ILO条約

◆サブスタンダード船
◆サブ・スタンダード船と旗国の関係
◆なぜ、サブ・スタンダード船?
◆サブスタンダード船の見つけ方
◆サブスタンダード船の写真
◆検査会社の問題 ◆AIS:船舶自動識別装置
◆ISMコード ◆ISPS(国際保安)コード


★HOME
◆海運関連業界
◆座礁船 ◆放置船
◆BLUE OCEAN(ブルーオーシャン)の事故
◆PSCとは?
◆PSCによる検査の現状
◆日本(海保)のチェックは甘い!
◆船舶油濁損害賠償保障法

UNDER-PERFORMING SHIPS (1年間に3回以上出港停止を受けた船舶) TOKYO MOUのHP


★PSCの活動 悪質な造船所 船舶保険 ◆海難情報! ◆海難2 ◆海難3 ◆海難4 船舶油濁損害賠償保障法
★中国から違法船続々! 問題船は週末や夜に入港する ★ISMコード ★ISPS(国際保安)コード
サブスタンダード船排除 (社団法人日本船主協会のホームページより)

第2回パリMOU・東京MOU合同閣僚級会議の結果について (国土交通省のHPより)
(岩崎忠夫大臣政務官が代表として参加し、サブスタンダード船の排除に向けた我が国の決意を表明)

第1回船内居住環境改善モデル設計研究会 議事概要  07/23/07(国土交通省のHPより)

居住環境改善のベストの改善方法は、検査のごまかしを見逃してやること! パナマビューロー の岡本氏にアドバイスを求めたらどうか!何でもOKだ。

日本の大手の造船所でも パナマビューロー を重宝がっているぞ!

規則など満足しなくとも処分がなければ問題ないのだ。誰も守りもしない。 規則を満足していなくとも、満足していると書かれている証書を買えばよいのだ。 ILO 92とかILO133に満足していると書かれた証書を本船にありながら、 満足していないパナマ籍船が多い事実を知っているか? PSC は検査のときに気付くべきだろうが、たぶん、気付いていないだろう。

これが現状。ILOに批准していようが、不適切な検査が常態化していようが、 チェックしなければ良いのだ。目をつぶっていればよい。 結局、日本は居住環境改善についてどこまで本気なのか???? 適当にやるなら、無駄に税金を使わないでほしい!!

石綿(アスベスト)の問題が注目をあびて、日本は 「閣議で、国際労働機関(ILO)が86年に採択した「石綿(アスベスト)の 使用における安全に関する条約」の批准を決定した。」(同条約は、石綿にさらされる労働者の 保護のため、政府や使用者がとるべき措置を定めている。 )

日本の人は日本はまだ、アスベストに関する国際労働機関(ILO)条約に批准していないことに 驚いただろう。

石綿使用の安全条約、批准を閣議決定  08/05/05(朝日新聞)

 政府は5日午前の閣議で、国際労働機関(ILO)が86年に採択した「石綿(アスベスト)の使用における安全に関する条約」の批准を決定した。同条約は、石綿にさらされる労働者の保護のため、政府や使用者がとるべき措置を定めている。

 政府は昨年10月に石綿を含む製品の製造・使用を原則禁止とし、今国会に承認を求め、今年7月に衆参両院がそれぞれ全会一致で承認していた。

日本は、 船内船員設備に関する条約(補足規定)(第133号)(ILOのサイトより) に関しても未だに批准していない。 よって、日本国内で使われている多くの船は、船内船員設備に関する国際労働機関(ILO)条約に 満足していないのである。

国連機関、欠陥船根絶へ出張監査 日本提唱で攻め姿勢へ  01/19/04(朝日新聞)

朝日新聞の記事の中から次を選び出した。

「日本の提唱で『攻めの姿勢』に転換。各国の検査体制をチェックすることで、欠陥船を放置させない体制づくりを整えたい考えだ。」

「船舶の安全基準は、IMOが定めた海上人命安全条約(SOLAS条約)で定められており、基準を守らせるのは母国の責任だ。」

「各国が自国の船をきちんと検査できるようになれば海難事故は減らせる」

しかし、日本が思っているほど簡単でない。

日本は批准していないが、 船内船員設備に関する条約(補足規定)(第133号)(ILOのサイトより) を批准した国(旗国)は、同条約を満足することを要求している。しかし、日本の造船所で建造され条約を 批准している国(旗国)に登録される船舶の何%は船内船員設備に関する条約(補足規定)(第133号)を 満足していない。もちろん、同条約に適合していることを証明する証書は発給される。しかし、満足していないのである。 これは、日本が言っている「基準を守らせるのは母国の責任だ。」と「各国の検査体制をチェックすることで、欠陥船を 放置させない体制づくりを整えたい考えだ。」と矛盾する。もちろん、船内船員設備に関する条約(補足規定)(第133号)を 満足していなければ簡単に欠陥船とは言えない。しかし、「基準を守らせるのは母国の責任だ。」には反する。

国土交通省はISMにも精通していると思うが、ISMには国際条約と旗国の規則及び要求を満足することを要求して いる。つまり、船内船員設備に関する条約(補足規定)(第133号)を満足することが旗国の要求であれば、 満足しないことは、外国船舶監督官がチェックする項目に入っているISMにも関連するのである。

外国船舶監督官(国土交通省)の中にはあまり詳しくない人達もいると思うので、ある立派な検査会社の チェックリストを参考にしてもらいたい。

船内船員設備に関する条約(補足規定)(第133号)(ILOのサイトより)

実際、最初から国際航海に従事し、船内船員設備に関する条約(補足規定)(第133号)を満足する ことを要求された日本建造の船の中には、満足するとの証書は発給されているが、実際に満足しない 船が存在することに気付くだろう。気付かない外国船舶監督官が多くいれば、勉強不足な検査官が 多いと言う事実となるだろう。外航船として建造されたパナマ船をPSCの検査の時に注意して 見れば問題点に気付くはずである。このような状態で、日本が提唱、達成しようとすることは現実的に 可能なのであろうか。また、国内の船についても問題があることに気付いているのだろうか。

まず、日本はカンボジア船や小型のパナマ船等に対して日本(外国船舶監督官)の姿勢を見せるべきであろう。

問題は簡単には解決しない。下記の記事を参考にしてほしい。

◆置き去り貨物船「ヤンホー」に支援呼びかけ!(小樽ジャーナル)

◆放置船「ヤンホー」の出港準備進む!荒天で23日出港せず!(小樽ジャーナル)

◆「ヤンホー」雪の中ついに出港!1年2ヶ月ぶりに港外へ!(小樽ジャーナル)

「北海道小樽港に昨年12月入港したボリビア船籍の貨物船が『船体の安全基準を満たしていない』として出港差し止めを受けた...」 「生活費の送金もなく、訴えを受けた全日本海員組合(東京都港区)や国際運輸労連(ITF)が賃金などを工面するため船体を売却するよう求めたが、船主側は26年前に建造された老朽船に法外な値段をつけ、商談に至っていないという。  現在は連絡も途絶えてしまい、同海員組合は『船主としての責任を放棄し、モラルもない』と船主を厳しく批判。」と毎日新聞の 記事に書かれている。

偏見で見てはいけないが、どの旗国(フラッグ)に船を登録しているかで、船主の質はだいたい判断出来る。 また、どの検査会社の検査を受けているかでも、船の質(状態)が推測できる。また、オペレーターがどの会社か、 どの船舶管理会社かなどからでも、船舶の質(状態)を推測できる。責任を放棄するような船主は、簡単に登録が出来る旗国(フラッグ) を選び、不適切な検査で証書を発行する検査会社を選ぶ。このサブスタンダード船のHPを見ていただければ、その事は理解できると 思う。ボリビア船籍の船舶は、このような問題が発生する可能性が高く、今回、運悪く最悪の結果となっただけなのである。 問題はボリビア船籍の船舶だけではない。 モンゴル船籍の船舶カンボジア船籍の船舶、そして パナマ船籍の小型船舶 も同じような問題を抱えている。しかも、野放し状態なのである。国際条約の要求とは関係なく、 委託された検査会社が適切な検査を行っているか、登録された船舶が国際条約を満足しているかを チェックするために旗国が安全検査(毎年の検査)を行うことを定めている旗国もある。 しかし、安全検査(毎年の検査)を行うようになっていても、実際に検査を行っていない、または、 行う体制が整っていない旗国もある。

不適切な検査を行う検査会社から 証書を発給されれば、問題があってもどこにでも行けるのである。運悪くPSCO(外国船舶監督官:日本の 場合は、国土交通省)に見つからなければ良いのである。例え、PSCO(外国船舶監督官)の検査を 受けても、全てのPSCOが問題に気付くわけでない。これは、 三菱自動車製大型車のクラッチ系部品の欠陥放置関西電力美浜原子力発電所3号機の事故 を見てもらえばわかる。上手くいけば、何年(何十年)もの間、問題の指摘を受けずにコストの削減が できるのである。事故後、原因を調査した時に問題が直接、または、間接的に関連があるとわかるだけだし、 大きな事故や死亡事故が起きない限り、事故が起こる可能性だけでは対応策が不十分は取られない。 既に厳しい検査を行っている国々では、多くの船主やオペレーターがこの事実を理解し、 このような厳しい検査を行うPSCO(外国船舶監督官)を嫌いながらも適応している。 日本はまだまだ、このようなレベルまで来ていないから問題のあるサブスタンダード船が多く、入港し、 出港しているのである。このような体質は、日本の体質とも考えられる。また、自治体も強い姿勢を 取らず、うやむやに終わる場合が多いのも悪い。お金をしぶしぶ出して、問題の解決。サブスタンダード船を 入港させない、輸出目的と言え、国際基準を満足しない船舶は自航させない等の対応を取るべきであろう。 地方自治体も、PSCO(外国船舶監督官)やサブスタンダード船の排除に貢献する組織に協力するべき であろう。広島県の広警察のように英語がわからないとか、海上保安庁に任せるとか、逃げていては 問題の解決などありえない。 捜査をおこなっている そうなので、いつかは結果がでるのであろう。警察のレベルの低さは理解できるようになったが、 国際貢献など関係ないし、何も理解したくない態度を取っていては、問題の解決などない。

「日本の代表として第2回パリMOU・東京MOU合同閣僚級会議に 参加し、サブスタンダード船の排除についてのステートメントを表明した。」 と国土交通省のHPに書いてある。しかし、現状はサブスタンダード船の排除にはほど遠いのである。

不適切な検査を行う検査会社 と恩恵を受けている 会社K会社T などの共犯による虚偽の報告書。 比貨物船転覆無効国籍証書を税関が無視した 等などを見ても、日本のサブスタンダード船の排除を本気で考えているかわかる。

実際、PSCO(外国船舶監督官)の中には困っている職員もいるはずである。時間や予算の制限が あるのであれば、広島県の広警察の対応はサブスタンダード船撲滅を間接的に非協力的であり 非難されるべきなのである。捜査に時間をかけ、上記のような問題が多く起きてもどのように 関連があるのかも理解できるとは思えないが残念である。

外国船を見ると、何度、試しても赤錆びたお湯しかでない船も入港してきている。 船体の強度を保つ部材が錆びて穴が開き、沈没や事故の可能性の高い船も入港してきている。 しかし、不適切な検査を行う検査会社 を援助する日本の造船所や海運会社も存在する。大手でも不正、虚偽報告、検査妨害など いろいろやっているので、仕方がない。ヤンホーの船員は、死んでいないだけましだ。 死人に口なしである。何も言えずに死んでいった者もいるだろう。しかし、日本のスタンスは 形だけではやる。厳しい処分はしない。だまされてやる。問題解決しても公務員の給料が 上がるわけもなし、遊んでいる、真剣に取組まない公務員がいるので、やる気も起こらない のであろう。

船舶油濁損害賠償保障法:来年適用 を出来るだけ、効果的に使用してサブスタンダード船の入港を阻止するだけであろう。 サブスタンダード船であっても、船主責任保険に加入していれば事故が起きても いくらかの額は保険がカバーすると言うことになる。これにより、現在よりも改善 されれば良いと思わなければならない。これ以上は、たぶん、何も出来ないし、 PSCO(外国船舶監督官)による改善も期待は出来ない。これが現実だろう。 警察でありながら、不祥事 を何度も起し、改善がなかなか見られないことを考えれば、期待できないことが わかるであろう。

次の更新まで続く。

参考資料:

欠陥船根絶で監査制度試行 日本の提唱受けIMO (共同通信)の記事を 読むと「国際条約の専門家や船舶検査官らを各国が派遣して監査チームを 結成し、海上人命安全条約や海洋汚染防止条約などに適合した国内法を 整備し、人員や設備などの十分な体制を取っているかを調べる。」と書かれて いる。人員や設備などの体制をチェックするよりも、問題のあるフラッグ (旗国)に登録されている船舶をどのように検査しているのか、検査報告書 と船舶の現状の違いについてどのような対応をしているのか。問題のある 検査会社に対する処分や制裁等を行っているかを確認するほうが良いであろう。 一般的に問題がある旗国でも規則等はあるのである。問題は、規則の厳守を 怠っているから問題なのである。また、問題を知っていながら放置している 旗国もある。また、PSCの能力のばらつきにより、サブスタンダード船が が問題を放置したまま入港を繰り返している場合もあるのである。

故意に問題を見逃している検査会社もあり、実際にこのような検査会社を 取締まらなければならない。現状は、野放し状態である。

また、日本周辺を航行する多くのサブスタンダード船の多くが、元日本国籍 で日本から輸出された事実にも注目しなければならないだろう。監査制度 を提唱するぐらいだから、これらの問題にも取組むと推測する。今後の活動 に注目したい。モンゴル籍の例のように、言っていることとやっている事が 全く違う場合もあるのである。効果を上げるにはどのようにすべきか考えて ほしい。今後の日本のPSCの活動に反映されることを祈るのみである。 多くのカンボジアやモンゴル籍船舶は問題を抱えたまま日本に入港している。 PSCは検査を行う時は、気まぐれで検査せずに、徹底的に検査してほしい。 船主、荷主、港湾関係者の圧力に負けずに、PSCの誇りを持ってUSコーストガード のように日本のPSCは他のアジアのPSCとは違うと知られるようになってもらいたい。 日本のPSCの活動に期待したい。

厳しい対応を取らないとサブスタンダード船がやって来る。 2005年3月1日から船舶汚濁損害賠償保障法が適用される。 下記に紹介されているような船舶は船主責任保険には入れないはずだから、適用後はこのような船舶は 入港できなくなるであろう。同情しているとサブオペレーションの船主やオペレーターの思う壺である。 日本はこれを教訓に、このような船舶の効率的な対応を考えるべきであろう。 犯罪者を捕らえると、刑務所を建設しないといけないから逮捕しないような非常識な考え方は 受け入れられないのと同じである。

追記ではあるが、「同運輸局の船舶安全検査で、国際条約に適合する救命艇がないことなどがわかり、出港が差し止められた。」 と書かれてある。救助艇を持っていなくとも入港している外国船舶は存在する。日本では 「伝馬船」 と呼ばれる。貨物船の場合、長さが85m未満であれば国際条約のSOLAS要求では救助艇でも 問題ない。日本に入港しているパナマ籍貨物船の中には、下記のボリビア籍貨物船「ヤン・ホー」 (1077トン)よりも大きい貨物船にもかかわらず、救助艇を積んでいない貨物船も入港している。 しかし、指摘を受けていないケースもある。これは中国運輸局の管轄する港でも見られた。 そうするに、ボリビア籍貨物船「ヤン・ホー」は運が悪とも思える。たまたま厳しいPSC(外国船舶監督官) にあったからボリビア籍貨物船「ヤン・ホー」がかわいそうなのか、本来、これぐらい厳しい対応を PSC(外国船舶監督官)すべきであるので当然なのであろうか。嘘を付き、PSCに謝って 出港していく船もいる。その後、船名や船籍を変えて再度、入港することがある。 日本は国連常任理事国になろうと思っているようであるが、この程度でも厳しい対応を取ってこなかった のである。北朝鮮問題で注目を受けるまで、北朝鮮籍の船舶に対しても適当な対応しかしてこなかった はずである。そのギャップが注目を浴びて少し変わったぐらいである。個人的には、このような 厳しい処置は当然のことであると思う。他のエリアのPSC(外国船舶監督官)の検査が甘すぎるのか、 知識不足なのである。この船の長さはいくらなのであろうか。長さによっては、救命艇は要求されない。 トン数がごまかしなのだろうか。1000トン程度で、85m以上の船はおかしいように思える。

外国船員15人、置き去り10カ月 小樽港 10/16/04(毎日新聞)

 北海道・小樽港で、ウクライナ人船員15人が乗り組んだ貨物船が、約10カ月にわたって足止めされている。安全基準を満たしていないとして国土交通省が改善命令を出し、出港を差し止めたが、船主が放置。船員たちは置き去りになった。計2000万円余の賃金も支払われておらず、家族との連絡も十分にできない状態が続いている。

 北海道運輸局や、船員らで組織する全日本海員組合(東京)などによると、ボリビア船籍の貨物船「ヤン・ホー」(1077トン)で、シニツィン・ビクトル船長(43)ら男性15人が乗り組む。

 昨年12月1日にロシア・サハリン州から冷凍カニなどを積んで入港。同運輸局の船舶安全検査で、国際条約に適合する救命艇がないことなどがわかり、出港が差し止められた。15人はその事実を知らされないまま、12月23日、それまでの船員と交代する形で、空路で北海道に入り乗船した。

 船舶代理店や海員組合が米国にいる船主に連絡を取っているが、倒産に近い状態で、改善に応じる様子はないという。ビクトル船長は「皆、借金をして仕事を見つけて来た。故郷には仕事がなく、給料をもらえずに帰国はできない」と話す。

 上陸はできるが、海員組合からの援助だけが収入源で、1日一人500円相当の食料で暮らす毎日。国際電話も月に1度がやっとだ。

 苦境を訴える日本語の看板を10月初旬に船首に掲げてからは、住民から果物や野菜をもらうようになった。機関士のフィシュチェンコ・セルゲイさん(36)は「日本人には心から感謝している。友好の気持ちも芽生えた。でも、家族と今後の生活が心配でたまらない」と話す。

 海員組合はこれ以上の生活は無理と判断し、船主に船を売却し未払い賃金に充てるよう勧めている。応じなければ、船員たちを近く帰国させる方針だ。一方、小樽市は、全員帰国で船だけ残ると港の管理上支障を来す懸念があるとして、管理要員を残すよう、船側に求めている。

<ボリビア船>乗組員15人、10カ月以上も足止め 小樽港 10/16/04(毎日新聞)

 北海道小樽港に昨年12月入港したボリビア船籍の貨物船が「船体の安全基準を満たしていない」として出港差し止めを受けたうえ、船主が船の所有を事実上放棄したため、ウクライナ人の乗組員15人が10カ月以上も足止めされている。15人は船内生活を余儀なくされているが、賃金は支払われず、日々の食料も不足がちで、関係者は対応に苦慮している。  この貨物船は「ヤン・ホー号」(1077トン)。昨年12月1日、ロシア・サハリン州のコルサコフ港からカニなど冷凍水産物約70トンを積んで小樽に入港した。直後の国土交通省北海道運輸局の船体安全検査で(1)救命ボートがない(2)脱出用消防設備がない(3)日本で通用する乗組員資格についてボリビア政府の裏書がない――などの不適合が指摘され、改善するまで出港が差し止められた。  シニーツィン・ビクトル船長(46)ら15人は同23日に交代要員として空路、道内入りした。ビクトル船長は早速、米国在住の船主に連絡したが、資金難を理由に改善措置を取らなかった。賃金や燃料費、生活費の送金もなく、訴えを受けた全日本海員組合(東京都港区)や国際運輸労連(ITF)が賃金などを工面するため船体を売却するよう求めたが、船主側は26年前に建造された老朽船に法外な値段をつけ、商談に至っていないという。  現在は連絡も途絶えてしまい、同海員組合は「船主としての責任を放棄し、モラルもない」と船主を厳しく批判。「乗組員の健康状態も心配。人道的立場から見過ごせない」と、組合員から旅費をカンパで集めるなどして乗組員を帰国させたい意向だ。しかし、15人は「本国で借金をして来た。手ぶらで帰っては生活できない」と途方に暮れている。  港湾管理者の小樽市は早期解決を求めているが、船体が放棄された最悪の場合、船主に代わって処分する代執行も検討する。【西端栄一郎】

不正はいろいろな組織で存在する!

リンク集

◆サブスタンダード船
◆サブ・スタンダード船と旗国の関係
◆なぜ、サブ・スタンダード船?
◆サブスタンダード船の見つけ方
◆検査会社の問題

★HOME
◆海運関連業界
◆なぜ、サブ・スタンダード船?
◆BLUE OCEAN(ブルーオーシャン)の事故
◆座礁船及び放置船
◆PSCによる検査の現状

リンク先の情報については一切責任を負いかねますことを申し添えます。
リンク先の中には繋がらないものもあると思いますが、ご容赦ください。