤元被告が人事異動の作業をしていた部屋に行った際、室内に(紙にさまざまな名前を書いた)口利きリストを張っているのを見た。江藤元被告から「何人も依頼する厚かましい人がいて困る」と聞かされ「今では尊大だと思うが、そのときは(贈賄工作によってあらかじめ長女らの)合格をお願いしておいて良かったとほっとした」と述べた。

 紙に書かれていた依頼者などの名前は「混乱を起こすだけなので、公表は差し控えたい」とした。

 収賄側の教育審議監富松哲博被告(60)がわいろ性を否認して無罪を主張している商品券二十万円分の贈賄に関しては「これまで(江藤元被告らに)百万円などのわいろを渡していたので、(二十万円が高額と思わず)金銭感覚がまひしていたと思う」と述べた。

 弁護側は、かおる被告が自宅近くの佐伯市宇目轟(ととろ)地区のととろバス停にアニメ映画「となりのトトロ」の看板を自ら描き、地域の活性化につなげたエピソードについて質問。かおる被告は「子どもに夢を与え、豊かな自然を大事にしたいと思った」と語った。

 さらに「教員とは」との問い掛けに、かおる被告は「やりがいのある仕事。生きがいでした。(事件が発覚し)死んだも同然だと、わたしは死んだと思いました」と声を詰まらせた。被告人席で、このやりとりを聞いた哲郎被告も目頭を押さえた。

大分県教育委員会 の対応は不適切だった。「大分県の教員採用をめぐる汚職事件を受け、政府の規制改革会議が設けた『教育目安箱』に、 現職教員らから「自分の県にも口利きがある」などという告発が50件以上寄せられたことが分かった。」ことに ついて 大分県教育委員会 の対応に対して多くの人が疑念や不満を抱いた結果であることについては評価したい。

採用口利き「告発」50件 教育目安箱に教員らから 11/29/08(朝日新聞)

 大分県の教員採用をめぐる汚職事件を受け、政府の規制改革会議が設けた「教育目安箱」に、現職教員らから「自分の県にも口利きがある」などという告発が50件以上寄せられたことが分かった。

 目安箱は教育関係者から採用や人事面での不満や改善策を聞くため、8月13日から1カ月間設置。インターネットでの投稿か手紙で受け付けた。計238人から意見が寄せられ、このうち4割が教員や元教員から。意見は延べ357件で、口利きに関する54件も含めて採用の問題点を指摘する内容が3割を占めた。

 中には「就職氷河期には議員のコネのある人や、親が校長、教育委員会幹部の人が多数採用された」(愛知県の教員)、「県議から介入を受ける場合がある」(香川県の教員)など具体的な内容も。ただ規制改革会議は告発を受けた実態調査は行わず、今後の採用試験をめぐる提言の参考とする方針だ。(竹中和正)

大分県教育委員会 の対応には問題がある。過去の不正を放置し、うやむやにしようとしているのがよくわかる。 採用を取り消された小学校臨時講師の男性(23)の意向を勇気ある決断だと思う。

大分県教委の教員採用汚職:富松被告初公判 商品券、矢野被告「昇進への感謝」 11/22/08(毎日新聞)

 ◇検察側が授受“再現”

 「わいろとは認識しておりません」--。昇進人事を巡る商品券授受疑惑の発覚後、公の場で何も語らないまま逮捕、起訴された大分県教委ナンバー2の富松哲博被告(60)。大分地裁で21日あった初公判で初めて口を開いた。検察側は冒頭陳述などで商品券授受の場面を“再現”したが、わいろ性を巡って検察側と弁護側が真っ向から対立。富松被告は表情を変えることなく、双方の主張に聴き入った。【小畑英介、島田信幸、金秀蓮】

 検察側の冒陳や開示された証拠によると、元県教委参事、矢野哲郎被告(52)=贈賄罪で公判中=は、旧知の元県教委参事、江藤勝由被告(53)=収賄罪で公判中=から、富松被告が自分を参事の候補に挙げていることを聞くと、「興奮が抑えられず満面の笑み」だったという。

 昨年11月30日、2人は江藤被告の紹介で佐伯市内の料亭で会った。異動について打診された矢野被告は初めて聞くようなそぶりを見せ「自信はありませんが光栄なお話です。私に務まるでしょうか」などと応じた。

 矢野被告は今年3月25日夜、富松被告の自宅を訪れた。矢野被告が商品券と菓子が入った紙袋を指し「お世話になりました。お菓子ですから食べてください」と伝えると、富松被告は「すまんな」と言って受け取った。矢野被告の帰宅後、富松被告は商品券に気付いたが、そのままにした。

 富松被告は翌日、矢野被告に電話で謝意を伝え、矢野被告はその後、妻のかおる被告(51)=贈賄罪で公判中=の携帯電話に「審議監から過分のお礼をありがとうございましたと電話がありました」とメールをしていた。

 この日、証人出廷した矢野被告は、商品券の趣旨について「スカウトしてくれたことへの感謝の気持ち」と述べた。富松被告への心境を問われると「恩をあだで返すようで申し訳ない。本当に申し訳ない」と繰り返した。

 弁護側は、商品券が菓子箱と同じ紙袋に入っており、富松被告にわいろ性の認識はなかったと主張。「商品券と分かる形で渡さなかったのか」という弁護側の質問に、矢野被告は「生々しくて商品券が入っているとは言えなかった」と答え、富松被告は終始、視線を落としたままだった。

 ◇小刻みに手震え、落ち着かぬ様子

 午後1時半過ぎ、富松被告は黒のジャンパー、サンダル姿で入廷。検察官と弁護人に軽く一礼し、被告席についた。宮本裁判長に名前と職業を尋ねられると、手を小刻みに震わせるなど落ち着かない様子で「富松哲博でございます。地方公務員です」。検察側の冒頭陳述で、矢野被告から商品券のほかに、海産物やお歳暮なども受け取ったことを指摘されても、表情を変えることなく前を見据えていた。

 関係者によると、富松被告はほぼ毎日、拘置先の警察署で親族の接見を受け、差し入れられた書物などを読んでいるという。

 ◇接見拒み起訴休職、給与6割支払い継続

 富松被告は、商品券授受疑惑が発覚した翌日の7月8日から休職しており、県教委は懲戒処分を保留し、起訴休職処分にした。県教委には起訴休職を発表した先月14日以降、市民から「処分が甘い」などの抗議などが計178件寄せられている。富松被告は県教委の接見を拒んでおり、県教委は「接見ができず本人の釈明が聞けていない状況では、懲戒処分できない」と説明している。

 一連の汚職事件で起訴された8人のうち、富松被告を除く7人は起訴後に懲戒免職になった。7人は県教委などの接見に応じ、公判でも起訴事実を認めている。富松被告だけが「起訴休職」の規定で給与の6割が支払われ続けている。

 県では、02年4月に県立芸術文化短大の40歳代の助教授(当時)が強制わいせつ致傷事件を起こした際も、懲戒免職処分が出るまで2年近くかかった例がある。助教授は起訴事実を否認し、県は「無罪になる可能性があれば処分できない」と処分を保留した。最高裁が1、2審の有罪判決を確定させる見通しとなって、ようやく懲戒免職にした。

 県教委は「裁判の進展を見ないと何とも言えないが、事例によって対応がバラバラになるのはよくない」としている。【梅山崇】

教員採用取り消された臨時講師、大分県教委提訴の意向 10/26/08(読売新聞)

 大分県の教員採用試験を巡り、点数改ざんによって不正に合格したとされ、採用を取り消された小学校臨時講師の男性(23)が「身に覚えのない不正を理由に採用を取り消され、精神的苦痛を受けた」などとして、県教委を相手取り、大分地裁に損害賠償請求訴訟を起こす意向を固めたことが分かった。

 男性や代理人を務める「おおいた市民オンブズマン」の瀬戸久夫弁護士によると、男性は大分大4年の時に2008年度の小学校教員採用試験に合格し、今年4月から県内の小学校に勤務した。しかし、県教委が点数改ざんに使われたとされるパソコンデータを解析した結果、不正合格者21人の1人とされ、9月に採用取り消し処分を受けた。現在は同じ小学校に臨時講師として勤務している。

 男性は口利きをした人物名など不正の経緯について、県教委からいっさい説明されずに処分を下されたといい、読売新聞の取材に「何も知らされないまま一方的に『不正合格者』とレッテルを張られた。県教委の責任も明らかにし、不正がどのように行われたのか、裁判を通じて本当のことを知りたい」と話した。

 瀬戸弁護士は「訴訟によって口利きルートの解明に結びつけたい」と強調。今後、賠償請求額などを決め、採用取り消し対象とされたほかの教員らについても、相談を受け付けるという。

大分県教委の教員採用汚職:昇任試験、30人点数かさ上げ--08年度分 10/22/08(西部朝刊 毎日新聞)

 ◇富松被告が指示 合格した校長・教頭、「見返り謝礼」横行

 大分県の08年度小中学校の校長・教頭昇任試験で、県教委教育審議監の富松哲博被告(60)=収賄罪で起訴=が、合格した138人のうち約30人の点数をかさ上げするよう元県教委参事、江藤勝由被告(52)=同=に指示し、その多くから商品券などを受け取っていたことが関係者の話で分かった。事件後、県教委は昇任試験についても調べたが、こうした不正を把握できず、再調査の実施についても消極的だ。識者は「管理職の不正をなくさなければ、県教委の真の再出発はできない」と指摘している。【金秀蓮、小畑英介】

 県教委によると、08年度の小中学の校長昇任試験は、推薦を受けた297人が論文、面接に臨み、74人が選ばれた。教頭は501人中64人が昇任した。

 関係者によると、同年度の昇任試験では、富松被告がかさ上げを指示した分も含め、合格者138人の約半数の点数が改ざんされていた。また富松被告は、商品券などを贈ってきた校長、教頭らの名前などを手帳に記し、その金額は1人当たり数万~10万円だったという。

 江藤被告の公判では、08年度の校長昇任試験で、富松被告から特定の受験者の点数をかさ上げするよう指示されたとする江藤被告の調書が朗読されている。また、県警が江藤被告のパソコンを押収・分析したところ、点数の改ざんが広範に行われていたことも分かっている。

 事件後、県教委の改革プロジェクトチームは、昇任試験についても不正の有無を調べた。しかし、人事担当職員らには聞き取りで調査したが、小中高校などの校長、教頭1067人を対象とした調査は、文書による調査となり「こうしたやり方では自らの不正を打ち明ける者はいないのでは」との声が当事者から出され、「働きかけをしたことがある」と申告したのは3人にとどまった。

 一方、昇任試験について、県教委は「選考の要素が強く、筆記試験などの点数の高いことが必ずしも昇任に影響するとは言えない。点数操作があったことは確認したが、データの信ぴょう性に疑問があり、不正合格を意図したものか確認できない」とし、富松被告への商品券授受については「把握していない」としている。

 ◇第三者が調査を--教育評論家の尾木直樹・法政大教授の話

 昇任試験を巡る疑惑は、実力で管理職になった人がいるのかと疑問に思わせる重大な問題だ。採用試験での口利きも含め、アンケートや短期間の内部調査だけでなく、弁護士などの第三者機関を設置しての大規模な再調査が必要ではないか。いくら県教委が評価に値する改革案を打ち出しても、このままでは社会的信頼を得られないだろう。

大分県教委の教員採用汚職:贈賄・矢野哲被告、昇進で義務教育課長に車エビ贈る 10/18/08(西部朝刊 毎日新聞)

 ◇「不正でない」無申告

 大分県教委の汚職事件で贈賄罪で起訴された元県教委参事、矢野哲郎被告(52)が、参事昇進の際、現職の義務教育課長に1万円相当の車エビを贈っていたことが分かった。しかし課長は7~8月に行われた県教委プロジェクトチーム(PT)の調査に申告しておらず、17日になって申告した。県教委は「儀礼の範囲内」としており、上司への付け届けが横行していた実態が改めて浮かび上がった。

 矢野被告は、参事昇進に便宜を図ってもらった見返りに、県教委教育審議監の富松哲博被告(60)に商品券20万円分を贈ったとして起訴された。義務教育課長は昇進後の矢野被告の直属の上司で、監督責任を問われ減給10分の1・4カ月の処分を受けた。

 同課長によると、矢野被告が異動してくる直前の今年3月末、自宅に車エビが届いた。電話で「こんなことしなくていい」と伝えたところ、応対した哲郎被告の妻、かおる被告(51)=贈賄罪で公判中=に「これからお世話になるので」と言われ、受け取ったという。取材に対し「あいさつ名目で不正ではないと考え、報告しなかった」と話した。

 一方、PT担当者は「調査は採用試験や管理職の昇任試験に関し不正があったかどうかが柱で、逮捕された容疑者との関係で、儀礼の範囲と思われる贈答などについては詳細に聴いていない」と話した。

 事件捜査の中では、以前から採用などに際し仕立券などの贈り物があったことが明らかになっている。今回、申告漏れが明らかになったが、県教委は再調査はしないという。【小畑英介】

次の更新まで続く。

不正はいろいろな組織で存在する!

不正の記事:リンク集

★HOME


リンク先の情報については一切責任を負いかねますことを申し添えます。
リンク先の中には繋がらないものもあると思いますが、ご容赦ください。