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おもしろいサイトを見つけた。

【現役社員が暴露】船舶代理店業務が大変な5つの理由 (物流社員の為の転職サイト)

船舶代理店での勤務経験はないが、船舶代理店の人間を見たり、話したりする事は結構あるので部分的にこのサイトの内容は理解できる。確かに船舶代理店への転職や就職を考えている人は現実を知っていた方が後悔しない場合はあると思う。

その言葉を聞いたときどんなイメージを持ちますか?

船舶代理店(せんぱくだいりてん)とは、本船の入出港に伴う関係官庁への許可申請や届出の業務を船会社及び船長の代理として業を行う者を指す。

-Wikipedia 引用-

船長の代理として業を行う者…そのまんまやないかい!

「世界を舞台にしていてカッコいい」
「英語を使って仕事をしていてすごい」
「クルーズ船の中に入れるかも」
「英語を活かして仕事をしてみたい」

漠然としたイメージだけど、カッコいいとか貿易の花形のイメージを持つ人が多いと思います。

さて、実際はどうなんでしょうか。

ネタバレすると、実際の仕事内容は皆さんが抱くイメージとはほぼ真逆です。

昼も夜も関係ない、毎日つらい
海運の代理店は長く続けるもんじゃない
やりがいはあるけど、正直しんどい・・・

皆さんが船舶代理店に対して抱くイメージに反して実際は、裏方作業が7割を占めていて業務量全体から見ると本船立会いよりも書類作成業務の方が多いです。
業務の割合は、本船立会い:書類作成=3:7くらいです。

イメージと事実のギャップを少しでも埋められるように、求人情報では知ることのできないリアルな情報を現役社員が暴露します。

本記事では、船舶代理店業務が大変な5つの理由を紹介します。

船舶代理店に転職を考えている方、始めようと考えている方は是非参考にしてください。
すでに船舶代理店をされている方も共感していただければ幸いです。

「昼も夜も関係ない」は一般的にはそうだと思うけど外航船に関係する仕事に対しては同じ事が言える。外航船は仕事がなく、係留状態でない限り、24時間、365日、検査や修理のために造船所にドックする期間以外は働き続けている。ある外国人監督と話した時、携帯電話を持たされて、眠っていても、友達の結婚式に出席しても船にトラブルが起きると対応しなければならないと嘆いていた。あまりにもひどいので問題を起こす確率が低い船を運航する会社に給料が下がっても転職して良かったと感じていると言っていた。この例と比較すると代理店業務は、「まだ良い」とも言える。代理店は基本的に入港と出港にスケジュールを合わせるだけであるが、現場の人は外航船が出港するまで仕事は終わらない。
他の交通機関と比べれば、外航船の仕事はスケジュール通りにいかないと考えた方が良い。1日か、2日、最悪では1カ月もスケジュールが変わる事がある。天候に影響され、予想外の事故や故障による予想外の事にも影響される。
船の入港や出港や入港する船のタイプ、代理店が取引している会社のグレード、船が接岸する工場のタイプなどによっても船舶代理店の勤務スケジュールに違いがあると思う。コンテナ船を扱う港や代理店でなければ、夜遅く、又は、朝早く入出港する仕事はない。コンテナ船は真夜中の入港や出港がある。干満や日没後の出港時間に規制がある港では夜遅くの大型船の出港はない。
英語の能力で聞き取る能力と話す能力があり、外国人相手の交渉に経験があれば、仕事は楽だと思う。まあ、この能力があれば適切に評価すれば貿易会社とか、外国との交渉や取引があるメーカーで就職した方が給料が同じであれば、生活のリズムは安定していると思う。英語が出来ても、外国人との交渉する能力が低い、又は、経験があまりなければ日本人の常識が通用しないので振り回される可能性は高い。実際に、外国人船長が言っている事があまり聞き取れない代理店の人間は存在するし、対応できないようなので全て「NO」で逃げている代理店の人間、そして英語で言いたい事は言っているが相手が理解出来るように説明できない代理店の人間を目る事はある。

船舶代理店業務が大変な5つの理由


1-1.休日?盆も暮れもないよ

転職サイトの募集条件を眺めていると、こんな言葉をよく見かけます。
「スケジュールの変更にも柔軟に対応できる人募集」
これ、確かに代理店には不可欠な条件ですが言い換えるとこうです。
「24時間365日いつでも働ける人のみ募集、だから文句は受け付けないよです。
船舶代理店は乙仲(輸出入手配業務)部門と一線画しており、土日も深夜早朝も関係ありません
会社の定休日が土日祝日でも喜んではいけません。
喜んでいいのは船の入出港が無いことを確認した時だけです。
つまり、船の動静に合わせて出勤スケジュールが決まります。
例えば、コンテナ船にしてみればスケジュールがきっちり決められています。
午後6時に入港して荷役が終わって午前2時に出港となれば、その間に船のオーナーにレポートを作成したり書類を作ったりして出港時間までにすべての業務を終わらせなければなりません。

特に外航船(外国からやってくる船)の代理店は、動静が大まかな情報でしか取ることができない為に代理店は週末や連休中の計画が立てることができません。
以前、土日の休暇を使って会社の同期と一緒に温泉旅行に行こうと話をしていましたが、船が土曜日に入港してしまうため私だけ行けなくてめちゃくちゃ悔しいことを覚えています・・・。(仕事中、LINEグループに楽しそうな写真が連続アップされた時はつらかった…)

繰り返しますが、代理店の休みは盆も暮れもありません
お盆だって年末年始だって船が動けば代理店も出勤するのは暗黙のルールですので文句すら言えない空気なのは言うまでもありません。

いまだに悔しい思い出があります。
これは私が船舶代理店として働き始め手間もない頃です。
当時付き合っていた彼女の誕生日の夜に予約キャンセル待ちのレストランのディナーを取り付けて、日中の仕事をサクッと終わらせて彼女を家まで迎えに行こうと思っていました。
淡い気持ちを抱きながら仕事をしていると、当時出港日を迎えていた船のエンジントラブルが見つかり、至急エンジニアを手配することになりました。
結局エンジン修理がひと段落したのが夜で、気付いた時にはディナーの時間が終わる頃でした。
その時感じたのは、船舶代理店の仕事は家族や友達、恋人までも巻き込んでしまうくらい大変な仕事なんだということです。

家族や恋人、友人と過ごすはずだった土日を犠牲にしてまで仕事に打ち込みたいのであれば船舶代理店をオススメします。

私は、、、もうやりたくありません・・・

最初に書いたが、船舶代理店に限った話ではない。外航船の仕事に関わっている人達には同じ事が言える。外航船に関係する仕事を選ぼうとする学生は同じ問題を経験する可能性がある事を知った上で判断した方が良いと思う。
代理店はこの程度で良いが、船を運航する側の人間は船が出港する、又は、事故の対応にめどが立つまでは代わりの人間がいなければ、フリーにならないと思う。まあ、会社が無責任であれば、船や船員を放置して会社を破産させて、新しい会社を設立して逃げる事は出来る。信用がない外国の会社であれば、簡単に逃げると思う。そんな会社の仕事を受ける代理店で働き、問題が起これば、代理店での仕事を辞めたくなると思う。人間的に問題のある人であれば、仕方がないと知らん顔が出来るので、大丈夫かもしれない。
「休日?盆も暮れもないよ」は外航船の代理店の仕事は最初から理解しなければならない事。ただ、他の会社で働いてもブラック企業での過労死、電通で過労から生じる自殺やうつ病などの別の意味でリスクがあるので、どちらが良いのかという話だと思う。
電通で違法残業 9月に労働基準監督署が是正勧告 12/05/19(NHK)に関して言えば「電通は4年前、新入社員だった高橋まつりさん(当時24歳)が、過労のため自殺した事件で労働基準法違反の罪に問われ、おととし有罪判決を受けています。」であっても変われないのか、変わる気がないと言う事になります。それでも電通で働きたい人達はたくさんいるので、個々の判断だと思います。
船舶代理店社員の過労死はあるのかな?知らないだけであるのかもしれないけど、激務だとは思わない。ただ、効率が悪い人だと他の人以上に働く時間が増える可能性はあると思う。

1-2.事故が起きればあいつ(代理店)のせい

道路では車の衝突事故があるように、海でも船同士衝突することがあります。
洋上で運行中は船長も責任逃れはできないのですが、港の中(在港中)だと少し違います。

実際にあった話ですが、入港時にコンテナ船が接岸する時に岸壁を破損してしまいました。
海上保安部に事故報告をしたら、すぐに海上保安部が来て燃油漏れの有無や損傷の確認をしにきました。
その後にコンテナ船長が海上保安部に事故原因を尋問された際こう言ったのです。
「代理店の指示が曖昧だったから」と。

以降代理店(私)は船長に責められっぱなしで、いわば濡れ衣着せられ状態です。
もちろんこれは「船長の過失」にあたりますので弁償は船会社です。
たとえ代理店が指示したことが本当だとしても、事故が起きた場合は操縦者の船長が全責任を取るのが普通です。
水先案内人(パイロット)が乗船した場合でも同様に、事故が起きた時は船長の責任となります。

たとえば、信号が故障した交差点で警備員が誘導したとしても車同士で事故が起きた場合はドライバーの責任と見なされるのと同じようなものです。

それでも、気を取り乱した船長の相手をしなければいけないのが代理店の役目なのです。

代理店は、そんな身もふたもないことを言われることが多々あります。
それに耐えうる心のタフさがないとやっていけないです。
本当にストレスが溜まる仕事なので、体が弱い人や女性は本当に覚悟が必要です。

日本人に比べれば外国人は自己主張が激しく、自己中心的な傾向が強いのでしっかりと論理的な英語が話せないと相手のペースに乗せられる事があると個人的に思う。ただ、外国人船長だけが悪いとは思いません。代理店の指示が悪かったり、英語の表現が曖昧だったり、相手の英語が理解出来ていないのに、勝手に解釈している代理店の人間を見ているので、上記の件では、船長が悪かったのでしょうが、代理店の人間に原因が部分的にあると思う事はあります。代理店にかなり問題があると思う事がないわけではない。山口の大島大橋にバルクキャリアが衝突した件に関しては、事実を知らないので何とも言えませんが、多くの人達が船舶代理店にも責任があったのではと言っています。つまり、法的な要求はありませんが代理店は船が安全に接岸できるように情報を提供するのは常識になっています。特に船長が船が向かっている港が初めてだったり、日本への入港がはじめてであれば必要な情報を提供しないと問題が起きる確率が上がると思う。実際に、日本人である理由だけで代理店のサポートが悪いので困ったと苦情をこちらに言ってくる事がある。日本人と言うだけで、関連性はないだろと思うがかなり不満があったのだろう。代理店の人間の中にはあまりこの事を理解していなかったり、引継ぎの人間やその会社の体制に問題があり、他の良い代理店に比べて対応は悪いところがある。個人的な意見であるが問題のある代理店や代理店の人間ほど自分達は問題があると考えていない傾向があると思う。規模が小さい代理店は他の港に行く事がないのかもしれないし、同じ港やエリアで退職まで働く可能性があるので、「井の中の蛙大海を知らず」で自分が知っている事以外は何も知らない可能性が高いと思う。そんな代理店の人間に他の代理店の話をしても意味ないし、改善する気がなければ時間の無駄だし、嫌な奴だと思われるだけなので基本的に何も言わない。代理店の組織に問題があると思う場合、人間が変わっても対応は大きく変わらない。先輩からいろいろな事を習うためなのか、その会社に染まった人間しか残らないためなのか、理由はよくわからないが、類ともの世界なのだと思っている。
悪いタイプの船長になれば平気で嘘は付く。人間はわかり合えるとは思わない方が良い。だめな人間はだめ。それは日本人でも同じ。
Ship’s officers fined USD11,000 for lying about seafarer’s near death in ship’s hold 09/25/19(IHS Markit Safety at Sea)の記事を読めば理解できるであろう。
日本人でも嘘つきはたくさんいる。外国人は言葉の問題が加わる。凄く感が良ければ英語があまりわからなくても見抜けるかもしれないが、英語が理解できないと嘘を見抜くのは簡単ではない。日本人でもそうであるが言っている事が事実ではない事がある。相手が嘘を付いていればいろいろな質問で矛盾する回答があれば嘘を付いている可能性を疑った方が良い。英語自体があまりわからない代理店の人間がいるので、そのようなケースでは、相手が嘘を言っているかを見極めるのは不可能だと個人的に思う。大手の海運会社の船でも嘘を付く船長や船員は存在するが、小さい船の船長や船員はより高い可能性で嘘を付く可能性が高いと個人的な経験で思う。サブスタンダード船サブスタンダード船と思われる船は問題が起きた時、真実よりも嘘の方が多いと思った方が良いと思う。サブスタンダード船サブスタンダード船と思われる船の仕事を受ける代理店と言う事がわかっていれば、個人的には絶対に就職しない。なぜなら、密航や麻薬の密輸などを経験する可能性が非常に高い。海難どころの話ではない。変わった経験をしてみたいのであれば反社会的かなと思われるような人が来たり、怪しい中国人が来たり、ドラマのような事が経験できるかもしれない。サブスタンダード船を訪船したばかりに、勘違いされて警察に張られたり、税関に尾行されたことがある。サブスタンダード船に思われる船は問題が起きた時、真実よりも嘘の方が多いと思った方が良いと思う。サブスタンダード船サブスタンダード船に思われる船を頻繁に扱う代理店は税関、海保、そして警察に対して非常に頭が低い。そしてそれ以外の人達には対しては対応が悪い傾向が高いと思う。問題が起きた時に出来るだけ穏便な対応をお願いしないといけないので、良いイメージを与えているのだと個人的に解釈している。サブスタンダード船サブスタンダード船に思われる船が麻薬や密航で新聞記事の乗る確率は高い。怪しいなと思う船の1割ぐらいは数年後に新聞記事になる事がある。犯罪に使われる可能性が高い。犯罪に使われる船は船名や国籍が頻繁に変わったりするので良く知っている人でないと同じ船であるのかわからないと思う。 この代理店は悪いなと思っていても、税関や海保職員に印象を聞くと良い代理店だと驚く評価が返ってくる事が多い。俳優や芸能人のイメージが本人の性格だと誤解する人達が多いように事実と相手に与えるイメージが同じでないない事がある一例だと思う。
船員が外出して帰ってこず、税関に報告するか、出港まで待つか、騒いでいた船に行った事がある。個人的に関係ないので他人事で傍観者でいられたが責任感がある人だと問題のある代理店で続かないと思った。まあ、メンタルをやられるか、転職するか、又は、順応して、嘘をついたり、嘘の報告書を平気で書くようになるかのどれかだと思う。嘘つきは代理店の人間の始まりと思うぐらい、嘘ばかりを言う人間は実際にいた。
個人的に言えば、船舶代理店の人の中には普通の人だったり、良い人はいるのですが、経験から言えば、親切でない人や自己中心的な人が多いと感じるので基本的には代理店の人間は同じ日本人の中では嫌いなカテゴリーに入ります。まあ、仕事を出来るだけ増やしたくない、面倒な事は嫌だと考えて仕事をすれば、立場が違う側にとっては不親切に感じるのは当然だと思います。違う立場の人間で利害関係が一致しなければ、良い印象を持たないのは仕方がないと思います。

1-3.船長の一存で仕事が変わる

船長が右と言えば皆右を向きます。
現場(船の上)では船長が絶対です。
船員はもちろん、船会社にとっても船員の命を預けている船長に対してものを強く言えない場面があります。

船長も威厳あるべきものと固定概念が強いので、どっしり構えている船長が多いのも事実です。
船長と常にコンタクトをとらなければならない代理店にとっては、船長の性格や気分がどの程度なのかによって代理店のモチベーションも変わってきます。
なぜかというと船長の気分次第で代理店の仕事量が変わるからです。

船長が「タバコが切れた。手配してくれ」と言われれば代理店が買いに行き、
「インドネシア船員が腹痛いと言っている。医者に連れて行ってくれ」と言われれば医者に連れて行きます。
そんな雑務をしなければいけないのはすべて船長の指示だからです。
船舶代理店たるもの、そこで文句を言わずに言われた通りに手配をします。
こんなに理不尽でストレスが溜まる仕事はそうないと思います。

都会に近い港であれば、船員の交代や船員を医者に連れて行くだけの会社や人間がいるので、船員を医者に連れて行く必要はない。また、港が田舎過ぎると英語で対応出来る医者や病院がないので、緊急の場合を除いては諦める事が多い。
いろいろな船の船長と話した情報から言えば、ILOやMLCで船員が医療措置を求めれば船長は船員の要求に対応しなければならない事になっている。まともな海運会社であればあるほど船員の要求には対応する傾向が高い。悪質な会社であれば、医療費が安い港まで我慢させる。船員が死亡したら、冷凍庫に入れておくなど信じられない事を行う事があったようだ。しかし、現在は国際条約が改正され、MLCが適用され、PSC(外国船舶監督官)が寄港国の権利として検査するようになって状況は良くなっているが、問題がなくなったわけではないと個人的に思う。船員の話をすれば、代替、9カ月、コンテナ船であれば、3カ月間、船に乗船しているので、デートなどは出来ない。昔であれば、売春婦を手配したりする事があったそうだが、ISPSが適用されてからそのような話を聞いたことがない。イタリアで座礁し、多くの犠牲者が出た客船、コストコンコーディアでは船員名簿に載っていない人がいたと書いてある記事があり、密航者、又は、売春婦ではないのかとの書いていた記事があった。船の接岸、又は、荷役時間が短縮されたので、のんびり観光や遊びに行けなくなったと言う船長は多い。
船の次港(出港後に向かう港)まで一カ月以上から数カ月ほどかかる事があるし、病院が近くにない港の場合がある。そのような状況で船員が病院に行きたいと言うのを無視する事が正しい判断とは思わない。それを理解していない代理店社員は悪質な船長と同レベルの自己中心的な人間だと思う。海運会社、又は、日本の総代理店とどのような契約を行っているのか次第であるが、船をサポートするのが船舶代理店の仕事なので、それが出来ない代理店は、お金がある海運会社からすれば変える選択肢があれば変えたと思うであろう。お金がある海運会社はお金よりもサポートを重視する。お金がない、又は、お金をかけたくない会社は、コストを優先する。コストを優先する会社は船や船員のコストに対してもお金をかけないので、問題が発生する傾向が高い。
買い物を拒否する代理店はあるので、代理店が海運会社や日本の総代理店とどのような契約をしているのかが重要だと思う。代理店で働いたことがないので、事実は知らない。ただ、船舶代理店と言っても、対応がかなり違うので船舶代理店の会社次第だと思う。
個人的な意見だが、船長と言ってもいろいろな国籍の船長がいるし、雇われ船長と同じ会社で働いた年数が長い船長がいる。船長の性格や個性があるが 、国籍次第で一般的な国民性や傾向はある。また、海運会社次第でどのようなレベルの船長であるか推測する事は出来る。
船の中では船長の権限はトップである。権限と共に責任が伴う。また、国際条約で、建前ではあるが、文書で安全や環境問題の関して会社からの圧力は受けずに船長が判断できると記載する事が要求されている。会社次第であるが、代理店の変更を要求できるほど会社から信頼を受けている場合があるので代理店の対応次第で船長の要求が正当だと判断されれば変わる事はあると思う。
海運会社や船長次第であるが、海運会社からの圧力と船に関する事故や問題に関する船長の責任で悩んでいる船長は存在する。会社が違法行為やコストがかかるので安全の軽視を強要する事があるそうである。問題が発覚した時、船長の責任にする会社は存在するので、能力が高くないがまじめな船長は悩む傾向が高い。建前は会社は船長に対して違法行為や安全の軽視に関して圧力をかけてはいけないし、圧力をかけない事を文書にしている。ただ、現実の世界では違う。それは、日本の会社でも同じ事が言えると思う。ブラック企業や過労死を認めない会社に関する訴訟の記事を考えれば、日本にも別の形の問題があるのは明らかだと思う。かなり自己中心的な船長であれば嘘は付くし、何でも人のせいにするし、言い訳は多いので、船長のストレスは少ないと思う。会社の顔色をすごく気にする船長は個人的に正しと思っても、サインする前に会社の確認が必要と言う事がある。時差がある時には結構、待たされる。会社によっては船長が勝手に判断したケースが気に入らないければ船長の仕事がなくなる場合があるようだ。どの世界もいろいろと知るとメリットとデメリットがあると思う。
船長の事を短時間で理解して対応を予測できれば「理不尽」や「ストレス」は軽減できると思う。ただ、代理店の上司が無能だったり、経験や知識が乏しければ、上司の立場や利益を主張すると思うので、「ストレス」はたまると思う。無能な上司は百害あって一利なしと思う。まあ、そんな上司ばかりの会社であれば、そんな会社を選んだ運の悪さと就職活動の時に会社を見る目がなかったと思い、転職するか、がまんするかを判断するしかないと思う。

1-4.煩雑な業務に終われる毎日

船舶代理店の求人でよく見かける業務内容には次のようなものがあります。

船舶の運行管理
船長と打ち合わせ
本船入出港の手続き
クライアントにレポート

これはあくまで一部です。
書類作成に至っても、非常に時間がかかって負担が半端ないです。
外国人船員が帰国するなら入国管理局へ、海で事故が起きれば海上保安部へ、出入通関貨物の手続きが止まれば税関へ書類を作成しなければいけません。
また、規制やチェック体制が窓口担当者によって左右される為に属人性の高い仕事です。

代理店で勤務した経験がないので何とも言えない。税関と海保について思う事は、上から目線で傲慢な奴らがいると思う。こんな奴らに頭を下げなくてはならない代理店で働いてない事は良い事だと思う。権限を持っているので、嫌がらせをされたら困る。彼らはいちゃもんを付ける事が出来る。彼らが勘違いして「俺がいる限り、絶対に許可を出さない。」と言われたことがある。代理店でないので全然関係ないけど、代理店でそんなこと言われたらうつ病になるかもね!
逆に税関と海保と上手くやれば、普通は認められない事が通る。接待や贈り物か何かで親密な関係があるのではと疑ってしまう対応を経験したことがある。警察ではないし、調査する権限がないので事実確認は出来ない。しかし、過去に出会った税関や海保職員と比べて明らかに違う対応なので何か裏があると個人的に思った。
確実なケースでは、代理店の虚偽申請を税関が故意に見逃した事が知っている。理由はわからない。あと、税関職員が嘘を言った事がある。いろいろな経験から個人的には公務員であっても信用できる情報や根拠がなければ信用しない。2019年の12月に「桜を見る会」がメディアで取り上げられている。官僚や公務員の説明を見れば、まともな事を言っていないと思える。船舶代理店に就職したいと強く思いがなく、公務員の試験に受かるの能力があるのであれば、嘘や言い訳を考えて高給が貰える公務員になるほうが良いと思う。まあ、嘘を付く意味ではどちらも同じだと思う。個人的な判断で嘘を付くのか、組織の強要や圧力で嘘を付くのかわからないが、嘘を付く事に抵抗がある人は、比較的に良心的な会社で就職する方が個人的に良いと思う。

1-5.周りに理解してもらえない

船舶代理店は、基本ワンマンで仕事します。
現場で代理店一人で判断をする為、やりがいは満点ですが責任も大きいです。
外航からやってくる船長にとっては、代理店が会社の代表であり港の代表でもあります。
いろんな辛さを抱えて仕事していても、会社の多部署(海貨業者とか通関課)からしたら全く仕事内容を理解してもらえません。

実際に、上長の判断を仰ぐ案件で課長や部長に話しても「ん?あ〜そうなの?じゃあやって」とまっったく代理店の業務がわかっていないので結局当事者の判断が最終決定となるのがオチです。
他の物流業務とまるで違うので、代理店の本当の辛さは代理店を経験したものでないとわからない部分があります。

それでも代理店業務を選ぶなら

それでも船舶代理店業務を選ぶのなら、あらかじめ英語を学ぶことをオススメします。
外航船の船長は外国人のケースが多いので、英会話を鍛えておくと周りから評価されます。
レポートや書類作成関係はメールで送ることが多いので、英語の「読む」「書く」能力も伸ばしておきましょう。

ぶっちゃけどのくらいの英語スキルが必要なのか?

船舶代理店になるにはTOEIC何点取ればいいのかを気にしている人は、500点を基準にしてもらえればいいです。
実際に代理店として働いている私もTOEIC490点ですので。笑
ただし、TOEICはあくまでテストのスコアなので鵜呑みにしないこと。
まずは実践第一です。

変わった業種や仕事であれば船舶代理店業務に限らず周りに理解してもらえないのは普通の事だと思う。同じ会社でありながら多部署(海貨業者とか通関課)の理解度がないのは、会社や組織の問題だと思う。いろいろと知りすぎると自己中心的でない人は無理を言えないので知らない方が良いと思って、会社や上層部の人達が理解する機会や情報を与えていない可能性はあると思う。同じ業務や業種であっても会社が違えば大きな違いがあると個人的に思う。日本では転職は少ないが、外国ではこの会社はだめだと思えば、他の会社に移るだけの実績や能力があると本人が思えば、変わる。その意味では日本の会社の方がストレスは高くなる傾向は高いと思う。外国人の知り合いは多いが、同じ組織や会社にいる人達はほとんどいない。ただ、転職をしながら他社と比べてこの会社は居心地が良いと本人が感じ、会社側も雇用を維持したいと思えば、同じ会社に長くいる傾向があるようだ。
船に関係ない人に船に乗っていると言えば、漁師なのか思う人がいるそうだ。イメージと現実が違う事がある。テレビのドラマが現実に近い形で作られていれば良いが、エンターテインメントの優先のために美化したり、面白おかしく作られていれば勘違いする人が多い。日本に限らず、教育や知性のレベルが低い人達は、テレビのドラマや映画を見て本当だと思う傾向が高いらしい。実際に、大学レベルの調査でそのような結果が多いと読んだことがある。
英語に関しては英語の試験など受けた事がないから何とも言えない。TOEICに関してだが高得点を取った人でも話せない人がいるそうなので、あくまでも参考だと思う。船長の国籍に関して英語がネイティブの船長はほとんどいないので、英語になまりがあったり、船長の出身国の独特なアクセントがあったり、英語の表現に違いがあるので結局、いろいろなアクセントや表現になれるしかないと思う。英語が出来ても小型の外航船の船長だと英語が得意でない場合があり、英語がネイティブでない外国人との会話の仕方に慣れていないと、相手がこちらを理解していなかったり、間違って解釈している事がある。
単純に英語のスキルと言っても英語のテストの得点は参考程度にしかならないと思う。船長の国籍や海運会社次第では、単純にコミュニケーションを取るだけでなく、ロジカルに会話を組み立てないと相手有利の展開になる事がある。相手が納得していないのに一方的に言いたい事だけを言うと相手が不満に思ったり、不快に思う船長はいる。同じ事を英語で言っても、船長が違えば、捉え方が違う事がある。
英語のコミュニケーション能力が高ければ、代理店業務が好きでなければ、他の仕事の方が良いと思えるので、個々の価値観や基準次第だろう。
一部の代理店だけだが、なかり上から目線で、威張り散らす人達が存在する。個人的にこの基準や違いがわからないが、税関や財務省からの天下りを受け入れているとか、親会社の力と言う人がいる。結局、船舶代理店と言っても、会社次第で、似たような業務であっても大きな違いがあると言う事なのだろう。海運会社の日本の総代理店は実際に現場に行かずに港の船舶代理店を使って、楽して結構稼いでいるイメージがある。単純に英語を使いたいだけなら、個人的な意見であるが日本の総代理店をやっている会社での就職の方が良いと思える。ただ、英語の能力は港の船舶代理店以上に要求されるような気がする。使う英文も高度に思える。実際に船に行かないので、港の代理店よりも楽そうに思える。
今後、外航海運や外航船に関係する仕事に関して日本人はこれまで以上に減り、法的な制限がなければ、外国人が増えると思う。その事を考えて他の選択肢と比べてどうしたいのか考えれば良いと思う。日本は海外との貿易なしには存在できない。輸入も輸出もなくならない。ただ、外国人労働者が増えれば賃金は下がっていくと思う。日本は保守的ないので税関に関するシステムが大きく変わるとは思えないが、英語の申請でも受け付けても良いとなれば日本人でなくてもよい。良く知らないし、それほど興味がないが、外国人で代理店で働いている人を見かけるようになった。これで法的に問題なく、安く雇えるのであれば、日本人を雇う必要はないと思う。
人はそれぞれやりたい事、興味がある事、実際に選択できる能力があるのか、優先順位、住みたいエリアそしてその他の項目で最終的な選択肢が違ってくると思うので、やりたい人、又は、多くの選択肢がない人がやれば良いと思う。

次の更新まで続く


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最近の不適切な管理と言えば、関西電力 の美浜原発3号機(福井県美浜町)蒸気噴出事故。 どこの世界も同じなのでしょう。

Korea-flagged cargo M/V sank. According to Syrian Ministry source, ship overloaded & in a poor condition. (Thurs. April 21 2005)

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海上人命安全条約附属コード集 任意ISM審査の案内:日本海事協会
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無法地帯を遊泳する国際海運業者

不正はいろいろな組織で存在する!

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