金融庁&財務省の問題

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以前、金融庁に監査法人や公認会計士が不正を行った場合、さらに厳しい処分を行うように電話したことがある。しかし、対応した職員は そのような事は検討していないし、検討もしないと言い切った。今回のオリンパス問題について 金融庁の職員があそこまで言い切ったのだから金融庁にも責任がある。 20年間も隠蔽。20年間も監査法人は問題を見抜けなかったのか、又は見逃してきた。大問題だ。

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「破綻すると思っていた」のであれば、対応策を考えておくべきなのではないのか?

アルパリジャパン株式会社に対する行政処分について 01/16/15 (金融庁)

  • 1. アルパリジャパン株式会社(以下、「当社」)の親会社であるAlpari(UK)Limitedを巡る状況及び当社と親会社との間の資本・取引関係を踏まえれば、当社の資産が国外の関連会社等に流失し、債権者及び投資者の利益が害されるといった事態が生じないよう、万全を期す必要がある。

  • 2. このため、本日、関東財務局長は、当社に対し、金融商品取引法第56条の3及び同法第51条の規定に基づき、以下の行政処分を行った。

    • (1)資産の国内保有命令(金融商品取引法第56条の3)

      平成27年1月16日より1ヶ月間、各日において、当社の貸借対照表の負債の部に計上されるべき負債の額(保証債務の額を含む)から非居住者に対する債務の額を控除した額に相当する資産を国内において保有すること。

    • (2)業務改善命令(金融商品取引法第51条)

      • a. 投資者の正確な把握及び投資者の預託を受けた資産の正確な把握を行うこと。

      • b. 投資者から預託を受けた資産について保全を図るとともに、会社財産を不当に費消する行為を行わないこと。

      • c. 投資者間における公平に配慮しつつ、投資者の保護に万全の措置を講じること。

      • d. 投資者の資産保全について、投資者への周知徹底を適切に行うとともに、投資者への適切な対応に配慮すること。

(金融庁)は動くのだろうか?

金融庁&財務省の問題・不正<

「レセプト債」 証券会社など強制調査、債務超過を隠して販売か 02/09/16(TBS News‎)

 医療機関の診療報酬請求権を債券化した金融商品=「レセプト債」を、発行元の会社が債務超過なのを隠して販売したとして、証券取引等監視委員会は、東京の証券会社などの強制調査に乗り出しました。

 金融商品取引法違反の虚偽告知の疑いで強制調査を受けているのは、今月倒産した東京・中央区の「アーツ証券」や、破産した資産運用会社「オプティファクター」の関係先、数か所です。

 監視委員会の調べによりますと、アーツ証券は、2013年10月ごろには『オプティ社』が債務超過状態だと把握したにもかかわらず、『オプティ社』発行の「レセプト債」を、「運用は安定している」などと説明し販売していたということです。

 『オプティ社』は去年、破産し、投資家には総額227億円分が払い戻されておらず、監視委員会は、刑事告発を視野に調査を進めるものとみられます。

失ったお金は返ってこない。金融庁は問題がお起きるなる前に何とかできなかったのか?

レセプト債破綻、アーツ証券を刑事告発へ 社長ら債務超過隠蔽の疑い 監視委、近く強制調査 02/02/16(産経新聞)

 医療機関の診療報酬請求権を買い取り「レセプト債」と呼ばれる債券を発行していたファンドなどが破綻した問題で、証券取引等監視委員会が、債務超過の事実を隠して販売していたアーツ証券(東京都中央区)の経営陣について、金融商品取引法違反(虚偽告知)罪で検察当局に刑事告発する方針を固めたことが1日、関係者への取材で分かった。監視委は近く、同証券など関係先の強制調査に乗り出す方針。

 同債をめぐってはファンド3社と運用会社「オプティファクター」(東京都品川区)が昨年11月に約291億円の負債を抱え破綻。約2470人の投資家に発行された約227億円分の債券が償還されなくなっていた。監視委によるとアーツ証券は平成16年6月以降、同債を約60億円分販売。川崎正社長ら経営陣は遅くとも25年10月ごろまでにオプティ社の社長から、資金がオプティ社の関連会社に流用されるなどしてファンドが債務超過状態にあることを知らされながら、事実を隠して販売を継続した疑いが持たれている。

 川崎社長らは「安全性の高い商品」と記載した勧誘資料などを継続使用。オプティ社社長とともに、同債を扱うほかの証券6社にも虚偽の決算書などを示して販売を継続させていた。

 監視委は、こうした行為が金商法が禁じる「虚偽告知」に当たるほか、投資家に錯誤を生じさせる詐欺的行為の「偽計」にあたる可能性もあるとみている。オプティ社の経営陣についても共犯に問えるとみて慎重に調査している。レセプト債問題をめぐっては、金融庁が1月29日に、監視委の勧告を受け、同証券に金融商品取引業の登録取り消しなどの行政処分を出した。

 ◇ 

 アーツ証券は1日、東京地裁に自己破産を申請し、保全管理命令を受けた。帝国データバンクによると、負債総額は約59億円。

レセプト債ファンド破綻、監視委が7証券を検査 11/12/15(読売新聞)

 医療機関の診療報酬請求権を債券化した金融商品(レセプト債)の発行元ファンドが破綻した問題で、証券取引等監視委員会が債券を販売した全国7証券の検査に乗り出したことが、関係者の話でわかった。

 監視委はすでにアーツ証券(東京)など3社の検査を始めており、残り4社の検査にも近く着手。証券各社が、債務が超過していたファンドの状況を顧客にどう説明していたのか詳しく調べる。

 ファンドを管理していた「オプティファクター」(同)などによると、レセプト債の発行残高は約227億円。延べ3000の個人・法人に販売されたとみられ、ジャスダック上場の商品先物取引会社「フジトミ」(同)は10日、1億円分保有していることを明かし、「償還不能になる恐れが生じた」と発表した。

「安全だと思ったのに」…証券各社に苦情相次ぐ 11/09/15(読売新聞)

 問題のレセプト債を販売していた証券各社には、ファンドの破綻を知った投資家から問い合わせが相次いでいる。

 債券を他の証券会社にも紹介していたというアーツ証券。8日に都内で顧客向けの説明会を開いたところ、100人弱が出席したという。同証券は取材に対し、「私たちも被害者。寝耳に水で困っている」と話した。

 金沢市の竹松証券ではこれまで、286の個人・法人に計29億6600万円分の債券を販売した。不正請求でない限り、健康保険組合側からほぼ確実に支払われる診療報酬を基にしたレセプト債は、一般的に安全性が高いとされる。ファンドの破綻を知った購入者からは、「安全だと思って買ったのに」などの苦情が寄せられているという。

レセプト債「未払いない」…破綻前、顧客に強調 11/09/15(読売新聞)

 医療機関の診療報酬請求権を債券化した金融商品(レセプト債)の発行元ファンドが破綻した問題で、債券を販売する証券会社が今年に入り、顧客に対して「過去に金利や償還の未払いは一度もない。運用状況は改善している」と強調していたことが、関係者の話でわかった。

 ファンドの運用成績の低迷を受け、顧客の不安を払拭するためだったが、結果的に事実と異なる説明をしていたことになる。

 問題の債券は、東京都品川区の資産運用会社「オプティファクター」が組成したファンド3社が発行。中央区のアーツ証券が紹介役となって、国内の計7社の中小証券会社が販売していた。発行残高は約227億円に上る。

 関係者によると、証券各社はアーツ証券の要請を受け、今年8月頃から、ファンドの運用報告書を顧客に配布するようになった。報告書では、ファンド3社のうち英領バージン諸島に本店を置く2社が債務超過状態にあることが示されていたという。

証券会社も「寝耳に水」の事態…レセプト債破綻 11/08/15(読売新聞)

 医療サービスに対して支払われる診療報酬を基にした金融商品(レセプト債)を全国に広めていた資産運用会社「オプティファクター」(東京都品川区)が、破綻していたことがわかった。

 債券を取り扱う証券会社も寝耳に水の事態だといい、ある証券マンは「顧客の資金が焦げ付く可能性がある」と話している。

 診療報酬は通常、患者を診療した医療機関が、健康保険組合側に請求して約2か月後に支払いを受ける。すぐに現金が必要な医療機関はこの請求権を、同社が運用するファンド3社に売却。ファンドは後から手に入る診療報酬を裏付けとして債券を発行し、全国七つの証券会社を通じて投資家に販売していた。

 診療報酬は不正請求でなければ、健康保険組合側からほぼ確実に支払いが行われるため、これを基にしたレセプト債は一般的に安全性が高いとされている。

レセプト債4社が破綻、227億円償還不能か 11/08/15(読売新聞)

 医療機関の診療報酬請求権を基に、資産運用のための債券(レセプト債)を発行しているファンド3社と運用会社1社が破綻し、顧客への配当が止まったことがわかった。

 3社の発行債券の残高は約227億円に上るが、数千人の顧客が償還を受けられない可能性がある。ファンドの決算内容に不審な点があることから、証券取引等監視委員会が調査を始めた。

 6日に東京地裁に破産手続きの開始を申し立てたのは、「メディカル・リレーションズ・リミテッド」(東京都新宿区)などファンド3社と、関係する運用会社「オプティファクター」(品川区)。メディカル社は同日付で破産手続き開始決定を受けた。4社の負債総額は約290億円。

 関係者によると、メディカル社などは、病院や薬局が健康保険組合側に請求できる診療報酬の権利を買い取り、元利金の支払いに充てる債券を発行。年利は3%で、国内の七つの中小証券会社が延べ数千人の投資家に販売していたという。

岡三証券うその株価報告 顧客に1年間 05/14/15(河北新報)

 準大手証券会社の岡三証券仙台支店(仙台市青葉区)が、海外株を買った仙台市泉区の無職男性(68)に実際より高いうその株価を約1年間教え続け、損失を膨らませていた疑いがあることが13日、分かった。金融商品取引法に違反する可能性が高いとして、男性は証券・金融商品あっせん相談センター(ADR、東京)に和解の仲介を申し立てている。

 関係者によると、男性は2013年9月、同支店の勧誘を受け、グーグルやツイッターなど海外6社の株式を1000万円分購入。営業担当者が毎日、電話で男性に虚偽の終値を報告していた。

 男性の妻が14年11月、運用状況を聞いたところ、担当者は損失額を56万円と説明。態度などを不審に思った妻が上司に釈明を求めると、実際は6倍近い約310万円に上り、担当者の電話報告がうそだったことが判明した。

 男性側は「証券取引に対する信頼を根底から失いかねない行為で、極めて悪質だ」と批判。虚偽報告の詳しい説明と賠償を求め、ことし4月、和解の仲介を申し立てた。結論次第で訴訟を提起するという。

 金融商品取引法は契約に関して虚偽内容を顧客に告げた場合、企業に2億円以下の罰金、担当者にも1年以下の懲役や300万円以下の罰金を科すと規定している。

 岡三証券グループは「個別事案につき、回答できない」(グループ広報部)と話している。

英FX業者が破綻…スイス・フラン急変動で 01/17/15 (読売新聞)

 【ロンドン=五十棲忠史】英国の外国為替証拠金取引(FX)業者「アルパリ」は、スイス・フラン相場が急激に変動した影響を受けて、16日付で破綻したと発表した。

 顧客の大半が差し入れている証拠金を上回る損失を抱えたため、アルパリが被ることになり、破綻に追い込まれたという。

 スイス・フランは、スイス国立銀行(中央銀行)が15日、それまで無制限で行うと宣言していた「ユーロ買い・フラン売り」の為替介入停止を発表したことで、大きく乱高下した。

 日本の金融庁は16日、アルパリの破綻を受け、日本法人のアルパリジャパンに対して、顧客から預かった資産が流出しないように求める命令を出した。

金融相、ビットコイン「破綻すると思っていた」 02/28/14 (読売新聞)

 インターネット上の仮想通貨「ビットコイン(BTC)=Bitcoin」の日本の取引サイトを運営するマウントゴックス社(東京)が取引を停止した問題で、日本の金融・監督当局も対応に苦慮している。

 麻生財務・金融相は28日の閣議後の記者会見で、「(ビットコインは)長続きせず、どこかで破綻すると思っていたが、意外に早かった」との考えを示したうえ、「何とかしなければならないと思っていた。早急に(対策を)詰める」と述べた。

 政府として対策を検討する意向を明らかにしたものだが、具体的な方策については、「実態を調べるところからスタートする。現段階で方向性が決まっているわけではない」と明言を避けた。

 一方、森消費者相は28日の閣議後会見で、「関係省庁と連携しつつ適切に対応していく」と述べ、金融庁や財務省などと情報収集している、と説明した。森氏は、「ビットコインは中央銀行や政府が仕組みを保証したものではない」と強調し、特徴を理解した上で利用するよう注意を促した。

「財務省は6000億円返せ」 自賠責積立金からの“借金”滞納で国交省 01/29/14 (参詣新聞)

 自動車損害賠償責任保険(自賠責保険)の積立金から国の一般会計に貸し付けられ、いまだに返済されていない約6千億円の行方が注目されている。

 積立金を所管する国土交通省は「借りたものは返すべきだ」と主張。一方、一般会計を預かり“借金”を抱えたたままの財務省は「財政事情が厳しい」と難色を示し、議論は平行線のままだ。

 事の発端は平成6、7年度の予算編成。政府は赤字国債の発行を抑えるため、自動車損害賠償保障事業特別会計(当時)から計1兆1200億円を一般会計に繰り入れた。15年度までに一部が返済されたが、利子も含めた約6千億円が未返済のままだ。

 国交省が返済を求めるのは、自賠責保険の保険料を運用してためた積立金が減少しているためだ。

 積立金は後遺障害など自動車事故の救済事業や、交通事故の防止対策などに使われるが、近年の金利低下で運用益が出にくくなり、毎年度100億円程度積立金を取り崩さないと事業費がまかなえない状況だ。

 現在の返済期限は30年度だが、延長される可能性もある。29日の金融庁の自賠責保険審議会でも、この借金問題が議題になりそうだ。

年金基金の巨額横領、元事務長3度目の逮捕 01/06/14 (読売新聞)

 長野県建設業厚生年金基金(長野市)の巨額横領事件で、県警は6日、元事務長・坂本芳信被告(56)(別の業務上横領罪で起訴)を業務上横領容疑で再逮捕した。

 坂本被告の逮捕は3度目。

 発表によると、坂本被告は2010年8月5日と同年9月7日、基金の口座から計約2億8700万円を引き出し、うち計約1億2300万円を横領した疑い。

 基金の調査では、05年6月~10年9月に計約23億8700万円の使途不明金が確認されており、捜査関係者によると、坂本被告は、不明金全額の着服を認めている。

 坂本被告は昨年11月に基金口座から約6400万円を着服したとして同容疑で県警に逮捕され、同12月には約1億3000万円を横領したとして再逮捕された。

偽造された1万円銀貨、日銀で100枚見つかる 12/20/13 (読売新聞)

 日本銀行は20日、日銀や取引金融機関に持ち込まれた貨幣の中から、偽造された銀貨約100枚が見つかったと発表した。

 いずれも昭和天皇の在位60年を記念した1万円銀貨が偽造されたもので、財務省が今月3日、国際郵便の中から46枚発見したと発表した偽造銀貨と特徴が同じという。

 見つかった偽造銀貨は、本物と比べ、材質や重さはほぼ同じだが、直径がやや大きく、側面のギザが少ないという。

 1万円記念銀貨は1986年に約1000万枚発行された。日銀は「不審な銀貨を見つけたら、警察か日銀に知らせてほしい」と呼び掛けている。

AIJ事件:前社長の浅川被告に懲役15年判決…東京地裁 12/18/13 (毎日新聞)

 AIJ投資顧問(現MARU)による企業年金消失事件で、詐欺罪と金融商品取引法違反(契約の偽計)に問われた前社長の浅川和彦被告(61)に対し、東京地裁(安東章裁判長)は18日、求刑通り懲役15年を言い渡した。同罪に問われた元取締役の高橋成子(54)、AIJ傘下でファンドを販売していたアイティーエム証券(破産)元社長の西村秀昭(58)両被告はいずれも同7年(求刑・同8年)とした。3人に追徴金約156億9000万円と没収約5億6000万円(求刑・追徴金約212億2000万円、没収約5億6000万円)も命じた。

 起訴状によると、3人は共謀し、2009〜12年、17の年金基金に虚偽の運用実績を示し、水増しした価格でファンドを販売して約248億円をだまし取ったとされる。【山本将克】

厚労省、物産年金基金へ報告命令…元幹部逮捕で  12/16/13 (読売新聞)

 「ドイツ証券」から接待を受けたとして、三井物産連合厚生年金基金の元幹部が警視庁に収賄容疑で逮捕された事件を巡り、厚生労働省は16日、同基金に対し、詳しい事実関係を調べて、来年3月末までに報告するよう命じた。

 同省は「厚生年金基金制度に対する信頼を失墜させ極めて遺憾」として、再発防止策を検討するよう同基金に求めている。

海外FX業者の実態不明…払い戻し応じない例も  12/13/13 (読売新聞)

 インターネット上で日本人向けに外国為替証拠金取引(FX取引)の勧誘をしている海外の無登録業者が、金融庁の警告を無視して営業を続けるケースが相次いでいる。

 業者の多くは所在や実態が不明で、資金を持ち逃げしても日本の金融当局による追及は難しく、金融庁は投資家に自衛を呼びかけている。

 ◆「解約応じず」

 「解約を申し入れたのに、業者が払い戻しに応じない。どうすればいいのか」。今年10月、国民生活センターに四国に住む40歳代の女性から相談の電話があった。

 ネットでFX業者の広告を見て、上海の口座に480万円を入金したが、調べてみると、評判の悪い業者だと分かったのだという。女性は「ネットで残高を確認すると、少し利益が出ているようだが、本当だろうか」と不安そうに話した。

 金融庁や国民生活センターには、海外のFX業者に関する同様の相談が数多く寄せられている。

 日本の投資家向けに勧誘を行う場合、業者の所在地が海外でも金融商品取引法に基づく登録が必要だが、実際には無登録の業者も多い。金融庁は無登録業者を見つけた場合、警告書を送付して名前を公表している。

 2012年度に警告した無登録の海外のFX業者や仲介業者は19社で、11年度より10社増えた。13年度も15社に上る(12月5日現在)が、いずれも代表者の名前は不明だ。12年6月に金融庁が警告した業者は、翌月に名前を変えて営業を続けているという。同庁幹部は「警告書が相手に届かずに戻ってくるケースや、警告後も雑誌などに堂々と広告を掲載し続ける業者が後を絶たない」と明かす。

偽計取引に課徴金40億円…証券監視委が勧告へ  10/31/13 (読売新聞)

 グループ会社が発行する転換社債を購入したと偽って、グループの別会社の株価をつり上げたとして、証券取引等監視委員会は投資会社「アジア・パートナーシップ・ファンド」(APF)グループの実質的な代表者で、海外在住の日本人男性(46)に対し、金融商品取引法違反(偽計)の疑いで約40億円の課徴金を科すよう、近く金融庁に勧告する方針を固めた。

 課徴金としては過去最高額となる見通し。一方、男性側は「偽計にあたる事実はない」と強く反発している。

 問題となっているのは、グループのホテル保有会社「APFホスピタリティ」(タイ)が発行した約8億円の転換社債。グループのジャスダック上場「ウェッジホールディングス」(東京)が2010年3月、転換社債の引き受けを公表すると、1万2000円前後のウェッジ社株は一時3万7250円まで高騰した。

 転換社債は発行会社の株式に転換できるため、ウェッジ社は引き受けによりホスピタリティ社への支配力が強まって「投資収益と事業収益の拡大を見込める」と投資家向けに発表しており、買い注文が増えた。

 しかし監視委の調査で、ウェッジ社には社債の購入資金はなく、グループ会社に約3億円を拠出させて、それを国内外の複数のグループ会社間で何度も循環させる手口で、約8億円を4回に分けてホスピタリティ社に支払ったように装っていたことが判明したという。

たぶん形だけの検査じゃないのかな?本気で検査したとして、日頃から手を抜いた検査していたら簡単に不備を見抜けないかも?
公務員の検査はそんなものじゃないのかな?

金融庁、組員融資を年内一斉検査…3メガ銀対象  10/24/13 (読売新聞)

 金融庁は、みずほ銀行など国内の3メガバンクに対し、暴力団組員らに融資をしていないかなど法令順守に関して年内にも一斉に検査する方針を固めた。

 みずほ銀が暴力団組員らへの融資を放置していた問題が発覚したことを受け、他のメガバンクも含め同様の問題がないかを調べる。

 検査では、組員らが口座を開いたり、融資を引き出したりするのを防ぐための取り組みや、組員だと発覚した場合に取引を解消するための態勢をチェックする。みずほ銀の問題融資が系列の信販会社を通じて行われたことから、信販会社や消費者金融などのグループ会社と組員らに関する情報を共有しているかも検証する。

 金融庁は昨年12月~今年6月にみずほ銀に対する検査で、組員への融資が放置されていることを把握した。しかし、みずほ銀の「情報が法令順守担当役員止まりだった」とする当初の説明が誤りであることを見抜けず、国会で検査が不十分との指摘が出ていた。麻生金融相は21日の衆院予算委員会で、金融庁の検査について、「深い検証を行うべきだったという批判は承知している。検査の質的向上に取り組まないといけない」と述べた。

簡単には詐欺罪では捕まらないと言う事か?

安愚楽牧場旧経営陣、詐欺罪では不起訴 東京地検  10/11/13 (産経新聞)

 経営破綻した安愚楽(あぐら)牧場(栃木県那須塩原市)の特定商品預託法違反事件をめぐり、元社長の三ケ尻久美子被告(69)=同法違反罪で公判中=ら旧経営陣3人に対する詐欺罪での刑事告訴について、東京地検は11日、嫌疑不十分で不起訴処分とした。弁護団は処分を不服として、検察審査会に申し立てる方針。

 地検によると、同社は経営状態が悪化した後も、国内外への販路拡大や金融機関との融資交渉を継続していたという。地検は「事業破綻が分かっていたとは積極的に認められない。意図的にだましたとは認めがたい」としている。

 同社をめぐっては、出資者58人が「牛が存在しないのに嘘をついて出資金を集めていたのは詐欺罪に当たる」などとして、警視庁や各地の警察本部に刑事告訴していた。

ドラマ「日曜劇場『半沢直樹』」とダブるのが面白い。
「モラル・・・この銀行に まだモラルなんてものが存在するんですか? 私の言ってることと大和田常務の言ってること、どちらが正しくてどちらが間違ってるか少し考えれば誰にでも分かるはずです。 しかし、皆さんは、これまでずっとこのテーブルの上で黒だと思っているものを詭弁で白にすり替え続けてきた。その結果が、今の、この東京中央銀行です。 (トリ猫家族)

「半沢は京橋支店長・貝瀬を訪ね、伊勢島ホテルからの内部告発をなかったことにした書類が存在している、とコピーを提示した。
その場をなんとか取り繕った貝瀬は大和田常務(香川照之)に指示を仰ごうとするが、逆に大和田から「君が勝手にやったことだろう?」と暗黙の念を押され、観念するしかなかった。
(半沢直樹 第7話 あらすじ ネタバレ 視聴率)

『半沢直樹』のインパクトや影響が大きかっただけに子供達さえ「ドラマじゃないんだ」と言っているところがまた面白い。

金融庁、みずほへ追加の報告命令 追加行政処分の公算大  10/09/13 (SankeiBiz)

 金融庁は9日、みずほ銀行が暴力団員など反社会的勢力への融資を放置した問題で、これまでの報告内容が、事実と異なっているとして、追加の報告提出を28日までにみずほ銀と持ち株会社のみずほフィナンシャルグループに求める命令を出した。行内での取引把握状況などを求める。

 みずほに対して金融庁は先月27日、業務改善命令を出し、今月28日までに業務改善計画を提出するよう求めた。行政処分の直後に再び報告を求めるのは異例。追加の報告を受け、金融庁がさらに厳しい処分を出す可能性が高い。

 これまでの報告では、問題となった取引情報は法令順守担当役員止まりとした。だが、8日の佐藤康博頭取の会見で、当時の頭取である西堀利氏も把握していたほか、佐藤頭取が出席した役員会などにも関係資料が提出されていることがわかった。このため改めて事実関係を確認する必要があると金融庁は判断した。

 追加報告での焦点は、社内調査が不十分で、法令順守担当役員止まりと報告したのか、それとも問題が経営トップに波及しないように隠蔽を図ったかだ。組織ぐるみでの検査忌避の可能性は少ないと金融庁ではみているが、「検査に対して不十分な対応」(関係者)という見方は強まっており、追加の行政処分がでる公算が大きくなっている。

みずほに追加報告命令=暴力団融資問題で-経緯説明「事実と異なる」・金融庁  10/09/13 (時事通信)

 金融庁は9日、信販会社を介した暴力団組員らへの融資問題をめぐり、みずほ銀行と親会社のみずほフィナンシャルグループ(FG)に対し銀行法に基づく報告徴求命令を出した。役職員が問題を知った時期や経緯、取締役会などへの報告内容について、改めて説明を求めた。従来の説明と異なる事実が新たに発覚したことに伴う措置で、提出期限は28日。みずほ側から報告を受けた上で、追加の行政処分が必要かどうか検討する。

 金融庁は9月27日、提携先の信販会社を通じた暴力団組員らへの融資を放置したとして、みずほ銀に業務改善命令を出した。その際、金融庁はみずほ銀の申告に基づき、問題の融資に関する情報は担当役員止まりで、経営陣に伝わっていなかったと判断した。

 しかし、その後のみずほ銀の内部調査で、みずほ銀とみずほFGの取締役会や社内のコンプライアンス(法令順守)委員会に11年2月以降、情報が上がっていたことなどが判明。業務改善命令の前提となった報告内容と異なっているため、みずほ銀が今月28日までに提出する業務改善計画とは別に、正確な事実関係を明らかにするよう求めた。

証券監視委、アブラハム社への行政処分を勧告  10/03/13 (読売新聞)

 無登録で海外ファンドの販売をするなど金融商品取引法に違反したとして、証券取引等監視委員会は3日、投資助言業者「アブラハム・プライベートバンク」(東京)に行政処分を科すよう金融庁に勧告した。

 ア社は、「運用会社から販売手数料などはもらっておらず、中立的な立場で紹介できる」と宣伝していたが、実際は、客のファンド購入額に応じて多額の報酬を受け取っていたという。

 監視委によると、ア社は「1億円は貯(た)められる」などとうたう助言サービスを展開し、英領マン島などにある4社のファンドを顧客に紹介。2010年8月から今年5月末までの間に、少なくとも2792人がファンドを購入。払込額は170億円に上っていたという。

虚偽説明のファンド販売会社、登録取り消し 08/08/13(読売新聞)

 金融庁は8日、虚偽の説明で集めた資金を無登録の貸金業者に貸し付けていたなどとして、ファンド販売会社「ウィズ・アセット・マネジメント」(東京都)の第2種金融商品取引業の登録を取り消した。

 証券取引等監視委員会が同社を4月から検査し、勧告していた。

 金融庁や監視委によると、同社は、2009年11月から今年4月までの間、虚偽の運用実績を記した書類を顧客に示し、計30種類のファンドへの出資を勧誘。集めた資金は実質的な親会社である「インフィニティ・ホールディングス」(同)に貸し付けられ、イ社は、貸金業の免許がないのに、イベントや飲食店などを行う企業などに貸し付けていたという。ウィズ社は監視委に対し、「約4500人から約136億円を集めた」と説明しているという。

どのような判決になるのかは知らないが、金融庁は裁判の経過状況や被告人達がどのような 発言をしているのか詳細にチェックし、今後、このような事が起きないような防止策及び被告たちがどうようにして責任から逃れようとしているのかを観察した上での防止策を取るべきだと思う。

AIJ前社長、一転無罪主張へ「利益得る意思なし」 07/29/13(産経新聞)

 AIJ投資顧問(現MARU)による年金資産消失事件で、詐欺と金融商品取引法違反罪に問われた同社前社長、浅川和彦被告(61)が、これまで認めていた詐欺罪について「利益を得る意思はなかった」として、29日午後の公判で無罪主張に転じる方針を固めたことが同日、関係者への取材で分かった。金商法違反罪は認める。今秋にも1審判決が出る見通し。

 浅川被告は公判で「私腹を肥やす目的はなかった」と私的流用を否定。AIJは解約されたファンドを別の年金基金などに買い付けさせる「相対売買」を繰り返していたとされることから、浅川被告は、自身が解約で得た資金を流用できず、利益を得られない仕組みだったと主張していた。

 検察側は年金基金にファンドを販売していた傘下のアイティーエム証券(破産手続き中)をAIJが実質支配していたと指摘していた。浅川被告はこれが「事実ではない」と訴える。

AIJ傘下の証券会社、破産開始決定 07/03/13(読売新聞)

 東京商工リサーチは3日、AIJ投資顧問(現MARU)傘下のアイティーエム証券(東京・中央区)が6月28日に東京地裁から破産手続きの開始決定を受けたと発表した。

 負債総額は1416億円。

 アイティーエム証券はAIJ傘下で年金投資契約を請け負っていた。厚生年金基金や企業年金基金から、虚偽の運用実績を基に金をだまし取った疑いで当時の社長が逮捕・起訴されており、債権者の金融機関が破産を申し立てていた。

浅川社長に懲役15年求刑 「年金基金を食い物に」 07/02/13(産経新聞)

 AIJ投資顧問の年金資産詐取事件で、17の年金基金から計約248億円をだまし取ったとして、詐欺などの罪に問われたAIJ社長、浅川和彦(61)ら3被告の論告求刑公判が2日、東京地裁(安東章裁判長)で開かれた。検察側は「年金資金の運用に苦労している基金を食い物にした極めて悪質な犯行」として、浅川被告に懲役15年を求刑した。

 AIJの運用ファンドを専従で販売していたアイティーエム証券の元社長、西村秀昭被告(57)とAIJ取締役、高橋成子(しげこ)被告(54)の求刑はともに懲役8年で、追徴金として3被告に計約218億円を求めた。29日に弁護側が最終弁論を行い、結審する予定。

 検察側は論告で、被害基金の加入員が約14万人に上り、被害回復は全体の6%程度しか行われていないと指摘。「被害額は類を見ないほど大きく、『わが国の厚生年金基金制度を崩壊させた』といえるほど社会的影響は甚大」とした。

 浅川被告については「事件の首謀者」と強調、「完全な自転車操業状態に陥ってもファンドの販売を強力に継続し、被害を拡大させた」と非難した。

 公判で浅川、西村両被告は起訴内容を認め、高橋被告は無罪を主張している。

 起訴状によると、3人は平成21年2月~今年1月、17の年金基金に虚偽の運用実績を示し、投資信託などのファンドを水増しした価格で販売。計約248億円をだまし取ったとされる。

3人の報酬総額は100億円超か オリンパス損失隠し事件 06/11/13(静岡新聞)

 オリンパスの巨額損失隠しを指南した見返りに受け取った報酬を海外に隠したとして、組織犯罪処罰法違反の疑いで東京地検特捜部に再逮捕された大手証券会社OBらが、手にした報酬の総額が100億円以上に上るとみられることが11日、捜査関係者への取材で分かった。

 同社は総額約1100億円もの損失を隠していたとされる。特捜部はこれまでの捜査で、再逮捕容疑となった約22億円の他に、約80億円の報酬が支払われたとみている。

 証券会社OBの横尾宣政容疑者(59)が報酬の送り先にしていたのが、リヒテンシュタインなどタックスヘイブン(租税回避地)だったことも判明した。

オリンパス損失隠し 「指南役」、報酬を不正に隠した疑いで逮捕 06/11/13(FNNニュース)

オリンパスの巨額損失隠し事件で、損失隠しを指南したとして逮捕・起訴された男らが、オリンパスから得た報酬を不正に隠していた疑いで、東京地検特捜部に逮捕された。

組織的犯罪処罰法違反の疑いで逮捕されたのは、証券会社元社員の横尾宣政容疑者(59)ら3人。 横尾容疑者らは、オリンパスの損失隠しを指南し、およそ3,600億円分の資産を水増しして、粉飾決算した罪などで、すでに逮捕・起訴されているが、特捜部によると、横尾容疑者らは、一連の指南で得た報酬、およそ22億円を海外口座に移すなどして、不正に財産を隠していた疑いが持たれている。 特捜部は、ほかにも隠し財産があるとみて、横尾容疑者らを追及している。

事業報告書の虚偽記載を行っても問題が起きなければ虚偽記載が発覚しないことを証明しているので? 金融庁はこの点に対してどのような防止策を取るのか?取らないのか? たぶん、この事件も氷山の一角ではないかと思う。

米MRIインターナショナル:資金消失 社長、事業報告書の虚偽記載認める ずさん管理、主導か 04/29/13(毎日新聞)

 米国の資産運用会社「MRIインターナショナル」が日本の顧客から預かった資産を消失させた疑惑で、エドウィン・ヨシヒロ・フジナガ社長(66)が証券取引等監視委員会の聴取に対し、虚偽の内容を記載した事業報告書を関東財務局に提出したと認めていたことが分かった。顧客の出資金を不正に流用するなどして会社の資産を過大に計上した疑いがあり、監視委はフジナガ社長がずさんな資産管理を主導したとみて調べている。

 同社は2008年6月、日本でファンドの募集などを行う第2種金融商品取引業の登録をして、事業や財務の状況を記した事業報告書を財務局などに提出する義務を負った。今年3月に同社の検査に着手した監視委が口座記録などを調べたところ、実態とは異なる資産や負債の額を事業報告書に記載していた疑いが浮上した。

 監視委は、米証券取引委員会の協力を得て米国在住のフジナガ社長から事情聴取。フジナガ社長は「事実と異なる虚偽の財務内容を書いた」と認める供述をしたという。日本の顧客が同社のファンドに出資した資金を会社の口座に不正に移すなどして、財務状況が良好なように見せかけていた疑いがあるとみられる。

 監視委によると、同社が米税務当局に提出した納税申告書にも実態とかけ離れた財務状況が記載されていた上、関東財務局に出された事業報告書とも異なる内容だった。監視委は、フジナガ社長らが自社の都合の良いように複数の虚偽の財務資料を作成していたとみて経緯を調べている。【牧野宏美】

MRI社長「財務資料、今はない」…監視委聴取 (1/2) (2/2) 04/27/13(産経新聞)

 資産運用会社「MRIインターナショナル」(本社米・ネバダ州)による資産消失事件で、一連の不正は米国本社が主導していた疑いが強いことが27日、関係者への取材で分かった。同社のエドウィン・ヨシヒロ・フジナガ社長(66)は証券取引等監視委員会の任意の事情聴取に「資金の大半が残っていない」などと説明。日本事務所の役職員が預かり資産の管理に関わっていなかったことも判明した。監視委は強制調査で押収した資料を分析し、役割分担など実態解明を進める。

 MRIは、顧客から集めた資金を米国の診療報酬請求債権(MARS)の購入に充て、年6・0~8・5%の高利回りを出せると宣伝。だが、平成23年以降、運用の実態がなく、国内の顧客約8700人から預かった約1365億円とされる資金の大半が失われたとみられている。

 顧客は投資金を米国の口座に入金するよう指示され、配当金や償還金も米国口座から振り込まれていた。投資金について、同社は米金融大手ウェルズ・ファーゴに開設した「ロックボックスアカウント」という特別な口座で管理、債権の購入時しか使用できないと説明し、顧客を信用させていたが、実際は自由に出し入れできたという。

 関係者によると、3月に行われた監視委による立ち入り検査の結果、同社の日本事務所の役職員27人は、資産の出し入れに関与していなかったことが判明。監視委が先月、フジナガ社長から任意で事情を聴いた際、社長は「集めた資金の大半が残っていない」「もう少しで配当できる」などと説明したという。

 監視委は米証券取引委員会(SEC)とも連携。不透明な資金の流れを解明するため、フジナガ社長からの再聴取を検討するほか、日本事務所で不正を認識していた役職員がいなかったかなどを調べる。

MRIインターナショナル顧客サービスセンター東京都千代田区永田町2-14-3 赤坂東急ビル6D フリーダイヤル: 0120-445-331. 設立年月日, 1998年7月. 代表取締役社長, エドウィン Y. フジナガ. 日本地区統括責任者, 鈴木 順造.

held by Edwin Yoshihiro Fujinaga and Andrea Shinayo Fuj inaga, husband and wife , as tenants by the entirety(hawaii.gov )

MARS投資 MRIインターナショナル会社概要と倒産詐欺 04/26/13(粉飾決算 脱税と倒産)

MRIインターナショナル社長 エドウィンYフジナガ 「資金残っていない」 04/27/13(厳選 旬ナビ 裏情報)

MRI社長「財務資料、今はない」…監視委聴取 04/27/13(読売新聞)

 米国の資産運用会社「MRIインターナショナル」(本社・米ラスベガス)が、日本の投資家から集めた資金を消失させた問題で、証券取引等監視委員会が米国在住のエドウィン・ヨシヒロ・フジナガ社長(66)を聴取していたことがわかった。

 これまでの検査で、社内には出資金が残されていないことが確認されたが、フジナガ社長は「為替レートの急激な変化で配当や償還が遅れているだけだ」などと説明したという。

 監視委は、同社の検査に着手した3月以降、米証券取引委員会の協力を得て、フジナガ社長を複数回聴取。社長は配当が遅れていることについて、「もう少したてば金が入ってくるので配当できる」「事業はうまくいく」などと主張したが、監視委が財務資料などの提出を求めると、「今はない」などと話したという。

振り込み詐欺じゃないけれど、地道に働くよりも「AIJ」とか資産運用会社「MRIインターナショナル」のように顧客を騙して 良い思いをした方が楽かもしれない。

金融庁によるチェックや処分はあまいので、モラルや規則を無視して利益優先をさせるのなら 今後もこのような問題は起きるかもしれない。そういう点では日本はまだまだ稼げる市場なのかもしれない。

記事によると顧客は富裕層だし、「麻生太郎金融担当相は26日の記者会見で『監視を強めることと、緩めて(金融業者を)育てるバランスを取ることが難しい』と述べた。」 との事なので金融庁は防止策をしないことを理解して自己判断で投資すれば良い事なので 問題ないと言えば問題ない。ただ、1300億円の予算を取ることは国の事業でも簡単ではないと思う。

米MRIインターナショナル:登録抹消 金融庁、定期検査は困難 「第2種業者」1279社と多く 04/27/13(毎日新聞 東京朝刊)

 金融庁は26日、米金融業者「MRIインターナショナル」の金融商品取引業の登録を取り消したが、同社のように取引が少ない有価証券を取り扱う「第2種金融商品取引業者」への定期的な検査は困難なのが実情だ。銀行や保険、証券会社に対しては、金融庁や証券取引等監視委員会が定期的に検査を行っている。野村証券など大手の第1種業者に対し、第2種業者は今年3月末現在で1279と数が多く、今の検査体制では間に合わない。

 MRIの問題発覚は、昨年12月に投資家から配当の遅れを指摘する情報が寄せられ、監視委が検査を行ったことがきっかけだが、08年6月の登録以降初の検査だった。AIJ投資顧問による年金消失事件を受け、政府は運用会社がうその運用実績を伝えて年金契約を結んだ場合などの刑事罰を引き上げる改正法案を今国会に提出しているが、第2種業者は対象外。業務が有価証券の販売・勧誘のため、資産運用業者とみなされないからだ。麻生太郎金融担当相は26日の記者会見で「監視を強めることと、緩めて(金融業者を)育てるバランスを取ることが難しい」と述べた。【葛西大博】

MRI資産消失疑惑:金融庁が登録抹消 顧客保護を命令 04/27/13(毎日新聞)

 米ネバダ州に本社がある資産運用会社「MRIインターナショナル」が日本国内の顧客から預かった資産約1365億円の大半が消失した可能性がある問題で、証券取引等監視委員会は26日、金融商品取引法違反(誇大広告)の疑いで同社と社長(66)の強制調査に乗り出した。金融庁も26日、同社の金融商品取引業の登録を取り消した上で、顧客保護の措置を講じるよう業務改善命令を出した。

 監視委によると、昨年12月にMRIのファンドに出資した一部の顧客から「配当の支払いが遅れている」との情報を受け、今年3月に立ち入り検査を実施。その結果、少なくとも2011年以降、同社が出資金の大部分を運用せず、他の顧客への配当金などに流用していたと認定した。「自転車操業」(監視委幹部)の状態だったが、顧客に対しては「出資金は金融商品の購入や回収事業のみに充てられる」などとうその説明をしていたという。

 また、ファンドの口座と自社の口座を分別して管理せず、資産合計などについて実態と異なる数値を記載した事業報告書を財務局に提出したとされる。ただ、監視委は預かり金総額や消失額は「資料が全てそろっておらず分かっていない」として明らかにしていない。

 監視委は金の流れなどの解明が不可欠と判断。11年2月ごろから13年3月ごろ、利益の見込みなどについて広告で著しく事実と違う表示をしたなどとされる容疑で強制調査に着手した。ファンドは米国の銀行で開設した口座に顧客が直接出資金を振り込み、そこから配当を受け取る仕組みだといい、米本社への調査が不可欠になる。このため米証券取引委員会の協力を得ていくという。

 金融庁によると、顧客は富裕層の個人投資家が中心。同社は今年度のファンドのパンフレットも既に作製済みで、多数の顧客を勧誘する計画を進めていたという。同庁は監視委から行政処分の勧告を受けた当日に登録を取り消した。

 同社は26日、ホームページ上にコメントを掲載し、「調査に協力してまいります。お客様にご心配をおかけしておりますことを、深くおわび申し上げます」と謝罪した。【牧野宏美】

MRI資産消失疑惑:昨年から配当滞る 契約者、募る不安 04/24/13(毎日新聞)

 顧客から預かった資産を消失させた疑いが浮上し、証券取引等監視委員会の強制調査を受けた米国の資産運用会社「MRIインターナショナル」。年6.0〜8.5%の高利回りをうたっていたが、複数の契約者によると、昨年から配当の支払いが滞り始めたという。「お金は戻ってくるのか」「あの時、契約をやめておけば」。東京都内の同社事務所に詰めかけた契約者たちは不安を募らせた。

 東京都世田谷区の男性(57)は今月上旬の配当支払いがなく、25日に電話で事務所に問い合わせたばかりだった。昨年10月にも配当の支払いが遅れたという。男性が「トラブルが起きているのか」と尋ねると、「会員が増えて時間がかかっている。今月は難しいが、もうすぐ振り込む」と説明されたという。運用資産は5000万円弱。郵便貯金や銀行預金を取り崩して投資した。男性は「今すぐに解約したい。できなければ、警察に相談する」と話した。

 千葉県船橋市の男性(70)も昨年夏と冬の2度、配当の支払いが遅れた。2008年秋のリーマン・ショックのときも配当の支払いが滞らなかったため、「景気に左右されない商品」と信頼していたという。男性は「配当の支払いが滞ったときに少しでも疑い、解約すべきだった。生活の設計を見直さなければ」と肩を落とした。

 東京都府中市の無職男性(67)は26日午前、ニュースを見て驚き、千代田区内の事務所に駆けつけた。しかし、入り口は閉じられたまま。しばらくすると監視委の職員らしき男性たちが現れて室内に入っていった。男性は「寝耳に水。今後どうなるか。手の打ちようがない」とこぼした。

 MRIと同種の商品を扱う国内の証券会社の社員らは「年利は3〜4%が一般的で、6〜8%では利益が出ない」と指摘している。【水戸健一、日野行介】

まともな仕事をしている人達のためにはこれぐらいの処分があったほうが良い。

まともな仕事ばかりをしていると仕事の量が少ないとか、儲けが少ないと思っている人達はいるはずだ。そしておかしなことをしている公認会計士、仕事を取るために 顧客の依頼を違法と知りながら聞いている公認会計士も存在するはずだ。登録取り消しがあっても一度踏み入れたグレーやダークな世界から離れる事が出来ないし、 出来ないと思っている公認会計士もいると思う。だからこそ問題が発覚した結果として、登録取り消しは当然だと思う。問題の解決にはならないが、行わないよりは 行った方が小さなポディテブ・ステップとして良いと思う。

AIJ詐欺に関与の公認会計士、登録取り消し 04/26/13 (読売新聞)

 金融庁は26日、AIJ投資顧問の詐欺事件で、AIJが運用するファンドについてうその運用報告書を作成していたなどとして、萩原和男公認会計士(61)(東京都中央区)を公認会計士法に基づき登録取り消し処分にした。

 同法では最も重い処分となる。

 萩原公認会計士は、AIJが運用するファンドの2008年3月期~11年3月期の運用報告書を作成していたが、AIJ社長の浅川和彦被告の指示に従い、実際には生じていた損失を隠す内容にした。しかも、ファンドの本来の決算に対して監査人が監査報告書で、一部の内容を認めない「限定付き適正意見」としていたのに、全面的に認める「無限定適正意見」に書き換えて、運用報告書に付け加えていた。

オリンパスだけの体質なのか?それとも日本の企業の中には同様の体質の企業が存在するのか?問題が発覚しない限り、当事者達のみしかわからないこと。
少なくともオリンパスは自浄能力はなく、役員達もご褒美やゴマすりの結果として役員になっただけで会社の不適切な行為の防止や軌道修正に関しては 機能しない状態だったと判断できる。会社が現時点で存在しているだけでも良いと思うべきでは?

法廷で内紛が勃発!? オリンパス粉飾、責任なすりつけ合いに汲々(1/3ページ) (2/3ページ) (2/3ページ) 12/31/12(産経新聞)

 「俺は悪くない!」。法廷に、そんな心の叫びがこだました。オリンパスの粉飾決算事件で、金融商品取引法違反(有価証券報告書の虚偽記載)罪に問われ、年内に3回の公判が開かれた同社元会長、菊川剛被告(71)ら旧経営陣の3人。「全責任を負う」などと起訴内容を認める一方、被告人質問では損失隠しに反対していたことをそれぞれが強調。法廷を舞台に、実務を掌握していた元監査役が元経営トップを責め立てる“内紛”まで勃発した。(時吉達也)

 「自分の優柔不断から公表に踏み切ることができませんでした。一切の責任は私にあり、全責任を負う」。

 9月25日に開かれた東京地裁の初公判の冒頭、菊川被告はきっぱりと言い切った。元監査役、山田秀雄被告(68)と、山田被告の部下として長年隠蔽に携わった元副社長、森久志被告(55)も起訴内容を全面的に認める。その後の公判で繰り返される当事者同士の「非難の応酬」は、この時点で想像できなかった。

 検察側の冒頭陳述によると、オリンパスは昭和60年代以降、当時の下山敏郎社長の下で資産運用を活発化させたところ、バブル崩壊に伴い金融商品に巨額の含み損が発生。海外ファンドなどに金融商品を買い取らせたり、企業買収に絡む資金を還流させることで、損失の穴埋めを図っていた。

 損失隠しは後任の岸本正寿元会長を経て菊川体制に受け継がれたが、下山、岸本両氏は公訴時効が成立し、立件されなかった。隠蔽工作に携わった関係者それぞれが、公判で反省の言葉を並べる一方、互いの証言によって「別の素顔」も浮かび上がった。

 「『乗っている飛行機が落ちればいい』と現実逃避していた」

 平成5~13年に社長を務めた岸本氏は捜査段階の供述調書で、粉飾を続けながら損失を拡大させ続けていた当時の心境をこう表現した。菊川被告ら3人が逮捕、起訴されたことに対し「損失を膨らませた責任はむしろ私にある」と謝罪。下山氏も「リスクの高い運用でさらに損失を出してしまった。大いに反省している」と供述調書につづった。

 しかし、3被告が被告人質問で、粉飾を続けた要因として真っ先に挙げたのは、そんな2人の圧力だった。菊川被告は13年6月の社長就任後、2人に簿外損失の公表を提案したところ「バカを言うな、会社がつぶれてしまう」と頭ごなしに反対され、断念したと振り返った。

 山田被告は下山氏について「絶対的権力があり、陰で『下山天皇』と呼ばれていた」と明かした。会社資産の含み損が拡大する中、財テクに詳しかった山田被告は、下山氏個人の資産運用まで頼まれたというエピソードも“暴露”。「約1000万円の損失が出たため、銀行で借金し、元本と利益を補填して(下山氏に)お返しした」と、苦々しい表情を浮かべた。

 非難の矛先はさらに、被告人席の同じ長椅子に座る互いの存在にも向けられた。

 「経理や財務の素人の自分は、どう処理すべきか正直言ってわからなかった」

 菊川被告は社長就任まで、粉飾の事実を全く知らなかったと強調。隠蔽工作の実務を担当した山田、森両被告の存在を際立たせるように、「門外漢」であることをアピールした。

 これに対し、山田被告は“猛反撃”を開始。菊川被告が11年に財務担当の常務に昇格した時点で、当時の岸本社長から実態を知らされていたとし、粉飾状況の定期報告を行う際にも「岸本社長の隣に座り、話を聞いていた」と指摘した。

 さらに、弁護人から「菊川被告の言動で印象に残っていること」を問われると、語気を強めて続けた。

 山田被告「昨年10~11月、事件が発覚し、マスコミに騒がれた時に、『俺はこの問題、社長になってから知った。そうだよな』と言われたのを良く覚えています」

 弁護人「その言葉の意味をどうとらえましたか」

 被告「推測だが、菊川さんとしては自分も被害者だった、という認識だったのではないか。会社のトップとして堂々と記者会見してほしかったが、非常に残念だった」

 山田被告は、不正工作の一環として18年以降、健康食品販売のベンチャー企業を実際の価値を上回る額で買収した際の菊川被告との会話にも言及。「菊川さんはサプリメントの分野に詳しく、『利ざやが大きい事業。マルチ商法的に売っていくのも手だ』と話していた」と、問題発言があったことを明かした。廷内で、2人が目を合わせることはなかった。

 一方、長年にわたり山田被告の部下として粉飾の実務に携わってきた森被告は損失隠しを拒否する考えがなかったのか問われ、こう訴えた。

 「オリンパスに限らず、社長、上司の方針というのは従業員にとって絶対的なもの。それを遂行するのが役割だ」

 「従業員と家族を考え、公表を決断できなかった」(菊川被告)「当時は『死んで楽になりたい』と考えていた。それでも、支えてくれる部下を思うと、辞めることはできなかった」(山田被告)-。公判では、それぞれの苦悩が明らかになりつつある。「悪人」は、一人もいなかったのかもしれない。しかし、当事者同士の責任のなすり合いに終始し、社会が事件の教訓を得られないとすれば、それはあまりにも残念でならない。

歴代3社長の全てが事なかれ主義の人間だった!ただこのようなタイプの社長は一度は栄華を経験した会社に存在する可能性は高いと思う。 隠し通せなくなるまで隠す。原発問題だってある意味同じ。311がなければ 今でも安全と言っているだろうし、原発のいろいろな問題は隠蔽されたままだったと思う。原発事故が起きてもこの状態である。 日本の財政問題だってギリシャのように本当は違いますなんてあるかもしれない。

元監査役「損失公表断られた」…オリンパス事件 12/11/12(朝日新聞)

 オリンパスの粉飾決算事件で、金融商品取引法違反に問われた旧経営陣3人の公判が11日、東京地裁であった。

 元常勤監査役の山田秀雄被告(67)は被告人質問で、歴代3社長に同社の損失の公表を求めたが、受け入れられなかったことを明らかにした。

 山田被告の法廷供述によると、財テク失敗で損失が膨らみ始めた1991年、当時の下山敏郎社長(88)に退職願を提出して損失の公表を迫ったが、「一人が責任を取っても解決しない」と断られた。99年に監査法人から損失の飛ばしを指摘されたため、再び下山氏と当時の岸本正寿社長(76)に公表を進言したが、了承されなかったという。さらに、2001年に社長に就任した菊川剛被告(71)にも、決算の度に公表を促したが、「とても怖くてできない」と言われたという。

理事長、10倍購入を当初提案 年金基金汚職 10/14/12(朝日新聞)

 福岡県エルピーガス  厚生年金基金をめぐる汚職事件で、基金が贈賄側とされる社長の仲介で投資先のファンドを買った際、基金理事長の寺崎和典容疑者(70)=収賄容疑で逮捕=が、最終的な購入額の約10倍にあたる20億円分の購入を提案していたことが捜査関係者への取材でわかった。警視庁などの調べに対し、基金関係者が証言した。

 当時は逮捕容疑となった賄賂を寺崎容疑者が受け取る前だったが、コンサルタント会社社長の染谷訓(さとし)容疑者(48)=贈賄容疑で逮捕=は、以前から付き合いのあった寺崎容疑者にファンドの購入を頼んだ、と供述しているという。

 捜査関係者によると、基金は2009年8月に染谷容疑者の仲介で、東京都内の投資顧問会社が運営するファンドを2億円で購入。その直前の会議で寺崎容疑者が「20億円ぐらい買いたい」と提案したが、他の理事から「分散して投資した方がいい」と反対意見が出て、2億円に決まった。基金は今年3月、運用成績が悪いとしてこのファンドを解約した。

AIJから数百万円受領か 収賄容疑で逮捕の厚年基金理事長 10/14/12(日本経済新聞)

 福岡県エルピーガス厚生年金基金を巡る贈収賄事件で、同基金理事長の寺崎和典容疑者(70)=収賄容疑で逮捕=が、巨額年金詐欺事件で社長らが逮捕されたAIJ投資顧問(東京・中央)側から数百万円を受け取っていた疑いのあることが14日、関係者への取材でわかった。

 同基金はAIJに約22億円の運用を一時委託しており、警視庁はAIJ側が契約の見返りとして寺崎容疑者に現金を支払った可能性もあるとみている。

 同基金によると、寺崎容疑者は2001年に理事長に就任し、年金資産の運用先選定を主導。基金は05年8月~08年6月、AIJ傘下のアイティーエム証券(東京・中央)を通じて3回にわたり計約22億円で投資ファンドを購入した。

 関係者によると、この頃に寺崎容疑者の関係する口座に同証券から数百万円の入金があった。警視庁はファンド契約で基金が同証券に支払った手数料の一部が還流していた疑いがあるとみている。

 寺崎容疑者は懇意だった染谷訓容疑者(48)=贈賄容疑で逮捕=の運用コンサルタント会社から2億円の投資ファンドを購入する契約を結ぶ見返りに100万円の賄賂を受け取ったとして警視庁に逮捕された。

 基金は運用方法に不備があるとして、昨年4月までにAIJとの契約を解消している。

AIJ投資顧問からも数百万円 収賄容疑の基金理事長 10/14/12(西日本新聞)

 金融商品購入の見返りに仲介業者から賄賂を受け取ったとして、収賄容疑で警視庁などに逮捕された福岡県エルピーガス厚生年金基金理事長寺崎和典容疑者(70)が、資産運用先の一つだったAIJ投資顧問から現金数百万円を受け取っていたことが14日、関係者への取材で分かった。

 AIJをめぐっては、国会で年金基金幹部への過剰接待などが問題視されており、現金は金融商品購入に対するリベートだったとみられる。

 関係者によると、寺崎容疑者は2001年ごろ、福岡県エルピーガス厚生年金基金の理事長に就任し、年金資産の運用を任されていた。

福岡県エルピーガス協会の寺崎和典会長を逮捕 年金基金運用見返り/警視庁ら 10/12/12(JC-NET)

福岡県内のLPガス販売会社が加入する一般社団法人 福岡県LPガス協会(正会員977名、福岡市博多区山王一丁目10番15号)が運用する「福岡県エルピーガス厚生年金基金」が、投資信託を購入した見返り に現金100万円を受け取った疑いが強まり、警視庁と福岡県警は11日、同基金理事長の寺崎和典容疑者(70)(福岡県太宰府市五条2丁目)を収賄容疑 で、ファンドの販売を仲介したコンサルタント会社「ソメヤキャピタルリサーチ」(東京都内)社長の染谷訓容疑者(48)(東京都板橋区志村1丁目)を贈賄 容疑で逮捕した。

寺崎容疑者は2010年3月、染谷容疑者の仲介で、同基金が都内の投資顧問会社からファンドを2億円で購入したことへの見返りなどとして、染谷容疑者から銀行振り込みで現金100万円の賄賂を受け取った疑い。

厚生年金基金の理事長は厚生年金保険法が定める「みなし公務員」にあたり、賄賂を受け取ると収賄の罪に問われる。

会長の地位を利用して、甘味をすすっていた寺崎和典会長である。こうした協会は、何れも協会の会長と年金基金の理事長を早急に変える必要がある。権限を悪用しチェック機能が働かなくなる。厚労省の指導が必要である。

北嶋新体制がスタート -全国LPガス協会、震災復興事業に全力- 05/01/12(株式会社ジャパンガスエナジー)

 4月から一般社団法人となった全国LPガス協会(旧エルピーガス協会、北嶋一郎会長)が始動しました。4月4日、第1回目の理事会を開催し、役員人事および2012年度事業計画等を決めました。北嶋会長は理事会後の記者会見で、東日本大震災の復興事業に全力を尽くすとともに業界の命題である保安確保と需要開発に積極的に取り組む意向を表明しました。  全国LPガス協会は4月から新体制での船出となりました。北嶋会長の下に5副会長、2業務執行理事、10執行役員らが決まりました。

 12年度の事業計画では、まず災害対策として、公共施設への災害バルク、エネファーム、LPガス発電機、GHPなどの設備導入を働きかけます。災害時のLPガス安定供給に向け、経産省が実施する「中核充填所」の整備に協力します。昨年サウジアラビアから寄付された「LPガス災害基金」を活用し引き続き支援を行うほか、今後の災害発生に備えて仮設住宅対策も検討します。

 また「LPガス安全安心向上運動」を都道府県協会とともに積極展開します。さらにLPガスブランド力向上、取引適正化の推進、エネファームやLPG車の1店1台運動の継続に取り組みます。

 全国LPガス協会の執行役員は次の通りです。

 ▽会長(代表理事)北嶋一郎・近畿ブロック代表▽専務理事(業務執行理事)林健三▽常務理事(業務執行理事)河野政宏▽副会長(理事)遠藤祐司・北関東ブロック代表、谷本光博・岩谷産業専務取締役、椿貴喜・明治モーターガス社長、寺崎和典・九州ブロック代表、田島晃平・ミツウロコ社長 北嶋会長の会見の要旨は次の通りです。

「福島宣言」実行を

 会長就任に当たり、前・川本会長の敷いたレールに沿い次の3点が私の仕事と考えています。

 1つは昨年当協会が採択した「福島宣言」を着実に実行に移すこと。福島宣言はLPガス業界の社会的責務を果たすための内容を明記しました。災害時に役立つエネルギーとしてLPガスの優位性や特長を理解いただき、これまで以上に活用されるようにしたいと考えます。

 2つ目には防災対策とともに保安対策が重要と考えています。今年度から新たに「LPガス安全安心向上運動」がスタートします。保安と経営は車の両輪、保安をおろそかにするとLPガス業界全体が信頼されない。LPガスがお客さまから選択され、信頼されるエネルギーとなり続けるには従来以上の保安の確保が重要と考えます。

 3つ目は需要開発を積極的に進めていくこと。残念ながら現在の日本の社会経済環境は決してよい状態とはいえず、少子高齢化も進展しています。さらに最近では原油高に連動しCPが1000㌦を超えるという逆風の中にあります。昨今の為替レートが円安傾向に転じたこともLPガス輸入にとって好ましくない状況です。そのような中でLPガスブランド力を向上させ、震災後のエネルギー構造の変化に留意しつつ、新たな需要開拓を行うことが重要です。

 現在、政府は新たなエネルギー構造のあり方を検討しています。災害を機にエネルギーのベストミックスを進めるにはどうしたらいいか、原子力発電の減少分をどうカバーするのか、こうした議論の中ではLPガスの役割も重要になってきます。

 今後はさらなる省エネ、節電、再生可能エネルギーの導入促進などが要請されると思います。そこから新たな商機が生まれ、LPガスの需要促進につながっていくことが期待されます。LPガス業界もこのような時代の流れに敏感に反応し、社会的に認められるエネルギーとしての役割を果たしていくことが重要と考えています。

 全国LPガス協会会長としてこれら課題に果敢に取り組むべく鋭意努力していきます。

野村証券に過怠金3億円…増資インサイダー問題 10/16/12(読売新聞)

 上場企業の公募増資を巡るインサイダー取引問題で、日本証券業協会は16日、野村証券に対して過怠金(罰金)3億円を科すと発表した。

 野村は国際石油開発帝石など3件の公募増資で、営業担当者が増資前に取引先に情報を漏らしたことが明らかになっている。日証協は、法人部門と営業部門を隔てる「情報の壁」が機能しておらず、野村の法人情報の管理態勢が不十分だと判断した。

被害が出た基金への弁済のために社長浅川和彦、役員の高橋成子、傘下の「アイティーエム証券」社長西村秀昭の資産を既に処分しているのか??

水増し払戻金返せ…AIJ社長要請に基金側反発 10/12/12(読売新聞)

 AIJ投資顧問の詐欺事件で、起訴された同社社長・浅川和彦被告(60)側が、損害を与えた基金への弁済に充てるためとして、事件が発覚する前に解約した基金に対し、支払った払戻金の一部を返還するよう求めていることがわかった。

 被告側は、30以上の基金に対する払戻金のうち約380億円がウソの運用実績に基づく「水増し分」だったと主張しているが、すでに解約して払戻金を受け取った基金側は「返金には応じられない」などと反発している。

 関係者によると、返還を要請する文書は今月上旬、勾留中の浅川被告から弁護士を介して送られてきた。対象は、2009年から事件発覚前の今年2月までに解約した30以上の基金に上り、書面には実際の運用実績に基づく払戻金が明記され、被害が出た基金への弁済に充てるため、水増しした分を返してほしいとする内容だったという。

AIJ被害の基金、信託銀など委託分も多額損失 10/07/12(読売新聞)

 AIJ投資顧問による詐欺事件で、預けた約65億円の多くを失った「長野県建設業厚生年金基金」が、信託銀行などに委託した別の運用でも、多額の損失を出していることがわかった。

 金融庁と証券取引等監視委員会は、関わった信託銀行や投資顧問会社について、今月中にも金融商品取引法などに基づき行政処分を行う見込み。

 同基金は約60億円の運用を、ソシエテジェネラル信託銀行、ユナイテッド投信投資顧問、スタッツインベストメントマネジメント(いずれも東京)の3社を介して、二つのファンド運営会社に委託。ファンド運営会社は、企業の未公開株に投資していたが、業績の悪い企業の株が多く、約25億円の損失が出ている可能性があるという。

 同庁と監視委は、信託銀行など3社がファンド運営会社の監督や投資先の企業の確認などを怠った可能性があるとみて調査を進めている。ファンド運営会社は、業者としての登録の必要がないため、行政処分の対象にはならない。

AIJ浅川社長ら追送検=詐欺容疑の立件額248億円に―警視庁 10/04/12(時事通信)

 AIJ投資顧問の年金資産詐欺事件で、さらに五つの基金から計約44億円をだまし取ったとして、警視庁捜査2課は4日、詐欺容疑で社長の浅川和彦(60)=起訴=、役員の高橋成子(53)=同=、傘下の「アイティーエム証券」社長西村秀昭(56)=同=の3被告を追送検した。

 浅川被告らはこれまで、12の年金基金から計約204億円をだまし取ったとして逮捕、起訴されており、立件総額は約248億円となった。

 送検容疑は2010年4月~11年10月、4道県の五つの厚生年金基金に対し、実際より約4~38倍に水増しした価格のファンドを売り付け、計約44億円をだまし取った疑い。

 同課によると、AIJは09年4月以降、新規受託金を解約払戻金に充てる「自転車操業」が常態化。同月以降、全国の60基金から約540億円を集めていた。

オリンパス損失隠し:元社長、巨額損失おびえ…初公判 09/25/12(毎日新聞)

 オリンパスの損失隠し事件で、金融商品取引法違反(有価証券報告書の虚偽記載)などに問われた元会長、菊川剛被告(71)ら旧経営陣3人の初公判は25日午後、東京地裁(今崎幸彦裁判長)で続いた。検察側は損失隠しへの関与を認めた下山敏郎(88)、岸本正寿(76)の両元社長の供述調書を朗読し、オ社歴代トップの責任を指摘した。

 下山氏は84〜93年、岸本氏は93〜01年、社長を務めた。損失隠し問題が発覚した昨年11月、2人は毎日新聞の取材に関与を否定していた。

 供述調書によると、下山氏は87年、多額の含み損があると報告を受け、岸本氏と元常勤監査役の山田秀雄被告(67)らに簿外処理を指示。岸本氏も社長時代、決算対策として損失隠しの状況報告を受けていた。

 東京地検特捜部の調べに対し、下山氏は「大いに反省している」、岸本氏は「損失があまりに多額で、(自分が)乗っている飛行機が落ちてしまえばいいのにと思った(こともある)」などと供述したという。

金融庁よ、米証券取引委員会(SEC)を見習え!見逃しが多いよ!

SECがトレーダーの資産を凍結、中国海洋石油の買収調査で 07/30/12(Bloomberg)

  7月30日(ブルームバーグ):米証券取引委員会(SEC)は、中国海洋石油(CNOOC)によるカナダのネクセン買収の発表前に、一部トレーダーらが不正な取引で1300万ドル(約10億円)の利益を上げたとして、裁判手続きを通じて、不正取引に関与したトレーダーらの資産凍結を命じた。

SECがニューヨーク・マンハッタンの連邦地裁に27日提出した資産凍結命令の申し立てに関する発表によれば、香港のウェル・アドバンテージ・リミテッドと身元不明のトレーダーらは、買収に関する機密情報を事前に入手、情報を基にネクセン株を買い集めていた。命令によって約3800万ドルの資産が凍結された。

CNOOCがカナダのカルガリーに本拠を置くエネルギー会社ネクセンを現金151億ドルで買収すると発表したのを受け、ネクセン株は今月23日に50%強の急騰を演じた。普通株1株当たりの買収価格は27.50ドルと、前営業日20日の終値を61%上回る水準だった。

市場の不正行為を取り締まるSEC法執行部門のワドワ副責任者は発表文で、「ウェル・アドバンテージとこれらトレーダーらは、内部情報の不正利用というあまりにもありふれた手法で不正取引に手を染め、大きな利益を得た」と指摘した。

SECによれば、問題のネクセン株購入はほとんどすべて買収発表前の7営業日で行われ、取引に利用された口座はネクセン株購入の履歴が少ししかないか、全くないものだった。ウェル・アドバンテージのオーナーは、CNOOCとの重要なビジネス活動に関わる香港企業の支配株主だという。

富豪番付SECの申し立てにはウェル・アドバンテージやその他のトレーダーの弁護人の名前は掲載されていない。ウェル・アドバンテージのオーナー、張志熔氏に電話や電子メールで取材を試みたが、連絡は取れていない。張氏はCNOOCと緊密な取引がある造船・石油化学エンジニアリング会社の中国熔盛重工集団の支配株主。

ブルームバーグのデータによると、張氏は不動産開発の恒盛地産の創始者で同社会長の職にあり、中国の富豪番付である胡潤レポートの2010年版で、資産29億ドルで38位にランクされていた。

原題:SEC Freezes Trader Assets in Probe of Cnooc’s NexenPurchase(抜粋)

記事に関する記者への問い合わせ先:ワシントン Joshua Gallu jgallu@bloomberg.net

記事についてのエディターへの問い合わせ先:Maura Reynolds mreynolds34@bloomberg.net

Joshua Gallu

SMBC日興インサイダー、新たに会社役員逮捕 07/25/12(読売新聞)

 SMBC日興証券の元執行役員らのインサイダー取引事件を巡り、横浜地検は24日、金融会社社長・加藤(本名・金)次成被告(67)(横浜市中区、金融商品取引法違反で起訴)の知人で会社役員の中山(同・李)正義容疑者(59)(同市西区)を公正証書原本不実記載・同行使の疑いで逮捕した。

 発表によると、中山容疑者は、無職文元正雄容疑者(60)(同市中区、同法違反容疑で逮捕)と共謀。証券取引等監視委員会が調査していることを察知し、加藤被告が文元容疑者名義の口座を使って株取引を行っていたことを隠蔽するため、2011年10月28日、中山容疑者が文元容疑者に同年2~7月の間に計9000万円を貸したとする虚偽の債務弁済契約公正証書を作成し、横浜市内の公証役場に提出した疑い。

日興元執行役員ら、別のインサイダーで再逮捕 07/15/12(読売新聞)

 SMBC日興証券の元執行役員らのインサイダー取引事件で、横浜地検は15日、元同証券執行役員・吉岡宏芳容疑者(50)(東京都品川区)、知人で金融会社社長の加藤(本名・金)次成容疑者(67)=横浜市中区=ら4人を別の二つの企業の経営陣による自社株の公開買い付け(MBO)を巡ってインサイダー取引を行ったとして、金融商品取引法違反容疑で再逮捕した。

 発表によると、吉岡容疑者は昨年3~9月、いずれも東証1部上場だったインテリア・雑貨小売会社「バルス」(東京都渋谷区)と、テレビ受信機器メーカー「マスプロ電工」(愛知県日進市)がMBOを行う情報を公表前に加藤容疑者に漏えい。加藤容疑者らはバルス社の株計247株を計約1860万円で、マスプロ電工の株計6万6900株を計約4325万円で買った疑い。

金融庁、2監査法人に改善命令…オリンパス問題 07/06/12(読売新聞)

 金融庁は6日、巨額の損失隠しが発覚した光学機器大手のオリンパスの会計監査を担当していたあずさ監査法人と新日本監査法人に対して業務改善命令を出した。

 監査法人が交代する際の引き継ぎが不十分だった点など業務管理体制の不備を指摘し、監査法人内の監督体制を強化することなどを求めた。

 オリンパスの監査は2009年3月期までがあずさ、その後は新日本が担当していた。金融庁は、両法人間の引き継ぎについて、「監査で把握された問題点が的確に引き継がれていなかった」と指摘した。

 あずさに対しては、オリンパスが損失隠しに利用した巨額の買収案件について、監査チームとは別のメンバーがチェックする「上級審査」の対象にしなかった点も問題視した。

日興・元執行役員、インサイダー容疑で逮捕へ 06/25/12(読売新聞)

 SMBC日興証券(東京都、旧日興コーディアル証券)の執行役員(50)(当時)らによるインサイダー取引事件で、横浜地検は25日午前、東京都品川区にある元執行役員の自宅の捜索を始めた。

 元執行役員と横浜市の金融会社社長(66)を金融商品取引法違反容疑で取り調べており、容疑が固まり次第、逮捕する方針。

 大手証券会社の執行役員がインサイダー取引を巡って刑事責任を追及されるのは極めて異例。

 関係者によると、元執行役員は三井住友銀行から日興に執行役員として出向していた昨年3月、日興が関わった川崎市の物流会社の株式公開買い付け(TOB)の情報について、買い付け公表前に知り合いの金融会社社長に伝達。社長はこの情報を基に株を購入して公表後に売却し、数百万円の利益を得た疑いが持たれている。

AIJの実態把握、社長ら4人だけ 虚偽の発覚避ける? 06/23/12(朝日新聞)

 AIJ投資顧問(東京都中央区)による年金資産詐取事件で、詐欺容疑で逮捕された同社社長の浅川和彦容疑者(60)ら4人だけが同社の業績を把握し、外に漏れないよう管理していたとみられることが、捜査関係者への取材でわかった。警視庁は、本当の業績を隠すことで顧客の企業年金基金などに説明した運用報告などが虚偽だと発覚しないようにしていたとみて、調べている。

 日本証券投資顧問業協会にAIJが提出した資料によると、AIJには2011年現在、投資信託のファンドを運用する実務を担うファンドマネジャーは5人在籍。平均経験年数は「21年8カ月」と記され、同社の営業資料にも「収益の源泉は、金融派生商品市場を熟知したファンドマネジャーが利益を積み上げること」と書かれていた。

 だが、捜査関係者によると、運用の実態がなく自転車操業状態というAIJの実情は、直近では浅川容疑者のほか、AIJの会計担当の取締役高橋成子容疑者(53)、同社傘下のアイティーエム証券社長の西村秀昭容疑者(56)、同証券取締役の小菅康一容疑者(50)の4人だけで管理されていたという。

浅川容疑者の知人公認会計士事務所も家宅捜索 虚偽の報告書作成の経緯を捜査 06/22/12(読売新聞)

 AIJ投資顧問による年金資産詐取事件で、警視庁捜査2課が、AIJ社長の浅川和彦社長(60)の依頼で虚偽の運用実績を示した監査報告書を作成したとされる東京都内の公認会計士の事務所を、詐欺容疑の関係先として家宅捜索していたことが22日、捜査関係者への取材で分かった。会計士は浅川容疑者の知人で、捜査2課は会計士から任意で事情聴取し、報告書作成の経緯を調べている。

 捜査関係者によると、AIJが運用していたファンドについては、海外の監査事務所が定期的に監査し報告書を作成。報告書には運用失敗で資産額が減少した数値が記されていたが、浅川社長は、この公認会計士事務所に依頼し、失敗を隠してプラス運用に書き換えた報告書を作成させていた。

 AIJ側は、顧客の年金基金からファンドの運用実績の詳細開示を求められても「開示義務がない」などと拒否していたが、再三要求してきた東京都内の基金などには、会計士事務所に作成させた報告書を提示していたという。

 浅川社長は国会質疑の中でこうした行為を認めたが、公認会計士は、体調不良などを理由に国会質疑への出席を拒否していた。

AIJの高橋容疑者、当初から虚偽運用把握 06/21/12(読売新聞)

 AIJ投資顧問による詐欺事件で、警視庁に逮捕された同社取締役の高橋成子(しげこ)容疑者(53)が、虚偽運用が始まった2003年頃から実態を把握していたことがわかった。

 社長の浅川和彦容疑者(60)の指示に基づき、同社や傘下のアイティーエム証券の営業担当者に渡す虚偽の運用資料を作成するなど、全幅の信頼を寄せられていたという。同庁では、実務を担当する高橋容疑者が、事件解明の鍵を握ると見ている。

 捜査関係者などによると、高橋容疑者はAIJで経理などを担当。年金資産の運用を始めた03年頃から、同社の海外ファンドの運用実績について、浅川容疑者が自らの相場観などを基に作り出した架空の数字を、パソコンが使えない同容疑者にかわって打ち込むなどして運用資料を作成していた。この資料がAIJや同証券の営業担当者に渡り、顧客に示されていた。

AIJ社長、顧客に偽の監査報告書「自ら主導」 06/20/12(読売新聞)

 AIJ投資顧問による年金資産消失を巡る詐欺事件で、同社社長の浅川和彦容疑者(60)が、半導体装置メーカー「アドバンテスト」(東京)の企業年金基金から、海外ファンドの監査報告書を示すよう要望された際、偽造の報告書を渡していたことがわかった。

 警視庁は、虚偽運用を隠蔽するための偽装工作とみている。一方、浅川容疑者やアイティーエム証券社長の西村秀昭容疑者(56)らは、同庁の調べに対し、容疑を否認しているという。

 アドバンテストによると、同社の年金基金は2009年2月、初めてAIJと契約した。同社では米国の会計基準を採用しているため、米当局に提出する資料を作成する必要があり、毎決算期末に合わせて、AIJ側に英領ケイマン諸島のファンドの監査報告書を提出するよう求めていた。

 基金側から要望を受けた浅川容疑者は、損失が出ている実態を隠すため、知人の公認会計士に依頼し、監査報告書を偽造。一連の工作は「自ら主導した」などと証人喚問でも認めている。

社員2人を懲戒解雇、役員は減給 旧中央三井系がインサイダー取引で 06/08/12(産経新聞)

 旧中央三井アセット信託銀行(現三井住友信託銀行)のインサイダー取引問題で、同行は8日、取引に関わった社員2人を懲戒解雇し、当時の役員らを減給する社内処分を発表した。

 証券取引等監視委員会が2度にわたって課徴金納付を勧告したことを重く受け止め、経営陣を含めて責任を明確化する。

 社内調査では、解雇した社員の1人が、増資情報を流したとされる野村証券の営業担当者から高額の飲食接待を受けていたことも分かった。

 減給の対象は、旧中央三井アセットと当時の親会社に加え、現在の親会社の三井住友トラスト・ホールディングスの取締役ら。それぞれ月例報酬の10~50%を1~5カ月間減給する。

「現行法では情報提供者はインサイダーに問われない。」

増資インサイダー:野村証券、情報漏えい認める 06/08/12(毎日新聞)

 現行法では情報提供者はインサイダーに問われない。このため、監視委は情報を漏えいした企業について「公募増資の主幹事証券会社」と説明するにとどめてきた。しかし、監視委が8日公表したインサイダー事件の舞台になった東電の公募増資の主幹事証券は野村証券1社だけ。自社の関与について明確なコメントを避け続けてきた野村も、認めざるを得ない事態に追い込まれた。

 東電の増資を巡るインサイダー取引では、野村証券の男性営業社員は日本に拠点を置くコンサルティング会社を通じ、公募増資情報を漏えい。このコンサル会社と契約を結ぶ米金融機関が増資の公表前に株を空売りし、利益を得る見返りに、その後の株式売買を野村証券を通じて行ってもらう狙いがあったとみられる。

 監視委によると、3件のインサイダーで情報漏えいに関与した野村証券の営業員は計4人。個人の資質の問題を超え、営業活動の一環として組織的に情報を漏えいしていた疑いが強まっている。

 監視委は、既に野村証券への行政処分を勧告する方針を固めている。野村が公表する調査報告を踏まえ、6月中にも勧告に踏み切る可能性がある。【大久保渉、浜中慎哉】

野村証券の機関投資家営業部長が異動 インサイダー取引問題、証券監視委の調査協力で 06/01/12(産経新聞)

 公表前の公募増資情報を入手し、不正な取引で利益を上げていたとする増資インサイダー取引問題で、野村証券は1日、同日付で機関投資家営業部長を異動させる人事を発表した。証券取引等監視委員会による特別検査など、事件の全容を解明するため、調査の協力に専念する。

 同社は今回の異動について「営業部長としての職務と特別検査への協力を兼務するのは困難と判断した」と説明している。

金融庁、インサイダー規制強化へ 投資家の日本離れを危惧 05/29/12(産経新聞)

 企業の公募増資に絡む内部情報の漏洩(ろうえい)で不正取引が相次いでいることを受け、金融庁は規制強化に乗り出す。日本は情報漏洩に関する規制が甘く、海外から「インサイダー取引の温床」との批判を招いているからだ。このままでは、不信感を募らせた投資家の日本市場離れを招く懸念は強く、汚名返上に向けて不正取引の一掃を急ぐ。

 「市場の公正性、公平性の観点から極めて重要な課題だ」。自見庄三郎金融相は29日の閣議後会見で、規制強化など再発防止策を検討する考えを強調した。

 公募増資の情報漏洩による不正取引をめぐっては、現行制度では情報の受領者だけが処分対象で、海外投資家を中心に「情報を提供していた側の責任を問えないのはおかしい」との指摘が多い。欧州では不正取引につながりかねない情報を漏らせば、情報を得た側が実際に不正取引を行ったか否かに関係なく罰せられるが、日本では情報を流出させた側は罪に問われない。

 このため、金融庁は今後、情報提供者も課徴金処分や刑事罰の対象にするかどうかを検討。不正取引から得た利益を元に決まる課徴金が少額過ぎるとの批判もあることから、課徴金の算出方法も見直す方向だ。

 証券取引等監視委員会は3月にも国際石油開発帝石の増資でインサイダー取引を行ったとして、旧中央三井アセット信託銀行(現三井住友信託銀行)に課徴金の納付を命じるよう金融庁に勧告した。だが、勧告された課徴金は運用報酬に基づき、わずか5万円で、課徴金の算出方法見直しは急務だ。

 企業が幅広い投資家から資金を集める公募増資は株式市場でも最も重要な情報の一つだ。その情報を公表前に入手したインサイダー取引が横行すれば、市場の信頼性が失墜して流入資金が細り、企業の資金調達にも支障が出かねず、証券会社など市場参加者全体の意識向上も課題になる。(永田岳彦)

インサイダー天国ニッポン 甘い規制で海外ファンド“野放し”(1/4ページ) (2/4ページ) (3/4ページ) (4/4ページ) 05/13/12(産経新聞)

 公募増資に絡む内部情報の相次ぐ漏洩(ろうえい)が証券界を揺るがしている。中央三井アセット信託銀行(現三井住友信託銀行)が野村証券の担当者から得た情報を元に株を売買し、不正利益を得たことが3月に発覚。4月にはSMBC日興証券が事前に得た増資情報を元に顧客を勧誘していたことが明らかになった。金融庁は規制強化に乗り出しているが、「インサイダー天国」の汚名をそそぐ“特効薬”は見当たらず、投資家の日本離れはさらに加速しかねない。

情報遮断は不可能

 日本の資源開発を牽引(けんいん)する国際石油開発帝石。その増資計画を中央三井アセットのファンドマネジャーが知ったのは、平成22年6月30日のことだった。実際の増資の発表は7月8日。増資の主幹事である野村証券の女性営業担当者から、1週間以上も前に情報を得たのだ。

 増資で発行済み株式数が増えれば1株当たりの価値が減るため、株価は下落することが多い。ファンドマネジャーは、7月1、7日に空売りも含めて210株を約1億円で売り抜け、1400万円の運用益を得て顧客に還元していた。

 公募増資の場合、証券会社の投資銀行部門に新株発行時期など重要な情報が集まる。このため、部屋の出入り口を部外者と分けたり、電話の録音や防犯カメラで入退室を監視するなど、情報を遮る壁「チャイニーズ・ウオール(万里の長城)」を構築してきた。だが、私的な携帯電話やメールを使えば「遮断はほぼ不可能」(関係者)だ。

 野村は3月下旬に社内調査に着手したが、全容解明には至っていない。調査が難航する中、証券取引等監視委員会は先月25日、定期検査が終わったばかりの野村に対し異例の「特別検査」に踏み切った。これを機に一部の機関投資家は野村との取引を見合わせているとされ、業界では一段の「野村離れ」を予想する声も出ている。

氷山の一角

 一方、日興はインサイダー情報を使って組織的に営業を展開した。22年1月に三井住友フィナンシャルグループ(FG)の増資情報が65支店に伝わり、うち8支店で実際に顧客に新株の購入を勧めていた。

 監視委は、顧客らが三井住友FG株を空売りするなどの「インサイダー取引を行った事実は確認していない」としている。だが、問題発覚後に日興が行った情報管理研修などの対策が「再発防止策になっていない」として、4月13日に金融庁に対し行政処分を行うよう勧告した。

 監視委が情報漏洩に厳しい姿勢で臨んでいるのは、東京市場の信頼が地に落ちたためだ。22年の東京電力や日本板硝子などの増資でも株価が増資の公表前から不自然に急落。ヘッジファンドなどの空売りが疑われ、海外から「日本市場はインサイダーの温床だ」との非難の声が上がっていた。発覚した野村、日興の例は「氷山の一角」ともいわれ、市場関係者の間では「監視委の摘発はなお続く」とささやかれている。

課徴金わずか5万円

 日本でインサイダー情報の漏洩が続くのは“大甘”ともいえる規制のせいだ。欧州では世間話でも情報を漏らせば、情報を得た側が不正取引を行ったか否かに関係なく罰せられるが、日本では情報を流出させた側は罪に問われない。刑事罰も海外では実刑が珍しくないが、日本では執行猶予がつくケースが大半だ。

 課徴金も少なく、勧告を受けた中央三井のケースではわずか5万円。ある外資系証券の運用者は「少なすぎて笑い話になった」と苦笑する。

 日本証券業協会は増資を実施する際に、機関投資家に対してどの程度の増資を引き受けるのかを事前に打診する行為を禁じている。だが、空売りを仕掛けたとされる海外の証券会社やファンドは対象外で、事実上“野放し”。監視委が海外ファンドを調査しようとしても、外国語での文書作成や、法務省や外務省、大使館など複数の機関をまたぐ膨大な作業が伴い、「特に重大な事件以外は手が回らない」(関係者)という。

 事態を重くみた金融庁は、海外ファンドを不正取引の課徴金制度の適用対象に加える金融商品取引法改正案を今国会に提出するなど規制強化を図るが、「抜本的な対策にはほど遠い」(大手証券)のが現状だ。

 東証1部の昨年の売買代金は341兆5875億円と、20年に比べ4割も減少、東京市場の地盤沈下は深刻だ。再浮上を狙い、東証は来年1月に大証と合併するが、規模だけでは投資家の信頼は得られない。早大大学院法務研究科の黒沼悦郎教授は「証券会社が営業姿勢を根本から見直し、規制強化を急がなければ、グローバル化が進む金融市場から見放される」と警鐘を鳴らしている。(小川真由美、永田岳彦)

JPモルガン、FBIが捜査 巨額損失問題で 05/16/12(朝日新聞)

 米金融大手JPモルガン・チェースが金融派生商品(デリバティブ)の取引で失敗して巨額の損失を出した問題で、複数の米メディアは15日、米連邦捜査局(FBI)が捜査を始めたと伝えた。

 ロイター通信などによると、FBIは、JPモルガンのデリバティブ取引で不正がなかったかどうかを調べているという。米経済紙ウォールストリート・ジャーナルなどによると、米司法省も巨額の損失について捜査しているという。ただ、捜査は「初期段階にある」としている。

 JPモルガンの巨額損失では、すでに米証券取引委員会(SEC)も、投資家への情報開示が適切だったかどうかを調査し始めている。JPモルガンは10日、デリバティブ取引の失敗による損失が4~6月期決算で約20億ドル(約1600億円)になる見通しだと発表した。(アトランタ=畑中徹)

AIJ勧めた旧社保庁OB、ほかにも4社と契約 05/15/12(読売新聞)

 AIJ投資顧問の年金消失問題で、AIJを厚生年金基金に勧めていた旧社会保険庁OBの石山勲氏(75)が、AIJ以外にも計4社の投資顧問会社とコンサルタント契約を結んでいたことが分かった。

 投資商品の売り手と買い手の双方と契約を結び、年間最大約2000万円のコンサル料を得ていた。

 厚生労働省が先月16日に行った石山氏への聞き取り調査で判明した。調査結果などによると、石山氏は自身が経営する年金コンサルタント会社を通じ、延べ7基金とコンサル契約を結ぶ一方、AIJを含む投資顧問会社5社とも契約。基金側からは年100万~300万円程度の報酬を得て、投資に関する相談などを受けていた。

 基金向けの投資セミナーも計15回ほど行い、AIJなど契約先の投資顧問会社に投資商品の説明をさせたが、「基金に(投資先の)情報提供しただけで、AIJなどを特別扱いしたことはない」と従来の主張を繰り返したという。

監視委、SMBC日興証券への行政処分を勧告 04/13/12(読売新聞)

 顧客企業の未公表の増資情報を適切に管理しなかったなどとして、証券取引等監視委員会は13日、金融商品取引法に基づき、SMBC日興証券(東京都千代田区)に対し、行政処分を科すよう金融庁に勧告した。

 問題となったのは、同社が証券業務を取り仕切った三井住友フィナンシャルグループの増資など。監視委によると、営業部門の役員4人が2010年1月の公表前、社内手続きを経ずにこの情報を65の営業店舗に伝達。このうち、8店舗で、情報を顧客に伝えて株の購入を勧める法令違反の営業活動を行っていたという。

 監視委の検査では、インサイダー取引は確認されていない。SMBC日興証券は「勧告内容を厳粛に受け止め、再発防止の措置を講じる」としている。

AIJ:8億円貸し付け…傘下の証券社長が証言 証人喚問 (1/2ページ) (2/2ページ)04/13/12(毎日新聞)

 AIJ投資顧問の企業年金消失問題で、衆院財務金融委員会の証人喚問は13日、終日行われ、同社の浅川和彦社長(59)に続き、傘下のアイティーエム証券(ITM)の西村秀昭社長(56)らが出席した。西村社長は厚生年金基金から解約が相次いだ後、AIJが実質的に支配するファンド管理会社にITMが8億円を貸し付けたことを証言。運用失敗を背景に、顧客への払い戻し資金が不足し、AIJ側が資金繰りに窮していた実態の一端が明らかになった。

 西村社長は運用実績が虚偽だと認識していなかったと改めて主張。解約払戻金に関しては、ITMからAIJ側のファンド管理会社に1〜2カ月間程度、8億円を貸し付けていたことを認めた。西村社長は「昨年の3月か一昨年か記憶が定かではない」としつつ「解約が集中した月だったと思う。AIJ自体(の資産)が少し不足しているという説明だった」と証言した。

 年金専門の情報誌が09年2月、AIJを示唆して高い運用実績を疑問視する記事を掲載しており、午前中の証人喚問で浅川社長は、09年4月以降に解約が増加したと証言した。

 AIJは解約に対し、ファンドを取り崩さずに新規顧客からの受託資産を、二つの投資事業組合を通して払戻金に充てていたとみられることが既に明らかになっている。

 また、佐々木憲昭委員(共産)は、ITMの09〜11年の接待交際費が2155万〜1670万円と指摘。接待の相手先に「みなし公務員」である年金基金の役職員が含まれていることを踏まえ、西村社長は「営業マンは7人いて交際費の使い方に問題があるので減らした。ゴルフ接待を禁止し、1基金当たり半年で5万円を限度にした。常識の範囲内だったが、改めてチェックする」と述べた。

 証人喚問には厚生年金基金側にAIJを紹介した旧社会保険庁OBで年金コンサルタント会社経営の石山勲氏(75)も出席。金融商品取引法で登録が必要な助言業務を無登録で行っているのではないかとの指摘を受け「そういう認識はなかった。あくまで情報提供」と否定した。【町田徳丈、日野行介、武本光政】

衆議院財務金融委員会の中継を見る限り、AIJ投資顧問と旧社会保険庁OB(代表取締役・石山勲氏)が代表をつとめる年金コンサルタント会社「東京年金経済研究所」が ずぶずぶの関係であることは明らかなようだ。

監視委と金融庁は浅川和彦社長のような人間もいることを想定して 今後の防止策及び罰則を考えるべきだ。

AIJ社長、虚偽実績で勧誘した事実認める 04/13/12 (読売新聞)

 「AIJ投資顧問」の年金消失問題で、衆議院財務金融委員会は13日午前、同社の浅川和彦社長(59)の証人喚問を行った。

 浅川社長は、厚生年金基金の資産運用を始めた2003年から、虚偽の運用実績を基金に示し、勧誘していた事実を認めた。ただし、その当時から顧客をだます意思があったかどうかについては、これまで同様「そういうつもりは一切、全く無い」と強調した。

 委員から「ファンドを使った運用を始めた02年当初から、虚偽の運用実績を作成したのでは」と質問され、浅川社長は「厚生年金基金が(顧客として)入ったのが03年5月。(運用実績の水増しを始めたのは)それから、という認識」と証言した。03年5月以前については「当時は運用報告を出す必要が無かった」「手元に資料が無く、分からない」などと明確に証言しなかった。

「証言の拒否か」詰め寄る議員 浅川社長、終始しどろもどろ 04/13/12 (産経新聞)

 13日に開かれた衆院財務金融委員会の証人喚問。偽証すれば刑事罰にも問われる厳しい立場に置かれ、AIJ投資顧問の浅川和彦社長(56)は終始しどろもどろと答弁を繰り返した。「答えられない」「資料がない」と発言をにごし、議員から何度もたしなめられた。

 「その、言葉がちょっと違うのですが、じ、事実でございます」。アイティーエム証券と一体となり、虚偽の運用成績を記したリーフレットを配って顧客から資金を集めていたことが事実かを海江田万里委員長から問われ、浅川社長はしばし言葉を詰まらせた。

 くびをかしげたり、しばし無言になったり。「虚偽」という言葉を避けるように「水増し」という言葉を使い、「簡単な質問ですから」と海江田委員長にたしなめられる場面も。

 ファンド間の資金のやりとりについて「答えられない」と回答。泉健太議員(民主)から「証言の拒否か」と詰め寄られ、「私が分からないから調べようがない。刑事的にどうなるかも分からないですし…」と抗弁した。

 ダークスーツに水玉のネクタイ、胸には証人であることを示す緑のリボンが付けられた。「良心に従って真実を述べることを誓います」と宣誓した際には口を真一文字に結んだ。

 冒頭の人定質問では住所を問われると、会社の所在地をいい、自宅については「転々としているので、すみません…」と言葉を濁した。

流用額は「140億円前後」 浅川社長証人喚問、自転車操業事実上認める 04/13/12 (産経新聞)

 AIJ投資顧問(東京都中央区)による年金資産消失問題で、同社の浅川和彦社長(59)の証人喚問が13日午前、衆院財務金融委員会で始まった。顧客の年金基金の解約に応じるため、ほかの基金から集めた資金を「流用」していたことについて、浅川社長は「総額は140億円前後」と述べ、自転車操業をしていたことを事実上認めた。

 捜査当局側は「流用」が詐欺にあたる可能性が高いとみており、これを裏付ける発言として注目を集めそうだ。

 AIJは顧客から集めた約1458億円のうち、約149億円を解約者への支払いや未公開株の購入などにあてていたとされていた。「140億円前後」という数字は2ルートある流用のうちの1ルート分に関するもので、流用総額は増えるとみられる。

 証人喚問は偽証すれば刑事罰に問われる。浅川社長は顧客に虚偽の報告をしたことについては「事実です」と改めて認め、アイティーエム証券に数字は虚偽と伝えていたかどうかについては、「全く伝えていない」と述べた。また、これまでと同様、「客をだまして利益を取る目的でやったわけではない」と詐欺の犯意については否定した。

 午前中は浅川社長に対する尋問。午後にはAIJの営業を担当していたアイティーエム証券の西村秀昭社長(56)▽年金基金との仲介役をしていた旧厚生省OBの石山勲氏(75)の尋問が行われる。

 同社の経理担当取締役、高橋成子氏(52)は「体調不良」として出頭せず、鬱(うつ)病で入院1カ月が必要とする医師の診断書が出された。

 証人喚問は正当な理由なしに出頭の拒否はできず罰則もあるため、同委では診断書の内容などを精査するとしている。

AIJ社長 年金基金担当者を接待 個人資産での弁済拒否 04/04/12 (産経新聞)

 AIJ投資顧問(東京都中央区)による年金資産消失問題で、同社の浅川和彦社長(59)が3日、参院財政金融委員会の参考人招致に応じ、顧客を集めるため、年金基金の担当者に接待を行っていたことを認めた。また、年収7千万円前後だった浅川社長の個人資産が現在、現金2千万~3千万円にとどまることも判明。返済に充てることについては「詐欺をしたと認める行為になる」と述べ、応じない考えを示した。

 浅川社長の参考人招致は3月27日の衆院財務金融委員会に続き2回目。大門実紀史(みきし)議員(共産)らの質疑に答えた。浅川社長の答弁などによると、同社の交際費は年1000万~1400万円。年金基金の担当者や投資家、知人らの飲食接待に使っていたと説明し、議員からは「お金を使った営業力」と批判を受けた。

 年金基金の理事はみなし公務員にあたり、接待の状況によっては贈収賄に問われる恐れもあるため、大門議員が認識を聞くと、浅川社長は「基金の人は飲みに行っても割り勘。そうじゃない方も一部あるかもしれないが、過剰な接待はなかった」などと釈明した。

 また、浅川社長は「人をだまして自分のカネを増やそうとか、もうけようと思ってやったことは一切ない」と改めて犯意を否定。返済金に個人資産を充てる考えがないことを示した。

AIJの運用実態把握か 傘下のアイティーエム証券 04/03/12 (朝日新聞)

 AIJ投資顧問(東京都中央区)による年金資産の消失問題で、AIJの投資信託を販売してきた傘下のアイティーエム証券が昨年4月、AIJから信託報酬を受け取る契約を更新しなかったことが、朝日新聞が入手した資料でわかった。関係者の話によると、両社は2007年ごろから報酬や手数料の額をめぐってもめていたという。

 アイティーエムの西村秀昭社長は先月27日の衆院財務金融委員会で、「どちらかというと被害者。AIJの運用はまったく知らなかった」と説明した。しかし、アイティーエム側がAIJの運用実態に気づいていた可能性があるとみて、証券取引等監視委員会もこうした経緯に関心を寄せている模様だ。西村社長はAIJの浅川和彦社長らとともに、3日の参院財政金融委員会にも参考人として出席する予定。

 朝日新聞が入手したのは、アイティーエムの11年3月期の決算資料。AIJが運用する英領ケイマン諸島のファンドから信託報酬を受け取る契約と、AIJからの業務委託の契約について、「11年4月19日の取締役会で4月以後は更新しないと決議した」と記載していた。さらに、翌12年3月期については「大幅な減収・減益となる見込み」と予測していた。

AIJ浅川社長を蓮舫氏ら追及へ 参院参考人招致応じる意向 04/02/12 (産経新聞)

 AIJ投資顧問の年金資産消失問題で、同社の浅川和彦社長が2日、3日に開かれる参院財政金融委員会の参考人招致に応じる意向を参院側に伝えた。

 参考人招致は3月27日の衆院財務金融委員会に続き2回目。民主党の蓮舫氏、自民党の佐藤ゆかり氏、公明党の竹谷とし子氏らが質疑を行う。

 ほかに出席するのは、AIJの営業を担当していた「アイティーエム証券」の西村秀昭社長▽年金基金との仲介役をしていた旧厚生省OBで「東京年金経済研究所」社長、石山勲氏▽被害にあった栃木県建設業厚生年金基金の渡辺勇雄理事長-の3氏。AIJの経理を担当していた取締役、高橋成子氏は欠席の意向を伝えた。

“「日本版マドフ」のAIJ…“ギャンブラー”浅川社長の逆張り感覚(1/3ページ) (2/3ページ) (3/3ページ) 04/01/12(産経新聞)

 「安定利回り」という甘言を弄して巨額資産を集め、自転車操業に陥っていく-。AIJ投資顧問(東京都中央区)による年金消失問題の過程と発覚経緯は、かつて世界を驚かせた巨額投資詐欺事件と相似形をなす。「逆張り」と呼ばれる取引を重ね、年金資産を溶かしながら「返せると思った」と強弁する浅川和彦社長(59)。その心理はギャンブラーそのものという指摘もある。投資詐欺事件の首謀者は「恥という遺産が残った」と言い残して表舞台を去ったが、浅川社長の言葉からは「恥」の感覚は垣間見えない。(高久清史、岡嶋大城)

禁錮150年…相似形なす構図

 「まるでマドフのように、安定的な収益を提供できるとうたっていた」

 今年2月、AIJによる年金消失問題の発覚直後、米ブルームバーグは浅川社長の手口をこう報じた。例えられた相手は、米電子証券取引所の運営会社「ナスダック・ストック・マーケット」の会長を務めたバーナード・マドフ受刑者だ。

 当時の現地報道によると、マドフ受刑者は2008(平成20)年までの約30年間、投資ファンドが毎年10%以上の利益を上げていると説明し、投資家らから総額650億ドル(約6兆2000億円)を集めた。偽の残高証明書を顧客に送付したが、実際は資金を別の投資家への払い戻しなどに充てていた。

 払い戻し請求が重なり、返済が滞ったことで不正が発覚。08年12月に証券詐欺容疑などで逮捕され、禁錮150年の判決を言い渡された。

 被害額は約1兆2000億円とされ、少なくとも1092億円を消失させたAIJとはケタが違う。だが運用実績の虚偽説明、自転車操業に加え、社内で部外者の立ち入りを禁じる部屋を設けたり、「首謀者」が社交的で話術にたけた点など、マドフ事件とAIJ問題の共通項は多い。皮肉にもAIJの年金資産損失に拍車をかけたのが、この「マドフ」だった。

「経済成長の記憶」が足かせ?

 マドフ受刑者が逮捕された直後の平成21年2月。年金専門誌「年金情報」が、「消えない日本版『マドフ』の影」というタイトルのコラムを掲載した。不自然に続くAIJの安定利回りに警鐘を鳴らした記事だった。

 以降、AIJに対し、年金基金から委託金の解約要求が続出。AIJは実質支配下にあるアイティーエム証券や投資事業組合を通じ、新規顧客の委託金を解約に回す自転車操業に陥ることになる。

 実際はほとんど運用を行っていなかったマドフ受刑者に対し、浅川社長は最後まで「逆転」を狙った。その手法が「逆張り」という取引だ。

 逆張りとは、金融商品の取引市場の相場が下落しているときに反転を想定して行う取引。実際に反転すれば利益が得られるが、下落が続けば損失が生まれる。楽天証券経済研究所の山崎元客員研究員は「勝つときは小さいが負けるときは大きいのが特徴で、投機性が高い」と説明する。

 証券取引等監視委員会によると、資産運用の大半を担っていた浅川社長は少額の資金で多額の取引ができる「デリバティブ」で逆張りを続け、損失を膨らませた。特にリーマン・ショック後の平成22年3月期の損失額は501億円に上っている。

 「浅川さんのような昔の証券マンは経済成長とともに歩いてきた。だから『景気、相場は持ち直す』という考えが骨髄に染みついている。だから逆張りに走る」。浅川社長がかつて在籍した野村証券のOBは、そう指摘する。

見えぬ恥の感覚…再び国会へ

 「何度かやめたいと思ったが、損失を出したまま返したくなかった」

 「ばくちをした覚えは全くありません」

 27日の衆院財務金融委員会で開かれた参考人質疑。浅川社長は損失を隠し、営業を続けていた理由をこう語った。周辺にも「100億円あれば取り戻せる」と漏らしたとされる。

 だが、こうした言葉を額面通り受け止める人は少ない。新潟青陵大大学院の碓井真史教授(社会心理学)は「損を出したときに冷静さを失い、勝つことができると信じ込んでしまう『ギャンブラー』特有の心理」と手厳しい。

 浅川社長は4月3日、衆院に続いて、参院財政金融委員会での参考人質疑が予定されている。年金資産を託した年金基金幹部も、同じ委員会室で証言する見通しだ。

 「許しは請わない」「恥という遺産が残った」

 浅川社長と対比されるマドフ受刑者は判決言い渡しの際、法廷で被害者を前にこう語ったとされる。浅川社長は“被害者”を前にしてもなお、「だますつもりはなかった」と同じせりふを繰り返すのだろうか。その発言が注目される。

おかしな事をする人達は、自分達が行っている事を認識している。万が一のことも考えているし、裏の金融関係者ともつながりがあれば、 既に暮らしに困らない程度のお金はどこかに動かしていると推測したほうが良いだろう。証券取引等監視委員会は対応が遅いと思うよ!

AIJの国内外口座凍結…香港の欧銀・都内大手 03/31/12 (東京朝刊 毎日新聞)

 「AIJ投資顧問」(浅川和彦社長)による年金消失問題で、同社の運用資産を預かる香港の欧州系銀行などが、証券取引等監視委員会の要請を受け、同社関連の口座を凍結したことがわかった。

 AIJ関連では、預金計81億円が残されていることが分かっているが、この措置で、監視委の同意がなければ引き出せない状態となった。金融庁は今後、預金などを含めたAIJの資産が顧客に適切に返還されるよう、指導する方針。

 関係者によると、口座を凍結したのは欧州系銀行のほか都内の大手銀行。欧州系銀行については、各国の金融当局が加盟する「証券監督者国際機構」が定める「多国間協定覚書(MOU)」に基づき、香港の当局を通じて口座の凍結を要請し、協力を得たという。国内の銀行にもAIJ関連口座の凍結を要請した。

年金消失:AIJ社長参考人質疑 監視委調査と食い違い 03/28/12 (東京朝刊 毎日新聞)

 ◇「リーマン危機でもプラス」強調 投資事業組合利用、隠蔽のため?

 年金消失問題で強制調査を受けたAIJ投資顧問の浅川和彦社長(59)は27日、衆院財務金融委員会に参考人として出席し、運用実績の改ざんを認めつつ「損失を取り戻せると思った」と強気の姿勢を見せた。だが、これまでの証券取引等監視委員会の調査との矛盾点も目立つ。08年のリーマン・ショックで損失はないとしたことや自身の報酬額、「だますつもりはなかった」としながら内密にしていた投資事業組合を利用した隠蔽(いんぺい)の仕組み。関連証券会社の役割と合わせ、大きく四つの疑問点が浮かんだ。(29面に参考人質疑・意見陳述要旨)

 「リーマン・ショックではプラスが出ていた」。参考人質疑で浅川社長は強調した。

 だが、監査法人の監査報告書と、AIJのファンドを受託した香港の投資銀行の出入金記録を基にした監視委の調査では、AIJは金融派生商品の売買失敗で毎年損失を計上。リーマン・ショックのあった08年度の損失は37億円、09年度には501億円に膨らんだ。02年度から9年間で黒字は一度もなく、損失額は計1092億円。関係者は「リーマン・ショックを含んだ時期でばくちのような運用に失敗している。(プラスだったとの発言は運用失敗を認めない)ご都合主義の言い逃れ」とみる。

 また、浅川社長はAIJ側の報酬45億円のうち27億円は関連のアイティーエム証券(ITM)に手数料として支払ったと証言。だが、関係者によると、この手数料を巡りAIJとITMの主張が食い違っているという。このためAIJ側の報酬額は上積みされ、浅川社長の個人報酬も自ら明かした「7000万円前後」を上回る可能性があるという。

 今後の監視委の調査で大きな焦点になるとみられるのが、顧客に内密にしてきた投資事業組合を利用した払い戻しの仕組みだ。浅川社長は二つの投資事業組合を通して新規顧客からの受託資産をそのまま解約顧客の償還金に充てた疑いがある。

 浅川社長は再三にわたり「だましたつもりはない」と繰り返したが、この仕組みでは、顧客に販売した私募投資信託「AIMグローバルファンド」自体を動かさないで資金が流れる。損失隠蔽のための仕組みだった疑いが強く、監視委はひときわ関心を寄せている。

 また、この仕組みには解約・転売の窓口としてITMが介在。同社の西村秀昭社長は参考人質疑で「被害者」の立場を示したが、監視委はITMの役割の解明も進めている。【川名壮志】

 ◇AIJの運用実績「虚偽と気づかず」--関連会社社長ら

 参考人質疑には、各地の厚生年金基金にAIJを紹介した旧社会保険庁OBで年金コンサルタント会社経営の石山勲氏や、AIJの金融商品を販売した関連会社のアイティーエム証券の西村秀昭社長も出席。2人ともAIJの運用実績が虚偽だったことを知らなかったと強調した。

 石山氏はAIJの扱うファンドを基金側に説明したことを認めつつ、基金関係者に「引き合わせるようなことはしていない」と説明。AIJの不正については「全く気付かなかった。新聞報道で初めて知った」と語った。西村氏は「虚偽との認識は持っていなかった。どちらかと言えば被害者」とする一方、「販売には責任があり、その意味では加害者」とも述べた。

 ◇「誠意伝わらず」--基金幹部

 参考人質疑を終えたAIJ投資顧問の浅川和彦社長について、年金資産を委託した各地の厚生年金基金幹部からは真相解明を求める声が相次いだ。

 中部地方の基金の常務理事は「全てを明らかにしてもらいたい。『手堅くコツコツ』という説明と違い、ばくちのような運用だった」と憤る。「年金資産は加入者が毎日汗水たらして働いたお金。それをどのような気持ちで運用していたのか」と語気を強めた。

 関東地方の基金の常務理事は「全く誠意が伝わってこなかった。詐欺師としか見えず怒りを通り越している」。約9億円を委託した関東地方の別の基金の常務理事も「とにかく委託額を全て戻す責任がある」と強い口調で語った。【町田徳丈】

AIJ:監視委調査と食い違い 浅川社長、参考人質疑 03/28/12 (毎日新聞)

 年金消失問題で強制調査を受けたAIJ投資顧問の浅川和彦社長(59)は27日、衆院財務金融委員会に参考人として出席し、運用実績の改ざんを認めつつ「損失を取り戻せると思った」と強気の姿勢を見せた。だが、これまでの証券取引等監視委員会の調査との矛盾点も目立つ。08年のリーマン・ショックで損失はないとしたことや自身の報酬額、「だますつもりはなかった」としながら内密にしていた投資事業組合を利用した隠蔽(いんぺい)の仕組み。関連証券会社の役割と合わせ、大きく四つの疑問点が浮かんだ。

 「リーマン・ショックではプラスが出ていた」。参考人質疑で浅川社長は強調した。

 だが、監査法人の監査報告書と、AIJのファンドを受託した香港の投資銀行の出入金記録を基にした監視委の調査では、AIJは金融派生商品の売買失敗で毎年損失を計上。リーマン・ショックのあった08年度の損失は37億円、09年度には501億円に膨らんだ。02年度から9年間で黒字は一度もなく、損失額は計1092億円。関係者は「リーマン・ショックを含んだ時期でばくちのような運用に失敗している。(プラスだったとの発言は運用失敗を認めない)ご都合主義の言い逃れ」とみる。

 また、浅川社長はAIJ側の報酬45億円のうち27億円は関連のアイティーエム証券(ITM)に手数料として支払ったと証言。だが、関係者によると、この手数料を巡りAIJとITMの主張が食い違っているという。このためAIJ側の報酬額は上積みされ、浅川社長の個人報酬も自ら明かした「7000万円前後」を上回る可能性があるという。

 今後の監視委の調査で大きな焦点になるとみられるのが、顧客に内密にしてきた投資事業組合を利用した払い戻しの仕組みだ。浅川社長は二つの投資事業組合を通して新規顧客からの受託資産をそのまま解約顧客の償還金に充てた疑いがある。

 浅川社長は再三にわたり「だましたつもりはない」と繰り返したが、この仕組みでは、顧客に販売した私募投資信託「AIMグローバルファンド」自体を動かさないで資金が流れる。損失隠蔽のための仕組みだった疑いが強く、監視委はひときわ関心を寄せている。

 また、この仕組みには解約・転売の窓口としてITMが介在。同社の西村秀昭社長は参考人質疑で「被害者」の立場を示したが、監視委はITMの役割の解明も進めている。【川名壮志】

 ◇AIJの運用実績「虚偽と気づかず」

 参考人質疑には、各地の厚生年金基金にAIJを紹介した旧社会保険庁OBで年金コンサルタント会社経営の石山勲氏や、AIJの金融商品を販売した関連会社のアイティーエム証券の西村秀昭社長も出席。2人ともAIJの運用実績が虚偽だったことを知らなかったと強調した。

 石山氏はAIJの扱うファンドを基金側に説明したことを認めつつ、基金関係者に「引き合わせるようなことはしていない」と説明。AIJの不正については「全く気付かなかった。新聞報道で初めて知った」と語った。西村氏は「虚偽との認識は持っていなかった。どちらかと言えば被害者」とする一方、「販売には責任があり、その意味では加害者」とも述べた。

AIJ、運用せず流用か 09年から新契約分で払い戻し 03/25/12 (朝日新聞)

 AIJ投資顧問(東京都中央区)による年金資産消失問題で、同社は2009年春以降、新たに契約して集めた資産を実際はほとんど運用せず、そのまま解約者の払い戻しにあてていたことが、関係者の話でわかった。運用する意思がないのに顧客に偽って契約を繰り返していたとみられる。

 証券取引等監視委員会は、こうした「流用」の総額が約700億円にのぼり、詐欺にあたる可能性があるとみて、近く捜査機関と協議を始める方針だ。

 監視委の調べや関係者の話によると、こうした「自転車操業」が常態化したのは、年金基金向けの専門誌「年金情報」が、AIJの問題を指摘する記事を掲載した09年2月以降だった。年金情報はAIJという名前は伏せたものの、米ナスダック市場の運営会社のバーナード・マードフ元会長による巨額詐欺事件との類似性を指摘した。

年金コンサルタント会社「東京年金経済研究所」の石山勲氏はどのような人物なのか?

旧厚生OBの会社操る 実印監理、勧誘に利用 (1/2ページ) (2/2ページ)03/25/12(産経新聞)

 AIJ投資顧問の年金消失問題で、年金基金に対してAIJを勧めていた旧厚生省(現厚生労働省)OB(75)の年金コンサルタント会社の実印をAIJが管理し、実務全般を取り仕切っていたことが24日、関係者への取材で分かった。AIJの浅川和彦社長(59)が、親類をこのコンサル会社に雇用させていたことも判明。旧厚生OBのコンサル会社を実質的に操り、年金資産の取り込みに利用していた実態が浮かび上がった。

 関係者によると、AIJが実質的に操っていたのは、旧社会保険庁(現日本年金機構)にも勤務していた旧厚生OBが平成16年に設立したコンサル会社。同社は年金基金に天下りした旧社保庁OBらに対し、AIJを年金資産の「優良委託先」の一つとして紹介していた。

 AIJは、このコンサル会社の設立資金の約半額にあたる1千万円を負担したうえ、自社の総務統括担当取締役、高橋成子氏(52)を事務・経理業務全般を取り仕切る役員として送り込んでいた。高橋氏はコンサル会社の実印を預かり、会社の庶務については実質的な決定を行っていた。

 また、浅川氏のおいを約3年間にわたってコンサル会社に雇用させ、旧厚生OBの下で働かせていた。その給与の一部はAIJ側が肩代わりしていたとみられる。

 AIJは旧厚生OBの人脈を利用して、旧社保庁OBが天下りしている年金基金に勧誘活動をさせるため、高橋氏や浅川氏のおいを送り込み、旧厚生OBの会社を実質的に操っていたとみられる。

 旧厚生OBは「自分は高橋氏が自分のコンサル会社の役員となっていることは知らなかった。おいは浅川氏から『修業させてほしい』といわれ、受け入れただけ。実印を預けていたのは事実だが、AIJだけ優先的に顧客に勧めていたということはない」と話している。

 AIJをめぐっては、証券取引等監視委員会が23日、金融商品取引法違反(契約の偽計)の疑いで強制調査に着手。関係先数カ所への家宅捜索で、押収した書類の分析を進めている。

AIJ:「UFO」と分析会社報告 運用実績成り立たずと 03/24/12 (毎日新聞)

 金融商品取引法違反容疑で強制調査を受けたAIJ投資顧問の運用手法について約3年前に疑問視した別の投資顧問会社が投資分析会社に解析を依頼したところ「運用実績が成り立たないUFO(未確認金融機関)」と報告されていたことが分かった。また、AIJは「リスク管理のため独自の指数を用いている」と説明していたが、金融関係者は「指数は実態を伴っていない」として信用性に疑いがあったと指摘している。【松田真、町田徳丈、松本惇】

 別の投資顧問会社は08年のリーマン・ショック後、相場変動が大きい状況でもAIJが収益を上げたとしている点を疑問視。コンピューターを使って投資手法などを数学的に解析する分析会社にAIJの運用実績記録を送付し、運用が成立するかの調査を依頼した。

 当時、AIJは金融派生商品「日経225オプション」のプット(売る権利)の売りを中心とする投資信託を展開しているとして勧誘していたが、その運用手法では相場が大きく変動して想定より下がった場合、多額の損失を出すことになる。

 分析会社はリーマン・ショックなど実際に起きた経済状況下でAIJの唱えるオプションの売り戦略を採用した場合にAIJが示すような運用実績になるのかを解析した。その結果、09年2月に「UFO(Unidentified Financial Organization=未確認金融機関)」と題する報告書を作成。その中で「こんな運用は成立しない」と指摘した。

 分析を依頼した投資顧問会社の幹部は「我が社の分析も同じだった。AIJの運用成績は作られたものだと確信した」と振り返る。

 また、AIJは安定的に収益を上げられる背景として、販売資料で「リスク管理については独自に開発した『MI指数』などを駆使」と説明。同指数は0から100までの数値とされ、販売資料には日経225とMI指数の推移を比較したグラフを掲載していた。

 AIJの浅川和彦社長は顧客に「MI指数は利益を出し損ねないよう売り買いのタイミングを計るもの」と説明。指数のグラフが「雲のような形になったら、売り」などと案内していたという。

 関係者によると、この指数について浅川社長は「指数を開発した役員とファンドマネジャーの頭文字から付けた」と説明していたという。関係者は「実態を伴っていなくても何とでも名前を付けられる」と話している。

AIJ:社長ら2人、報酬45億円 03/24/12 (毎日新聞)

 金融商品取引法違反(契約の偽計)容疑で証券取引等監視委員会による強制調査の対象となったAIJ投資顧問の浅川和彦社長と高橋成子取締役が、英領バージン諸島の管理会社を通じて計約45億円の報酬を得ていたことが23日、監視委の調べで分かった。監視委は同日の会見で「受託資産の明確な不正流用は確認できなかった」としたが、偽計に伴う高額報酬が判明した。

 監視委によると、AIJの集めた年金資産の受け入れ先となった英領ケイマン諸島籍の「AIMグローバルファンド」の収入は、03年3月期から11年3月期の9年間で、年金基金の受け入れが1458億円、株の売買が14億円の計1472億円。一方、支出は運用損失1092億円▽基金への解約支払い17億円▽委託手数料61億円▽管理報酬45億円▽監査報酬6億円▽投資事業組合への出資181億円(うち現預金などAIM持ち分32億円)▽海外ファンド持ち分21億円▽現預金49億円--の1472億円で、収支が均衡していた。

 ただし、支出のうち管理報酬45億円は、浅川社長と高橋取締役が役員を務める「身内」のファンド管理会社「エイム・インベストメント・アドバイザーズ(AIA)」への支払い。同社は2人の実質的なペーパーカンパニーとみられ、45億円のうち9億円は運用の成功報酬名目とされる。

 監視委によると、報酬はAIJとAIAが交わした規約などで決められていたが、一方でAIJの運用受託報酬は7900万円(10年度)と低額。監視委は、浅川社長らが管理会社を通じ、顧客の目に付きにくい形で高額報酬を得ようとしたとみて解明を進める。【川名壮志】

AIJ社長、月収600万円 巨額損失隠して受給か 03/24/12 (朝日新聞)

 AIJ投資顧問(東京都中央区)による年金資産消失問題で、浅川和彦社長(59)と高橋成子取締役(52)のここ数年間の月収が、それぞれ約600万円と約300万円にのぼっていたことが、関係者の話でわかった。証券取引等監視委員会は、資産の運用に失敗して巨額の損失が出ているのを知りつつ、2人が高額の報酬を受け取っていたとみて調べている。

 2人は年金基金と投資一任契約を結ぶ際に「運用成績が好調で、高い収益を得ている」とあざむいた疑いがあるとして、23日に金融商品取引法違反(契約の偽計)の容疑で強制調査を受けた。2人は監視委に対し、巨額の損失を隠していたことを認めているという。

 監視委の調べや関係者の話によると、浅川社長は自ら全国各地を回り、年金基金に対して営業を展開していた。ケイマン諸島に設立したファンドを使った年金資産の運用は、2002年の開始直後から損失が出ていたが、うその実績を自ら作成して、営業の際に示していたという。

AIJ社長&“女帝”の金満ライフ…報酬総額45億円ナリ! 03/24/12 (ZAKZAK)

 AIJ投資顧問(東京都中央区)が、1000億円超に上る巨額の年金資産を消失した問題で、浅川和彦社長(59)と、その側近で「女帝」といわれた高橋成子取締役(52)の驚きの金満ぶりが判明した。月収はそれぞれ約600万円と約300万円。顧客の目をくらませて、2人は9年間に45億円もの報酬も得ていたという。

 金融商品取引法違反(契約の偽計)容疑で証券取引等監視委員会(監視委)による強制調査を受けたAIJ投資顧問。

 渦中の浅川社長は、23日の調査直前に産経新聞の取材に応じ、「(損失分を)取り戻せる自信はあった」と釈明。客からの資産流用についても、「ありえない。AIJが金を手にする余地はない」と否定した。

 しかし、調査によって、言葉とは裏腹の不透明な実態が次々と噴出。なかでも目を引くのが、浅川社長と、会社の金庫番で周囲から「女帝」と呼ばれた高橋取締役が手にした巨額報酬だ。

 監視委は、AIJが集めた年金資産の受け入れ先となった英領ケイマン諸島籍の「AIMグローバルファンド」で、2003年3月期~11年3月期まで9年間の管理報酬が45億円に上ったと発表。同社は、2人の実質的なペーパーカンパニーで、顧客の目につきにくい形で高額報酬を得ようとした疑いがある。

 さらに、24日付の朝日新聞は、それぞれ約600万円と約300万円の月収を得ていたとの関係者の証言を紹介。近年は、その報酬が年間1億数千万円にまで高額化していたという。

 同社が資金を託した年金基金側に、旧社会保険庁OBが役員として“天下り”していたほか、厚生省(現厚生労働省)OBが資金集めに協力していたこともすでに判明。浅川社長は、こうした厚労系OBのネットワークを駆使して金集めに奔走していたもようだ。

社保庁OB会社に出資 AIJ社長側、天下り人脈活用か 03/24/12 (朝日新聞)

 AIJ投資顧問(東京都中央区)が年金資産を消失させた問題で、AIJの浅川和彦社長側が、旧社会保険庁OBが代表をつとめる年金コンサルタント会社に少なくとも1千万円を出資していたことがわかった。AIJは地方の年金基金からの受託を増やすため基金に再就職した同庁OBの人脈に着目したとみられる。

 23日に金融商品取引法違反(契約の偽計)容疑で強制調査に乗り出した証券取引等監視委員会も、経緯に関心を寄せている。

 このコンサル代表の説明によると、コンサル会社は2004年1月に設立。この際、浅川社長が経営する別の会社から1千万円が出資された。当時、資本金の3分の2にあたる額だったという。コンサル会社は最終的に資本金を3千万円まで増やした。

 AIJは04年以降、コンサル会社と顧問契約を交わし、コンサル会社が主催する年金基金向けのセミナーに浅川社長が講師として参加したり、一緒に基金を訪れてファンドの説明をしたりしていた。基金側にも同庁OBが多く天下りしており、こうした「営業活動」を通じて、AIJは顧客を広げていったとみられる。

AIJ社長「運用は素人」の評 営業力で急成長 03/24/12 (朝日新聞)

 巨額の年金資産がなくなるという前例のない事態に、証券取引等監視委員会の強制調査が23日に入った。AIJ投資顧問が急成長した背後には何があったのか。刑事告発を視野に、実態解明が本格化する。

 AIJの浅川和彦社長(59)は2000年、企業などの資産運用を助言する投資顧問会社を設立。03年に現在の商号に改称し、04年には外資系の投資顧問会社を買収した。

 浅川社長は1994年、熊本支店長を最後に証券最大手の野村証券を退社。その後、外資系や中堅の証券会社を渡り歩いた。浅川社長を知る証券関係者は「資金運用は素人だった」と口をそろえる一方で、証券マン時代から営業の腕については定評があったという。

 元同僚は「同期入社トップの営業成績。中堅証券会社時代は、歩合制の営業マンとして年に数千万円の報酬を得ていた」と話す。別の証券関係者は「人に会うと、その日のうちに礼状を書いていた。人の心をつかむのがうまかった」。

 監視委の発表資料によると、AIJの役員と社員の総数はわずか11人。小規模で新興の投資顧問会社が契約先を増やすのは容易ではない。それを可能にしたのが浅川社長のこの「営業力」だった。

「『AIJは2002年、顧客から預かった年金資産を運用するため、英領ケイマン諸島に『AIMグローバルファンド』を設立。同ファンドに対しては、英国の大手監査法人が監査を行い、定期的に同証券へ監査報告書を提出していた。 」

AIMグローバルファンドを監査した英国の大手監査法人はどこなのか?日本の監査法人は大したことないと思っていたが、英国の大手監査法人も同じようなものなのか? 英国の大手監査法人の名前を教えて、マイケル・ウッドフォード元オリンパス社長!

AIJ傘下の証券、不正を知りながら勧誘か 03/24/12(読売新聞)

 「AIJ投資顧問」の年金消失問題で、勧誘業務を行っていた「アイティーエム証券」(東京)の複数の社員が、AIJによる投資損失を記す関係書類を見ていたことがわかった。

 AIJの浅川和彦社長(59)が実質支配するファンドが、同証券の株式約8割を取得していたことも判明。証券取引等監視委員会は、同証券がAIJとほぼ一体化し、不正を知りながら勧誘していた可能性があるとみている。

 同証券は1998年6月に設立された。監視委幹部によると、当初は独立した証券会社だったが、現在は、浅川社長が実質的に支配する「シグマキャピタル投資事業組合」など二つのファンドが同証券株の約80%を保有している。

 AIJは2002年、顧客から預かった年金資産を運用するため、英領ケイマン諸島に「AIMグローバルファンド」を設立。同ファンドに対しては、英国の大手監査法人が監査を行い、定期的に同証券へ監査報告書を提出していた。

「『もう100億円あれば、なんとか巻き返せたのに』などと話していることが、分かった。」

ギャンブルで負けこんでいる人達の言葉のようだ。年金資産1458億円を預けさすほど人に取り入るのが上手かったのだろう。 厚労省と旧社保庁OBを巻き込んでの勧誘はすごい。肩書きや評判だけに頼る人達を騙せたのだろう。

AIJ社長「もう100億円あれば巻き返せた」 03/24/12(読売新聞)

 「AIJ投資顧問」(東京都中央区)の年金消失問題で、同社の浅川和彦社長(59)が証券取引等監視委員会の調べに対し、年金資産の大半の運用を自ら指示していたことを認め、「いつか『当たる』と思ってやっていた。もう100億円あれば、なんとか巻き返せたのに」などと話していることが、分かった。

 監視委は、浅川社長がリスクの高い運用で膨らんだ損失を取り返すため、顧客にウソをついて勧誘していたとみて、金融商品取引法違反(契約に関する偽計)容疑での刑事告発を目指す。

 監視委によると、同社は2002年、英領ケイマン諸島に設立したファンドを通じて金融派生商品などへの投資を始めたが、04年3月期以降は毎年損失を出し続け、11年3月期までの9年間に、厚生年金基金などの顧客から預かった年金資産1458億円のうち、1092億円を消失させた。

AIJ:社長ら2人、報酬45億円 03/24/12(毎日新聞)

 金融商品取引法違反(契約の偽計)容疑で証券取引等監視委員会による強制調査の対象となったAIJ投資顧問の浅川和彦社長と高橋成子取締役が、英領バージン諸島の管理会社を通じて計約45億円の報酬を得ていたことが23日、監視委の調べで分かった。監視委は同日の会見で「受託資産の明確な不正流用は確認できなかった」としたが、偽計に伴う高額報酬が判明した。

 監視委によると、AIJの集めた年金資産の受け入れ先となった英領ケイマン諸島籍の「AIMグローバルファンド」の収入は、03年3月期から11年3月期の9年間で、年金基金の受け入れが1458億円、株の売買が14億円の計1472億円。一方、支出は運用損失1092億円▽基金への解約支払い17億円▽委託手数料61億円▽管理報酬45億円▽監査報酬6億円▽投資事業組合への出資181億円(うち現預金などAIM持ち分32億円)▽海外ファンド持ち分21億円▽現預金49億円--の1472億円で、収支が均衡していた。

 ただし、支出のうち管理報酬45億円は、浅川社長と高橋取締役が役員を務める「身内」のファンド管理会社「エイム・インベストメント・アドバイザーズ(AIA)」への支払い。同社は2人の実質的なペーパーカンパニーとみられ、45億円のうち9億円は運用の成功報酬名目とされる。

 監視委によると、報酬はAIJとAIAが交わした規約などで決められていたが、一方でAIJの運用受託報酬は7900万円(10年度)と低額。監視委は、浅川社長らが管理会社を通じ、顧客の目に付きにくい形で高額報酬を得ようとしたとみて解明を進める。【川名壮志】

AIJ:「裸売り」で損失拡大 9年間で1092億円 03/24/12(毎日新聞)

 投資顧問会社「AIJ投資顧問」(東京都中央区)の年金消失問題で、同社の浅川和彦社長がいわゆる「裸売り」という損失を限定しないリスクの高い金融派生商品(デリバティブ)取引で運用を繰り返し、集めた年金資産の大半を失ったことが23日、証券取引等監視委員会の調査で分かった。運用は浅川社長主導で行われ、03年から9年間の損失額は1092億円に上った。【川名壮志】

 監視委によると、AIJは集めた1458億円の受託資産を、デリバティブ取引の一種で日経平均株価を基にした日経225オプション取引と、日本国債のオプション取引で主に運用。どちらも本来は運用に失敗しても「損切り」できることがメリットだが、浅川社長はリスク回避の措置を講じずに高い収益だけを狙う「裸売り」という投機性の高い手法で運用していた。

 これにより03年3月期に1億円未満だった損失額は、04年3月期16億円▽05年同34億円▽06年同270億円▽07年同40億円▽08年同186億円▽09年同37億円▽10年同501億円▽11年同7億円--と毎年億単位で計上。裸売りの手法を多用した上で、市場や金利の動きに逆行した予測に基づき、勝率の低い「逆張り」を繰り返し、手じまいも遅れたため、損害が膨大になったとみられる。

 監視委によると、浅川社長はこうした運用をシンガポールの仲介取引業者に指示。損害の実態は自分と高橋成子取締役だけが把握し社内外に漏れないようにしていたという。

 AIJの作成した運用益を含んだ純資産と実際の資産額の差は年々開いており、関係者は「損失を回復するため、ばくち的な投資をする悪循環が続いた」とみている。

 AIJの受託資産は信託銀行などを経由し英領ケイマン籍のファンドで運用されていたが、本来は独立して運用利回りなどを確認する管理会社や証券会社はAIJと一体化していた。これが問題発覚を遅らせたとされる。

AIJ:浅川和彦社長、言葉巧みで負けず嫌い 03/24/12(毎日新聞)

 証券取引等監視委員会による強制調査ではAIJの浅川和彦社長(59)と高橋成子取締役(52)が金融商品取引法違反(契約の偽計)容疑の調査対象者とされた。「言葉巧み」で「負けず嫌い」と評される浅川社長と、お金や事務関係を一手に仕切り「社長も頭が上がらない」(2人を知る関係者)という高橋取締役。監視委は2人の役割解明を重点的に進めるとみられる。

 「言葉巧みというか、あの人の話を聞いて引き込まれた」。AIJに委託した東日本の厚生年金基金の常務理事は、浅川社長のことをそう振り返る。「運用利回り表や資料を見せられ『生保や信託のは運用じゃない。うちのが本当の運用だ』と話したのは印象に残っている」という。

 浅川社長が顧客に示した資料などによると、75年に野村証券に入り、名古屋市内の支店営業課を振り出しに営業畑で頭角を現した。「同期で負けたやつはいない」と周囲に豪語し、入社10年後には京都駅前支店の準備室長となり、初代支店長へ。

 「とにかく負けず嫌い。好きなマージャンでも、負ければ朝までやって取り返そうとした」(元同僚)

 一方で「人なつっこく、損させても可愛がられるタイプ」「『次何とかします』というのが口癖だった。何でこんなことを」と驚く元同僚らも。だが「会社の看板を利用して断定的な物言いをし、リスクを説明しない古典的な営業」(別の元同僚)との指摘もある。

 京都駅前支店長時代には大きな損失を出したとされ、本社の部次長を経て90年に熊本支店長へ。94年に外資系証券に移り、00年に投資顧問会社を設立。97年の総会屋への利益供与事件で有罪判決を受けた、金融派生商品に詳しいとされる野村証券元役員を迎え入れた。

 一方、高橋取締役について関係者は「浅川社長は頭が上がってなかった。社員の給料とか自分で使える金とか、全部彼女の差配だった」。この関係者は海外での運用の仕組みにも高橋取締役が一定の役割を果たしたとみている。【杉本修作、浅野翔太郎、松本惇】

AIJ:証券監視委が強制調査 金融庁が登録取り消し 03/23/12(毎日新聞)

 投資顧問会社「AIJ投資顧問」(東京都中央区)の年金消失問題で証券取引等監視委員会は23日午前、顧客を欺いて契約を交わしたとして金融商品取引法違反(契約の偽計)容疑で同社本社などの強制調査に乗り出した。強制調査の対象は、ほかに関連のアイティーエム証券(ITM、東京都中央区)や幹部宅など数カ所。巨額年金消失問題は刑事告発に向け動き出した。

 監視委によると、同容疑での調査対象者はAIJの浅川和彦社長(59)と高橋成子取締役(52)。浅川社長が主導し高橋取締役が事務担当だったという。監視委は同日までに行政処分担当の証券検査課がAIJとITMの検査を終え、今後は刑事告発担当の特別調査課が調べを進める。

 また監視委から行政処分の勧告を受けた金融庁は同日、金融商品取引法違反(運用報告書の虚偽記載・虚偽の勧誘)の疑いなどに基づきAIJの投資運用会社としての登録を取り消す処分を出した。ITMにも虚偽の運用実態を知りえた状況で商品販売をしていたなどとして、同法に基づき制度上最長の6カ月の業務停止を命令。その上で、両社に顧客の資産を保全するよう業務改善命令を出した。

 監視委によると、AIJは03年から自社の判断に基づき資産運用が可能な「投資一任契約」を年金基金側と結び、年金資産を運用。03年3月期~昨年3月期までに1458億円を受託したが、08年のリーマン・ショックなどで毎年運用に失敗、金融派生商品(デリバティブ)取引で1092億円を消失させた。こうした損失結果をAIJは顧客に隠したまま高利回りをうたい集金を続行。集めた資産は損失の補てんや払い戻しに充て、販売した金融商品の価額も水増ししていたことから、投資一任契約業者に禁じた「契約の偽計」容疑に当たると判断した。

 こうした取引では運用利回りなどを確認する管理会社や商品を販売する証券会社が投資顧問会社から独立していることが前提とされるが、AIJの取引に関与した管理会社「エイム・インベストメント・アドバイザーズ」の役員はAIJの浅川社長が兼ね、販売元のITMも資本提携関係があり事実上一体化。監査法人による監査報告も3者のみで確認し、顧客に開示を拒否していた。

 AIJの顧客向け資料では11年3月期までに2090億円を受託したとされていたが、監視委の調べでは残った資産は251億円。これには未公開株やファンドなどが含まれ、現金は81億円しかなかった。【川名壮志、田所柳子】

年金消失のAIJ、早朝から強制調査…監視委 03/23/12(読売新聞)

 「AIJ投資顧問」(東京都中央区、浅川和彦社長)の年金消失問題で、同社が、好調な運用実績を装って顧客に契約させた疑いが強まったとして、証券取引等監視委員会は23日午前、金融商品取引法違反(契約に関する偽計)容疑で、同社や実質的に支配下にあるアイティーエム証券(同)などの強制調査を始めた。監視委は、捜査当局への告発を視野に巨額の年金資金が消えた経緯を解明する。

 AIJは、顧客から受け取った資金を運用に回さず、解約した顧客への払戻金に流用していた疑いも持たれており、捜査当局は監視委と連携し、詐欺容疑を適用できるかどうかについても検討している。

 関係者によると、AIJは、2002年に英領ケイマン諸島のファンドを使って運用を開始。ハイリスクな金融派生商品などへの投資に失敗し続けた結果、損失が常態化していたにも関わらず、顧客の勧誘では「10年間の累積で約250%の利回りを達成」などと実績を偽り、契約させていた疑いが持たれている。

「09年時点では53基金の役員に国家公務員OB53人が再就職。」

国家公務員OB53人にも責任を取らせ、損害を補償させろ!

AIJ問題:委託46基金に天下り 被害助長の疑い 03/23/12(毎日新聞)

 AIJ投資顧問による企業年金消失問題に絡み、厚生労働省が10年度末時点でAIJに投資残高のある74厚生年金基金を調査したところ、回答した71基金のうち46基金(65%)の役員に、厚労省と旧社会保険庁のOB46人が再就職していることが分かった。他省庁も含む国家公務員OB全体では47基金(66%)に49人。AIJの問題を巡っては社保庁OBらのネットワークで被害が拡大した側面が指摘されており、その疑いがさらに強まった。【野倉恵】

 厚労省が民主党ワーキングチーム(座長・蓮舫参院議員)に調査報告を提出した。同省は09年5月時点の調査で399厚年基金に国家公務員OB646人が天下りしていたことを明らかにしている。

 これを今回と同じ71基金でみると、09年時点では53基金の役員に国家公務員OB53人が再就職。人数で4人、基金数で六つ減少したが、10年9月に長妻昭厚労相(当時)名で役職員を公募するように通知しながら、徹底されていないとみられる。

AIJ被害の47基金に天下り 厚労省OBら49人 03/23/12(朝日新聞)

 厚生労働省は23日、AIJ投資顧問に年金資産の運用を委託していた74の厚生年金基金のうち、約6割にあたる47基金の役員に、厚労省や旧社会保険庁のOBら元国家公務員が計49人再就職していると発表した。

 AIJ問題では、運用の知識や経験が乏しい天下り役員らがAIJの勧誘に乗ったことが、被害拡大の一因との見方がある。またAIJと関係の深い旧社保庁出身の年金コンサルタント会社代表が、OB人脈を利用して複数の基金にAIJを紹介したとの指摘もあり、民主党などが天下り状況の調査を求めていた。

 調査は3月1日時点で、74基金のうち19日までに回答した71基金分を集計した。役員に国家公務員OBがいるのは47基金で、そのうち46基金は厚労省や旧社保庁の出身者。再就職者の数は計49人で、うち46人が厚労省と旧社保庁の出身者だった。

増資インサイダー:野村証券が社内調査着手 情報管理検証 03/23/12(毎日新聞)

 国際石油開発帝石の公募増資を巡るインサイダー取引問題で、営業員による情報漏れを起こした野村証券が内部調査に着手したことが22日、わかった。野村証券は増資を担当した主幹事の1社。インサイダー情報が漏れないために、社内で適切な情報管理体制が構築されていたかが焦点となる。同社は4月にも事実関係を確認した上で、情報管理のあり方を検証する方針だ。【田所柳子、浜中慎哉】

 証券取引等監視委員会などによると、中央三井アセット信託銀行のファンドマネジャー(運用担当者)が、野村の営業担当者から増資の情報を得て、国際帝石株を空売りした。情報を漏らした野村側は金融商品取引法違反(インサイダー取引)に問われないが、本来なら、増資の引き受け部門から営業部門に未公開情報が流れない仕組みを整える必要がある。

 証券会社の情報管理体制を巡っては、業界団体の日本証券業協会が10年7月、業務で入手した企業情報がむやみに広がらないための自主規則を導入。08~09年に野村やカブドットコム証券でインサイダー取引が発覚したためで、「法人担当部門を他の部門から物理的に隔離」「法人関係情報の電子ファイルを容易に閲覧できなくする」などを求める。守らないと、最大5億円の過怠金などを科す。

 もっとも、日証協の規則導入以前から、未公開の企業情報を持つ法人部門と、投資家に株式や投資信託の売買を勧める営業部門は「チャイニーズウオール」と呼ばれる壁を設けるのは世界の常識だ。中国の「万里の長城」を指し、越えがたい壁を意味するもので、ある国内証券会社は、M&A(企業の合併・買収)の案件を話す時は、企業名を符丁で呼ぶルールがある。法人部門と営業部門の社員は入館証を別にし、互いのオフィスに出入りできないようにしている社もある。

 とはいえ、現役の証券会社員は「社員同士の個人的なつながりまでは遮断できない。情報のやり取りも、私用の携帯やメールまではチェックされない」と限界を指摘する。

 また、増資決定前に主幹事の証券会社が機関投資家の需要を探る「プレヒアリング」による情報漏れを疑う声もある。プレヒアリングも日本証券業協会が07年1月から規則で禁止し、国内証券各社も「やっていない」と口をそろえる。だが、元法人営業担当社員は「2~3年前には『客がどれくらい買うか知らないと仕事にならない』という空気で、プレヒアリングは横行していた」と指摘。国際帝石の増資と前後して、日本板硝子や東電の増資でも株価の不自然な動きがあった。

 これらの問題を巡り、22日の参院財政金融委員会では「日本市場の慣行と思われないよう、しっかり対応すべきだ」(大久保勉参院議員)との声が上がった。金融庁の細溝清史監督局長は「証券会社の情報管理体制に問題が認められれば適切に対処する」と説明。金融庁は野村の情報管理体制に問題がないか、聞き取り調査に着手、問題があれば業務改善命令などの行政処分に踏み切る可能性がある。

 ◇日証協の法人情報管理の主な規則◇

・社内に情報管理部門を設ける

・法人担当部門を他部門から物理的に隔離

・法人関係書類は他部門から隔離して管理

・法人情報が入った電子ファイルは容易に 閲覧できない方法をとる

・法人情報管理が適切か定期的に検査する

金融庁、業者登録を取り消し アイティーエム証券も業務停止 03/23/12(産経新聞)

 自見庄三郎金融担当相は23日午前の閣議後の記者会見で、年金消失問題を起こしたAIJ投資顧問について、証券取引等監視委員会の行政処分勧告を受け、業者登録を取り消したと発表した。

 あわせて自見金融相は、AIJ投資顧問が実質支配する「アイティーエム証券」に6カ月間の業務停止命令を出したことも発表した。

 AIJの業者登録取り消しについては、証券取引等監視委員会が前日、金融庁に対してAIJを行政処分するよう勧告していた。監視委と金融庁は午前中にも、処分などの詳細を公表する。AIJが預かった年金資産をなくした過程や方法などを説明する。

財産は保護、ご安心を…AIJが顧客に回答書 03/22/12(読売新聞)

 「AIJ投資顧問」(東京都中央区)の年金消失問題で、同社が年金資産の運用で損失を急拡大させていたとされる昨年、浅川和彦社長名の文書を顧客に送り、「投資家の財産は分別管理で保護されているので、ご安心ください」などと説明していたことが分かった。

 文書は昨年2月15日付。同社に資産の4割近い約40億円を委ねていた栃木県石油業厚生年金基金(宇都宮市)が、資産の運用状況などを問い合わせたのに対する回答書で、基金など投資家の財産は信託銀行の管理で保護されていることを強調していた。

 しかし、関係者によると、同社では運用損が常態化しており、特に2008年のリーマン・ショック後の3年間で計約1000億円を失ったとされる。同基金の常務理事は「だまされた思いだ」と声を落とした。

学歴だけの無能なキャリア達は省庁は違えど存在するわけだ!学歴だけじゃだめだと実感できたケースだ。

監視委と金融庁によるチェックは甘いと言うことだ。 権限や権力だけは持っているが、原子力安全保安院のようにざるのような検査を行う張りぼてなのだろう。

AIJ年金消失:放置された四つの不審点 03/19/12(毎日新聞)

 AIJ投資顧問による年金消失問題で、問題発覚前に金融当局へAIJを疑問視する情報提供をしていた複数の金融関係者が毎日新聞の取材に応じ「当時なぜ検査に入らないか疑問に思った」と、金融当局の対応の遅さに批判をにじませた。金融庁や証券取引等監視委員会へは05年以降、格付け会社からや、他に計4件の情報提供があった一方、AIJの検査に至ったのは今年1月。情報提供した金融関係者らの話を総合すると、AIJの運用では主に四つの不審点が指摘されていた。【町田徳丈、松田真】

◇取引高57兆円

 金融関係者らが疑問を抱いたのは、受託資産の規模に対する取引高の多さだ。

 AIJの事業報告書などによると、約2000億円の年金資産を運用する一方、金融派生商品などの取引高は延べ57兆円(2010年)。金融関係者の一人は「今日買って今日売る『日計り』を繰り返しても、2000億円なら月に市場が開いている20日間で12カ月運用して48兆円」。AIJはデイトレーダー並みに頻々に取引していた計算となる。別の金融関係者は「年金のようにリスクコントロールが求められる運用としては問題がある」と指摘する。

◇管理会社は「身内」

 資産を運用する場合は受託した投資顧問会社とは別に、資産の「管理会社」が運用利回りなどを算出し、信託銀行などを介して投資家へ報告する。仮に運用に失敗した場合、もし管理会社が投資顧問会社と結託してうそをつけば投資家は見破れない。このため「管理会社は投資顧問会社から独立していることが大前提」(金融関係者)とされるが、今回のケースでは管理会社の役員をAIJの浅川和彦社長が兼ねていた。

 この管理会社は英領バージン諸島に設立された「エイム・インベストメント・アドバイザーズ」。金融関係者は「こういう仕組みを持っているのは日本にはない。身内だけで固められたら、いくらでも損失を隠し通せてしまう」と顔をしかめる。

◇ありえない報酬

 運用資産2000億円に対し、運用受託報酬が7900万円(10年)と少ないことも金融関係者は疑問視する。

 「報酬は、非常に堅い『パッシブ運用』でも0・3%くらいで、AIJのように積極的な『アクティブ運用』なら0・7%は取る。そうすると14億円。うまく回っているなら成功報酬もあるからもっと多い。これ(が疑問なこと)を金融庁はなぜ見ないのだろう」

 AIJの販売資料に記載された運用手数料(報酬)は1・5%。ただし報酬については「AIJの外(の関連会社)で落ちる仕組みでは」(別の金融関係者)との指摘もある。

◇現金保管場所不明

 AIJ側は、現金を担保にした「証拠金取引」を巡り、現金を保管している金融機関について金融関係者から質問され「言えません」と答えたという。

 この金融関係者は「グループの中で(不透明な)融資をしていないかとか、資金が横流しされていないかという可能性も考えて聞いたが明確にされず、AIJは危険な企業と判断した。ただし証拠があったわけではなく、金融庁に動いてほしかった」と話している。

AIJ社長が運用成績改ざん 関連会社使いうその説明 03/18/12(朝日新聞)

 AIJ投資顧問(東京都中央区)が運用を任された年金資産約2千億円の9割を消失させたとされる問題で、同社の運用資産を評価する「管理会社」が実質的に一体の会社で、AIJの浅川和彦社長が「自ら資産評価を改ざんしていた」と証券取引等監視委員会の検査に認めていることが分かった。この管理会社による「運用益が出ている」とのうその評価をもとに、顧客や信託銀行に説明していたとみられる。

 監視委は、早ければ現在行っている検査が終わる23日にも、関係資料を保全するため、金融商品取引法違反容疑で強制調査に乗り出す方針だ。AIJが運用する投資信託について「高利回りで運用できている」などとあざむき、年金基金に投資一任契約を結ばせていたなどの疑いで刑事告発を目指すほか、捜査当局と連携して詐欺容疑も視野に入れて解明を進める。

 朝日新聞が入手した資料や関係者の話によると、このグループ会社は「エイム・インベストメント・アドバイザーズ」。英領バージン諸島に設立されているが、浅川社長らAIJの役員が、エイム社の役員も兼務していた。

自己責任だろ!第一に旧社保庁OBでAIJ投資顧問の勧誘に関与した人間達の資産を没収しろ!それが出来ないなら簡単に全額厚生年金の保険料や税金を 使うな!旧社保庁や厚労省の責任でもあるのだから共済年金から財源を確保しろ!それが嫌だったら無関係のサラリーマンらだって嫌と思うのは当然だろ! これだけの混乱を招いて、有罪になっても刑が軽いのも問題だ。原因究明が終わる前に刑を重くしろ!

AIJ損失:「厚生年金保険料で補填」政府・民主検討 03/17/12(毎日新聞)

 AIJ投資顧問の年金消失問題を受け、政府・民主党は16日、厚生年金基金の公的年金部分の積み立て不足について、厚生年金加入者全体の保険料で補填(ほてん)する検討に入った。同社に委託している同基金は一つを除き、中小の同業者らでつくる「総合型」。加入企業の連鎖倒産が懸念され、救済措置が必要と判断した。前提として基金側の自助努力を求めるほか、救済対象範囲を慎重に検討する意向だが、当該基金とは無関係のサラリーマンらの反発は必至で、導入が難航することも予想される。

 厚年基金は国が運営する厚生年金の一部も国に代わって運用、給付している。加入者は厚生年金保険料の一部も厚年基金に納める。基金はその保険料も含めて運用する仕組みで、好景気のころは国より高い年金を支払うことができた。それが株価低迷、超低金利時代を迎え、厚生年金の給付に必要な資金さえ確保できない「代行割れ」の基金が続出。そこで大企業などは代行部分を国に返し、別の制度に移行を終えた。

 ただ、それには国から借りていた厚生年金の資金を返す必要があり、財政難の基金には困難だ。総合型基金では構成企業の1社が負担に耐えられずに倒産すると、残る加入社が分担して責任を負わねばならず、連鎖倒産につながりかねない。慎重論もあるが、政府・民主党内では「先送りはよくない」(民主党政務三役経験者)との声が大勢。「保険料で運営している厚生年金の問題に税を投入すべきではない」(厚生労働省幹部)として、財源は全額厚生年金の保険料とする意向だ。

 厚労省によると、10年度末時点で全厚年基金595基金中、213基金は代行割れし、不足額は総額6000億円超。同省は16日の参院予算委員会で、AIJに委託していた資金がすべて消失した場合、委託していた総合型基金(73基金)のうち、51基金が代行割れとなること、不足額は2134億円に上り、穴埋めには加入者1人当たり64万円が必要、とのデータを説明した。【鈴木直、石川隆宣】

 【ことば】厚生年金の代行

 民間サラリーマンの公的年金制度は定額の基礎年金の上に、支払った保険料によって給付額の決まる厚生年金が乗った「2階建て」になっている。さらに給付を増やすため上乗せされる「3階建て」部分が厚生年金基金などの企業年金。厚年基金は国が運営する2階部分の厚生年金保険料の一部を国に代わって徴収し、運用・給付を行わなければならない。これを「代行」と呼び、運用環境の良い時代は給付を増やせるメリットがあったが、景気低迷で積み立て不足の生じる「代行割れ」が厚年基金の足かせとなっている。

AIJ問題:社長、停止命令直前まで勧誘 03/15/12(毎日新聞)

 投資顧問会社「AIJ投資顧問」(東京都中央区)の年金消失問題で、同社の浅川和彦社長が2月24日に業務停止命令を受ける直前、顧客の厚生年金基金側に委託額の増額を持ちかけていたことが分かった。当時、証券取引等監視委員会による検査から1カ月近くたち、AIJは投資者保護のため必要な場合に受ける「報告徴求命令」を関東財務局から出されていた。監督官庁に不正がばれ、事実上の「最後通告」を突きつけられながら、顧客への勧誘を続けていた実態が判明した。【松田真、町田徳丈、松本惇】

 関係者によると、浅川社長は2月22日ごろ、関東地方の厚生年金基金の代議員会が開いた懇親会に出席。この基金は事業所数200超、加入者数1万2000人以上を抱え、約235億円の純資産を持ち、年金資産総額の約5%をAIJに委託していた。

 この懇親会の席上、浅川社長は基金幹部らに「良い利回りでお返ししていますので、もっと(委託額を)増額してください」と勧誘していたという。

 AIJには1月23日から証券監視委が検査に入り、全国の厚生年金基金などから委託された約2000億円の資産の大半が消失していることが判明。連絡を受けた関東財務局は2月17日、金融商品取引法に基づく行政処分の一種である「報告徴求命令」をAIJに出した。

 報告徴求命令は「公益または投資者保護のため必要かつ適当と認められる時」に、財務状況や運用方法などの報告や資料の提出を求める。報告期限は2月23日と設定され、浅川社長の勧誘はその直前でもあった。

 AIJは期限日の23日、「顧客資産の運用について、証券監視委の検査を通じて疑義が生じている。現時点で毀損(きそん)額・毀損原因は精査中であるものの、投資家に現在の運用状況を説明できない」と関東財務局に報告。翌24日、金融庁はAIJに対し3月23日まで1カ月間の業務停止命令と業務改善命令を出した。

 AIJは新たに受託した資産を以前に委託された基金への払い戻しや配当に充てるなど自転車操業の状態だったとされる。金融庁は業務停止の期限である今月23日までにAIJの登録抹消手続きに入り、証券監視委は登録抹消直後に強制調査に乗り出す方針を固めている。

年金消失:AIJ委託、「安定運用」信じ リーマン後増加--24基金聞き取り 03/15/12(東京朝刊 毎日新聞)

 投資顧問会社「AIJ投資顧問」(東京都中央区)の年金消失問題で、同社に運用を委託した企業年金のうち24基金が毎日新聞の取材に応じ、このうち9基金は「安定性」を重視して同社を選択していた。「リスク分散の投資」を理由に挙げたのも8基金(うち1基金は「安定性」と重複)あり、3分の2は慎重に運用する意向だったにもかかわらず、危険な委託をさせられていたことになる。基金側の話からはAIJ側の巧みなセールストークの実態が浮かんだ。【町田徳丈、松本惇】

 AIJには10年度末時点で84基金が運用を委託。14日までに運送、建設、管工事業など中小の同業者でつくる「総合型」の厚生年金基金17基金と、企業単独型の7基金が取材に応じた。「安定性」「リスク分散」以外の委託理由は「利回りが魅力的」など利益重視が3基金、委託時の担当者が退職するなどして「不明」との回答が5基金。委託開始時期(20基金が回答)は05年の6基金が最多だったが、リーマン・ショックがあった08年以降も8基金に上る。判明分の委託残高は2億~約93億円と幅があった。

 中部地方の総合型基金はリーマン・ショック後、運用損を抱え込んだ。資金繰りが窮迫し、年金給付額を引き下げるか、掛け金を上げるかの選択を迫られた。同業者の別の基金でも同様の運用損が続出し、主な委託先だった信託銀行から運用先を見直す「信託離れ」が起きた。そんな時、AIJに興味を持った。

 「業界紙や専門誌を見ても安定性が際立って見えた。リーマン・ショックで株価は30%減。20%上がることも下がることもいくらでもある。(AIJの)利回りが高いと思わなかった。『こつこつ7~8%上げていきます』という説明に違和感はなかった」と担当者は振り返る。毎日新聞が入手したAIJの当時の販売資料は「相場に左右されない絶対収益獲得」「毎月安定した収益の積み上げ」などを目指すとうたっていた。

 別の中部地方の基金も「ある年は20%稼いだけれど次の年は40%損するとか、そういうのはある。運用担当者としては困る。AIJの売り込みは『安定しているから基金の運用にはぴったり』と言うんですよ」と証言。同様のセールストークで当初5億円だった委託額を35億円まで積み増した基金もあった。

 「安定性」はリスク分散にもつながる。徳島県トラック厚生年金基金は「株式市場が厳しい中、リスクを分散させるため」と08年5月に2億円で委託を始め、その後3・5億円まで増やした。東海地方の基金は「信託銀行や(機関投資家でもある)生命保険会社への委託だと利回りが景気に大きく左右される。株価の上下動や景気に左右されない委託を考えていた」と、AIJのうたい文句にはまっていた。

「AIJ投資顧問が多額の年金資産を消失させた問題で、浅川和彦社長らが、証券取引等監視委員会の検査で問題を指摘されなかった事実をアピールし、 顧客の年金基金に虚偽の運用実績を信用させていたことが14日、複数の基金側の話で分かった。」

浅川和彦社長らが確信犯で、詐欺の能力があったことを示していると思う。A=BだからB=Aが成り立たないこともあるが、現状を知らない人達だと だませるだろう。船級の検査官が検査してコメントしなかったからとか、 PSC (外国船舶監督官)が検査して不備を指摘しなかったから問題ないと言う船長がいる。 自分の知識や能力に自信がなければ引き下がるだろう。しかし指摘されなかったから規則を満足しているとか限らないのである。

船級の検査官が不適切な検査で合格させるつもりの場合、問題など指摘されない。依頼者も それを承知の上でどの船級を選ぶことがある。しかし、PSC (外国船舶監督官) の検査があるから、不備が発覚すると思っている人は間違いである。結構、不備を指摘される確立は低い。だから上記のような事を言う船長には PSC (外国船舶監督官)の能力は知っているので信用しない。 PSC (外国船舶監督官)の不備なしのレポートなど紙切れだと言っている。 知らない人はここで書いていることは信じられないだろう。事実だから仕方がない。事実だからサブスタンダード船 が存在するし、なかなか減らないのだ!

AIJめぐる通報があった。指導する立場の人達でなくとも疑いを持って、そして通報した人達がいた。つまり、金融庁や監視委職員の誰一人、 疑問に感じたり、知り合いとの情報交換で問題のうわさを聞いていないのであれば、金融庁や監視委の監視及び監督能力は低いと言ってよいだろう。

監視委検査「問題指摘なし」=「お墨付き」顧客にアピール-AIJ 03/14/12(時事ドットコム)

 AIJ投資顧問が多額の年金資産を消失させた問題で、浅川和彦社長らが、証券取引等監視委員会の検査で問題を指摘されなかった事実をアピールし、顧客の年金基金に虚偽の運用実績を信用させていたことが14日、複数の基金側の話で分かった。

 監視委による「お墨付き」をうたい文句に営業活動をしていたとみられ、監督当局の検査の在り方が改めて問われそうだ。

 監視委は2006年と09年、AIJの営業を担当する関係会社の「アイティーエム証券」に対し定期の検査に入ったが、法律違反の是正を求める勧告はしていなかった。

 セミナーを通じてAIJを知り、5億円を預けた神奈川県の基金によると、好調な運用実績を疑問視する顧客に対し、AIJ側は「検査が入ったが、何もおかしいことはなかった」と訴えて信用させていたという。基金の幹部は「金融庁や監視委にも責任はある」と批判する。

AIJが支配の証券会社株式、後藤前衆院議員が保有 03/14/12(信濃毎日新聞)

 自民党県第四選挙区支部長の後藤茂之・前衆院議員が、巨額の年金資産を消失させたことが問題化しているAIJ投資顧問(東京)が実質支配するアイティーエム証券(同)の株式を保有していることが13日、分かった。同社が政治資金パーティー券を2度にわたり計80万円購入していた他、西村秀昭社長から50万円の寄付があったことも後藤氏が代表を務める政治団体の収支報告書で明らかになった。

 取材に対し、後藤氏の事務所(諏訪市)は「本人と連絡が取れず詳細は分からない」とした。

 アイティーエム証券によると、後藤氏は現在200株(額面総額1千万円)を保有しており、第9位の株主。AIJ問題発覚後、同社は主な資料を証券取引等監視委員会に提出していることなどから、詳細は不明という。後藤氏が株を保有した経緯について、同社企画部は「(西村)社長と個人的に知り合いだったからではないか」とした。ただ、「AIJの浅川和彦社長とはつながりはないのではないか」と推測した。

 後藤氏が2000年6月の初当選後の同年9月の資産報告書によると、同氏はアイティーエム証券株を200株保有。その後04年、05年、06年の資産公開でも同様に200株を保有している。

 また、同氏の政治団体「藤信会」の収支報告書によると、00年6月に西村社長が50万円を献金したほか、01年と02年に同社がそれぞれ40万円のパーティー券を購入している。

 後藤氏は東京都出身で東大卒。旧大蔵省(現財務省)を経て、2000年の衆院選で民主党から長野4区に出馬し初当選。1期目途中に自民党に移った後、2回当選し、国土交通政務官、党の行革推進本部事務局長などを務めたが、09年の衆院選で落選した。次期衆院選に立候補する見通し。

AIJ関連会社がパー券 計80万円、長野の前議員 03/13/12(中国新聞)

 AIJ投資顧問(東京)が実質的に支配するアイティーエム証券が、後藤茂之ごとう・しげゆき前衆院議員(56)(自民)の政治資金パーティーの券を、2度にわたり、計80万円分購入していたことが13日、分かった。

 同証券の代表取締役個人から50万円の寄付も受け取っていたほか、後藤前議員は同証券の株式200株、額面で計1千万円分を保有していた。

 13日までの共同通信の取材に、長野県諏訪市の事務所は「事実のようだが、額や日時など詳細は分からない」としている。後藤前議員本人からの回答はなかった。

 後藤前議員の資金管理団体「藤信会」の政治資金収支報告書などによると、2001年と02年にパーティーの代金としてそれぞれ40万円を受け取っていたほか、00年に同証券の代表取締役から50万円の寄付を受け取っていた。

 アイティーエム証券は、AIJの巨額年金資産消失問題では、AIJの指示のもとで、企業年金の資産約2千億円のほぼすべてを英領ケイマン諸島の特定ファンドに投資。05年には測量機器大手ソキアの株に絡む株価操縦事件で、関係先として家宅捜索を受けていた。

 後藤前議員は旧大蔵省出身で長野4区から出馬し00年に初当選。09年に落選するまで3期連続で衆院議員を務め、05年には国土交通政務官にも就任した。次期衆院選への立候補を予定している。

AIJ浅川社長は欠席 衆院財金委の参考人質疑 03/13/12(産経新聞)

 AIJ投資顧問の年金消失問題で、衆院財務金融委員会の海江田万里委員長は13日、AIJの浅川和彦社長から14日の参考人質疑を欠席すると連絡を受けたことを明らかにした。

 浅川社長から13日午前「残念ながらお受けできる状況にない」と出席を拒否するファクスが事務局に届いたという。

 欠席の理由に関しては「3月23日を期限に財産運用、管理状況に関する報告書の提出を求められ、連日、その準備、作成に忙殺されている」と説明しているという。

「こうした情報をもとに素早く検査をしていれば、被害の拡大を防げた可能性がある。対応の遅れについて自見金融相は「批判は真摯(しんし)に受け止めたい。極めて遺憾だ」とし、 『より効果的な検査のあり方という観点から幅広く検討を行っていきたい』と述べた。」

白を切れなくなったから認めて謝る。防止策に関しては何も明確に述べていない。検討とは防止策の実行するための検討なのか、 言い訳と時間稼ぎのために「検討」を使っただけなのか?多分、言い訳と時間稼ぎだと思う。

AIJめぐる通報、問題化までに4件 金融相明らかに 03/13/12(朝日新聞)

 AIJ投資顧問が多額の年金資産を消失させた問題で、自見庄三郎金融相は13日、2005年以降、証券取引等監視委員会や金融庁に対し、同社の運用実績を疑問視するなどの情報提供が4件以上あったと明らかにした。

 資料が残っている05年から今年1月の検査開始前までに、監視委の情報受付窓口にAIJをめぐる情報提供が4件あった。年金の専門誌からも、複数回にわたって、監視委と金融庁に情報が寄せられたという。ただ、海外の証券監視当局からの照会は「確認されていない」という。

 こうした情報をもとに素早く検査をしていれば、被害の拡大を防げた可能性がある。対応の遅れについて自見金融相は「批判は真摯(しんし)に受け止めたい。極めて遺憾だ」とし、「より効果的な検査のあり方という観点から幅広く検討を行っていきたい」と述べた。

「監視委の対応が遅れた背景には、限られた人員で効率的な検査を行わないといけない事情がある。  監視委の受付窓口には年間6千~7千件の情報が寄せられる。さらに、検査対象業者は、証券会社やAIJのような投資顧問会社など約8千業者に上る。」

似たような言い訳、何処かで聞いたな?サブスタンダード船を取締る国土交通省のPSC(外国船舶監督官) の言い訳だ。たくさんの船が日本の港に入港する。限られた人員も理解できる。全ての船を検査することは不可能であることも理解できる。効率的に 検査を行うのであれば、サブスタンダード船の可能性が高い船に行けばよい。 しかし問題ない思われる船を検査することも多い。TOKYO MOU の理事によると、港に入港している船舶でTOKYO MOUのデータから サブスタンダード船である可能性の高い船舶を優先的に検査するように指導していると言う。 しかし、この指導に従っているのか疑わしいと思われることがたびたびある。個人的にサブスタンダード船 だと思う船を検査して、重大な不備があるにも関わらず小さな不備だけを指摘して帰る事もあった。A=Bとは断定できないが、 監視委も同じような状態の可能性もある。監視委が本当に効率的に検査対処を絞り、検査を適切に行っていたのか疑問だ。

監視委にAIJ問題で4件の情報 検査せず放置、再発防止急ぐ 03/13/12(産経新聞)

 AIJ投資顧問による年金資産消失問題で、2005年以降、証券取引等監視委員会に対し、AIJに関する情報が4件寄せられていたにも関わらず、今年1月に検査に入らず、放置していたことが判明した。迅速に検査を行っていれば被害の拡大を防げた可能性があり、今後、情報収集や活用のあり方を見直す。

 自見庄三郎金融担当相が13日の閣議後の記者会見で、監視委の情報受付窓口に外部から4件の情報が寄せられたことを明らかにした。専門誌「年金情報」の関係者からも09年2月以降に監視委と金融庁に数回の情報提供があった。

 自見金融相は情報の内容を明らかにしなかったが、AIJの不自然な運用を指摘するものだったとみられる。すぐに検査に入らなかったことについては、「一般論として、監視委は寄せられた情報の内容、重要性、有用性に応じて必要な対応を行う」と述べるにとどめた。

 監視委の対応が遅れた背景には、限られた人員で効率的な検査を行わないといけない事情がある。

 監視委の受付窓口には年間6千~7千件の情報が寄せられる。さらに、検査対象業者は、証券会社やAIJのような投資顧問会社など約8千業者に上る。

 これに対し、検査担当職員は11年度で293人(財務局含む)しかいない。結果的に、検査は金融システムへの影響が大きい証券会社が中心になり、情報提供への対応は「明らかな証拠があった場合」(監視委関係者)などに限られるという。

 今回のAIJ問題で情報を有効に活用できなかったことを受け、自見金融相は「さまざま批判を真摯に受け止め、金融庁、監視委における情報収集・活用のあり方を含め、再発防止に取り組みたい」と述べた。検査を担当する人員の増強なども検討する方針だ。

AIJ投資顧問考察 (日本プロファイル研究所)

「監視委には年間約6千から7千件の情報提供があるといい、金融相は情報収集の見直しを表明した。」

どう情報収集を見直すのか?情報提供がある。収集ではなく、情報の絞込み、又は、情報の確認方法の改善ではないのか??????

05年度から4件の情報提供 AIJで監視委に、金融相明かす 03/13/12(日本経済新聞)

 自見庄三郎金融相は13日の閣議後記者会見で、受託した年金資産の大半が消失していたAIJ投資顧問について、証券取引等監視委員会の情報受け付け窓口に2005年度以降、4件の情報提供があったことを明らかにした。運用の疑惑を指摘していたとみられる。金融相は「情報の収集や活用、検査のあり方について幅広く検討し見直していきたい」と述べた。

 AIJ投資顧問への行政対応が遅れたのではないかという指摘を受け、金融庁が今年1月中旬の同社への検査開始までの外部からの情報提供の状況を調査した。4件の情報提供のうち、3件が匿名、1件が実名による。09年2月以降、監視委や金融庁に専門誌「年金情報」からも数回の情報提供があった。一方、海外の証券規制当局からのAIJに関する情報の照会はなかった。

 監視委には年間約6千から7千件の情報提供があるといい、金融相は情報収集の見直しを表明した。

AIJ:証券監視委が月内強制調査へ 契約偽計容疑を検討 03/13/12(毎日新聞)

 投資顧問会社「AIJ投資顧問」(東京都中央区)の年金消失問題で、金融庁は同社について23日までに登録抹消の手続きに入る方針を固めた。これを受けて証券取引等監視委員会は、登録抹消直後にAIJ本社を金融商品取引法違反容疑で強制調査することを決めた模様だ。同法の「契約の偽計」容疑の適用を検討する。強制調査は、東京地検特捜部や警視庁とは連携せずに単独で実施。刑事告発を視野に実態解明を進めるとみられる。

 関係者によると、AIJは受託した年金資産を高利回りの金融派生商品に投資したものの運用に失敗。企業年金などの大半を消失したにもかかわらず、顧客向けの運用報告書や金融庁に提出する事業報告書に虚偽の情報を記載し、収益が上がっているように見せかけた疑いがある。金融派生商品を組み込んで高利回りをうたう投資信託も、実際には含み損を抱えているのに顧客にはうそを言って買わせ、その売り上げを払い戻しなどに充てるなど損失を付け替えていた疑いがあるという。

 AIJと関連のアイティーエム証券(同)には1月23日から証券監視委が検査に入り、集めた2000億円の年金資産の大半が消失していたことが判明。金融庁はAIJについて2月24日から1カ月間、業務停止命令を出し、登録抹消の是非を検討していた。

 一方、証券監視委の検査では、その直前までAIJが資産を運用していたことも判明。損失の大半は運用損で占められているため、刑法の詐欺罪を直ちに適用することは難しい半面、金融商品取引法の「運用報告書の虚偽記載」(最高刑懲役6カ月)などはいわゆる形式犯のため、問題の大きさに比べて刑が軽いことなどを考慮。AIJなど投資一任契約を結ぶ業者に、顧客を欺いた契約を禁じる「契約の偽計」(最高刑懲役3年)容疑の適用を検討しているという。

AIJ企業年金消失:証券監視委、月内強制調査 契約偽計容疑を検討 金融庁、登録抹消へ 03/13/12(東京朝刊 毎日新聞)

 投資顧問会社「AIJ投資顧問」(東京都中央区)の年金消失問題で、金融庁は同社について23日までに登録抹消の手続きに入る方針を固めた。これを受けて証券取引等監視委員会は、登録抹消直後にAIJ本社を金融商品取引法違反容疑で強制調査することを決めた模様だ。同法の「契約の偽計」容疑の適用を検討する。強制調査は、東京地検特捜部や警視庁とは連携せずに単独で実施。刑事告発を視野に実態解明を進めるとみられる。

 関係者によると、AIJは受託した年金資産を高利回りの金融派生商品に投資したものの運用に失敗。企業年金などの大半を消失したにもかかわらず、顧客向けの運用報告書や金融庁に提出する事業報告書に虚偽の情報を記載し、収益が上がっているように見せかけた疑いがある。金融派生商品を組み込んで高利回りをうたう投資信託も、実際には含み損を抱えているのに顧客にはうそを言って買わせ、その売り上げを払い戻しなどに充てるなど損失を付け替えていた疑いがあるという。

 AIJと関連のアイティーエム証券(同)には1月23日から証券監視委が検査に入り、集めた2000億円の年金資産の大半が消失していたことが判明。金融庁はAIJについて2月24日から1カ月間、業務停止命令を出し、登録抹消の是非を検討していた。

 一方、証券監視委の検査では、その直前までAIJが資産を運用していたことも判明。損失の大半は運用損で占められているため、刑法の詐欺罪を直ちに適用することは難しい半面、金融商品取引法の「運用報告書の虚偽記載」(最高刑懲役6カ月)などはいわゆる形式犯のため、問題の大きさに比べて刑が軽いことなどを考慮。AIJなど投資一任契約を結ぶ業者に、顧客を欺いた契約を禁じる「契約の偽計」(最高刑懲役3年)容疑の適用を検討しているという。

学歴だけの無能なキャリア達は省庁は違えど存在するわけだ!海外当局の指摘を無視するだけの根拠があったのか? 東大法学部卒のキャリアと話したことがあるが、東大法学部卒であっても専門家でもなく経験もなければ屁理屈だけで使えないと思った。 この手のキャリアが省庁にはたくさんいるのであろう。間違いを指摘しても認めない。これじゃ日本語で話さず、英語で話したほうが 論理的に話せるのじゃないかと思ったぐらい。頭も良さも必要かもしれないが、専門知識や経験がないと解決できない問題はある。 学歴とプライドじゃ、解決できないことに気付かないことが既に致命的だ。間違いを指摘しても認めないから話も平行線。 学歴だけじゃだめだと実感できたケースだ。

「AIJは問題」 監視委、海外当局の指摘に対応せず 03/09/12(朝日新聞)

 AIJ投資顧問(東京都中央区)が運用を任された年金資産約2千億円の9割を消失させたとされる問題で、証券取引等監視委員会や金融庁が2008年以降、 海外の証券監視当局や年金の専門誌などから、AIJの資金…

AIJ問題、過去に情報提供の可能性 03/09/12(TBS系(JNN) )

監視委に事前の指摘=AIJ運用疑惑で-自見金融相明かす 03/13/12(時事ドットコム)  自見庄三郎金融担当相は13日の閣議後記者会見で、AIJ投資顧問が顧客に虚偽の高い運用利回りを報告していたことに関し、問題発覚前に外部から複数回、証券取引等監視委員会や金融庁に疑惑が指摘されていたことを明らかにした。

 金融相によると、2005年から今年1月のAIJ検査開始までに、監視委の情報受付窓口に同社に関する情報4件(匿名3件、実名1件)が寄せられた。また、09年2月以降、専門誌「年金情報」の関係者からも数回、情報提供があった。市場平均を常に上回る高利回り運用に対する疑問などが寄せられたが、特に本格的な調査は行わなかったもようだ。

 AIJは年金基金などから預かった資産約2000億円の大半を消失したにもかかわらず、高利回りをうたって顧客の勧誘を続けていた。当局がこうした事前情報を運用業者の監督に十分に活用できず、被害が拡大した格好だ。

 自見金融相は「(情報収集・活用の改善について)幅広く検討し、総力を挙げて再発防止に取り組む」と述べた。一部で報道された海外当局からの情報照会は、確認されなかったとしている。(

AIJ問題、過去に情報提供の可能性 03/08/12(TBS系(JNN)YouTube )

 AIJ投資顧問で巨額の年金資産が消えた問題で、過去にAIJの運用実態を疑問視するような情報が金融庁などに寄せられていた可能性があることがわかりました。

 多額の年金資産が消えたAIJでは、高い利回りを売りにしていましたが、この運用実態を疑問視する内容の情報が、海外の証券監視当局や年金の専門誌から数年前に金融庁や証券取引等監視委員会に寄せられていた可能性があることがわかりました。

 「後からきちんとご報告をさせていただきます。正確にきちんと行う必要があるわけですから」(自見庄三郎 金融相)

 自見金融担当大臣は、事実関係を調査することを明らかにしましたが、情報を寄せられた時点で素早く対応していれば、被害の拡大を防げた可能性もあり、監督責任を指摘する声も上がりそうです。

AIJ問題で監視委が香港当局と連携、海外での資金の流れを調査=関係筋 03/09/12(Reuters)

 [東京 9日 ロイター] AIJ投資顧問が受託した年金資産を毀損(きそん)した問題をめぐり、証券取引等監視委員会は、香港の調査当局との連携を進め検査の詰めを急ぐ。問題の全容解明のカギを握るのは、海外での資金の流れとみているためだ。

 関係筋によると、監視委はAIJへの検査と並行して香港当局との情報交換を通じ、AIJの資産動向の把握を進めている。AIJが運用資産を毀損(きそん)した原因を探るためで、AIJ側から得られる情報が十分でないと判断すれば、現地当局と連携した調査を本格化する。

 香港の金融機関は「ケイマン籍の私募ファンドの資産管理を任されるケースが珍しくない」(運用会社関係者)とされる。監視委は現時点では、AIJの問題で香港の金融機関が不正を働いていたとは見ていないが、AIJ関連の資金の出入り実態が把握できれば「資産の毀損原因が運用の失敗なのか資金の流出なのかや、虚偽の運用実績をどの時点で誰が作り上げたのかなど、全容解明の糸口になる」(関係筋)と見ているもようで、情報収集を急ぐ。

 監視委および香港証券先物委員会はコメントを控えている。

 複数の関係筋によると、年金基金などが拠出した資金は、AIJの指示で信託銀行を通じ、AIJとつながりが深いとされる「アイティーエム証券(ITM)」に流れた。ITMは、英領ケイマン諸島に設定された「AIMファンド」を、HSBC(HSBA.L: 株価, 企業情報, レポート)グループの金融機関を通じて購入。資産管理はこの金融機関が行っていた。このファンドの運営には、AIJとつながりが深いとされる「エイム(AIM)・インベストメント・アドバイザーズ」が当たっていたという。

 これについて、HSBC(HSBA.L: 株価, 企業情報, レポート)の広報担当者はノーコメント、としている。

 日本証券投資顧問業協会によると、2011年9月末時点でAIJの契約資産の残高は2177億円だった。しかし、関係者によると、実際の資産は240億円程度しかなく、うち現預金は40億円程度と、大半が毀損していた。それでも高い運用実績をうたって厚生年金基金などから資金を募っていた。 金融庁:AIJ問題で香港の金融機関を調査、実態解明-処分延長も(2)  03/08/12(Bloomberg)

  3月8日(ブルームバーグ):金融庁はAIJ投資顧問が顧客企業の運用資産を消失させた問題で、実際に資金がなくなった過程やメカニズム、その資金の行方など具体的な運用実態を把握するため、香港当局との連携による現地金融機関の調査に乗り出した。解明に時間がかかる場合は3月23日までの業務停止命令処分の延長も検討する。

事情に詳しい複数の関係者はブルームバーグ・ニュースの取材に、現地のAIJ関係者を調査するため、香港当局と協力すると述べた。AIJは英領ケイマン籍のファンドなどを通じてリスクの高い株式オプションなどで顧客資産を運用。AIJから指図を受けた証券会社が売買を執行、取引記録や資金管理は海外の銀行などが担当している。

AIJ問題をめぐっては、政府や民主党などに再発防止策を検討する動きも見られる。しかし、資産消失の過程やメカニズムが解明できなければ、効果ある防止策を講じることはできない。証券取引等監視委員会では運用の失敗が主因なのか、それとも別の形での資金流出があったのかも含め、さまざまな観点から調査を進める方針だ。

AIJが2011年3月28日に提出した事業報告書によると、10年12月末の投資一任契約による運用資産総額は3902億円。内訳は国内が1821億円、海外で2070億円だった。関係者によれば、AIJの現在の保有資産は約240億円で、うち現預金は約40億円だという。2年余りで運用資産の大半が消滅したことになる。

ミレニアムファンド

ブルームバーグ・ニュースが入手したAIJの年金基金向け資料によれば、AIJが運用する「ミレニアムファンド」はケイマン諸島に登記され、海外金融機関を管理銀行としている。法律顧問は香港や日本の弁護士事務所。香港証券先物取引委員会のジョナサン・リー氏(報道担当)は日本の金融庁との調査協力についてコメントを控えた。

ニッセイ基礎研究所年金研究部長の徳島勝幸氏は、AIJ問題に関連して「海外のファンドを通じた資金の流れを解明するのは容易ではなく、時間がかかる」とみている。今後、規制当局が海外での運用実態を明らかにしていくためには「ファンド運用などに詳しい専門家を検査部門に置く必要がある」などと指摘した。

金融庁は、顧客資産を消失させた可能性があるとして2月24日に急きょAIJに解約を含む全業務の停止処分を出した。停止期限は3月23日までの1カ月間だが、複数の関係者によれば、実態解明のための調査の進展を見極めながら、さらに1カ月間以上延長する可能性もあるとしている。証取監視委は1月23日からAIJの検査に入っている。

これとは別に、金融庁は2月29日から投資一任業者265社への一斉調査に着手した。AIJと同様の問題が発生していないかを洗い出すとともに再発防止に役立てるのが目的。自見庄三郎金融担当相は「あらゆる選択肢を排除せず対応する」と規制強化も辞さない構えだ。民主党内でも再発防止策の検討チームなどが活動を始めている。

質問なるほドリ:AIJ委託の年金、もらえないの?=回答・山田夢留 03/08/12(毎日新聞)

<NEWS NAVIGATOR>

 ◇企業上乗せ分、保証なし 損失出ると減額や穴埋め必要

 なるほドリ AIJ投資顧問が運用していた年金の資金が消えたそうだね。委託していた人は年金がもらえなくなるの?

 記者 まったくもらえなくなるわけではありません。年金はよく「3階建て」と言われますが、1階は「国民年金」です。すべての国民が対象で基礎年金とも言います。約6800万人が入っています。2階が、会社員の入る厚生年金と公務員の入る共済年金で、計約3900万人が加入しています。そこに3階部分の企業年金が上乗せされます。1、2階部分の年金は、国が運営する公的年金なので、給付は保証されます。でも企業年金は一部の会社だけしか運営していない私的な年金です。損を出して年金を払うためのお金である積立金が足りなくなった場合、年金額を減らすか、足りない分を会社や従業員が穴埋めする必要があります。

 Q AIJには多くの「厚生年金基金」が運用を委託していたね。厚生年金と関係あるの?

 A 厚年基金は企業年金の一種で、約450万人が入っています。厚生年金の資金の一部を一緒に運用する「代行」をしているのが特徴です。代行なしの企業年金には、年金額を約束している「確定給付型」や、運用実績に応じて年金額を変える「確定拠出型」などがあります。

 Q なぜ代行するの?

 A 株価が右肩上がりで金利も高ければ、資金を大きくするほど、運用益をより多く出せるからです。ピーク時の97年度末には加入者は1225万人(基金数約1800)に達しました。ほとんどの基金が年5・5%での運用を約束しているのも恵まれていた時代の名残です。でも、株価が低迷し、金利も極めて低い状況では、約束の利回りを達成できず、損を膨らませ続けてしまいます。そのため、大企業は00年代前半から、相次いで代行返上や基金の解散に踏み切りました。基金は現在、約600に減り、そのうち8割以上は、同一業種の中小企業が集まって作る「総合型」です。

 Q 総合型は解散しないの?

 A そのためには、代行部分のお金を国に戻さなくてはなりません。445基金は積立金が足りず、うち213基金は代行部分を返す資金もありません。

 Q 苦しい基金がAIJへ委託し一発逆転を狙ったのか。

 A それがかえって傷口を広げました。委託先がしっかりしているかを点検する仕組み作りや、損失を広げ続けている基金に対する抜本的な立て直し策を考える必要があります。(政治部)

AIJ投資顧問を積極的に勧誘した旧社会保険庁(現日本年金機構)の人間達に損害賠償を請求すべき。損害賠償額が少ないかもしれないし、 裁判で勝てないかもしれないが、とにかく取れるなら全て取るべきだろ!

国の代行運用積立金、31年金基金で不足 AIJ問題 03/07/12(朝日新聞 )

 AIJ投資顧問が巨額の企業年金の資産を消失させた問題で、厚生労働省は7日、AIJに運用を委託していた74の厚生年金基金のうち31基金で、公的年金の一部を国に代わって運用する「代行部分」の積立金が不足していることを明らかにした。仮にAIJに預けた全資産が戻ってこないとすると、さらに21基金が代行部分の積み立て不足に陥るという。

 7日に民主党の検討チームが開いた初会合で報告した。AIJに運用を委託していた企業年金は厚労省の把握分で84あり、このうち74が公的年金の一部を国に代わって運用・支給している厚生年金基金。その4割に当たる31基金は2011年3月末時点で、代行部分が積み立て不足という。

 不足分は、今後の資産運用で回復できなければ、基金の母体企業が穴埋めしなければならないが、複数の中小企業でつくる「総合型」の場合は経営体力が乏しいケースも少なくないとみられる。代行部分に穴があくと、公的年金の支給に影響が出るため、民主党の検討チームでは、こうした基金への対応も議論される見通しだ。

張り切る金融庁をよそに、やる気のない厚労省の怠慢。AIJ事件が暴いた「企業年金の危ない実情」 山崎 元 02/29/12(現代ビジネス )

 年金資産を運用するAIJ投資顧問が、顧客から預かった運用資産約2千億円の約9割を失っていたことが明るみに出た。資金の行き先(本当に運用の損だけなのか? )や、損失の経緯などまだ分からない点があるが、虚偽の運用報告(金融商品取引法違反)があったことは確かなようだ。

 そもそも不自然なまでに安定的に高利回りが実現していることと、運用と資産保全の実態がよく分からないことから、はじめからAIJ投資顧問を避けていた年金関係者も少なくないようだ。

 ある年金運用関係者の話によると、確定給付型企業年金(厚生年金の代行部分を持たない確定給付年金の仕組み。大企業の年金が多い)の運用担当者は「AIJは怪しい」として多くが同社を相手にしない方針を採った一方で、主に総合型(多くは中小企業が業種や地域別に集まって設立)の厚生年金基金が数十基金AIJ投資顧問のセールスに引っ掛かった。同社は、地方の有力基金をまず落とし、そこからの紹介で顧客を増やしたと聞く。

 厚労省の発表によると、運用資産の半分前後をAIJ投資顧問に委託していた基金が3基金ある。こうした基金では存続が危うくなる可能性があるし、この損失を補填するために、加入企業が倒産する可能性もある。

 さて、今回の「AIJ事件」(これは、事件と呼んでいいだろう)の本質は、半分は運用業者であるAIJ投資顧問の不正だが、もう半分は、年金加入者のお金を預かるプロであるはずの年金基金がAIJの不正とそもそもの運用のおかしさを見抜けずに年金資産を大きく毀損してしまった杜撰な年金運営の問題だ。

 さて、運用業者の問題と年金基金の問題があるとなれば、監督官庁は金融庁と厚生労働省になるが、事件発覚からの両官庁の動きは対照的だ。

 24日に事件が大きく報じられた時、筆者は、テレビ画面に出てくるのは問題の重要性から見て小宮山洋子厚生労働大臣かと思っていたら、出てきたのは自見庄三郎金融担当大臣の方だった。

 金融庁は、AIJ投資顧問に1ヶ月の業務停止命令を出して実態を調査する方針を示す一方で、他の投資顧問業者についてもこうした事例がないか全社に対して調査する意向を表明した。その後、運用に関する虚偽報告の実態が明らかになるにつれて、AIJ投資顧問に対する処分方針は、投資顧問業者としての登録抹消へと変化した。加えて、投資顧問会社に加えて、運用資産を預かる信託銀行に対しても大手信託に対しては早速24日にヒアリングを開始した。信託銀行に対しては、今後、AIJとの取引実態のヒアリングだけでなく、他の運用会社の資産が適切に管理されているかを点検する方針が報じられている。

 もちろん、重大な事件なので実態の解明を急ぐことや、再発防止の対策を講じることはいいことなのだが、ずいぶんな張り切りぶりだ。

 一方、今回の件に関して腰が重いのはもう一方の重要当事者である年金基金を監督する厚生労働省だ。

 28日になってAIJ投資顧問に対する年金基金の運用委託状況を一覧表で(基金名を伏せて)公表したものの、基金の運用状況の現状調査の方針も再発防止策も発表されていない。28日に小宮山大臣が、「有識者による検討会議を設置したうえで、金融庁や証券取引等監視委員会の調査の状況も見ながら、夏ごろまでにガイドラインの見直しの方向性について結論を出す」考えを示したにとどまる。

 筆者は官庁に勤務経験が無いが、「有識者による検討会議」という仕掛け、夏「ごろ」という期限、「見直しの方向性」という曖昧なアウトプットの設定を見て、社会人としての常識を働かせるなら、厚生労働省に「やる気」が全くないことが伝わってくる。

 確かに、年金基金の運用ガイドラインには問題があるだろう。運用に関して十分な知識や経験のあるスタッフを持たずに、内容も理解せずに「オルタナティブ投資」を謳う運用商品に多額の資金を投入する年金基金が多数ある。

 もともと企業年金の資産は、年金の加入者から預かったものであり、また税制上の恩典を与えられた公的な性格を帯びた資金でもあるから、理解と管理が行き届く範囲で保守的に運用される必要がある。現在、身の丈に合わない運用をしている基金が多数あるし、こうした基金が運用業者のセールスに晒されている。

 また、今回のAIJ事件の背景には、特に総合型の厚生年金基金の「行き詰まり」があると見るべきだろう。AIJの顧客の大半は、総合型と呼ばれる厚生年金基金だった。「総合型」とは、同じ地域や業種の主に中小企業が多数寄り集まって設立した厚生年金基金を指す。

 この種の基金の多くが、大きな積立不足を抱えて、掛け金を引き上げて財政を健全化することもできず(加入企業の負担が増えるので合意が難しい)、さりとて解散することも出来ず(損を埋めなければ解散できないので、これも合意が難しい)、高すぎる運用目標(運用の予定利率として5.5%を使う基金がまだ多数ある)を掲げたまま、運用だけに回復の希望を託して、ハイリスクな運用に「賭ける」状況に陥っているのだが、厚労省はこれを放置している。本当は、早く試合をストップしてやらなければならないふらふらの素人ボクサーに、いつまでも試合を続けさせるような危ない状態だ。

 はっきりいって、財政状態が健全なら、あるいは無理な運用目標がなければ、今回引っ掛かった基金の多くは、AIJ投資顧問に運用を委託したりしなかっただろう。彼らには、貧したからこそ、鈍した側面があった。

 そもそも保険である年金を細かな単位で「基金」にして多数設立したことの非効率(天下りポストは増えたが)、運用会社でもない事業会社に巨大な運用リスクを持たせる制度を作ったことの不合理、高すぎる運用予定利率の設定を放置したこと(無理な運用の原因になった)、基金に素人運用を認めてきたこと、積立不足が発生してもいつまでも運用リスクを取らせていたこと、など、厚労省の企業年金行政は複合的な失敗を重ねてきた。

 こうした失敗が集中的に表れていて、当事者にそこから回復する力が乏しいのが、多くの総合型厚生年金基金の現況なのだが、今回の事件はこの問題を表面化させた。

 年金基金側の問題を「運用ガイドライン」の問題に矮小化させるべきではない。総合型厚生年金基金の行き詰まりを中心とする、厚労省の企業年金行政の失敗を整理することと、具体的な問題解決の施策が必要だ。財政が悪化した基金の解散(税金の投入も必要かも知れない)、残る基金に対しては無理のない運営方針の指導、加えて、加入企業のフェアな条件での離脱を容易にすること、など、早急に取り組むべき問題が複数ある。

 さて、今回のような問題の再発を防ぐためにはどうしたらいいだろうか。

 運用機関を徹底的に管理して、虚偽報告のような不正行為や不適切なセールス出来ないようにするというのも一つの考え方だが、これは事実上不可能だし、そのための努力はコストがあまりに大きいように思える。「徹底的な管理」は、大多数の真面目に運用している運用会社の不自由と手間とコストを増やし、運用ビジネスの発展を阻害する可能性があるのではないだろうか。運用ビジネスに対する参入障壁も一層高まる。

 リテール向けの運用ビジネスであれば、運用商品・サービスに対する供給サイドでの厳しい規制が必要な場合もあるが、プロ同士の運用ビジネスであれば(総合型基金相手のビジネスは、とてもプロ同士のビジネスとはみなせないが)、運用を任せる側も真剣に相手を選ぶはずだから、ビジネスのやり方にはある程度の自由度を残していいのではなかろうか。

 AIJ事件、発生後の金融庁の張り切りぶりを見ると、もちろんいい面もあるのだが、これが運用業界の「コンプライアンス・コスト」を過大なものにしてしまうのではないか、との懸念が少々頭をもたげる。

 一方、それ以上に大問題なのは、今回の問題の背景でもあり、それ自体が大問題でもある企業年金の惨状に対して、厚労省の動きがあまりに鈍いことだ。

 運用ガイドラインの問題にしても、厚労省自体にこれを検討するに十分な見識があれば、修正案が「直ちに」厚労省から出てきていいはずだ。これが出来ないこと自体が、年金運用に対する厚労省の能力不足を端的に示しているのではなかろうか。有識者の検討会議などと寝ぼけたことをいっている場合ではない。

 それにしても、今回の事件発生で、自分の年金は将来大丈夫なのかと心配なサラリーマンが多いのではないか。たぶん、その心配は正しい。もっぱら公的年金の問題ばかりが話題になる昨今だが、公的年金よりも一足先に企業年金に(特に厚生年金基金に)危機が迫っている現実に、早急に対処する必要がある。AIJ事件は、この問題に光を当てた点にこそ意味がある。

以上

自己責任だし、仕方がない。泣く人達がいるから、本気で取り組む人達が結果として増える。これまで痛みを感じた企業が少なかったから AIJ投資顧問及び旧社保庁OB達に騙されたのだ。

AIJ問題:年金基金損失穴埋め困難で連鎖倒産の危機 03/06/12(毎日新聞)

 AIJ投資顧問の企業年金損失問題で、厚生年金基金の運用を委託していた企業が、経営難に陥るのではないかとの不安を強めている。厚年基金は、企業年金のほかに公的年金の厚生年金の一部の積立金を借り、国に代わって運用している。損失が膨らみ、借りた部分の返済を迫られて基金が存続できなくなれば、企業年金が受け取れなくなるおそれもある。過去には倒産したケースもあり、与野党は救済策の検討を始めた。【田所柳子】

 AIJに年金資産の3割超の約65億円を委託していた長野県建設業厚年基金(約370社)。加入する長野市の建設会社幹部は「『AIJ連鎖倒産』が起きかねない」と危機感を募らせている。

 同厚年基金では10年に事務長が約23億円を横領する事件も発生。「AIJへの委託分がゼロになれば、厚生年金の資金は70億円以上不足する」との見方もある。不足分の返済額は1社平均で約2000万円に上る計算だ。

 厚生労働省によると、AIJに委託していた84企業年金のうち、中小企業などでつくる厚年基金は74。約2000億円の委託資産の大半は既に消失したため厚年基金は資金の大部分を返してもらえない公算が大きい。

 積立金に損失が生じれば、加入企業が穴埋めしたり、保険料を引き上げたり、給付額を減らしたりする必要がある。基金の解散もできるが、国から借りている厚生年金の資金の返済が前提。企業年金も受け取れなくなる。

 しかし、給付減額は受給者らの3分の2以上の同意が必要で、企業による穴埋めも難しい。同厚年基金の加入企業の幹部は「基金を解散したいが、赤字企業も多い。返済できる体力はない」と話す。

 厚年基金が、自前の積立金に加え、厚生年金の一部を借りて運用しているのは、運用成績が厚生年金の想定利回りを上回れば、その分を企業年金の利益にできたからだ。

 しかし、バブル崩壊後の景気悪化で運用実績が想定利回りの5・5%に届かず、その分が損失になっている。それでも想定利回りを下げると将来の収入が減るため5・5%の高利回りに据え置く厚年基金が約9割に及ぶ。

 厚労省によると、厚年基金の4割近くが代行部分まで損失が食い込む「代行割れ」に陥り、昨年3月末で6289億円が不足。企業は損失分を穴埋めする余裕もなく、解散もできず、損失が膨らむ危うい状況にある。

 ◇タクシー会社加入基金で14社倒産の例も

 「代行割れ」による倒産は現実に起きている。タクシー会社が加入する兵庫県乗用自動車厚年基金が06年1月、運転手の高齢化などによる掛け金不足で行き詰まって解散。厚生年金の資金の不足額71億円の穴埋めを迫られた。民間調査会社の東京商工リサーチによると、加入企業50社のうち14社が今年1月までに倒産した。

 不足が生じた場合、加入企業ごとに返済額を割り当てられ、5~10年の分割返済もできる。ただ、倒産する企業があると、残りの企業がその分を返済しなければならず、「連鎖倒産」を招く。

 同厚年基金の解散を巡っては、10年11月の衆院厚生労働委員会で公明党の坂口力・元厚労相が「倒産企業の分も残った会社が負担を求められ、新たに倒れる会社が出かねない」と指摘、国による救済制度創設を求めたが、議論は進んでいない。

 民主党は7日、AIJ問題に関する作業チームの初会合を開くが、同党内には救済に前向きな意見も出ている。ただ、厚生年金で損失を穴埋めするような仕組みは、加入者のサラリーマンなどの反発を招きかねない。

 ◇企業年金

 国民年金(基礎年金)、サラリーマンなどが加入する厚生年金などの公的年金とは別に、企業と社員が積み立てる年金。厚生年金基金は企業年金の一種で、公的年金の厚生年金を借りて国に代わって一部を運用している。自前の資金と分けるため国から借りた資金を「代行部分」と呼ぶ。年金資産が消えてしまうと厚生年金の一部も足りなくなるが、企業が穴埋めするなどして年金支給に支障がないようにする仕組みになっている。

旧社会保険庁(現日本年金機構)の人間達による税金の無駄遣いで年金支給額が減り、申し訳ないとも思わず、恥ずかしいとも 思わず、天下り。経験や知識もないのに理事として居座り、給料を貰う。これって寄生虫的な人生じゃないのか。旧社会保険庁(現日本年金機構) は寄生虫的な生き方の訓練場及び教育の現場なのか?

AIJ問題:旧社保庁OBの天下り 被害拡大の一因か 03/05/12(毎日新聞)

 投資顧問会社「AIJ投資顧問」(東京都中央区)の年金消失問題を機に、全国の厚生年金基金に旧社会保険庁(現日本年金機構)OBが05年時で600人以上、天下りしている実態が明るみに出た。多くはノンキャリアで、資産運用の経験は乏しいとされる。構造的な天下りが問題を拡大した一因ともみられ、OBの一人は毎日新聞の取材に「資産運用の経験は全くなく責任を感じる」と述べた。一方で、別のOBは「相手がうその説明をすれば誰が運用しても結果は同じ」と強調した。【町田徳丈、松本惇】

 AIJと取引があった甲信越地方の厚生年金基金に天下りした60代の社保庁OBは、10年前に社保庁の地方機関の人事担当者から打診され、2年前まで常務理事を務めた。後任は社保庁OBを自ら推薦した。

 07年から始めたAIJとの取引については「リスクを避ける分散投資」と説明。基金の運用方針を決める運用検討委員会にAIJの浅川和彦社長が自ら出席し、「自信にあふれた話しぶりが印象的だった」という。

 この厚生年金基金も損失を出したとされ、OBは「再就職の前に運用経験は全くなく、正直不安だった。天下りは見直すべきで、結果的に責任を感じる」と胸中を吐露した。

 販売業界でつくる厚生年金基金の60代の元常務理事は、社保庁の下部組織の出身。「ポストが引き継がれるのはこの10年や20年ではなく、もっと前からだ」と証言した。

 保険料の徴収や年金支払い業務を熟知したノンキャリアの職員を再就職先として基金に送り込む仕組みを「役所の常識」と解説。「50歳で役所を辞めて基金に行かないかと打診される人もいた」という。

 この基金はAIJへの委託はなかったが、運用知識は乏しいOBの天下りが問題を拡大させた側面があることに対しては「虚偽の説明をされたら誰がやっても同じ」と主張した。

 2年前まで製造業界の厚生年金基金の常務理事を務めた60代のOBは、運用損を抱えていた基金の収益を上げるためAIJへ委託。情報誌の人気ランキングで首位だったことがきっかけという。

 「天下りで運用経験がなくても、委託を決定するのは合議制。どういう知識があればよかったのか誰にも分からないはず」と釈明した。

「旧社保庁職員は資産運用経験がない場合がほとんどとされるが、中小の同業者でつくる「総合型」の基金では年金の実務や制度に詳しい人材が必要になるため、運用経験が乏しくても旧社保庁OBに頼らざるを得ない面もあったとみられる。」

でも理事にする必要はないだろ!

AIJ問題:旧社保庁OB600人天下り 厚生年金基金に 03/05/12(毎日新聞)

 投資顧問会社「AIJ投資顧問」の企業年金消失問題に絡み、旧社会保険庁(現日本年金機構)幹部23人の厚生年金基金への再就職が判明したが、ノンキャリアを含めると05年当時、全国約500の厚生年金基金に600人以上の同庁OBが天下っていたことが、毎日新聞の入手した資料で分かった。その約7割は資産運用の責任者を務める常務理事だった。AIJは同庁OBのネットワークを営業に利用したとされ、小宮山洋子厚生労働相は実態を調査する方針を示しているが、その大枠が判明した。

 社保庁OBらでつくる親睦団体が05年12月に作成した内部資料を毎日新聞が入手した。

 05年度末時点で厚生年金基金は全国に687あったが、内部資料によると、このうち約500の基金に旧社保庁職員600人以上が再就職。その約7割が、通常は基金の運用責任者を務める常務理事、約2割は事務長や事務局長で、複数のOBが同じ基金に再就職していたケースもあった。

 厚労省は、天下りの社保庁職員が退任した後は公募に切り替えるよう厚生年金基金に指導しているが、強制力はなく、現在も相当数のOB職員が在籍しているとみられる。

 AIJの企業年金消失問題では、10年度末時点で同社に運用委託をした企業年金84基金のうち74基金が厚生年金基金だった。また、99~10年に旧社保庁幹部23人が全国の厚生年金基金の常務理事などに就いていたことが明らかになっている。

 旧社保庁職員は資産運用経験がない場合がほとんどとされるが、中小の同業者でつくる「総合型」の基金では年金の実務や制度に詳しい人材が必要になるため、運用経験が乏しくても旧社保庁OBに頼らざるを得ない面もあったとみられる。【石川隆宣、松田真】

また野村證券OBが!AIJ投資顧問事件の主役たち 03/05/12(NetIB-NEWS|ネットアイビーニュース)

 さすが野村證券、人材は多士済々というべきか。企業年金約2,000億円を消失させた投資顧問会社、AIJ投資顧問(東京都中央区)の浅川和彦社長(59)は野村證券出身である。オリンパスの損失化隠し事件で指南役を務めた野村OBの中川昭夫容疑者(61)とは、外資系証券会社で上司と部下の間柄だった。AIJの取締役には野村の元役員が名を連ねており、いずれも「伝説的」と称される面々だ。

<日本版マードフ事件>

 「日本版マードフ事件だ」。AIJ投資顧問が2月24日、金融庁から業務停止命令を受けた翌日、米ウォール・ストリート・ジャーナル日本版(25日付)は次のように報じた。

〈AIJ投資顧問について、格付け会社の格付投資情報センター(R&I)が2009年発行したニュースレターの中で米国の巨額金融事件になぞらえて、日本のマードフ事件になりかねないと警告していたことがわかった。(中略)ニュースレターは市場が落ち込んでいるにもかかわらず、AIJの運用利回りは不自然に安定していると警告した〉

 ニュースレターは名指しこそしなかったものの、ほとんどの年金専門家にはAIJだとわかるような書き方だったという。

 マードフ事件とは08年発覚した米株式市場ナスダックのバーナード・マードフ元会長による「米市場最大」の詐欺事件である。マードフ自ら運営する投資ファンドは、10%を上回る高利回りをうたって投資家から資金を集めたが、実際は市場で運用せず、投資家に配当を回すだけ。被害額は日本円に換算して3.3兆円にのぼった。

 リーマン・ショックで大打撃を被った金融界のなかで、4.75%の高利回りを保証して企業年金を集めていたAIJが目を引くのに十分だ。年金専門家のあいだでは、マードフと同じような詐欺事件になると危惧されていたということだ。

<伝説の営業マン>

 AIJ社長の浅川和彦氏(59)は横浜市立大学卒業で、75年に野村證券に入社。個人営業部門で実績を積み上げてきた凄腕で、「成績はトップクラスの伝説の営業マンだった」というのが野村OBの評。京都支店営業次席、熊本支店長と出世階段を上っていったが、突然、退社した。バブル崩壊で、個人的な株投資で失敗し借金を抱えたためといわれている。

 94年に個人顧客を引き連れて外資系の米ペイン・ウェーバーに転じ、一介の営業マンとして日本株を売る個人向け営業に携わった。この時の上司がオリンパス事件で指南役として逮捕された野村證券OBの中川昭夫容疑者(61)。同じ指南役を務め、所在が不明となっている野村OBの佐川肇・アクシーズ・アメリカ元社長は同僚だった。運命のいたずらというほかはない。

 中川氏はペイン社を辞めたあと、佐川氏とともにアクシーズ・ジャパン証券を設立し、オリンパスの損失隠しの指南役を務めることになる。一方、浅川氏は、96年頃に歩合外務員として一吉証券に移った。営業マンとして抜群の成績をあげ、個室と秘書を与えられるという破格の待遇を受けた。当時の女性秘書がAIJの高橋成子取締役である。

 その後、独立してAIJの前身の投資顧問会社を買い、2004年ごろから企業年金を扱うようになる。AIJの実質支配下にあり、信託銀行を通じて募集した年金資産をタックス・ヘイブン(租税回避地)のケイマン諸島で運用していたアイティーエム証券(同一ビルに入居)の西村秀昭社長は、山一證券の国際部門の出身。山一が破綻しため98年に同社を設立。浅川氏が外資系証券会社にいた当時からアイティーエムの西村氏とは盟友だったという。営業一筋の浅川氏が企業年金を集め、国際業務に精通した西村氏が運用する役割だ。

また野村證券OBが!AIJ投資顧問事件の主役たち(後) 03/06/12(NetIB-NEWS|ネットアイビーニュース)

<総会屋事件で失脚した元常務>

 親分肌の浅川氏はAIJを立ち上げたとき、野村證券OBをビジネスパートナーに招いた。取締役の松木新平氏(67)である。高卒の場立ちからの叩き上げで、株式担当常務まで出世した人物だ。場立ちとは、証券取引所の立会場で、証券会社から派遣されて、身振り手振りで売買処理する取引担当者。コンピュータシステム化にともない立会場が閉鎖されたため、今は存在しない。場立ちとして鍛えられたこともあり、「相場の読める男」というのが野村OBの評だ。

 野村に激震が走ったのは97年の総会屋の小池隆一に対する利益供与事件。児玉誉士夫系の大物総会屋、木島力也の影におびえた第一勧業銀行(現・みずほ銀行)は、小池側に460億円の巨額融資をした。そのカネで、小池は野村、山一、日興、大和の4大証券の株式を購入、株価が値下がりしたとして損失補てんを求めた。

 野村證券では、酒巻英雄社長(当時)の指示で、株式担当の松木常務は、「花替え」と呼ばれる、自社株取引により作り出した多額の利益を総会屋の口座に付け替えていった。97年5月、松木常務は酒巻社長とともに逮捕され、懲役8月、執行猶予3年の有罪判決を受けた。総会屋事件がなければ、松木氏は野村本体の副社長もしくはグループ会社のトップになっていただろうと言われている。

 浅川氏が顧問に招いたのが経済学者の植草一秀氏(51)。野村総合研究所のエコノミストや早稲田大学大学院教授などを歴任、テレビ番組へレギュラー出演して知名度は高く、広告塔としての役割を担った。だが、痴漢事件(本人は冤罪と主張)で失脚。AIJ事件を受けて、植草氏は自身のブログに「04年から06年まで顧問をしていた」と書いた。

<野村證券のDNA(遺伝子)>

 それにしても、オリンパス事件、AIJ事件とも、主役は野村證券のOBたちだ。なぜか?彼らは、野村證券が相場を作り、価格を決めるのが当たり前という、バブルの時代に育った人物たちだ。有名なのは89年の東京急行電鉄株式の株価操作疑惑。稲川会の石井進会長のために、野村は全組織をあげて東急株に買いに向かった。特定の銘柄を推奨することは、この当時、堂々とまかり通っていた。証券界のガリバーと呼ばれる野村が、営業力をフルに使い、集中的に東急株を売買すれば、株価が上がらないほうが不思議である。石井進会長による東急株の仕手戦に、野村が株価釣り上げに協力したのは明々白々だ。

 こうした、野村の悪しきDNAを内包しているのが、事件の主役の野村OBたち。利益を出すには、相場をつくればいいという環境のなかで育ってきたので、ヤバイと思われる手法にも躊躇することはない。それが事件につながっている。

監視委、AIJを強制調査へ…虚偽報告の疑い 03/04/12(読売新聞)

 投資顧問会社「AIJ投資顧問」(東京都中央区)が企業の年金資産計約2000億円を消失させた問題で、運用実績を長年にわたり偽った疑いがあるとして、証券取引等監視委員会は金融商品取引法違反(事業報告書の虚偽記載など)の疑いで同社幹部らを強制調査する方向で検討に入った。

 また、AIJが業績を急拡大させた背景に、旧社会保険庁人脈が深く関与していたことが判明した。

 現在、監視委では、金融庁に行政処分を勧告する証券検査課が検査を実施している。しかし、多数の企業年金の資産が失われるなど影響が甚大なことから、検査後は刑事告発を前提にした強制調査を行う特別調査課が実態解明に着手する。

 関係者によると、同社は2002年に英領ケイマン諸島のファンドを通じて金融派生商品などへの投資を始めて以降、虚偽の運用資産残高を記載した事業報告書を関東財務局に提出。このほか、顧客に虚偽の運用報告書を交付したり、実態とかけ離れた実績を説明して新規勧誘を行ったりしたとされる。

“天下りネット”利用 顧客拡大で旧厚生OBに便宜(1/2ページ) (2/2ページ) 03/04/12(産経新聞)

 投資顧問会社「AIJ投資顧問」(東京都中央区、浅川和彦社長)の年金資産消失問題で、AIJと企業年金側を仲介していた旧厚生省(現厚生労働省)と旧社会保険庁(現日本年金機構)のOB(74)が、自らが経営する年金コンサルタント会社の実質的な経営を全面的にAIJ側に委ねていたことが3日、分かった。OBは企業年金に天下りした旧社保庁職員らにAIJを勧めていたことも判明。AIJが、こうした“天下りネットワーク”を持つOBを顧客拡大の「広告塔」に利用するため、積極的に便宜を図っていたとみられる。

 OBの話や登記簿などによると、平成16年1月にOBが年金コンサル会社を設立した際、AIJは設立資金の約6割を出資し、コンサル会社とコンサル契約を結んだ。コンサル料は年間500万円前後だった。

 その後、AIJの女性役員が17年2月から19年6月までコンサル会社の役員に就き、OBが顧問契約を結んでいる全国各地の企業年金のもとへ出張した際の旅費の精算のほか、OBへの給料の支給なども行っていた。

 また、AIJ前社長も16年6月から19年9月までコンサル会社の役員を務めていた。

 関係者によると、OBは旧社保庁の職員が天下りした各地の企業年金などにAIJを紹介。AIJの担当者らを講師として招いたセミナーも開催し、企業年金にPRする機会を設けており、こうしたセミナーがきっかけでAIJとの間に投資一任契約を結んだ基金も多かったという。

 浅川社長は証券取引等監視委員会に対し、「虚偽の運用実態を知っていたのは自分を含めて2~3人」と説明。女性役員は16年6月に浅川社長がAIJ社長に就任したと同時に役員に就き、総務部門を取り仕切っており、AIJの虚偽の運用実態についても熟知していたとみられる。

 OBはAIJとの関係について「虚偽の運用実績は知らなかった。3~4年前にコンサル契約を解消して以降は連絡をとっていない」と話している。

同庁OBのネットワークでAIJによる被害が拡大した事実が確認でき、法的に責任を問えるのであれば損害賠償を要求すればよい。

社保庁74歳OBだったら年金を無駄遣いしてきた人間の1人だろう、詐欺の片棒をしたのであれば執行猶予なしの実刑に出来ないのか?

年金運用にAIJを推薦した 03/04/12(毎日新聞)

 旧社会保険庁OBのコンサルティング会社代表(74)が、厚生年金基金向けの資産運用セミナーを開き、AIJとの契約を推薦していたことが分かった。

 AIJに年金資産の運用を委託していた74の厚生年金基金(昨年3月末時点)のうち、少なくとも3分の2程度に、同庁OBらが天下りしていたことも判明。同庁などのOB人脈が被害拡大につながった形だ。

 コンサル会社代表によると、同社はAIJとコンサル契約を結び、年数百万円の報酬を得ていた。2000年代前半から、OB人脈を使ってセミナーを年2回ほど開催。AIJのほか3社程度の投資会社も出席し、各社の担当者が基金関係者に自社の投資商品をアピールした。代表が「いずれも私が厳選した投資会社」と、AIJなどを推薦。AIJの顧客になった基金のうち、3分の1程度が出席していたという。

AIJ投資顧問:旧社保庁OBが委託を勧誘 03/03/12(毎日新聞)

 企業年金運用会社のAIJ投資顧問(東京)が顧客の預かり資産約2000億円の大半を消失させた問題で、旧社会保険庁(現・日本年金機構)OBが複数の年金基金の幹部に、AIJに資金の運用を委託するよう勧めていたことが2日、このOBへの取材で分かった。

 AIJは、OBが運営するコンサルタント会社に資本金の半分を出資。社員を派遣し給与も支払っており、密接な関係にあった。同庁の幹部23人が、1999年8月~2010年9月までの約11年間で、全国の厚生年金基金の常務理事などに天下りしていたことも判明、同庁OBのネットワークでAIJによる被害が拡大した可能性が出てきた。(共同)

投資顧問会社「AIJ投資顧問」は詐欺の才能がある。旧厚生省(現厚生労働省)OBが経営する年金コンサル会社と一体となり顧客獲得していた。

旧厚生省OBが斡旋 経営会社に役員受け入れ 03/03/12(産経新聞)

 投資顧問会社「AIJ投資顧問」(東京都中央区、浅川和彦社長)が年金資産約2千億円を消失させた問題で、旧厚生省(現厚生労働省)OBがAIJとコンサルタント契約を結び、企業年金側に「AIJは年金資産の運用委託先として有望」と仲介していたことが2日、分かった。これを機に複数の企業年金がAIJと契約していた。このOBが経営する年金コンサル会社の役員をAIJ役員が兼務していたこともあり、OBがAIJと一体となり顧客獲得の一翼を担っていた実態が浮上した。

 このOBは産経新聞の取材に、複数の企業年金側にAIJを紹介したことを認めたが、「運用実態がこんな状態になっているとは知らなかった。AIJを勧めるときには『最終的に決めるのはそちらです』と念を押していた」と話した。

 OBは旧社会保険庁(現・日本年金機構)の年金担当や旧厚生省保険局医療課で課長補佐などを務めた70代の男性。退職後、都内の年金基金常務理事などを歴任した。

 関係者やOBによると、OBは平成16年に都内にコンサル会社を設立。AIJとコンサル契約を結び、20年ごろに契約を解除するまで、多くの企業年金担当者に「AIJは運用に安定感があり、大きな損はしない」と紹介。企業年金側からAIJの評判などを尋ねられた際にも「優良委託先」と勧めていた。

 このうち、少なくとも関西や中部地方にある4~5の企業年金が、AIJから「高利回りで運用できる」と虚偽の説明を受け、AIJと年金資産の投資一任契約を結んだ。この中にはOBが顧問を務める企業年金もあった。このうち関西の企業年金は現在もAIJと契約を結んだままという。

 コンサル会社はAIJから年間500万円前後の報酬を受け取っていた。また、AIJ前社長や現役役員が一時期、コンサル会社の役員を務めていた。

AIJ、実は自転車操業…顧客には高利回り説明 03/01/12(読売新聞)

 投資顧問会社「AIJ投資顧問」(東京都中央区)が、運用を任された企業年金資金約2000億円を消失させた問題で、同社は運用を始めた直後から、集めた資金の一部を解約した顧客への払戻金などに充てる自転車操業状態だったことが分かった。

 30%を超える高利回りなどをうたいながら、実際の運用が追いつかずに損が拡大したとみられ、証券取引等監視委員会は、資金を払い戻しに充てざるを得なかったとみている。

 関係者によると、同社は2002年、英領ケイマン諸島のファンドを通じて、株式や債券などを組み合わせた金融派生商品への投資を開始した。運用益が出たのは最初の1年間だけだったにもかかわらず、顧客には、利回りについて「初年度に35%、05年度までは10%超だ」と説明していた。

たぶん、監視委と金融庁は適切な調査は出来ないと思う。出来るだけの人材が いないと思う。もしそのような人材がいるのであれば、今回のような状態になるまで放置していなかったと思う。個人的な推測だが、 間違っているのだろうか?

AIJ年金消失:香港プライベートバンク送金後、資金不明 02/29/12(毎日新聞)

 投資顧問会社「AIJ投資顧問」(東京都中央区)の年金消失問題で、同社が集めた年金資産が香港の投資銀行のプライベートバンク(PB)に移され、その後の資金の流れが不明になっていることが28日、関係者の話で分かった。PBは秘匿性が高く、マネーロンダリング(資金洗浄)に悪用されるケースも目立つとされ、証券取引等監視委員会は海外当局とも連携して慎重に調べを進めている。

 関係者によると、AIJは集めた年金資産を関連のアイティーエム証券(東京都中央区)を通じて租税回避地の英領ケイマン諸島にいったん移した後、香港の投資銀行のPBに送金して資産管理していたという。このPBは、約3億円程度の資産があれば開設が可能とされる。

 PBは匿名の番号口座による銀行口座開設が可能で、開設時に名義人の確認を行うが、本当の顧客を知るのは担当者を含め数人というケースも珍しくないという。厳格な顧客管理を行うことによって秘匿性が保たれる一方、監督官庁の目が行き届きにくいのが特徴とされる。

 監視委は、AIJが秘匿性の高いPBを使い意図的に損失を隠していた疑いがあるとみて調べている。また、同社の不透明な資金の流れを把握するため、海外の証券当局に対し、相互協力協定(MOU)に基づいて協力を要請。一連の資金の流れに登場するケイマン諸島の私募投資信託や、現金の残高、実際の取引内容などを調べる方針。

「役員と2人で資産管理」 AIJ社長、監視委に説明 02/29/12(朝日新聞)

 年金基金から運用を委託された約2千億円の9割を消失させたとされるAIJ投資顧問(東京都中央区)の浅川和彦社長が、「英領ケイマン諸島のファンドを通じた資産の出し入れは、他の役員と2人で行っていた」という趣旨の説明を証券取引等監視委員会にしていることがわかった。監視委はこの役員にも説明を求め、なぜ資産が消失したのか解明を進める。

 監視委の調べや関係者の話によると、AIJはケイマン諸島に設立したファンドで2002年6月から、私募投資信託(少数の人向けの投信)の運用を始めた。ファンドに入った資産は、英領バミューダ諸島の信託銀行を通して運用する形にしていたが、実際には香港の欧州系大手銀行に移して管理していた。

 顧客の年金基金には「高収益を上げている」と説明していたが、実際は運用開始直後から資産は目減りし、損失が膨らんでいったとされる。

年金消失 金融庁、AIJ登録取り消しへ 84基金88万人影響 (1/2ページ) (2/2ページ) 02/09/12 (産経新聞)

 投資顧問会社「AIJ投資顧問」(東京都中央区)が運用委託された年金資金の大半を消失させた問題で、金融庁は28日、AIJの投資運用業者としての登録を取り消す方針を固めた。取り消し処分が出れば、AIJは廃業に追い込まれる。厚生労働省が同日公表した資料では、2010年度末時点でAIJに委託残高があった厚生年金基金や確定給付企業年金は計84基金に上った。加入者数は計53万9650人、受給者数は計34万4299人で、中小企業を中心に計約88万人もの年金試算に影響する可能性が高まった。

 「(年金資金の消失は)きわめて重大だ。あらゆる選択肢を排除せずに対応していく」-。自見庄三郎金融担当相は同日の閣議後会見でこう述べ、AIJの登録取り消しを検討する考えを示した。

 金融庁はAIJが多額の損失が出ているにもかかわらず、高利回りを達成しているとする運用報告書を顧客に提出したり、うそをついて勧誘を行ったりしたことなどを問題視している。証券取引等監視委員会が現在、検査に入っており、金融庁は検査の終了を待って登録取り消しを最終判断する見通しだ。

 重大事態の判明を受け、金融庁は他に同様の問題がないか調べるため、29日にも投資顧問会社263社に対し、金融商品取引法に基づく報告命令を出し、資産の運用状況などを一斉調査する。資産運用の状況やリスクの程度のほか、顧客に対する情報開示などについて、各社に回答を求める。問題があった場合には、立ち入り調査なども実施する方針だ。

 ただ、AIJ投資顧問のように顧客から資産運用の一任を受ける投資運用業者は登録制。金融庁が年1回の事業報告書の提出を求めているほか、証券取引等監視委員会が不定期で検査を実施しているのみだ。監視委の職員数は2011年度末で392人で、検査は年間15件程度しか行っていない。各社の資産運用の実態などを完全に把握できないのが現状といえる。

 このため金融庁は、投資運用業者に対する検査体制を強化する方針。監視の目を行き届かせるため、13年度の定員要求で検査を担当する人員の増強を求める。また、登録制の見直しも含め、業者の報告義務を厳しくすることなども検討する。

 厚労省によると、AIJに委託残高があった厚生年金基金や確定給付企業年金の総資産額は計1兆9109億7300万円で、うちAIJへの委託残高は9.7%に当たる計1852億6500万円だった。AIJへの委託割合は最も大きい基金で56.9%に上る。

 AIJの年金資産は大半が消失しているとみられることから、基金の運営に大きな影響を与える可能性がある。また厚生労働省がガイドラインで定める分散投資によるリスク回避なども十分に実施されておらず、政府の責任も問われそうだ。

 小宮山洋子厚労相は同日の閣議後会見で、厚生年金基金の資産運用に関するガイドラインを見直す方針を発表。有識者の意見を聴くなどして、夏ごろまでに結論を出したい考えだ。

金融庁、登録取り消しへ あす全業者に報告命令 12/28/12(産経新聞)

 投資顧問会社「AIJ投資顧問」(東京都中央区)が運用委託された年金資金の約2000億円を消失させた問題で、金融庁は28日、AIJの金融商品取引業者としての登録を取り消す方針を固めた。取り消し処分が出れば、AIJは廃業に追い込まれることになりそうだ。

 金融庁は証券取引等監視委員会の検査を待ち、AIJの登録を取り消す見込み。AIJが多額の損失が出ているにもかかわらず、高利回りを達成しているとする運用報告書を顧客に提出したり、顧客に嘘を言って勧誘を行ったりしたことなどを問題視している。

 自見庄三郎金融担当相は同日の閣議後記者会見で、登録取り消しについて「(年金資金の消失は)きわめて重大な話で、あらゆる選択肢を排除せずに対応していく」と述べた。

 また、自見金融相は投資顧問業者263社に対する一斉調査について、29日に金融商品取引法に基づく報告命令を全社に出し、資産の運用状況などに問題がないか調べることを明らかにした。

見ざる、言わざる、聞かざるの監視委と金融庁
よくこんな詐欺まがいの会社を野放しにしていたものだ!大手格付け会社のアンケート調査も集計だけで、人気と実力がイコールではない ことを教えてくれた良い例だ。

2千億円消失のAIJ、08年の調査で人気1位 12/25/12(読売新聞)

 投資顧問会社「AIJ投資顧問」(東京都中央区)が顧客企業などから預かった年金資産の大半約2000億円を消失させた問題で、同社幹部が、証券取引等監視委員会の調べに対して「運用当初から損失が出ていた」と話していることがわかった。

 監視委は、同社が長期間にわたって運用に失敗していたとみて、詳しく調べている。

 同社は1989年設立。関係者によると、その後、中小企業で作る年金基金などの委託を受け、本格的な年金運用を始めた。同社はこれまで、年金運用について、高利回りをうたって顧客を勧誘。株価の下落など投資環境が悪化した時期でも安定した実績を残したとして、2008年には、大手格付け会社のアンケート調査で人気1位を獲得した。

AIJ企業年金消失:金融派生商品、運用失敗か 日経オプション、高リスク「売り」駆使 12/25/12(毎日新聞)

 投資顧問会社「AIJ投資顧問」(東京都中央区)が企業年金を主とした約2000億円の資産の大半を失った問題で、同社が金融派生商品である「日経平均オプション取引」の「売り」を駆使したリスクの高い資産運用に失敗し、資産を失った疑いがあることが24日、証券取引等監視委員会の調べで分かった。会社側は監視委の検査に「現有資産の実態が分からない」としており、監視委と金融庁は資金の流れの解明に向け調べを進める方針。

 証券関係者によると、日経平均オプション取引は、一定期間内に特定の価格で日経平均株価を買い付けたり売ったりする権利(オプション)を売買する金融派生商品取引。事前に元手(証拠金)を預ければ、一定倍率で額を上げた売買も可能で、高い収益が見込める。特に同オプションの「売り」は、予想と逆の方向に株価が大きく動かなければ、高い確率で利益が期待できることから、投資のプロが多用するという。

 関係者によると、AIJの浅川和彦社長は大手証券会社出身。証券業界で培った知識を利用し、同オプションの「売り」を戦略とした資産運用で「絶対収益の追求」「安定収益の確保」をうたっていた。08年のリーマン・ショックや東日本大震災で投資顧問会社の業績が下落する中、AIJは好調な実績をアピール。国内の格付け会社のランキングで全国の企業年金運用成績でトップになることもあった。

 しかし、同オプションの「売り」は予想と逆の方向に値動きがあった場合のリスクが高く、損失額が無制限になることもあるという。株価が大きく変動したリーマン・ショックや震災時には、同オプションの「売り」による損失で破綻する投資家や投資会社も続出しており、AIJが業績を上げていたことに疑問の声も上がっていたという。監視委と金融庁は、こうした損失の可能性について調査を進めるほか、刑法の詐欺罪に当たるような悪質な運用実態がないか追及する。

AIJ投資顧問 なぜ野放しにされたのか 12/25/12(西日本新聞朝刊)

 金融庁は、企業の年金資金を預かって運用していたAIJ投資顧問(東京、浅川和彦社長)に対し、金融商品取引法に基づく1カ月の業務停止命令を出した。

 証券取引等監視委員会の検査で、AIJが企業から運用を任せられた約2100億円の年金資金について、その大半が消失していることが分かったためだ。

 金融庁と監視委は、AIJの業務を停止させて実態解明を進めることにした。

 金融関係者によると、AIJに資金の運用を委託していたのは地方の建設、トラック関係の企業年金が多いという。

 不祥事が起きるたびに言われる。なぜこんなことになったのか。どうして防げなかったのか。こんなことが起きるかもしれないと誰も考えなかったのか、と。

 そして、答えはいつも同じになる。決して予想できないことではなかった。

 ちょっと背景を整理してみたい。

 まずは企業年金の運営の難しさだ。

 次は金融商品取引法ができた理由だ。

 企業年金の代表格と言えば厚生年金基金だった。企業の従業員の公的年金は基礎年金の上に厚生年金が乗る2階建てになっている。この厚生年金分の一部を国に代行して支給したり、独自の上乗せをしたりするのが厚生年金基金である。

 金利が高ければ、国に支払う保険料の一部でも自分たちで運用した方が得になる。だが、いまのような超低金利では、運用益をひねり出すのは容易ではない。

 だから、厚生労働省も2001年に制度を改革し、代行部分を国に返上できる仕組みをつくった。これで厚生年金基金は急減したが、資金難などもあり、新たな制度に移行できないところもある。

 運用に苦しむこうした企業年金に、高利回りをうたい文句に誘いをかける運用業者が出てくることは当然予想できる。

 一方、証券取引法を改めて06年に金融商品取引法が国会で成立した。この法律の眼目は「貯蓄から投資」である。

 預貯金に偏った日本の金融のあり方を変え、株式投資などに誘導していく。このため、行政は公正で透明性のあるルールをあらかじめ示し、そのルールが守られているか事後的にチェックする。

 しかし、法律で定められた厚労省による企業年金の監督も、金融庁や監視委による資金運用業者に対する監督、検査も形式的だったと言わざるを得まい。

 大事な資金を簡単に預けた企業年金も問題なしと言えない。欲を出した。ただAIJの資料では、5人いるファンドマネジャーの平均経験年数は21年8カ月とベテランぞろいだった。運用報告でも確実に利益を上げていた。それがウソと断じるのは難しいし、解約も難しかろう。

 監視委によるAIJの検査は今回が初めてだったという。その間、AIJが行った粉飾には誰も気を留めなかった。

 金融庁は、AIJと同様に投資一任を受ける業者263社の一斉調査を実施する。問題が広がらなければいいが。金融行政が甘かったと言わざるを得ない。

監視委と金融庁よ、このような企業の監視強化と罰則強化をやるべきだ。 人事のような対応をするな!

AIJ投資顧問:金融派生商品、運用失敗か 02/25/12(読売新聞)

 投資顧問会社「AIJ投資顧問」(東京都中央区)が企業年金を主とした約2000億円の資産の大半を失った問題で、同社が金融派生商品である「日経平均オプション取引」の「売り」を駆使したリスクの高い資産運用に失敗し、大幅に資産を失った疑いがあることが24日、証券取引等監視委員会の調べで分かった。会社側は監視委の検査に「現有資産の実態が分からない」とも釈明しており、監視委と金融庁は資金の流れの解明に向け慎重に調べを進める方針。

 証券関係者によると、日経平均オプション取引は、一定期間内に特定の価格で日経平均株価を買い付けたり売ったりする権利(オプション)を売買する金融派生商品取引。事前に元手(証拠金)を預ければ、一定倍率で額を上げた売買も可能で、高い収益が見込める。特に同オプションの「売り」は、予想と逆の方向に株価が大きく動かなければ、高い確率で利益が期待できることから、投資のプロが多用するという。

 関係者によると、AIJの浅川和彦社長は大手証券会社出身。証券業界で培った知識を利用し、同オプションの「売り」を戦略とした資産運用で「絶対収益の追求」「安定収益の確保」をうたっていた。08年のリーマン・ショックや昨年の東日本大震災で投資顧問会社の業績が軒並み下落する中、AIJは好調な実績をアピール。国内の格付け会社のランキングで全国の企業年金運用成績でトップになることもあった。

 しかし、同オプションの「売り」は予想と逆の方向に値動きがあった場合のリスクが高く、損失額が無制限になることもあるという。株価が大きく変動したリーマン・ショックや震災時には、同オプションの「売り」による損失で破綻する投資家や投資会社も続出しており、AIJが業績を上げていたことに疑問の声も上がっていたという。

 監視委と金融庁は、こうした損失の可能性について調査を進めるほか、刑法の詐欺罪に当たるような悪質な運用実態がないか追及する。

金融庁にも責任がある。どうする金融庁

年金資産2千億消失、数年前から虚偽の事業報告 12/25/12(読売新聞)

 投資顧問会社「AIJ投資顧問」(東京都中央区)が顧客企業などから預かった年金資産の大半約2000億円を消失させた問題で、同社幹部が証券取引等監視委員会の調べに、「数年前から、虚偽の運用実績を記載した事業報告書を関東財務局に提出していた」と証言していることがわかった。

 報告書の虚偽記載を禁じた金融商品取引法違反の疑いがある。監視委は、運用の失敗を隠すために虚偽書類を提出していたとみて詳しい経緯を調べている。〈報告書チェックなし8面〉

 監視委などによると、同社は1989年に設立され、その後、投資運用業者として関東財務局に登録したうえで、中小企業で作る年金基金などから委託された年金資産を運用していた。金融商品取引法は毎年、運用資産残高などを記載した事業報告書の提出を義務付けているが、同社は毎回、報告書を提出していたという。

企業年金:揺らぐ信頼 投資顧問会社調査へ 12/24/12(毎日新聞)

 企業年金などの運用を受託している投資顧問会社「AIJ投資顧問」(東京都中央区、浅川和彦社長)が、高利回りで収益を上げていると虚偽の情報を伝えていたとして、金融庁は24日、金融商品取引法違反の疑いで同社に1カ月の業務停止命令を出した。同社に預託された約2000億円の資産の大部分は消失しており、金融庁は、AIJの運用手法などの解明とあわせ、他の投資顧問会社の運用が適正に行われているかの調査を進める方針だ。【田所柳子、宮島寛、浜中慎哉、堀智行】

 ◇設立以来、検査受けず 「高収益」が発覚の端緒に

 今回の問題が発覚したきっかけは、AIJの「高収益」に疑問を感じた外部からの指摘だった。一方で、AIJは89年の設立以来、証券取引等監視委員会の定期検査を受けたことはなかったという。当局の監督体制のあり方も問われそうだ。

 AIJは詳細な運用実績などの公表資料が少なく、「秘密主義で、運用手法が分からない」(証券アナリスト)との指摘があった。金融庁と監視委は、投資顧問会社に事業報告書の提出を義務づけ、財務の定期検査もしているが、顧客から年金運用を一任されている「投資一任業者」は263社に上る。検査は年15社程度しかできず、単純計算で約17年に1回しかない。事業報告書では「虚偽報告を見抜くのは困難」(金融庁関係者)という。

 投資顧問会社は、07年に認可制から登録制になったこともあり急増。年金などの契約資産は146兆円(日本証券投資顧問業協会、11年9月末)に及ぶ。金融庁は運用資産2000億円の大半が消失するというあまりの異常事態に、違反行為が確定しない段階でAIJの全業務を停止させる厳しい措置を取り、投資一任業者すべてを調査することを決めた。

 自見庄三郎金融担当相は24日の記者会見で「(規制強化などの)選択肢を排除しない」と説明。他にも悪質な例があれば、検査・監督体制の強化を検討する。金融庁には「認可制に戻すなど幅広く検討すべきだ」(幹部)との声もある。

 ◇資金減り追加拠出も

 確定給付型の企業年金は、従業員に一定の利回りを約束し、掛け金を集めて運用している。AIJへの委託比率が高ければ、運用資産が大幅に目減りし、企業は追加拠出や年金給付額の減額を迫られる懸念がある。

 年金基金は通常、複数の運用機関に分散投資している。埼玉県トラック厚生年金基金は年金資産の5%強、産業用ロボット大手の安川電機は2%未満をAIJに委託。276社が加入する「京都府建設業厚生年金基金」は1割強に達し、「稼ぎ頭とされていたのに」と頭を抱える。

 別の運用先の実績が好調なら損失をカバーできるが、金融市場は低迷が続く。このため「常にプラスの利回りを上げるAIJへの拠出比率を段階的に増やしてきた」(埼玉県トラック厚生年金)基金も多いとみられる。

 595ある厚生年金基金(10年度)の7割強で、将来に備えた積立金が不足するなど、企業の年金財政は厳しい。AIJの顧客の多くは、経営環境が厳しい中小企業の業界団体を設立母体とする「総合型厚生年金基金」だ。追加拠出の余裕がなければ、基金解散や給付減額などを迫られる。

◇3割が投資会社で運用

 日本の年金制度は、(1)国民全員が対象の基礎年金(1階)(2)会社員などが加入する厚生年金や共済年金(2階)(3)企業が独自に上乗せする企業年金など(3階)--の3階建てになっている。2階までは公的年金として、政府が保険料を集めて「年金積立金管理運用独立行政法人」が民間に運用を委託。運用資産約109兆円のうち67%は、国債など安全な代わりに利回りは低い金融商品で運用している。

 3階部分の企業年金は、従業員や企業の資金を元手に、機関投資家に運用を委託するなどしている。公的年金を補う目的で、大手企業などが独自に整備した。かつては信託銀行や生命保険に運用は限定されたが、90年以降の金融自由化と97年の規制緩和で参入事業者が急増した。企業年金連合会によると、企業年金の資産残高は約73兆円(11年3月末)で、投資顧問会社が約3割、信託銀行が約5割、生保が約2割を運用している。

 投資顧問会社の運用の特徴は「生保などに比べてリスクを取ること」(金融関係者)とされる。リーマン・ショック後の株価低迷で国内株式を減らす一方、安全な国債に加え、もうけも大きいが損失を被る可能性も高いヘッジファンドへの投資を増やす動きもあるという。

 ただ、金融市場の低迷で運用環境は悪化している。連合会のまとめでは、企業年金の運用利回りは90年代までプラスだったが、00年度にマイナスに転落。その後05年度にプラス19.16%を記録するなど乱高下している。10年度は資産の約27%を国内債券、約5%をヘッジファンドで運用し、利回りはマイナス0.54%だった。

 それでも、「2000億円規模の資産を消失させるのは異常」(大手生保)。大手証券アナリストは「海外の信託銀行などを取引に使ったり、複雑なデリバティブ(金融派生商品)などを組み合わせて損失が見つからないようにしていたのでは」と指摘する。

オリンパス前会長ら再逮捕へ 21年以降も虚偽報告疑い 純資産500億円水増し 03/04/12(朝日新聞)

 オリンパスの損失隠し事件で、旧経営陣が平成21年以降の3カ年も虚偽の有価証券報告書を関東財務局に提出した疑いが強まったとして、東京地検特捜部が、金融商品取引法違反(有価証券報告書の虚偽記載)容疑で、前会長の菊川剛容疑者(71)=同法違反容疑で逮捕=らを勾留期限の7日にも再逮捕する方針を固めたことが3日、関係者への取材で分かった。

 特捜部は2月16日、純資産額を約1100億円水増しし、20年3月期までの2年間、虚偽の有価証券報告書を関東財務局に提出したとして、同法違反の疑いで菊川容疑者ら4人を逮捕。その後の調べで、21年以降の3カ年についても虚偽の内容の報告書を提出していたことが判明した。水増しした純資産は約500億円とみられている。

 オリンパスは財テク失敗により、1990年代から金融商品の含み損を発生させた。このため前副社長の森久志(54)、前監査役の山田秀雄(67)両容疑者=同=らは少なくとも平成10年ごろから、英領ケイマン諸島にファンドを創設するなどして損失を外部に移す「飛ばし」のスキームを実行。歴代社長は報告を受け、了承していたとされる。

 これまでの特捜部の調べに、菊川容疑者ら3人はいずれも大筋で容疑を認めているとされる。菊川容疑者は「損失隠しは公表した方がいいと考えていた」とする一方、損失隠しを把握した時期については曖昧な供述をしているという。

 警視庁捜査2課も「飛ばし」の指南役となったコンサルタント会社社長、横尾宣政容疑者(57)ら3人を同法違反容疑で逮捕しており、損失隠しへの関与を調べている。

元監査役、外国銀に口止め オリンパス「照会対応不要」 12/21/12(朝日新聞)

 オリンパスの粉飾決算事件で、損失を海外のファンドに移す「飛ばし」を進めた際に、前常勤監査役・山田秀雄容疑者(67)が外国銀行に対して、「監査法人からの照会に応じる必要はない」と口止めをしていたことが関係者の話でわかった。監査法人に損失隠しが発覚するのを防ぐ目的があったとみられる。

 海外ファンドへの資金の融資元となっていた外国銀行との契約書類には、前社長・菊川剛容疑者(70)が自ら署名していた。東京地検特捜部もこうした事実を把握し、菊川前社長の関与の度合いについて詳しく調べている。

 関係者の話や同社が設けた第三者委員会の調査によると、財テク失敗で膨らんだ有価証券の「含み損」を隠すため、同社は有価証券を海外ファンドに買い取ってもらう「飛ばし」を1998年ごろから始めた。

オリンパス:インドで現地法人社長が自殺か 遺書残し 12/21/12(毎日新聞)

 21日付のインド紙タイムズ・オブ・インディアは、オリンパス現地法人の内視鏡メーカー、オリンパスメディカルシステムズインディア社長の大森力さん(49)が20日、ニューデリー近郊グルガオンの公園で首をつって死亡しているのが見つかったと報じた。自殺とみられる。

 オリンパスは大森さんが死亡したことを確認したが、死因などは不明としている。

 同紙によると、日本語の遺書2通が見つかり、1通は家族宛て、もう1通には「ご迷惑をお掛けしてすみません」などと書かれていた。(共同)

社内会議で虚偽説明 指南役、元会長らと結託か 02/19/12(産経新聞)

 オリンパスの損失隠し事件で、指南役とされるコンサルタント会社社長、横尾宣政容疑者(57)=金融商品取引法違反容疑で逮捕=がオリンパスの社内会議に出席し、損失隠しに利用する国内企業3社の買収実現のため、3社の企業価値を過大に評価する虚偽の説明をしていたことが18日、捜査関係者への取材で分かった。

 横尾容疑者は以前から相談を受けていた前監査役、山田秀雄容疑者(67)=同=らに3社を紹介。前会長の菊川剛容疑者(70)=同=は買収の際、他の役員の反論を押さえ込んでいたという。

 東京地検特捜部と警視庁捜査2課は、菊川容疑者らが横尾容疑者と結託し、3社の実態を把握していない当時の経営陣に買収を追認させたとみている。

 関係者によると、横尾容疑者は平成18年、山田容疑者に3社を紹介した後、菊川容疑者が委員長を務める事業投資委員会に出席。3社の将来的な業績見通しを過大に説明し、「事業を拡大できる」などと出資を提案した。

 3社への出資が始まり、買収が決まるまでの間も山田容疑者らが横尾容疑者の説明に沿って、3社の事業が順調であることを社内に説明していた。

 その結果、20年2月の取締役会で、3社の売り上げが計約54億円にすぎなかったのに「4年後には885億円に急成長する」という事業計画が提示された。一部の役員から異論が出たが、菊川容疑者が「いいですか」と反論を封じ、600億円余りの買収が決定したという。

 捜査関係者によると、オリンパス側から横尾容疑者側に支払われた報酬は少なくとも50億円以上で、他の2人の指南役の分も合わせると、報酬は百数十億円に及ぶとみられる。

「損失隠し発表直後、不動産譲る」に関するコメント(2ちゃんのテキトーなまとめ)

損失隠し発表直後、不動産譲る オリンパス・菊川前社長 02/19/12(朝日新聞)

 オリンパスの粉飾決算事件で、東京地検特捜部に逮捕された前社長・菊川剛容疑者(70)が昨年11月、個人で所有する川崎市の不動産の権利を親族に譲渡していたことがわかった。同社が損失隠しを続けていたことを発表した直後。民事上の責任追及を見越し、権利を譲渡した可能性もある。

 菊川前社長に対しては同社や同社の株主が今年に入り、損害賠償を求める訴訟を相次いで東京地裁に起こしている。

 不動産登記簿などによると、菊川前社長は川崎市高津区にある32階建てマンションに2室を所有していた。英国在住の息子と共同で所有する30階の約110平方メートルの持ち分と、菊川前社長が単独で所有する28階の約105平方メートルで、いずれも昨年11月17日付で親族に譲渡していた。

オリンパス前社長ら7人を逮捕 決算粉飾の疑い 02/16/12(朝日新聞)

 オリンパスの旧経営陣が損失を隠して資産を水増しし、決算を粉飾していた疑いが強まったとして、東京地検特捜部と警視庁捜査2課は16日、前社長・菊川剛容疑者(70)ら旧経営陣3人と、社外の協力者4人の計7人を金融商品取引法違反(有価証券報告書の虚偽記載)などの容疑で逮捕した。菊川前社長や外部協力者の自宅などの家宅捜索もした。

 証券取引等監視委員会と合同で、海外の関係当局とも連携し、世界的な大手光学機器メーカーの不正経理疑惑の全容解明を目指す。法人としてのオリンパスも立件する方針。

 他に逮捕された旧経営陣は、前常勤監査役・山田秀雄容疑者(67)と、前副社長・森久志容疑者(54)。損失隠しに協力したとされる外部協力者で逮捕されたのは、証券会社「アクシーズ・ジャパン証券」元取締役・中川昭夫容疑者(61)▽経営コンサルティング会社「グローバル・カンパニー」社長・横尾宣政容疑者(57)▽同社取締役・羽田拓容疑者(48)▽同社元取締役・小野裕史容疑者(50)の4人。

オリンパス:別の元取締役も関与か 海外「飛ばし先」代表 01/30/12(毎日新聞)

 オリンパスの損失隠し事件で、隠蔽(いんぺい)を主導したとされる山田秀雄前常勤監査役(67)の部下だった元取締役(54)=昨年12月に辞任=が、損失の簿外処理に利用した海外ファンドの代表を務めていたことが分かった。事件は山田前監査役と菊川剛前会長(70)、森久志前副社長(54)の3人が主に関与したとされるが、同社の取締役責任調査委員会はこの元取締役についても金融商品取引法違反(有価証券報告書の虚偽記載)に当たる可能性があると指摘している。

 関係者や調査委員会の報告書によると、元取締役が代表を務めていたのは、英領ケイマン諸島にあるファンド「CentralForestCorp(CFC)」。CFCは、山田前監査役らがオ社の80年代からの財テク失敗で生じた損失を隠す「受け皿ファンド」として、香港や米国を拠点にする国内証券会社OBの中川昭夫氏や佐川肇氏に依頼し、98年3月までに設立されたとされる。

 その後、山田前監査役らは海外銀行に預金し、その預金を担保に融資を受けた上で、オ社の保有する有価証券の買い取り資金としてCFCに流し込んだ。これを元手にCFCは01年3月までに約640億円の含み損を抱えた有価証券をオ社から買い取り、オ社の損失を簿外処理する「飛ばし」に利用された。

 元取締役は山田前監査役と森前副社長の部下で、設立当初からCFCの代表を務め、送金手続きなどの実務を行っていたという。

 CFCに移された損失はその後、英医療機器メーカーや国内ベンチャー3社の買収に絡んで捻出した資金で穴埋めしたとされる。

 昨年12月に金融商品取引法違反容疑でオリンパス本社などを捜索した東京地検特捜部や証券取引等監視委員会も、元取締役らを巡るこうした経緯を把握しているとみられる。

 ◇米司法省などに捜査共助を要請 東京地検特捜部

 東京地検特捜部は日米刑事共助条約に基づき、米司法省に対して捜査共助を要請した。

 ケイマン諸島の司法当局にも外務省を通じて捜査への協力を求めた模様だ。

 オリンパスの損失隠し事件では海外を拠点とする国内証券会社OBらが「指南役」として深く関与したとされ、特捜部と証券取引等監視委員会は、ケイマン諸島のファンドなどの実態解明のため海外当局との協力を本格化させている。

オリンパス元社長解任、役員に工作…菊川前会長 01/20/12(読売新聞)

 光学機器大手「オリンパス」の損失隠し事件で、菊川剛前会長(70)が昨年10月、不正経理を追及していたマイケル・ウッドフォード元社長(51)を解任するため、臨時取締役会の前日に他の役員を集め、解任に賛成するよう説得工作を図っていたことが分かった。

 証券取引等監視委員会などは、損失隠しを隠蔽する目的があったとみて、全容解明を進めている。

 関係者によると、ウッドフォード元社長が雑誌記事をもとに、菊川前会長らに不正経理の疑惑を指摘したのは昨年9月頃。元社長はその後、独自に英国の監査法人に調査を依頼、不正経理の疑いを指摘する監査法人の報告書をもとに、菊川前会長らに辞任を求めた。

 菊川前会長は、臨時取締役会前日の10月13日夜、海外滞在中を除く全役員を当時の会社顧問弁護士の事務所に集め、「元社長は独断で英国の監査法人に資料を持ち込み調査させており、けしからん。社長として問題だ」などと非難。臨時取締役会で元社長解任議案に賛成するよう求めた。大半の役員は、不正経理の詳しい経緯を知らず、異論は一切出なかったという。

結局、これか!

オリンパス:東証 上場維持の方向で最終調整へ 01/08/12(毎日新聞)

 オリンパスの損失隠し問題で、東京証券取引所が有価証券報告書の虚偽記載で上場可否を審査中のオリンパス株について、上場を維持する方向で最終調整に入ったことが8日、わかった。同社が実際に債務超過に陥っていなかったことや、損失隠しが組織ぐるみと言い切れない点、上場廃止となった場合、株主へ多大な影響を与えることなどを考慮した。東証は上場を維持するが、新たに「特設注意市場銘柄」に指定し、「上場契約違約金」(1000万円)の支払いも求める方針だ。

 特設注意市場銘柄は内部管理体制などに重大な問題があった企業の株式を東証が指定する制度で、指定から3年たっても改善されない場合は上場廃止となる。上場契約違約金は株式市場に対する投資家の信頼を傷つけたことに対するペナルティーとなる。過去には架空売買による不正な会計処理が問題となったメルシャンなどが、上場廃止を回避したうえで特設注意市場銘柄に指定され、上場契約違約金の支払いを求められたことがある。

 東証はオリンパスの第三者委員会が報告書を提出した昨年12月6日、上場廃止基準に抵触する有価証券報告書の虚偽記載が明らかになったとして、投資家に上場廃止の可能性を周知する「監理銘柄」にオリンパス株を指定。東証内で市場監視を担う「自主規制法人」と呼ばれる部門が審査し、関係者へのヒアリングをほぼ終えた。

 東証によると、有価証券報告書の虚偽記載による上場の可否判断に数値的なルールはなく、上場廃止となるのは「影響が重大であると認める場合」としか規定に書かれていない。東証は虚偽記載の期間の長短や会社の規模から見た不正経理額の大小、債務超過の有無、不正への組織的なかかわりや株主への影響などを総合的に判断することになっており、今回は上場維持が適切と、月内にも正式に最終判断する方針だ。【浜中慎哉】

オリンパス:損失隠し 違法配当でも捜査へ 長年の損失隠し影響--東京地検 01/01/12(東京朝刊 毎日新聞)

 オリンパスの損失隠し事件で、東京地検特捜部は、同社が株主へ配当可能な限度額を超えて配当していた可能性があるとして、会社法違反(違法配当)の疑いでも捜査する方針を固めた模様だ。長年の損失隠しが無理な配当につながったとみている。

 特捜部は12月、警視庁、証券取引等監視委員会と合同で金融商品取引法違反(有価証券報告書の虚偽記載)の疑いで同社本社などを一斉に家宅捜索した。1月上旬に捜査体制を拡充、虚偽記載容疑での立件後、違法配当容疑での刑事責任追及も検討するとみられる。

 同社は12月、07年3月期から11年3月期まで5年分の決算を訂正して関東財務局に提出した。その結果、株主に配当できる限度額の根拠となる利益剰余金が最大で約1200億円減ったという。100億円余を株主に配当していたとされる。

 同社の経理部長は12月の記者会見で「結果として違法配当ということになる」と明言、当時の取締役らの認識について、弁護士などで構成する「取締役責任調査委員会」と「監査役等責任調査委員会」が調査すると発表した。

 会社法は限度額を超えた配当を禁止しており、違反すれば5年以下の懲役か500万円以下の罰金が科される。

巨額粉飾:オリンパス損失隠し/上 「物申すとしっぺ返し」12/22/11(東京朝刊 毎日新聞)

 ◇事業の独立性、弊害

 21日午前11時半過ぎ、東京・新宿のオリンパス本社や首都圏の元幹部宅、損失穴埋めに利用した関連会社など数十カ所に、東京地検の係官や警視庁の捜査員が捜索に入った。「オリンパスは地味で『石橋をたたいても渡らない』会社だったのに、かじの切り方を間違えた」。同社の第三者委員会に「バブル絶頂期に狂奔の渦に巻き込まれ財テクに失敗した」と名指しされた下山敏郎元会長(87)は1カ月ほど前、毎日新聞の取材にそう悔やんだ。

 内視鏡で世界的シェアを誇る同社。だが、歴代幹部は「以前から業績に波があり、カメラと顕微鏡の赤字を内視鏡の黒字で何とか補う状況だった」と口をそろえる。ライバル社への共通認識は「キヤノンはプリンターで、ニコンは半導体製造装置で生き残った」。内視鏡に続く「第4の柱」を確立するまで経営の一助にと考えられたのが、80年代半ばに積極的に乗り出した金融商品への投資だった。

 当時社長の下山氏は「元陸軍航空士官学校卒の『武士』で、大ざっぱ」と元役員らに評され、粉飾に至る損失を生んだ。経理部長として下山氏を支え、後に同氏から社長に推薦された岸本正寿元会長(76)は、事を荒立てない「八方美人」(元役員ら)。バブル崩壊後の90年代半ば、損失隠しの実行役だった山田秀雄前常勤監査役(66)から損失公表を提言されても「市場が回復すれば挽回できるはずだ」と拒んだ。

 岸本氏の後任社長の菊川剛前会長(70)も「下山氏の子飼い」とされ、元幹部の一人は「下山時代に社報に載る社長コラムの半分は菊川氏が代筆していた」と証言する。デジカメ事業で実績を積んでトップに就き、「売り上げ1兆円」を目指したが、その裏で先々代から続く「負の遺産」の処理に追われた。

 3氏の共通点は海外営業部の経験。資金調達のため海外の金融筋に顔が利く必要があるという。一方、本業の「もの作り」に携わる技術系の幹部は「内視鏡ですら傍流。『キャッシュカード』と言われ、カネは生んでも偉くはなれない」と嘆く。

 特定部署の「身内」だけで引き継いできた経営体制を、第三者委は不正の土壌と厳しく指摘。同委はさらに「自分の担当業務のみ見て『大過なく』職務を乗り切ろうとする」「悪い意味でのサラリーマン根性の集大成」と苦言を呈した。その念頭にあったとみられるのは、事業部門ごとに独立性を持たせる「カンパニー制」の弊害だ。

 08年2月22日の取締役会。損失隠しの穴埋めに利用された国内ベンチャー3社の高額買収が議題となり、「高過ぎる」との意見は出たものの、大きな反対には至らなかった。

 出席者の一人は振り返る。「他のカンパニーには(反対意見を)言いにくい雰囲気はあった。物を申すと、今度は自分の事業でしっぺ返しがくるんじゃないかと。なるべく(反対意見を)避けていたと思う。でも『それが取締役としてやるべきことだった』と言われれば、言葉はない」

巨額粉飾:オリンパス損失隠し/中 群がる金融のプロ 12/23/11(東京朝刊 毎日新聞)

 ◇「おいしそうな餌」

 損失の「飛ばし」にはさまざまな手法がある。例えば3月期決算のA社が、4月に100億円で購入し70億円まで下落した金融商品を、6月期決算のB社に100億円のまま7月に売却する。A社は翌年5月、B社から金利分を含め105億円で買い戻す。A社もB社も決算期には金融商品を保持していないため損失を計上せずにすみ、協力するB社には金利分のうまみもある。「疎開」と呼ばれる手法だ。

 これを繰り返すと金利コスト(損失)が膨らむため、今度は海外で500億円のファンドを作る。資金はA社が出し、それで含み損のある金融商品を買い、A社はファンドを持つ形にする。「お化粧」という粉飾決算の手口とされる。

 オリンパスの損失隠しを指南した国内大手証券会社OBの一人、横尾宣政氏について、複数の元同僚は「そういう(飛ばしの)ノウハウにたけていた。でも手法は過激で、大手証券ではやっていけない」と打ち明ける。

 京都大を出て78年に入社、バブル期に顧客企業の数百億円の資金を扱う「花の事業法人部」で億単位の手数料を稼いだとされる横尾氏。「同期のトップを走り、残れば役員候補は間違いなかった」と周囲に評されたが、98年にコンサルタント会社「グローバル・カンパニー」を設立。同社を舞台に、80年代から担当していたオリンパスの「飛ばし」への関与を深めていく。

 国内証券会社から独立する動機には、収入面もあるという。ある元証券マンは「国内証券会社では手数料は会社に入るが、外資に転職したり独立した場合はボーナスに反映され、数億円を得ることもある」と指摘する。

 同じく指南役の中川昭夫氏は、関西の地方国立大から74年に横尾氏と同じ大手証券会社に入り、3年後には外資系に転職。慶応大から71年に入社して米国駐在を経て外資系に転じ、やはり指南役とされる佐川肇氏と共に97年、投資助言会社「アクシーズ・アメリカ」を、98年には「アクシーズ・ジャパン証券」を相次ぎ設立した。

 「アクシーズは『枢軸』の意味。日米を行き来する飛行機の中で2人は『軸になって会社を育てよう』と話し合った」。そう明かす同社関係者が中川氏から聞いたのは「一番もうかるのは会社を作ること。それがワーク(稼働)するようにして売る」。佐川氏は米国フロリダの豪邸にヨットを所有、中川氏は拠点の香港で月200万円というマンションに住み、現地在住の証券会社員は「すし屋のオーナーとも聞いた」。

 2人も横尾氏と同様、80年代以降にオリンパスの山田秀雄前常勤監査役と知り合い、98年からの「飛ばし」に深く関与した。01年には大手化学繊維会社の海外子会社を巡る損失隠し事件で、アクシーズ関係者が東京地検特捜部に逮捕(のちに釈放)され、アクシーズ・ジャパン証券も家宅捜索されている。

 ただ、横尾氏と中川氏らのつながりは明らかでない。中川氏を知るアクシーズグループ会社の元幹部はこう語る。「オリンパスというおいしそうな餌に金融のプロが群がった」

巨額粉飾:オリンパス損失隠し/下 追及不足の監査法人 12/24/11(東京朝刊 毎日新聞)

 オリンパスの09年3月期決算を控え、東京都心のビルにあるあずさ監査法人では、決算を「不適正」とすべきかを巡って幹部らが激しい議論を交わした。問題となったのは、後に損失隠しの穴埋めに利用されたことが判明する国内ベンチャー3社の高額買収(06~08年)と、英医療機器メーカー買収(08年)に際しての高額手数料。ただ、過去に監査法人が「不適正」とした場合、ほぼ確実に上場廃止となっていた。

 顧問弁護士は「不正の証拠がなければオリンパスやその株主から訴えられ、負けます」と助言。結局、監査の報告書には「適正」と記された。

 前年までの国内3社買収時に監査した公認会計士の一人は、取材に対し「私が(不正を)分からなかったと言えば分からなかった。何で分からなかったかもよく分からない」と、苦渋の表情で語る。

 その10年前の99年9月、あずさは「オリンパスが損失隠しを行っている」との情報を得て、実行役とされる山田秀雄前常勤監査役(当時総務・財務部長)らを追及。当初否定していた山田前監査役らはその後認めたものの一部にとどまり、「負の遺産」を一掃する機会を逃していた。

 さらに、それ以前にも「好機」はあった。97年3月期の有価証券報告書に、同社は「プリンストン債」という米国の資金運用会社発行の私募債を約29億円分保有していると記載。翌年の報告書では消えたが、同債は「損失隠し商品」として99年に問題化した。にもかかわらず、どこからも疑問視する声は上がらなかった。

 結局、あずさは09年3月期決算の後、契約を解消された。不正を明らかにしたのは、問題の表面化を受けてオリンパスの新経営陣が11月1日に設置した第三者委員会だった。

 同種の委員会は過去の事件でも設置されたが、中には企業にすり寄り調査報告書に虚偽を記載するケースすらあった。このため日弁連は昨年7月、第三者委の運用を巡るガイドラインを策定し、企業からの独立や中立・公正な調査を掲げた。オリンパスの第三者委は、このガイドラインに沿って発足した。

 委員長には95年のオウム真理教事件を東京地検次席として指揮した元最高裁判事の甲斐中辰夫弁護士、メンバーには名古屋地検特捜部の初代部長や公認会計士ら、捜査と法律、会計の「プロ」を充てた。電子メールなどの情報を復元・解析する「コンピューターフォレンジック(デジタル鑑識)」も実施。米国の金融当局にもメンバーを派遣し、情報交換したという。

 同委は発足1カ月余の今月6日、粉飾の概要を調査報告書にまとめて公表。検察幹部らは「強制力もないのによく調べている」と驚いた。メンバーの一人は「(粉飾に関与した)全てのファンドを開けたわけではない」と課題も挙げながら、こう語った。「監査の独立性と、会社をチェックできる気概と能力のある人材の登用が重要。今回のケースを素材に、議論すればいい」

    ◇

 杉本修作、町田徳丈、山本太一、鈴木一生、山本将克、中川聡子、山下俊輔が担当しました。

創作?が得意な検事の群像 12/22/11 BLOGOS(ブロゴス)

本気で特捜部の解体でも叫びたくなるような展開だった。

そのくらい、田代検事の小沢裁判での証言が堪(こた)えてきている。

あの捜査報告書は、やはり作文だったのか。
沸々と怒りが込み上げてきている。

検察特捜部は、作文するのか。
検察特捜部は、作文の上手な検事を養成する機関に成り下がっていたのか。
検察を信頼していただけに失望が大きくなっている。
捜索よりも創作が得意な検事が多かった、などと聞けば、百年の恋も一瞬に醒めると言うではないか。

アー、アー、アー。
朝日新聞が社説で怒りを表明する気持ちが私には分かる。

昨日、オリンパスの強制捜査が行われた。 予想されていたことであったが、本当は遅かったのだろう。 昨日の強制捜査は、周到な事前準備の下で行われた、事件の早期幕引きのための壮大な儀式の一つだったように私の目には映っている。

この1,2か月の間、強制捜査がいつになるかという話題で持ち切りだったから、昨日の強制捜査は関係者には織り込み済みで、捜査当局は、入手できる証拠は入手出来ただろうが、入手が困難な証拠はやはり入手出来なかっただろと踏んでいる。

つまり、今頃強制捜査をしてもないものはない、ということだ。 入手できたのは、事前の捜査で判明している事実を具体的に証明する客観的証拠で、今回の強制捜査で思いがけず想定外の新たな重要な証拠が発見されることはないだろうということだ。

昨日の強制捜査でオリンパス事件は終わる。
これが、私の見立てである。
暴力団関係者に金が流れたとか闇の社会との付き合いがある、などという真偽不明の情報が飛び交ったことがあるが、今後の検察の捜査ではそういう事実は出てこないということである。
これでオリンパス事件が早い時期に決着が付くことが見えてきた。
市場の混乱を最小限に止め、一日も早いオリンパスの再生を訴えてきた私としてはこの程度で事件の幕引きが図られるのを歓迎すべきところなのだろうが、正直、現在はどうでもいいか、という気になっている。

まあ、この強制捜査も茶番ですねえ、と言いたくなる。
もう、結論は決まっているのでしょう、と言いたくなる。
そのくらい、検察に失望したことを伝えておく。

もっとも、検察特捜部には、法を蔑ろにしがちな軽佻浮薄、イージーに流れ易い現代社会の風潮を窘(たしな)め、健全な社会良識に基づいて運営される落ち着いた社会を支えるための、法と秩序を守る砦としての大事な役割を果たして貰わなければならない、という気持ちには変わりがないが。

いやはや。

粉飾(上)関与は数人 闇の錬金術 開いた「パンドラの箱」 (1/4ページ) (2/4ページ) (3/4ページ) (2/2ページ)11/21/11(産経新聞)

 オリンパス元社長、マイケル・ウッドフォード(51)はあの日の出来事を鮮明に覚えている。

 今年8月2日の昼下がり。オリンパス本社で行われた前会長の菊川剛(70)、前副社長の森久志(54)とのランチミーティング。ウッドフォードの呼びかけで集まった2人は、用意されたすしに舌鼓を打った。頃合いを見計らい、ウッドフォードは1冊の月刊誌「FACTA」を机に広げた。後にそのカラクリが明らかとなる国内外4社の巨額買収の不透明な経緯が指摘されていた。

 和やかだった部屋の空気が一変、菊川は動揺し、いらだった態度に変わった。

 「なぜ社長である自分に報告しないのか。これは重要なことだ」

 ウッドフォードが切り出すと、菊川は「あなたは日本のことがわかっていない。(報告しないよう)指示したのは私だ。あなたは社長で忙しすぎる」とだけ応じ、ミーティングを打ち切ろうと席を立った。ウッドフォードが「書いてあることは本当なのか」とたたみかける。菊川は吐き捨てるように言った。

 「ほとんどは本当だ。だが、われわれはいくつかの対策を取っている」

 損失穴埋めが終わったことか、発覚しにくい海外ファンドを多用していたことか。「対策」の真意は不明だが、菊川の動揺はその後、現実味を帯びていく。

  ◆  ◆  ◆

 菊川らの辞任を要求し、逆に社長職を解任されたウッドフォードは10月14日以降、国内外の捜査機関やメディアに一連の不正を告発。菊川の会長兼社長辞任によって幕引きを図ろうとしたオリンパスの思惑とは裏腹に、欧米の捜査当局をも巻き込み「真相解明」を求める世論が高まりをみせていった。

 一方、菊川と森は、オリンパス社内でも沈黙を守り続けた。菊川の後任社長、高山修一(61)は就任当時、菊川らから損失隠しの事実を聞かされていなかった。蚊帳の外にいた高山は10月27日に開いた会見で、森同席のもと「(買収は)適正だった」と繰り返している。

 「パンドラの箱」が開いたのは同社が設立した第三者委員会の調査が本格化した11月7日のことだ。

 「実は、損失の先送りがあった」

 夕刻に呼び出された高山は、森から突然、こう打ち明けられた。

 「1990年代に財テクに失敗し、ファンドに移して損失を飛ばしていた」「4社買収はその穴埋めだった」…。

 平成10年以降、同社幹部ら数人のみで秘密裏に進められてきた錬金術。その核心部分が初めて“部外者”に対して語られた瞬間だった。菊川からも「今まで黙っていて申し訳なかった」と謝罪があったという。「三者委の調査が進んだことで『隠し通すことはできない』と判断したようだ」(同社関係者)。

 翌8日、同じホテルで12日前に開いた会見から一転、1人で疑惑を認める会見を開いた高山は唇をかみ、深く、頭を下げた。

  ◆  ◆  ◆

 一方、その後の三者委の調査に対し、菊川と森の対応は分かれた。

 ともに損失隠しを主導してきた前監査役の山田秀雄(66)とともに、森は連日のように、三者委の聴取に応じた。三者委関係者は、約1カ月で約200ページもの報告書をまとめ上げることができた要因として「2人が会社のことをよく考え、非常に協力的だった」点を挙げている。

 損失隠しのスキームは大手証券会社OBの助言を受けて山田と森が考案。10年当時の社長だった岸本正寿(76)の了承を受け、岸本は後に社長となった菊川に引き継いだとされる。会社の暗部を一手に背負ってきた重圧から解放された安(あん)堵(ど)感からか、森は三者委の聞き取りに「苦しかった。ほっとした」と漏らしている。

 だが、菊川が三者委の聴取要請に応じたのは数回のみ。「損失隠しは知っていたが、額は知らなかった」と説明し、具体的なことを聞かれると「最近はぼけてしまってよく分からない」などとあいまいな返答に終始したという。(敬称略)

 東京地検特捜部などは21日、金融商品取引法違反(有価証券報告書の虚偽記載)容疑で関係先の家宅捜索を実施。一連の疑惑は刑事事件へと発展した。三者委の調査で大筋が見えてきたものの、10年以上にわたって連綿と続けられてきた粉飾決算の「闇」は深く、暗い。

 ■有価証券報告書の虚偽記載 金融商品取引法は、総額1億円以上の有価証券の募集や売り出しを行う際、発行者に報告書の提出を義務づけており、虚偽の記載をした場合は投資家を欺く行為として10年以下の懲役もしくは1千万円以下の罰金が科される。カネボウやライブドアなど不正経理事件が続出したことから、平成18年に旧証券取引法が改正され、金商法で罰則が強化された。

豪邸、外車、クルーザー… オリンパス「飛ばし」で潤った証券OBたちの“居直り主張” (1/4ページ) (2/4ページ) (3/4ページ) (2/2ページ)11/21/11(産経新聞)

 バブルの後始末に苦慮した光学機器大手、そこにはうまみを求めて群がった証券OBがいた。東京地検特捜部などが、金融商品取引法違反(有価証券報告書の虚偽記載)容疑で強制捜査に乗り出したオリンパスの損失隠し事件。旧経営陣は10年以上も損失をひた隠し、大手証券会社OBら外部協力者には「報酬」などとして約140億円のカネが流れていた。豪邸、高級外車、クルーザー…。一連の不正経理を“ビジネスチャンス”とした証券OBは巨額の利益をつかんでいた。

 ■豪邸に踏み込む男たち

 徳川幕府5代将軍・綱吉の側用人として権勢をふるった柳沢吉保が造営した、東京都文京区の庭園「六義園」。そんな歴史的庭園から徒歩数分の距離にある2階建ての豪邸に21日午前、スーツ姿の一団が入った。東京地検特捜部の係官らによる家宅捜索だ。

 敷地面積は約443平方メートル、建物面積は計約450平方メートルに及ぶ。「土地の価格だけでも4億円はくだらないのではないか」(地元の不動産業者)。普段、車庫には高級外車のベントレーとBMWが止まっていて、近所の女性は「何の仕事かは知らなかったが、羽振りがいいんだなと思っていた」と話す。

 この豪邸に住むのは、オリンパスの巨額損失隠しに関与したとされる元コンサルタント会社社長、横尾宣政氏だ。大手証券で高崎支店長、新宿ビル支店長を歴任した後、コンサルタント会社を設立。自宅の土地は平成12年にコンサル会社名義で購入、その後に所有権を自身に移していた。

 土地を購入した時期は、同じく証券OBである佐川肇氏、中川昭夫氏とともにオリンパスの損失隠しに携わってから間もない頃だった。

 ■買収費水増し…巧妙な穴埋め

 オリンパスの第三者委員会や関係者の話などによると、オリンパスは昭和60年以降、財テクに奔走。当時経理部に在籍していた山田秀雄前監査役(67)と森久志前副社長(54)が主に金融資産の運用に携わったが、バブル崩壊とともに金融資産の損失は急速に拡大していった。

 平成12年4月の時価会計導入を控えた10年、含み損は950億円程度に達していた。焦った2人はかねてから投資業務について相談していた中川氏、佐川氏に泣きつき、含み損を抱えた金融資産を海外ファンドに買い取らせる「飛ばし」の手口を考案した。

 中川氏や佐川氏はファンドを設立するなど具体的な行動を開始。両氏と同じようにオリンパスの投資業務にアドバイスをしていた横尾氏も、ファンドに資金を融資する外国銀行をオリンパス側に紹介した。

 こうした協力のもと、約20の外国銀行やファンド、特別目的会社(SPC)が関与し、世界に網を張る複雑なスキームが完成。巨額の資金は、あたかも巣をはうクモのように移動し、損失は海外ファンドへと飛ばされていった。

 証券OB3人はその後の損失の穴埋めにも関与。18~20年に行われた国内外4社の買収に絡んで、買収手数料や買収費を水増しするなどの手口で計約1348億円を捻出し、損失穴埋めに還流させていた。

 今年10月以降、マイケル・ウッドフォード元社長(51)の“告発”で不透明なカネの流れが国際問題化する中、証券OBたちはあわてるように表舞台から姿を消した。

 ■クルーザー乗船…あだ名は「キャプテン」

 「ここから出ていけ、ここから出ていけ」。

 11月、香港の金融街近くにある高級アパート。ロイター通信の記者から取材を試みられた中川氏は英語でまくし立てたという。

 ロイター通信によると、背が高く、痩身(そうしん)の中川氏は日焼けした体にスカイブルーのシャツを着て、買い物袋を持っていた。記者が質問を重ねようとするが、中川氏はアパートの管理人に「警察を呼んでください」と言い、管理人に守られながらエレベーターに乗り込んでいった。

 一方、行方が分からないのが佐川氏だ。ブルームバーグによると、佐川氏は10月25日、米フロリダにある670平方メートルの自宅の権利を妻に10ドル(約780円)で譲渡し、約1週間後に離婚した。現地裁判所の記録では離婚の際、夫妻の資産は分割され、990万ドル(約7億7千万円)を元妻、150万ドル(約1億2千万円)を佐川氏が保有しているとされる。

 佐川氏をよく知る証券関係者は、私生活をこう証言する。「クルーザーを持っていて、いつも船に乗っていた。仕事をしているイメージはない。みんなからは『キャプテン佐川』と呼ばれていた」

 損失隠しと穴埋めを隠密に行うため、証券OBら外部協力者に支払われた「手数料」「報酬」は約140億円に上る。

 特捜部や警視庁などは家宅捜索で押収した財務資料を分析するとともに、証券OBらから事情を聴くなどして、関与の度合いや損失隠しのスキームなどの実態解明を進めている。

 オリンパスは支払った140億円のうち72億円の返還を求める方針だが、当人らが応じるのかは不透明。佐川氏が所在不明なことに加え、中川氏、横尾氏が三者委の調査にこう主張したとされるからだ。

 「あれは正当な報酬だった」

「サラリーマン根性」にメス 経理部の2人、“汚れ仕事”で出世 (1/2ページ) (2/2ページ)11/21/11(産経新聞)

 突然の「外国人社長解任」騒動から2カ月余り。オリンパスの損失隠し疑惑に21日、本格捜査のメスが入った。東京地検特捜部などが金融商品取引法違反(有価証券報告書の虚偽記載)容疑で、関係先の家宅捜索に着手した。損失を簿外に移す「飛ばし」に手を染め、隠蔽し続けた世界的光学機器メーカーの旧経営陣。そうした体質は、同社の第三者委員会に「サラリーマン根性の集大成」などと指弾された。バブル経済の負の遺産を先送りにしたツケは、刑事事件化という形ではね返った。

 10月14日に開かれたオリンパスの臨時取締役会。かねてから不透明なカネの流れについて問いただしていた社長のマイケル・ウッドフォード氏(51)の解職動議が、突然諮られた。ウッドフォード氏を除く全員が手を挙げ、解職はあっさりと決まった。

 「独断専行で組織の意思決定を進めた。文化の壁を越えられなかった」

 当時の菊川剛会長(70)は同日の記者会見で、解任の理由についてそう語った。だが、ウッドフォード氏がメディアや国内外の捜査機関に疑惑を告発することで、国際社会の疑念は膨らんだ。結果的に同社は三者委への調査委嘱を余儀なくされ、損失隠しなどの一連の不正が明るみに出た。

 三者委の調査や関係者の話などによると、同社は昭和60年以降、財テクに奔走。経理部に在籍していた山田秀雄前監査役(66)と森久志前副社長(54)が主に金融資産の運用に携わったが、バブル崩壊で含み損が膨らんだ。

 平成12年4月の時価会計導入を控えた10年、2人は含み損を抱えた金融資産を簿外に移す必要があると判断。大手証券OBらの協力を得て海外のファンドに飛ばし、菊川前会長ら歴代3社長に定期報告した。

 山田氏、森氏はその後、国内外4社の買収を利用した損失穴埋めでも中心的な役割を果たしていたとされる。“汚れ仕事”を一手に引き受け、出世の階段を駆け上がった2人だが、三者委の調査に「苦しかった」と心情を吐露したという。

 過去の“恥部”をひた隠し続けた旧経営陣。今月6日に公表された三者委の報告書には、厳しい表現が刻まれた。「経営の中心部分が腐っており、その周辺部分も汚染されていた」「悪い意味でのサラリーマン根性の集大成」…。

 作家で経済ジャーナリストの相場英雄さんは「オリンパスの不正経理は、日本企業が受けたバブル期の傷がいまだ癒えていないことを示している」とした上で、「こうした負の遺産を抱えた企業はオリンパス1社とはかぎらない。投資の世界では早くも、同様の怪しげな買収をしている企業がないかどうかを探す動きが出ている」と指摘している。

オリンパス:東京地検特捜部が強制捜査…虚偽記載容疑 12/21/11(毎日新聞)

 オリンパスの損失隠し問題で、東京地検特捜部は21日、旧経営陣による金融商品取引法違反(有価証券報告書の虚偽記載)の疑いが強まったとして、証券取引等監視委員会や警視庁と合同で、東京都新宿区の同社本社など関係先の一斉捜索に乗り出した。同社の巨額粉飾疑惑は刑事事件に発展した。

 捜索対象はほかに、損失隠しを主導したとされる菊川剛前会長(70)や山田秀雄前常勤監査役(66)、森久志前副社長(54)の自宅など数十カ所。特捜部は年度内の旧経営陣の立件を目指し、押収した資料の分析を進めるとともに、既に聴取した山田前監査役や森前副社長に加え、菊川前会長らからも事情聴取を進める方針。

 関係者によると、同社は80年代半ば以降の財テクに失敗。山田前監査役らは01年3月期決算から時価会計制度に移行する前の98年、計上を先送りしていた1000億円近い金融商品の含み損を海外の投資ファンドなどに移す「飛ばし」を実行したという。簿外の損失は03年に1177億円に達し、06年以降の英医療機器メーカー「ジャイラス」や国内ベンチャー3社などの企業買収に絡んで捻出した1348億円を損失の穴埋めに充てたとされる。

 旧経営陣は有価証券報告書に多額の損失を記載しなかった疑いがあるが、06年3月期以前の報告書については当時の証券取引法(現金融商品取引法)の時効(5年、現行法は7年)を迎えていることから、容疑は07年3月期以降の報告書に絞り込まれている。

 同社は11月、巨額の損失隠しを公表し、元最高裁判事や会計士などで構成する第三者委員会を設置。同委員会は今月6日に公表した調査報告書の中で、歴代トップの下山敏郎元会長(87)や岸本正寿元会長(76)も山田前監査役らの報告で損失隠しを把握、了承していたと認定した。一連の損失隠しには元大手証券会社員3人が指南役として関与したとも指摘し、捜査で実態を解明するとみられる。【鈴木一生、前谷宏】

オリンパス:損失隠しで一両日中に強制捜査…東京地検 12/21/11(毎日新聞)

 オリンパスの損失隠し問題で、東京地検特捜部は20日、旧経営陣による金融商品取引法違反(有価証券報告書の虚偽記載)の疑いが強まったとして、証券取引等監視委員会や警視庁と合同で一両日中にも関係先の捜索に乗り出す方針を固めた模様だ。同社の巨額粉飾疑惑は刑事事件に発展する見通しになった。

 捜索対象は同社本社(東京都新宿区)のほか、損失隠しを主導したとされる菊川剛前会長(70)や山田秀雄前常勤監査役(66)、森久志前副社長(54)の自宅など。特捜部は旧経営陣の年度内の立件に向け、押収資料の分析を進める方針。

 関係者によると、同社は80年代半ば以降の財テクに失敗。含み損を計上しなければならない時価会計に01年3月期決算から移行するのを機に、損失を海外のファンドなどに移す「飛ばし」を実行した。06~08年、英医療機器メーカーや国内ベンチャー3社の買収に伴い、買収資金など1300億円超を損失の穴埋めに充てたとされる。

“証券会社元社員らに150億円” 12/18/11(NHK)

オリンパスが1000億円を超える損失を隠していた問題で、証券会社の元社員らが当時の経営陣に不正の手口を指南するなどして150億円に上る報酬や手数料を受け取っていたことが関係者の話で分かりました。東京地検特捜部などは、近く関係先の一斉捜索に乗り出し、証券会社元社員らの関与についても調べることにしています。

オリンパスの損失隠しの問題では、平成10年から、山田秀雄元監査役と森久志元副社長が中心となって投資による損失を移し替える「飛ばし」と呼ばれる不正が行われていました。関係者によりますと、こうした手口は、山田元監査役らから相談を受けて3人の証券会社元社員が指南したということで、3人は損失の受け皿になるファンドを海外に設立するなど、直接、損失隠しに関わったということです。さらに3人は、その後、損失の穴埋め工作にも関わっていました。このうち2人が、イギリス企業の買収を仲介し、巨額の手数料を受け取ったように見せかけて632億円を捻出したほか、1人は国内3社の買収費を水増しすることを提案して716億円を捻出し、いずれもオリンパスの損失を消す費用に使われていました。こうしたさまざまな工作の報酬や手数料として、オリンパスからは、証券会社元社員などに合わせて150億円が支払われたということです。東京地検特捜部は、警視庁などと合同で、近く関係先の一斉捜索に乗り出し、資金の流れや証券会社元社員らの関わりについても調べることにしています。

オリンパス、外銀3行員に三十数億…リベートか 12/15/11(読売新聞)

 光学機器大手「オリンパス」の損失飛ばしを巡り、海外ファンドに買い取り資金を融資した外国銀行2行の担当者側に、同社から総額三十数億円が提供されていた疑いがあることが、同社の第三者委員会の調査でわかった。

 第三者委は2行に正規の手数料が支払われていることを確認しており、提供資金は損失処理への協力に対するリベートだった可能性が浮上。証券取引等監視委員会などで調査を進めている。

 第三者委の調査などによると、資金提供を受けていた疑いがあるのは、リヒテンシュタインの銀行員2人と、ドイツの銀行員の計3人(いずれも退職)。

 リヒテンシュタインの銀行は1998年、オリンパスの森久志前副社長(54)の依頼を受け、同社から預託された日本国債を担保に300億円を海外ファンドに融資。オリンパス側は2000年にも、同行が管理する別の海外ファンドに350億円を出資していた。

 また、ドイツの銀行は、シンガポール支店の行員が山田秀雄前常勤監査役(66)や森前副社長と協議しながら、00年までに、前監査役らが実質運営する特別目的会社(SPC)に対し、オリンパスの預金を担保に450億円の融資をした。

オリンパスの損失飛ばし、元監査役も了承 12/14/11(読売新聞)

 光学機器大手「オリンパス」の損失隠し問題で、同社が損失を飛ばした国内外のファンドの運用状況は、菊川剛前会長(70)ら歴代3社長以外に、太田稔元常勤監査役(69)にも報告されていたことが関係者の話などでわかった。

 太田元監査役は、経理部長時代から損失飛ばしを了承しており、会社の不正をチェックする監査役になってからも放置していた。証券取引等監視委員会は、太田元監査役の関与の詳細について調査を進めている。

 関係者の話や第三者委員会の調査によると、太田元監査役は経理畑を歩き、1990~2001年の約10年間にわたって経理部長を務めた後、常勤監査役に就任。04年に退職した。

監査法人の責任焦点 金融庁も行政処分視野に調査 (1/2ページ) (2/2ページ)12/14/11(産経新聞)

 オリンパスが14日、過去5年分(平成18~22年度)の決算を訂正したのを受け、これまで財務書類をチェックしてきた監査法人の責任も焦点になる。同社の第三者委員会は現時点で会計士の関与を確認していないが、損失隠しを見逃し、過去の決算を適正としてきた担当のあずさ、新日本の両監査法人の責任を指摘している。金融庁は調査を進め、違反事実が確認されれば課徴金などの行政処分を出す方針だ。

 オリンパスの監査は21年3月期まであずさ監査法人が、22年3月期以降は新日本監査法人が担当した。

 オリンパスの第三者委が今月6日に発表した報告書によると、あずさは21年3月期決算で、英医療器具会社買収の際の助言会社への報酬などを問題視し、会計処理で経営陣と対立。あずさの担当者は、説明不足を理由に「今後、監査するのは難しい」と迫ったが、最終的にオリンパスの監査役会が「問題なし」とすると、それ以上踏み込まずに「適正」意見を表明した。

 第三者委はこうした経緯について、「問題なしとしない」と一定の責任を認めた。新日本への交代に関しても、「両監査法人は交代の実質的理由に踏み込まず、形式的な引き継ぎに終わった」と問題を指摘した。これに対し、監査法人側は「適切な監査を実施してきた」(あずさ)、「現時点で問題は見当たらない」(新日本)としているが、新日本が有識者による検証委員会を設置するなど、自主的に信頼回復に取り組む姿勢もみせている。

 監査法人と会計士は企業の財務情報の正しさについてお墨付きを与える「市場の番人」だ。しかし、カネボウやライブドアなど過去の粉飾決算事件でも会計士らの関与が問題になった。

 平成17年のカネボウの粉飾決算では、担当していた当時の中央青山監査法人が金融庁から業務停止処分を受け、同法人は19年に解散に追い込まれた。不正監査の背景には、監査対象企業と会計士のなれ合いや、「監査法人が報酬をもらう相手企業の不正を指摘しにくい」(関係者)事情があるとされる。

 金融庁は、19年に公認会計士法を改正し、監査法人に対する罰則を強化した。自見庄三郎金融担当相は今回、両監査法人への調査を「法と証拠に基づき、会計士法に沿ってしっかりやる」と表明。法令違反が確認されれば、改正法で導入した課徴金制度が初めて適用される可能性もある。

オリンパス、投資で損失穴埋め計画 株価低迷で失敗 12/11/11(朝日新聞)

 オリンパスの損失隠し問題で、同社が今年3月に完全子会社化した情報通信サービス会社「ITX」(東京都港区)への投資は当初、簿外損失の穴埋めが目的だったことがわかった。ITX株の値上がり益で穴埋め資金を捻出する計画だったが、株価の低迷で失敗。その後、不正な企業買収に走る結果になった。

 損失隠しを主導したとされる山田秀雄・前常勤監査役と森久志・前副社長が、同社の第三者委員会の調べに対して説明した。近く関係先の捜索に乗り出す東京地検特捜部や証券取引等監視委員会も2人から事情を聴いており、こうした経緯を把握している模様だ。

 第三者委が6日に公表した調査報告書によると、山田、森両氏は1998年に、含み損のある金融資産を外部のファンドに簿価で買い取らせて移す「飛ばし」の準備を始めた。しかし、買い取り資金は、オリンパスの外貨預金を担保にした銀行融資などでファンドに流していたため、いずれ穴埋めが必要だった。

今のところ、一部の上層部の人間が関与していることがわかっている。しかし、これは完全に組織な隠蔽と言えると思う。

オリンパス、海外子会社2社も不正に関与 12/11/11(読売新聞)

 光学機器大手「オリンパス」の損失隠し問題で、同社の海外子会社2社も、損失飛ばしやその穴埋めに関わっていたことが、オリンパスの第三者委員会の調査でわかった。

 同社の損失隠しでは、約20の海外ファンドなどが利用されていたが、2社は融資などの名目で、ファンドに資金を流していた。証券取引等監視委員会は、不正を発覚しにくくするため、海外子会社を巻き込んだとみて調べている。

 第三者委によると、損失隠しに関与していたのは、中国・香港に設立された「オリンパスアセットマネジメント(OAM)」と「オリンパスファイナンス香港(OFH)」の2社。

 OAMは、2000年3月、リヒテンシュタインの銀行が設立した海外ファンドに約200億円を融資。融資金は、複数のファンドを経由して、オリンパスが保有していた含み損を抱える金融商品の購入費などに充てられていた。

監査法人、前会長らが解任…買収の問題指摘直後 12/10/11(読売新聞)

 光学機器大手「オリンパス」の損失隠し問題で、同社の会計監査を担当していた「あずさ監査法人」(東京)が、損失穴埋めに使った英企業と国内3社の買収について問題点を指摘した直後の2009年、菊川剛前会長(70)と山田秀雄前常勤監査役(66)の2人が一方的に同社に解任を通告していたことが、第三者委員会の調査でわかった。

 解任後、穴埋めのために英企業買収に絡む約600億円が支出されており、証券取引等監視委員会は、損失処理を強行するため、解任したとみて調べている。

 第三者委の調査などによると、あずさ監査法人は09年3月期の監査に向け、08年12月から調査に着手。英医療機器メーカー「ジャイラス」買収を巡り、米投資助言会社に支出された約70億円の高額報酬についての妥当性や、買収した国内3社の損失計上の必要性について問題を指摘した。

「オリンパスの損失隠し問題で、岸本正寿元社長と後任の菊川剛前社長に損失の状況を伝えるための報告書の一部が、担当社員が自宅で使っていた私用パソコンから見つかっていたことがわかった。」

菊川剛前社長は嘘をついた。、「報告が終わるとパソコンのデータを消し、紙の資料も回収して廃棄した」悪質で最低である。 株主から訴えられるとは思うが、最高刑の刑務所に10年が妥当と思う。悪人には最高刑が必要。他の不正に関与している人達の戒めとしても 必要だと思う。

オリンパス社長関与、裏付けか 社員PCに損失報告書 12/09/11(朝日新聞)

 オリンパスの損失隠し問題で、岸本正寿元社長と後任の菊川剛前社長に損失の状況を伝えるための報告書の一部が、担当社員が自宅で使っていた私用パソコンから見つかっていたことがわかった。同社が設けた第三者委員会に対して、この担当者は「大半は会社のパソコンで作成し、社長への報告後にその都度、削除していた」とも話したという。

 岸本氏は2001年まで8年間社長に在任。菊川氏はその後任として、今年4月にマイケル・ウッドフォード元社長に交代するまで社長を務めた。第三者委に対して岸本氏は「私は関係ない」、菊川氏は「損失隠しは知っていたが、額を知ったのは最近になってから」と説明した。しかし第三者委は、担当社員の自宅パソコンから報告書を発見したことで、「2人が報告を受けていた」という疑いを強めたという。

 第三者委の聞き取り調査に対しては、森久志前副社長と山田秀雄前常勤監査役が調査7日目の11月7日にまず、損失隠しを認めた。さらに「岸本、菊川の両社長に定期的に報告し、了承を得ていた」と証言。報告の際は、森前副社長と山田前監査役の部下だった社員が会社のパソコンを使い、海外のファンドなどに隠した損失や資金運用などの状況をまとめた報告書を作成し、印字して説明していたという。

 この社員は第三者委に対し、「報告が終わるとパソコンのデータを消し、紙の資料も回収して廃棄した」と説明し、実際に発見できなかった。しかし、11月下旬になって、第三者委が社員の自宅のパソコンを調べたところ、岸本、菊川両氏あての報告書の一部が見つかった。ごく一時期、社員が自宅で作業していたときのものが残っていた。03年時点の損失が、1177億円に上ることも明記されていたという。

「イエスマン」の人間が出世し、取締役になったのなら、高山社長の方針の通り「現経営陣は総退陣」するべきだ。取締役会が機能していなかったし、 過去の取締役達にも責任を負わせるべきだ。取締役として良い思いをしたのなら本来の取締役の責任を果たさなかった事に対する責任を取らさせるべきだ。

オリンパス取締役会形骸化 第三者委「縦割り意識極端」 12/09/11(朝日新聞)

 「信頼し切っていた」「仲間が言うなら、仕方がない」……。長年にわたる巨額の損失隠しと、企業買収を利用したひそかな穴埋め。オリンパスの取締役会のメンバーは、一部の幹部による不正な経理をなぜ防げなかったのか。同社が設けた第三者委員会の聞き取り調査に応じた当時の役員の証言からは、形骸化の実態が浮かび上がってくる。

 1990年代の財テク失敗による有価証券の含み損の会計処理が議題とされたのは、99年10月の取締役会。当時の下山敏郎会長が「現在の円高状況を考えると、金融資産を一気に償却したい」と説明し、168億円の特別損失の計上が全会一致で承認された。

 「処理はこれで全部か」という質問に、「全部だ」との説明があったという。だが実際にはこの時期に、含み損は約960億円に膨らんでいた。時価会計導入を前に、海外ファンドに移し替える「飛ばし」に手を染め始めていた。

 「財務経理担当はエキスパートが多かったし、監査法人とも相談していたので信頼し切っていた」「多くの大企業が財テクで大損していたので、オリンパスも失敗したんだという程度にしか思わなかった」。当時の役員らは第三者委に、こう語った。「カメラのようなわかりやすい話はかなり盛り上がったが、財務経理は盛り上がらなかった」という役員もいた。

 その後、オリンパスは2006~08年に4社の企業買収を利用して、買収額や助言会社への報酬を水増しし、簿外損失の穴埋め資金に充てた。健康食品販売会社など国内3社の株式買い取りは08年2月の取締役会で承認され、最終的な買収資金は約730億円に。一連の不正経理を主導した森久志・前副社長が、その必要性を説明したという。

 「1社は面白そうな事業と思ったが、ほかの2社はオリンパスと全く関係ないと思った」。慎重な意見が出ると、森氏は「3社はパッケージで分けられない」と説明。ある役員は「仲間としてやっている森がそこまで言うなら仕方ないかなと思った」という。

 最後は、議長の菊川剛・前社長から「いいですか」と発言があり、特に反対もなく承認されたという。

 英医療機器会社を買収した際の助言会社への法外な報酬については、取締役会で特段の議論があった形跡もない。

 取締役会の形骸化の要因として、第三者委は「極端な縦割り意識」を指摘し、「他人の担当には無関心だった」と分析。取締役の人事や報酬の決定権が社長専属だったため、「イエスマン」の取締役が多く、取締役会の議論や意思決定が妨げられた可能性にも言及した。

 マイケル・ウッドフォード元社長は今年10月、巨額買収などをめぐる疑惑を突きつけて、菊川氏らの役員退任を迫った。それに対し、取締役たちは疑惑内容を検証もせずに、当時会長だった菊川氏に肩入れしてウッドフォード氏の解職動議を承認した。第三者委の報告書は、この事実こそが形骸化の「好例」だとした。

オリンパス、現経営陣総退陣へ 高山社長が方針 12/07/11(産経新聞)

 オリンパスの巨額損失隠し問題で、同社の高山修一社長は7日の記者会見で、損失隠しに関わった旧経営陣に対して「刑事告発を検討している」と述べ、法的措置に踏み切る考えを明らかにした。また、高山社長は、14日までに訂正決算報告書と第2四半期報告書を提出すると発表。決算訂正など「再建のメドをつけたうえで、臨時株主総会で新しい体制を提案する」と述べ、臨時株主総会を開き、現経営陣は総退陣する方針を明らかにした。総会では他社との業務提携の検討結果も提案するとした。

 同社は法的措置を取るため2つの特別委員会を設置。設置するのは弁護士からなる「取締役責任調査委員会」と「監査役等責任調査委員会」。損失隠しに関わった幹部に善管注意義務違反があったとして損害賠償を請求する方向。今後の捜査の行方次第では刑事告訴も視野に入れる。

 第三者委員会が6日公表した調査報告書では不正に関与した関係者の法的責任を追及することなどを求めており、オリンパスは特別委員会の設置を決めた。

 特別委員会では、来年1月17日までに旧経営陣や幹部が損失隠しに関わったのかの調査結果をまとめる。

 監査役等責任調査委員会は、不正経理に関わった幹部に加え、損失穴埋めのために利用された英医療器具会社や健康食品会社など国内ベンチャー3社の買収を意思決定した際の取締役など、責任に応じて退任や減俸などの処分を判断する。損失隠しを進めた菊川剛前会長兼社長ら旧経営陣のほか、買収を行った当時取締役だった高山社長らも責任追及の対象となる。一方、取締役責任調査委員会は法的措置の是非を判断する。

オリンパス:歴代社長に報告書…財務担当のPCに「物証」 12/07/11 (毎日新聞)

 オリンパスの損失隠し問題の調査にあたった同社の第三者委員会(委員長・甲斐中辰夫弁護士)は歴代3社長の関与を認定したが、その根拠には複数の「物証」があった。このうち同社財務部担当者の保有するパソコンから見つかった「定期報告書」には、国内外のファンドで管理されていた含み損の状況が一覧で記載され、歴代社長の名が宛先として連記されていた。【鈴木一生、島田信幸】

 6日公表された第三者委の報告書は、84年以降に社長を務めた下山敏郎元会長(87)、岸本正寿元会長(75)、菊川剛前会長(70)の了承の下、山田秀雄前常勤監査役(66)と森久志前副社長(54)を中心に損失隠しが進められたと指摘。この5人と、90年から約11年間にわたり経理部長を務めた元常勤監査役の計6人が実態を把握していたと認定した。

 報告書によると、菊川前会長が社長に就任した01年6月以降、年2回の割合で、岸本元会長、菊川前会長、元常勤監査役が参加する極秘会議が開かれた。定期報告書はこの会議でその都度示され、03年9月作成の「135PB 運用報告」と題された書面には「下山取締役殿」「岸本会長殿」「菊川社長殿」などの宛名を連記。「預金」「債券」「投資信託」「出資金」の勘定科目ごとに、「残高」と「含み損益」の数字が記され、「対前期比」も示されていた。

 これは裏帳簿を基に、ファンドにおける含み損を定期的に確認したものとされ、当時、非常勤取締役に退いていた下山元会長にも、山田前監査役らから別途、個別に報告されていた。裏帳簿は調査では見つかっておらず、定期報告書は歴代社長らへの報告後に廃棄処分されていたという。第三者委は、山田前監査役らの指示で定期報告書を作成した同社財務部の担当者のパソコンから現物を発見した。

 このほか、損失隠しの枠組みに関わった外国銀行との契約書からは、岸本元会長と菊川前会長の署名も見つかったという。

 オリンパスの損失額は99年に960億円だったが、03年には1177億円まで拡大。06~08年の英医療機器メーカーと国内ベンチャー3社の買収などで捻出した1348億円で穴埋めしていた。

 下山、岸本両元会長は第三者委に関与を否定し、菊川前会長も「損失額は最近知った」などと釈明しているとされるが、実行役だった山田前監査役と森前副社長は歴代社長への報告を認めた上で「(不正を続けてきて)苦しかった。(発覚して)ほっとした」と話しているという。

 ◇歴代社長らの発言◇

 岸本元会長と菊川前会長は山田前監査役らとのやりとりの中で損失隠しを認識している発言をしていた。第三者委が報告書に記載した主な発言は以下の通り。

「市場が回復すれば損失も減り挽回することができるはずだから待つ」(岸本元会長が90年代中ごろ以降、山田前監査役から損失公表を提案され)

「どうだ、全部消せるか」「これで終わるといいな」(菊川前会長が08年9月ごろ、山田前監査役らから損失解消スキームについて報告を受け)

オリンパス:損失隠し 東証、上場廃止審査へ 12/07/11 (東京朝刊 毎日新聞)

 東京証券取引所は6日、オリンパス株を上場廃止にするかどうかの審査に入ると発表した。また、東証は投資家に上場廃止の恐れがあることを周知するため監理銘柄(審査中)に指定した。オリンパスの第三者委員会の調査報告書が発表され、有価証券報告書の虚偽記載が具体的に明らかになったことを受けた措置。東証は今後、調査報告書などをもとに審査を進め、会社の組織的な関与の度合いや悪質性、市場の規律維持や株主に与える影響などを「総合的に判断」(東証)する。審査は最短でも1カ月程度はかかるとみられる。

 東証が虚偽記載の影響が重大と判断すれば、オリンパス株の上場廃止が決まる。上場維持と判断した場合でも、「特設注意市場銘柄」に指定して1年ごとに内部管理体制について報告を求めることがある。【井出晋平】

オリンパス:損失隠し 元証券マン協力、詳述 第三者委「損失隠し3ルート」 12/07/11 (東京朝刊 毎日新聞)

 「外部の協力なしにできなかった」。オリンパスの損失隠しについて第三者委員会が6日公表した報告書は、社外の元大手証券会社員らの関与にも言及した。多数の国内外のファンドを介在させる複雑な手法を「損失分離スキーム」と表現し詳述。今後、東京地検特捜部などは報告書を分析しつつ本格的な捜査を始めるとみられる。【島田信幸、川名壮志】

 報告書によると、同社は85年ごろ金融商品の積極運用を始め、90年代後半までに含み損が1000億円近くに拡大。運用を任されていたのは経理部出身の山田秀雄前常勤監査役(66)と森久志前副社長(54)。00年4月からの時価会計制度導入を前に98年、損失を社外に移す必要に迫られ、当時社長の岸本正寿元会長(75)の了承の下、「飛ばし」に着手した。

 山田前監査役らが頼ったのが投資面の相談先だった国内大手証券会社の元社員ら。独立して証券会社社長となった中川昭夫氏と投資助言会社社長の佐川肇氏は証券業務で培った人脈を駆使し、ケイマン諸島などに飛ばし先としてのファンドを設立していったという。第三者委は、これらを「受け皿ファンド」と位置づけ、欧州、シンガポール、国内の3ルートで損失隠しを進めたと認定した。

 飛ばしの手法は(1)銀行に預金(2)預金を担保に受け皿ファンドに融資させる(3)そのファンドが融資金をもとに含み損を抱えた金融商品をオリンパスから簿価で購入--が基本形。欧州とシンガポールのルートでは、外国銀行の口座預金などを担保に、外国銀から300億~450億円を受け皿ファンドに融資させた。このうち欧州の外国銀の仲介役は同じ元大手証券マンのコンサルタント会社社長、横尾宣政氏が務めた。

 国内ルートではオリンパスが00年、300億円を出資し事業投資ファンドを設立。このファンドを通じて受け皿ファンドに資金を流し、受け皿ファンドは流し込まれた資金でオリンパスから含み損を抱えた金融商品を簿価で購入、05年までに飛ばしを完了させた。

 その後、オリンパスは06~08年に英医療機器メーカーや国内ベンチャー3社を買収し、投資助言会社への報酬や買収資金で受け皿ファンドに移した損失を穴埋めした。

 第三者委は会見で、中川、佐川両氏側などに約35億円が渡った可能性を指摘。中川氏は「正当な報酬」と主張したというが、甲斐中辰夫委員長は「正当とは言えないのではないか」と疑問視した。

 

一方、第三者委の調査を優先させてきたとみられる捜査当局の幹部は「生きている会社だけに取り扱いが難しい」と慎重だ。オリンパスは内視鏡で世界的なシェアを誇る優良企業で、再建中だったカネボウ粉飾事件(05年)などとは違うとの見解だ。ただ、粉飾額は巨額で海外捜査機関も注目するケースだけに、捜査には東京地検特捜部だけでなく証券取引等監視委や警視庁も意欲を見せる。  ◇難解資金移動、受け皿2ファンド

 第三者委は、多額の資金を複雑に動かしながら損失を隠した難解なチャート図を公表した。図中の「LGT銀行」(リヒテンシュタイン)以外は損失隠しに関与した主に海外のファンド。「飛ばし」の受け皿ファンド「Central Forest Corp.(CFC)」に約640億円、同「Quick Progress Co.(QP)」に約320億円の計約960億円の損失が隠された。

オリンパス旧経営陣立件へ 虚偽記載容疑、今月中旬に本格捜査 (1/2ページ) (2/2ページ)12/07/11(産経新聞)

 オリンパスの損失隠し疑惑で、東京地検特捜部は6日、巨額損失を隠すために粉飾決算が続けられてきたとして、金融商品取引法違反(有価証券報告書の虚偽記載)の疑いで、旧経営陣を立件する方針を固めた。オリンパスは平成23年9月中間連結決算を盛り込んだ報告書を14日に金融庁に提出する予定で、特捜部は報告書の提出後、証券取引等監視委員会や警視庁と連携し、旧経営陣の聴取や裏付け証拠の収集など本格捜査に着手する見通しだ。

 同社の第三者委員会が6日に公表した報告書や関係者によると、オリンパスは1990年代に財テクに失敗し、最大時で1177億円の含み損を抱え、少なくとも平成10年ごろから決算で損失計上せず、海外ファンドなどに損失を移す「飛ばし」を開始した。

 同社は18~20年、企業価値を上回る総額732億円で国内非上場会社3社を買収。このうち716億円が複数のファンドに流れた。さらに20年に行った英医療器具会社「ジャイラス」買収の際は、英領ケイマン諸島の助言会社などへ相場を超える632億円(当時のレートで計算)の報酬を支払い、買収に絡んで支出した計1348億円を還流させて損失を穴埋めしていた。

 オリンパスは、損失隠しを主導したのは菊川剛前会長(70)▽森久志前副社長(54)▽山田秀雄前監査役(66)-の3人だったと発表。ファンドを介在させる手法は、山田前監査役と森前副社長が中心となって考案し、菊川前会長ら経営トップに報告されていたことが明らかになっている。

 特捜部は11月、森前副社長と山田前監査役から任意で事情聴取。2人は損失隠しなどへの関与を認めている。損失隠しや損失穴埋めに関する資金の流れは有価証券報告書に記載されていないことから、特捜部は一般投資家を欺く悪質性が高い行為で、旧経営陣の刑事的責任は免れないと判断したもようだ。一方、一連のスキームについては大手証券会社OBらも関与しており、特捜部は損失穴埋めの企業買収について、同法の偽計取引に当たる可能性も慎重に検討している。

オリンパス:損失隠し 飛ばしで1177億円隠蔽 監査法人の責任言及 第三者委報告 12/07/11 (東京朝刊 毎日新聞)

 オリンパスの損失隠し問題で、同社の第三者委員会(委員長・甲斐中辰夫弁護士)は6日、調査報告書を発表した。同社が「飛ばし」で簿外に隠した損失は03年に1177億円に達し、その後、企業買収に絡んで捻出した1348億円で穴埋めしたと認定。下山敏郎、岸本正寿、菊川剛の歴代社長も損失隠しを認識していたと指摘した。また、同社の決算を監査した監査法人の責任にも言及し、一連の不正経理に関わった役員・監査役の一新や、監査法人の責任強化を柱とする再発防止策を提言した。

 調査報告書によると、損失隠しは山田秀雄前常勤監査役と森久志前副社長が実行。時価会計制度移行前の98年に受け皿となるファンドを設立し、財テクによる含み損を移す「飛ばし」を考案した。2人は「飛ばし」について、当時会長だった下山氏、社長だった岸本氏、99年に経理担当役員になった菊川氏に定期的に報告していたという。

 2人はその後、含み損を抱えたファンドの損失を解消するため、国内3社の買収資金や英医療機器メーカー買収に絡む報酬を複数のファンドを通じて還流させ、穴埋めにあてていた。元証券会社の社員も関与し、01年に社長に就任した菊川氏も了承していた。

 報告書は、「トップ主導で限られた人間に権限を集め、飛ばしの実態を知る者だけが出世する」というワンマン体制による隠蔽(いんぺい)体質を問題視。問題に関わった役員を一新したうえで、不正に加担した関係者の法的責任も追及すべきだと指摘した。また、反社会的勢力など外部への資金流出はなかったと断定した。

 一方、09年3月期まで監査を担当していたあずさ監査法人と、10年3月期から担当している新日本監査法人の責任にも言及。不適切な経理を指摘したあずさが事実上解任されたにもかかわらず、両法人の形式的な引き継ぎにより、不正を追及できなかったとした。

 会見で甲斐中委員長は「企業ぐるみでの不祥事が行われたわけではない。旧経営陣の病巣を除き、再生を目指すべきだ」と述べ、法的責任については司法当局に判断をゆだねた。

 委員会の発表を受け、オリンパスは7日午前に取締役会を開き、午後に再発防止策を発表する。【寺田剛、浜中慎哉】

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 ■ことば

 ◇飛ばし

 会社が保有する金融商品などが値下がりして損失が出た際、社外ファンドや決算期が異なる子会社に実態よりも高い価格で売り渡すなどして会社の損失が表面化しないようにすること。バブル崩壊後に表面化が相次ぎ、2684億円に上る簿外債務を海外の子会社などに付け替えた山一証券(97年自主廃業)が代表的なケース。意図的な飛ばしは粉飾決算として金融商品取引法違反(有価証券報告書の虚偽記載)に当たる。

オリンパス:損失隠し 監査法人、本格調査へ--金融庁 12/07/11 (東京朝刊 毎日新聞)

 オリンパス問題では、企業の財務書類をチェックする監査法人の役割が改めて焦点となった。報告書は、1974年から監査を担当していた「あずさ監査法人」が、不正の端緒に触れながら、最終的に決算を認めたとして「問題なしとしない」と指摘。監査法人の資質や、契約企業との関係が改めて議論となりそうだ。金融庁は報告書を受け、あずさと「新日本監査法人」などへの聞き取り調査を本格化させる方針だ。

 報告書によると、あずさは2008年、オリンパスによる英医療機器メーカーの買収額などが高額だと問題提起。あずさの担当者はオリンパスの説明不足を指摘し、「監査契約の継続は難しくなる」と迫った。しかし、オリンパスの監査役会が「問題なし」と結論付けると、09年3月期の監査で「決算は適正」との意見を出した。

 その後、オリンパスはあずさとの契約を打ち切り、09年6月に契約先を新日本監査法人に変更。ただ、あずさと新日本は業務引き継ぎを「形式的かつ簡略」なものにとどめ、日本公認会計士協会が求める十分な情報交換をしなかった。このため報告書は「職責を果たしていない」と両者を批判。後任の新日本に対しては、買収時の投資助言会社への高額報酬については「慎重な判断」が必要だったとの認識を示した。

 また、あずさは99年、オリンパスの損失隠しの一部に気づいて是正させたが、全貌は把握できなかった。ただ、報告書はこれらの対応について、デリバティブ商品などによる含み損の発見は困難との見解を示し、監査法人の責任追及は限定的なものにとどめる内容だ。

 これに対し市場では、「不正に積極的に加担していなくても、監査が甘かったのでは」(アナリスト)との指摘もある。金融庁は監査法人が損失隠しをどの程度知っていたかや、監査に過失があったかなどを中心に調査し、重大な問題があれば公認会計士法に基づき行政処分を行う。

 05年に表面化したカネボウの巨額粉飾決算では、公認会計士が粉飾に関与したとして証券取引法違反に問われ、金融庁は粉飾決算に関与した監査法人に課徴金を科す制度を設けた。今回は会計士の関与は認められないが、あずさがオリンパスによる買収の問題点を指摘した後に契約を打ち切られたことを踏まえ、監査法人が契約先に遠慮せず監査できるよう独立性強化が求められる。【田所柳子】

オリンパス第三者委:「サラリーマン根性の集大成」と指摘 12/06/11 (毎日新聞)

 「経営中心部分が腐っていた」。オリンパスの損失隠し問題を調査した第三者委員会(委員長・甲斐中辰夫弁護士)は、6日に発表した調査報告書で同社を厳しく批判した。社内で不正が長年見過ごされた背景に、「役員間には事を荒だてず、自分の担当する業務のみ見て『大過なく』職務を乗り切ろうとする意識があった」と指摘。「悪い意味でのサラリーマン根性の集大成ともいうべき状態だった」と断じた。

 東京都内での会見には国内外のメディアから約200人が詰めかけ、東京証券取引所の取引終了と同時の午後3時、報告書の要約版が配られた。「強制権限を持たない任意の調査。すべてが分かったわけではない」。甲斐中委員長はそう前置きし、概要を説明した。

 報告書は損失隠しが岸本正寿元会長(75)の社長時代に始まり、後任の菊川剛前会長(70)に引き継がれ、岸本元会長の前任の下山敏郎元会長(87)にも報告されていたと言及。「本件損失処理策は、オリンパスの巨大な負の遺産として、いわば裏の最優先経営課題と位置づけられていた」と指摘した。

 不正が長年表面化しなかった理由については▽トップ主導で、取り巻きの一部幹部により秘密裏に行われた▽歴代社長に透明性やガバナンスの意識が低く、正しいことでも異論を唱えれば外に出される覚悟が必要だった▽風通しが悪く、意見を自由に言えない企業風土--など厳しい文言が並んだ。

 甲斐中委員長は「あまりに当然のことだが、結局は取締役、監査役の個人の自覚、真剣な職務の実行が必要だ」と語った。【山本将克、山田奈緒】

 ◇下山元会長、関与改めて否定

 損失隠しへの関与を指摘された下山敏郎元会長は6日夕、東京都内の自宅でインターホン越しに「ずいぶん前に会社を辞めていて(損失隠しに)関わっていない。(報告を受けた)記憶はない。報告書も読んでいないし、分からない」と報道陣に答えた。

 ◇元取締役の男性「社員に謝罪を」

 一方、95~06年に取締役だった宮田耕治さん(70)は歴代社長に対し「なぜ損失隠しをしたのか、当時の会社の状況など従業員に真実を説明して謝ってほしい」と求めた。ただし、報告書は「取締役にイエスマンが多く、取締役会が形骸化していた」とも言及。宮田さんは「心に痛く響く指摘。(損失を隠した)財務部門は専門性が高く『質問をして恥をかくのでは』という意識もあった。私もファンドへの投資を決定する取締役会で意思決定に携わったので連帯責任を負う」と悔やんだ。【中川聡子、山下俊輔、町田徳丈】

 ◇第三者委員会は6人で構成

 第三者委員会はオリンパスと利害関係のない弁護士5人と公認会計士1人の計6人で構成。委員長の甲斐中辰夫弁護士は95年にオウム事件を東京地検次席検事として指揮し、その後、東京高検検事長を経て最高裁判事も務めた。有田知徳弁護士は名古屋地検特捜部の初代特捜部長で元福岡高検検事長。中込秀樹弁護士は名古屋高裁長官などを歴任した。こうした委員と関係する七つの法律・会計事務所の弁護士や公認会計士ら約50人が調査の補助にあたり、関係者から計189回のヒアリングを行った。

 ◇動機、過程が判然とせぬ

 ライブドア事件の捜査を指揮した元東京地検特捜部長、大鶴基成弁護士の話 第三者委員会は、歴代トップが極めて巧妙な仕組みの損失隠しを了承していたと明らかにした。ただ、多くの企業が財テクの失敗による多額の損失を明らかにしていた時期に隠蔽(いんぺい)に走った動機や過程は判然としない。財務担当幹部だけで複雑な仕組みを考案できるのかも疑問だ。強制力を持つ捜査当局による全容解明を期待したい。

 ◇全社員の意識改革必要

 企業法務に詳しい久保利英明弁護士の話 第三者委員会は、問題が起きた主な原因を一部トップのコンプライアンス意識の低さにあったと指摘したが、今後会社が生まれ変わるためには全社員の意識改革が必要だ。上層部も「おかしいことはおかしい」という意見を歓迎しなくてはならない。その意識改革と合わせ、速やかに臨時株主総会を開いて経営陣を刷新し、内部通報などが生きる風通しの良い企業風土を作っていくべきだ。

オリンパス第三者委:元証券マンの協力詳述…調査報告書 12/07/11 (毎日新聞 )

 「外部の協力なしにできなかった」。オリンパスの損失隠しについて第三者委員会が6日公表した報告書は、社外の元大手証券会社員らの関与にも言及した。多数の国内外のファンドを介在させる複雑な手法を「損失分離スキーム」と表現し詳述。今後、東京地検特捜部などは報告書を分析しつつ本格的な捜査を始めるとみられる。

 報告書によると、同社は85年ごろ金融商品の積極運用を始め、90年代後半までに含み損が1000億円近くに拡大。運用を任されていたのは経理部出身の山田秀雄前常勤監査役(66)と森久志前副社長(54)。00年4月からの時価会計制度導入を前に98年、損失を社外に移す必要に迫られ、当時社長の岸本正寿元会長(75)の了承の下、「飛ばし」に着手した。

 山田前監査役らが頼ったのが投資面の相談先だった国内大手証券会社の元社員ら。独立して証券会社社長となった中川昭夫氏と投資助言会社社長の佐川肇氏は証券業務で培った人脈を駆使し、ケイマン諸島などに飛ばし先としてのファンドを設立していったという。第三者委は、これらを「受け皿ファンド」と位置づけ、欧州、シンガポール、国内の3ルートで損失隠しを進めたと認定した。

 飛ばしの手法は(1)銀行に預金(2)預金を担保に受け皿ファンドに融資させる(3)そのファンドが融資金をもとに含み損を抱えた金融商品をオリンパスから簿価で購入--が基本形。欧州とシンガポールのルートでは、外国銀行の口座預金などを担保に、外国銀から300億~450億円を受け皿ファンドに融資させた。このうち欧州の外国銀の仲介役は同じ元大手証券マンのコンサルタント会社社長、横尾宣政氏が務めた。

 国内ルートではオリンパスが00年、300億円を出資し事業投資ファンドを設立。このファンドを通じて受け皿ファンドに資金を流し、受け皿ファンドは流し込まれた資金でオリンパスから含み損を抱えた金融商品を簿価で購入、05年までに飛ばしを完了させた。

 その後、オリンパスは06~08年に英医療機器メーカーや国内ベンチャー3社を買収し、投資助言会社への報酬や買収資金で受け皿ファンドに移した損失を穴埋めした。

 第三者委は会見で、中川、佐川両氏側などに約35億円が渡った可能性を指摘。中川氏は「正当な報酬」と主張したというが、甲斐中辰夫委員長は「正当とは言えないのではないか」と疑問視した。

 一方、第三者委の調査を優先させてきたとみられる捜査当局の幹部は「生きている会社だけに取り扱いが難しい」と慎重だ。オリンパスは内視鏡で世界的なシェアを誇る優良企業で、再建中だったカネボウ粉飾事件(05年)などとは違うとの見解だ。ただ、粉飾額は巨額で海外捜査機関も注目するケースだけに、捜査には東京地検特捜部だけでなく証券取引等監視委や警視庁も意欲を見せる。【島田信幸、川名壮志】

オリンパス:第三者委、監査法人の責任指摘へ 12/06/11 (毎日新聞 )

 オリンパスの損失隠し問題で、同社の第三者委員会(委員長・甲斐中辰夫弁護士)は監査法人の責任についても調査報告書に盛り込む方向で最終調整していることが分かった。報告書は01年まで社長を務めた岸本正寿元会長(75)や後任の菊川剛前会長(70)ら歴代経営陣の関与も記載し、6日にも発表する。

 関係者によると、同社は90年代に財テクに失敗し、多額の含み損を抱えた有価証券の損失計上を先送り。時価会計制度導入(01年3月期)を機に海外投資ファンドなどに損失を移す「飛ばし」を行ってきた。06~08年の英医療機器メーカーや国内ベンチャー3社の買収に伴う投資助言会社への報酬や買収資金など計約1400億円の大半を、複数のファンドを通じて損失の穴埋めに流用し、その仕組みには国内大手証券会社OBらが深く関与していた。

 オリンパスの監査は09年3月期まで「あずさ監査法人」が、10年3月期からは「新日本監査法人」が担当。第三者委は、10年以上にわたり損失隠しを見抜けなかった責任は重いとして、両法人の監査体制の問題点などを報告書で指摘する方向で調整している。

 一方、岸本元会長は第三者委の聴取に「損失隠しには関わっていない」と説明した。だが、元会長が社長を務めていた00年3月期決算で総額数百億円の含み損があったにもかかわらず、特別損失を約170億円しか計上しなかった点などを第三者委は重視。当時、経理に関わる部署は社長直轄だったことなどから、「知らなかったはずはない」と判断したとみられる。

 菊川前会長については、損失隠しの実務を主導したとされる山田秀雄前常勤監査役(66)や森久志前副社長(54)らが「前会長に報告していた」と話しており、第三者委は前会長も不正を認識していたとみている模様だ。前会長は、第三者委の聴取に「損失隠しは知っていたが、額については最近知った」と釈明しているという。

 一方、社長を解任されたマイケル・ウッドフォード氏が言及した「反社会的勢力など外部への資金の流出」の可能性については、含み損額と損失穴埋め額がほぼ同額だったことなどから、認められなかったと結論づけるとみられる。

「腐った経営中枢」 保身で不正の泥沼に (1/3ページ) (2/3ページ) (3/3ページ)12/06/11(産経新聞)

 「経営中心部が腐っていた」「サラリーマン根性の集大成」。オリンパスの第三者委員会が6日公表した報告書は、中枢幹部が保身のために財テク損失の「飛ばし」に手を染め、企業買収を隠れみのに穴埋めするという「不正の泥沼」にはまっていった実態を浮き彫りにした。さらに大手証券会社OBら「金融のプロ」が関与し、監査法人にも見抜けない巧妙なスキームが考案された。不正の手口や原因を検証した。 “仲間意識”で出世  オリンパスは昭和60年以降、急激な円高で業績が悪化。当時社長だった下山敏郎氏のもと、財テクに走った。だがバブル経済が崩壊し、1千億円近い損失を抱えることになる。  当時、金融資産の運用は経理部資金グループの係長だった山田秀雄前監査役が一手に引き受けており、62年に森久志前副社長が山田氏の部下となった。  2人は平成9年に巨額の含み損が表面化するのを恐れ、「飛ばし」を検討。当時社長だった岸本正寿氏に「飛ばし」を報告し、了承を得た。菊川剛前社長は11年6月に管理部門担当の常務に就き、岸本氏から飛ばしを知らされた。  不正に関与する人物らが“仲間意識”で出世の階段を上り、経営中枢に居座り続け、腐敗が広がっていった構図が浮かぶ。  「正しいことを言えば飛ばされ、イエスマンが周りを囲み、誰も何も言えなくなった」(第三者委員会の甲斐中辰夫委員長) 損失ロンダリング  飛ばしと損失穴埋めのスキームは巧妙だった。飛ばしは、(1)ヨーロッパ(2)シンガポール(3)国内-の3つルートで行われた。  いずれも、オリンパス自らが英領ケイマン諸島などに設立した投資ファンドに含み損を抱えた金融商品などを簿価で売却。ファンドが買い取る資金は、オリンパスが海外銀行の預金や債券などを担保に銀行から借り入れて用意した。この結果、同社の帳簿上は、飛ばした金融商品が、銀行からの借入金に姿を変えた。  さらに、企業買収にからんで計1348億円の資金を還流させ、含み損を穴埋めした。捻出した資金は、買収企業の付加価値である「のれん代」として帳簿に計上された。  つまり、「含み損のある金融商品→銀行からの借入金→のれん代」へと“マネーロンダリング”(資金洗浄)されたことになる。  日本の会計制度では、のれん代は最長20年かけて償却することが認められており、少しずつ処理しようとした。監査法人から国内ベンチャー3社の買収額が高すぎると指摘され、21年3月期に557億円の減損処理を迫られたが、リーマン・ショックの影響で多くの企業が多額の損失を出しており、問題になることはなかった。 外部への資金流出  飛ばしや穴埋めのスキームを実質的に考案したのが、国内大手証券会社OBの3人だ。山田、森両氏は米投資助言会社「アクシーズアメリカ」の佐川肇、中川昭夫両氏に飛ばしを相談。10年にケイマン諸島に最初の受け皿ファンドを立ち上げた。さらに菊川氏と親密で、投資を助言していた投資ファンド代表の横尾宣政氏も、飛ばしのための資金調達で重要な役割を果たした。  損失1177億円の穴埋めのため1348億円が流用されたが、差額の170億円のうち相当額が協力者への報酬として消えたとみられる。「はっきりはつかめていない」(甲斐中氏)が、確認できているだけでアクシーズアメリカに24億円、中川氏が関与するファンドに11億円が報酬として渡ったという。  「正当ではない」(同)多額の資金が外部関係者に流出し、オリンパスが食い物にされていたことも裏付けられた。 オリンパス担当の監査法人を本格調査へ 金融庁 12/06/11 (朝日新聞 )

 オリンパスの損失隠し問題で、金融庁は同社を担当した監査法人に対し、公認会計士法に基づく本格的な調査に乗り出す。オリンパスの第三者委員会に報告を求め、担当会計士からも聞き取り調査する。監査に重大な問題があれば、業務停止や課徴金を科すといった行政処分を出す方針だ。

 オリンパスの会計監査は、2009年3月期まではあずさ監査法人(旧朝日監査法人)が、それ以降は新日本監査法人が担当した。損失隠しが続いたとされる過去十数年間の決算に対し、いずれも「適正」との意見を表明していた。

 オリンパスは来週にも過去5年間の決算を訂正する。金融庁は、訂正内容も確認したうえで、監査法人が損失隠しを知っていたかどうかや、適正意見が十分な注意を払って出されたかを検証する。

オリンパス:含み損 最大で約1300億円に 12/06/11 (毎日新聞 )

 オリンパスの損失隠し問題で、同社が抱えた有価証券などの含み損が最大で約1300億円に上ることが同社関係者への取材で分かった。同社の第三者委員会は、膨大な損失を簿外で隠し、それを解消するため06~08年の企業買収に伴う資金を穴埋めに流用したと認定。6日、同社に調査報告書を提出した。

 東京証券取引所での取引が終了する同日午後3時に東京都内で記者会見し、調査結果について説明する。

 同社は7日にも取締役会議を開き、対応を協議する。

 関係者によると、同社は90年代の財テクで失敗、多額の含み損を抱えた有価証券の損失計上を先送りし、01年3月期の時価会計制度導入を機に海外投資ファンドなどに損失を移す「飛ばし」を実施。飛ばしは同期までにほぼ終えたが、その後の運用で簿外損失は最大約1300億円にまで膨らんだという。

 簿外損失の穴埋めのため、同社は06~08年の英医療機器メーカーと国内ベンチャー3社の買収に伴う投資助言会社への報酬や買収資金など計約1400億円の大半を、複数のファンドを介して流用したとされる。

 第三者委は、こうした損失隠しについて、国内大手証券会社OBらの助言を得て、山田秀雄前常勤監査役(66)と森久志前副社長(54)が実務を担い、01年まで社長だった岸本正寿元会長(75)や後任の菊川剛前会長(70)にも報告し、了承を得ていたとみて、いずれも報告書に盛り込む方針。

「手法伝えた」と前監査役 岸本元会長“飛ばし”認識か (1/2ページ) (2/2ページ)11/21/11(産経新聞)

 オリンパスの損失隠し疑惑で、山田秀雄前監査役(66)が同社の第三者委員会の事情聴取の際、岸本正寿元会長(75)に「損失隠しの手法を伝えていた」と説明していることが4日、関係者への取材で分かった。岸本元会長は同社が損失を社外に移す「飛ばし」を始めたとされる平成12年当時の社長だが、三者委には関与を否認している。三者委は岸本元会長が虚偽説明をしているとの見方を強めており、6日に取りまとめる方針の調査結果に岸本元会長も損失隠しを認識していたとする内容を盛り込む方向で検討している。

 一方、岸本元会長の後任社長である菊川剛前会長(70)に対しては、森久志前副社長(54)=が損失隠しに関する報告をしており、三者委は菊川前会長についても関与を認定する見通しだ。

 オリンパスは財テク失敗で1千億円超の含み損を抱え、少なくとも12年ごろから飛ばしを開始。当初は山田前監査役が中心となり、森前副社長と大手証券会社OBらとともに、10以上のファンドを介在させる仕組みを作ったとされる。また、この数年後から、森前副社長が山田前監査役に代わって中心的役割を担うようになったことが明らかになっている。

 山田前監査役はこれまでの三者委の聴取に対し、こうした経緯を認めた上で、「(飛ばしの手法は)岸本元会長にも伝えていた」と説明。岸本元会長は「記憶にない」などと関与を否認している。

 三者委はこれまで、取締役会の議事録など関係資料の分析とともに、旧経営陣ら数十人から聞き取り調査を実施。その結果、岸本元会長の説明が事実と異なっており、山田前監査役から説明を受けたうえで、損失隠しを事実上、承認していた可能性が高いとみている。

 一方、菊川前会長は三者委に対し「損失隠しは知っていたが(1千億円超とされる)額については最近知った」と証言。森前副社長から詳細な説明は受けていなかったと主張している。

オリンパス損失隠し:前監査役、元証券マン指南で財テク 12/03/11 (毎日新聞 )

 オリンパスの損失隠し問題で、不正経理を主導した一人とされる山田秀雄前常勤監査役(66)は80年代から資産運用を担当し、のちに損失隠しを指南したとされる国内大手証券会社の元証券マンと当時から親交があることが分かった。元証券マンは00年の出資金計上に絡むオ社の「飛ばし」や、損失隠しに利用したとされる06~08年の国内ベンチャー3社の高額買収に深く関与。オ社が設置した第三者委員会は、近くまとめる報告書に元証券マンらの関与を盛り込むとみられる。

 元証券マンは80年代半ばに大手証券会社の事業法人部でオ社の担当になり、営業のため度々オ社を訪問。当時の同僚は「うちにとってオリンパスは大事な顧客。エースを担当に充てた」と話す。対応したオ社の元財務部幹部は「頭が切れる印象だった。『こんなに資産を持っている会社なのに株価はこんなに安い。買いですよ』などと勧めていた」と振り返る。

 当時、オ社の「財テク」は社長直轄で、内容を知るのはごく一部に限られたが、山田前監査役はこのころ経理部係長として証券会社の営業窓口を務め、当時からオ社の資産運用に関わっていた。元証券マンは山田前監査役を通じて関係を築き、オ社の投資は上昇。保有する短期有価証券は82年10月期の51億円余から87年10月期に424億円余に膨らんだ。元証券マンの存在はオ社内でも知られ、元技術系幹部は「証券の運用に使う金があったら経費に回してほしいという声が社内で上がっていた」と明かす。

 元証券マンは、新宿ビル支店長として再びオ社の担当になったのを最後に98年に独立、コンサルタント会社を設立した。元同僚は「彼の考える資産運用方法は証券会社にいてはできなかった」と述べ、当時から非合法の疑いもある運用を発案していたと証言する。

 00年3月期、オ社は新事業の開拓を名目に事業投資ファンドに約300億円を出資金として計上。このファンドの運営会社となったのが元証券マンのコンサル会社だ。第三者委は、この出資に絡んで「飛ばし」が行われ、その仕組みにファンドが深く関与した疑いがあるとみている。

 さらに、オ社は08年までに国内のベンチャー3社を計734億円の高額で買収。その直後、約8割に当たる557億円を減損処理し、損失の穴埋めに流用していたとされる。この買収を提案したのも、元証券マンのコンサル会社が運営する同じファンドだった。

 一方、やはり損失隠しに利用したとされる08年の英医療機器メーカー「ジャイラス」買収では、同じ大手証券会社出身の別の元証券マン2人が関与したことが分かっている。

 第三者委は、山田前監査役が元証券マンらとの窓口となり、後任の森久志前副社長(54)とともに損失隠しの実務を担当、菊川剛前会長(70)や前任の岸本正寿元会長(75)に報告し指示を受けた可能性があるとみて、詰めの調べを進めている模様だ。【杉本修作、町田徳丈、山本太一】

話に食い違いがあるのだから誰かが嘘をついている。 第三者委員会:甲斐中辰夫弁護士、中込秀樹弁護士、有田知徳弁護士、須藤修弁護士、片岡英二弁護士、及び滝口勝昭公認会計士(オリンパスのHP) が適切な調査が出来ないようなら第三者委員会は肩書きだけで能力がない人々の集団か、形だけの調査のために集められた成果を求められない 肩書きだけの集団と言うことなのだろう。口裏を合わせる人、関わりたくないので覚えていないと言う人、利害関係がある人などいろいろな 人がいるだろう。本当に事実を追求するのか、形だけ調べて調査困難と報告するのか、担当者達のやる気や能力にも関係していると思う。

歴代会長2人が関与否定 前副社長らは「報告していた」と説明 11/30/11 (時事通信 )

 オリンパスの損失隠し疑惑で、同社が設置した第三者委員会の事情聴取に対し、菊川剛前会長(70)と、損失隠しが始まったとされる平成12年当時社長だった岸本正寿元会長(75)の2人が、関与を否定していることが29日、関係者への取材で分かった。一方、森久志前副社長(54)と山田秀雄前監査役(66)は三者委や東京地検特捜部の聴取に「菊川氏らに報告していた」と説明。両者の説明には隔たりがあり、特捜部は今後、菊川、岸本両氏の事情聴取を行い、詳しい認識を聴く方針だ。

 オリンパスは財テク失敗で1千億円超の含み損を抱え、13年3月期に時価会計基準が導入されるのを機に、含み損を海外ファンドに移す「飛ばし」を開始。森前副社長と山田前監査役、大手証券会社OBらが10以上のファンドを介在させ、損失を簿外に飛ばすようになった。18~20年に行われた国内3社の買収資金や英医療器具会社買収の報酬など計約1400億円の大半が、損失分の穴埋めに充てられたとされる。

 森前副社長と山田前監査役は複数回、三者委の聴取を受けており、損失隠しなどの経緯を説明。「上司である菊川前会長らにも報告していた」「苦しかった。ほっとした」と話しているという。特捜部の聴取にも、同様の説明をしているとみられる。

 これに対し、菊川前会長は三者委の調査に積極的に応じておらず、「損失隠しを知ったのは最近になってから」と説明し、森前副社長からの報告はなかったと主張。損失隠しを始めた時期を含む5~13年に社長だった岸本元会長も「記憶にない」などと関与を否定しているという。

 オリンパスの高山修一社長(61)は8日の会見で、損失隠しは菊川前会長、森前副社長、山田前監査役が関与し、「3人が引き継いだとの認識」としていた。三者委は指示系統などを解明したうえで、週明けにも調査結果を公表する予定。

オリンパス:財務、経理は社長直轄 11/29/11 (毎日新聞)

 オリンパスによる一連の損失隠しは99年当時に社長だった岸本正寿元会長(75)が主導的に関与した疑いが強まった。元財務担当幹部らの証言によると、財務や経理は社長直轄で、岸本氏ら一部の幹部による「極秘事項」として損失隠しが続けられた可能性が高い。

 ◇「極秘事項」で損失隠し継続か

 オリンパス関係者によると、同社がバブル期に投資した「特定金銭信託(特金)」などの金融商品の含み損は99年3月期の決算まで「短期特定金融資産」(特金資産)や「預金」などの項目に簿価で計上し、明るみに出ることはなかった。

 岸本氏が社長に就任したのはバブルが崩壊し、「財テク」の損失が膨らみ始めた93年。元々は営業畑で欧州へ赴任したが、帰国後は社長就任まで経理担当の取締役を務めていた。当時の財務担当幹部は岸本氏について「とにかく数字にこだわった。社長が主導して経費削減をしなければという思いがあった」と語り、社長在任中は「コストカット」に辣腕(らつわん)をふるった。

 岸本氏は含み損などの解消に取り組み、95年3月期に474億円余あった特金資産を減少させ、99年3月期には293億円余になった。また、含み損の計上項目ともなっていた現金・預金を95年の1027億円余から98年3月期には776億円余まで減らした。それでもまだ多くの含み損が残っていたとされ、99年に決算の監査を担当する会計士は01年3月期の時価会計導入前に含み損を処理するよう進言。これを受け00年3月期に同社が「出資金」として計上した約300億円について、同社の第三者委員会は損失隠しである「飛ばし」とみている。

 この約300億円の出資先の事業について検討する「事業投資審査委員会」の委員長は、当時常務取締役で、損失隠しに深く関与することになる菊川剛前会長(70)だった。【杉本修作、山本太一、山下俊輔】

第三者委員会の弁護士がこの手の問題の専門知識を持っているかは疑問。弁護士は法律の専門家であって、他の分野の知識は余力。 飛ばし問題や闇の業界について知らなくとも弁護士や公認会計士であることは出来る。船舶検査でも表の仕事をやる人とどちらかと言えば 闇の仕事をする人がいる。退職するまで海運会社にいても良い会社でまともな仕事だけをしていれば、闇の仕事についてまったく、またはほとんど知らない人もいる。

第三者委員会の構成:甲斐中辰夫弁護士、中込秀樹弁護士、有田知徳弁護士、須藤修弁護士、片岡英二弁護士、及び滝口勝昭公認会計士(オリンパスのHP)

オリンパスの問題を指摘した監査法人が変えられた。オリンパスの意図を理解する人達を人選したのであれば、肩書きがある人達が形だけの 調査を行い幕引き。別件であるが、国家公務員が指摘すべき問題を通報したら「家族に何か起きるかもしれないから気をつけろ」と脅迫された経験がある。 オリンパス問題、人が殺されても不思議でないほどの巨額なお金が絡んでいる。上場廃止による損失を考えれば、何十億単位のお金など小額。 闇の人間達に十分な報酬を払ったとしても、十分におつりが来るほどだと思う。上場廃止が避けられるかについて報告書も重要になってくる。 ならば適当な調査で幕引きの勝負に出るのだろうか。どうせ政治家にもいろいろな工作を行っていると思われる。FBIやSFOの捜査に期待するしかないと思う。

元社長のマイケル・ウッドフォード氏、日本人や日本社会を知っているのならあまり第三者委員会に期待しないほうが良いよ。それとも日本に アピールしたが日本社会(第三者委員会も含む)が事実を歪めた事実を世界に発信する意図があるのであれば、大いに何でもやってほしい。

第三者委を厳しく批判=25日取締役会に出席へ―オリンパス元社長 11/22/11 (時事通信 )

 【ロンドン時事】オリンパスの巨額損失隠しをめぐり、元社長のマイケル・ウッドフォード氏は21日、同社の第三者委員会の片山英二弁護士とロンドン市内で面会した。ウッドフォード氏は面会後に記者会見し、第三者委が反社会的勢力への資金流出を否定したことについて、「まだ調査中の段階であり判断できるはずがない」と厳しく批判。その上で、25日開催の同社取締役会に出席する意向を明らかにした。

 同氏が取締役会に出席するのは、不透明な資金の流れを指摘して社長を解任された10月14日以来初めて。23日の来日後に東京地検や警視庁、証券取引等監視委員会とも面会する予定で、日本の企業社会を揺るがす同問題は重大な局面を迎えることになる。

 会見の中でウッドフォード氏は、2000億円以上の資金が暴力団などに流れた可能性があるとの一部メディアの報道を、第三者委が早々に否定したことを問題視。「現時点で第三者委は(資金の流れを解明する)詳細な資料を持っていない」と指摘し、「信頼は著しく損なわれた」との認識を示した。

不正告発の元社長、役員会出席へ オリンパス損失隠し 11/22/11 (朝日新聞 )

 オリンパスの損失隠し問題で、不正経理を内部告発した元社長のマイケル・ウッドフォード氏が21日、同社が設けた第三者委員会の片山英二弁護士らとロンドンで面会した。元社長は面会後、不正経理の徹底解明が必要だと記者団に強調。25日の同社役員会に出席する考えを明らかにした。

 ウッドフォード氏は、オリンパスの資金が暴力団などの反社会的勢力に流れたとの一部報道に第三者委が否定的なコメントを発表したことについて「すべての取引を検証し資金の流れを解明して初めて分かることだ。現時点で結論を出すべきではない」と批判した。

 さらに、同氏は現在もオリンパスの取締役にとどまっていることから、「金曜日の役員会に参加する。私には法律的にその権利がある。これまで起きたことについて、他の役員と相対することを恐れてはいない。黙っているつもりはない」と述べた。

オリンパスと同じ3社に出資していた上場企業の存在が浮上
プリンストン債事件との類似点は?   (1) (The New York Times)
  (2) 山口 義正 (日経ビジネス)
 オリンパス問題が東京株式市場を揺さぶっている。ファンダメンタルズを無視して乱高下するオリンパス株は日経平均株価の波乱要因となっており、同社の情報開示のまずさにシラけてしまった投資家は株式全般の売買を手控えている。オリンパス株を保有する外国人投資家は上場廃止反対を声高に訴えており、その声は東京証券取引所のオリンパス問題に対する判断に影響しかねない状況だ。しかし、東証の判断によっては東京市場全体に対する信頼を損ねる恐れもある。

 こうした中、東京市場全体に対する不信感を増大させかねない新事実が浮上した。オリンパスの不透明なM&Aによって子会社化された国内3社(医療廃棄物処理のアルティス、健康食品の通信販売を手掛けるヒューマラボ、プラスチック容器の企画・製造するNEWS CHEF)の株式を購入していた別の上場企業の存在が浮かび上がっている。

 東証一部上場の群栄化学工業がそれである。群栄化学は群馬県を地盤とし、工業用特殊樹脂や甘味料を扱う中堅化学メーカーだ。資産規模は比較的小さいが、前期末時点の自己資本比率は77.3%と高く、財務面では優等生と言っていい。しかし財務の良さに落とし穴が潜んでいた。群栄化学は以前から有価証券投資に積極的な会社とされている。

 同社は11月14日、HP上で「過去の有価証券投資に関するご報告」としてニュースリリースを公表。それによると、同社の出資比率はアルティスとNEWS CHEFへ対してそれぞれ0.5%、ヒューマラボは0.6%。3社が2006年5月に実施した第3者割当増資で株式を引き受けることになったと言う。

 発表資料には「純投資として当社の業績に資するものと判断(中略)、投資による株主と発行会社という関係および同一の発行会社の株主同士という関係以外にご報告すべき関係はありません」と記している。

 しかし、この3社はもともとある経営コンサルティング会社が休眠会社を買い取ったり、新規に立ち上げたもの。そしてそのコンサルティング会社は、オリンパスがこれら3社を買収する際に不適切な手数料と価格で仲介したと、オリンパスの内部資料から判断できる。であれば、群栄化学は、純投資としてこの3社に出資したとニュースリリースに記述しているものの、この3社を選んだ理由、出資した経緯や仲介した会社などについては、株主や市場に対してもっと詳しく説明する責任があるはずだ。

自社HPだけで情報開示は十分か

 群栄化学はこの件については、TDNET(東京証券取引所が開設している適時開示情報伝達システム)での情報を開示していない(11月21日現在)。自社のHP上だけでひっそりとニュースリリースを閲覧できるようにしてあるだけであり、情報開示の姿勢にも問題がありそうだ。市場関係者からは「なぜこのような事実を、TDNETを通じて広く開示しないのか」(中堅証券)と憤る声が出ている。これに対して群栄化学では「TDNETを通じての情報開示は不必要と判断した」と説明している。

 筆者の取材に対して、群栄化学では3社の株式購入の経緯などについて「お話しできることはない」(広報担当者)としており、オリンパスのような損失先送りがあったかどうかは不明だ。ただ群栄化学の有価証券報告書によれば仕組み債を多く保有するなど、余剰資金の運用に熱心な会社であるという点では、オリンパスと共通している。また、群栄化学は1999年に発生した、国際的詐欺事件の「プリンストン債事件」にも、総資産の5分の1に相当する約118億円を投じてきた前歴がある。

 ここで、プリンストン債事件について説明しなければなるまい。99年9月に発覚した国際的な金融詐欺事件で、米国の運用会社プリンストン・エコノミクス・インターナショナルが特定少数の投資家に発行した私募債が債務不履行となり、日本企業数十社が損失を被った。その総額はおよそ1200億円に上り、アルプス電気が218億円を投資していたのを筆頭に、中電工や山陽電気、ヤクルト本社、アマダ、丸善などが被害を受け、群栄化学も投資額の大きさでは3番目となっていた。

プリンストン債事件との類似点

 プリンストン債は、有価証券の運用に失敗した企業が含み損を私募債(日本の会計基準では私募債は時価評価の対象外だった)に付け替えて損失の表面化を先送りできるように商品設計されていた。損失先送りの点でもオリンパス事件と通じている。

 プリンストン債事件で被害を受けた企業の中には非連結子会社にこれを保有させることで、有価証券報告書にもその保有が記載されず、バランスシート上にも反映されていなかったケースもある。被害に遭った企業の多くは当時「通常の投資目的で購入しており、損失先送りの意図はなかった」と説明していたが、果たしてこの事件が発覚した99年当時、株式市場ではどう受け止められていたか。

 そして今回のオリンパス事件を見た外国人投資家には、日本企業が当時と同じ体質を引きずっているように見えるのではないか。オリンパス事件と群栄化学の二点の間に、プリンストン債事件という補助線を引いてみると日本企業の宿痾(しゅくあ)が浮かび上がってくる。

 話はやや脱線するが、群栄化学の発表でもうひとつ興味深いのは、同社が国内3社株の株式価値について減損処理を済ませており、現在価値を1円としていること。オリンパスでは3社の買収額734億円に対して、557億円の減損処理しか実施しておらず、率にして76%にとどまっている。群栄化学が実質的に100%の減損処理を実施したのとは大きな差があり、今度は群栄化学の決算処理がオリンパスの財務諸表の信頼性に影響を及ぼす可能性も浮上してきた。

 いずれにせよ、今回の問題がオリンパス1社にとどまらず他の上場企業に波及するのではないか、という懸念が生じている。それは、東京株式市場からのさらなる投資家離れを引き起こしかねない。

Fired Olympus C.E.O. to Press Board on Fees  11/21/11 (The New York Times)
By HIROKO TABUCHI and JULIA WERDIGIER

TOKYO — Michael C. Woodford, the ousted chief executive of scandal-racked Olympus, said Monday that he planned to return to Japan to meet with company’s board on Friday to press directors to disclose more information about exorbitant merger fees that he and investigators have called into question.

The surprising return would come more than a month after Mr. Woodford was sacked by the board as president and chief executive after questioning a series of outsize transactions at Olympus, a maker of medical endoscopes and digital cameras.

After those accusations became public, the company eventually said it had used those transactions to hide past investment losses at the company, and blamed three former executives for the decades-old cover-up. Two executives, including a former president, have been fired, while a third has stepped down.

But public officials in Japan are still investigating Olympus, contending that at least $4.9 billion is still not accounted for and questioning whether some of that money might have gone to companies with links to organized crime. Public investigations are also under way in the United States and Britain, with Mr. Woodford cooperating.

“I am returning to the world headquarters of Olympus,” Mr. Woodford said by phone from London on Monday. “And I will use the opportunity to emphasize that all the facts come out.”

He later told reporters at a London news conference that he was “not afraid of challenging my board members.”

Though Mr. Woodford was fired as chief executive on Oct. 14, he technically remains a board member and is thus legally entitled to attend the regularly scheduled board meeting, on Friday morning in Tokyo.

On Monday, before Mr. Woodford’s news conference, Olympus announced that a panel of third-party experts it appointed earlier this month to look into its past finances — a group led by a former justice of the Japanese Supreme Court — had so far not found any evidence that company money went to organized crime groups. Nor, Olympus said, had the panel found evidence of organized crime involvement in a series of past acquisitions by the company that executives have said played a part in its cover-up of losses.

Because the full results of the panel’s inquiry are not expected until next month, Mr. Woodford questioned the Olympus panel’s swift denial of any organized crime involvement.

“The third-party panel is still investigating,” he said. “For a so-called independent panel to issue such a statement at this point is concerning and beyond inadequate. The credibility of the panel has been diminished.

“To me, the amount of money is so huge,” Mr. Woodford added. "I’m appealing to Japan to investigate. We have to follow the money."

A memo circulated last week at a meeting of Japanese financial regulators, prosecutors and police agencies, reported that investigators believed 376 billion yen, or $4.9 billion, remained unaccounted for at Olympus and that more than half of that amount might have been channeled to organized crime syndicates. According to the memo, provided to The New York Times by people close to the inquiry but not authorized to speak publicly, investigators suspect that Olympus made payments amounting to many times the losses it sought to hide.

In a statement Monday, Olympus denied recent reports by “certain foreign media,” saying that “such facts have not been recognized by the committee’s investigations so far.”

Questions were first raised about Olympus’s finances in August by the Japanese magazine Facta. The scandal deepened in October after Olympus fired Mr. Woodford over what it initially said were cultural differences in management style. But Mr. Woodford later contended that he had been dismissed after questioning the company’s chairman and board about some of the payments

Besides meeting with the Olympus board, Mr. Woodford plans to speak this week with Japanese authorities about the investigation. He has also been cooperating in the United States with the Federal Bureau of Investigation and the Securities Exchange Commission, which are looking into the matter. He has also submitted evidence to Britain’s Serious Fraud Office.

Olympus has promised that its six-member panel of experts, led by Tatsuo Kainaka, the former Supreme Court justice, would conduct an “impartial and thorough” investigation.

Hiroko Tabuchi reported from Tokyo and Julia Werdigier from London.

オリンパス損失隠し:1000億円超が犯罪組織に?…米紙 11/18/11 (毎日新聞)

 オリンパスの損失隠し問題で、米紙ニューヨーク・タイムズ電子版は17日、日本の捜査当局が、約49億ドル(約3770億円)の不透明な資金があり、うち1000億円を超える巨額資金が暴力団など犯罪組織側に流れたと指摘する記事を掲載した。独自に入手した当局の資料の情報として東京発で伝えた。

 同紙によると、オリンパスは2000~09年の間に約63億ドルの不透明な資金の流れが指摘されているが、このうち決算書には約14億ドルしか記載されておらず、残る約49億ドルの半分以上について「指定暴力団山口組を含む犯罪組織」に流れたとの捜査側の見立てを紹介した。

 当局は、オリンパスが損失を隠すために犯罪組織を利用し、見返りとして大量の資金を支払ったかどうかについて調べている。(ニューヨーク共同)

「闇経済」に2000億円超=オリンパスから流出か-NYタイムズ 11/18/11 (時事ドットコム )

 【ニューヨーク時事】米紙ニューヨーク・タイムズ(電子版)は17日、オリンパスによる巨額の損失隠し問題に関し、2000億円を超える金額が指定暴力団など「闇経済」に流れた可能性があると報じた。日本の捜査当局に近い関係者から得た文書を基に東京発で伝えた。

 同紙によると、文書は日本の証券取引等監視委員会、東京地検、警視庁の最近の会合で示されたという。

 文書は、オリンパスが2000~09年に疑わしい買収資金や投資助言手数料などとして支払った4810億円のうち、決算書で説明が付くのは1050億円にすぎないと指摘。残る3760億円が使途不明となっており、捜査当局はその半分超が暴力団組織に流れたとみているという。(2011/11/18-12:00)

Billions Lost by Olympus May Be Tied to Criminals  (1) (The New York Times) Billions Lost by Olympus May Be Tied to Criminals  (2) (The New York Times)
By HIROKO TABUCHI

TOKYO — Japanese officials say that at least $4.9 billion is unaccounted for in a financial scandal at Olympus and are investigating whether much of that money went to companies with links to organized crime.

In a memo prepared by investigators and circulated at a recent meeting of officials from Japan’s Securities and Exchange Surveillance Commission, the Tokyo prosecutor’s office and the Tokyo Metropolitan Police Department, officials say they are trying to determine whether Olympus worked with organized crime syndicates to obscure billions of dollars in past investment losses and then paid them exorbitant sums for their services.

The memo — a copy of which was obtained by The New York Times from a person close to the official investigation — appears to link the Olympus losses for the first time to organized crime groups.

It also suggests that investigators believe illicit payouts from Olympus went far beyond the roughly $1.4 billion in merger fees and acquisition payments that have come under recent scrutiny, potentially making it one of the biggest scandals in Japanese corporate history.

Olympus, a maker of medical imaging systems and digital cameras, recently announced that an internal investigation had found that the company used a series of money-losing acquisitions to hide investment losses in the 1990s, keeping those losses off its books for decades. Olympus has said a panel of third-party experts is still tallying numbers on how big the losses were.

The company has said that all the transactions went toward masking losses. It has denied rumors that it sought the aid of Japan’s notorious organized crime syndicates, known as the yakuza, to help orchestrate a cover-up.

But according to the investigators’ memo, Olympus made payments amounting to many times the losses it sought to hide, and investigators suspect much of the additional money went to crime groups.

Olympus paid a total of 481 billion yen, or $6.25 billion, through questionable acquisition payments, investments and advisory fees from 2000 to 2009, according to the memo, but only 105 billion yen has been written down or otherwise accounted for in its financial statements. That leaves 376 billion yen, or $4.9 billion, unaccounted for, according to the memo.

The memo says investigators believe that over half of that amount has been channeled to organized crime syndicates, including the country’s largest, the Yamaguchi Gumi. The memo does not make clear whether Olympus knew about those links. But if confirmed by investigators, an association with organized crime could prompt a delisting of Olympus shares from the Tokyo Stock Exchange, under the exchange’s rules.

The memo suggests that Olympus may have been coerced by organized crime syndicates that knew about or helped with previous cover-ups to channel ever-increasing funds out of the company.

“Olympus was exploited over its cover-up totaling losses of 50 billion yen, and since 2000, over 200 billion yen has disappeared into the underground economy,” the memo said.

Olympus officials said Thursday that they had no immediate comment. On Oct. 26, when asked about the possibility of the involvement of “antisocial forces” in the scandal, a euphemism for organized crime, the president of Olympus, Shuichi Takayama, said, “I absolutely do not recognize this.” So far, three Olympus directors have been dismissed or have stepped down.

Questions were first raised about Olympus’s acquisitions in August in the Japanese magazine Facta. The scandal deepened in October after Olympus fired its chief executive, Michael C. Woodford, who said he was dismissed after questioning the company’s chairman and board about some of the payments.

Mr. Woodford said Thursday that he planned to return to Japan next week to speak with the authorities about the investigation. Mr. Woodford has also been cooperating in the United States with the F.B.I. and the Securities Exchange Commission, which are looking into the matter, as well as in Britain with its Serious Fraud Office.

At the heart of Olympus’s action is a once-common technique to hide losses called tobashi, which Japanese financial regulators tolerated before clamping down on the practice in the late 1990s.

Tobashi, translated loosely as “to blow away,” enables companies to hide losses on bad assets by selling those assets to other companies, only to buy them back later through payments, often disguised as advisory fees or other transactions, when market conditions or earnings improve.

The Japanese investigators’ memo chronicles Olympus’s efforts to pay off its previous losses through payments camouflaged as acquisitions and supposedly related advisory fees to buy companies that seemed to have little relation to its main business.

The memo confirms some information previously reported by The New York Times, which found that deal payments were largely made by the management consulting firm Global Company, headed by Nobumasa Yokoo, a former banker at the investment bank Nomura.

Also helping to arrange those deals, according to those news reports and the investigators’ memo, was ITX, a company acquired by Olympus in 2003 and formerly headed by Mr. Yokoo’s elder brother, Akinobu Yokoo.

The investigators say that in December 2005, ITX bought Tsubasa Net, a software maker, which the memo calls “a front company” known by the Japanese police to be affiliated with the Yamaguchi Gumi. ITX’s earnings report for that year shows it paid 16 billion yen ($208 million) for that acquisition.

Meanwhile, Olympus, being advised by Global Company, paid 73.4 billion yen ($953 million) to acquire three Tokyo-based companies — Altis, Humalabo and News Chef — between 2006 and 2008, and then quickly wrote off the investments. The memo identifies all three as front companies with links to organized crime.

And in 2008, when Olympus acquired the British medical equipment company Gyrus and paid 68.7 billion yen ($892 million) in adviser fees partly to a company incorporated in the Cayman Islands, some of those fees were transferred to investment funds with organized crime links, the memo said.

Neither Olympus nor the Yokoo brothers have been charged with crimes, but people with knowledge of the investigation who were not permitted to discuss it publicly say the Japanese authorities — including police, prosecutors and financial regulators — are pursuing possible offenses that include false accounting and aggravated breach of trust.

Akinobu Yokoo is president of an aviation parts and services company, Jalux, which said on Thursday that Mr. Yokoo would not be available to comment.

The Tokyo offices of Global Company were cleared out in early October.

At another company owned by Mr. Yokoo, a man who identified himself only as “Yamamoto” said Mr. Yokoo had not been seen “for some time” and had given instructions “not to speak to outsiders” about Olympus.

No one answered the doorbell at his registered home address in Tokyo, a tiled mansion fitted with tall fences and security cameras.

ウッドフォード氏がオリンパスにいる幸運を社員たちは絶対に逃すべきではない
――宮田耕治・オリンパス元取締役専務執行役員
オリンパスメディカルシステムズ元社長インタビュー(1)
(2) 11/18/11 (「週刊ダイヤモンド」 )

10月14日にマイケル・ウッドフォード前々社長が解任されてから1ヵ月が経った。M&Aに関する不透明なカネの流れは、バブル期に抱えた巨額損失を隠すためであったと、徐々にその真相が明らかになってきた。オリンパスは今後、再建できるのか。そして、その陣頭指揮はだれがとるのか。元取締役専務執行役員である宮田耕治氏は、ウッドフォード氏の復帰しかないとし、インターネットで賛同者を募り始めた。(聞き手/ダイヤモンド・オンライン 片田江康男)

――巨額損失隠し事件が進んでいた2003年以降、ご自身も取締役だった。善管注意義務違反として責任を追及される可能性もある。

 私は1995年から2006年まで11年間、オリンパスの取締役として勤務していました。当時の記憶をたどってみても、今回の巨額損失隠しに関わるような決定事項があったとはまったく知りませんでした。こんなひどいことが行われていたなんて、まったく気づきませんでした。

 ですが、取締役であった間に行われた会社の重要決定について、全件、連帯責任があるのは当然です。今はまだないですが、第3者委員会や東京地検などから呼び出しがあれば、すぐに出向くつもりです。

 思い出してみると、あの頃、取締役全員が新規事業の立ち上げという課題を持っていました。内視鏡やデジタルカメラなどの基幹事業は成熟していたからです。

 ところが、社内の技術開発には時間がかかるし、たとえ技術開発をして何か得られたとしても事業として成功するかわからない。そこで、M&Aや有力なベンチャー企業へ投資をしているファンドに対して出資するという選択肢が生まれてきた。この選択肢を新規事業発掘の方法として取締役会で決めたことは、いまでもはっきりと覚えています。

――なぜオリンパス・グラスルーツ・ドットコム(オリンパスの再生に向けて、社員が立ち上がるサイト、http://www.olympusgrassroots.com)を開設したのですか。

 ウッドフォード氏が社長を解任されてから、私は現役社員に話を聞く機会がありました。まさにみんながショック状態。社員は混乱していて、正確な情報を知らないんです。思考停止ですよ。

 社員が真実を知らないまま、ウッドフォード氏に対する誤った理解のままではいけないと思いました。

 ゆくゆくは現社長の高山氏が一連の混乱の責任をとって辞任し、新たな社長は残った役員の中から選ばれ、それで再出発となるのでしょう。ですが、残った役員はまったく正当性がない人たちですよ。

 ウッドフォード氏は月刊誌『ファクタ』を読んで、これが少しでも真実だったら大変なことだと思い、真相を究明しようと行動を起こしました。この行動は、株主から委託され経営を監督する立場にある者として、まったく正しい行動です。

 ウッドフォード氏は、真相を究明している過程を、取締役全員に報告しています。たしか、6通の手紙にして取締役に送っているはずです。その手紙を受け取った時点で、全取締役は不正が行われている可能性を知ることになり、株主価値を守るために行動を起こさなければならない責任が発生しているのです。

 ところが、取締役たちは真相を究明するどころかウッドフォード氏を解任に追い込みました。この行動にはまったく正当性がない。再出発するときの新しいオリンパスのリーダーが、正しい行動を取らなかった取締役の中から選ばれるのが、OBとして許せなかった。

 ただ一人、ウッドフォード氏だけが正しい行動をとった。そのウッドフォード氏を再び社長に迎えて再起を図るべきだと思ったのです。だから、このサイトを立ち上げることにしたのです。ウッドフォード氏の復帰を願う賛同者はすでに300人以上に上ります。

卑劣な菊川氏の

“社員操縦”

――社員が正確な情報を知らない、とは?

 ウッドフォード氏を解任した後、菊川会長は社内LANにいくつかのメッセージを出しています。そこには、ウッドフォード氏がある期間、会社にわずか4日間しか出社していないとか、コストカットを社員に強いておきながら移動にプライベートジェットを使っているというような内容だったといいます。しかし、4日間しか出社しなかった時期は、彼は海外IRのために欧州や米国を飛び回っていました。

――菊川氏がウッドフォード氏のネガティブキャンペーンをやっていたということなのでしょうか。

 そういうことでしょう。本当に卑劣ですよ。

 また、社内ではウッドフォード氏に関する変な噂が流れているようです。ある従業員は「ウッドフォード氏が菊川会長にカメラ事業撤退を迫ったから解任された」「ウッドフォード氏が復帰したらカメラ事業の社員は失業することになる」なんていう噂を耳にしたと言っていました。

ライブドアショックの投資家からも疑問が噴出!
大王製紙・オリンパスに問われる“罪と罰”の着地点(1)
(2) 11/18/11 (「週刊ダイヤモンド」 )

大王製紙の巨額借り入れ事件に、オリンパスの損失隠し――。日本企業で、史上稀に見る規模の不正事件が相次いで発覚した。そこで改めて問われているのが、コーポレート・ガバナンス(企業統治)の重要性だ。だが、それにも限界がある。実際は、企業の不正が発覚した後に、司法や市場が厳正な対処を行なうことで、後に続くであろう新たな不正を抑制していくしかない。ところが足もとでは、オリンパスの「上場維持見通し」などが報道され始め、一部の投資家から疑問の声が上がっている。かつてのライブドア事件と比べ、今回の事件が曖昧な決着を迎えるのではないかというのだ。(取材・文/友清 哲、協力/プレスラボ)

あの大王製紙やオリンパスが――。

相次ぎ明るみに出る大手企業の超絶不祥事

 大王製紙にオリンパス――。東証1部に上場する一流企業が起こした不祥事に、日本中が衝撃を受けた。

「ティッシュ王子」こと大王製紙の井川意高・前会長が、連結子会社から総額100億円を超える巨額借り入れを行ない、ギャンブルに明け暮れていた事件は、創業家一族による同族経営のリスクを、改めて浮き彫りにした。

 とりわけ世間の注目度が大きいのは、大王製紙と前後して報道され始めたオリンパス事件だ。マイケル・ウッドフォード元社長の解任騒動をきっかけに、企業ぐるみで行なわれていた「損失隠し」の巧妙な手口が明るみに出始め、企業体質への疑念が噴出した。

 まだまだ捜査の過程ではあるが、投資で出した巨額の損失を、社外の投資ファンドを利用するなどして表面化させない損失隠しが1990年代から行なわれていた可能性が高く、問題の根は深い。

 これらの騒動により、大王製紙とオリンパスの両銘柄は、決算関連書類を期限内に提出できず、監理銘柄に指定されている。つまり、上場廃止の恐れがあることが、投資家に周知されたわけだ(ただし、来月14日までに提出できれば、指定は解除される)。

 ところが、オリンパス株について言えば、11月17日現在において、4日連続でストップ高をマークしている。上場廃止を見越して、したたかな投機筋が空売りの買い戻しを行なっていること、激しい値動きでの短期的利ざやを貪る短期売買派の買いが進んだことに加え、一部で「オリンパス事件は課徴金などの行政処分に止められ、上場は維持される見通し」と報じられ始めたためだ。

 この見通しが市場に与えた好感度は、かなり大きいと思われる。オリンパスにつられて、大王製紙株まで一時大きく値を上げる場面があった。上場維持が現実となれば、多くの株主が救われることになるだろう。

オリンパスはライブドアより悪質?

大火傷を負った投資家が吐露する心情

 しかし一方で、こうした状況を疑問視する投資家もいる。彼らが引き合いに出すのが、かつての「ライブドア事件」だ。

「1千数百億円超という数字の大きさに、まず度肝を抜かれる思いですが、そこで気になるのが、司法がこれに対してどう“落とし前”を付けるのか、という点です。ライブドア事件の場合は、53億円の粉飾で堀江貴文・元社長に実刑2年が科されたわけですから、オリンパスの菊川剛前会長には、当然、それをはるかに上回る償いが求められる理屈になりますよね」

 そう語るのは、金融業界に身を置く30代のビジネスマン。自身も先のライブドアショックの際、個人的な株式売買で数百万円の損失を被ったというだけに、今回の“オリンパスショック”も決して他人事ではないようだ。

「この騒動をウォッチしている人は皆、同じ感想を持っていると思いますが、今回のオリンパス事件のほうが悪質度は断然上です。なぜ、早期に強制捜査が入らないのかも疑問に思います」(同)

 これは、投資家としての偽らざる本音であろう。ライブドア事件で大きな損失を被った投資家にとって、オリンパスの捜査が曖昧な決着を迎え、同社が市場に居座り続けることなど、容認できるものではない。

オリンパス問題で周回遅れを取り戻せない日本 11/15/11 (BLOGOS )

オリンパスの損失隠しをめぐる長年の粉飾決算問題は、あいかわらず海外メディアが先行した報道を行なっています。日本のメディアの調査能力の限界なのか、事実を見極めるために慎重な態度をとっているのかは不明ですが、すくなくとも後者はこれまでのさまざまな問題での報道姿勢を考えると違うのでしょう。あるいはもっと別な理由があるのでしょうか。

証券取引等監視委員会が、オリンパスの決算に関しては監視機能を果たしてこなかった点が気がかりですが、その監視委員会が「法人を刑事告発せず課徴金納付命令の金融庁への勧告にとどめることを検討している」という目を疑う記事を流したのもロイターでした。 関係筋が明らかにしたということですが、当然株価が上がり、ストップ高になったことを考えると株価操作が記事の意図であったのではないかとすら疑いたくなります。 監視委がオリンパスの行政処分を検討、上場維持に可能性=関係筋 | マネーニュース | 株式市場 | Reuters :

時事通信によると、東京地検特捜部、警視庁、証券取引等監視委員会で三者協議を行って、「役割分担などを決めた上で、態勢が整い次第、関係者を事情聴取するなど本格的な捜査に乗り出す方針とみられる」ということですが、どのような動きになるのでしょうか。また、「監視委は今月中にも、損失隠しに関与したとされる同社の菊川剛前社長、森久志前副社長、山田秀雄常勤監査役らを聴取する方針を固めた」としています。 時事ドットコム:特捜部、捜査態勢を強化=検事の応援派遣要請-関係者ら聴取へ・オリンパス損失隠し :

こちらのほうも動きが鈍く、かつてのライブドアや村上ファンド、また小沢問題で、メディアまで総動員した派手な情報戦を行なっていないのは、そうするまでもないと事件だということでしょうか。

さて、オリンパスの損失隠しに関しては、そのスキームを持込み、実行した外部の人がいるわけですが、そちらのほうの報道も日本ではほとんど皆無に近い状態です。関与者と見られる一人の野村證券出身の佐川肇氏が、離婚をし、所在不明になっていることを伝えたのもウォール・ストリート・ジャーナルです。

オリンパス疑惑の中心人物、所在不明に - WSJ日本版 - jp.WSJ.com :

またFACTAでは実名が書かれていなかった、実質的に佐川氏に指示を出していたとされるもう一人の関係者についても、すでにロイターが、アクシーズ・ジャパンの設立者で一時社長であった中川昭夫氏だと実名で報道しています。

オリンパス買収仲介者は80年代から関係、「損失先送り」に関与=関係筋 | Reuters :

普通に考えれば、そちらのほうの事情聴取などもすでに行なわれていて当然だと感じますが、関係筋の動きも、報道もありません。出る杭を打つためには、権力もメディアも一致団結して世論操作をも厭わない大キャンペーンを展開し、しかしそうでなければ様子を見ながら、当局の発表を待つということなんでしょうか

フィナンシャル・タイムズからも日本の報道に関しては疑問視されるというか、馬鹿にされっぱなしのままです。それにしても海外メディアは、このオリンパス問題の始まりは、雑誌FACTAのスクープ記事だといずれもが紹介していますが、日本のマスメディアからはFACTAは紹介されていません。せめて社会人としての礼節というか、常識ぐらいはもってもらいたいものです。

買収資金、群がる金融ブローカー 反社会勢力に流出か (1/3ページ) (2/3ページ) (3/3ページ)11/21/11(産経新聞)

大手光学機器メーカー「オリンパス」の損失隠し疑惑で、金融ブローカーらに巨額の報酬が渡っていた疑いが20日、明らかになった。ブローカーは反社会的勢力の周辺者と結びつきがあるとされ、損失穴埋めのために捻出された買収費用の一部は、こうした勢力の活動資金として流れた可能性も浮上。東京地検特捜部と証券取引等監視委員会は旧経営陣による損失隠しの手口を調べる一方、社外への資金流出にも関心を強めており、警視庁とも連携して資金の流れの全容解明を進める。

 金融ブローカーは通常、資金繰りに行き詰まった企業の相談を受けて融資先を探し、手数料を得るのが一般的だ。だが、自ら不正な資金集めに加担することで多額の利得を得るケースもある。

 ある捜査関係者は「業績不振の企業を見つけ、架空増資などで不正な金を引っ張ってくる例はあるが、オリンパスのように確かな実績のある会社の買収にブローカーが入り込むケースは珍しい」と話す。

 オリンパスは一連の買収を行った平成18~20年当時、巨額損失穴埋めの処理を急いでおり、買収スキームの中心になったとみられる大手証券会社OBを軸に、“雪だるま式”にブローカーが群がったとみられる。

 今回の買収スキームに関わったとみられるブローカーは10人前後にのぼり、いずれも国内外の銀行や証券会社を渡り歩いてきた経験を持つ。金融当局の監視が届きにくい英ケイマン諸島など、租税回避地のファンドを多用した巧妙な買収劇は、こうした複数のブローカーが人脈を結集して考案した可能性が高い。また、ブローカーの多くは銀行口座などで情報の秘匿性が高いとされるシンガポールを拠点としており、資金の流れを複雑化させている。

地続きの人脈

 「指定暴力団山口組を含む犯罪組織に流れた」

 オリンパスをめぐる一連の買収資金については、海外メディアでこう報じられるなど、暴力団の関与が取り沙汰されている。報酬を得たとみられるブローカーらは暴力団組員そのものではないが、反社会的勢力とともに経済活動を行う「共生者」とも接点があるとされる。このため、ブローカーの人脈をたどると暴力団組織と“地続き”といえる。オリンパスはこうしたブローカーらが実質支配するファンドの背後関係を知らぬまま、結果として資金提供をしていた可能性もある。

 オリンパスが設置した第三者委員会が今月7日、森久志前副社長から事情を聴いた際、森氏は「買収資金は含み損の解消に利用されており、マネーロンダリングや反社会的な団体への還流はない」と説明していた。

関連性に着目

 オリンパスが損失の穴埋めに充てたのは(1)英医療器具会社「ジャイラス」買収の際、ケイマン諸島の助言会社に支払った約660億円の報酬(2)健康食品会社「ヒューマラボ」など国内3社の計734億円の買収資金-の2つに大別される。

 両者の買収スキームこそ異なるが、国内3社の買収に関与した一部のブローカーは、ジャイラス社の買収にも関わっているとみられる。このため、特捜部と監視委など金融・捜査当局は、ブローカーが介在した国内外の2つの買収の関連性にも着目しているもようだ。



【用語解説】オリンパス

 内視鏡やデジタルカメラを製造・販売する光学機器大手。顕微鏡の国産化を目指して大正8年に創業。その後、カメラ市場に参入し、世界で初めて胃カメラの実用化にも成功した。平成23年3月期の連結売上高は約8471億円。3月末のグループ従業員数は3万4391人。

オリンパス「監査契約終了は意見の相違」 幹部に伝達 11/17/11 (朝日新聞)

 オリンパスがそれまで長年、会計監査人を務めたあずさ監査法人との契約を2009年に終了させた際、対外的には理由を「任期満了」と説明しながら、内部の一部幹部には、損失計上をめぐる「意見の重大な相違」と伝えていたことがわかった。同監査法人はこの直前に、問題があると指摘していた。一般投資家に事実を伝えようとしない同社の姿勢が改めて浮かび上がった。

 解任された同社のマイケル・ウッドフォード元社長から朝日新聞が入手したメールの写しによると、09年5月25日、同社の川又洋伸(ひろのぶ)・経理部長(当時)から、オリンパスの欧州法人の社長だったウッドフォード氏らに「菊川氏のメッセージ」と題するメールが送られた。

 「マル秘」のスタンプが押された菊川剛(つよし)社長(当時)の英文の手紙が添付されており、「本日の取締役会で、あずさ監査法人との会計監査人契約を更新せず、任期満了とともに契約を終了すると決めた」と書かれていた。東京証券取引所の規則に従って公表する際には「終了の理由については単に任期の満了と言うつもりだ」とされていた。

「SFOが日米の検察当局と協力すると予想していた。」

少なくとも日本の検察当局はあてにならないだろう。少し英語が出来るキャリアが言い訳する程度じゃないの? 日本に徹底的に調査できる経験と能力を持つ公務員などほとんどいないだろう!

証券取引等監視委員会(国立国会図書館 ISSUE BRIEF NUMBER 545(JUN.14.2006) ) は使えるのか?原子力安全保安院 は東京電力福島第1原発事故で役に立たない税金の無駄遣いであることが証明された。 証券取引等監視委員会も同じであると思えるが、FBIとSFOが動いているので証券取引等監視委員会が 使えない飾りである事を海外のメディアを通して公表することに期待する。

英重大不正捜査局、オリンパスの捜査開始=関係筋 11/16/11 (ロイター)

 [ロンドン 16日 ロイター] 事情に詳しい筋によると、英重大不正捜査局(SFO)は、オリンパス<7733.T>の10億ドルを超える不明朗な支出や買収について、正式な捜査を開始した。

 同筋が匿名を条件に明らかにした。現在のところSFOのコメントは得られていない。

 法律専門家らは、多額の支払いの一部が2008年の英ジャイラス買収に関連していることを理由の1つに、SFOが日米の検察当局と協力すると予想していた。

 同社が支払った約13億ドルの不明な手数料や買収資金に警鐘を鳴らしたオリンパスのマイケル・ウッドフォード元社長は、SFOに大量の資料を速やかに提出した。

 同氏は、米連邦捜査局(FBI)、米司法省、米証券取引委員会(SEC)とも連絡を取ったほか、日本の証券取引等監視委員会(SESC)にも資料を送付した。

 オリンパスの高山修一社長は先週、同社が20年間にわたって、証券投資に絡んだ損失を隠していたことを認めた。 

監視委、行政処分に向け聴取開始…オリンパス 11/16/11 (読売新聞)

 光学機器大手「オリンパス」の損失隠し問題で、証券取引等監視委員会は、金融商品取引法違反(有価証券報告書などの虚偽記載)での行政処分に向け、同社の財務担当者から聴取を始めた。

 上場廃止の是非を判断する東証の審査に間に合わせるには、同社が来月中旬に予定する決算の訂正から、間を置かずに結論を出す必要があり、早急に調査を進める必要があると判断した。

 一方、検察内部では、長年、市場を欺いた行為は悪質で、虚偽記載罪で刑事責任を問うべきだとの意見が根強い。監視委でも、損失穴埋め工作に関しては、目的を隠して株価を維持しようとした同法違反(偽計)の疑いがあるとみて、今後、東京地検や警視庁と協議する。

オリンパス、時価会計導入前に損失1300億円 11/16/11 (朝日新聞)

 オリンパスがバブル期に投資した有価証券などの含み損を、時価会計が導入された2001年3月期までに1300億円規模に膨らませていたことが関係者への取材でわかった。同社の第三者委員会もこうした事実を把握し、巨額の損失計上を避けるため、同社が隠蔽(いんぺい)工作に走ったとみて実態解明を急いでいる。

 本来ならオリンパスは時価会計導入で、この01年3月期末に1千億円を超える損失の計上を迫られたはずだったが、実際には9億円の特別損失を計上しただけだった。

 関係者によると、オリンパスはバブル期に投機性が高い金融商品に手を出し、1990年代初めのバブル崩壊以来、財テクの損失が膨らんだ。当時も取得価格と時価の差(含み損)が5割超まで膨らむと、損失計上を迫られる決まりがあったが、時価が分かりにくい金融商品などと交換するなどして、損失計上を先送りしていた。

 だが01年3月期には時価を厳格に反映させる時価会計が導入され、この手法は通用しなくなる。そこで同社は含み損を外部に移し替える「飛ばし」に走ったとみられる。

【助言会社への巨額報酬契約 菊川前会長ら3人で決定 取締役会には事後報告】

 大手光学機器メーカー「オリンパス」の損失隠し問題で、英医療器具会社「ジャイラス」買収の際に巨額の報酬を支出した助言会社との契約について、菊川剛前会長兼社長ら当時の役員3人が取締役会を経ずに決めていたことが15日、同社の内部資料から分かった。菊川氏周辺が“密室”で契約内容を決めた格好で、巨額報酬の不透明さが改めて浮かんだ。

 オリンパスは平成18年6月、米国の助言会社「アクシーズ・アメリカ」に、ジャイラス買収額の1%に相当する成功報酬を現金と株式オプションで支払う契約を締結。19年6月には買収額に応じて成功報酬が変動する修正契約を結んだ。

 内部資料によると、オリンパス側で契約締結と内容の修正に携わったのは菊川氏、森久志前副社長、山田秀雄監査役の3人。3人は「情報管理を徹底する」として、他の役員も閲覧できる電子決裁システムを通さずに決定。19年11月にジャイラスの買収を承認する取締役会で、助言会社との契約を事後承認させていた。

 買収額は約2100億円で、契約上の成功報酬は5%だったが、オリンパスはアクシーズ側に付与した株式オプションを配当優先株と交換。さらにその配当優先株を買い戻すことで、最終的な支出は約660億円に達した。

 証券取引等監視委員会は、当初から巨額の資金支出が損失穴埋め目的だったとみて、金融商品取引法違反(偽計)の疑いがあるとして調査を続けている。

融資した銀行、証券会社や大株主を助けるために 証券取引等監視委員会(ウィキペディア) が上場廃止回避を検討しているように思える。

証券取引等監視委員会(国立国会図書館 ISSUE BRIEF NUMBER 545(JUN.14.2006) ) は必要ない。このような判断しか出来ない組織は必要なし。

公平な判断をしない国家なのに、偽善者のように平等とか自由とか政治家は言う。騙される日本人達に同情する必要はないと言う事か? 増税も行われる。働けど、働けど、報われない社会!この国はおかしい。

オリンパス、上場廃止回避の可能性も 11/13/11 (読売新聞)

 光学機器大手「オリンパス」の損失隠し問題で、証券取引等監視委員会が、金融商品取引法違反(有価証券報告書の虚偽記載)容疑について行政処分にとどめる方向で検討を始めたことにより、同社の上場廃止が回避される可能性が出てきた。

 一方、監視委では、同法違反(偽計)を適用する方針も浮上しているが、検察内部には虚偽記載罪の刑事責任を問うべきだとの意見が強く、今後、東京地検、警視庁との間で協議を行い、最終判断する。

 同社は現在、東京証券取引所の監理銘柄に指定され、上場廃止が懸念されている。東証の上場廃止基準によると、投資判断に重大な影響を与える有価証券報告書の虚偽記載があった場合は上場廃止とされる。だが、監視委が同社に課徴金を科すよう金融庁に勧告することで、虚偽記載では刑事責任を問われなければ、基準に抵触せず、廃止が回避される公算が大きくなる。

オリンパス虚偽記載、行政処分へ 上場廃止判断に影響も 11/12/11 (読売新聞)

 オリンパスの損失隠し問題で、証券取引等監視委員会は、金融商品取引法違反(有価証券報告書の虚偽記載)容疑については同社の刑事責任を問わず、行政処分の課徴金にとどめる方向で検討を始めた模様だ。同社が近く、過去の有価証券報告書の訂正を財務局に出すことが条件。東京証券取引所による上場を廃止するかの判断にも影響を及ぼすとみられる。

 その一方で監視委は、2006~08年の巨額の買収や投資助言会社への支払いについては、実際には損失を解消する目的があったのに株価の維持をはかるために市場に知らせなかった疑いが強いとみて、同法違反(偽計)容疑での刑事告発を検討していくという。

 オリンパスをめぐっては、東証が10日に、上場廃止のおそれがあると投資家に注意をうながす「監理銘柄」に指定した。今年7~9月期の決算報告書が来月14日までに財務局に提出されなかった場合や、過去の有価証券報告書に刑事責任を問われるような重大な虚偽記載があれば、上場廃止となる。

In Olympus Inquiry, F.B.I. Has Many Possible Paths to Pursue  10/31/11 (The New York Times)
By PETER J. HENNING

A Japanese company’s acquisition of a British firm wouldn’t usually come to the attention Federal Bureau of Investigation. But a $687 million fee paid to an obscure American brokerage firm — roughly 36 percent of the purchase price — has piqued the interest of authorities, who could be looking into an array of potential violations.

The Olympus Corporation, which has headquarters in Japan, bought the Gyrus Group, a British medical device manufacturer, in 2008 for approximately $2 billion. One of the advisers on the deal was Axes America, a small broker-dealer in New York headed by two Japanese bankers, Hajime Sagawa and Akio Nakagawa, who had worked together at Drexel Burnham Lambert.

The F.B.I. began its investigation after Olympus fired its chief executive, Michael C. Woodford, who alleged that the sizable fee paid to Axes America was improper. In a DealBook article, a Harvard Law School professor, J. Michael Ramseyer, described the payment as “bizarrely huge.”

The fee included option and warrant rights on Gyrus, which is an uncommon way to pay an advisory fee in a straightforward acquisition. Those rights later increased substantially in value when Olympus took complete control of the company. According to a filing with the Securities and Exchange Commission in 2008, Axes America shut down in 2008 and transferred its rights “to an offshore-related entity in exchange for $24,000,000.” That entity has been identified as a Cayman Islands firm, Axam Investments.

Olympus is not registered with the Securities and Exchange Commission, so the company does not file financial information on a regular basis, which is often a basis for pursuing an investigation about potentially incomplete or misleading disclosure. Although much of the case involves foreign companies and individuals, there are federal statutes applicable to conduct outside the United States that can be the basis for a prosecution in this country. (Neither Olympus, Axes nor their officials have been accused of any wrongdoing.)

Here are some potential areas of inquiry.

Money Laundering

The money laundering statute, 18 U.S.C. § 1956, was expanded by Congress to cover financial transactions that involved the proceeds of conduct that violated the laws of a foreign nation. The government must show the money involved was produced by “specified unlawful activity,” which includes a long list of crimes, and that the transactions were intended to hide the source of the money.

Among the offenses that can be the basis for a money laundering prosecution are violations of another country’s laws, as long as the crimes are covered under an extradition treaty with the United States. The United States and Japan have an extradition treaty that includes fraud and embezzlement, so those offenses could also be the “specified unlawful activity” for a money laundering case. The statute also allows for “extraterritorial jurisdiction” for an offense, meaning that foreign nationals can be prosecuted in this country if at least part of the conduct occurred in the United States.

If the payment to Axes America was the result of a scheme to defraud Olympus, then any subsequent transfers of the fees can be prosecuted, provided there was a movement of money by wire or via a financial institution.

In addition, subsequent transactions involving the proceeds can also violate the law. The transfer of rights to the Cayman Islands firm in exchange for a $24 million payment could draw the attention of the F.B.I. because of that country’s status as a haven for secret bank accounts.

Wire Fraud

The federal wire fraud statute, 18 U.S.C. § 1343, one of the broadest laws on the books, is used to prosecute conduct like insider trading and Ponzi schemes. If the advisory fee paid to Axes America involved misleading Olympus about the nature of the payment or who was sharing in it, then that could be the basis for a fraud prosecution.

If corporate insiders at Olympus received a portion of the payment, then the case could also be prosecuted as a wire fraud under the “right of honest services” statute, 18 U.S.C. § 1346, which defines a fraudulent scheme as including a deprivation of the intangible right to honest services. The Supreme Court, in Skilling v. United States, limited the scope of the law to cases involving bribes or kickbacks. So the F.B.I. may be looking to see if some of the money made its way back to corporate insiders.

The wire fraud statute can be used against schemes involving foreign victims so long as there was a wire transmission in interstate or foreign commerce, which means one transmitted into or out of the United States or across state lines. In Pasquantino v. United States, the Supreme Court upheld a conviction for defrauding the Canadian treasury out of tax revenue from smuggled cigarettes.

The Travel Act

An interesting possibility for an investigation is the Travel Act, 18 U.S.C. § 1952, which was adopted in the early 1960s at the request of Attorney General Robert F. Kennedy to aid in the fight against organized crime. While the statute mainly addresses crimes of violence, it can also be applied to interstate facility that involves “the promotion, management, establishment, or carrying on, of any unlawful activity.” The term “unlawful activity” includes commercial bribery that violates the law of the state in which the activity occurred.

If a portion of the advisory fee was diverted to Olympus officials, then that could be a form of commercial bribery that would allow federal prosecutors to reach the activity. The wire fraud statute requires an interstate or foreign wire transmission, while the Travel Act covers a broader range of conduct, including airline travel by someone connected to the payment.

Tax Evasion

A domestic area that may be a focus of the investigation is the transfer of the rights by Axes America to Axam Investments, which may raise questions about whether it was intended to avoid paying taxes in the United States. The fee to Axes America for the rights was only $24 million, according to the firm’s filing with the S.E.C. in 2008, even though Olympus later paid more than $600 million when it cashed them out.

Using a Cayman Islands firm to complete a transaction that began in the United States might be viewed as an intention to avoid paying taxes on the gains, which could draw the interest of the Internal Revenue Service in addition to the F.B.I.

The F.B.I. investigation is still in its earliest stages, and Olympus stated in a release that “there were no facts of illegality or illicitness related to a series of transactions regarding our acquisition of Gyrus.” A significant portion of the information related to the transaction is in Japan, and it may be difficult for investigators to interview officials at the company.

So while prosecutors have the tools to pursue a prosecution, gathering the evidence to prove a case may be much more difficult.

オリンパスの不透明なM&A、金融庁と監視委に調査要請=民主政調副会長 10/25/11 (ロイターニュース)

 [東京 25日 ロイター] 民主党の大久保勉政調副会長は25日、M&A(合併・買収)資金の不透明な流れが指摘されている光学機器メーカー、オリンパス(7733.T: 株価, ニュース, レポート)の問題について、異常な取引と述べ、金融庁と証券取引等監視委員会に対して調査するよう要請したことを明らかにした。

 日本の企業統治(コーポレートガバナンス)や株式市場の信頼性にかかわる問題に発展する懸念があるとし、経営陣は早期に経緯を明らかにすべきと述べるとともに、国会でも取り上げる可能性を指摘した。ロイターに対して語った。

 大久保氏は、25日に金融庁の担当者に対し、オリンパス問題に関する報道について「事実かどうか、少なくとも金融庁はしっかり調べ、証券等監視委員会も関心を持つべき」と伝え、調査するよう要請したことを明らかにした。オリンパス(7733.T: 株価, ニュース, レポート)は、英医療機器メーカーのジャイラス社買収でフィナンシャル・アドバイザー(FA)に6億8700万ドル(当時のレートで約687億円)を支払ったことを公表しているが、資金の実態などが不透明として米連邦捜査局(FBI)も調査に乗り出している。

 大久保氏は、買収をめぐる巨額なFA資金と不透明な資金の流れについて「異常」と指摘し、オリンパス経営陣が早期に経緯を明らかにする必要があると述べるとともに、実態の解明を急ぐべきだと強調。「少なくとも投資家が納得するようなかたちで経営陣が説明し、それに対して責任をとらない限り、日本のコーポレートガバナンス(企業統治)や株式市場の信頼性が薄れる」と危機感を表明した。また、「日本企業のコーポレートガバナンスが欠落しているとみなされる恐れが出てくれば、金融庁や東証、もしくは監査役、社外取締役などの制度を再点検する必要が出てくる」と制度の改正・強化の必要性にも言及した。 

 さらに、こうした日本企業のガバナンスや株式市場の信認に係わる問題は「国会としても看過できない」と指摘。状況によっては、金融担当大臣や東証社長らも含めた議論が必要になるとし、国会の場で問題を取り上げる可能性があると語った。 

 (ロイターニュース 伊藤純夫)

幹部が組織的にやっただけなんだろ!

証券取引等監視委員会(国立国会図書館 ISSUE BRIEF NUMBER 545(JUN.14.2006) ) は調べなくて良い。 証券取引等監視委員会(ウィキペディア)は必要なし!

オリンパス、ファンドに多額出資で「飛ばし」か 11/12/11 (読売新聞)

 光学機器大手「オリンパス」の損失隠し問題で、同社が、2000年に設立した投資ファンドを使って損失隠しを行った疑いがあることが関係者の話でわかった。

 出資金300億円には、多額の含み損を抱えた有価証券などが充てられており、同社は出資金名目で“損失飛ばし”を行ったとみられる。同社は、このファンドを通じ、損失の穴埋め工作に使った国内3社を買収しており、証券取引等監視委員会は、このファンドが不正工作解明のカギを握っているとみて調べている。

 オリンパスが損失隠しに利用した疑いがあるのは、2000年に設立した投資ファンド「G.C.New Vision Ventures(GCニュービジョンベンチャーズ)」。オリンパスは、00年1月の取締役会で事業投資ファンドへの出資を決議。GCファンドを設立し、翌01年3月までに有価証券などで300億円を出資した。目的は、カメラ、内視鏡など既存の事業とは別に中核事業を育てるためとされた。

多額で長期の虚偽記載 悪質性の指摘も 上場廃止判断に影響 11/12/11 (産経新聞)

 オリンパスの損失隠しをめぐり、約700億円の損失付け替えと最大1300億円の水増し資産の計上という、具体的な有価証券報告書虚偽記載の疑いが明らかになった。オリンパスは第三者委員会の報告書を受け、過去の決算を訂正するとみられる。東京証券取引所は、訂正内容について、上場維持か廃止の是非を審査するが、粉飾の金額や期間、悪質さがポイントになる。

 東証の上場廃止基準は、「虚偽記載の影響が重大な場合」としている。定数的な基準はないが、金額や期間に加え、悪質性が高いケースが該当する。

 上場廃止となったカネボウの粉飾決算事件では、800億円の債務超過を資産超過と記載するなど、5年間で総額2千億円超の粉飾を行っていた。東証は「長期にわたる不正な開示が投資家の判断を大きく見誤らせた」(鶴島琢夫社長、当時)として廃止にした。

 自社株売却益や架空利益を不正に計上し、約53億円を粉飾したライブドアも、東証は「その金額において重大で組織的」として平成18年4月に上場廃止になった。

 一方、18年に約200億円の不正利益の計上が発覚した日興コーディアルグループ(当時)は、「複数年にわたり、最高責任者の指示で全社的な不正経理が行われていたカネボウのケースとは違う」(西室泰三社長、当時)として、上場が維持された。

 オリンパスで判明した疑いは、単年度の決算で金額が最大1300億円に上り、10年間ではさらに巨額となる。損失を付け替えた21年3月期は、リーマン・ショック後の景気悪化で多くの企業が多額の損失を計上しており、「目立たないこの時期をあえて選んだのでは」(関係者)との見方も出ている。

 カブドットコム証券の河合達憲チーフストラテジストは「オリンパスは飛ばしのスキームが明らかに組織的で。上場廃止にするべきだ」と指摘した。

不正指摘した監査法人解約 オリンパスが09年 11/10/11 (朝日新聞)

 オリンパスが損失隠し問題に関連し、2009年に監査法人から不正があると指摘され、直後にその監査法人を解約していたことがわかった。今年10月に同じ問題を追及した英国人のマイケル・ウッドフォード社長(当時)が解任されたのと同じ構図で、疑惑の指摘を封じ込める会社の隠蔽(いんぺい)体質が浮き彫りになった。

 関係者によると、あずさ監査法人は09年、オリンパスが08年2月に英医療機器会社ジャイラスを買収したときに支払った助言会社への報酬の大きさを不審に思い、理由や決算への反映の仕方でオリンパス側と意見が対立。08年までに健康食品販売などのベンチャー3社を計734億円で買収していた点も、3社にはそれだけの価値はないと指摘し、買収額と実際の企業価値の差額を損失計上するよう要求した。

 この結果オリンパスは09年5月に発表した09年3月期決算で、あずさ監査法人の指摘を反映する形で3社分だけで計557億円の損失を計上し、その決算をあずさ監査法人は承認した。

オリンパス:助言会社へ株で報酬 監査法人の反対押し切り 11/10/11 (毎日新聞)

 オリンパスの損失隠し問題で、08年の英医療機器メーカー「ジャイラス」の買収に伴う米投資助言会社への支払いの一部をめぐり、監査法人が現金で行うよう勧めたにもかかわらず、オリンパスがジャイラスの優先株による支払いを強行していたことが9日、分かった。オリンパスはその後、優先株を6億2000万ドル(当時の為替レート換算で約590億円)で買い戻しており、過去の損失穴埋め費用を確保するために、投資助言会社へ多額の資金を流す狙いがあったとみられる。

 毎日新聞が入手した内部資料などによると、オリンパスは投資助言会社に対し、ジャイラス買収の報酬の一部を、ジャイラスの新株予約権で支払う契約を結んでいた。しかし、オリンパスが予定していたジャイラスの再上場を取りやめたとして、投資助言会社は新株予約権に代わるものを求めたとしている。

 当時オリンパスを担当していた海外の監査法人は08年7月、「現金で清算するのが透明性の観点から最も望ましい」と助言。オリンパスは聞き入れず、「投資助言会社が『現金で受け取れば米国で課税が生じる』と反対している」などとして、約1億7700万ドル(同約184億円)の価値があるとする優先株による支払いを選択した。同9月、オリンパスは英領ケイマン諸島にある投資助言会社の関係会社に優先株を渡した。

 ところがその後、「ジャイラスを完全子会社化する」として、優先株を買い取ることを決定。ジャイラスの企業価値が向上したとして、買い取り額を発行時の3.5倍に設定。オリンパスは「投資助言会社が他者へ優先株を売却するのを防ぐため、高額で買い取った」と説明していたが、資金を流すためのからくりだったとみられる。

 投資助言会社の関係会社は資金を受け取った3カ月後、会社登録を抹消。投資助言会社も現在は実態がないとみられ、資金の流れが追いにくい両社に支払われた資金が、「飛ばし」で表面化しなかった損失の穴埋めに利用された可能性が高い。

 新株予約権発行や優先株買い取り額などの決定は、オリンパス側は菊川剛前会長兼社長、森久志前副社長ら一部の幹部で決められたとみられる。オリンパスの第三者委員会も経緯を把握しているもようで、全容解明を進めている。【竹地広憲】

時価会計が「飛ばし」動機 損失倍増で新たな不正 (1/2ページ) (2/2ページ)11/09/11(産経新聞)

 オリンパスは、平成13年3月期決算から導入された時価会計制度を契機に、500億円規模の損失を表面化させないため、「飛ばし」という違法行為に手を染めた。だが、損失は1000億円に倍増し、買収資金を還流させて穴埋めするという新たな違法行為へと走らせた。問題の先送りが、オリンパスを泥沼に引きずり込んでいった構図が浮かび上がってきた。

 「金融資産整理損 169億9600万円」。平成12年3月期のオリンパスの有価証券報告書には、損失隠しの動かぬ証拠が記載されている。

 関係者の証言によると、この時点で1990年代から行っていた投機性の高い金融商品は、500億円規模の含み損を抱えていた。時価会計は保有する金融商品について、従来の取得時の価格(簿価)ではなく、市場価格(時価)での計上を義務づけるものだ。

 本来なら500億円の含み損を計上して損失処理を行う必要があった。だが実際の計上額ははるかに少なく、金融商品取引法違反(有価証券報告書の虚偽記載)の疑いがある。

 時価会計導入以前なら含み損を処理せずに損失を隠していても、「違法かどうかはグレーゾーン」(アナリスト)だった。

 オリンパスは、簿外で隠しておくことができなくなり、含み損を抱える金融商品を複数の投資ファンドに付け替える「飛ばし」を実行したとみられる。

 高山修一社長は8日の会見で、「処分すれば、会社に大きな影響があったと推測する」と述べており、当時の経営陣は業績や財務の悪化を恐れたようだ。損失計上の回避で同期の決算は最終黒字を確保した。

 だが、その判断は裏目に出る。ITバブルの崩壊などもあって相場は悪化し、飛ばした金融商品の含み損は1000億円超に倍増。「一気に穴埋めしようとして、買収資金を還流させるスキームが考案された」(関係者)という。英医療器具会社買収の報酬と国内のベンチャー企業買収費の計1400億円の大部分を還流させ、損失のほとんどを解消したとみられている。

Former Olympus Officials Face Possible 10-Year Terms if Probe Finds Fraud 11/10/11 (Bloomberg)

By Naoko Fujimura and Eijiro Ueno

Former Olympus Corp. (7733) officials face as long as 10 years in prison if investigations into the company’s claims that they hid decades of losses lead to convictions for fraud, falsification of financial statements or aggravated breach of trust.

The Tokyo Prosecutor’s Office is investigating Olympus on suspicion the company broke securities laws after the camera maker said Nov. 8 that ex-chairman Tsuyoshi Kikukawa, former executive vice president Hisashi Mori and auditor Hideo Yamada colluded to hide losses by paying inflated fees to advisers.

“The allegations appear to be a classic accounting or securities fraud and are significant enough that Japanese authorities may take firm action,” said Samuel Williamson, a partner in Kirkland & Ellis LLP’s white collar criminal investigations and government enforcement practice.

Prison for such offenses in Japan is rare, said Williamson, a former U.S. Department of Justice prosecutor now based in Shanghai. While the founder of Internet startup Livedoor Inc. Takafumi Horie is serving 2 1/2 years in prison for accounting fraud, the former president of cosmetics maker Kanebo Ltd. Takashi Hoashi had his two-year sentence for the same crime suspended when it was issued in 2006.

“With U.K. and U.S. authorities reportedly looking into the allegations, this has already received more international attention than Livedoor or Kanebo,” Williamson said.

Stock Falls

Olympus shares dropped by their daily limit of 100 yen today, falling 17 percent to close at 484 yen on the Tokyo Stock Exchange. The stock has plunged 81 percent since Michael C. Woodford was fired as chief executive officer on Oct. 14.

Japanese police have begun investigations into Olympus and will probably share information with overseas authorities, the Yomiuri newspaper reported today, without saying where it got the information.

Yoshiaki Yamada, an Olympus spokesman in Tokyo, and a spokeswoman at the city’s Metropolitan Police Department both declined to comment on the report when contacted by Bloomberg News.

Olympus said Nov. 8 that it continues to pursue an internal investigation into the allegations by Woodford that $1.5 billion was siphoned out of the company through writedowns and fees related to a series of takeovers.

Pressure to Review

Kikukawa, who had Woodford removed, resigned Oct. 26 as investors increased pressure for a review of the deals. Kikukawa denied any wrongdoing when he stepped down and said he intended to stay on the board.

Olympus declined a request to interview Kikukawa, Mori and Yamada. In six attempts to talk to Kikukawa at his home, the former chairman didn’t appear.

Mori, who was fired Nov. 8, couldn’t be reached at the Kawasaki city home address for him given in U.K. filings. Yamada is willing to resign, according to Olympus.

Aggravated breach of trust under article 960 of the Companies Acts carries a penalty of as long as 10 years in prison and a fine of as much as 10 million yen ($128,700). Falsifying securities reports under article 197 of the Financial Instruments and Exchange Act carries the same punishment, while fraud under the penal code can be punished by as long as 10 years in prison.

FBI Investigation

The U.S. Federal Bureau of Investigation is probing payments by Olympus to advisers related to the 2008 acquisition, said a person familiar with the inquiry who declined to be identified because they weren’t authorized to speak publicly about it. Woodford, who has met with investigators at the Serious Fraud Office in London, also said the FBI is investigating the matter.

The probes center on more than $600 million in fees paid to Axam Investments Ltd., a now-defunct Cayman Islands fund connected to U.S.-based Japanese banker Hajime Sagawa.

Separately, Boston-based law firm Block & Leviton LLP said Nov. 8 it is representing investors seeking to recover money lost due to investment fraud.

“The case may be the biggest since Kanebo and Livedoor,” said Nobumichi Hattori, a corporate strategy professor at Tokyo- based Hitotsubashi University.

“It’s very shameful,” said Hattori, the former head of Goldman Sachs Group Inc.’s mergers and acquisitions business in Japan.

オリンパス:監査法人、09年に買収費用の不自然さ指摘 11/10/11 (毎日新聞)

 オリンパスの損失隠し問題で、同社が09年に当時のあずさ監査法人から日英4社の買収について不自然な点を指摘され、第三者機関のわずか2度の会合で「不正があったとは評価できない」との調査結果をまとめさせていたことが10日、わかった。毎日新聞が入手した第三者機関の報告書には「調査期間が短く聴取対象も限定的」などとオリンパス経営陣が調査に積極的に協力しなかったことをうかがわせる記述もあった。当時の菊川剛社長らが外部調査を急ごしらえし、監査法人の追及をかわそうとしたとみられる。

 複数の関係者によると、オリンパスの会計監査を担当していたあずさ監査法人は、英医療機器メーカー「ジャイラス」の買収に伴う投資助言会社への報酬が相場より割高な点や、健康食品会社など国内3社の買収費用が通常と異なる基準で高く算定されたことを問題視。調査の必要性を指摘した。

 監査法人の追及を受け、オリンパスの監査役会は、弁護士や公認会計士、学識経験者の3人で構成する第三者機関を急きょ設置。オリンパス側は09年5月11日から財務決済書など約60種類の資料を提出した。しかし、第三者機関の会合は09年5月14日午前9時から4時間と同月17日午後7時から6時間の2回しか開かれず、調査期間はわずか1週間だった。

 報告書は「調査期間や聴取の対象者が極めて限定されていた」「十分な調査を行えば発見できた事項が発見できなかった可能性がある」と指摘。それにもかかわらず、「不正は認識できなかった」と結論づけた。オリンパスは09年6月、あずさ監査法人を解約した。【竹地広憲】

会計士協会、オリンパス監査法人を調査へ 11/09/11 (産経新聞)

 日本公認会計士協会は9日、オリンパスの監査に問題がなかったか監査法人などの調査を行う方針を固めた。10日に予定している同協会の監査業務審査会で正式決定する。

 オリンパスが不透明な企業買収を行った前後は、あずさ監査法人と新日本監査法人が監査を担当していた。

 調査では、監査の実施状況や決算などでの監査人の適正意見の表明が妥当だったかなどを調べる。

 問題が見つかった場合には、協会として業務停止などの懲戒処分を行う可能性もある。

オリンパス:買収先「助言会社知らぬ」…穴埋め流用裏付け 11/09/11 (毎日新聞)

 【ロンドン笠原敏彦】オリンパスが証券投資の損失を隠していた問題で、焦点となる英医療機器メーカー「ジャイラス」買収をめぐり、買収交渉に携わったジャイラスの複数の元最高幹部が毎日新聞に対し、オリンパスが巨額報酬を支払った投資助言会社について「名前も聞いたことがなかった」と証言した。オリンパスの高山修一社長は8日、投資助言会社への支払い(当時の為替レート換算で660億円)を財テクの失敗で生じた損失穴埋めに流用したことを明らかにしたが、投資助言会社がジャイラス買収に関係していないとの証言で、裏付けられた形となった。

 オリンパスはジャイラス買収に絡み、日本の証券会社出身者が代表を務める米国のAXESとケイマン諸島のAXAMインベストメントに約660億円を支払った。両者が結んだ07年6月のM&A(企業の合併・買収)に向けた合意文書では、買収候補先として海外企業4社が記載されており、ジャイラスは08年2月に買収された。

 買収の経緯について、英国人の元ジャイラス最高幹部は匿名を条件に「オリンパスから取締役会に買収提案の書簡が届き、魅力的な買収額だったので交渉を始めることになった」と説明。そのうえで、この最高幹部は投資助言会社について、「AXESやAXAMという名前は聞いたこともなく驚きだ。オリンパスのアドバイザーとは接触したことも、電話を受けたこともない」と証言した。

 買収に伴いジャイラスの最高経営責任者(CEO)を退任したロイ・デービス氏も電子メールで、「AXESとAXAMという名前は先月の報道で初めて知った。投資会社の代表には会った記憶もない」と回答した。AXAMはオリンパスからの最終支払いが行われた3カ月後の10年6月に登録料未払いで会社登録を抹消されている。

 巨額報酬を内部告発してオリンパス社長を解任されたマイケル・ウッドフォード氏は、買収の目的は資金を流用することだったと指摘。同氏は医療機器の専門家で、買収交渉が行われた当時はオリンパスの欧州法人社長だったが、東京からの相談は一切なく、「なぜ買収するのか」と疑問に思っていたという。

オリンパス、新会計基準の前に「飛ばし」 11/09/11 (読売新聞)

 光学機器大手「オリンパス」の損失隠し問題で、2000年に会計基準が変更され、金融商品の含み損を有価証券報告書などに記載しなければならなくなった際、同社が実際には1000億円近い損失を抱えていたとされるにもかかわらず、約170億円しか記載せずに処理していたことが分かった。

 同社が設置した第三者委員会は、同社が基準変更を前に、その他の損失の多くを複数のファンドを通じて海外に移す「飛ばし」などの手法で隠していた疑いが強いとみて調べている。

 同社の発表では、1990年代に多額の有価証券投資を行ったが、バブル崩壊で多額の含み損を抱えた。関係者によると、その額は00年頃には1000億円近くに上ったとみられる。

 01年3月期決算から会計基準が変更され、株式などの金融商品を取得時の値段である帳簿上の価格(簿価)で記入する方式から、その時の市場価格(時価)で表示する方式に改められた。これにより、同社は多額の含み損を一括処理する必要に迫られた。

 ところが、同社は、この新方式の導入を見越して、00年3月期の有価証券報告書で、1000億円近くにのぼるとされる損失のうち、約170億円のみを特別損失として計上。そのほかの損失は記載せず、飛ばしなどの手法で先送りした疑いがあるという。

オリンパス:「飛ばし」で数百億円隠蔽か 11/09/11 (毎日新聞)

 「会社ぐるみと言われれば、そうかもしれない」。オリンパスの高山修一社長は8日の会見でそう述べ、損失隠しが組織的に行われていた可能性を示唆した。同社が不正経理を認めたことから、証券取引等監視委員会は金融商品取引法違反(有価証券報告書の虚偽記載)の疑いで調査を開始。同社は損失隠しの手口を明らかにしていないが、関係者によると、ペーパー会社などに簿外債務として移す「飛ばし」と呼ばれる手法が取られたとみられる。

 会見によると、同社は90年代から有価証券投資などで生じた損失を隠蔽(いんぺい)。08年までのM&A(企業の合併・買収)に伴う投資助言会社への支払いや買収資金を、損失穴埋めに充てていた。隠蔽した損失額は明らかにしなかったが、投資助言会社への支払いに約660億円、買収資金には約734億円が充てられたことから、数百億~1000億円の規模だった可能性がある。こうした損失は毎年提出する有価証券報告書に記載されていない可能性が高い。

 隠蔽の手口についても同社は説明を避けたが、過去の同種事件では海外に設立したペーパー会社などに損失を付け替える「飛ばし」という手法が横行している。関係者によると、オリンパスでも同様の処理が行われたとみられる。

 監視委幹部は「今どきこんなことをやっている会社なんてない」と驚きを隠さない。監視委は組織性や常習性の有無▽隠蔽など悪質性の認識▽他の容疑での立件の可否--などを総合的に調査し、東京地検特捜部への刑事告発を視野に入れた強制調査に移行するか判断する模様だ。【川名壮志】

「オリンパスショックだ」高まる上場廃止懸念 東証・監査法人見抜けず、信頼失墜 (1/2ページ) (2/2ページ)11/09/11(産経新聞)

 会計処理をチェックする監査法人や上場を認めている東京証券取引所は、オリンパスが続けてきた不正な損失隠しを見抜けなかった。

 上場廃止となれば、株式は紙くず同然となり、株主は大きな損失を被る。「国際優良銘柄」として外国人投資家も多く、日本の証券市場全体の信頼さえ損ないかねない。

 8日の東京株式市場で、オリンパス株がストップ安にまで下落した主因は、上場廃止への懸念だ。東証のルールでは、投資家に重大な影響を及ぼすような虚偽記載があれば、上場廃止となる。

 オリンパスの有価証券報告書に疑惑が浮上したことで、監査法人が同社の決算内容をどんな手続きでチェックをしていたかも問われる事態となった。現在は新日本監査法人が担当しているが、平成22年3月期決算から、「オリンパスの意向であずさ監査法人から切り替えられた」(オリンパス関係者)という。

 損失隠しは、菊川氏や森氏ら経営トップのほか、山田秀雄監査役らによって行われていた。

 「見抜けないほど巧妙に会社が隠していたのか。あるいは監査が甘いザル状態だったのか」(証券アナリスト)。損失隠しがいつの決算から行われてきたのかは不明だが、今後、監査法人の責任が問われるのは避けられない。

 また長年にわたって、損失を隠していたオリンパスの上場を許す結果となっていた東証は、上場企業に対するチェック能力の限界を露呈した。

 会社法などに詳しい大和総研の横山淳主任研究員は「東証といっても民間機関で、強制的な調査権限は与えられていない。開示資料の内容のつじつまが合っていれば、お手上げだ」と話す。

 8日の東京株式市場では、日経平均株価がオリンパスの会見が始まると下げ幅は拡大し、111円58銭安の8655円51銭で取引を終えた。

 「ほかにも、同様の企業があるのではないかとの疑念が出た。オリンパスショックだ」(マネックス証券の村上尚己チーフエコノミスト)。市場の不信感は高まるばかりだ。

クローズアップ2011:オリンパス損失隠し 総額・手法、闇深く 11/09/11 (東京朝刊 毎日新聞)

 ◇財テク失敗、響き 巨額企業買収で「偽装」

 不明朗な企業買収問題から巨額の不正経理問題に発展したオリンパス。バブル期の財テク失敗による損失の隠蔽(いんぺい)を長年にわたって続け、穴埋めのため買収資金を流用する構図で、「報酬や買収額が不当に高い」(ウッドフォード元社長)と指摘された疑惑の真相の一端が浮かび上がった。しかし、損失総額や穴埋めの具体的手法は明らかにされず、首脳陣や監査法人のずさんな経営管理の実態も解明されていない。オリンパスの「闇」はなお深そうだ。【岩崎誠、竹地広憲、寺田剛】

 ●なぜ先送り?

 「今まで黙っていて大変申し訳なかった」。これまで「不正はなかった」と正当性を強調していた菊川剛前会長兼社長は7日夕、高山修一社長にこう言って長年にわたる損失隠しを認めたという。

 菊川前社長は01年に社長に就任。世界的な信頼を獲得した医療分野に加え、陣頭指揮をとり参入したデジタルカメラ事業の躍進で10年にわたりトップに君臨した。損失隠しが具体的にいつから始まったかは明確ではないが、好調な医療分野などでの企業買収を「隠れみの」に、損失隠しの後始末を図ろうとしたようだ。

 損失隠しの原点は80年代後半のバブル期にあった。高山社長は8日の会見で「円高が進んで売り上げが伸びず、営業利益が大変厳しい中で、日本企業のほとんどが財テクに走った」と状況を説明。その後のバブル崩壊で株式などの有価証券価格は急落し、運用で利益を得ようとしたが、90年代に多額の含み損に苦しむことになった。多くの企業は損失を処理して財テクの失敗を清算したが、オリンパスは20年近く損失を先送りしていた。

 高山社長は、他社のように損失を計上しなかった理由を詳述しなかったが、毎日新聞の取材に応じた元社員は「会社にとって株価維持は至上命令だった」と指摘した。満期を迎えた海外投資家向けの転換社債を現金で償還すれば多額の資金調達が必要になるため、株式に替えてもらう狙いがあったという。

 ●どう穴埋め?

 損失の穴埋めに使われたのが、巨額の企業買収だったことは判明したが、高山社長は具体的な手口や穴埋めした金額について「第三者委の調査結果を待つ」として明らかにしなかった。ただ、当時の損失額は「会社の経営に大きく影響を与える」(高山社長)ほどの巨額だったという。また、資金は複数のファンドを通じて処理されており、外部に不良債権を売却し、ひそかに損失を解消する「飛ばし」などの手法が使われた可能性がある。

 ●だれが把握?

 高山社長は菊川前社長、森久志前副社長、山田秀雄常勤監査役を責任者として名指しし、「会社ぐるみと言われても仕方ないが、私は知らなかった」と主張した。しかし、ある証券アナリストは「一部の経営陣が『飛ばし』でごまかせる範囲や期間は限られている」と述べ、監査法人や他の経営陣も事実を把握していた可能性を指摘する。第三者委は12月上旬にも調査結果を公表するが、問題の原因を作った歴代の経営陣の関与などが焦点になりそうだ。

 ◇内視鏡シェア7割…医療分野、優良 時価総額急落、「買収」の懸念

 オリンパスは内視鏡で世界の7割のシェアを持ち、カメラだけでなく医療でも信頼性が高い優良企業とされてきたが、信頼は地に落ち、イメージ悪化で経営に響くのは必至で国内外企業に買収される懸念も高まっている。

 8日の東京株式市場でオリンパス株の終値はストップ安の前日終値比300円安の734円まで売り込まれ、時価総額は過去3カ月ではピークだった6733億円から、ほぼ3分の1の1991億円まで急落した。高山修一社長は8日の会見で、損失隠しを謝罪した一方で「株価は下がったが、(オリンパス製品が)世の中に提供できる価値は変わっていない」と強調した。

 英国人のウッドフォード元社長起用で海外投資家も「オープンな雰囲気」と評価。内視鏡を含む医療部門は11年3月期決算で693億円の営業利益をあげ、カメラなど映像部門の赤字を補う高収益を維持している。しかし、市場では「イメージ悪化から年末商戦でカメラ販売が落ち込む」(アナリスト)との見方も出ている。

 オリンパスの損失隠しは、東京証券取引所の上場廃止基準である「有価証券報告書に虚偽記載し、その影響が重大である場合」に当たる可能性がある。過去にはカネボウや西武鉄道が基準に抵触し、上場廃止となった。

 東証は上場廃止基準に抵触するかを審査する際、対象株を監理銘柄に指定し、投資家に周知する。現時点では「利益の3割以上が変動する訂正」かどうかなど、監理銘柄と判断する材料が発表されていないため、東証がオリンパスに情報開示を求めている段階だが、市場には「上場廃止のリスクは高い」との見方が広がっている。

 損失隠しの影響で会社売却や事業譲渡の可能性も出てくる。内視鏡事業は「国内外の医療機器メーカーなどが、のどから手が出るほど欲しがっている」とされる。ある電機メーカー幹部は「オリンパスの内視鏡の高度な技術が海外企業に流出すれば、国内企業の競争力そのものが低下する」と懸念する。

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 ■ことば

 ◇オリンパス

 1919年、顕微鏡などの製造販売を手がける高千穂製作所として発足。49年にオリンパス光学工業、2003年にオリンパスに社名変更した。「ペン」シリーズなどのカメラで知られるほか、医療用内視鏡は世界で7割のシェアを持つなど、売上高の4割強を医療分野が占める。11年3月期連結売上高は8471億円、最終(当期)利益は74億円。資本金は483億円、連結従業員数は3万9727人(いずれも3月末)。

次の更新まで続く。

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